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JX金属関崎みらい海星館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
関崎海星館から転送)
関崎海星館からの豊予海峡の展望
手前が関崎で左手奥が四国佐田岬。右手の島は高島
館内に提示されている関埼灯台の旧第4等フレネル式レンズ

JX金属関崎みらい海星館(ジェイエックスきんぞくせきざきみらいかいせいかん)は、大分県大分市佐賀関にある天文台及びプラネタリウム、展示と展望施設等からなる大分市教育委員会所管の社会教育施設。それまで同所に存在した関崎海星館が2022年5月に改修のため一時休館し、ネーミングライツ契約により2023年7月1日より通称がJX金属 関崎みらい海星館となった[1][2]。2023年7月21日に外構工事を行いながら再オープンし、すべての工事が完了した2023年11月に正式オープンをした。

概要

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今回の改修により次のように変わっている。

正面玄関が北側から南側へ変更され、合わせて外構工事により新たな展望エリアが誕生した。バリアフリー化され、身障者用駐車場が2台分新規増設、有料ゾーンの天体観察室へは車いすが直接エレベーターと昇降機を介する形で直接乗り入れが可能となった。

天体望遠鏡が更新され、口径83cmと以前よりも大型化により大分県最大口径となった。また、九州本土としては福岡県八女市星の文化館の口径100cmに次ぐ第二位の大型望遠鏡である。

大分市初となるデジタル式プラネタリウムを新設、開館日の日中を中心に一般投影をしている。投影内容は日によって変動することがあり、イベント投影も行われる。座席数が22席とコンパクトな造りのため、混雑と円滑な運営を行う必要性からホームページからの事前予約制となっている。空席がある場合等は当日飛込での受付も可。

展示室には太陽系の紹介など模型を活用したものや、隕石や旧海星館使用の天体望遠鏡などがあり、月の満ち欠けを学べるものやクイズ形式の展示もコーナーとして新設。

ワークショップ室では、夏休みを中心に工作や座学などのイベントが開催されている。また、灯台の紹介コーナーには、関埼灯台で使用されていた旧レンズや機器などが展示してあり海洋の学びの一端を担っている。

展望室では日豊海岸国定公園内に位置する佐賀関半島の景色と国立公園に指定されている高島を手前の景色とし、国東半島別府湾、山口県方向、対岸の四国と高台の立地により景色の雄大な眺めは圧巻である。天気条件に恵まれるとダッシュ島も見える。豊後水道と瀬戸内海の潮流のしのぎあう速吸の瀬戸を眺望でき、関あじ関さばの漁場も見ることができる。

市町村合併以前の旧佐賀関町時代の植栽にによりアジサイ、スイセンの名所とされていたが環境の変化により現在ではみられない。6月から10月頃まではタイタンビカスやハイビカスが500本ほど植えてあり花も見頃となる8月には1000輪もの花が1日で咲く。春の5月と10月のそれぞれ中旬頃には、渡りをすることで知られる蝶々アサギマダラが中継地点として飛来している[3]

綾辻行人のデビュー作『十角館の殺人』に登場するS半島J崎沖の角島は、佐賀関半島関崎(地蔵崎)沖にある高島をモデルとしたものとされる。そして、関崎海星館はその外観が『十角館の殺人』の舞台となった十角館に酷似しているが、この小説が発表されたのが1987年であるのに対して、関崎海星館が開館したのはその8年後の1995年であり、十角館は関崎海星館をモデルとしたものではない[4]

沿革

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海洋及び天文に関する学習の場を提供することにより市民の知識及び教養の向上を図ることを目的に1995年(平成7)4月1日に旧佐賀関町によって設置された生涯学習施設[5][3][6]。正式名称は「法予海峡 関崎海星館」また、立地の特徴から岬の関埼灯台を見下ろしつつ瀬戸内海国定公園の高島や日豊海岸国定公園のリアス海岸を捉えつつ、対岸四国から豊後水道、別府湾、瀬戸内海を望める。そのため観光の場としても位置付けられている。

2005年1月1日、市町村合併により管理が大分市教育委員会となり名称も「大分市生涯学習施設 関崎海星館」

2011年4月1日、指定管理制度導入。

2012年6月、天体望遠鏡のシステム改修により、PC9801制御からWindows制御に。

2022年5月15日をもって改装のため休館。初代の天体望遠鏡(西村製作所製・口径60cm反射望遠鏡)は同年7月に解体し一部が展示保存されている。

2023年7月21日リニューアルオープン。

■更新・天体望遠鏡 メーカー五藤光学研究所製 口径83cm反射式赤道儀。サブ望遠鏡口径15cm屈折式望遠鏡。望遠鏡の愛称募集を大分市内の小学校54校を対象に2023年2月~5月に行い職員選定により7月20日「MIRAI」と発表、命名者は別保小学校に通う高橋遥仁君(11歳)であった。これはネーミングライツ決定の前であり、“みらい”という言葉が望遠鏡愛称と施設の通称名に使われることになった。

太陽撮像システム①Hα線太陽望遠鏡②カルシューム線太陽望遠鏡。口径10㎝太陽眼視観測用望遠鏡。

■新設・プラネタリウム メーカー五藤工学研究所製 デジタル式。ドーム形6m 座席数:リクライニング式18席 ベンチシート2席 最大22名収容。車いす利用の場合は座席を取り外して利用する形になるため、事前に相談しておく必要がある。

また、佐賀関にグループ会社の事業所であるJX金属製錬佐賀関製錬所があるJX金属が命名権を取得し、2023年7月1日から通称がJX金属関崎みらい海星館となった[1][2]

歴代館長は以下のとおりである。

初代 船田工 1995年4月1日~2002年3月31日 渕野純生 2002年4月1日~2005年3月31日 高橋誠彦 2005年4月1日~2009年2月28日 佐藤博美 2009年3月1日~2011年3月31日 平岩賢司 2011年4月1日~2014年7月31日 川田政昭 2014月8月1日~現在

脚注

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  1. ^ a b “大分:天体観測施設の通称「JX金属関崎みらい海星館」に決定”. 読売新聞. (2023年6月17日). オリジナルの2023年6月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230616221627/https://www.yomiuri.co.jp/local/oita/news/20230616-OYTNT50156/ 
  2. ^ a b “「JX金属関崎みらい海星館」として“リニューアルオープン” 大分市とネーミングライツ契約”. BS NEWS DIG. (2023年6月14日). オリジナルの2023年6月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230616135132/https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/543193?display=1 
  3. ^ a b “大分市の関崎海星館、改修のため15日で休館 来夏の再開目指す”. 大分合同新聞. (2022年5月2日). https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2022/05/02/JD0061274301 2022年5月2日閲覧。 
  4. ^ “おおいた小説今昔:1 十角館の殺人 佐賀関・高島 彼女の故郷にひかれた/大分県”. 朝日新聞. (2014年5月4日). オリジナルの2014年5月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140512225844/http://www.asahi.com/area/oita/articles/MTW20140507450690001.html 2014年5月11日閲覧。 
  5. ^ “大分)関崎海星館の天体望遠鏡が改修”. 朝日新聞. (2014年4月12日). オリジナルの2015年7月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150720062348/http://www.asahi.com/articles/ASG4C5K3YG4CTPJB00M.html 2014年5月11日閲覧。 
  6. ^ “解体前の天体望遠鏡に「27年間ありがとう」 大分市の関崎海星館、改修へ”. 大分合同新聞. (2022年5月16日). オリジナルの2023年6月17日時点におけるアーカイブ。. https://archive.md/mSSQl 

外部リンク

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座標: 北緯33度15分57秒 東経131度53分58秒 / 北緯33.26583度 東経131.89947度 / 33.26583; 131.89947

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