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大相撲令和3年1月場所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大相撲令和3年1月場所
国技館
基本情報
会場 国技館(両国国技館)
番付発表 2020年12月24日
開催期間 2021年1月10日~1月24日(15日間)
各段優勝・三賞
幕内最高優勝 大栄翔勇人(13勝2敗)
十両優勝 剣翔桃太郎(12勝3敗)
幕下優勝 魁猛(6勝1敗)
三段目優勝 小城ノ浜翔馬(7戦全勝)
序二段優勝 野上豪規(7戦全勝)
序ノ口優勝 熱海富士朔太郎(6勝1敗)
殊勲賞 大栄翔勇人(3回目)
敢闘賞 該当者なし
技能賞 照ノ富士春雄(2回目)
大栄翔勇人(初受賞)
翠富士一成(初受賞)
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大相撲令和3年1月場所(おおずもうれいわさんねんいちがつばしょ)は、2021年(令和3年)1月10日から1月24日までの15日間、東京都墨田区国技館(両国国技館)で開催されていた大相撲本場所である。

概要

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行に伴い、先場所の2020年11月場所に続いて、人数制限をかけての開催となった。

先場所優勝した大関・貴景勝が綱取りに挑む場所とあって話題になった。

1月場所に関する時系列
2020年
  • 11月26日 - 1月場所の開催概要を発表[1]。1日当たり席数上限は約5300席[1]
  • 12月18日 - 国技館で合同稽古が始まる[2]
  • 12月24日 - 番付発表[3]
  • 12月31日 - 荒汐部屋の幕内・若隆景の感染を発表[4]
2021年
  • 1月1日 - 荒汐親方、十両・若元春ら荒汐部屋の11人が感染したと発表[5]
  • 1月4日 - 日本相撲協会芝田山広報部長はこの場所を予定通り開催する方針を示し、中止、延期、無観客開催を否定した[6]
  • 1月4日 - 湊部屋の幕内格行司・木村元基の感染を発表[7]
  • 1月5日 - 横綱白鵬新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染を発表[8]
  • 1月8日 - 横綱鶴竜が4場所連続19度目の休場を発表[9]
  • 1月9日 - 日本相撲協会構成員のPCR検査を実施した結果、西前頭13枚目千代翔馬九重部屋)ら5人の陽性反応が確認されたため、陽性反応確認者又は濃厚接触者と認められる関取15名を含む65名の力士及び年寄、行司など協会員について全員初場所の休場措置を執ることとなった[10]
    • 親方など力士以外の協会員18人を含めると83人。腰痛で休場する鶴竜を含めると十両以上の関取の休場は初日では戦後最多となる16人。幕内の取組数は本来の21番から18番、十両は14番から9番に激減する見通しとなった[11]
  • 1月19日 -大関貴景勝の休場発表。
  • 1月24日 - 千秋楽、幕内は西前頭筆頭の大栄翔隠岐の海を突き出しで下し13勝2敗で初優勝した。大栄翔は埼玉県出身で、埼玉県出身者及び追手風部屋所属力士の幕内最高優勝も初めて[12]。また、三賞のうち技能賞は受賞者が史上初めて3人(関脇照ノ富士、大栄翔、翠富士)になった[13]

番付・星取表

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幕内

東方 番付 西方
備考 成績 力士名 力士名 成績 備考
全休[注 1] 白鵬 横綱 鶴竜 全休
2勝8敗5休 貴景勝 大関 正代 11勝4敗 カド番
カド番 11勝4敗 朝乃山 大関
再関脇
技能賞
11勝4敗 照ノ富士 関脇 隆の勝 9勝6敗
9勝6敗 髙安 小結 御嶽海 9勝6敗
7勝8敗 北勝富士 前頭1 大栄翔 13勝2敗 幕内最高優勝
殊勲賞
技能賞
9勝6敗 宝富士 前頭2 若隆景 全休[注 1]
2勝13敗 琴勝峰 前頭3 阿武咲 9勝6敗
4勝11敗 栃ノ心 前頭4 玉鷲 6勝9敗
7勝8敗 遠藤 前頭5 隠岐の海 7勝8敗
4勝11敗 竜電 前頭6 6勝9敗
8勝7敗 明生 前頭7 翔猿 6勝9敗
3勝12敗 德勝龍 前頭8 霧馬山 8勝7敗
全休[注 2] 千代の国 前頭9 妙義龍 8勝7敗
9勝6敗 志摩ノ海 前頭10 碧山 6勝9敗
全休[注 2] 千代大龍 前頭11 琴恵光 6勝9敗
9勝6敗 逸ノ城 前頭12 照強 7勝8敗
5勝10敗 天空海 前頭13 千代翔馬 全休[注 1]
9勝6敗 豊昇龍 前頭14 翠富士 9勝6敗 新入幕
技能賞
7勝8敗 豊山 前頭15 琴ノ若 10勝5敗
全休[注 2] 魁聖 前頭16 明瀬山 9勝6敗 再入幕
5勝10敗 佐田の海 前頭17

十両

東方 番付 西方
備考 成績 力士名 力士名 成績 備考
全休[注 2] 石浦 十両1 大奄美 8勝7敗
全休[注 2] 千代丸 十両2 千代ノ皇 全休[注 2]
全休[注 2] 炎鵬 十両3 美ノ海 7勝7敗1休
5勝10敗 松鳳山 十両4 旭秀鵬 全休[注 2]
全休[注 1] 若元春 十両5 千代鳳 全休[注 1]
7勝8敗 東龍 十両6 英乃海 11勝4敗
全休[注 2] 旭大星 十両7 錦木 4勝11敗
十両優勝 12勝3敗 剣翔 十両8 大翔丸 11勝4敗
5勝10敗 常幸龍 十両9 琴勇輝 4勝11敗
10勝5敗 宇良 十両10 水戸龍 8勝7敗
全休[注 2] 千代の海 十両11 王鵬 5勝10敗 新十両
8勝7敗 白鷹山 十両12 貴源治 8勝7敗
6勝9敗 十両13 矢後 8勝7敗 再十両
再十両 6勝9敗 竜虎 十両14 東白龍 8勝7敗 新十両


赤文字は優勝力士の成績。

優勝争い

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 優勝争いは、西前頭筆頭の大栄翔が初日から8連勝と、自身初の中日勝ち越しを決め、中日時点で単独トップに立った。この時点で、1敗はおらず、2敗で大関・正代、平幕の明生霧馬山明瀬山の4人が追う展開となった。

 また、大栄翔は出場している役力士7名をすべて破る快挙を果たした。

 大栄翔は9日目にここ数場所苦手としている宝富士叩き込みで敗れたほか、11日目には阿武咲にも敗れ、2敗に後退。11日目時点で2敗で正代、大栄翔が並び、3敗で大関・朝乃山と平幕・明生が追う展開となった。

 12日目には大栄翔は明生と対戦。土俵際まで追い込まれるも、辛くも勝利。正代も竜電を危なげなく破る一方、朝乃山は照ノ富士に敗れ、4敗に後退。2敗で正代、大栄翔が残り、3敗は不在となった。

 14日目、大栄翔は玉鷲を叩き込みで破り、2敗を守る一方、正代は照ノ富士に激戦の末敗れ、3敗に後退。再度、大栄翔が単独トップに立った。

 千秋楽、大栄翔はここまで7勝7敗と勝ち越しがかかる隠岐の海突き出しで破り、優勝が決定した。

 正代は千秋楽結びの一番で朝乃山に敗れ、4敗。両大関と関脇照ノ富士が11勝4敗と優勝次点となった。

備考

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 綱取りが注目された貴景勝は初日から4連敗となった。9日目時点で2勝7敗となり、10日目より休場した。

 カド番の正代、朝乃山はそれぞれ10日目、11日目に勝ち越しを決め、カド番を脱した。

 横綱審議委員会より注意決議を受けた両横綱は、白鵬は新型コロナウイルスに感染したため、休場を余儀なくされた。鶴竜は腰椎すべり症による腰痛の影響で休場となった。このため、3場所連続、横綱が初日から休場という事態が生じた。

 三賞は役力士を総なめにした大栄翔の殊勲賞が条件なしで決定。

 敢闘賞は35歳の再入幕で14日目時点で9勝5敗と星を伸ばした明瀬山と、再入幕後に初の勝ち越しを決めた琴ノ若が、共に千秋楽の勝利を条件に受賞対象となったが、どちらも敗れ、敢闘賞受賞者は不在となった。

 技能賞は照ノ富士と新入幕の翠富士が千秋楽の勝利を条件に受賞対象となり、どちらも勝利し、技能賞受賞が決まった。また、大栄翔も優勝を条件に受賞対象となり、こちらも優勝が決まったこともあり、技能賞を受賞。一場所で3人が技能賞を受賞したのは、史上初のことであった。

 また、翠富士は勝利した9勝のうち、5勝が肩透かしによるものであったことが話題となった。

 照ノ富士は両大関を破る活躍を見せ、11勝4敗で場所を終えた。先場所の13勝と合わせ、3月場所は大関とりとなる。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b c d e 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染のため。
  2. ^ a b c d e f g h i j 新型コロナウイルスに感染した部屋所属力士と濃厚接触した可能性があり、感染拡大防止のため。

出典

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  1. ^ a b "来年初場所は一日5300人に微増、芝田山部長「世の中の状況を見据えて」新型コロナ感染状況で変更も". スポーツ報知. 報知新聞社. 26 November 2020. 2021年1月8日閲覧
  2. ^ "初場所へ合同稽古が開始…白鵬、鶴竜の両横綱も参加". スポーツ報知. 報知新聞社. 18 December 2020. 2021年1月8日閲覧
  3. ^ "大相撲 星取・番付表". スポーツナビ. Yahoo! Sports. 24 December 2020. 2021年1月8日閲覧
  4. ^ "幕内・若隆景がコロナ陽性". スポーツ報知. 報知新聞社. 31 December 2020. 2021年1月8日閲覧
  5. ^ "大相撲 荒汐部屋で12人の集団感染 初場所の出場は困難に". スポーツ報知. 報知新聞社. 1 January 2021. 2021年1月8日閲覧
  6. ^ 初場所は予定通り 広報部長は延期、無観客も否定 日刊スポーツ 2021年1月4日19時47分 (2021年1月5日閲覧)
  7. ^ "湊部屋で行司1人がコロナ陽性 12月には湊親方が感染". スポーツ報知. 報知新聞社. 4 January 2021. 2021年1月8日閲覧
  8. ^ "白鵬がコロナに感染". スポーツ報知. 報知新聞社. 5 January 2021. 2021年1月8日閲覧
  9. ^ "横綱・鶴竜が休場". スポーツ報知. 報知新聞社. 8 January 2021. 2021年1月8日閲覧
  10. ^ "千代翔馬ら5人感染 関取15人含め力士65人休場". ニッカンスポーツ・コム. 日刊スポーツ新聞社. 9 January 2021. 2021年1月9日閲覧
  11. ^ コロナで初場所休場83人 九重部屋など4部屋“全滅”、感染拡大なら打ち切りも Sponichi Annex 2021年1月10日 05:30 (2021年1月10日閲覧)
  12. ^ 大栄翔が悲願のV “角界戦国時代”象徴する幕開け」『日刊スポーツ』2021年1月24日。2021年1月24日閲覧。
  13. ^ 大栄翔Vに花添えた…役力士総なめで殊勲賞と技能賞」『日刊スポーツ』2021年1月24日。2021年1月24日閲覧。