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如来

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
仏教用語
如来
サンスクリット語 Tathāgata
チベット語 དེ་བཞིན་གཤེགས་པ་
中国語 如来
(拼音rú laí/ Cantonese=yu loi)
日本語 如来
(ローマ字: nyorai)
朝鮮語 여래
(RR: yeorae)
英語 One who has thus gone
クメール語 តថាគត
(tathakut)
モンゴル語 ᠲᠡᠭᠦᠨᠴᠢᠯᠡᠨ ᠢᠷᠡᠭᠰᠡᠨ
Түүнчлэн ирсэн
タイ語 ตถาคต
ベトナム語 Như Lai
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如来(にょらい)とは、サンスクリットタターガタ: तथागत, tathāgata)の漢訳であり、語義は諸説あるが、仏教釈迦や諸仏の称呼に用いられる[1]

仏陀の10の称号である十号の一つ[2][3]。如来を総名として十号の内に数えない場合もある(十号#異説を参照)[4]

語義

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原語: तथागतtathāgata、タターガタ)であり、多陀阿伽陀(ただあかだ)、多陀阿伽度(ただあかど)などと音写し、如来如去と訳す[4][2][注釈 1]この上なき尊い者という意味で無上上ともいわれる[要検証][4]

解釈

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ブッダゴーサ(仏音)による解釈

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ブッダゴーサによる語義釈[5]の全てではないが、一部として、

  1. tathā āgata(如く到れる) - 「(古仏と)同じく一切を知る智慧に到達した者」。過去に出現した古仏がみな一切智性に到達した様に、同様に釈迦牟尼仏も一切智性に到達したため。
  2. tathā gata(如く去れる) - 「(古仏と)同じくすべての煩悩を滅して去る者」。
  3. tatha-lakkhaṇaṃ āgata(真如相に通じる) -  「真如 (tatha タタ) の特徴を悟った者」。

などがある。

中村元による解釈

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仏教学者の中村元によれば、「タターガタ」(tathāgata)とは本来、「そのように行きし者」「あのように立派な行いをした人」という語義であり、仏教・ジャイナ教・その他の古代インド当時の諸宗教全般で「修行完成者」つまり「悟りを開き、真理に達した者」を意味した語であるが、「如来」という漢訳表現には「人々を救うためにかくのごとく来たりし者」という後世の大乗仏教的な見解がひそんでいて、初期仏教における語義とは乖離があるという[6]

真身如来

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如来とは、如実の道に乗じて、正覚を来成するが故に、如来という。
(如来者乗如実道来成正覚故曰如来)
如実にして来なるが故に如来と名づく。…何れの法を如と名づくや?涅槃を如と名づく…知る故に来と名づく…来の義はかくのごとし。涅槃を如と名づけ、知解を来と名づく。涅槃を正しく覚するが故に如来と名づく。
(如実而来故名如来…何法名如涅槃名如…知故名来…来義如是。涅槃名如。知解名来。正覚涅槃故名如来。)
如実の道より来る。故に名づけて如来と為す。
(如実道来故名為如来)
大智度論

応身如来

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如来というは如を体とし、しこうして来たる。故に如来と名づく…

問う。如を体とし、しこうして来るが故に如来と名づくとは、是れ応身にして来の義あるべし。真如法身には、いかんが来あるや。

答う。本は隠れしが今顕れるが如く、また来と称するを得。
(二釈名門者。体如而来。故名如来。又如諸仏。故名如来。問。体如而来。故名如来。此是応身可有来義。真如法身云何有来。答。如本隠今顕。亦得称来。)
吉蔵『勝鬘宝窟』
つつしんで真実の証を顕さば、すなはちこれ利他円満の妙位、無上涅槃の極果なり。すなはちこれ必至滅度の願(第十一願)より出でたり。また証大涅槃の願と名づくるなり。しかるに煩悩成就の凡夫、生死罪濁の群萌、往相回向の心行を獲れば、即のときに大乗正定聚の数に入るなり。正定聚に住するがゆゑに、かならず滅度に至る。かならず滅度に至るはすなはちこれ常楽なり。常楽はすなはちこれ畢竟寂滅なり。寂滅はすなはちこれ無上涅槃なり。無上涅槃はすなはちこれ無為法身なり。無為法身はすなはちこれ実相なり。実相はすなはちこれ法性なり。法性はすなはちこれ真如なり。真如はすなはちこれ一如なり。しかれば弥陀如来は如より来生して、報・応・化、種種の身を示し現じたまふなり。

如来の例

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「如 (tathā、タター) 」の後に来る語を「去れる (gata、ガタ) 」とするか「来れる (āgata、アーガタ) 」とするかで如去如来漢訳し分けられる[要出典]

出典

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  1. ^ 『岩波 仏教辞典』第二版、岩波書店、2002年。
  2. ^ a b 如来(にょらい)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年10月23日閲覧。
  3. ^ 十号(じゅうごう)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年10月23日閲覧。
  4. ^ a b c 総合仏教大辞典編集委員会(編)『総合仏教大辞典』 下巻、法蔵館、1988年1月、1124-1125頁。 
  5. ^ 荻原雲来『怛他伽多(tathagata)と云ふ語の起原と其の意義』
  6. ^ 中村元 『ブッダ最後の旅』 岩波書店〈岩波文庫〉pp.263-264[要追加記述]
  7. ^ 親鸞 『[顕浄土真実教行証文類]』「証巻」 聖典註釈版、p.307[要追加記述]

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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