「有馬温泉」の版間の差分
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2019年9月13日 (金) 01:43時点における版
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温泉情報 | |
所在地 | 兵庫県神戸市北区有馬町 |
座標 | 北緯34度47分53秒 東経135度14分51秒 / 北緯34.79806度 東経135.24750度座標: 北緯34度47分53秒 東経135度14分51秒 / 北緯34.79806度 東経135.24750度 |
交通 | 交通の項を参照 |
泉質 | 含鉄塩化物泉、放射能泉、炭酸水素塩泉 |
外部リンク | 社団法人有馬温泉観光協会 |
有馬温泉(ありまおんせん)は、兵庫県神戸市北区有馬町(摂津国)にある日本三古湯の温泉[1]。林羅山の日本三名泉や、枕草子の三名泉にも数えられ、江戸時代の温泉番付では当時の最高位である西大関に格付けされた。瀬戸内海国立公園の区域に隣接する。
泉質
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7f/Tansan-sengen_of_Arima_Onsen03n.jpg/220px-Tansan-sengen_of_Arima_Onsen03n.jpg)
地質的には、活断層である有馬-高槻構造線の西端にあるため、地下深くまで岩盤が割れており、その割れ目を通って地下深くから温泉水が噴出している構造。
泉質は湧出場所により異なり、塩分と鉄分を多く含み褐色を呈する含鉄塩化物泉、ラジウムを多く含む放射能泉、炭酸を多く含む炭酸水素塩泉の3種類がある。
それぞれ、湧出口では透明だが、空気に触れ着色する含鉄塩化物泉(赤湯)は「金泉(きんせん)」、それ以外の透明な温泉は「銀泉(ぎんせん)」と呼ばれている。ただし、泉源により成分は若干異なる。 なお、「金泉」、「銀泉」という名称は、有馬温泉旅館協同組合の登録商標(金泉:第3295652号・第4672302号、銀泉:第4672303号)となっている。
- 金泉:含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉
- 鉄分が多いため、タオルにかけ続けると赤褐色に染まる
- 銀泉:炭酸ラジウム混合低温泉
- 泉源:天神泉源、有明泉源、炭酸泉源、太閤泉(飲泉場)、極楽泉源、御所泉源、妬(うわなり)泉源
温泉街
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/63/Arima_Onsen_Yumotozaka01s3200.jpg/220px-Arima_Onsen_Yumotozaka01s3200.jpg)
温泉街は六甲山地北側の紅葉谷の麓の山峡の標高350m - 500mに位置している。大きな旅館やホテルは温泉街の周辺や少し離れた山麓、山中にある。公的な外湯は「金の湯」(金泉)、「銀の湯」(銀泉)がある。
また、有馬温泉で「○○坊」と名の付く宿が多いのは、建久2年(1191年)に、吉野の僧坊、仁西上人が熊野十二神将に準えて建てられた有馬十二坊と呼ばれた坊舎にあやかったものとされる[2]。
2010年(平成22年)から会員制リゾートが進出したことで、ホテルや旅館が1,300室から1,600室へと2割以上増加し、競争の激化が予想されている[3]。
また、毎年1月9日には、えびす神社の総本社である西宮神社に温泉を運び有馬温泉の商売繁盛を願う献湯式が催されている。 (詳細は西宮神社#有馬温泉献湯式を参照)
- 湯本坂 - 旧大阪街道。
- 公園 - 瑞宝寺公園、 鼓ヶ滝公園、 愛宕山公園、ゆけむり広場、有馬ます池
- 社寺 - 有馬稲荷神社、温泉寺、極楽寺、念仏寺、湯泉神社、妙見寺、寶泉寺、善福寺、林渓寺
- 博物館 - 神戸市立太閤の湯殿館、温泉寺御祖師庵、有馬の工房、有馬玩具博物館、有馬切手文化博物館
- 景勝地 - 有馬四十八滝、紅葉谷、地獄谷
- 花街 - 高卒の新人芸妓は舞子と呼ばれる。
外湯
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金の湯
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銀の湯
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太閤の湯
有馬三山
- 湯槽谷山(801m) - 山名は有馬温泉の湯槽を作るための用材を杣取した山であることに由来する。
- 灰形山 (633m) - 六甲有馬ロープウェーの有馬温泉駅の直ぐ西
- 落葉山 (619m) - 温泉街の北に位置する
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湯槽谷山
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灰形山
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落葉山
名産品
- 炭酸煎餅
- 炭酸饅頭
- 有馬籠(茶道道具として用いられる。現在、製造元は竹芸有馬籠くつわのみである。)
- 人形筆
- 松茸昆布(歴史ある名産品の一つ。有馬では川上佃煮店が主に販売を行っている。)
- サイダー(1889年頃、イギリスのジョン・クリフォード・ウィルキンソン(John Clifford Wilkinson)が兵庫県有馬郡塩瀬村生瀬[現在の西宮市塩瀬町生瀬]にて炭酸鉱泉を発見し、1890年頃、その鉱泉水を「仁王印ウォーター」(現・ウィルキンソン タンサン)の名で発売した[4]。なお、鉱泉水はサイダーとは異なる。)
- 黒豆のタルト、黒豆のプリン、豆腐など黒豆を使った食品
- 山椒を使った食品。料理名で「有馬」と付くと山椒を使った料理
歴史
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/74/Digital_ID-_110094._Kusakabe%2C_Kimbei_-_Photographer._188-%3F-189-%3F_%283109863077%29.jpg/220px-Digital_ID-_110094._Kusakabe%2C_Kimbei_-_Photographer._188-%3F-189-%3F_%283109863077%29.jpg)
- 清少納言は枕草子で有馬温泉に言及している。
- 1176年(安元 2年)に後白河法皇と建春門院が御幸。
- 1192年(建久 3年)に僧仁西が戦乱で荒廃した有馬温泉を復興して湯治場としての原型を作った。
- 足利義稙は中風の湯治のために滞在したことがある[5]。『陰徳太平記』。
- 豊臣秀吉は合戦や任官・家族の他界など、人生の節目ごとに有馬で湯治を行い、9回も有馬を訪れている[6]。また秀吉は下々のために湯ぶねを設置させ、御殿の湯ぶねから75間の距離を桶で導泉したとされている(極楽寺蔵『有馬縁起』)[7]。
- 江戸時代に作成された温泉番付では、西大関(当時最高位)にランクされていた。また、姫路と京都を結ぶ街道の経由地としても栄えた。(参照:有馬街道)
- 日本画家の森琴石、山下摩起らは有馬の旅館出身。
- 谷崎潤一郎は有馬に長期滞在して執筆し、作品中にも有馬温泉が度々登場している。
- 1950年(昭和25年)から毎年秋に「有馬大茶会」が開催されている。
- 1968年(昭和43年)11月2日 - 池之坊満月城火災
- 1999年(平成11年) - 豊臣秀吉の「湯山御殿」の「湯ぶね庭園」遺構(安土桃山時代)を公開する神戸市立太閤の湯殿館が開館
有馬温泉に関連する有名な短歌
ありま山 ゐなのささ原 風ふけば いでそよ人を わすれやはする
- 有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする
- 大弐三位(紫式部と藤原宣孝の娘)
- 後拾遺集恋三
- 「猪名の笹原」は兵庫県伊丹市にある昆陽池あたり
- しなが鳥猪名野を来れば有馬山夕霧立ちぬ宿(やどり)は無くて
- 読み人知らず 万葉集巻七
- 花吹雪兵衛の坊も御所坊も目におかずして空に渦巻く
- 与謝野晶子 晶子鑑賞 平野萬里
- 底本:「晶子鑑賞」三省堂
- 1949年(昭和24年)7月25日 初版発行
- 1979年(昭和54年)1月25日 復刊 第 1刷発行
- 有馬での作。何々坊といふのは有馬の湯の宿特有の名で、元々が宿坊であることの名残。その広大な構へと相俟つてこの温泉の古い歴史と伝統とを誇示してゐる。有馬には桜が多くその散り 方の壮観が思はれるが、それが坊名をあしらふことによつて有馬情調そのまゝに表現されてゐる。とは、平野萬里の評。
-
天神泉源
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御所泉源
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温泉寺
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瑞宝寺公園
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鼓ヶ滝公園
交通
徒歩
登山道には、交通機関が発達する前に 御影から有馬温泉に新鮮な魚介を運ぶ魚屋が利用したと言われる『魚屋道』(ととやみち)などがある。
自家用車
- 阪神高速北神戸線有馬口出入口より兵庫県道51号宝塚唐櫃線経由約1.5km
- 阪神高速7号北神戸線西宮山口南出入口より兵庫県道98号有馬山口線経由約3km
- 中国自動車道西宮北インターチェンジより兵庫県道15号神戸三田線・兵庫県道51号宝塚唐櫃線経由約4km
公共交通
鉄道
- 神戸電鉄有馬線有馬温泉駅
- 六甲有馬ロープウェー有馬温泉駅
-
六甲有馬ロープウェー
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神戸電鉄有馬線
バス
- 「有馬温泉」バス停(阪急バス有馬案内所前)発着
- 「有馬温泉」バス停(太閤橋)発着
- 阪急バス
- さくらやまなみバス
- 阪急バス・伊予鉄バス
- 阪急バス・とさでん交通
- 西日本ジェイアールバス
- 有馬エクスプレス号:(新大阪駅・大阪駅JR高速バスターミナル経由)JRなんば(湊町バスターミナル)行
- 有馬エクスプレス号:(三宮バスターミナル経由)新神戸駅行
- 有馬エクスプレス号:(三宮バスターミナル経由)ユニバーサル・スタジオ・ジャパン行
- 有馬エクスプレス京都号:京都駅烏丸口行
その他
釈日本紀の巻十四に引用されている摂津国風土記には『有馬の郡。又、鹽之原山(しほのはらやま)あり。此の山の近くに鹽(しほ)の湯あり。』と記されており、鹽の湯は有馬温泉、鹽之原山は湯山(愛宕山)の古名であろうとされる[8]。他にも有馬周辺には名塩(なじお)や塩瀬(しおぜ、名塩と、隣接する生瀬との複合地名由来)といった「塩」のつく地名・名称が多い。例えば塩尾寺(えんぺいじ)には塩出(しおいで)観音がある。
脚注
- ^ “温泉について”. 有馬温泉観光協会. 2017年8月13日閲覧。
- ^ “有馬の歴史”. 有馬温泉観光協会. 2017年8月13日閲覧。
- ^ 2010年5月8日 - 日本経済新聞(近畿経済版)
- ^ “WILKINSON'S STORIES STORY 1 ウィルキンソン タンサン 「ウィルキンソン タンサン」は山中の炭酸鉱泉からはじまった”. ウィルキンソン WILKINSON. アサヒ飲料. 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月15日閲覧。
- ^ 『後法成寺尚通公記』永正14年閏10月2日条
- ^ 宮本義己「知られざる戦国武将の「健康術と医療」」『歴史人』8巻9号、2017年。
- ^ 須藤宏「中世以降の有馬温泉-中世の有馬温泉および近世以降の温泉入浴施設の端緒としての湯山御殿-」『考古学ジャーナル』693号、2017年。
- ^ 『日本古典文学大系・風土記』岩波書店、1958年、424頁
関連項目
- 日本の温泉地一覧
- 兵庫県の観光地
- 放射線ホルミシス#環境放射線の積極的な利用としての放射能泉
- 有馬線
- 阪急宝塚本線 - 阪急電鉄の旧社名「箕面有馬電気軌道」が示す通り、当初は大阪梅田と有馬温泉を結ぶ計画であったが、山越えの難工事になることに加え、温泉旅館の経営者が宿泊客の減少を懸念して建設に反対したため宝塚以西は建設されなかった。
- 有馬わんわんランド