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「北仲通地区」の版間の差分

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北地区は[[大正]]末期から[[昭和]]初期にかけて建造された古い建物が多く、再開発にあたって[[歴史的建造物]]の[[保存]]・有効活用も含めた[[解体]]・整備工事が進行している(詳細は[[#北仲通北地区|後節]])。外観に施された縦の[[レンガ]]柱が特徴的な通称「北仲BRICK」(旧帝蚕倉庫事務所、横浜生糸検査所付属倉庫事務所として大正15年(1926年)建築)と現在は解体されているが白の外観が特徴的であった通称「北仲WHITE」(旧帝蚕ビルディング、昭和3年(1928年)建築)では、再開発着工前の[[2005年]]から1年半ほど50組の[[アーティスト]]等が入居し、様々な創作活動を行なっていた<ref>[http://www.hamakei.com/special/67/ 加速する横浜のクリエイティブ・コア「北仲BRICK・北仲WHITE」始動](ヨコハマ経済新聞 2005年7月8日)</ref><ref>[http://www.tokyoartbeat.com/venue/06035DCB 北仲BRICK & 北仲WHITE](東京アートビート TAB)</ref>。なお、旧帝蚕倉庫事務所は歴史的建造物として現状保存が決定しており、解体後に[[外壁]]などが[[復元]]される旧帝蚕倉庫と共に、横浜の[[創造産業|創造的産業]]・[[文化]]などに関して[[アジア]]的視点で交流・情報発信を目指す拠点「アジアデザインマネージメントセンター(仮称)」として活用していく予定である<ref name="yokohama-kitanakahozon" />。この他、再開発が本格化するまでの暫定施設として、多目的[[フットサル]]コートの「[[キャプテン翼]]スタジアム」が開設されていた<ref>[http://www.tsubasa-stadium.com/tsubasa/ 多目的フットサルコート キャプテン翼スタジアム 公式サイト](営業終了)</ref><ref group="注">[[2010年]][[6月5日]]オープン、[[2013年]][[1月31日]]営業終了。なお、[[2014年]]2月には代替施設が[[新山下]]にオープンしている([http://www.tsubasa-stadium.com/yokohama-motomachi/ キャプテン翼スタジアム横浜元町])。</ref>。
北地区は[[大正]]末期から[[昭和]]初期にかけて建造された古い建物が多く、再開発にあたって[[歴史的建造物]]の[[保存]]・有効活用も含めた[[解体]]・整備工事が進行している(詳細は[[#北仲通北地区|後節]])。外観に施された縦の[[レンガ]]柱が特徴的な通称「北仲BRICK」(旧帝蚕倉庫事務所、横浜生糸検査所付属倉庫事務所として大正15年(1926年)建築)と現在は解体されているが白の外観が特徴的であった通称「北仲WHITE」(旧帝蚕ビルディング、昭和3年(1928年)建築)では、再開発着工前の[[2005年]]から1年半ほど50組の[[アーティスト]]等が入居し、様々な創作活動を行なっていた<ref>[http://www.hamakei.com/special/67/ 加速する横浜のクリエイティブ・コア「北仲BRICK・北仲WHITE」始動](ヨコハマ経済新聞 2005年7月8日)</ref><ref>[http://www.tokyoartbeat.com/venue/06035DCB 北仲BRICK & 北仲WHITE](東京アートビート TAB)</ref>。なお、旧帝蚕倉庫事務所は歴史的建造物として現状保存が決定しており、解体後に[[外壁]]などが[[復元]]される旧帝蚕倉庫と共に、横浜の[[創造産業|創造的産業]]・[[文化]]などに関して[[アジア]]的視点で交流・情報発信を目指す拠点「アジアデザインマネージメントセンター(仮称)」として活用していく予定である<ref name="yokohama-kitanakahozon" />。この他、再開発が本格化するまでの暫定施設として、多目的[[フットサル]]コートの「[[キャプテン翼]]スタジアム」が開設されていた<ref>[http://www.tsubasa-stadium.com/tsubasa/ 多目的フットサルコート キャプテン翼スタジアム 公式サイト](営業終了)</ref><ref group="注">[[2010年]][[6月5日]]オープン、[[2013年]][[1月31日]]営業終了。なお、[[2014年]]2月には代替施設が[[新山下]]にオープンしている([http://www.tsubasa-stadium.com/yokohama-motomachi/ キャプテン翼スタジアム横浜元町])。</ref>。


一方、南地区では第二工区開発予定地(現在は[[駐車場]])において、横浜市による市庁舎([[横浜市役所]])の移転計画が進められており、市庁舎の移転に際しては「完全移転案」と現庁舎地の活用も含めた「分庁案」の二案で検討が進められていたが、現在では当地への完全移転とする方針が固められている<ref name="hamarepo130307">[http://hamarepo.com/story.php?story_id=1708 財政難なのに移転!? 新市庁舎を建設する理由とは?](はまれぽ.com 2013年3月7日)</ref>。横浜市が[[2014年]]1月に「市議会新市庁舎に関する調査特別委員会」に報告した計画方針によれば、[[設計]]・[[施工]]一括(DB)方式を採用することで工期を短縮し、[[2017年]]度の着工、[[2019年]]度([[2020年]]1月頃<ref name="kanaloco151205">[http://www.kanaloco.jp/article/138256 新市庁舎679億円で契約へ 横浜市、竹中・西松JVと](神奈川新聞:カナロコ 2015年12月5日)</ref>)の竣工を目指すとしている(詳細は[[#北仲通南地区|後節]])。また、当地においても再開発が本格化する前の敷地を利用して、「[[木下大サーカス]]」の横浜公演が2013年[[2月17日]]〜[[5月7日]]まで開催<ref name="kinoshita-official-yokohama2013-archive">[https://web.archive.org/web/20130128190242/http://www.kinoshita-circus.co.jp:80/htmls/sche/sche-02.htm 木下サーカス:公演スケジュール(横浜公演)](''木下サーカス公式サイト内のページ 2013年1月28日付の[[ウェブアーカイブ|アーカイブ]] (by [[インターネットアーカイブ|Wayback Machine]])'')</ref><ref name="kinoshita-circus-yokohama2013">{{PDF|[http://www.e-hodogaya.org/what_new/kinoshita_circus_YOKOHAMA.pdf 木下大サーカス横浜公演のご案内(2013年2月17日〜5月7日開催)]}}</ref><ref name="hamakei130201">[http://www.hamakei.com/headline/7668/ みなとみらいで木下大サーカス横浜公演ーキリンとシマウマのショーも](ヨコハマ経済新聞 2013年2月1日)</ref>された他、[[太陽光発電]]を用いたエアドーム式植物工場「グランパ横浜農場」を2014年[[1月7日]]〜[[10月31日]]までの期間限定で開設<ref group="注">ドームハウス[[農場]]や栽培している[[野菜]]について学ぶことができるセミナーハウスを併設しており、開園期間中には一般の見学(入場無料/10:00〜16:00/火曜休園)も受け付けていた(間近で見ることはできるが、ドーム内への立ち入りは不可)。</ref><ref>[http://granpa-yokohamafarm.com/index.html グランパ横浜農場]([http://granpa.co.jp/index.html 株式会社グランパ])</ref><ref>[http://www.tokyuensen.com/news/993/ 馬車道にドーム型植物工場「グランパ横浜農場」が期間限定オープン](東急沿線情報サイト「とくらく」 2014年1月15日)</ref><ref>[http://www.hamakei.com/headline/8497/ 馬車道の新市庁舎予定地にドーム型植物工場「グランパ横浜農場」-期間限定](ヨコハマ経済新聞 2013年12月24日)</ref><ref>[http://www.sankeibiz.jp/business/news/140424/bsl1404240500001-n1.htm 【神奈川発 元気印】グランパ ドーム形野菜工場で農業復活に貢献](SankeiBiz 2014年4月24日)</ref>。さらに同年[[7月19日]]〜[[11月3日]]には、[[東アジア文化都市|東アジア文化都市2014横浜]]における砂像(砂の[[彫刻]])展示[[イベント]]「ヨコハマ砂の彫刻展」も開催されている(詳細は[[#開催イベント|後節]])。
一方、南地区では第二工区開発予定地(現在は[[駐車場]])において、横浜市による市庁舎([[横浜市役所]])の移転計画が進められており、市庁舎の移転に際しては「完全移転案」と現庁舎地の活用も含めた「分庁案」の二案で検討が進められていたが、現在では当地への完全移転とする方針が固められている<ref name="hamarepo130307">[http://hamarepo.com/story.php?story_id=1708 財政難なのに移転!? 新市庁舎を建設する理由とは?](はまれぽ.com 2013年3月7日)</ref>。横浜市が[[2014年]]1月に「市議会新市庁舎に関する調査特別委員会」に報告した計画方針によれば、[[設計]]・[[施工]]一括(DB)方式を採用することで工期を短縮し、[[2017年]]度の着工、[[2019年]]度([[2020年]]1月頃<ref name="kanaloco151205">[http://www.kanaloco.jp/article/138256 新市庁舎679億円で契約へ 横浜市、竹中・西松JVと](神奈川新聞:カナロコ 2015年12月5日)</ref>)の竣工を目指すとしている(詳細は[[#北仲通南地区|後節]])。また、当地においても再開発が本格化する前の敷地を利用して、「[[木下大サーカス]]」の横浜公演が2013年[[2月17日]]〜[[5月7日]]まで開催<ref name="kinoshita-official-yokohama2013-archive">[https://web.archive.org/web/20130128190242/http://www.kinoshita-circus.co.jp:80/htmls/sche/sche-02.htm 木下サーカス:公演スケジュール(横浜公演)](''木下サーカス公式サイト内のページ 2013年1月28日付の[[ウェブアーカイブ|アーカイブ]] (by [[インターネットアーカイブ|Wayback Machine]])'')</ref><ref name="kinoshita-circus-yokohama2013">{{PDF|[http://www.e-hodogaya.org/what_new/kinoshita_circus_YOKOHAMA.pdf 木下大サーカス横浜公演のご案内(2013年2月17日〜5月7日開催)]}}</ref><ref name="hamakei130201">[http://www.hamakei.com/headline/7668/ みなとみらいで木下大サーカス横浜公演ーキリンとシマウマのショーも](ヨコハマ経済新聞 2013年2月1日)</ref>された他、[[太陽光発電]]を用いたエアドーム式植物工場「グランパ横浜農場」を2014年[[1月7日]]〜[[10月31日]]までの期間限定で開設<ref group="注">ドームハウス[[農場]]や栽培している[[野菜]]について学ぶことができるセミナーハウスを併設しており、開園期間中には一般の見学(入場無料/10:00〜16:00/火曜休園)も受け付けていた(間近で見ることはできるが、ドーム内への立ち入りは不可)。</ref><ref>[http://granpa-yokohamafarm.com/index.html グランパ横浜農場]([http://granpa.co.jp/index.html 株式会社グランパ])</ref><ref>[http://www.tokyuensen.com/news/993/ 馬車道にドーム型植物工場「グランパ横浜農場」が期間限定オープン](東急沿線情報サイト「とくらく」 2014年1月15日)</ref><ref>[http://www.hamakei.com/headline/8497/ 馬車道の新市庁舎予定地にドーム型植物工場「グランパ横浜農場」-期間限定](ヨコハマ経済新聞 2013年12月24日)</ref><ref>[http://www.sankeibiz.jp/business/news/140424/bsl1404240500001-n1.htm 【神奈川発 元気印】グランパ ドーム形野菜工場で農業復活に貢献](SankeiBiz 2014年4月24日)</ref>。さらに同年[[7月19日]]〜[[11月3日]]には、[[東アジア文化都市|東アジア文化都市2014横浜]]における砂像(砂の[[彫刻]])展示[[イベント]]「ヨコハマ砂の彫刻展」も開催されている(詳細は[[#開催イベント|後節]])。


== 開発計画の詳細 ==
== 開発計画の詳細 ==

2017年9月4日 (月) 17:02時点における版

日本 > 神奈川県 > 横浜市 > 中区 > 北仲通地区

北仲通地区(きたなかどおりちく)は、神奈川県横浜市中区で計画されている再開発地区の名称。都市計画道路栄本町線」を境に、北地区南地区に分けられている。住所としては北地区が北仲通五丁目・六丁目、海岸通五丁目にまたがっており、南地区は本町六丁目にあたる。

概要

再開発事業が本格化する以前の景観
みなとみらいの運河パーク側から北仲通地区を望む、最右にアイランドタワー(2011年12月6日)
北仲BRICK(旧帝蚕倉庫事務所

当再開発地区はみなとみらい線馬車道駅に近く、みなとみらい地区とも対岸に隣接(新港地区とは万国橋、中央地区・桜木町駅方面とは北仲橋で接続、なお新たな歩行者ネットワークとして桜木町駅から北仲通周辺まで人道橋で接続することも検討されている[1])するなど、ロケーションは比較的良い。また、みなとみらい地区と関内地区の結節点にもなっている[2]2002年に完了した都市計画道路「栄本町線」の整備に合わせて北側と南側で再開発が進められており[2][3]2012年1月には「横浜都心・臨海地域」の一部として、政令による「特定都市再生緊急整備地域」に指定されている[4]

北地区は大正末期から昭和初期にかけて建造された古い建物が多く、再開発にあたって歴史的建造物保存・有効活用も含めた解体・整備工事が進行している(詳細は後節)。外観に施された縦のレンガ柱が特徴的な通称「北仲BRICK」(旧帝蚕倉庫事務所、横浜生糸検査所付属倉庫事務所として大正15年(1926年)建築)と現在は解体されているが白の外観が特徴的であった通称「北仲WHITE」(旧帝蚕ビルディング、昭和3年(1928年)建築)では、再開発着工前の2005年から1年半ほど50組のアーティスト等が入居し、様々な創作活動を行なっていた[5][6]。なお、旧帝蚕倉庫事務所は歴史的建造物として現状保存が決定しており、解体後に外壁などが復元される旧帝蚕倉庫と共に、横浜の創造的産業文化などに関してアジア的視点で交流・情報発信を目指す拠点「アジアデザインマネージメントセンター(仮称)」として活用していく予定である[7]。この他、再開発が本格化するまでの暫定施設として、多目的フットサルコートの「キャプテン翼スタジアム」が開設されていた[8][注 1]

一方、南地区では第二工区開発予定地(現在は駐車場)において、横浜市による市庁舎(横浜市役所)の移転計画が進められており、市庁舎の移転に際しては「完全移転案」と現庁舎地の活用も含めた「分庁案」の二案で検討が進められていたが、現在では当地への完全移転とする方針が固められている[9]。横浜市が2014年1月に「市議会新市庁舎に関する調査特別委員会」に報告した計画方針によれば、設計施工一括(DB)方式を採用することで工期を短縮し、2017年度の着工、2019年度(2020年1月頃[10])の竣工を目指すとしている(詳細は後節)。また、当地においても再開発が本格化する前の敷地を利用して、「木下大サーカス」の横浜公演が2013年2月17日5月7日まで開催[11][12][13]された他、太陽光発電を用いたエアドーム式植物工場「グランパ横浜農場」を2014年1月7日10月31日までの期間限定で開設[注 2][14][15][16][17]。さらに同年7月19日11月3日には、東アジア文化都市2014横浜における砂像(砂の彫刻)展示イベント「ヨコハマ砂の彫刻展」も開催されている(詳細は後節)。

開発計画の詳細

北仲通北地区

着工は延期されたが、解体・整備が進む箇所も(2011年12月6日)
旧帝蚕倉庫:再開発時には解体後に復元するとしている(2011年12月6日)
万国橋ビル(手前、解体済み)と新規開発の「シャレール海岸通」

これまでの経過

地権者で構成される北仲通北地区再開発協議会により、既存の建物の解体および再開発計画が進められている。当初は高さ約220mと約170mのタワーなどからなる住居を主体にしたオフィスホテル商業の複合施設が計画されており、2011年の第一工区(A地区の一部)の完成と2014年の全体の完成を目指して2008年末には本開発の着工を予定していた[18][19][20][21]。しかし、サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況などの影響もあり、2009年1月には着工の延期が発表されている[22]。地権者の一社である森ビルでは2011年以降まで開発計画の再開を延期すると発表、また計画に参加していた森ビルグループのマンションデベロッパーであるサンウッドの撤退も発表された[注 3][23]。なお、2012年には唯一開発が存続していた都市再生機構(UR都市機構)による賃貸マンション「シャレール海岸通」が竣工している。

2009年の着工延期のアナウンス以降、暫く開発計画の再開に向けた動きがなかったが、当地の土地区画整理事業が2014年3月末に完了する目処が立ったため、2012年には開発再開の動きが出てきた。森ビルでは「横浜都心・臨海地域整備計画」内の予定において、2013年度〜2015年度にかけて当地の開発を進めていくと表明している[24]。そして2013年5月、森ビルが丸紅との共同による高さ約200mの超高層ビルの開発計画(※後述のように2016年11月の着工発表では事業者から森ビルの名が外れている)、日本セレモニーが高さ約31mの商業施設の開発計画をそれぞれ発表した[25]。さらに、2013年10月にはA-4地区超高層ビル計画の詳細が発表された。外観は開発が中断される以前の2007年に発表された案などに比べ無難に落ち着いているが、建物の高さは最高部約220m、軒高約200mをそれぞれ維持し、全体の規模としても延床面積約169,000m2、57階建て(※最終的には延床面積約168,000m2、58階建てに変更[26])と若干拡大されている[27][28][29]

段階別の開発計画

計画では開発の段階を4つに分けており、既に竣工しているB-3地区の賃貸マンション「シャレール海岸通」に続いて第2段階、第3段階の開発とされている[25]。第2段階とされるA-3地区の日本セレモニーによる商業施設(後に結婚式場ノートルダム横浜みなとみらい」と公表)は2013年内に着工して2014年の完成を目指していたが[25]、その後に延期され2015年5月に着工[30]、2016年7月に完成(翌月グランドオープン)を迎えた。

また、第3段階とされるA-4地区の超高層ビルは2013年5月の時点で2014年内に着工して2018年の完成を目指すとしていたが[25]、その後も建設コストの高騰などから度々延期され、2015年5月には事業者に三井不動産レジデンシャルを加えて2016年春までに設計(鹿島による)を完了し2019年の完成を目指すという発表[31][32]、さらに2016年3月には同年10月に着工して2020年1月の完成を目指すという発表がなされている[33]。同超高層ビル(58階建ての超高層ミクストユースタワー)は2016年11月1日付で着工(完成は2020年2月の予定)となったことが正式に発表されているが、この発表の際には事業者名が三井不動産レジデンシャルと丸紅の2社のみとなっており、当初からの主事業者であった森ビルの名が外れている(ただし実際に開発から撤退しているのか、またその経緯や今後の関わりなどの詳細は不明)[26][34][35][36]。当初は保存を計画していた歴史的建造物「旧帝蚕倉庫」(旧横浜生糸検査所付属生糸絹物専用倉庫として大正15年(1926年)建築)[7]については解体した上で外観および内装を復元、超高層ビルの用途については2013年5月の時点で以前の集合住宅・ホテル・オフィス・商業施設などから一部変更し、ホテルの誘致を断念した上で住宅容積率を増やすと発表していたが[37]、2015年5月時点の計画では用途等が再度変更となった模様で集合住宅の他にホテル、商業施設、文化施設(オフィスの誘致は断念)としている[31]。2016年11月の着工発表によると、ホテル部分として長期・短期滞在型宿泊施設「オークウッド」が横浜エリアに初進出し、地上約150mには展望フロアも併設するとしている[26]

なお、4つの地区(A-1、A-2、B-1、B-2)が第4段階の開発(2013年5月末時点で計画の詳細は未公表)とされている[25]。開発に参加する予定の日新では2011年9月の中間決算において、3〜4年後までにマンションを中心としながら商業施設も建設したいという意向を表明していたが、現在では建物の規模や用途も含めて全面的に計画の見直しを行なっている模様である[24]。また、B-2地区にあった万国橋ビルは2012年12月に解体され[38]、約85年の歴史を終えている。このB-2街区では、UR都市機構が2014年12月〜翌年1月にかけて事業者の募集および入札を行っており[39]、事業者は入札価格が最も高かったアパマンション(分譲マンションの建築等を行うアパグループ企業)に決定している[40][41]。アパグループでは、この土地に日本国内最大となる客室数2,400室規模の「アパホテル&リゾート <横浜ベイタワー>(仮称)」を建設する計画で、2019年の完成を目指している[42][43]

計画地区

北仲通北地区内の再開発計画における地区分けや公共施設公園広場含む)の位置、その他開発における制限情報等については、横浜市都市整備局による「地区計画計画図」を参照。なお、1995年に大規模改修・高層棟新築などが行われた横浜第二合同庁舎(旧横浜生糸検査所)をC地区としているが、この地区については今回の再開発計画の対象外である[25]

A地区
A-1・A-2(第4段階)
  • 計画未定
  • A-1の一部に公園の整備計画あり。
A-3(第2段階)
旧灯台寮護岸(汽車道より撮影)
(※画像はクリックで拡大可)
A-4(第3段階)
  • 都市型住宅を中心にホテル・商業施設・文化施設等からなる超高層ビル(2020年完成予定/高さ約200m/事業者:三井不動産レジデンシャル丸紅/計画名:横浜市中区北仲通5丁目計画)[26][31][33]
  • A-4の一部に北仲BRICK(旧帝蚕倉庫事務所/横浜市指定有形文化財)および旧帝蚕倉庫(旧横浜生糸検査所付属生糸絹物専用倉庫/横浜市認定歴史的建造物)あり。なお、旧帝蚕倉庫事務所は現状保存、旧帝蚕倉庫は解体後に外壁などが復元され、「アジアデザインマネージメントセンター(仮称)」として活用予定である。
  • A-4の一部に歴史広場の整備計画あり。
A地区の水辺には「旧灯台寮護岸」(横浜市で最も古い河川護岸[44]/横浜市認定歴史的建造物[45][46]と「旧波止場突堤」があり[7]、水際線プロムナードとして整備する方針である。
B地区
B-1(第4段階)
  • 計画未定
  • B-1の一部に公園の整備計画あり。
B-2(第4段階)
  • アパホテル&リゾート <横浜ベイタワー> (仮称)(2019年完成予定/35階建て・高さ約145m/客室数2,400室規模/事業者:アパグループ[43]
  • B-2の一部に公園の整備計画あり。
B-3(第1段階)
  • 賃貸マンション「シャレール海岸通」(完成済み/事業者:UR都市機構
B地区の水辺には「旧日新運輸倉庫護岸」があり[7]、水際線プロムナードとして整備する方針である。
C地区(今回の再開発計画の対象外)

既存の建物の保存・活用・解体

北仲通北地区の再開発にあたり、既存の建物(歴史的建造物等)の保存・活用・解体方針について以下に記す。横浜市が2008年1月11日に公表した「北仲通北地区の歴史的建造物保存方針」も参照。

現状保存
  • 帝蚕倉庫事務所(大正15年(1926年)建築/北仲BRICK)
解体後に復元
  • 帝蚕倉庫C号(大正15年(1926年)建築/当初は曳屋保存とする方針であった)
  • 横浜生糸検査所(大正15年(1926年)建築/横浜第二合同庁舎
解体
  • 帝蚕倉庫B号(大正15年(1926年)建築)
  • 帝蚕倉庫D号(大正15年(1926年)建築)
  • 帝蚕ビルディング(昭和3年(1928年)建築/北仲WHITE)
  • 万国橋ビル(昭和3年(1928年)建築)
  • 公団住宅「海岸通団地」(昭和33年(1958年)建築)

北仲通南地区

独立行政法人・都市再生機構(UR都市機構)が管轄している。第一工区では「横浜アイランドタワー」(低層部の東側先端に移築・復元された旧第一銀行横浜支店の建物は、横浜市認定歴史的建造物となっている)がすでに完成しており、都市再生機構の本部が入居している。

また、第二工区の計画にあたっては当初は41階建て、高さ180m級のオフィスビルの開発も検討されていた[47]が、現在では上述の通り新市庁舎ビルを建設することによる横浜市役所(現在は横浜公園と隣接)の移転が計画されている。なお、当地における新市庁舎ビルの開発については高層棟案(当初の案では高さ190m規模)と低層棟案の二つの案が出されていたが、現在では当地へ完全移転する方針が横浜市により公表されており[9]、分散されている本庁機能を集約する目的もあって高層棟案に落ち着いている。

2014年1月には市庁舎の移転についての新たな方針を、横浜市が「市議会新市庁舎に関する調査特別委員会」に対して報告した(基本計画の策定は同年3月を予定)。これによると30階建て・高さ約150mの行政棟と低層の議会棟からなり、議会棟の下層・周辺には屋根付きのアトリウム(広場)を整備する計画(全体の延床面積:約14万6800m2、事業費:約616億円)で、2015年度の発注の際には設計・施工一括(DB)方式を採用することで工期を短縮して、2017年度の着工、2019年度(2020年1月頃[10])の竣工、2020年度初め(6月頃まで[10])の移転・供用開始を目指している[48][49][50]。さらに、同年3月28日に公表された「新市庁舎整備基本計画」では、2020年1月の竣工、同年6月の移転完了予定となっている[51]

開催イベント

木下大サーカス横浜公演[11][12][13]
  • 開催期間:2013年2月17日〜5月7日
  • 開催場所:北仲通南地区(横浜市中区本町6丁目)
    9年ぶりとなる木下大サーカスの横浜公演が北仲通南地区内の特設会場で開催された[12][13]
東アジア文化都市2014横浜「ヨコハマ砂の彫刻展」[52][53]

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ 2010年6月5日オープン、2013年1月31日営業終了。なお、2014年2月には代替施設が新山下にオープンしている(キャプテン翼スタジアム横浜元町)。
  2. ^ ドームハウス農場や栽培している野菜について学ぶことができるセミナーハウスを併設しており、開園期間中には一般の見学(入場無料/10:00〜16:00/火曜休園)も受け付けていた(間近で見ることはできるが、ドーム内への立ち入りは不可)。
  3. ^ 特定目的会社の清算により、森ビルが開発計画のほぼ全権を持つこととなった。

出典

  1. ^ 横浜市 桜木町駅から北仲通周辺へ人道橋(建通新聞<電子版> 2015年2月6日神奈川)
  2. ^ a b 北仲通北再開発等促進地区地区計画(横浜市都市整備局)
  3. ^ 北仲通南地区再開発地区計画(横浜市都市整備局)
  4. ^ 横浜市の都市再生の取組について(横浜市都市整備局)
  5. ^ 加速する横浜のクリエイティブ・コア「北仲BRICK・北仲WHITE」始動(ヨコハマ経済新聞 2005年7月8日)
  6. ^ 北仲BRICK & 北仲WHITE(東京アートビート TAB)
  7. ^ a b c d 北仲通北地区 歴史的建造物の保存について/横浜市記者発表資料 (PDF) (横浜市都市整備局 平成20年(2008年)1月11日)
  8. ^ 多目的フットサルコート キャプテン翼スタジアム 公式サイト(営業終了)
  9. ^ a b 財政難なのに移転!? 新市庁舎を建設する理由とは?(はまれぽ.com 2013年3月7日)
  10. ^ a b c 新市庁舎679億円で契約へ 横浜市、竹中・西松JVと(神奈川新聞:カナロコ 2015年12月5日)
  11. ^ a b 木下サーカス:公演スケジュール(横浜公演)木下サーカス公式サイト内のページ 2013年1月28日付のアーカイブ (by Wayback Machine)
  12. ^ a b c 木下大サーカス横浜公演のご案内(2013年2月17日〜5月7日開催) (PDF)
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外部リンク

座標: 北緯35度27分03秒 東経139度38分07秒 / 北緯35.45083度 東経139.63528度 / 35.45083; 139.63528