雨天炎天
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『雨天炎天』(うてんえんてん)は、村上春樹による紀行(ロードエッセイ)。
概要
[編集]1990年8月、新潮社より刊行された[1]。単行本は「ギリシャ編」「トルコ編」の2冊からなるボックスセットである。1991年7月に新潮文庫として文庫化された[2]。2008年2月、新装版として『うずまき猫のみつけかた』『辺境・近境』とともに新潮社より同時刊行された。同行した松村映三による写真が挿入されている。文庫版は写真が少ないが、どの写真も他の版には載っていない。最古版、新装版は、それぞれこちらにあってあちらにない写真がある。
内容
[編集]ギリシャ編とトルコ編の2編は、両者とも全11話からなり、書籍の冒頭には訪れた箇所の地図が記載されている。
ギリシア編
[編集]副題は「アトス-神様のリアル・ワールド」
ギリシャのウラノポリからアトス半島に入り、正教会(ギリシャ正教)における修道の中心地であるアトス山を周回する全4泊5日の行程について綴っている。
登場する正教会の物品・事象についての記事一覧
[編集]- イコン
- ラーソ(リヤサ) - 神品 (正教会の聖職)、修道士が着用する、だぶっとした衣服
- クロブーク - バースデーケーキにたとえられた帽子は、これか、もしくはカミラフカ
- 不朽体 - 聖人の遺体
- 致命者 - 正教会の殉教者
- 修道士・修道司祭
- 奉神礼 - 正教会の礼拝
- ウーゾ
トルコ編
[編集]副題は「チャイと兵隊と羊-21日間トルコ一周」
イスタンブールから黒海沿岸を経由し、シリアとの国境に近いディヤルバクルに至る全21日間の行程について綴っている。取材時期は1988年9月頃、ハラブジャ事件に関連すると思われる記述などもある。
編タイトル・節タイトル
[編集]編タイトル | 節 |
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ギリシャ編 アトス―神様のリアル・ワールド In the Holy Mountain |
さよならリアル・ワールド |
アトスとはどのような世界であるのか | |
ダフニからカリエへ | |
カリエからスタヴロニキタ | |
イヴィロン修道院 | |
フィロセウ修道院 | |
カラカル修道院 | |
ラヴラ修道院 | |
プロドロムのスキテまで | |
カフソカリヴィア | |
アギア・アンナ―さらばアトス | |
トルコ編 チャイと兵隊と羊―21日間トルコ一周 On the Turkish road |
兵隊 |
パンとチャイ | |
トルコ | |
黒海 | |
ホパ | |
ヴァン猫 | |
ハッカリに向かう | |
ハッカリ 2 | |
マルボロ | |
国道24号線の悪夢 | |
国道24号線に沿って |