阿蘇立野ダム
阿蘇立野ダム | |
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ダム下流側から(2022年7月) | |
左岸所在地 | 熊本県菊池郡大津町大字外牧 |
右岸所在地 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字立野 |
位置 | 北緯32度52分30秒 東経130度58分25秒 / 北緯32.87500度 東経130.97361度座標: 北緯32度52分30秒 東経130度58分25秒 / 北緯32.87500度 東経130.97361度 |
河川 | 白川 |
ダム諸元 | |
ダム型式 | 重力式コンクリートダム、流水型ダム |
堤高 | 87 m |
堤頂長 | 197 m |
堤体積 | 約400,000 (減勢工を含む) m3 |
湛水面積 | 約0.36 km2 ha |
有効貯水容量 | 8,600,000 m3 |
利用目的 | 治水ダム |
事業主体 | 国土交通省 |
着手年 / 竣工年 | 1983年 / 2024年 |
出典 | [1] |
備考 | 標高 : 207 m[2] |
阿蘇立野ダム(あそたてのダム)は、熊本県を流れる一級河川白川のダムである。2024年(令和6年)4月より運用開始。
概要
[編集]治水を目的とする流水型ダムで、通常はダム最下部に設けられた3ヶ所の放流孔(高さ約5メートル・幅約5メートル)から通水する[3]。流入する水量が増えた場合にダムへの計画流入量2,800立方メートル毎秒から600立方メートル毎秒を調節する。これにより熊本市の代継橋における基本高水のピーク流量3,400立方メートル毎秒のうち400立方メートル毎秒の洪水調節を行うとしている[4]。
1983年(昭和58年)に事業着手し、2018年(平成30年)8月にダム本体の起工式が行なわれ、2020年(令和2年)10月にはダム本体コンクリートの打設が開始[5]。2022年度に完成の予定[6]は遅れたものの、翌年度に当たる2024年(令和6年)2月17日、完成記念式典が開かれた[7]。
2016年(平成28年)4月に発生した熊本地震において、ダム建設地周辺で斜面崩壊や断層活動が確認されたため、ダムサイト予定地の基礎岩盤の状況等を調査・検討し、立野ダム建設に係る技術的な確認・評価を行うことを目的とする「立野ダム建設に係る技術委員会」が設置され技術的な確認・評価が実施されている[8]。
技術的な確認・評価の結果、①第四紀断層:熊本地震後もダム敷及びその近傍にダムを建設する上で特に考慮する必要がある第四紀断層は存在しない。したがって、断層変位によってダム敷にズレが生じることはないと考えられる。②基礎岩盤:熊本地震後もダム本体の基礎岩盤の性状に変化は認められず、基礎岩盤として健全性に 問題がないと考えられる。との検討結果が出されている[9]。
湛水域の上流側は、阿蘇北向谷原始林に一部かかり、標高276m以下の部分は満水時に冠水する。この冠水する面積は原始林の4%に相当する[10]。2024年(令和6年)1月から実施された試験湛水時には、原始林への影響を抑えるため、満水後の水位低下量を通常1日あたり1mとするところを3日間で70mとして対応した[11]。
ギャラリー
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2022年7月7日撮影
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空飛ぶ建設機械
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夕焼けとダム建設現場
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遠くに見える熊本市を守る『砦』
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コンクリート製造設備・運搬設備
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足場の美
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『地上の星』たち
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『砦』
位置
[編集]- 南阿蘇村立野 - 地理院地図
- 南阿蘇村立野 - Google マップ
脚注
[編集]- ^ ダムの形式・大きさ 阿蘇立野ダムの諸元、国交省熊本河川国道事務所 河川管理課、2024年4月
- ^ “地理院地図”. 国土地理院. 2024年5月13日閲覧。 標高は画面左下に表示
- ^ 杉浦, 奈実「普段は水ためないダム 洪水対策に特化 川と同じ高さに「放流孔」」『朝日新聞』2023年4月10日、4版、夕刊、1面。
- ^ “ダムの目的と役割”. www.qsr.mlit.go.jp. 立野ダム工事事務所. 2023年6月16日閲覧。
- ^ 立野ダム事業概要 立野ダム建設事業の経緯、p.7(最終ページ)、国交省九州地方整備局 立野ダム工事事務所、2020年10月
- ^ 立野ダム本体着工で起工式 22年度完成目指す、熊本 産経新聞、2018年8月5日
- ^ “改名した「阿蘇立野ダム」完成式典 白川の治水対策 南阿蘇村”. NHK (2024年2月17日). 2024年7月14日閲覧。
- ^ “立野ダム建設に係る技術委員会規約”. 国土交通省九州地方整備局 (2016年). 2024年7月14日閲覧。
- ^ “立野ダム建設に係る技術委員会”. 国土交通省 立野ダム工事事務所. 2016年9月閲覧。
- ^ 「立野ダム、原始林4%冠水 国交省、調査継続」『熊本日日新聞』2024年(令和6年)3月16日 4面
- ^ 「堤防と岩盤 安全性確認」『読売新聞』2024年(令和6年)3月16日熊本版 30面