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金鷲旗高校柔道大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
金鷲旗から転送)

金鷲旗高校柔道大会(きんしゅうきこうこうじゅうどうたいかい)は、毎年7月下旬に福岡県福岡市で開催される高等学校を対象とした柔道のオープントーナメントである。西日本新聞社・九州柔道協会主催、スポーツ庁全日本剣道連盟テレビ西日本など後援。

概要

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1916年大正5年)創設の歴史のある大会で、全国高等学校総合体育大会柔道競技大会(インターハイ)、全国高等学校柔道選手権大会にならぶ高校柔道の三大大会の一つである。通称「夏の福岡」。

男女同時開催。本大会に続いて西日本新聞社が主催する高等学校を対象とした剣道のオープントーナメントである「玉竜旗高校剣道大会」が開催され、まとめて金鷲旗玉竜旗柔剣道大会と呼ばれることもある。

参加校

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完全オープン参加となっている。すなわち基本的に日本全国どの高校も実施要項に従って手続きを行うことで、地方予選も一切なく、自由に参加することが出来る。開催当初の参加校は福岡県内の学校に限られていたが、1920年佐賀県長崎県から参加したのを皮切りに、その後九州・山口の各地域及び朝鮮満州上海から参加した学校もあった。

戦後は九州の高等学校を対象とした大会として再開したが、大会によっては九州外の学校が参加した大会もあった。1973年以降は日本全国の高等学校の参加を認めるようになった。近年では首都圏・近畿圏をはじめとする九州外の全国各地や海外からの参加校も増加しており、男女合わせて毎年400校以上が参加している。自由参加ということから多数の強豪校が参加しており、毎年非常にレベルの高い大会になっている。

大会のルール

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試合はIJF試合審判規定により行う。試合時間は3分。ただしラウンド16以降は4分。

  • 組み合わせは抽選により決定。
  • 男女とも、5人制勝抜・トーナメント方式で行われる団体戦。
  • 大会中のポジションチェンジが認められない。

優勝するまで最低8試合を勝ち進む必要があり、なおかつ最終日は5試合こなさなくてはならないため、地獄の金鷲旗とも呼ばれる。勝者がそのまま次の相手と対戦する勝ち抜き戦方式であり、かつ負傷交代を除き5名の選手のポジションチェンジが認められないため、先鋒の負担が特に大きい。強豪校の先鋒が初戦から順に相手校の5名全てを倒し続けていく「~人抜き」の記録は、毎年の大会の風物詩となっている。

優勝旗

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男子は緑、女子は紅色地に金の鷲を刺繍したデザインの旗。「金鷲旗」と呼ばれ、大会名にもなっている。

歴史

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年表

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  • 1916年 九州学生武道大会の名で開催(福岡県内からのみ参加)。
  • 1920年 福岡県外(佐賀県・長崎県)の学校が初参加。
  • 1921年 中等学校武道大会に改称。
  • 1940年 西日本中等学校武道大会に改称。
  • 1941年 西日本中等学校武道鍛錬大会の名で開催。
  • 1942年 西日本中等学校夏季錬成大会の名で開催。
  • 1943年 - 1953年 戦時体制および戦後の学校教育における武道教育の禁止のため中止。
  • 1954年 西日本高校柔道大会の名で再開。現行の優勝旗を制定。参加は九州地方の学校のみ。
  • 1955年 全九州高校柔道選手権大会に改称。
  • 1956年 西日本高校柔道大会に改称し、近畿地方・中国地方・四国地方からも参加。
  • 1958年 九州近県高校柔道大会に改称。参加校は九州地方および山口県島根県愛媛県とする。
  • 1959年 金鷲旗争奪高校柔道大会に改称。参加校は九州地方のみとする。
  • 1967年 西日本新聞創刊90周年を記念し、中国地方の学校が招待され参加。
  • 1972年 全日本柔道連盟の後援を得て、金鷲旗高校柔道全国大会として開催。九州外(沖縄を含む)から12校が招待され参加。
  • 1973年 金鷲旗高校柔道大会(現行名称)に改称。全国オープン参加方式となる。
  • 1987年 西日本新聞創刊110周年を記念し、女子大会(個人戦)を開始。
  • 1990年 3人制・点取り方式による女子団体戦を開始。
  • 1994年 女子大会も5人制勝ち抜き団体戦となる。
  • 1997年 高校生以下の入場を無料化。
  • 2020年2021年 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止[1]

歴代優勝・準優勝校

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男子

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年度 和暦 優勝 準優勝
九州学生武道大会
1916年 大正5 1 修猷館(1) 福岡 久留米商 福岡
1917年 大正6 2 久留米商(1) 福岡 修猷館 福岡
1918年 大正7 3 修猷館(2) 福岡 福岡工 福岡
1919年 大正8 4 修猷館(3) 福岡 久留米商 福岡
1920年 大正9 5 修猷館(4) 福岡 東筑 福岡
中等学校武道大会
1921年 大正10 6 修猷館(5) 福岡 伝習館 福岡
1922年 大正11 7 修猷館(6) 福岡 小倉師範 福岡
1923年 大正12 8 修猷館(7) 福岡 長崎 長崎
1924年 大正13 9 鹿児島商(1) 鹿児島 修猷館 福岡
1925年 大正14 10 修猷館(8) 福岡 長崎 長崎
1926年 大正15 11 福岡商 福岡 福岡 福岡
1927年 昭和2 12 鹿児島商(2) 鹿児島 福岡 福岡
1928年 昭和3 13 鹿児島二師 鹿児島 熊本一師 熊本
1929年 昭和4 14 福岡工 福岡 福岡師範 福岡
1930年 昭和5 15 鹿児島一師 鹿児島 下関商 山口
1931年 昭和6 16 東筑 福岡 鹿児島二師 鹿児島
1932年 昭和7 17 久留米商(2) 福岡 小倉師範 福岡
1933年 昭和8 18 福岡師範 福岡 修猷館 福岡
1934年 昭和9 19 鎮西(1) 熊本 龍谷 佐賀
1935年 昭和10 20 鹿児島商(3) 鹿児島 小倉師範 福岡
1936年 昭和11 21 修猷館(9) 福岡 嘉穂 福岡
1937年 昭和12 22 嘉穂(1) 福岡 修猷館 福岡
1938年 昭和13 23 鹿児島商(4) 鹿児島 久留米商 福岡
1939年 昭和14 24 豊国(1) 福岡 嘉穂 福岡
西日本中等学校武道大会
1940年 昭和15 25 豊国(2) 福岡 八女 福岡
西日本中等学校武道鍛錬大会
1941年 昭和16 26 久留米商(3) 福岡 豊国 福岡
西日本中等学校夏季錬成大会
1942年 昭和17 27 久留米商(4) 福岡 鹿児島商 鹿児島
太平洋戦争およびGHQの武道教育禁止政策により中断
西日本高校柔道大会
1954年 昭和29 28 鹿児島商(5) 鹿児島 久留米商 福岡
全九州高校柔道選手権大会
1955年 昭和30 29 嘉穂(2) 福岡 久留米商 福岡
西日本高校柔道大会
1956年 昭和31 30 久留米商(5) 福岡 玉名 熊本
1957年 昭和32 31 嘉穂(3) 福岡 鹿児島商 鹿児島
九州近県高校柔道大会
1958年 昭和33 32 嘉穂(4) 福岡 久留米商 福岡
金鷲旗争奪高校柔道大会
1959年 昭和34 33 南筑(1) 福岡 山鹿 熊本
1960年 昭和35 34 久留米商(6) 福岡 九州学院 熊本
1961年 昭和36 35 山鹿 熊本 久留米商 福岡
1962年 昭和37 36 南筑(2) 福岡 佐賀商 佐賀
1963年 昭和38 37 福岡電波 福岡 南筑 福岡
1964年 昭和39 38 南筑(3) 福岡 福岡電波 福岡
1965年 昭和40 39 南筑(4) 福岡 鎮西 熊本
1966年 昭和41 40 鎮西(2) 熊本 鹿本 熊本
1967年 昭和42 41 鎮西(3) 熊本 福岡電波 福岡
1968年 昭和43 42 福岡大大濠 福岡 鎮西 熊本
1969年 昭和44 43 嘉穂(5) 福岡 南筑 福岡
1970年 昭和45 44 鎮西(4) 熊本 大牟田 福岡
1971年 昭和46 45 鹿児島実(1) 鹿児島 嘉穂 福岡
金鷲旗高校柔道全国大会
1972年 昭和47 46 鹿児島実(2) 鹿児島 南筑 福岡
金鷲旗高校柔道大会(オープン化)
1973年 昭和48 47 鹿児島実(3) 鹿児島 嘉穂 福岡
1974年 昭和49 48 九州学院(1) 熊本 国士舘 東京
1975年 昭和50 49 東海大相模(1) 神奈川 嘉穂 福岡
1976年 昭和51 50 九州学院(2) 熊本 熊本第一工 熊本
1977年 昭和52 51 九州学院(3) 熊本 南筑 福岡
1978年 昭和53 52 熊本第一工 熊本 国士舘 東京
1979年 昭和54 53 東海大四 北海道 東海大相模 神奈川
1980年 昭和55 54 東海大五 福岡 東海大四 北海道
1981年 昭和56 55 嘉穂(6) 福岡 近大福山 広島
1982年 昭和57 56 世田谷学園(1) 東京 東海大五 福岡
1983年 昭和58 57 近大福山 広島 国士舘 東京
1984年 昭和59 58 世田谷学園(2) 東京 東海大相模 神奈川
1985年 昭和60 59 世田谷学園(3) 東京 東海大五 福岡
1986年 昭和61 60 世田谷学園(4) 東京 近大福山 広島
1987年 昭和62 61 世田谷学園(5) 東京 東海大相模 神奈川
1988年 昭和63 62 東海大高輪台 東京 東海大相模 神奈川
1989年 平成 63 世田谷学園(6) 東京 東海大高輪台 東京
1990年 平成2 64 東海大相模(2) 神奈川 世田谷学園 東京
1991年 平成3 65 東海大相模(3) 神奈川 沖縄尚学 沖縄
1992年 平成4 66 世田谷学園(7) 東京 東海大五 福岡
1993年 平成5 67 世田谷学園(8) 東京 東海大相模 神奈川
1994年 平成6 68 世田谷学園(9) 東京 東海大相模 神奈川
1995年 平成7 69 世田谷学園(10) 東京 東海大五 福岡
1996年 平成8 70 世田谷学園(11) 東京 東海大相模 神奈川
1997年 平成9 71 国士舘(1) 東京 世田谷学園 東京
1998年 平成10 72 世田谷学園(12) 東京 国士舘 東京
1999年 平成11 73 東海大二 熊本 世田谷学園 東京
2000年 平成12 74 国士舘(2) 東京 世田谷学園 東京
2001年 平成13 75 世田谷学園(13) 東京 国士舘 東京
2002年 平成14 76 国士舘(3) 東京 世田谷学園 東京
2003年 平成15 77 世田谷学園(14) 東京 近大福山 広島
2004年 平成16 78 国士舘(4) 東京 世田谷学園 東京
2005年 平成17 79 桐蔭学園 神奈川 埼玉栄 埼玉
2006年 平成18 80 国士舘(5) 東京 桐蔭学園 神奈川
2007年 平成19 81 東海大相模(4) 神奈川 国士舘 東京
2008年 平成20 82 東海大相模(5) 神奈川 国士舘 東京
2009年 平成21 83 東海大相模(6) 神奈川 国士舘 東京
2010年 平成22 84 国士舘(6) 東京 東海大相模 神奈川
2011年 平成23 85 国士舘(7) 東京 東海大相模 神奈川
2012年 平成24 86 東海大浦安(1) 千葉 桐蔭学園 神奈川
2013年 平成25 87 東海大浦安(2) 千葉 東海大相模 神奈川
2014年 平成26 88 修徳 東京 国士舘 東京
2015年 平成27 89 国士舘(8) 東京 大成 愛知
2016年 平成28 90 国士舘(9) 東京 日体大荏原 東京
2017年 平成29 91 桐蔭学園(2) 神奈川 東海大相模 神奈川
2018年 平成30 92 国士舘(10) 東京 天理 奈良
2019年 令和元 93 国士舘(11) 東京 大牟田 福岡
2022年 令和4 94 埼玉栄 埼玉 国士舘 東京
2023年 令和5 95 国士舘(12) 東京 東海大相模 神奈川
2024年 令和6 96 埼玉栄 埼玉 国士舘 東京

女子

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年度 和暦 優勝 準優勝
1990年 平成2 1 柳川(1) 福岡 阿蘇 熊本
1991年 平成3 2 柳川(2) 福岡 熊本中央女 熊本
1992年 平成4 3 柳川(3) 福岡 大垣日大 岐阜
1993年 平成5 4 柳川(4) 福岡 湊川女子 兵庫
1994年 平成6 5 柳川(5) 福岡 土浦日大 茨城
1995年 平成7 6 柳川(6) 福岡 福岡工大附属城東 福岡
1996年 平成8 7 福岡工大附(1) 福岡 湊川女子 兵庫
1997年 平成9 8 柳川(7) 福岡 湊川女子 兵庫
1998年 平成10 9 柳川(8) 福岡 市立柏 千葉
1999年 平成11 10 土浦日大 茨城 埼玉栄 埼玉
2000年 平成12 11 福岡工大附(2) 福岡 淑徳 東京
2001年 平成13 12 福岡工大附(3) 福岡 宮崎日大 宮崎
2002年 平成14 13 湊川女子 兵庫 宮崎日大 宮崎
2003年 平成15 14 淑徳 東京 鎮西敬愛 福岡
2004年 平成16 15 福岡工大附(4) 福岡 埼玉栄 埼玉
2005年 平成17 16 埼玉栄(1) 埼玉 渋谷 東京
2006年 平成18 17 小杉 富山 三田松聖 兵庫
2007年 平成19 18 敬愛(1) 福岡 埼玉栄 埼玉
2008年 平成20 19 埼玉栄(2) 埼玉 鎮西敬愛 福岡
2009年 平成21 20 埼玉栄(3) 埼玉 八幡工 福岡
2010年 平成22 21 淑徳(2) 東京 新田 愛媛
2011年 平成23 22 阿蘇 熊本 鎮西敬愛 福岡
2012年 平成24 23 敬愛(2) 福岡 渋谷教育渋谷 東京
2013年 平成25 24 敬愛(3) 福岡 東大阪大敬愛 大阪
2014年 平成26 25 埼玉栄(4) 埼玉 鎮西敬愛 福岡
2015年 平成27 26 敬愛(4) 福岡 大成 愛知
2016年 平成28 27 敬愛(5) 福岡 大成 愛知
2017年 平成29 28 南筑 福岡 夙川学院 兵庫
2018年 平成30 29 南筑(2) 福岡 大成 愛知
2019年 令和元 30 富士学苑 山梨 敬愛 福岡
2022年 令和4 31 富士学苑 山梨 比叡山 滋賀
2023年 令和5 佐賀商 佐賀 敬愛 福岡
2024年 令和6 敬愛(6) 福岡 佐賀商 佐賀

開催場所

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放送

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男女決勝のダイジェスト版(55分枠)はテレビ西日本をキー局に九州沖縄エリアのFNS各局の他、フジテレビ関西テレビなどでも放送される。

脚注

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  1. ^ 金鷲旗・玉竜旗中止 思い複雑「開催議論もっと必要」「無理できない」”. 西日本新聞社 (2021年3月24日). 2021年3月24日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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