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日産・マーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日産マーチから転送)
日産・マーチ
4代目 2013年6月発売型
概要
別名 日産・マイクラ(海外向け)
製造国 日本の旗 日本(3代目まで)
タイ王国の旗 タイ(4代目より)
販売期間 日本:1982年2022年
海外:1983年 -
ボディ
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
4ドアセダン(台湾のみ)
2ドアオープンカー
5ドアステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動
四輪駆動(2代目)
四輪駆動(e-4WD)(3代目 -)
系譜
後継 日本:日産・ノート、および日産・デイズ
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マーチ(MARCH)は、日産自動車が生産・販売しているハッチバック型のコンパクトカーである。日本国内では1982年から2022年にかけて販売された。

概要

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登場当時、日産自動車のラインナップで空白となっていた1000cc Bセグメントを埋める小型車(リッターカー)として開発された。日欧両市場での販売を視野に入れており、欧州などいくつかの地域では「マイクラ」(Micra)の名で販売されている。

2代目モデルは日欧でカー・オブ・ザ・イヤーを同時受賞するなど、高い評価を受けた。日本車としては珍しく、フルモデルチェンジのスパンがかなり長い[注釈 1]のも特徴の一つである。ワンメイクレースが行われるなど、手軽なモータースポーツへの登竜門としての一面も持つ。

2017年に発売された5代目モデルは日本には導入されず、従来の4代目モデルが継続販売されていたが、2022年8月末をもって日本国内での販売を終了しモデル廃止となった[1]

欧州の5代目「マイクラ」は2023年7月に販売を終了した[2]。2024年5月現在、メキシコで4代目モデルが「マーチ」として[3]販売されている。

初代 K10型系(1982年 - 1992年)

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日産・マーチ(初代)
K10型系
1982年発売型(欧州仕様)
5ドアハッチバック FC 1985年2月発売型(日本仕様)
概要
販売期間 1982年10月1992年1月
設計統括 伊藤修令
デザイン イタルデザイン・ジウジアーロ
ボディ
ボディタイプ 3ドア/5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン MA10S型 987cc 直列4気筒 SOHC
MA10ET型 987cc 直列4気筒 SOHC
MA09ERT 930cc 直列4気筒 SOHC
MA10E型 987cc ザウルスJr用直列4気筒インジェクション
MA12S型 1,235cc 直列4気筒
変速機 5速MT / 4速MT
3速AT
車両寸法
ホイールベース 2,300mm
全長 3,785mm
全幅 1,560mm
全高 1,395mm
車両重量 635kg
その他
データモデル 1983年型「3ドア G」
販売終了前月までの新車登録台数の累計 63万6899台[4]
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1981年10月に開催された第24回東京モーターショーに「NX-018」の名で参考出品。長期に渡るプレキャンペーンが展開され、一般公募により「マーチ」[注釈 2]という車名が決定された後、1982年10月に発売された。

イメージタレントには近藤真彦が起用され、キャッチコピーは「マッチのマーチ」「スーパーアイドル」(いずれも前期型)だった。

開発は東京都杉並区桃井にあった旧プリンス自動車工業の荻窪事業所で行われ、同所で開発された最後の車種となった[注釈 3]。開発主管は旧・プリンス自動車出身の伊藤修令が務めた。基本デザインは世界的に著名なデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロが行い、生産に向けて社内でデザイン調整が行われた[5]

日産の新型車生産の歴史において特筆すべきこととして、新工場の建設を行い、その村山第3工場=月産能力2万台(当時)の車体・塗装・組立の各生産工程に当時の世界水準を越える216台の産業用ロボットを導入したこと、また自社系列外への発注を行ったこと、新規取引先を拡大したことが挙げられる。これらの努力によりコストの低減と高品質の確保に成功、従来車と比較してより低い価格を実現した。

後年、伊藤は設計・実験・購買など全ての部署を協力させた石原俊の力は凄かったと述懐している[6]

当初搭載されたエンジンはMA10S 987cc電子キャブレターECC仕様(E-K10)。グレードもE(基本性能に徹し、ビジネスユースに特化したモデル)・L(基本的車種でファミリー若者向実用車)・Sトリップメーターを標準装備し、機能、内装の充実を図ったモデル)・G(スポーティーなインテリアを採用し、4MT/3AT仕様のほか、更に5MT仕様が設定された最上級モデル)の3ドアハッチバック車4種類だけだったが、後にグレードの拡充が図られ、キャンバストップ車や5ドアハッチバック車、MA10ET 987 cc水冷ターボECCSエンジンを搭載した「ターボ」、MA09ERT930cc空冷式インタークーラーダブル過給機付きECCSエンジンを搭載し、ビスカスLSD標準装備のモータースポーツに対応したR、そのグランドツーリング版のスーパーターボなどの車種も登場した[注釈 4]

主な派生車種は、パイクカーの「Be-1」(BK10型、MA10Sエンジン搭載)・「パオ」(PK10型、MA10Sエンジン搭載)・「フィガロ」(FK10型、MA10ETエンジン搭載)や、レーシングフォーミュラーカーの「ザウルスジュニア」(NSJ-91型、MA10Eエンジン搭載)などが挙げられる。パイクカーの人気は高く、特にBe-1は中古車市場にリセールしたほうが本体購入価格より倍近い値段がつくということで「財テクカー」と呼ばれた。

年表

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1978年初頭
日産自動車、リッターカーの開発に着手。
1979年
リッターカー開発プロジェクト「KX計画」を日産自動車の石原俊社長(当時)直轄化の元でスタート。
1981年10月30日 - 11月10日
第24回東京モーターショー(東京都中央区晴海)でFF1000CC乗用車、「NX.018」参考出品。
1981年10月29日 - 1982年1月15日
車名の募集キャンペーンを実施、全国からの応募数は、565万通に及んだ。
1982年3月13日
午後4時に東京都中央区銀座にある日産自動車本社にて、K10型マーチの新車発表記者会見が行われた。この模様は日本テレビ系列(NNN)にて放送された特別番組「輝け!新車争奪スーパークイズ」(司会:関口宏ロイ・ジェームス)においてテレビ生中継生放送)され、「小さなボディーに大きな可能性を秘めた車」「国際販売戦略車種」との発言があった。
1982年10月
K10型マーチ発売。
1983年4月
3ドアハッチバック「G-COLLET」仕様車追加(4MT/3AT車)。
1983年7月
日産50周年記念限定車、50スペシャルII を限定2000台で販売。特別装備として、フロントグリルに50周年記念エンブレム、50周年記念専用デザインキー、ドアミラー(電動リモコン式)、ブロンズガラスシールド、専用ボディカラー、アクセント・ピンストライプ、155SR12サイズのラジアルタイヤなどを採用。
1983年9月
5ドアハッチバック新設定、「FT」・「FC」仕様追加(4MT車にはFT・FC、5MT車にはFT、3AT車にはFT・FCが用意された)、3ドアハッチバック車「G-1」仕様新設定(元となった「G」をベースにタコメーターが追加装備されたほか後部がチルト、なおかつ脱着可能な2ウエイ式ガラスサンルーフを設定。※5MT車)。
1983年10月
第25回東京モーターショーにCMで使用したマーチスーパーシルエット(Gr.5)レース仕様を出品。車両はイメージタレントの近藤真彦の為に製作された。なおエンジンはチューンナップされたE15型(1500cc・最高出力160ps)に換装。競技には使用されず、プロモーション(PR)モデルであった[7]
1984年
日産伝統の入門レースカテゴリー、K10型マーチでのワンメークレース「マーチカップ」開催。
1984年2月
タコメーター、および手動(機械)式集中リモコンドアロックを標準装備した5ドアハッチバック車の最上級車種、「FV」仕様車追加(4MT車/5MT車/3AT車)。
1985年2月
マイナーチェンジ。車体の一部変更。「ターボ」MA10ETエンジン搭載車を追加 (5MT/3AT)。コレットの4MT車にスロープストッパーを採用、MT車でも登坂路の坂道発進を容易にする補助装置として、従来のブレーキシステムにプレッシャーホールドバルブを追加設定。MA10Sでは三元触媒に統一。3ドアハッチバック車ではコレット仕様パワーステアリング車を新設定し、S仕様の4MT車・G仕様5MT車・S仕様3AT車が廃止され、5ドアハッチバック車では、FV仕様4MT車・FT仕様5MT車が廃止された。
1986年3月
特別限定車「ターボ・ホワイトセレクト」仕様車発売。
全国限定1500台。特別装備としてボディをホワイトで統一、ブロンズカラーガラスシールド、W・Sマーク入りボディステッカー、W・Sマーク入り3本スポークステアリング、フロントバケットシート、専用フルクロス布地(グレーカラー斜めストライプ)、などを装備。
1986年9月
PUMPS!(パンプス)仕様車の追加。特徴として、メインシート表地の着替え選択が可能。メインシートカラーはシャーベットトーンの7色で、前/後席ワンセット分と着替え用の前席分が標準装備で、しかもセパレートタイプ、別売でシート表皮の購入が可能、色の組み合わせは無限大に近く、ファスナー固定の上、洗濯可能である。
シートカラーバリエーションは、ハーバーブルー、クレープイエロー、ポーラブルー、シェルピンク、コスモグリーン、パンプキンイエロー、ピーコックブルーがあった。
1986年
全日本ラリー選手権Aクラスに参戦しドライバーズチャンピオンを獲得。
1987年
WRC第4戦、第35回サファリラリーにてNRS(ニッサンラリーサービス)がマーチターボ三台体制で参戦。
1987年
草の根モータースポーツ振興のためのワンメイクレース「マーチ・リトルダイナマイトカップ」が始まった。車は参戦者へレンタルマシンで提供される。NISMO製作で、エンジンは全回転域での過給コントロールのため、低域をスーパーチャージャーに、高域をターボチャージャーに受け持たせた画期的な仕様で、排気量987ccにして110psを発生。これを開発ベースとし、後にMA09ERTエンジン(930cc)のマーチRやマーチスーパーターボが市販されるようになった[8]
1987年1月
パイクカー第一弾「Be-1」BK10型、MA10Sエンジン搭載車発売。ただし、キャンバストップは3月発売。
1987年6月26日
同月29日にかけて、WRC第7戦オリンパスラリー(アメリカ)にてマーチターボ中村善治/村瀬晴信組で参戦。16位完走。
1987年8月
「キャンバストップ」仕様車の追加。G-1仕様車の廃止。全車に、パワーステアリングをメーカーオプションで拡大設定(L仕様5MT車を除く)。車体色に新色を大量に採用、内装はトリム・シート生地の変更(ターボ仕様車を含む)。MA10ETエンジンは、空燃費比最適制御によりEGR装置を廃止。
1987年
全日本ラリー選手権Aクラスに参戦しドライバーズチャンピオンを獲得。
1988年1月
3ドアハッチバック車最廉価グレード「E」をベースにマニュアルエアコンエンジン回転数感応油圧式パワーステアリングを特別装備した特別仕様車「i.Z」(アイ・ズィー)発売。
パイクカー第2弾、3ドア2ボックス「パオ」PK10型、MA10Sエンジン4MT/3AT搭載車発売。
1988年4月
特別仕様車「ディノス バージョン」発売。
1988年7月
5ドアハッチバック車最廉価グレード「FC」をベースにマニュアルエアコンとエンジン回転数感応油圧式パワーステアリングを特別装備した特別仕様車「5ドアi.Z」を一部地域にて試験発売
1988年8月
モータースポーツ活動の対応車種、「R」MA09ERT(930cc)ダブルチャージエンジン搭載、5MT仕様車限定発売。主に国内ラリーで活躍。マーチRのデザインは後期型デザインではなく中期型デザインを生産終了まで継続。
1988年
WRC第36回サファリラリーでマーチターボ、JH.ヘイズ/A.Levian組が総合10位A3クラス優勝。
1989年
WRC第2戦、モンテカルロラリーでマーチターボ参戦、ドライバーはP.エクルンド
WRC第4戦、サファリラリーでマーチターボ、L.モーガン/L.マローテ組が女性コンビながら、総合12位、クラス優勝。
WRC第13戦、RACラリーでマーチターボ、P.エクルンド/D.ウィトッグ組で参戦、総合21位、クラス3位。
WRC第6戦、アクロポリスラリー、マーチスーパーターボ、P.エクルンド/B.セデルベルグ組が総合10位、クラス優勝。
MA09ERT搭載のEK10FR型マーチRが全日本ラリー選手権シリーズ優勝(Bクラス: 1001 cc 以上 1600 cc 未満クラス)。
WRC第7戦、ラリー・オブ・ニュージーランドでマーチスーパーターボ、P.デビット/W.ジョーンズ組、グループ.N、総合3位、クラス2位獲得。
1989年1月 
2度目のマイナーチェンジ。これに伴い、一部地域にて試験販売されていた5ドアハッチバック車「i.Z」仕様がカタロググレードに昇格。「スーパーターボ」(E-EK10型)5MT/3AT発売。L型5速専用エンジンの廃止。車体の一部変更。コレット・パンプス仕様車にスロープストッパーを標準採用。メーカーオプションとして脱着式ガラスサンルーフの設定をパンプス・コレット・ターボ・スーパーターボに、電動キャンバストップの設定をパンプス・コレット・ターボに、デュアルエキゾーストパイプをRに加え、ターボ・スーパーターボにそれぞれ採用。「L」・「G」・「キャンバストップ」・「FC」仕様車の廃止。
1990年1月
i.Z仕様車・ターボ仕様車一部変更。
1991年
MA10Eエンジン搭載、レーシングフォーミラー車「ザウルスジュニア」登場。ザウルスJrカップ発足。
1991年1月
3/5ドアハッチバック車「i.z-f」仕様車発売。
1991年2月
パイクカー第3弾、2ドアオープントップ「フィガロ」FK10型、MA10ETエンジン(987cc)3AT搭載車発売。
1991年12月[9]
生産終了。以後は在庫対応分の販売のみとなる。
1992年1月
フルモデルチェンジで3/5ドアK11型マーチへ移行によりK10型販売終了。

1993年8月                                                  WRC第9戦、1000湖ラリー(フィンランド)、日本から唯一のプライベート参戦となった伊藤 博/加藤 禎司 組がマーチスーパーターボ(Aクラス、№100)にて最後尾ながら総合61位で完走を果たしている。

車種構成

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1982年新発売(3ドアHBのみ設定)

  • E (4MT):Easy drive、車の基本性能に徹した車
  • L (4/5MT/3AT):Luxury、マーチの基本的な車種でファミリー・若者向け実用車
  • S (4MT/3AT):Sufficient、機能、内装の充実を図り実用性に富んだラグジュアリーカー
  • G (4/5MT/3AT):Grand、スポーティームードの最上級車でマーチのイメージリーダーカー

1983年4月

  • COLLET (4MT/3AT)追加:ファッショナブルスタイルと豪華装備、ラグジュアリーな3ドアHB

1983年9月

  • 5ドアHB追加:FC (4MT/3AT)、FT (4/5MT/3AT)
  • 3ドアG-1 (5MT)追加:Gをベースにタコメーターを追加装備したスポーティーな3ドアHB

1984年2月

  • 5ドアFV(5MT/3AT)追加:タコメーターや手動(機械)式集中リモコンドアロックなどを標準装備した豪華仕様の5ドアHB

1985年2月マイナーチェンジ(中期型)

  • 3ドアHB:E、L、G、COLLET、G-1、ターボ
    • Eは旧専用グリルのまま
    • G-1はターボと同形状のリアスポイラー付
    • 3ドアHBの「ターボ」を追加
  • 5ドアHB:FC、FT、FV

1986年9月

  • 「パンプス」追加

1987年8月マイナーチェンジ

  • 3ドアHB:E、L、G、パンプス、コレット、キャンバストップ、ターボ
    • 3ドアキャンバストップを新規追加
    • 3ドアG-1仕様は廃止
  • 5ドアHB:FC、FT、FV

1988年1月

  • 3ドアi.z発売

1989年1月マイナーチェンジ(後期型)

  • 3ドアHB:E/i.Z (4MT/3AT)、パンプス/COLLET/ターボ/スーパーターボ (5MT/3AT)、R(5MT、モータースポーツ専用車両)
  • 5ドアHB:i.Z (4MT/3AT)、FT/FV(5MT/3AT)
    • 3ドア「スーパーターボ」と5ドアi.Z追加。

1991年1月

  • 3/5ドア「i.z-f」追加

限定車

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  • アニバーサリーバージョン(マーチ50スペシャル)
    • 1983年6月発売。すべて3ドアで車種記号は9K10GL9(4MT)、K10FL9(5MT)、K10AL9(トルコン付)。
  • ターボ・ホワイトセレクト仕様
    • 1986年4月発売。車種記号は04ZK10FTEH1、04ZK10FTEH1R、04ZK10FTEH1W、 04ZK10ATEH1、04ZK10ATEH1R、04ZK10ATEH1Wの6型式。
  • ハッチバック3ドアL
    • 1987年10月発売。関東地区向け限定車。MA10。車種記号 03ZK10BiP(4MT)/03ZK10ABiP(AT)
  • ハッチバック5ドアディノスバージョン
    • 1988年4月発売。車種記号 K10LP2 MA10 AT 5HB・FC・AT
  • ハッチバック5ドア1 秋田県限定モデル(トルコン付)
    • 1988年8月発売。車種記号 04ZK10LAi P MA10 AT 5HB・FC・AT
日産・マーチR
概要
販売期間 1988年8月 - 1991年12月
ボディ
乗車定員 2/5名
パワートレイン
エンジン MA09ERT 930cc 直列4気筒 SOHC
変速機 5MT
サスペンション
ストラット式独立懸架
4リンクコイル式
車両寸法
ホイールベース 2,300mm
車両重量 740kg
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Rは、初代マーチの競技車両ベース向けのグレードである。3ドアハッチバックのみの設定であった。

主に全日本ラリー選手権で活躍した。スーパーチャージャーターボチャージャーのツインチャージャー複合過給機システム、ダブルチャージエンジンシステムを日本初搭載し、車両装備によってタイプ1から3までバリエーションが存在した。専用で超クロースレシオの5速MTを装備していた。ビスカスカップリングLSDを標準装備。リアのみ、サスペンションに専用外径(22 mm)スタビライザーを装備。

事後交換を前提としている為に、シート(5ドア車と同型)・タイヤ・ホイールは基本車両となったK10型マーチのベースグレードの安価なパーツが装備されている。内装もセミトリムと簡素である。また、補機類装着スペースの関係から、パワーステアリングが省略されている。

ノーマル車を除いてタイプ1から3までは、乗車定員が2人であった。型式はE-EK10FR。

ラリーパーツ

  • ニスモ製ロールバー(ノーマル車を除く)
  • ニスモ製大型フォグランプ(ノーマル車を除く)
  • ニスモ製マッドガード(フロント・センター・リヤ)(タイプ1・タイプ2に標準装備)
  • ニスモ製専用ステアリングホイール(タイプ1・タイプ2に標準装備)
  • ニスモ製革巻きシフトノブ(タイプ1、タイプ2に標準装備)
  • ニスモ製フルハーネスシートベルト(タイプ1に標準装備)
  • 専用トリコロール大型カラーリング(タイプ1に標準装備。注、それ以外は車体色が♯531白、バンパーは黒)
  • オイルクーラー(ノーマル車はオプション装備、タイプ1, 2まで標準装備)
  • オーテックジャパンオプション(注、オイルクーラー装着の場合、エアコン装着不可)

※「ニスモ製品」はオーテックジャパンにて装備した。

なお、競技専用車両のため、メーカー保証の内容が異なっており、車両登録は無改造のノーマル車を除いて、当時の改造申請に基づき車両の持ち込みで手続きを行う必要があった。

ターボ

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日産・マーチターボ
概要
販売期間 1985年2月 - 1991年12月
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン MA10ET 987cc 直列4気筒 SOHC
最高出力 76PS/6,000rpm
(ネット値)
最大トルク 10.8kgm/4,400rpm
(ネット値)
変速機 5MT(フロア)
3AT(ニッサンマチック・フロア)
サスペンション
独立懸架ストラット式
(ネガティブスクラブサス)
スタビライザー付4リンクコイル式
車両寸法
ホイールベース 2,300 mm
全長 1型:3,730 mm
2型:3,735 mm
全幅 1型:1,570 mm
2型:1,560 mm
全高 1型:1,385 mm
2型:1,390 mm
車両重量 1型
710 kg(5MT)
730 kg(3AT)
2型
720 kg(5MT)
740 kg(3AT)
その他
バッテリー容量 12-30 V-Ah
使用燃料・
タンク容量
無鉛レギュラー・40 L
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概要

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1985年2月、K10型マーチのマイナーチェンジで「ターボ」を追加。3ドアハッチバックのみの設定で、MA10ET型987 ccターボエンジンを搭載した。K10型は1991年12月に販売終了したが、1992年1月登場の2代目マーチ(K11型)以降の後継車にはターボは設定されていない。駆動系はワンランク上のパルサー用を流用したと伊藤は発言している。[6]

略歴

  • 1985年2月 マイナーチェンジで3ドアハッチバック「ターボ」追加。
  • 1987年8月 マイナーチェンジ。新車種キャンバストップ仕様車の登場にともない「ターボ」の内装や機構など一部変更とパワーステアリング装着車の拡大(メーカーオプション)。
  • 1989年1月 マイナーチェンジでK10マーチシリーズ後期型へ。
  • 1991年2月 同型エンジン搭載のパイクカー第3弾、フィガロ発売。
  • 1991年中期頃 販売終了。

初期型

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1985年2月登場。車種記号はK10GFTI (5速MT)、K10GATI (3速AT)。

登場時ふたつの日本初、1000 cc4気筒ターボ、日本初、1000 ccターボ オートマチックと謳われ、キャッチコピーは、"遊iNgターボ"、"I am"、"街の太陽"などがあり、当時のイメージタレント近藤真彦が生き生きと前面に押し出され、ムードを盛り上げていた。

他グレードの燃料供給装置が電子制御キャブレター (ECC)に対して、今まで上級車のみの採用であったマイコン制御による、エンジン集中制御システム(ECCS エックス)の採用、新開発の小型ターボチャージャーにより、最高出力85 ps、最大トルク12.0 kg・mを出した(ノンターボ型は57 ps, 8.0 kg・m)。新設計のUターン型ロングインテークホールドや、4連サイアミーズシリンダーブロックの採用により、低速トルク向上を図り、ダッシュ力を高めている。この出力に合わせて、足回りもファインチューニング、タイヤホイールもサイズアップ、マフラーのデュアルエキゾースト化。外装も専用エアロパーツや、フロントバンパー下に専用丸形ハロゲンフォグランプが採用されていた。

内装も専用メーターフードの採用により、合体ロボ感覚のコクピットを演出していた。向かって左に燃料計、右に水温計を配し、独立シェルに覆われ、メインメーターも、タコメーターがアナログ式、スピードメーターがオレンジのデジタル式としたハイブリッドメーターを採用。専用デザインのステアリング中央には、エンジンの性能曲線グラフを配している。シートも、ハイバックのバケットタイプを採用、ブラックを基調とし、明るめなオレンジのアクセントと新デザインのTURBOの文字を織り込んでいる。

主要装備
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  • 大型ハロゲンヘッドランプ
  • 丸形ハロゲンフォグランプ
  • 電動リモコン式ドアミラー
  • ハイブリッドメーターパネル(液晶デジタル式スピードメーター/アナログ式タコメーター)
  • ブースト計
  • 小径三本スポークステアリング
  • フットレスト
  • ガングリップシフトノブ (5MT)
  • バケットシート
  • ターボ専用デザインフロントグリル
  • エアロスポーツバンパー
  • サイドマッドガード(サイドステップ)
  • リアスポイラー
  • デュアルエキゾーストパイプ
  • フルホイールカバー
  • 前輪ベンチレーテッドディスクブレーキ
  • リアスタビライザー
  • 165/70HR12スチールラジアルタイア
オプション
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  • ガラスサンルーフ
  • 175/60R13 76Hスチールラジアルタイア&13インチアルミロードホイール(タービンイメージと8ビートの音符をデザインしたZ1タイプのシルバー切削仕上げ、とフィンタイプ、シャンペンゴールドとホワイトカラー2種はメーカーオプション)。
  • AMラジオ
  • AM/FMマルチラジオ付カセットステレオ
ボディカラー/内装色
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  • ♯002ホワイト/ブラック
  • ♯013レッド/ブラック
  • ♯826ブラックメタリック/ブラック
  • ♯137ダークブルー&ホワイト/ブラック(特別塗装色、上面ダークブルー、下面ホワイトのツートーン)
  • ターボ専用アクセントストライプ(※外板色がモノトーンの場合とツートーンの場合で、色、形状が異なる)
  • シートはシンカーパイル・平織。
主要諸元
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寸法

  • 室内寸法 長×幅×高 [mm]: 1715 ×1305×1145
  • トレッド前/後 [mm]: 1350/1330
  • 最低地上高 [mm]: 150

性能

  • 登坂能力 (tan)θ: 0.62
  • 最小回転半径 (mm): 4.7
  • 燃料消費率 : 10モード(運輸省審査値)km/L(5MT/3AT)、18.8/15.8、60 km/h 定置走行 km/l(5MT/3AT)、30.2/25.6

諸装置

  • クラッチ形式: (MT)乾燥単版ダイアフラム、(AT)トルクコンバーター
  • ステアリングギア方式: ラック&ピニオン
  • 主ブレーキ(前/後): ベンチレーテッドディスク式(セミメタルブレーキパッド)/リーディングトレーリング式
  • 駐車ブレーキ: 機械式後2輪制動
  • タイヤ(前/後): 165/70HR12

ターボ1型「マイナー」

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1987年8月、マイナーチェンジ。

ターボの変更点
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  • 新形状デザインのステアリングホイールの採用、シートパターン及び表皮材の変更。
  • パワーステアリング装着車の設定(ラインオプション)。
  • MA10ETエンジン搭載車はパワステ追加に伴い、アイドル回転数補正補助の変更と空燃比の最適制御により、EGR装置を廃止。
  • ターボのボディはドア下端にターボストライブを採用、またバックドア上端にターボストライプと同デザインのターボロゴステッカーを装着。
  • ターボ車フルカラー仕様をオプション設定。ドアミラー、サイドマッドガード、ホイールカバー、リヤスポイラー、リアライセンスランプ、及びフルバンパーのフルカラー化を行い、グレードアップ感アップ、イメージアップを図った。
  • 内装は平織り/トリコットから新規に平織りに変更。
ボディカラー/内装色
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  • ♯531クリスタルホワイト
  • ♯532ブラックメタリック
  • ♯BG1グレーイッシュグレーメタリック 
  • ♯5G4ブラックメタリック/シルバーメタリックツートーン
  • 内装色はブラックを基調とした。 

後期型

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1989年1月マイナーチェンジ。車種記号はK10GFTP(5速MT)、K10GATP(3速AT)。

エンジンはMA10ET、排気量987cc、出力76ps(NET/ネット値)。

概要
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1989年1月、K10型マーチのマイナーチェンジ。大まかにはフロントグリルの意匠形状変更、前/後バンパーの形状変更を行った。ターボは、前期型のような派手さは影を潜め、外見上、スーパーターボと同じ、リアスポイラー、デュアルマフラーが付くに留まり、専用チッピングガードの採用、ボディサイドのウレタンモールを廃したのみ、ともすれば、ノーマルグレードとあまり変わらない外見になった。

内装は、K10型マーチのトップガンであるスーパーターボと同じシート、ステアリング、メーターパネル、ドア内張りとなり、スーパーターボ/Rに設定の時計、電圧計、ブースト計の中央別置き三連メーターが取り去られる形になっている。エンジンは、コンパクトで高性能なMA10ET、従来のMA10Sをベースに水冷式ターボチャージャーを装着。燃料装置や点火時期、空燃費などをマイコンでコントロールするECCS(エンジン電子集中制御システム)を採用。燃料噴射システムも各シリンダーが吸入行程に入るのに合わせて順次噴射するシーケンシャルインジェクションを採用し、パワーと経済性を両立させている。

主な標準装備
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  • 電動リモコンドアミラー
  • AM/FM電子チューナーラジオ一体式カセットデッキ(ドルビー付き)
  • 本革巻き3本スポークステアリング
  • パワーステアリング
  • フロントローバックバケットシート
  • マッドガード(フロント・リア)
  • リアスタビライザー
  • 165/70R12 77Hラジアルタイヤ
ボディカラー
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  • #531クリスタルホワイト
  • #549シルバーメタリック
  • #532ブラックメタリック
  • #TH9トワイライトブルー
内装
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  • トリコット(シート表皮メイン部)
オプション
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  • ガラスサンルーフ(メーカーオプション)
  • サイドシルプロテクター(メーカーオプション)
  • 電動リモコンキャンバストップ(ワンタッチ機構付き)(メーカーオプション)
  • 175/60R13 76Hラジアルタイヤ(アルミとセット)
  • 13インチアルミロードホイール(シルバー切削仕上げ/ホワイト)
主要諸元
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寸法

  • 室内寸法、長×幅×高 [mm]: 1715×1305×1145
  • トレッド前/後 [mm]: 1350/1335
  • 最低地上高 [mm]: 150

性能

  • 最小回転半径[m]: 4.7
  • 燃料消費率 : (10モード運輸省審査値) [km/L]: (5MT)18.0(3AT)14.2、
  • 60km/h定地走行(運輸省届出値) [km/L]: (5MT)28.4(3AT)24.1)

諸装置

  • ステアリングギヤ形式、ラック&ピニオン式
  • 主ブレーキ(前/後)、ベンチレーテッドディスク式/リーディングトレーリング式
  • タイヤ(前/後)、165/70R12

スーパーターボ

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日産・マーチスーパーターボ
概要
販売期間 1989年1月 - 1991年12月
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3ドアハッチバック
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン MA09ERT 930cc 直列4気筒 SOHC
変速機 3AT (GAR) /5MT (GFR)
サスペンション
独立懸架ストラット
4リンクコイル
車両寸法
ホイールベース 2,300mm
全長 3,735mm
全幅 1,590mm
全高 1,395mm
車両重量 770kg
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1989年1月発売。K10型マーチに設定されていたホットハッチグレードのひとつである。型式はE-EK10型で車種記号は5MTがEK10GFR、3ATがEK10GARである。

1988年8月に発売された競技専用車の「R」をベースに、1989年1月に発売開始された一般向けモデル。3ドアハッチバックのみ設定。型式はE-EK10。国際モータースポーツ規約の過給係数(1.7倍)、または国内競技の過給係数(1.4倍)を掛けた際に1,600ccクラス内へ収まるよう、ベースとなった自然吸気モデルのMA10S型エンジン (987cc) に比べて排気量をダウンさせ、930ccとなっている。

「R」と同じMA09ERT型エンジンを搭載し、最高出力110ps/6400rpm、最大トルク13.3 kgf·m/s (4800rpm)を発生するエンジンは、量産車には珍しくターボチャージャースーパーチャージャーの2種類の過給機を搭載し、日産は「ダブルチャージ」と呼称していた。これにより低回転域ではスーパーチャージャーによる瞬発力を、高回転域では余裕のある最高出力を得ることに成功しているが、一方で両機器を積んだことでフロントヘビーの原因ともなっている。機構が複雑であるため、故障の際に修理費が高くつくなどの理由により、販売面では成功したとは言えなかった。そのため次期モデルには設定されず1代限りで廃止となった。

5MT車にはビスカスカップリングLSDを標準で搭載するほか、MA10SではECC (EGR) 、電子制御キャブレターによる気化器が採用されていたが、スーパーターボでは全電子化されたEGI(ECCS)制御のインジェクター仕様であった。また、補機類装着スペースの関係から、パワーステアリングが省略されている。

デザインと装備

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外観は従来のスポーティイメージのエアロ感覚ではなく、ラリー車の持つコンパクトで力強い新しいスポーティさを表現している。専用フードバルジ、専用フロントグリル、専用大型樹脂バンパー、サイドマッドガード(サイドシルプロテクター)、ルーフスポイラー、フルホイールカバーが特徴的である。

本皮巻き3本スポークステアリング、別置三連メーター(SC作動検知LED付き、ブースト計、電圧計、時計)、回転計付きメーターパネル、フロントローバックバケットシート、F/RスタビライザーΦ26/Φ18、デュアルエキゾーストパイプ、フットレストがスーパーターボ装備アイテムである。

メインオプション

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  • ガラスサンルーフ (メーカーオプション)、
  • 13インチアルミロードホイール (シルバー切削・ホワイト)

ボディカラー

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  • #532ブラックメタリック
  • #531クリスタルホワイト
  • #TH9トワイライトブルー
  • #FH1アクティブグリーン
  • 内装はブラックを基調として内側をシルバーグレー調とした。

特記

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  • ヘッドランプは60/55wのイエローバルブ標準装備
  • リフレクター可動式フォグランプ(55w)は無色バルブ装備
  • 1989年のマーチスーパーターボCM曲はケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」(CMでは別アーティストのカバー版を使用)。

2代目 K11型系(1992年 - 2002年)

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日産・マーチ(2代目)
K11型系
1992年1月発売型
1999年11月発売型
概要
販売期間 1992年1月 - 2002年3月
ボディ
ボディタイプ 3ドア/5ドアハッチバック
2ドアオープンカー
5ドアステーションワゴン
4ドアノッチバックセダン台湾製)
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジン CG10DE型 997cc 直列4気筒 DOHC
CG13DE型 1,274cc 直列4気筒 DOHC
CGA3DE型 1,348cc 直列4気筒 DOHC(1999年型以降)
変速機 CVT
4速AT
5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,360mm
全長 3,720mm
全幅 1,585mm
全高 1,430mm
車両重量 750 - 1,030kg
その他
データモデル 1996年型「コレット」
販売終了前月までの新車登録台数の累計 106万4432台[10]
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1992年1月、初のモデルチェンジを受けて2代目に移行する。ボディ形式は初代に引き続き3ドアと5ドアのハッチバック型、後期型にはワゴン型「マーチBOX」やオープンモデルの「カブリオレ」もラインナップされていた。また、台湾オリジナルモデルとして、3ボックス(ノッチバック)型のセダンや国内仕様のボレロやルンバに似たクラシカルモデル「ベリータ」(VERITA)があった。

1998年には派生モデルとして、初代・Z10型キューブが生まれている。

フルCセグメントクラスのセダンの初代・P10型プリメーラフルBセグメントクラスのハッチバック、およびセダンの4代目・N14型パルサーと同じく、日欧両市場を主要マーケットとして、欧州車と比肩しうる性能や快適性、合理的なパッケージングを実現することを目標として開発された。「安かろう悪かろう」とスタイルを強調した「スモールキャビン」が普通であった当時の日本製コンパクトカーの中では異彩を放つ存在であり、日本におけるコンパクトカー市場の革命児とまで称された[注釈 5]

プラットフォーム及びエンジンは新開発され、1.0/1.3LのCG型エンジンを搭載、5速MT/4速ATに加えて、資本提携で事実上傘下に収めていた富士重工業(現・SUBARU)から供給を受けたN-CVTを組み合わせていた[注釈 5]CVTの採用は日産では初である。なお、マーチBOXにはニーズを考慮してか5MTは一切設定されず4ATかCVTを選択できた。

日本市場での販売実績は、モデルサイクル全般にわたって堅調なもので、マーチに対抗できる商品力を持つ競合車が1995年の5代目トヨタ・スターレット1996年ホンダ・ロゴマツダ・デミオ[注釈 6]1998年ダイハツ・ストーリア/トヨタ・デュエットまで登場しなかったことや、バブル崩壊に伴い、コンパクトカーの経済性が見直されてきたことなどの要因から、登場から4年後の1996年度にはそれまでの記録を更新する142,000台を販売し、ライバル車が新型となってマーチより商品力が向上したものの、マーチの人気は非常に高く好調な販売が晩年まで続いた[注釈 7]。当時の日産は莫大な有利子負債を抱え、深刻な経営状態となっていたが、その時期を支えた車種の一つである。このモデルから、日産で初めて、全店舗併売された。

その後トヨタ・ヴィッツ、ホンダ・フィットスズキ・スイフトなど、競争力の高いコンパクトカーが他社から続々と登場したこともあり、販売台数は若干落ちたものの、2001年製の最終モデルでも月間5,000台程度の安定した販売実績を残している。生産工場はK10型同様村山工場であったが、閉鎖後は追浜工場に移管された。

2代目マーチの基本コンポーネンツを流用して開発された車種も複数ある。1998年に誕生したトールワゴン・初代「キューブ」の他に、レトロ風のメッキグリルを持ち、リアオーバーハングを延長し独立したトランクルームを備え、前後をバンデン・プラ風に仕立てた「コペル・ボニート」(ミヤセ自動車)、「ビュート」(光岡自動車)、エンジンチューン、機能的なエアロパーツを外装に持つトミーカイラ「m13(初代)」(トミタ夢自動車)、クラシカルな外観を持つ「トキオ・プリンセス」(ムーク)や、日産と無印良品とのコラボレーションモデル「Muji Car 1000」も生まれている。

受賞歴

K11型の評価は日本国内外ともに高く、日本カー・オブ・ザ・イヤー(1992)、RJCカー・オブ・ザ・イヤー(1992)をダブル受賞、欧州でも欧州カー・オブ・ザ・イヤー(1993)を日本車としては初めて獲得する快挙を成し遂げた[11]。これら3賞を同時受賞した日本車は1999年登場のヴィッツ(欧州名・ヤリス)まで登場しない。

年表

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1992年1月24日
初のフルモデルチェンジ[12]
1992年4月
最廉価グレードの「E」を追加。
1992年8月
英国サンダーランド工場で現地生産を開始。
1993年1月11日
一部改良。装備の充実化や、ボディカラーにモーブグレーグラファイトパールと入れ替わる形で新たにスーパーブラックの追加設定。1.0LエンジンにN・CVTを組み合わせた「B」追加。また、「E」のAT車が廃止された[13]
1993年4月22日
欧州、日本、RJCの各COTY受賞を記念した特別仕様車「V3 AWARD」設定。ボディカラーは黒と赤の2種類のみ。なお、同年6月末までの期間限定販売となる[14]
1993年11月
一部改良により、助手席エアバッグ設定、エアコンの冷媒を新冷媒に変更。1.0Lモデルが全車、タイヤとホイールのサイズがそれぞれ12インチから13インチに変更され、トリップメーターが全車に標準装備[注釈 8]となる。これに伴い「アウトストラーダ」(5ドア専用グレード)、「i・z セーフティグリップパッケージ仕様車」を追加、および「E」を廃止。なお、アウトストラーダとはイタリアの高速道路の意。
1994年3月
台湾市場にて4ドアセダンを発売。5ドアハッチバックをベースに、後部を300 mm伸ばし全長3995 mmとした[15]
1994年12月15日
一部改良。運転席SRSエアバッグを全車標準装備化するなど安全装備を中心とした装備の充実化。「アウトストラーダ」に5速MT車を追加[16]
1995年4月17日
運転補助装置付きモデル「アンシャンテ」がオーテックから発売[17]
1995年12月4日
一部改良。内外装意匠の一部変更のほか、装備の充実化、新色の追加などを行った。また、1.0Lの3ドアに「G」を追加。[18]
1996年6月10日
オーテックジャパンより、レトロ調特別仕様車「タンゴ」を発売[19]
1996年6月26日
特別仕様車「F」設定[20]
1996年10月14日
特別仕様車「D」設定[21]
1996年11月1日
マーチ誕生15周年を記念した特別仕様車「コレット」設定。翌年3月末までの期間限定販売となる[22]
1997年5月26日
マイナーチェンジ。ほぼ全車[注釈 9]にデュアルエアバッグ、ABSを標準化。インパネは助手席エアバッグの装着に伴い形状が変更される。外観の変更点としてグリルがフード一体型に変更された。特別仕様車の「コレット」はカタログモデル化[23]。以後「i・z - f」に代わって主要グレードになる。
1997年8月20日
電動ソフトトップを持つオープンモデル「マーチカブリオレ」が登場[注釈 10][24]
1997年10月14日
丸型ヘッドランプとメッキグリルを持つレトロ調特別仕様車「ボレロ」を設定[25]
1997年12月4日
1960年代英国風テイストの「ジューク[注釈 11]」追加。赤と黒のツートンカラーが特徴[26]
1998年1月20日
「A」および「ジューク」の1.3Lモデルに4速AT車が追加。また、「ジューク」と同様の内装(ブラックの内装色、本革巻き4本スポークステアリングホイール、メーターパネルのレッド加飾、本革・エクセーヌコンビシート、赤色のフロアカーペット)を「A」「コレット」においても「インテリアパック」としてオプション設定した[27]
1998年4月
英国生産モデルに、プジョー製1.5L TUD5型ディーゼルエンジンを搭載[28]
1998年10月[29]
カブリオレ廃止。
1998年11月4日
コレットをベースに専用シートクロスやカラードドアハンドル&ライセンスランプカバーなどを装備した「コレットL」を追加。同日、オーテックジャパンにより丸型ヘッドランプとメッキグリルを備えたレトロ調特別仕様車「ルンバ」を設定[30]
1999年9月
英国生産モデルが、累計生産100万台を達成[31]
1999年11月9日
マイナーチェンジ[32]。1.0L CG10DE型の出力向上、1.3LエンジンのCGA3DE型への変更を実施。無段変速機「Hyper CVT」搭載モデルやマーチとしては初の4WD車も設定された。外観の変更点としては、ヘッドランプのレンズがマルチリフレクター化された点と、テールランプ造形が変更された点が挙げられる。また、リアオーバーハングを延長したステーションワゴン風モデル、WK11型「マーチBOX」も登場した[32]
2000年5月9日
モール類をカラード化した特別仕様車「ホワイトリミテッド」設定[33]。ボディカラーは限定のシルキースノーパールのみが設定された。
2000年10月10日
一部改良、および仕様変更[34]。エンジン改良などを行い「平成12年度排出ガス基準25%低減レベル(G-LEV(☆))」を達成。また、内装を一部変更し、グレード体系も見直し[注釈 12]。同時にコレットをベースに、アウトストラーダと同形状のメッシュグリルやフォグランプ一体型フルカラードバンパーなどを装備した「Mia」(ミア)を追加[34]
2000年12月26日
コレットをベースに、フロント&リアバンパーモールやサイドガードモールを車体色化した女性向け特別仕様車の「カジュアルリミテッド」を設定[35]。同時にオーテックジャパンの手による丸型ヘッドランプが特徴の特別仕様車「ポルカ」を設定[35]
2001年4月18日
仕様変更、およびK11型国内登録累計100万台達成記念車「コレット-f」を発売[36]。フロント・リアのバンパーモール、サイドガードモール、アウトサイドドアハンドル、ライセンスランプカバーを車体色化した。これに伴い「マーチBOX」が廃止。
2001年5月11日
無印良品とのコラボレーションモデル「Muji Car 1000」発売[37]。1000台限定。ベースのマーチよりも簡素なデザインや実用性を重視した仕様・装備が特徴。
2002年2月[38]
生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
2002年3月
3代目にフルモデルチェンジして販売終了。
2003年
オーテックジャパンの手によるスペシャルモデル「MID-11」公開。3ドアをベースに、(W)HP12型プリメーラ/プリメーラワゴンに搭載されている可変バルブタイミング機構を備えたSR20VE型エンジンに6速MTを組み合わせ、204ps・21kgf·m/sの性能を発揮した。エンジンはリアシート部分へ横置きしていた。

備考

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  • エクステリアデザイン開発では、当時の厚木NTC[注釈 13]デザインセンター[注釈 14]日本ユニシスと共同開発中だった日産初の造形意匠用CADシステムである「STYLO(スタイロ)」が、試用段階ではあったが、初めて造形の初期段階から運用された。
  • 日本国内のグレード名は「マーチ(=行進曲)」という名前にちなんで「G/A/B/E」といった英米式音階表記となっていた。「」は1.3L車、「」は1.0L車をそれぞれ示す。初代後期からの人気グレード「i・z - f」は例外であるが、「f」にフォルテ(強弱記号)を用いることでイメージの統一を図っていた。
  • 台湾裕隆日産汽車ではマーチのハッチバック型が「行進曲」という名前で現地生産されていたほか、このモデルが2007年秋まで継続して生産されていた。
  • フランスでは氷上レース(=アンドロス・トロフィー)を戦うために、A32型セフィーロ用VQ30DEエンジンと4WDシステムをミッドマウントしたスペシャルモデルが開発された事がある。

3代目 K12型系(2002年 - 2010年)

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日産・マーチ(3代目)
K12型系
2002年3月発売型
2005年8月発売型
2007年6月発売型
概要
販売期間 2002年3月 - 2010年7月
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3ドア/5ドアハッチバック
2ドアカブリオレ(→マイクラC+C)
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動e-4WD
プラットフォーム Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン CR10DE型 997cc 直列4気筒 DOHC チェーン駆動
CR12DE型 1,240cc 直列4気筒 DOHC
CR14DE型 1,386cc 直列4気筒DOHC
HR15DE型 1,498cc 直列4気筒 DOHC
変速機 エクストロニックCVT
フルレンジ電子制御4速AT (E-ATx)
5速MT
サスペンション
マクファーソンストラット
トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,430mm
全長 3,695 - 3,735mm
全幅 1,660 - 1,670mm
全高 1,505 - 1,535mm
車両重量 870 - 1,060kg
その他
販売終了前月までの新車登録台数の累計 61万6144台[39]
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2002年2月、2度目のフルモデルチェンジを受ける[注釈 15]。生産は引き続き追浜工場で行われ、コンセプトは変わらず3ドアと5ドアのハッチバックのリッターカーであったが、日本市場では、2003年夏には1Lエンジンのグレードが消え、2005年のマイナーチェンジを機に、3ドアモデルは廃止された。欧州市場向けは英国日産自動車製造での生産となり、クーペカブリオレの「マイクラC+C」も発売され、日本にも2007年7月に導入され1,500台が限定販売されている。

技術面ではルノーと共同開発した「アライアンス・Bプラットフォーム[注釈 16]が初めて採用された。日本仕様車では新開発の1.0/1.2/1.4LのCR型エンジンを搭載、5速MT/4速ATを組み合わせていた。欧州では1.6Lモデルも存在する。駆動方式はFFに加え、電動式四駆「e-4WD」も用意された。なお、e-4WDに用いられる後輪用モーターは日立製作所の業務用洗濯機のものを流用しており[40]、後にマツダデミオおよびベリーサ向けにも供給された。また、燃費の向上を目的に、全車に電動式パワーステアリングが採用されている。2代目の特徴の一つであったCVTは、供給していた富士重工業(現・SUBARU)が日産の傘下から離れ、供給を受けられなくなった関係上、発売当初は搭載されていなかったが、2005年のマイナーチェンジを機に1.5LのHR型エンジン+CVT搭載のモデルが復活した。CR、HRのいずれのエンジンも電子制御スロットル仕様となる。

くりくりしたヘッドランプカエルの顔をイメージさせる特徴的なエクステリアデザインは、NTC内デザイン本部第一プロダクトデザイン部(担当:猿渡義市)によるもの。欧州向け日産車に共通するウイング型のグリルをはじめ、丸くラウンドしたルーフや、わずかに残されたリアノッチ、ショルダー部分のキャッツウォーク形状には2代目の面影を残す。競合車種と比較した場合、全長が短いことや、後ろ下がりのルーフ形状のため、後席居住性やラゲッジスペースは若干劣ることが多い。また、日本仕様車では多彩に用意された個性的な内外装色も特色であり、自動車の優れたカラーデザインを顕彰する「オートカラーアウォード」を3度(内グランプリ2度)受賞している。ちなみに、初期型に設定されていた内装色の「シナモン(オレンジ)」は開発段階で微妙だという意見が出たものの、当時最高経営責任者だったカルロス・ゴーンの「いいじゃないか!」という一言で市販が決定した。

ゴーンCEO着任後、初めて開発された車種[注釈 17]として、その売れ行きには注目が集まったが、発売初年度の日本市場では月販目標台数8,000台を大幅に上回る月平均14,000台を販売した。その後、他社から競合車が続々と発売されたこともあり、販売実績は低下傾向となった[注釈 18]。しかし近年では他社の競合車種がモデルチェンジするたびに車両のサイズを拡大する傾向にあるなか、マーチは車幅などのサイズが比較的小さい車種ということもあり、発売後4年を経過した2006年時点でも月5,000台程度をコンスタントに売り続けていた。

このモデルから、車両の構造上字光式ナンバープレートが装着できなくなった。

K12は、同一プラットフォームを利用する他のメーカー車がある他に、スタイリング改造メーカーが利用する種車にもなっている。代表的なところでは、光岡・ビュートは、リアオーバーハングを延長し、独立したトランクを備えたセダンである。以前はK11ベースであったが、2005年9月の13年ぶりとなるモデルチェンジでK12系ベースに移行した[注釈 19]。ビュートの妹分といった位置付けの、キュートもある。他にもビートル[41]セイチェント[注釈 20]などといったモデルがある。

改造車では、トミーカイラ「m13」もK11型に続いてK12型ベースとなった。

マーチ12SR

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日産・マーチ12SR
AK12型
2007年後期型5ドア
概要
販売期間 2003年10月 - 2010年4月
設計統括 中島繁治
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3ドア/5ドアハッチバック
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン CR12DE型 1,240cc 直列4気筒 DOHC
最高出力 前期型:
108PS(79kW)/6,900rpm
中後期型:
110PS(81kW)/6900rpm
最大トルク 13.7kgm(134Nm)/3,600rpm
変速機 5速MT
サスペンション
マクファーソンストラット
トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,430mm
全長 3,695mm
全幅 1,670mm
全高 1,505mm
車両重量 910kg(3ドア)
930 - 960kg(5ドア)
その他
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
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ベースモデルのK12マーチの変化に合わせて初期型-中期型-後期型があり、全ての期間においてカタログモデルである[42]。型式はDBA-AK12。開発担当者は当時オーテックジャパン(現日産モータースポーツ&カスタマイズ)に在籍していた中島繁治[42]

初期型 2003/10〜2005/8

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2003年10月15日、K12シリーズのスポーツモデルとして発売される。5MT設定のみラインナップ[42]。マーチ12SRにはボディ補強による捻れ剛性アップが施されている[43]ほか、以下のパーツが装着されている。

エンジンはCR12DEをベースにオーテックにより徹底的なチューニングが図られている。専用チューニングパーツとしてマーチ12SR専用に標準で取り付けられているものには高回転型カムプロフィール・バルブスプリング・専用ハイコンプピストン・軽量フライホイール・専用チューニングコンピューターなど多岐にわたる[42]圧縮比はベースエンジンの9.8から11.5まで高められ[45]、可変バルブタイミング機構をあえて搭載せずに燃費を向上させてレスポンス向上を図っている[43]。タンク容量は41Lで、無鉛プレミアムガソリンを使用する[43]

重量は5ドアが940kg、3ドアが910kgであり、1トンを切る車両重量を達成した[45]

インテリアにおいては専用スポーツシート(黒×オレンジ)・本皮巻き3本スポークステアリング・専用本皮シフトノブ・専用アルミペダル・カーボン調フィニッシャーなどを装備[45]。外観はカタログモデルの14Sに準じたエアロパーツを標準装備している[45]。オプションでリヤ&リヤクォーターウインドウのプライバシーガラスを選択できた[45]。初期型のみ3ドア(1,520,000円)と5ドア(1,545,000円)の設定がある。

カラーは全て専用色であり、ラインナップはダイヤモンドシルバー/シトロンイエロー/キウイグリーン/クリスタルブルー/スーパーブラック/ホワイトパール(オプション)[43]

中期型 2005/8〜2007/6

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2005年8月、K12(標準車)シリーズのマイナーチェンジに合わせて改良が施され、各部が一新された[44]。専用エアロパーツやグリルの形状なども標準車に合わせて変更がされている。標準車の3ドアグレード廃止により5ドア(1,764,000円)のみの設定になった[42]。また、1.5LエンジンにCVTを組み合わせた「15SR-A」も追加された[44]

専用スポーツチューンドサスペンションの仕様変更、ブレーキローター径を258mmに拡大[43]。デザインが変更されたエンケイ製専用15インチアルミホイールには、ブリヂストンポテンザRE-01Rが組み合わされる。エンジンのヘッドポート加工・専用ステンレス製エキゾーストマニホールド・専用チューニングコンピューターの仕様変更が施された[42]。インテリアにおいては専用スポーツシート(黒×グレー)[45]・ステアリングのステッチカラー変更(グレー)・クスコ製専用ストラットタワーバーがオプション設定で追加される[43]

最高出力が110PS(81kW)/6900rpmと初期型より若干パワーアップした[44]

カラーはダイヤモンドシルバー/スーパーブラック/ホワイトパール(オプション)[43]

後期型 2007/6〜2010/4

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K12(標準車)シリーズのマイナーチェンジに合わせた最後のマイナーチェンジが行われる。標準車に準じたフロントウインカー位置変更に伴うヘッドライトデザインの変更(ヘッドライトとウィンカーが一体になる)[43]。専用スポーツシート(黒×ブルー)[45] 前期型・中期型で6:4分割式だったリアシートが一体型へ変更[45]

その他の仕様は中期型に準ずる。価格は1,782,900円

カラーはダイヤモンドシルバー/パシフィックブルー/スーパーブラック/ホワイトパール(オプション)[43]

2010年4月19日をもって生産終了。

マーチカップカー

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日産・マーチカップカー
AK12型・マーチカップ用レース車
ベース車両の3ドアハッチバック
概要
製造国 日本の旗 日本
ボディ
ボディタイプ 3ドアハッチバック
パワートレイン
エンジン CR12DE型 1,200cc 直4 DOHC
変速機 5速MT
サスペンション
マクファーソンストラット
トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,430mm
全長 3,695mm
全幅 1,660mm
車両重量 820 kg
その他
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
データベース デモンストレーションカー
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NISMOから販売された、マーチカップのためのコンプリートカー。車両の内装で、フロア側やルーフ側のパーツや純正のステアリングホイールは取り払われた代わりに、NISMOステアリングホイールとロールケージを追加して軽量化と剛性アップを図っている。また、競技用の「サスペンション」「マフラー」「強化クラッチ」「LSD」「バケットシート」「アルミホイール」、そして「消火器」「牽引フック」「サーキットブレーカー」などの安全装備が装着される。2003年当時の価格は159万円[46]

エントリークラスのレース車両ながら、データロガーが標準で装備される。日産が開催するサーキット用教習プログラム「ニッサン・レーシングスクール」では、このマーチカップカーを教習車にしていた時期がある[46]

NISMOはこれ以外にも、エンジンと足まわりをチューンナップする「スポーツチューニングメニュー」を発売している[47]ほか、「NISMO MARCH S-tune COMPLETE」と呼ばれるコンプリートカーを製作した。

mm-R カップカー

このマーチカップカーとよく似た車両が、ゲーム「グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO」および「グランツーリスモ4」に収録されている。ただし、名前は「mm-R カップカー」と後述するプロトタイプにちなんだ名前になっている。

これは2001年の構想段階で、プロトタイプのmmをベースにした独自のレーシングバージョンを考案したものである。そのため、mm-Rはマーチカップを直接コピーしたものではない。カップカーのエンジンはほとんど変更されていないが、このmm-Rは138HPを発生するように調整された1.2Lエンジンを搭載している。ロールケージはもちろん装備されているが、ダッシュボード周りや後部座席のインテリアはカップカーの仕様に合わせて残されている[48]

年表

[編集]
コンセプトカー「mm.e」
2001年9月
第59回フランクフルトモーターショーに「mm.e」を出品。
2001年10月
第35回東京モーターショーにプロトタイプ「mm」参考出品。
2002年2月22日
フルモデルチェンジ。販売は3月5日から。月販目標台数は8,000台。
2002年9月5日
電動式4WDe-4WD」を1.4L車に設定。同時にオーテックジャパンの手による特別仕様車「ラフィート」を設定。
2002年9月
モンディアル・ド・ロトモビル(パリサロン)に出品、電動ハードトップを備えたオープンモデル「マイクラC+C」も併せて展示。
2002年11月29日
英国サンダーランド工場で現地生産を開始。
2003年5月8日
日産自動車創立70周年を記念した特別仕様車「12c 70th」、「14c-four 70th」を発売。電動格納式リモコンカラードドアミラー、オートライトシステム、リア可倒式シート、ETCユニットなどが装備された。
2003年7月1日
1.0L車を廃止。ブラックラジエーターグリル、ブラックアウトヘッドライトなどを採用したスポーティーグレードの「14s」を追加。シャーププラズマクラスター技術を搭載する「プラズマクラスターイオンエアコン」をオプション設定(市販車初)。同時に他のグレードでもプライバシーガラスのオプション設定(一部を除く)、12C以下でもフロントスタビライザーの標準装着の構造変更も行われた。
2003年9月
第60回フランクフルトモーターショーに「マイクラ1.5dCi」を出展。同年10月販売開始。
2003年10月15日
オーテックジャパンの手による特別仕様車「12SR」を3ドア・5ドアモデル共に設定。チューンアップされ高出力化されたCR12DE型エンジン、専用スポーツサスペンション、専用の内装などを装備する。
2004年4月23日
マイナーチェンジ。フルーツをイメージした新色を設定した。またフロントシートのホールド性が向上され、12c Bパッケージを除きプラズマクラスターイオンエアコンが全車標準装備とされた。
2004年8月18日
オートライトや分割可倒式リアシートなど、装備を充実させた特別仕様車「Vセレクション」を発売。
2004年12月1日
特徴的なヘッドランプ形状をモティーフにしたシート表皮が特徴の特別仕様車「iセレクション」を発売。プライバシーガラスなどが装備された。同時にオーテックジャパンの手によるレトロ調特別仕様車「ボレロ」を設定。
2005年4月27日
スウェード調シートクロスを採用した「プレミアムインテリア」を発売。他にオートライトシステムやリア可倒式シートなどが装備された。
2005年6月
電動ハードトップモデル「マイクラC+C」を英国で披露。ドイツのコーチビルダー・カルマン社と共同開発した。
2005年8月25日
マイナーチェンジ。3ドアモデルを廃止。フロントのウインカーレンズがクリアーになり、リヤバンパーとコンビランプも形状が変更された。最上級グレードの15GとRX、SRには台形のグリルをもつ専用のフロントバンパーが採用され、その他グレードも形状が小変更された。ボディカラーの設定も一部変更された。また、1.4L車はe-4WDのみの設定となり、新たに1.5L HR型エンジン+エクストロニックCVT搭載モデルが投入され、オーテックジャパンによるSRシリーズにも1.5Lエンジン+エクストロニックCVTが組み合わされた「15SR-A」が追加された。SRシリーズに空力性能を考慮した専用のエアロパーツが新たに装着され、市販車としては珍しく実際にダウンフォースを発生させる形状となっている。4ATが型番変更され、MC前の4ATで発生していた1速→2速への変速ショックが改善されている。
2005年9月
フランクフルトモーターショーに生産型「マイクラC+C」および「マイクラ160SR」を出展。
2005年11月
欧州市場で「マイクラC+C」を販売開始。
2006年6月1日
コンランショップとのコラボレーションモデル「プラスコンラン」を9月まで限定発売。専用のフロントグリルやシートが装備された。
2006年10月4日
装備充実の「ワンタッチコレクション」、「ワンタッチコレクションプラスナビ」を設定。インテリジェントキーやリア可倒式シート、プライバシーガラスなどが装備された。
2007年6月5日
マイナーチェンジ。フロントマスクのデザインが変更。フロントバンパーについては中期型の上級グレードに装着されていたものに統一された。これまでフロントグリルに設置されていたウインカーランプがヘッドライト内に移動された。ボレロはヘッドライトとウインカーランプが別になっていたため、フロントバンパーの穴に丸型のウインカーランプが装着されていたが、この変更によりその穴はフタで塞がれた。内外装に新色を設定。特別仕様車「Plus navi HDD」発売。
2007年7月23日
マイクラC+Cを英国より輸入し、日本で1500台限定販売(1月に導入発表)。このモデルのみ、日本でも「マーチ」ではなく「マイクラ」を名乗る。
2007年10月9日
マーチ誕生25周年を記念して、過去の人気色「ショコラパールメタリック」「パプリカオレンジメタリック」とインターネットのアンケート投票で一番人気だった「アクアブルーチタンパールメタリック」を採用した「12E/14E FOUR リミテッドカラー」をインターネット予約で各色250台、合計750台を限定販売。
2007年11月8日
誕生25周年記念特別仕様車「25th Happiness(ニーゴー ハピネス)」、「Plus Safety」、「KISEKAE」を発売。「25th Happiness」にはオートライトシステムなどが、「Plus Safety」には各種安全装備が、「KISEKAE」には2種類の専用シートカバー、専用フィニッシャー、専用キッキングプレート、本革巻ステアリング、インテリジェントキーなどが装備された。
2008年5月27日
ボディカラーに新色の「アメジストグレーパールメタリック」を追加するとともに、「12S」「14S FOUR」にリヤ6:4分割可倒式シート、e-4WD車に寒冷地仕様を標準化した。また特別仕様車「12E/14E FOUR Plus navi HDD SP」と「12S/14S FOUR コレット」を期間限定発売。後者は購入でカーボンオフセット活動に参加したとみなされる特典が付く。
2008年10月7日
特別仕様車「12E/14E FOUR Iyashi Interior(いやしインテリア)」を発売。シルフィに採用されているHADASARA加工クロス(シートとドアトリム)や、プラズマクラスターイオンフルオートエアコンの特別装備を追加。これと同時に、プライバシーガラスと6:4分割リア可倒式シートを一部グレードに標準装備とする仕様変更を行った。
2009年5月12日
「12S」、「14S FOUR」をベースに、リヤ可倒式シート、プライバシーガラスを標準装備し、オーディオレス仕様としたことでお買い得価格に設定した特別仕様車「12S/14S FOUR コレット(シャープ)」を発売。同時にボディカラーの新色に「クリスタルライラックチタンパールメタリック」を設定(12Bを除く)し、「12E/14E FOUR/15E」にはスクエアインテリアパッケージの装備(スクエアインテリアシート、助手席シートアンダートレイ、助手席シートバックポケット)が標準化された。
なお「15RX」は廃止され、オーテックジャパン扱いとなる「ボレロ」「ラフィート」「12SR」「15SR-A」のリア可倒式シートはコストダウンに伴い6:4分割タイプからベンチタイプへ変更されたことから中古車購入の際は事前の年式確認が推奨される。
2010年2月3日
特別仕様車「12S/14S FOUR コレットf(エフ)」を発売。インテリジェントキーとカラードドアハンドル、プライバシーガラスの特別装備を追加した代わりに、オーディオレス化、リア可倒式シートをベンチタイプにするなどして2WDモデルで100万円を切る価格設定にした。
2010年6月[49]
生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
2010年7月
4代目とバトンタッチして販売終了。
受賞歴
  • 2002年10月 - 経済産業省選定グッドデザイン賞を受賞。
  • 2002年11月 - 「パプリカオレンジ×シナモン」の内外装色組合せと5色の外装色(コミュニケーションカラー)が第5回オートカラーアウォードのグランプリを受賞。
  • 2003年7月 - ドイツのレッド・ドット・デザイン賞受賞。
  • 2003年12月 - 外装色「ショコラ」が第6回オートカラーアウォードのファッションカラー賞受賞。
  • 2005年12月 - 「チャイナブルー×アイスブルー」の内外装色組合せが第7回オートカラーアウォードで2度目のグランプリ受賞。
  • 2007年12月 - 「サクラ×カカオ」の内外装色組合せがオートカラーアウォード2008で3度目のグランプリ受賞。同時にオートカラーデザイナーズセレクション・インテリア部門賞も受賞した。

4代目 K13型系(2010年 - 2022年)

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日産・マーチ(4代目)
K13/NK13型/K13改系
12G 2010年7月発売型
12X Vセレクション 2013年6月発売型
NISMO S 前面
概要
別名 欧州:日産・マイクラ(4代目)
ルノー・パルス(初代)
ヴェヌーシア・R30
製造国 タイ王国の旗 タイ
インドの旗 インド
中華人民共和国の旗 中国
メキシコの旗 メキシコ
中華民国の旗 台湾
ブラジルの旗 ブラジル
販売期間 日本:2010年7月 - 2022年12月
欧州:2010年8月 - 2016年
タイ : 2010年3月 - 2022年8月
メキシコ:2011年3月 -
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動(e-4WD)
プラットフォーム Vプラットフォーム
パワートレイン
エンジン HR12DE型 1,198cc 直列3気筒 DOHC
HR15DE型 1,498cc 直列4気筒 DOHC(中国・台湾・日本{NISMO S})
HR16DE型 1,598cc 直列4気筒 DOHC(ラテンアメリカ・日本{ボレロ A30})
K9K型 1,500cc 直列4気筒 dCi(欧州・インド)
最高出力 79馬力

160馬力(NISMO S)
150馬力(ボレロ A30)
変速機 CVT
5速MT
(日本仕様はNISMO S、およびボレロ A30のみ)
4速AT
サスペンション
ストラット
トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,450mm
全長 3,780mm
(2010年7月発売型)
3,825mm
(2013年6月発売型)
3,870mm
(NISMO/NISMO S)
全幅 1,665mm
(NISMO/NISMO S、およびボレロ A30以外)
1,690mm
(NISMO/NISMO Sのみ)
1,810mm
(ボレロ A30のみ)
全高 1,515mm
(前輪駆動)
1,525mm
(四輪駆動)
車両重量 940 - 1,040kg
その他
2015年4月までの新車登録台数の累計 17万582台[50]
系譜
後継 日本:既存のノート、およびデイズに統合(両者共に間接上)
タイ:既存のアルメーラに統合(間接上)
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2010年7月におよそ8年半ぶり、3度目のフルモデルチェンジを受ける。今回は日本国内での生産はなく、タイ・中国・インド(ルノー・パルスとの混産)・メキシコ(アグアスカリエンテス工場)[51]・ブラジル・台湾の各工場での生産となる。日本仕様は追浜工場製からタイタイ日産(旧:サイアム日産オートモービル)製に変更された[注釈 21]。日本での月間販売目標台数は4000台と発表された。

プラットフォームはレイアウトの最適化とシンプルなボディ構造を追及し新開発されたVプラットフォームを採用。低重心化とタイヤを四隅に配列したデザインとしたことでリアトレッドを拡大すると共に、シル部も外側へ張り出したことでコンパクトでありながら踏ん張り感のあるプロポーションとした。また、後端はわずかに跳ね上がるような流線型のルーフラインとしたことで空力性能を高め、燃費向上に貢献した。また、特徴の一つである丸型ヘッドランプやアーチを描くサイドウィンドウはマーチのDNAである「フレンドリー」を継承する為、先代のK12型に近いデザインとした。

エンジンは軽量・コンパクト・低フリクションロスに優れた燃費効率を持つ新開発のHR12DE直列3気筒DOHC12バルブエンジンに変更となり、トランスミッションはCVTに2段変速の副変速機を組み合わせた「新世代エクストロニックCVT」を全グレードに採用。また、「12X」と「12G」には信号待ちなどの停車時にエンジンを自動停止するアイドリングストップ機構を備える。このアイドリングストップ機構はアイドリングストップ作動中にステアリングを進行方向に切り始めるとエンジンが再始動するため、ドライバーの意図に合ったスムーズな発進を可能にしており、また、ブレーキペダルの緩め方一つでエンジンの再始動やアイドリングストップの維持などを車両が最適な判断を行うことで違和感を低減している。これらにより、「12X」・「12G」は26.0km/L(10・15モード)の低燃費を達成。アイドリングストップ機構を搭載しないグレードを含めて全車「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+25%」を同時に達成した。なお、日産では既存のエンジン車に次世代環境技術を搭載した"エンジン進化型エコカー"として「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」を展開しており、4代目マーチは「PURE DRIVE」の第1弾として展開する。その証として、「12X」と「12G」にはリアに「PURE DRIVE」エンブレムが装着される。

グレード体系は装備を充実しながら130万円を切ったスタンダード仕様の「12S」、アイドリングストップ機構に加え、インテリジェントキー、カラードドアハンドル等を装備した充実仕様の「12X」、UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア・バックドア)、オートライトシステム(フロントワイパー連動、薄暮れ感知機能付)、タコメーターオゾンセーフフルオートエアコン、SRSカーテンエアバッグシステム等を装備した上級仕様の「12G」の3グレードを用意し、「12X」と「12G」には4WD車も設定される(4WD車のグレード名称は「12X FOUR」と「12G FOUR」)。また、オーテックジャパン扱いのカスタムカー「ボレロ」もモデルチェンジを行い、同日に販売を開始した。販売開始当初、ボディカラーは9色(うち、特別塗装色3色)が設定されていたが、「12S」は「バーニングレッド」、「パシフィックブルーパールメタリック」、「シャンパーニュゴールドメタリック」を除く6色、「ボレロ」は4色であった。

なお、3点式シートベルト(前席のみプリテンショナー機構、ロードリミッター機構も付く)、EBD付きABSが全グレードで全席標準装備。「12G」以外でもオプションでサイド・カーテンエアバッグが選択できる。

2013年6月改良型では新たにジュークZ34型フェアレディZに続くプレミアムスポーツバージョン(実質的にコンプリートカー扱い)である「NISMO」を設定することが発表された。マーチNISMOでは他の車種と異なり、モータースポーツファンやスポーツドライビング志向のユーザーのみならず、より幅広い層のクルマ好きユーザーにも提供できるよう、「NISMO」および「NISMO S」の2グレードが設定された。「NISMO」は、「X」をベースとした低燃費・エコ志向の1.2L・CVT車[注釈 22]。「NISMO S」は、「S」をベースとして海外向けに設定されているHR15DE型エンジンにチューニングを施して出力・トルク共に大幅アップさせた専用仕様のエンジンを搭載し、車体剛性のアップも行ったパフォーマンス志向の1.5L・5MT車(なお、5MT車は海外向けでは設定があるが、日本国内向けでは4代目にフルモデルチェンジされてから設定されず、今回の「NISMO S」が日本国内向けでは唯一の5MT車となる[注釈 23])。ボディカラーは既存の「ピュアブラックパールメタリック」と「ブリリアントシルバーメタリック」に加えて、NISMO専用色の「ブリリアントホワイトパール3コートパール(特別塗装色)」の3色展開となる。この「ブリリアントホワイトパール3コートパール」は2014年5月の一部仕様向上に伴い、他のグレードでも設定できるようになった。

2016年に発表された5代目モデルは日本へは導入されず、4代目モデルが継続して販売されていた。しかし、日本国内では税金の安価な軽トールワゴンと競合するようになり、晩年は販売不振が顕著になったことから、2022年8月末にタイでの日本向けの生産を終了して順次販売を終了することで、日本での40年の歴史に幕を閉じた[1]。日本市場の小型車については日産・ノートに経営資源を振り向ける[52]

2021年1月30日、改良新型版を3月、メキシコ市場で発売すると発表した[51]。本格的なマイナーチェンジは8年ぶりとなる。改良新型の特長が、新デザインのフロントマスクである。Vモーショングリルの巨大化と、グリルと一体感を持たせた新デザインのヘッドライトによって、表情を一新している。なお、改良新型マーチには、6グレードが用意される。そのうちのいくつかのグレードには、ツートンカラーのオプションが選択できる。最上位グレードには、「Nissan Connect Finder」を搭載する、としている。また、日本での発売はされない。

受賞歴
2010年12月 - スプリンググリーン外装+ブラック×アイボリー内装が、オートカラーアウォード2011ファッションカラー賞を受賞。

年表

[編集]
2010年3月2日
2010年ジュネーブモーターショーにて4代目「マイクラ」を世界初披露。欧州向け仕様ではトランスミッションに日本では販売開始当初設定されていなかった5速MTの設定がある。
2010年3月12日
タイ日産自動車の工場にてオフライン式を挙行。タイでは翌13日より予約注文を受け付け、同月26日より販売を開始した。
2010年4月23日
北京モーターショーにて中国向け「マーチ」(中国名「瑪馳」)を披露。中国市場への導入は初めてで、エンジンは1.5L・直4のHR15DE型が搭載されている。
2010年5月24日
インド日産がルノー・日産アライアンスのチェンナイ工場にてインド向け「マイクラ」の生産を開始。
2010年6月
タイ国外向け輸出を開始。
2010年7月13日
日本国内仕様をフルモデルチェンジ。同時にリアのナンバープレート位置がバックドア上からバンパー上に変更された。
2010年8月30日
中国にて販売開始。生産は現地合弁会社、東風汽車有限公司
2011年3月4日
メキシコ日産のアグアスカリエンテス工場にて「マーチ」の生産を開始[53]
2011年6月22日
2011年5月末時点で初代モデル発売からの累計販売台数が600万台(派生車のマイクラC+Cを含む)を達成したことを発表[54]
2011年6月30日
一部仕様変更。12X/12X FOURで装備内容の見直しを行い、車両本体価格を30,450円値下げ。ボディカラーは「12X」系、「12G」系専用色で入れ替えが行われ、「シャンパーニュゴールドメタリック」を廃止する替わりに新色の「サンライトオレンジメタリック(オプションカラー)」を追加。さらに、「12S」をベースに、電動格納式リモコンカラードドアミラー、電源ソケット(DC12V)、UVカット断熱グリーンガラス(フロントドア)などを装備した「12S Vパッケージ」を新設した。
2011年10月29日
インドにてルノーがマイクラ(マーチ)をベースとする小型車「ルノー・パルス」 (Renault Pulse) を発表。フルエンスコレオスに続くルノー・インディア三番目の車種となり、マイクラとは異なるグリルデザインが与えられている。エンジンはK9K型1.5Lディーゼルのみの設定となる[注釈 24]。製造はマイクラ同様チェンナイ工場にて行われる[55]
2011年12月
裕隆日産汽車を通じて台湾で生産・販売開始(K11型からのフルモデルチェンジとなる)。
2012年4月24日
仕様変更。「12X」・「12G」においてCVTのさらなる高効率化などによって燃費を向上。これにより、「平成27年度燃費基準+10%」を達成。併せて、「12S」は「12S Vパッケージ」への統合により廃止された。
2012年5月23日
光岡自動車に「ビュート」として、ベース車供給開始。ビュートは、K11〜K12型もベースにしていた。
2012年10月31日
マーチ発売30周年を記念して、特別仕様車「30th Happiness」を発表(12月4日発売)。「12X」系をベースに、リアドアとバックドアにプライバシーガラス(UVカット断熱機能付)を装備するとともに、フロントバンパーロアグリル・アウトサイドドアハンドル・インナードアハンドルにメッキ加飾を施した。
併せて、一部仕様の見直しを行い、「12X」系は従来、プライバシーガラスとセットでメーカーオプション設定となっていたカーテンエアバッグの単体設定が可能になり、ボディカラーは「12X」系・「12G」系で変更が行われ、「パシフィックブルーパールメタリック」を廃止、赤系は「バーニングレッド」から「ラディアントレッドパールメタリック」に差し替えとなった(「12S」・「ボレロ」は変更なし)。
2013年3月23日
タイ日産がマーチをフェイスリフトして発売[56]。フロントデザインを一新し、フロントグリルにはVシェイプのメッキ加飾を(併せて、フロントの日産CIはフロントグリルに組み込まれる)、ヘッドランプにはクロームアクセントをそれぞれ加え、フロントバンパーとフロントバンパーロアグリルのデザインも変更された。リアデザインはハイマウントストップランプをLED式に変更するとともに、リアコンビランプとリアバンパーのデザインも変更された。
2013年6月4日
フェイスリフトした欧州向けマイクラが発表される[57]
2013年6月24日
日本仕様をマイナーチェンジして発売[58]
外観上の変更は先に発表されたタイ仕様に準ずる。ボディカラーは「スプリンググリーンパールメタリック(オプションカラー)」を廃止する替わりに、新色の「ナデシコピンクパールメタリック」と「オリーブゴールドメタリック(オプションカラー)」を追加した。内装ではシートとドアのスウェード調クロスにエンボスパターンを採用し、センタークラスターのデザインを変更した。グレード体系は新たに「X Vセレクション」・「X FOUR Vセレクション」を追加するとともに、既存グレードは「12S Vパッケージ」は「S」に名称を戻すとともに、他の既存グレードも排気量を示す数字を省いたグレード名称となった。
最上位グレードの「G」系は上記変更に加え、アウトサイドドアハンドル、エアコンセンター吹き出し口ノブ、インナードアハンドルをメッキ化するとともに、シートにシルバー色のステッチを追加し、スピードメーター廻りにクロームリングを追加。内装色にはプラムが設定され、ピアノ調センタークラスターフィニッシャーとオゾンセーフフルオートエアコンのセットオプションが新たに設定された。
オーテックジャパン扱いのカスタムカー「ボレロ」もマイナーチェンジを行い、カタロググレードでは「G」系に装備されるメッキアウトサイドドアハンドルが追加されたほか、オプションには専用リヤバンパーモールや専用ホイールデカールを設定した。また、ボディカラーは「ピュアブラックパールメタリック」に替わり、新色の「ナデシコピンクパールメタリック」が設定された。
さらに、「マーチNISMO」を12月に発売することを発表し、同日から受注受付が開始された[59]。尚、「NISMO」シリーズについては半完成車状態[注釈 25]でタイから輸入されて追浜工場でPDIを受けた後、オーテックジャパンに移されてNISMOがデザインした専用前後バンパー+サイドシルプロテクター+ルーフスポイラー、デイライト、専用16インチアルミホイール、専用チューニングのサスペンションなどを装着する。加えて、「NISMO S」は1.5LのHR15DE+5速MT、専用スポーツシートや専用アルミペダル、専用チューニングコンピュータ、車体剛性強化などメカニズム面も大幅に強化された上で出荷される。
2013年7月3日
インド日産がフェイスリフトしたマイクラを発売。MTに加えてCVTも設定されたが、これは同国のプレミアムハッチバック市場で初めてのことである。価格は47.9万ルピーからとなる[60]
また、廉価版のマイクラアクティブも併せて発売された。フェイスリフト前のマイクラをベースに新デザインのフロントグリルおよびバンパー(フォグライトなし)が与えられている。パワートレーンは1.2Lガソリンエンジンと5速MTの組み合わせのみとなり、4グレードが設定される。価格は35万ルピーからとなる[60][61]
2014年1月9日
カナダ市場にマイクラが21年ぶりに再投入されることが発表された。16日から開催されるモントリオール国際オートショーにて正式にデビューする[62]
2014年5月19日
日本で一部仕様向上[63]
既存の廉価グレード「S」をベースに、最上位グレードである「G」系と同じプラムの内装色を採用するとともに、シルバーフィニッシャーを随所に配し、フロントにドアトリムを追加。フロントバンパーロアグリルやアウトサイドドアハンドルにメッキ加飾を施し、後席を6:4分割の可倒式シートに変更した新グレード「S PLUM interior(プラムインテリア)」を追加。
さらに、全車にVDCが標準装備されたほか、ボディカラーは特別塗装色で変更が行われ、「X」系・「G」系専用色の「サンライトオレンジメタリック」を廃止する替わりに新色の「カプリブルーメタリック」を追加し、白系は「ホワイトパール3コートパール」から「NISMO」専用色だった「ブリリアントホワイトパール3コートパール」に差し替え。「ラディアントレッドパールメタリック」は「S」でも設定ができるようになった。
2016年1月1日
日本において、近年の為替変動による原材料や部品価格、物流コストの高騰に伴い、希望小売価格の改定を実施し、グレードにより、税込14,040円〜21,600円の値上げを行った[64]
2016年4月1日
オーテックジャパンより、エンジンのチューニングやボディのワイドトレッド化を始めとする特別架装を施した、同社創立30周年記念車「Bolero A30」を限定30台で発売する事が発表された。販売については期間を設けた上で同社ホームページより商談申し込みを受け付け、応募多数の場合は抽選といった特殊な方法が用いられた[65]。希望小売価格は税込3,564,000円であった。
2016年12月
パルサーハッチ/パルサーセダンとともに、オーストラリアでの販売を終了。
2017年3月1日
広報発表なしの一部仕様変更を実施。警告表示灯に関する法規への対応が図られたほか、ボディカラーの「オリーブゴールドメタリック(特別塗装色)」と「クリスタルライラックチタンパールメタリック(特別塗装色)」を廃止して7色に整理。グレード体系も整理され、「X Vセレクション」・「X FOUR Vセレクション」への統合の為、「X」・「X FOUR」を廃止した。
ベースグレードでの一部ボディカラーの廃止を受けて、オーテックジャパン扱いの「ボレロ」はボディカラーの入れ替えを行い、「クリスタルライラックチタンパールメタリック(特別塗装色)」を廃止し、新たに「ブリリアントシルバーメタリック」を追加した。
2017年7月5日
新グレード「パーソナライゼーション」を追加[66]
「X Vセレクション」系と「G」系に設定されており、電動格納式リモコンドアミラー(ドアロック連動自動格納機能付)とアウトサイドドアハンドル(フロント・リア)をブリリアントホワイトパール3コートパールに、フルホイールカバーをホワイトパールにそれぞれ変更した。
また、ボディカラーの拡充を行い、「チタニウムカーキパールメタリック(特別塗装色)」と「ダークブルーパール」の2色の新色を加える(ただし、「パーソナライゼーション」系グレードは除く)とともに、前期型に設定されていた「スプリンググリーンパールメタリック(特別塗装色、「S プラムインテリア」・「G」系・「G パーソナライゼーション」系を除く[注釈 26])」と2011年6月の一部仕様変更から2014年5月の一部仕様向上まで設定されていた「サンライトオレンジメタリック(特別塗装色)」の2色を復刻したことで、11色に拡大した。
2020年7月16日
一部仕様向上[67]
安全装備が強化され、インテリジェント エマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、ハイビームアシスト、LDW(車線逸脱警報)を「NISMO」・「NISMO S」を除く全車に標準装備された。また、ボディカラーは特別塗装色のオレンジ系が変更となり、「サンライトオレンジメタリック」に替わって新色の「プレミアムホライズンオレンジパールメタリック[注釈 27]」が設定された。
オーテックジャパン扱いの「ボレロ」も一部仕様向上され、ベース車同様に安全装備の強化に加え、センタークラスターフィニッシャーをピアノ調、ボーダー柄の専用シート地をブラックとした「ブラックインテリア」が追加されたほか、ボディカラーは「ブリリアントシルバーメタリック」を廃止する替わりに、「チタニウムカーキパールメタリック(特別塗装色)」と「ピュアブラックパールメタリック」の2色が追加され、5色展開となった。
なお、今回の一部仕様向上でWLTCモードによる排出ガス・燃料消費率に対応し、「平成30年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を新たに取得。また、4WD車が廃止となり、2WD車のみの設定となった。
2021年1月30日
メキシコ日産がマーチのフェイスリフトを行い、3月から発売すると発表した[51]。フロントマスクは全面刷新され、Vモーショングリルとヘッドライトが一体感のあるデザインとなった。ツートーンのボディカラーを一部グレードにオプションで設定。Apple CarPlayAndroid Autoに対応したタッチパネル式オーディオなどを装備する[68]
2022年8月31日
日本向けの生産を終了しており、在庫がなくなり次第販売を終了することを発表した[1][52]
2022年12月25日
日本向けの販売を終了。以後の代替は既存の登録車ノート、および軽自動車デイズでそれぞれ吸収する形となる

5代目 K14型系(欧州仕様マイクラ、2017年 - 2023年)

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日産・マイクラ(5代目)
K14型系
2017年発売型
インテリア
概要
製造国 フランスの旗 フランス
販売期間 欧州:2017年3月 - 2023年7月
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム Vプラットフォーム
パワートレイン
エンジン HR09DET型 900cc 直3
BR10DE型 1,000cc 直3 DOHC
K9K型 1,500cc 直4 DOHC dCi
HRA0DET型 1.000cc IG-T 直3 DOHC
HR10DDT型 1.000cc DIG-T 直3 DOHC
最高出力

63 bhp

92 bhp
変速機 5速MT
6速MT
CVT
車両寸法
ホイールベース 2,525mm
全長 3,999mm
全幅 1,743mm
全高 1,455mm
車両重量 940 kg
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2016年9月フランスで開催された「パリモーターショー2016」にて、新型「マイクラ Gen5」を初公開[69][70]。2017年1月からフランスのルノー・フラン工場で生産を開始し、同年3月に欧州で発売した[71]。日本には導入されない。

プラットフォームは先代からのVプラットフォームを改良して使用。ボディサイズは先代比で全高が-55mm、全長が+174mm、全幅が+77mm、ホイールベースが+75mmとなる。特に全幅は1,743mmと、日本の小型車(5ナンバー)枠を超えるサイズにまで拡大された。

エンジンはダウンサイジングされ、HR09DET型・0.9L 直3ガソリンターボ90PS、BR10DE型・1.0L 同自然吸気71PS、K9K型・1.5L 直4ディーゼル90PSの3機種。トランスミッションはすべて5MTのみ[72]。なお1.0L・NAは遅れて5月の発売とされた[73]

2018年6月、南アフリカで発売。エンジンは0.9Lガソリンターボのみを設定[74][75]。当初は先代のK13型系と併売されていた[76]

2019年1月28日、新開発エンジンを発表[77][78]。HRA0DET型1.0L・3気筒ターボの「IG-T」100PS(トランスミッションの違いで2種)、およびHR10DDT型1.0L・3気筒ターボの「DIG-T」117PS。GT-Rに使われた「ミラーボアコーティング」技術を採用している。トランスミッションは「IG-T」には5MTに加えこれまで設定のなかったCVTが追加された。また「DIG-T」には6MTが組み合わされる。引き換えに0.9Lターボはラインナップから落とされた。この時点では1.0L NAと1.5Lディーゼルは残ったが、2020年5月時点で両者は選択できなくなっている[79]

2019年11月には南アフリカでも「DIG-T」を追加設定(84 kW仕様)[80]

2020年11月26日、欧州向けの2021年モデルを発表[81][82][83]。グレード体系を変更し、内外をスポーティに仕立てた「N-Sport」を新設定したほか、安全装備やコネクティビティを充実させた。またエンジンはユーロ6d排出ガス基準適合の3気筒ガソリンターボ1.0 L・92 PSに絞られ、5MTまたはCVTを組み合わせる。

2022年8月、南アフリカでの販売を終了した[84]

2022年12月、フラン工場における生産を終了[85][86]。2023年7月、欧州での販売を終了[2]

後継となる新型は登場しておらず、欧州におけるマイクラの販売はいったんここで途切れることとなった。日産は2022年1月に、欧州マイクラの後継車としてコンパクトEVを投入すると発表したが、車名等は「今後発表する」とされている[87]

車名の由来

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「マーチ」 (MARCH) は、英語で「行進」「行進曲」「3月」の意味を持つ[88][89]。同社のサニーと同じように一般公募を行い、加えて著名人を審査委員として選考した[90]

しかし、商標登録上の問題はないとはいえ、当時最大のレーシングカーメーカーであったマーチ・エンジニアリングと同じ呼称を車名に使うことには少なからず批判があった。なお日産はグループC1983年からマーチ・83Gを始めとした車両を使用している。

欧州ではマーチの名は用いられず、「マイクラ」 (Micra) の車名で販売されている。これは英語でごく小さな長さの単位であるMicron(ミクロン)の複数形である。

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ なおマーチの場合、次期モデルまでのモデルチェンジまでの期間は、平均して10年。
  2. ^ 「新型車の思想を反映したもの」「商標権上問題の無いもの」「発音しやすく覚えやすい」を前提とした一般公募による第1位は「ポニー」(118,820通)、第2位は「フレンド」(54,152通)、第3位は「ラブリー」(42,929通)、第4位は「シャトル[要曖昧さ回避]」(40,304通)、第5位は「スニーカー」(30,628通)であったが、当時、審査員を務めた岡本太郎坂本九石原裕次郎王貞治などの有名・著名人の多くが第164位の「マーチ」(4,065通)に投票していた。なお、応募総数は565万1318通だった。
    なお1980年代前半において公募ベスト5と名前が共通する車種としてはヒュンダイ・ポニー (1975年 - )とホンダ・シビックシャトル (1983年 - )、類似した名称にはスズキ・ラブ (1982年 - )が存在した。
  3. ^ 自動車の開発拠点としては、1981年11月に神奈川県厚木市に落成した大型研究開発施設「テクニカルセンター」に集約された。ただし、日産はプリンスが中島飛行機時代から荻窪で行っていたロケット開発を引き継いで宇宙航空事業に参入しており、1998年に宇宙航空事業部が群馬県へ移転するまで荻窪事業所は存在していた(その後、宇宙航空事業部は2000年石川島播磨重工業へ部門ごと売却され、現在のIHIエアロスペースとなる)。
  4. ^ 日本国外ではMA12S 1235ccエンジンを搭載した車種や、Micra super(マイクラスーパー)などの独自車両も存在した。
  5. ^ a b K11型マーチが登場した頃のコンパクトカーのATは、概ね上級グレードを除いて3速であり、K11型マーチのステップATが全車ロックアップ付の4速であったことと比べると見劣りがした。
  6. ^ ただし、スターレットやデミオの廉価グレード、ロゴのステップATは3速であり、なおかつスターレットの廉価グレードやロゴの場合、座席がコストダウンされていたため、マーチと比べて見劣りするのが否めなかった。
  7. ^ ほぼ同じ時期に税金の安価な軽トールワゴンが2社から発売されたが、当時の軽自動車は旧規格であり、トールワゴンであっても居住性や動力性能に難点があったため、相対的に維持費の高いコンパクトカーであっても相応の需要があった。
  8. ^ ちなみに1993年10月以前のK11型マーチの場合、「i・Z」以下のグレードにはトリップメーターが装備されていなかった。
  9. ^ コレットおよびi・zに非装着車をオプション設定。
  10. ^ 生産はオープンカーの製造を得意とする高田工業が受託。
  11. ^ 後年、K12型ベースのクロスオーバーSUVの車種名(日産・ジューク)に流用される。
  12. ^ このグレード体系の見直しに伴い、最上級グレードに必ず標準装備されていたタコメーターはK12型にモデルチェンジするまで一時的に廃止された。
  13. ^ 日産テクニカルセンターの略。
  14. ^ 現・デザイン本部。
  15. ^ 当初2000年の発売を目指して「ほぼ」開発は終了していたが、ルノーとプラットフォームの共通化のため発売が大幅に遅れたといわれている。
  16. ^ ルノーとのプラットフォームの共通化に伴い、給油口がこれまでの日産FF車の定位置であった左側からBプラットフォーム標準の右側に変更された。ただし、Vプラットフォームを採用した次期型では再び左に戻されている
  17. ^ それより前に発表された車種は着任前すでに開発が始まっていた。
  18. ^ 日産社内からもノートが登場した。
  19. ^ K12系ベースの新世代に移行した後も、旧型がK11型マーチの中古車をベースに継続生産され、「メイクアップビュート」と名前を変えて販売されている。
  20. ^ フリード・マーチリッツ
  21. ^ したがって、自動車検査証(車検証)の車名は「ニッサンMT」になる。なお、日本向け仕様については追浜工場にてPDIが行われる。
  22. ^ ちなみにスポーティー仕様にも関わらず、ベースとなった「X」同様、タコメーターは標準装備されていない。
  23. ^ このほか、「NISMO S」にはNISMOロゴの刻印が入ったタコメーター、および220km/hまで表示されたスピードメーターが付いた2眼式コンビネーションメーターなどが装備される。
  24. ^ 追って、マーチと同じHR12DE(ルノーにおける呼称:XH5)も用意されている。
  25. ^ 海外からの輸送のため、ボレロ同様、ライトやバンパーはレスではなく仮装着の状態である。
  26. ^ 前期型は「G」系でも選択できた。
  27. ^ ノートの2016年11月のマイナーチェンジの際に「プレミアムコロナオレンジパールメタリック」として設定された車体色。キックスは2代目の発売当初から「プレミアムホライズンオレンジパールメタリック」の名称であり、リーフは2020年に、エクストレイルは同年10月の一部仕様向上時に、ノートも同年11月の3代目へのフルモデルチェンジ時に該当色の名称を変更している。

出典

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外部リンク

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