「宮本武蔵 (NHK新大型時代劇)」の版間の差分
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2020年8月20日 (木) 00:07時点における版
宮本武蔵 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
原作 | 吉川英治『宮本武蔵』 |
脚本 | 杉山義法 |
演出 | 岡本憙侑 他 |
出演者 |
役所広司 古手川祐子 中康次 奥田瑛二 小林麻美 草笛光子 江原真二郎 高橋惠子 新井春美 瑳川哲朗 藤堂新二 河原崎建三 三浦浩一 待田京介 今福正雄 鈴木光枝 南田洋子 黒沢年男 池上季実子 田村高廣 津川雅彦 竹脇無我 西村晃 丹波哲郎 石坂浩二 |
製作 | |
制作 | 日本放送協会 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1984年4月4日~1985年3月13日 |
放送時間 | 44分 |
放送枠 | 新大型時代劇 |
回数 | 45 |
『宮本武蔵』(みやもとむさし)は、NHK総合テレビの「新大型時代劇」で1984年4月4日から1985年3月13日まで放映されたテレビドラマ。「新大型時代劇」の第1作。全45話。
概要
吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作とし、剣豪宮本武蔵の青年時代から巌流島の決闘までを描いている。原作にほぼ忠実に添い、それまで映画・テレビドラマ等で映像化されなかったエピソードなども多く拾い上げられている。
脚本担当の杉山義法は「タケゾウがムサシになるまでを青春編としてジックリ描きたかった」との理由から、原作の「地の巻」部分を意図的に膨らませた。また、1971年の大河ドラマ『春の坂道』(原作:山岡荘八)の脚本を担当したこともあって柳生宗矩に対する思い入れがあり、本作でも宗矩を原作以上に頻繁に、かつ重要な役どころで登場させている(当時『春の坂道』の映像が全く失われていた、とされていたことも影響している)。劇中に「大和の蛙」などの『春の坂道』の作品世界を彷彿させる言葉が登場するのはそのためである[1]。
エピソード
- この作品の挿入歌として、役所広司が歌う「独行道(どくぎょうどう)」(杉山義法作曲、三枝成章作曲)が使われた。歌はおおむね好評で、レコード化の話もあったが、原作者・吉川英治の遺族から「原作のイメージと合わない。使うのを止めて欲しい。レコード化も止めて欲しい」というクレームが上がったため、以後使うことは見送られた[2]。総集編では別のBGMに差し替えられている。この「独行道」は、第20回、第21回の挿入歌として流されている(第20回では、海岸を歩く武蔵を背景に、歌詞が字幕で流されている)。
- プロデューサーの澁谷康生は、佐々木小次郎の配役に頭を悩ませていたが、澁谷が担当していた当時制作中の大河ドラマ『徳川家康』の出演者の滝田栄、長門裕之らと食事に出かけた時、長門が連れてきた中康次に一目惚れし、小次郎役に彼を抜擢した。当時の中は全くの無名に近い俳優であり、このキャスティングは大冒険で、澁谷と旧知と間柄であった中のマネージャーはこのオファーに足がふるえたという[3]。
- 前述の通り、澁谷が大河ドラマ『徳川家康』の担当をしていたため、同作との共通の出演者がかなり多い(役所広司、奥田瑛二、池上季実子、津川雅彦、石坂浩二、宅麻伸、鈴木光枝ほか多数)。
キャスト
武蔵をめぐる人々
- 弁之助→宮本武蔵:多賀基史→斎藤優一→役所広司
- お通:古手川祐子
- 本位田又八:奥田瑛二
- 沢庵宗彭:津川雅彦
- 朱実:池上季実子
- お甲:草笛光子
- お杉:鈴木光枝
- 淵川権六(お杉の弟):今福将雄
- 平田無二斎(武蔵の父):丹波哲郎
- お吟(武蔵の姉):青木ゆかり[要曖昧さ回避]→新井春美
- およし(武蔵の母):岩本多代
- 池田輝政:伊藤孝雄
- 青木丹左衛門(池田家家臣):江原真二郎
- 青木城太郎(丹左衛門の子、武蔵の弟子):加瀬悦孝→早川勝也
- 三澤伊織(お通の弟、後に武蔵の養子):上林昇
- 吉野太夫:高橋恵子
- 長岡佐渡(細川家家臣):田村高廣
- 本阿弥光悦:石坂浩二
小次郎をめぐる人々
- 佐々木小次郎:中康次
- さわ(小次郎の伯母):南田洋子
- お光(小次郎の恋人、小幡勘兵衛の娘):小林麻美
- 諏訪源左衛門:高松英郎
- 岩間角兵衛(細川家家臣):橋本功
- 草薙天鬼(佐々木小次郎と同門の兄弟子):清水綋治
- 小六(小次郎の従者):川島一平
- 小幡勘兵衛:梅野泰靖
- 小幡余五郎:香川耕二
- 北条新蔵:森田順平
- 半瓦の弥次兵衛:辻萬長
- 菰の十郎:河原さぶ
- おふう:美池真理子
- (佐々木)静馬:六浦誠
柳生一門
吉岡一門
- 吉岡清十郎→蓮庵:藤堂新二
- 吉岡伝七郎:氏家修
- 壬生源左衛門(清十郎の叔父):瑳川哲朗
- 壬生源次郎(源左衛門の子):中村仁
- 祇園藤次:河原崎建三
- 植田良平:久遠利三
- 小橋蔵人:三田康二
- 御池十郎左衛門:唐沢民賢
- 南保余一兵衛:高月忠
- 大田黒兵助:真木仁
- 高田軍平:岡田直樹
- 日下部兵馬:内田大貴
宝蔵院
武蔵の対決者とその家族・主従
その他
- 妙秀尼(本阿弥光悦の母):萬代峰子
- 愚堂東寔:内藤武敏
- 平尾与右衛門(お吟の夫):河原崎長一郎
- およしの二度目の夫:鶴田忍
- おまき(武蔵の叔母):和田幾子
- 本位田外記之助:川口明芳
- 桃(又八と朱実の娘):安藤桃子
- 浄真:早崎文司
- 明珍:田辺和生
- 酒井忠利(江戸幕府老中):戸浦六宏
- 細川忠利:矢島健一
- 縫殿之助:榎本章
- 内海孫兵衛:久米明
- 安積八弥太:金内吉男
- 香山半太夫:小鹿番
- 井戸亀右衛門:伊吹聡太朗
- 船曳杢右衛門:長沢大
- 木南加賀四郎:伊達正三郎
- 花田橋の袂の茶店の主人・藤吉:金井大
- 吾助:松村彦次郎
- 茶売り善兵衛:西山嘉孝
- 赤壁八十馬:汐路章
- 民八:川岸玄月
- おまん:高崎晃子
- おふく:中村香澄
- 奥蔵院の納所:内田稔
- 山添団八:山口嘉二
- 野洲川安兵衛:大久保康治
- 大友伴立:玉村駿太郎
- おわか:桜田千枝子(方言指導を兼任)
- 幸作:平野元
- 小茶:北野佳子
- おまつ:牧野加代子
- おせん:沢裕子
- おさき:安田夏望
- おたね:佐藤真理
- さそりの三蔵:吉中六
- 馬方仙蔵:綾田俊樹
- 木こり:柳谷寛
- 巫女:中里博美
- 巫女:長谷川友紀
- りん弥:外川由紀
- 珠水:川島千恵
- 墨菊太夫:今村奈緒美
- 唐琴太夫:村上はるみ
- 烏丸光広:中島久之
- 灰屋紹由:伊藤正博
- 松雄要人:宗近晴見
- 玉照:中田譲治
- 井戸屋助左衛門:藤岡重慶
- 奈良井屋大蔵:待田京介
- 熊五郎:丹古母鬼馬二
- 松下舞之助:関根孝彦
- 佐藤源三:堀勝之祐
- 三浦辰之助:高野浩和
- 船頭の佐助:二見忠男
- おちか:稲田幸枝
- 虎五郎:宮部昭夫
- 野州川安兵衛:大久保康治
- おそめ:平賀由美
- 納所坊主:内田稔
- 仙蔵:綾田俊樹
- 庄司甚内:団巌
- 青兵衛:鳥井助国
- ばった:関根大学
- やんま:兼松隆
- 念仏太左衛門:関山耕司
- 亀井:市原清彦
- 伊藤:田中卓
- 源八:前沢迪雄
- おるい:津田千桂子
- かかしの兵六:葛原光生
- うわばみの長太:長江英和
- なまずの甚兵衛:田辺修治
- 暗闇の金蔵:矢部忠政
- 杉蔵:伊藤裕平
- 源助:綾城明
- 新吉:吉田英樹
- 与作:水島涼太
- おかね:浦谷ひづる
- 千代蔵:石井愃一
- おいち:川田てるみ
- 彦兵衛:里木左甫良
- 太兵衛:野口貴史
- 吾平:西村淳二
- 七兵衛:佐藤晟也
- 常蔵:戸沢佑介
- 留吉:竹内靖
- 嘉助:武石聡
- 五郎蔵:辻三太郎
- 万作:広世克則
- 五平:山田敦彦
- 井戸屋の子分:鮎田昭夫
- 井戸屋の子分:麻生亮
- 平助:根岸一正
- 藤吉:金井大
- 佐藤三太夫:伊沢一郎
- 厨子野耕介:長谷川弘
- 珠水:川島千恵
- 七郎次:粟津號
- 弥助:有川雄司
- 仁蔵:岩本秀次
- 吉兵衛:後藤明
スタッフ
- 原作:吉川英治『宮本武蔵』
- 脚本:杉山義法
- 音楽:三枝成章
- 演奏:アンサンブルスカイ
- 考証:白井孝昌
- 風俗考証:磯目篤郎
- 殺陣:林邦史朗
- 語り:石井賢(第1回〜第19回)、佐々木敦(第20回〜)(ともにNHKアナウンサー)
- タイトル文字:藤沢昌子
- 笛指導:赤尾三千子
- 唄指導:望月太八
- 書道指導:栗原程
- 茶道指導:西原暉子
- 方言指導:桜田千枝子
- 琵琶指導:田中之雄
- 振付:麿赤児、西崎鉾
- 日本画指導:北澤信一郎
- 彫刻指導:矢貫正夫
- 琴指導:谷珠美
- 制作:澁谷康生
- 美術:川口直次、大鹿文明
- 技術:斉藤政雄、大沼伸吉
- 照明:渡辺恒一、関口珠洲男
- カメラ:飯田孟司、塩谷貞夫、吉野照久、布施俊英
- 音声:佐藤登喜雄、篠田光昭
- 効果:松崎茂、藤野登、山倉正美
- 記録編集:野田茂子
- 演出:岡本憙侑、吉村芳之、布施実、松本享一、永山あつし、石井愼、高橋幸作、秋山茂樹
放送
放送日程
放送回 | 放送日 | 題 | 演出 | 視聴率[4] |
---|---|---|---|---|
第1回 | 1984年4月4日 | 故郷出奔 | 岡本憙侑 | 12.1% |
第2回 | 1984年4月11日 | 関ヶ原の雨 | 吉村芳之 | 9.3% |
第3回 | 1984年4月18日 | お甲と朱実 | 布施実 | 11.1% |
第4回 | 1984年4月25日 | 岐れ路 | 岡本憙侑 | 10.6% |
第5回 | 1984年5月9日 | 戦後の風 | 吉村芳之 | 10.2% |
第6回 | 1984年5月16日 | ふるさと無宿 | 布施実 | 14.9% |
第7回 | 1984年5月23日 | お通乱れ笛 | 岡本憙侑 | 14.0% |
第8回 | 1984年5月30日 | 沢庵の罠 | 吉村芳之 | 10.5% |
第9回 | 1984年6月6日 | 恋の千年杉 | 布施実 | 10.0% |
第10回 | 1984年6月13日 | 宿命の二人 | 岡本憙侑 | 13.1% |
第11回 | 1984年6月20日 | 花田橋涙橋 | 吉村芳之 | 10.6% |
第12回 | 1984年6月27日 | 都大路の春 | 松本享一 | 13.7% |
第13回 | 1984年7月4日 | 陽なた陽かげ | 布施実 | 10.8% |
第14回 | 1984年7月11日 | めぐりぞ逢わん | 吉村芳之 | 15.6% |
第15回 | 1984年7月18日 | 槍の宝蔵院 | 松本享一 | 14.7% |
第16回 | 1984年8月1日 | 芍薬の使者 | 岡本憙侑 | 13.0% |
第17回 | 1984年8月8日 | 柳生無刀取り | 永山あつし | 12.3% |
第18回 | 1984年8月15日 | 愛憎の季節 | 布施実 | 11.2% |
第19回 | 1984年8月22日 | わすれ貝 | 吉村芳之 | 13.3% |
第20回 | 1984年8月29日 | 必殺鎖鎌 | 永山あつし | 17.7% |
第21回 | 1984年9月5日 | 風雲五条大橋 | 布施実 | 14.8% |
第22回 | 1984年9月12日 | 清十郎無残 | 吉村芳之 | 17.1% |
第23回 | 1984年9月19日 | 雪の三十三間堂 | 石井愼 | 17.5% |
第24回 | 1984年9月26日 | 生死一路 | 布施実 | 15.6% |
第25回 | 1984年10月3日 | 一乗寺下り松 | 吉村芳之 | 16.8% |
第26回 | 1984年10月17日 | 女滝男滝 | 石井愼 | 11.1% |
第27回 | 1984年10月24日 | 漂泊流転 | 岡本憙侑 | 13.3% |
第28回 | 1984年10月31日 | 夢想流杖術 | 布施実 | 17.2% |
第29回 | 1984年11月7日 | 江戸新開地[5] | 高橋幸作 | 15.7% |
第30回 | 1984年11月14日 | 逆襲法典ヶ原 | 吉村芳之 | 16.1% |
第31回 | 1984年11月21日 | 武蔵江戸入り | 布施実 | 14.6% |
第32回 | 1984年11月28日 | 小次郎血風録 | 高橋幸作 | 14.2% |
第33回 | 1984年12月5日 | 危険な賭け | 岡本憙侑 | 14.5% |
第34回 | 1984年12月12日 | 秩父騒動 | 布施実 | 13.0% |
第35回 | 1984年12月19日 | 将軍狙撃 | 秋山茂樹 | 16.2% |
第36回 | 1985年1月9日 | 夢無残 | 吉村芳之 | 14.3% |
第37回 | 1985年1月16日 | 春告げ鳥 | 布施実 | 13.8% |
第38回 | 1985年1月23日 | 栄達の門 | 永山あつし | 14.7% |
第39回 | 1985年1月30日 | 独行道 | 石井愼 | 13.3% |
第40回 | 1985年2月6日 | 甦る剣 | 岡本憙侑 | 18.0% |
第41回 | 1985年2月13日 | お通受難 | 吉村芳之 | 13.5% |
第42回 | 1985年2月20日 | 世の潮路 | 高橋幸作 | 15.3% |
第43回 | 1985年2月27日 | 懐かしき人々 | 松本享一 | 15.3% |
第44回 | 1985年3月6日 | 愛の海峡 ―決戦前夜― | 吉村芳之 | 15.3% |
最終回 | 1985年3月13日 | 決闘巌流島 | 岡本憙侑 | 20.9% |
総集編
- 第1回 恋の千本杉(1985年8月7日19:30-20:50)
- 第2回 愛憎の季節(1985年8月8日19:30-20:50)
- 第3回 一乗寺下り松(1985年8月9日19:30-20:50)
- 最終回 決闘巌流島(1985年8月10日19:20~20:40)
ソフトウェア(DVD-BOX)
- 宮本武蔵 完全版 第壱集
- 本編第1回から第24回までを収録。
- 宮本武蔵 完全版 第弐集
- 本編第25回から最終第45回までを収録。
- 宮本武蔵〈総集編〉全2枚
関連作品
- 吹奏楽曲『Overture "FIVE RINGS"』 - 本作のオープニングテーマ等を、三枝成彰が吹奏楽曲に再構成したもの。1985年の第33回全日本吹奏楽コンクールの課題曲の委嘱を受けて作曲された。
脚注
- ^ 昭和60年8月7日「宮本武蔵 総集編 第一回「恋の千年杉」放送に先駆けておこなわれた「プレマップ」内インタビューによる。
- ^ 『TVドラマ・プロデューサー』澁谷康生著(太陽企画出版)
- ^ 『TVドラマ・プロデューサー』澁谷康生著(太陽企画出版)
- ^ 「テレビ視聴率季報(関東地区)」ビデオリサーチ。
- ^ 冒頭に「宮本武蔵 第二部」のクレジットが入る
外部リンク
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