コンテンツにスキップ

「いとしのエリー」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m 外部リンクの修正 http:// -> https:// (music-book.jp) (Botによる編集)
Cewbot (会話 | 投稿記録)
64行目: 64行目:
# '''いとしのエリー''' (4:23)
# '''いとしのエリー''' (4:23)
#:(作詞・作曲:[[桑田佳祐]] 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:[[新田一郎 (ミュージシャン)|新田一郎]])
#:(作詞・作曲:[[桑田佳祐]] 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:[[新田一郎 (ミュージシャン)|新田一郎]])
#:[[TBSテレビ|TBS]]系[[金曜ドラマ (TBS)|金曜ドラマ]]『[[ふぞろいの林檎たち]]』主題歌<ref group="注">ドラマが放送された1983年から使用。</ref><ref group="注">タイアップドラマには様々なサザンの楽曲が[[バックグラウンドミュージック|BGM]]や挿入歌として使われており、1997年の完結に至るまでシリーズを通して主題歌として使われている。</ref>。
#:[[TBSテレビ|TBS]]系[[金曜ドラマ (TBS)|金曜ドラマ]]『[[ふぞろいの林檎たち]]』主題歌<ref group="注">ドラマが放送された1983年から使用。</ref><ref group="注">タイアップドラマには様々なサザンの楽曲が[[背景音楽|BGM]]や挿入歌として使われており、1997年の完結に至るまでシリーズを通して主題歌として使われている。</ref>。
#:桑田の実姉が名がエリコ([[岩本えり子]])であることから、歌詞には姉や桑田が敬愛する[[エリック・クラプトン]]への想いが込められているのではないか、とする説もあったが<ref name="Eric" />、桑田本人がラジオ番組でこの件に触れ、当時のインタビュー等で適当に語ったものだと話し、真相は「エリー」という言葉の響きの良さから決めたものだと明かした<ref>[https://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20081026-422805.html 桑田がFMで最愛の姉追悼する11曲]日刊スポーツ 2008年10月26日</ref>。
#:桑田の実姉が名がエリコ([[岩本えり子]])であることから、歌詞には姉や桑田が敬愛する[[エリック・クラプトン]]への想いが込められているのではないか、とする説もあったが<ref name="Eric" />、桑田本人がラジオ番組でこの件に触れ、当時のインタビュー等で適当に語ったものだと話し、真相は「エリー」という言葉の響きの良さから決めたものだと明かした<ref>[https://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20081026-422805.html 桑田がFMで最愛の姉追悼する11曲]日刊スポーツ 2008年10月26日</ref>。
#:初披露は1979年2月20日に[[日本武道館]]で行われた[[エフエム東京|FM東京]]の番組『[[小室等の音楽夜話]]』放送1,000回記念の公開録音ライブへの出演の時である<ref>サザンオールスターズ会報『別冊 代官山通信 サザンオールスターズ 1978-2013...』8ページより</ref>。
#:初披露は1979年2月20日に[[日本武道館]]で行われた[[エフエム東京|FM東京]]の番組『[[小室等の音楽夜話]]』放送1,000回記念の公開録音ライブへの出演の時である<ref>サザンオールスターズ会報『別冊 代官山通信 サザンオールスターズ 1978-2013...』8ページより</ref>。

2021年11月23日 (火) 08:38時点における版

いとしのエリー
サザンオールスターズシングル
初出アルバム『10ナンバーズ・からっと
B面 アブダ・カ・ダブラ (TYPE 3)
リリース
規格 7インチレコード
8cmCD
12cmCD
デジタル・ダウンロード
ストリーミング
録音 1979年1月 - 2月
VICTOR STUDIO
音響ハウス
ジャンル ロック
歌謡曲 (#1)[1]
時間
レーベル Invitation
タイシタレーベル(再発盤)
作詞・作曲 桑田佳祐
プロデュース サザンオールスターズ
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1979年度年間11位(オリコン)
  • 週間1位(7週連続、ザ・ベストテン
  • 1979年度年間2位(ザ・ベストテン)
サザンオールスターズ シングル 年表
気分しだいで責めないで
1978年
いとしのエリー
(1979年)
思い過ごしも恋のうち
(1979年)
10ナンバーズ・からっと 収録曲
ブルースへようこそ
(9)
いとしのエリー
(10)
ライブ映像
「いとしのエリー」(ちょっとエッチなラララなおじさん) - YouTube
テンプレートを表示

いとしのエリー」は、サザンオールスターズの楽曲。自身の3作目のシングルとして、Invitationから7インチレコード1979年3月25日に発売された。

1988年6月25日1997年4月23日(経緯は後述)、1998年2月11日に8cmCDとして、2005年6月25日には12cmCDで再発売されている。2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている[2][3]

背景

自身のシングルの表題曲(A面)がバラードの楽曲として発売されたのは本作が初めてである[4]

デビュー当時のサザンのイメージは「陽気さ」であり、本作が発売される前、デビューシングルの「勝手にシンドバッド」、2枚目シングル「気分しだいで責めないで」や1枚目アルバム『熱い胸さわぎ』の3作品はパワフルかつコミカルでエッチなサウンドであったが、桑田佳祐はそのイメージに納得していなかった。2枚目アルバム『10ナンバーズ・からっと』制作時に桑田は「こういう曲を思いついた」と即興でギターを弾き、「エリー・マイ・ラブ……」と「いとしのエリー」の歌詞の一部をスタッフに聴かせた。そして「いとしのエリー」を3枚目シングルとして発売するか議論となり、高垣健を含むビクター側は「方向性が定着してきた時期に、バラードは時期尚早だ」と大反対したが、アミューズの当時社長であった大里洋吉が「売ろうではなく、冒険してみよう」という提案をしたことで「いとしのエリー」が3枚目シングルとなった[5]

リリース・批評

表題曲が主題歌に起用されたTBS系列のテレビドラマふぞろいの林檎たち』シリーズの完結編『ふぞろいの林檎たち IV』の放送に合わせ、1997年には特例の再発売が行われた。再発売された回数は4回と「勝手にシンドバッド」と並んで最多である。

なお、表題曲をシングルにして出すことはメンバーだけで決めたことや、レコード会社からはこれといった要望が無かったこと、リリースが決まったことでアミューズや雑誌の関係者の反応が変わったこと、表題曲をリリースして以降は女性誌の仕事が増えたことを桑田は述べている[6]

小説家の樋口毅宏は本作をサザンがスーパースターの座を射止める決定打となったと評価している[7]

受賞歴

チャート成績

本作発売当時、西城秀樹の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」やジュディ・オングの「魅せられて」のヒットと重なってオリコン週間シングルランキングで1位は獲得していないが[9]、1992年に「シュラバ★ラ★バンバ」「涙のキッス」がリリースされるまでは最も高い売り上げを記録しており、累計売上枚数は72.8万枚(オリコン調べ)を記録している[10]ビクターエンタテインメントによる出荷枚数は累計125万枚を記録した[11]

オリコンのシングルTOP10獲得週間数では、本作は16週獲得しており、自身の中では最大である[12]

日本音楽著作権協会(JASRAC)の著作権使用料分配額ランキングでは、「いとしのエリー」が 平成(1989年〜2019年)の中で歴代28位にランクインした[13]

収録曲

  • 収録時間:6:59
  1. いとしのエリー (4:23)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎
    TBS金曜ドラマふぞろいの林檎たち』主題歌[注 1][注 2]
    桑田の実姉が名がエリコ(岩本えり子)であることから、歌詞には姉や桑田が敬愛するエリック・クラプトンへの想いが込められているのではないか、とする説もあったが[5]、桑田本人がラジオ番組でこの件に触れ、当時のインタビュー等で適当に語ったものだと話し、真相は「エリー」という言葉の響きの良さから決めたものだと明かした[14]
    初披露は1979年2月20日に日本武道館で行われたFM東京の番組『小室等の音楽夜話』放送1,000回記念の公開録音ライブへの出演の時である[15]
    桑田の著書『ブルー・ノート・スケール』(1987年 ロッキングオン)ではこの楽曲と「勝手にシンドバッド」を1985年のライブ『KAMAKURA TO SENEGAL サザンオールスターズ AVECトゥレ・クンダ(英語)』をもって封印していることを述べていたが[16]、1988年にサザンが活動再開して以降もどちらも多くのライブで歌われている[17][18]。また、『1998 スーパーライブ in 渚園』のDVDインタビューでも封印する趣旨を述べていたが、翌年春のツアーライブ『Se O no Luja na Quites 〜素敵な春の逢瀬〜』以後はどちらの曲も再び今まで通りに演奏された[19][20]
    間奏に収録されている女性の笑い声は原由子の声であり、きっかけは「女性の笑い声を入れよう」となり、レコーディング中に松田弘や当時のマネージャーがインベーダーゲームの真似をして笑わせていた[21][注 3]。また、2016年に発売された桑田のソロシングル「ヨシ子さん」にはこの楽曲のサビ部分が歌詞に引用されている[22]
    桑田は本楽曲を飽きたり、古いと感じたりして歌う歓びがあまり感じられない時期が長かったが、(2018年の時点で)ここ10年くらいで歌う気力が戻ってきたと語った[23]
    小沢健二の1994年発売のシングル「愛し愛されて生きるのさ」の歌詞に「10年前の僕らは胸をいためて"いとしのエリー"なんて聴いてた」がある[24][25]
    1996年に教育出版が発行する高等学校の音楽教科書に掲載された[26]
    2010年12月1日に行われたエイズ啓発活動『Act Against AIDS 2010』にて、桑田が所属するアミューズの後輩である佐藤健[注 4]がこの楽曲をカバーして披露している[28]
    第56回NHK紅白歌合戦』の「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」で白組41位にランクインしている。また、2015年9月23日に放送されたテレビ朝日系「ミュージックステーション ウルトラFES」内で放送されたVTR企画『世界に誇るニッポンの歌 BEST100』では23位[29]、2016年6月17日に放送された『ミュージックステーション』内のVTR企画「世代を超えるカッコイイ歌謡曲 TOP25」で2位にランクインした[1]
    調ニ長調[30]
  2. アブダ・カ・ダブラ (TYPE 3) (2:36)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:新田一郎)
    日清食品焼そばU.F.O.CMソング
    タイトルに、新曲でありながら“TYPE3”とあるが、TYPE1と2は後に発売されたアルバム『10ナンバーズ・からっと』に収録されている。歌詞はTYPE1と同じではあるが、後奏がやや異なる。
    2015年のライブツアー『おいしい葡萄の旅』においては、アンコール前のダンサーによる寸劇のBGMとしてこのバージョンが用いられた。

参加ミュージシャン

収録アルバム

※斜字は廃盤作品。

カバー

いとしのエリー(日本語)
いとしのエリー(外国語)
  • 1989年:レイ・チャールズ
    • 英語詞で『Ellie My Love』(エリー・マイ・ラブ)としてカバーし、サントリーウイスキーホワイト」のCMソングとして放送された。オリコンの集計で40.2万枚を記録するヒットとなり、レイ・チャールズの作品としては日本での最大の売上となっている[31]。歌詞の内容は原曲と多少異なっており、曲調も比較的ジャズに近い。桑田本人はこのカバー曲を、『レイチャールズさんは俺のフェバリットの一人ですからね』『それはもう嬉しかったね。嬉しいを超えてますよね』『もろもろの事情から日本語で唄うわけにはいかないから仕方ないにしても、日本語で唄った方が化粧のノリが良い歌だと思いますね』[32]と述べている。
  • 1989年:ジャッキー・チュン - 広東語詞でアルバム『給我親愛的』収録
  • 1991年:プラターズ - 英語詞でカバーアルバム『夜霧よ今夜も有難う』収録
  • 1999年:レオン・ライ - 広東語詞でアルバム『Leon Now』収録
  • 2000年:キム・ジャンフン - 韓国語詞でアルバム『Innocence』に収録
  • 2005年:キム・ヒョンジョン - 韓国語詞でアルバム『Fun Town 20』に収録、曲名は『Only You』
  • 2011年:ヘイリー・ロレン - 英語詞でアルバム『Heart First』収録

脚注

注釈

  1. ^ ドラマが放送された1983年から使用。
  2. ^ タイアップドラマには様々なサザンの楽曲がBGMや挿入歌として使われており、1997年の完結に至るまでシリーズを通して主題歌として使われている。
  3. ^ 2005年のアルバム『キラーストリート』に収録された「JUMP」の曲中や桑田ソロの「MASARU」にも、この曲の間奏に収録されている原の笑い声がサンプリングとして使用されている。
  4. ^ 2021年3月末でアミューズから独立し、2021年4月からはアミューズが出資した新事務所のCo-LaVoに所属している[27]

出典

  1. ^ a b 桑田佳祐、『Mステ』で作詞について語る「人様の歌詞って見たことなかった。でも……」 2ページ目リアルサウンド 2016年6月18日閲覧。
  2. ^ サザン、全266曲を世界111ヶ国で配信 オリコン 2014年12月17日配信, 2020年6月4日閲覧。
  3. ^ サザン関連全972曲 サブスク一斉解禁 メンバーソロ曲も対象に オリコン 2019年12月20日配信, 2019年12月20日閲覧。
  4. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p142
  5. ^ a b 時期尚早と反対も…サザン分岐点「いとしのエリー」 日刊スポーツ 2020年8月9日配信, 2020年8月16日閲覧
  6. ^ 『ブルー・ノート・スケール』(1987年 ロッキングオン P116 - 117)
  7. ^ 樋口毅宏 「桑田佳祐は、日本のポップミュージック史上最大の変態だ」、『散歩の達人』2019年3月号。
  8. ^ 第12回日本有線大賞 日本有線大賞 2015年12月5日閲覧
  9. ^ 70年代~80年代にリリースされた「2位止まりだった名曲」 ミドルエッジ 2017年8月3日閲覧
  10. ^ サザンオールスターズ 売上別TOP10&主な記録 オリコン 2015年4月12日閲覧。
  11. ^ 「新曲『TSUNAMI』発売1週間で65万枚 サザン22年目の自己新!!」『スポーツニッポン』2000年2月4日付、25面。
  12. ^ サザン、百恵超え! シングルのTOP10獲得週数記録を更新! オリコン 2015年10月20日閲覧
  13. ^ 平成で一番“使われた”曲1位は「世界に一つだけの花」 カラオケ通じ歌い継がれる演歌・歌謡の名曲も多数上位に オリコン 2019年4月16日配信、2019年4月20日閲覧
  14. ^ 桑田がFMで最愛の姉追悼する11曲日刊スポーツ 2008年10月26日
  15. ^ サザンオールスターズ会報『別冊 代官山通信 サザンオールスターズ 1978-2013...』8ページより
  16. ^ 『ブルー・ノート・スケール』(1987年 ロッキングオン)P117
  17. ^ サザンオールスターズ-真夏の夜の夢-1988大復活祭 SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE
  18. ^ いっちゃえ'89サザンde'90(年越しコンサート) SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE
  19. ^ サザンオールスターズ・シークレットライブ「'99 SAS 事件簿 in 歌舞伎町」 SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE
  20. ^ サザンオールスターズ 茅ヶ崎ライブ SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE
  21. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p30
  22. ^ ディランにボウイ、三平まで!桑田佳祐が歌う『ヨシ子さん』って誰よ? okmusic 2016年8月17日閲覧
  23. ^ 文藝春秋 2018年10月号 p155
  24. ^ 愛し愛されて生きるのさ 小沢健二 歌詞情報 うたまっぷ 2020年2月14日閲覧
  25. ^ page3 | 小沢健二『愛し愛されて生きるのさ』――青山学院から「渋谷系」につながる若者音楽の系譜 渋谷区【連載】ベストヒット23区(19) アーバン ライフ メトロ 2020年5月24日配信, 2020年7月15日閲覧
  26. ^ 『歌い継がれる名曲案内 音楽教科書掲載作品10000』日本アソシエイツ、2011年、247頁。ISBN 978-4816922916
  27. ^ "佐藤健と神木隆之介がアミューズから独立 4月から新会社「Co-LaVo」設立". スポーツ報知. 報知新聞社. 16 March 2021. 2021年7月7日閲覧
  28. ^ 三浦春馬&佐藤健、“先輩”桑田佳祐の楽曲カバーで9000人魅了 オリコン 2010年12月2日配信, 2021年7月6日閲覧。
  29. ^ 1位はSMAP「世界に一つだけの花」、MステSP“世界に誇るニッポンの歌” ミュージックジェイピー 2015年9月23日配信 2021年8月20日閲覧
  30. ^ いとしのエリー(サザンオールスターズ) / コード譜 / ギター - J-Total Music!”. Jトータルミュージック. 2016年8月2日閲覧。
  31. ^ 【オリコン“平成セールス”ランキング】シングルはSMAP、アルバムは宇多田ヒカルが1位 “平成No.1”アーティスト別セールスのB’zからはコメント到着 平成「洋楽」シングル売上ランキング TOP10 オリコン 2019年4月11日配信, 2021年1月14日閲覧
  32. ^ 桑田佳祐『ただの歌詩じゃねえかこんなもん'84-'90』P154 - 155、新潮社、1990年

関連項目

外部リンク