続本朝往生伝
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続本朝往生伝 續本朝往生傳 | ||
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著者 | 大江匡房 | |
発行日 | 康和3年(1101年) - 天永2年(1111年) | |
ジャンル | 往生伝 | |
国 | 日本 | |
言語 | 漢文 | |
前作 | 日本往生極楽記 | |
次作 | 拾遺往生伝 | |
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『続本朝往生伝』(ぞくほんちょうおうじょうでん)は大江匡房による往生伝。康和3年(1101年)から天永2年(1111年)の間に成立した[1]。
概要
[編集]本書は、名前の通り、慶滋保胤の『日本往生極楽記(本朝往生伝)』を継ぐものとして書かれ、42人の往生者の伝記を載せている[1]。その収録者は、『日本往生極楽記』以後の人物に限られ[2][3]、良源門下に集中している[1]。また、全体的に奇談・霊験談を熱心に書く一方で、往生伝と銘打つにもかかわらず、往生の話が「通り一遍」でしかなかったり、そもそも往生の話を欠いているものすらある[4]。
写本
[編集]- 真福寺本:建長5年(1253年)12月6日、乗忍が書写。重要文化財(1964年1月28日指定)[5]
- 宮内庁書陵部本:真福寺本と同系統[6][7]
- 大東急記念文庫本:五島美術館蔵。真福寺本と別系統で、最古の写本。紙背文書あり。重要文化財(1986年6月6日指定)[7][2]
- 九州国立博物館本:重要文化財(2011年6月27日指定)[8]
内容
[編集]「日本往生全伝」を基に作成
一条朝の「天下の一物」
[編集]一条天皇伝では、一条天皇(在位: 986年 - 1011年)は多数の「天下の一物」を得たとして、それを列挙している[9]。
親王 | 中書王 |
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上宰 | 左相・儀同三司 |
九郷 | 藤原実資・藤原斉信・藤原公任・源俊賢・藤原行成・源扶義・平惟仲・藤原有国 |
雲客 | 藤原実成・藤原頼定・源相方・源明理 |
管弦 | 源道方・源済政・源時中・藤原高遠・源信明・源信義 |
文士 | 大江匡衡・大江以言・紀斉名・菅原宣義・高階積善・源為憲・藤原為時・源孝道・藤原相如・源道済 |
和歌 | 藤原道信・実信・藤原実方・藤原長能・大中臣輔親・和泉式部・赤染衛門・曽根好忠 |
画工 | 巨勢弘高 |
舞人 | 大伴兼時・秦身高・多良茂・多政方 |
異能 | 私宗平・三宅時弘・伊勢多世・越智常世・公侯恒則・参春時正・真上勝岡・大井光遠・秦経正 |
近衛 | 下野重行・尾張兼時・播磨保信・物部武文・尾張兼国・下野公時 |
陰陽師 | 賀茂光栄・安倍晴明 |
有験の僧 | 観修・勝算・深覚 |
真言 | 寛朝・慶円 |
能説の師 | 清範・静昭・院源・覚珎 |
学徳 | 源信・覚運・実因・慶祚・安海・清仲 |
医方 | 丹波重雅・和気正世 |
明法 | 惟宗允亮・惟宗允正 |
明経 | 清原善澄・清原広澄 |
武者 | 源満仲・源満政・平維衡・平致頼・源頼光 |
「日本往生全伝」、森(2019) p. 1を基に作成
刊行本
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『続本朝往生伝』, 「日本往生全伝」, 1882, 国立国会図書館
- 中尾正己「続本朝往生伝の往生観」, 『印度學佛教學研究』29巻1号, 1980
- 森公章「真上勝岡異見」, 『東洋大学文学部紀要. 史学科篇』巻44 , 2019