安芸郡 (広島県)
表示
(安芸地方から転送)
人口116,285人、面積73.65km²、人口密度1,579人/km²。(2024年10月1日、推計人口)
下記の4町を含む。
郡域
[編集]1878年(明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記4町のほか、下記の区域にあたる[1]。
歴史
[編集]律令制下に置かれた郡であるが、その領域は現在よりもずっと広かった。しかし、平安時代には南北に分けられ、それぞれ安北郡・安南郡となった。1664年(寛文4年)、江戸幕府の指示により安北郡は高宮郡、安南郡は安芸郡と再改称。1898年(明治31年)、高宮郡は沼田郡と合併して安佐郡となった。
近世以降の沿革
[編集]- 広島城下(一部)[2]、牛田村、新山村、戸坂村、中山村、温品村、矢賀村(現・広島市東区)、府中村、仁保島、船越村、海田市、奥海田村、畑賀村、中野村、下瀬野村、上瀬野村、熊野村、苗代村、栃原村、川角村、平谷村、押込村、焼山村、矢野村、坂村、大屋村、吉浦、和庄村、庄山田村、宮原村、警固屋村、瀬戸島、蒲刈島、倉橋島、渡子島、江田島、大黒村、段原村、比治村、矢賀村(現・広島市南区)、尾長村、古川村、大須賀村、明星院村、白島村[3]、山崎新開[4]、大須新開[5]、東新開[6]、皆実新開[7]
- 明治4年7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により広島県の管轄となる。
- 明治11年(1878年)11月1日 - 郡区町村編制法の広島県での施行により、下記の変更が行われる。(38村)
- 明治15年(1882年)(34村)
- 新山村が牛田村に、山崎新田が広島区段原村にそれぞれ合併。
- 明星院村および古川村の一部が広島区大須賀村に合併。
- 古川村の残部が広島区尾長村に合併。
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。[ ]は合併した村。(1町29村)
- 明治24年(1891年)7月27日 - 蒲刈島村が分割し、一部[10]に上蒲刈島村、残部に下蒲刈島村がそれぞれ発足。(1町30村)
- 明治25年(1892年)9月1日 - 和庄村が町制施行して和庄町となる。(2町29村)
- 明治32年(1899年)7月1日 - 郡制を施行。郡役所が和庄町に設置。
- 明治35年(1902年)
- 明治37年(1904年) - 仁保島村の一部[11]が広島市に編入。
- 明治39年(1906年)
- 大正5年(1916年)2月11日 - 吉浦村が町制施行して吉浦町となる。(4町24村)
- 大正6年(1917年)
- 大正7年(1918年)10月1日 - 熊野村が町制施行して熊野町となる。(6町22村)
- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正14年(1925年)2月1日 - 江田島村が佐伯郡津久茂村を編入。
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和3年(1928年)
- 昭和4年(1929年)4月1日 - 仁保村・矢賀村・牛田村が広島市に編入。(5町18村)
- 昭和6年(1931年)4月1日(5町16村)
- 昭和7年(1932年)4月1日 - 音戸町・渡子島村が合併し、改めて音戸町が発足。(5町15村)
- 昭和12年(1937年)1月1日 - 府中村が町制施行して府中町となる。(6町14村)
- 昭和22年(1947年)8月1日 - 下蒲刈島村の一部[12]が分立して向村となる。(6町15村)
- 昭和25年(1950年)8月1日 - 坂村が町制施行して坂町となる。(7町14村)
- 昭和26年(1951年)
- 昭和27年(1952年)6月1日(11町11村)
- 昭和30年(1955年)4月10日 - 戸坂村が広島市に編入。(11町10村)
- 昭和31年(1956年)
- 昭和37年(1962年)1月1日 - 下蒲刈島村が町制施行・改称して下蒲刈町となる。(13町1村)
- 昭和48年(1973年)3月20日 - 瀬野川町が広島市に編入。(12町1村)
- 昭和49年(1974年)11月1日 - 安芸町・熊野跡村が広島市に編入。(11町)
- 昭和50年(1975年)3月20日 - 矢野町・船越町が広島市に編入。(9町)
- 平成15年(2003年)4月1日 - 下蒲刈町が呉市に編入。(8町)
- 平成16年(2004年)11月1日 - 江田島町が佐伯郡能美町・沖美町・大柿町と合併して江田島市が発足し、郡より離脱。(7町)
- 平成17年(2005年)3月20日 - 音戸町・倉橋町・蒲刈町が呉市に編入。(4町)
変遷表
[編集]自治体の変遷
明治以前 | 明治12年 | 明治15年 | 明治22年 4月1日 町村制施行 |
明治22年 - 大正15年 | 昭和元年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和39年 | 昭和40年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
仁保島村 | 一部[11]を除く | 仁保島村 | 仁保島村 | 仁保島村 | 仁保島村 | 大正6年8月31日 改称 仁保村 |
昭和4年4月1日 広島市に編入 |
広島市 | 広島市 | 広島市 | 広島市 南区 |
一部[11] | 明治37年9月15日 広島市に編入 |
広島市 | |||||||||
山崎新田 | 山崎新田 | 広島区 | 広島市 | 広島市 | |||||||
矢賀村 | 広島区 | ||||||||||
大黒村 | |||||||||||
段原村 | |||||||||||
比治村 | |||||||||||
東新田 | |||||||||||
皆実新田 | |||||||||||
大須新田 | |||||||||||
大須賀村 | 一部 | ||||||||||
一部 | 広島市 東区 | ||||||||||
尾長村 | |||||||||||
広島城下 | 広島市 中区 | ||||||||||
白島村 | |||||||||||
古川村 | 古川村 | 広島市 東区 | |||||||||
明星院村 | 明星院村 | ||||||||||
牛田村 | 牛田村 | 牛田村 | 牛田村 | 牛田村 | 昭和4年4月1日 広島市に編入 | ||||||
新山村 | 新山村 | ||||||||||
矢賀村 | 矢賀村 | 矢賀村 | 矢賀村 | 矢賀村 | |||||||
戸坂村 | 戸坂村 | 戸坂村 | 戸坂村 | 戸坂村 | 戸坂村 | 昭和30年4月1日 広島市に編入 | |||||
中山村 | 中山村 | 中山村 | 中山村 | 中山村 | 中山村 | 昭和31年4月1日 広島市に編入 | |||||
温品村 | 温品村 | 温品村 | 温品村 | 温品村 | 温品村 | 昭和31年3月31日 安芸町 |
昭和49年11月1日 広島市に編入 | ||||
高宮郡馬木村 | 高宮郡馬木村 | 高宮郡馬木村 | 高宮郡 福木村 |
明治31年10月1日 安佐郡福木村 |
安佐郡福木村 | ||||||
高宮郡福田村 | 高宮郡福田村 | 高宮郡福田村 | |||||||||
賀茂郡熊野跡村 | 賀茂郡熊野跡村 | 賀茂郡熊野跡村 | 賀茂郡 熊野跡村 |
賀茂郡熊野跡村 | 昭和26年3月1日 所属変更 熊野跡村 |
熊野跡村 | 広島市 安芸区 | ||||
上瀬野村 | 上瀬野村 | 上瀬野村 | 上瀬野村 | 上瀬野村 | 昭和6年4月1日 瀬野村 |
昭和31年9月30日 瀬野川町 |
昭和48年3月20日 広島市に編入 | ||||
下瀬野村 | 下瀬野村 | 下瀬野村 | 下瀬野村 | 下瀬野村 | |||||||
中野村 | 中野村 | 中野村 | 中野村 | 中野村 | 中野村 | ||||||
畑賀村 | 畑賀村 | 畑賀村 | 畑賀村 | 畑賀村 | 畑賀村 | ||||||
船越村 | 船越村 | 船越村 | 船越村 | 船越村 | 昭和3年11月1日 町制 船越町 |
船越町 | 昭和50年3月20日 広島市に編入 | ||||
矢野村 | 矢野村 | 矢野村 | 矢野村 | 矢野村 | 大正6年10月1日 町制 矢野町 |
矢野町 | 矢野町 | ||||
海田市町 | 海田市町 | 海田市町 | 海田市町 | 海田市町 | 海田市町 | 昭和31年9月30日 海田町 |
海田町 | 海田町 | 海田町 | ||
奥海田村 | 奥海田村 | 奥海田村 | 奥海田村 | 奥海田村 | 昭和27年6月1日 町制改称 東海田町 | ||||||
府中村 | 府中村 | 府中村 | 府中村 | 府中村 | 昭和12年4月1日 町制 府中町 |
府中町 | 府中町 | 府中町 | 府中町 | ||
坂村 | 坂村 | 坂村 | 坂村 | 坂村 | 昭和25年8月1日 町制 坂町 |
坂町 | 坂町 | 坂町 | 坂町 | ||
熊野村 | 熊野村 | 熊野村 | 熊野村 | 熊野村 | 大正7年10月1日 町制 熊野町 |
熊野町 | 熊野町 | 熊野町 | 熊野町 | 熊野町 | |
平谷村 | 平谷村 | 平谷村 | 本庄村 | 本庄村 | 昭和6年4月1日 熊野町に編入 | ||||||
川角村 | 川角村 | 川角村 | |||||||||
栃原村 | 栃原村 | 栃原村 | 昭和6年4月1日 昭和村 |
昭和31年10月1日 呉市に編入 |
呉市 | 呉市 | 呉市 | ||||
苗代村 | 苗代村 | 苗代村 | |||||||||
押込村 | 押込村 | 押込村 | |||||||||
焼山村 | 焼山村 | 焼山村 | 焼山村 | 焼山村 | |||||||
大屋村 | 大屋村 | 大屋村 | 大屋村 | 大屋村 | 昭和26年11月3日 町制改称 天応町 | ||||||
警固屋村 | 警固屋村 | 警固屋村 | 警固屋村 | 警固屋村 | 明治39年6月1日 町制 警固屋町 |
昭和3年4月1日 呉市に編入 |
呉市 | ||||
吉浦村 | 吉浦村 | 吉浦村 | 吉浦村 | 吉浦村 | 大正5年2月11日 町制 吉浦町 | ||||||
明治35年4月1日 分立 二川町 |
明治35年10月1日 呉市 |
呉市 | |||||||||
和庄村 | 和庄村 | 和庄村 | 和庄村 | 明治25年9月1日 町制 和庄町 | |||||||
宮原村 | 宮原村 | 宮原村 | 宮原村 | 宮原村 | |||||||
荘山田村 | 荘山田村 | 荘山田村 | 荘山田村 | 荘山田村 | |||||||
蒲刈島村 | 一部[13] | 蒲刈島村 | 蒲刈島村 | 蒲刈島村 | 明治24年7月27日 下蒲刈島村 |
下蒲刈村 | 昭和37年1月1日 町制 下蒲刈町 |
下蒲刈町 | 平成15年4月1日 呉市に編入 | ||
一部[14] | 昭和22年8月1日 分立 向村 |
昭和31年9月30日 蒲刈町 |
蒲刈町 | 平成17年3月20日 呉市に編入 | |||||||
一部[10] | 明治24年7月27日 上蒲刈島村 |
上蒲刈島村 | |||||||||
倉橋島村 | 倉橋島村 | 倉橋島村 | 倉橋島村 | 倉橋島村 | 昭和27年6月1日 町制改称 倉橋町 |
倉橋町 | 倉橋町 | ||||
瀬戸島村 | 瀬戸島村 | 瀬戸島村 | 瀬戸島村 | 瀬戸島村 | 明治39年1月1日 町制改称 音戸町 |
昭和7年4月1日 音戸町 |
音戸町 | 音戸町 | |||
渡子島村 | 渡子島村 | 渡子島村 | 渡子島村 | 渡子島村 | |||||||
江田島村 | 江田島村 | 江田島村 | 江田島村 | 江田島村 | 昭和26年10月1日 町制 江田島町 |
江田島町 | 江田島町 | 平成16年11月1日 江田島市の一部 |
江田島市 | ||
佐伯郡津久茂村 | 佐伯郡津久茂村 | 佐伯郡津久茂村 | 佐伯郡 津久茂村 |
佐伯郡津久茂村 | 大正14年2月1日 江田島村に編入 |
行政
[編集]- 歴代郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治11年(1878年)11月1日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
[編集]- ^ 住居表示実施地区の境界は未詳。
- ^ 安芸郡・沼田郡にまたがる。無高のため記載なし。本項では便宜的に1町に数える。
- ^ 通称・東白島村。西部は沼田郡に所属。
- ^ 記載は山崎新田。
- ^ 記載は大須新田。
- ^ 記載は東新田。
- ^ 記載は皆実新田。
- ^ 通称・西白島村。
- ^ 明治15年に大黒村・皆実新開が合併して皆実村となる。白島村が白島東中町・白島北町・白島九軒町・東白島町・西白島町の各一部となる。矢賀村の一部が蟹屋村および愛宕町・猿猴橋町・荒神町の各一部となる。
- ^ a b 上蒲刈島の一部(大浦・田戸・宮盛)
- ^ a b c 字宇品(現在の元宇品)
- ^ 上蒲刈島(向浦)
- ^ 下蒲刈島(大地蔵・三之瀬・下島)
- ^ 上蒲刈島の一部(向浦)
参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 34 広島県、角川書店、1987年2月1日。ISBN 4040013409。
- 旧高旧領取調帳データベース