松沢弘陽
松沢 弘陽(まつざわ ひろあき、旧字体:松󠄁澤 弘陽、1930年(昭和5年)3月11日[1] - )は、日本の政治学者。専門は、近代日本政治思想史[1]。北海道大学名誉教授。
略歴
[編集]1930年(昭和5年)神戸市生まれ[1]。1948年(昭和23年)松本高等学校文科甲類入学[1]。1953年(昭和28年)東京大学法学部卒業[1]、同大学大学院社会科学研究科に進学[1]。丸山眞男に師事。
1955年(昭和30年)東京大学社会科学研究所助手[1]。1960年(昭和35年)北海道大学法学部助教授[1]、1965年(昭和40年)同教授[1]。1977年(昭和52年)同大学評議員[1]。1984年(昭和59年)同大学法学部長・大学院法学研究科長[1]。1993年(平成5年)北海道大学停年退官[1]、同名誉教授。国際基督教大学教養学部教授(~2000年(平成12年))。
学外では、放送大学客員教授(1989年(平成元年)~1994年(平成6年))[1]をはじめ、小樽商科大学、北海道教育大学、札幌大学法学部、北星女子短期大学、東京都立大学法学部、名古屋大学法学部、東北大学文学部・京都大学文学部、大阪大学文学部の非常勤講師を務めた[1]。
研究・業績
[編集]専門は日本における近代日本政治思想史だが、近代政治思想史全般に精通する。特に内村鑑三や福沢諭吉の研究が有名。この他、思想史上の師である丸山眞男の業績を整理紹介している。特にその刊行中に丸山が逝去するなかで『丸山眞男集』の編纂にあたったほか、丸山の蔵書類が日本女子大学に寄贈される仲立ちを果たし[2]、丸山眞男文庫の整備にもあたった。また思想の科学研究会の共同研究「転向」にも参加した。後年は、日本政治史も研究対象としている。
受賞歴
[編集]- 城戸浩太郎賞(1960年)[1]
著書
[編集]- 『日本社会主義の思想』(筑摩書房、1973年)
- 『日本政治思想』(放送大学教育振興会、1989年、改訂版1993年)
- 『近代日本の形成と西洋経験』(岩波書店、1993年)
- 『政治学講義』(千葉眞との共著、国際基督教大学教養学部、2003年)
- 『福澤諭吉の思想的格闘-生と死を超えて』(岩波書店、2020年)
編集委員等
[編集]- 『内村鑑三全集』全40巻(分担解説担当、岩波書店、1980年~1984年)
- 『中江兆民全集』全17巻(編集委員、岩波書店、1984年~1986年)
- 『文明論之概略』(校注、岩波文庫、1995年、ワイド版2001年)
- 丸山眞男『福沢諭吉の哲学 他六篇』(編・解説、岩波文庫、2001年)
- 『丸山眞男回顧談』上・下(植手通有・平石直昭共編、岩波書店、2006年)
- 『定本 丸山眞男回顧談』上・下(岩波現代文庫、2016年)
- 『新日本古典文学大系 明治編10 福澤諭吉集 福翁自伝』(岩波書店、2011年)
参考文献
[編集]- 川崎修「松沢弘陽教授の経歴と業績」『北大法学論集』第43巻第6号、北海道大学法学部、1993年3月、261-280頁、ISSN 03855953、NAID 120000964673。