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*『「甘え」で文学を解く』鶴田欣也共編 新曜社 1996 |
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*: 順に「鴎外の人と周辺」「鴎外の作品」「鴎外の知的空間」 |
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*『日本の母 崩壊と再生』萩原孝雄共編、新曜社 1997(鶴田欣也定年記念論文集) |
*『日本の母 崩壊と再生』萩原孝雄共編、新曜社 1997(鶴田欣也定年記念論文集) |
2020年6月18日 (木) 10:32時点における版
平川 祐弘 ひらかわ すけひろ | |
---|---|
生誕 |
1931年7月11日(93歳) 日本東京府北豊島郡滝野川町(現:東京都北区) |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 文学(比較文学) |
研究機関 | 国家基本問題研究所 |
出身校 | 東京大学(学士・修士・博士) |
主な受賞歴 |
紫綬褒章 瑞宝中綬章 |
プロジェクト:人物伝 |
平川 祐弘(平川 祐弘、ひらかわ すけひろ、1931年7月11日 - )は、日本の比較文学研究者、評論家。東京大学名誉教授、国家基本問題研究所理事。
略歴
東京府北豊島郡滝野川町(現:東京都北区)生まれ。一高・東大教授でドイツ文学者の竹山道雄の女婿となり、長女の足立節子も比較文学者である。兄の平川浩正(1929-1986)は物理学者・東大理学部教授[1]。
学歴
- 1944年 東京高等師範学校附属小学校(現・筑波大学附属小学校)卒業。同じクラス(第1部)に、東大で同僚となった芳賀徹、石井進、高階秀爾、平田賢の五人がいた[2]。
- 1947年 東京教育大学附属中学校卒業[3]
- 1950年 東京教育大学附属高等学校卒業(特別科学学級在籍)[4]。
- 1953年 東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業(第一期生)同大学院比較文学比較文化専修課程進学(第一期生)[5]
- フランス政府給費生、イタリア政府給費生として留学[6]
- 1961年 同修士課程修了(文学修士)、同博士後期課程進学[7]
- 1964年 同博士後期課程単位満期取得退学[8]
- 1974年11月11日 文学博士(東京大学、学位請求論文『和魂洋才の系譜 : 内と外からの明治日本』[9])
職歴
- 1964年 東京大学教養学部助手[10]、1969年 同助教授、1978年 同教授
- 1992年 東京大学定年退官、名誉教授福岡女学院大学赴任、同教授。2002年同退職、大手前大学教授。2006年退職[11]。
受賞
- 1967年 河出文化賞(ダンテ『神曲』翻訳)[12]
- 1981年 サントリー学芸賞(社会・思想部門)[13](『小泉八雲』を中心として)[14]
- 1991年 第42回読売文学賞(マンゾーニ『いいなづけ』翻訳)[15]
- 1998年 紫綬褒章叙勲[16]
- 2005年 和辻哲郎文化賞(『ラフカディオ・ハーン 植民地化・キリスト教化・文明開化』)[17]
- 2006年春 瑞宝中綬章叙勲[18]
- 2009年 日本エッセイスト・クラブ賞(『アーサー・ウェイリー 『源氏物語』の翻訳者』)[19]
- 2015年 蓮如賞(『西洋人の神道観-日本人のアイデンティティーを求めて』)[20]。
その他研究概歴
修士課程在学中に5年近くフランス、イタリア、ドイツに留学し、各国語に通じる。帰国後の1961年、修士論文を短縮した『ルネサンスの詩』を刊行、またダンテの『神曲』を口語体で翻訳した。1974年、博士論文『和魂洋才の系譜』[21]、1974年に『西欧の衝撃と日本』、1976年に『夏目漱石 非西洋の苦闘』を刊行した。
鶴田欣也と数多くの国際シンポジウムを開催し、その論文集を共編で出している。
政治との関わり
2012年9月に行われた自由民主党総裁選挙の際、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」発起人に名を連ねている[22]。
著作
イタリア文学
- 『ルネサンスの詩 城と泉と旅人と』(修士論文)、内田老鶴圃(新書判)、1961年
- 講談社学術文庫、1987年/沖積舎、1982年、新版2004年。 ISBN 4806047023
- 第1巻(初刊1969年) ISBN 4582801412/第2巻(1997年10月) ISBN 4582806244/第3巻(1997年12月) ISBN 4582806279
- 『中世の四季 ダンテとその周辺』 河出書房新社、1981年、新版1994年3月、改訂版2012年6月 ISBN 430920595X
- 『ダンテの地獄を読む』 河出書房新社、2000年2月 ISBN 4309203361
- 『ダンテ「神曲」講義』 河出書房新社、2010年8月 ISBN 430920550X
イタリア文学・美術関連の翻訳
- 河出文庫(改訳版 全3巻)。地獄編、2008年、煉獄編・天上編、2009年
- 河出書房新社、1989年12月、新版(上下)、1991年10月/河出文庫(全3巻)、2006年5月-7月
- 読売文学賞、日本翻訳出版文化賞、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞を受賞。
- 『抜目のない未亡人』 カルロ・ゴルドーニ、岩波文庫、1995年8月
- 『続 ルネサンス画人伝』 ヴァザーリ、小谷年司・仙北谷茅戸共編訳、白水社、1995年、新版2009年
- 『ヴァザーリ 芸術家列伝』 白水Uブックス(1・2)、2011年-小谷訳と分担。単行本(正・続)からの抜粋新書版
- 『ジョルジョ・ヴァザーリ メディチ家の演出者』 ロラン・ル・モレ、平川恵子共訳、白水社、2003年
- 『ダンテ 新生』 河出書房新社、2012年3月/河出文庫、2015年7月
- 『ボッカッチョ デカメロン』 河出書房新社、2012年10月/河出文庫(全3巻)、2017年3月-5月
- 『珈琲店・恋人たち』 カルロ・ゴルドーニ、岩波文庫、2013年6月
ラフカディオ・ハーン関連
- 『小泉八雲 西洋脱出の夢』 新潮社、1981年/講談社学術文庫、1994年
- 『破られた友情 ハーンとチェンバレンの日本理解』 新潮社、1987年7月
- 『小泉八雲とカミガミの世界』 文藝春秋、1988年4月
- 『オリエンタルな夢 小泉八雲と霊の世界』 筑摩書房、1996年10月
- 『ラフカディオ・ハーン 植民地化・キリスト教化・文明開化』- 和辻哲郎文化賞受賞
- ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ歴史・文化ライブラリー3〉、2004年3月、ISBN 4623040445。
ハーンの翻訳
- 『ラフカディオ・ハーン著作集1 アメリカ雑録』 恒文社、1980年(共訳)
- 『カリブの女』 河出書房新社、1999年8月、ISBN 4309203248。小説「チータ」、「ユーマ」の2篇
- 『骨董・怪談 小泉八雲コレクション』 河出書房新社、2014年6月
- 『心 小泉八雲コレクション』 河出書房新社、2016年5月
- ※以下は<小泉八雲>名義での編訳(訳者代表)
- 『怪談・奇談』 講談社学術文庫
- 『日本の心』 講談社学術文庫
- 『明治日本の面影』 講談社学術文庫
- 『神々の国の首都』 講談社学術文庫
- 『クレオール物語』 講談社学術文庫、各1990~91年
- 『光は東方より』 講談社学術文庫、1999年
近代日本史
- 『和魂洋才の系譜 - 内と外からの明治日本』 河出書房新社、1971年(新装版1987年、完本版2016年6月)
- 河出文芸選書、1976年/平凡社ライブラリー(上下)、2006年 ISBN 4582765858、ISBN 4582765912
- 『西欧の衝撃と日本』 講談社〈人類文化史6〉、1974年/講談社学術文庫、1985年
- 『平和の海と戦いの海 - 二・二六事件から「人間宣言」まで』 新潮社、1983年/講談社学術文庫、1993年
- 『進歩がまだ希望であった頃 - フランクリンと福沢諭吉』 新潮社、1984年/講談社学術文庫、1990年
- 『米国大統領への手紙』 新潮社、1996年2月、※初刊版は「高村光太郎伝」を併録
- 『米国大統領への手紙 市丸利之助伝』 出門堂〈肥前佐賀文庫1〉、2006年 ISBN 4903157032
- 『天ハ自ラ助クルモノヲ助ク 中村正直と「西国立志編」』 名古屋大学出版会、2006年10月 ISBN 4815805474
- 『竹山道雄と昭和の時代』 藤原書店、2013年3月 ISBN 489434906X
- 『戦後の精神史 渡邊一夫、竹山道雄、E・H・ノーマン』 河出書房新社、2017年10月 ISBN 4309026214
- 『手紙を通して読む 竹山道雄の世界』 藤原書店、2017年11月。解説編著
- 「西洋文明の衝撃と日本 比較文化の視点から」 日本放送出版協会〈NHK市民大学 放送講座テキスト〉、1988年
- Japan’s love-hate relationship with the west, Folkestone, Kent : Global Oriental, 2005
比較文学
- 『謡曲の詩と西洋の詩』 朝日選書、1975年11月
- 『夏目漱石 非西洋の苦闘』 新潮社、1976年/講談社学術文庫、1991年
- 『漱石の師 マードック先生』 講談社学術文庫、1984年
- 『西洋の詩 東洋の詩』 河出書房新社、1986年5月
- 『袁枚 「日曜日の世紀」の一詩人』 沖積舎、2004年
- 『アーサー・ウェイリー 「源氏物語」の翻訳者』 白水社、2008年 ISBN 4560031916
- 『内と外からの夏目漱石』 河出書房新社、2012年7月 ISBN 4309021190
- 『西洋人の神道観 日本人のアイデンティティーを求めて』 河出書房新社、2013年5月 ISBN 4309021859
随筆集
- 『東の橘 西のオレンジ』 文藝春秋、1981年3月。サントリー学芸賞受賞
- 『開国の作法』 東京大学出版会〈UP選書〉、1987年2月
- 『中国エリート学生の日本観 比較の指針』 文藝春秋、1997年
- 『日本をいかに説明するか 文化の三点測量』 葦書房、2001年
- 『書物の声 歴史の声』 弦書房、2009年 ISBN 4863290322
- 『日本語は生き延びるか 米中日の文化史的三角関係』 河出書房新社〈河出ブックス〉、2010年2月
- 新編 『日本語で生きる幸福』 河出書房新社(新書判)、2014年11月 ISBN 4309023355
- 『日本人に生まれて、まあよかった』 新潮新書、2014年5月 ISBN 4106105691。語りおろし
- 『日本の正論』 河出書房新社(新書判)、2014年8月 ISBN 4309246672
- 『日本の生きる道 米中日の歴史を三点測量で考える』 飛鳥新社、2016年7月 ISBN 4864104980
著作集
- 『平川祐弘決定版著作集』、勉誠出版、2016年~2020年予定。諸般の事情で以下に変更
- 『3 夏目漱石-非西洋の苦闘』 2017年2月
- 『5 西欧の衝撃と日本』 2016年11月
- 『6 平和の海と戦いの海-二・二六事件から「人間宣言」まで』 2017年1月
- 『7 米国大統領への手紙-市丸利之助中将の生涯。高村光太郎と西洋』 2017年1月
- 『8 進歩がまだ希望であった頃-フランクリンと福沢諭吉』 2017年3月
- 『10 小泉八雲-西洋脱出の夢』 2017年4月
- 『11 破られた友情-ハーンとチェンバレンの日本理解』 2017年5月
- 『12 小泉八雲と神々の世界/ラフカディオ・ハーン』 2018年9月
- 『15 ハーンは何に救われたか』 2017年8月
- 『19 ルネサンスの詩-城と泉と旅人と』 2017年6月
- 『23 謡曲の詩と西洋の詩』 2018年1月
- 『33 書物の声 歴史の声』 2017年10月。当初は全34巻予定だった
- 『和魂洋才の系譜 内と外からの明治日本』 2019年8月
- 『ダンテ『神曲』講義』 2020年2月
- 『東の自生観と西の創造観』 2020年3月
- 『西洋人の神道観 日本人のアイデンティティーを求めて』 2020年3月
- 『開国の作法』 2020年4月
- 『アーサー・ウェイリー/袁枚の詩/世界の中の紫式部』、※未刊行
共編書
- 『講座比較文学』(全8巻)、芳賀徹[23]・亀井俊介・小堀桂一郎共編 東京大学出版会 1973-76
- 『夏目漱石 作家の世界』(責任編集) 番町書房 1977
- 『文章の解釈』亀井俊介・小堀桂一郎共編 東京大学出版会 1977
- 『世界の女性史 8 イタリア 南欧の永遠の女たち』 評論社 1977
- 『川端康成『山の音』研究』鶴田欣也共編 明治書院 1985
- 『内なる壁 外国人の日本人像・日本人の外国人像』鶴田欣也共編著 TBSブリタニカ 1990
- 『日本文学の特質』鶴田欣也共編 明治書院 1991
- 『漱石の『こ丶ろ』 どう読むか、どう読まれてきたか』鶴田欣也共編 新曜社 1992
- 『小泉八雲 回想と研究』講談社学術文庫 1992
- 『叢書比較文学比較文化 2 異文化を生きた人々』中央公論社 1993(退官記念論文集)
- 『アニミズムを読む 日本文学における自然・生命・自己』鶴田欣也共編 新曜社 1994
- 『世界の中のラフカディオ・ハーン』河出書房新社 1994
- 『特別科学組 東京高師附属中学の場合 もう一つの終戦秘話』佐々木元太郎共編著 大修館書店 1995
- 『『暗夜行路』を読む 世界文学としての志賀直哉』鶴田欣也共編 新曜社 1996
- 『「甘え」で文学を解く』鶴田欣也共編 新曜社 1996
- 『講座 森鷗外』(全3巻) 平岡敏夫・竹盛天雄共編、新曜社 1997
- 順に「鴎外の人と周辺」「鴎外の作品」「鴎外の知的空間」
- 『日本の母 崩壊と再生』萩原孝雄共編、新曜社 1997(鶴田欣也定年記念論文集)
- 『異国への憧憬と祖国への回帰』明治書院 2000(鶴田欣也追悼記念論文集)
- 『古代中国から近代西洋へ 竹山護夫著作集 補巻』[24] 名著刊行会「歴史学叢書」 2009
- 『講座 小泉八雲 1 ハーンの人と周辺』、『2 ハーンの文学世界』 牧野陽子と共編、新曜社 2009
- 『ラフカディオ・ハーンの英語教育』 西川盛雄と共解説、弦書房 2013
- 『竹山道雄セレクション』[25](全4巻) 藤原書店 2016-17
- 『神道とは何か 小泉八雲のみた神の国 日本』牧野陽子と共著、錦正社 2018。対訳本
- 『森鴎外事典』新曜社 2020。編者代表
脚注
- ^ 平川祐弘「『マルクスが間違うはずがありません』」『WiLL』2015年7月号 [要ページ番号]
- ^ 小谷野敦『東大駒場学派物語』新書館、平川『開国の作法』
- ^ 小谷野
- ^ 平川『特別科学組』
- ^ 小谷野
- ^ 小谷野、『開国の作法』
- ^ 小谷野、『開国の作法』
- ^ 小谷野、『開国の作法』
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 小谷野、以下同
- ^ 平川祐弘教授著作目録(1992年四月-2006年三月)大手前大学人文科学部論集 2005
- ^ 広田広三郎編『文学賞事典』
- ^ サントリー学芸賞 社会・思想部門
- ^ 選評
- ^ 読売文学賞 第41回(平成元年度)〜第50回(平成10年度)
- ^ 小谷野敦『東大駒場学派物語』
- ^ (PDF)第十七回和辻哲郎文化賞 一般部門
- ^ 「読売新聞」4月29日朝刊
- ^ 日本エッセイスト・クラブ賞受賞作一覧
- ^ “蓮如賞に平川祐弘さん”. 朝日新聞デジタル. (2015年10月6日) 2016年9月24日閲覧。
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会 発起人一覧
- ^ ジョージ・サンソム『西欧世界と日本』 芳賀徹・金井圓・多田実と共訳、筑摩書房〈筑摩叢書〉(上下)、1966、復刊1983。改訂版 ちくま学芸文庫(上中下)、1995
- ^ 英国出版の近代日本史教科書に表題を寄稿。他は竹山護夫の論考
- ^ 『竹山道雄著作集』(全8巻、福武書店、1983年)も参与した
関連項目
外部リンク
- 『神曲』と『デカメロン』 - JunkuTV(ジュンク堂書店)