雲巌禅寺
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雲巌禅寺 | |
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雲巌禅寺本堂 | |
所在地 | 熊本県熊本市西区松尾町平山589 |
位置 | 北緯32度49分10.5秒 東経130度37分22.2秒 / 北緯32.819583度 東経130.622833度座標: 北緯32度49分10.5秒 東経130度37分22.2秒 / 北緯32.819583度 東経130.622833度 |
山号 | 宝華山、岩殿山 |
宗旨 | 曹洞宗 |
本尊 | 四面馬頭観世音菩薩 |
創建年 | 1351年(観応2年) |
開基 | 東陵永璵 |
正式名 | 岩殿山 雲巌寺 |
別称 | 岩戸観音 |
札所等 | 九州西国霊場第14番札所、肥後三十三ヶ所霊場第20番札所 |
法人番号 | 1330005000267 |
雲巌禅寺(うんがんぜんじ)は、熊本県熊本市西区松尾町平山にある曹洞宗の寺院。山号は宝華山または岩殿山[1]。
通称は岩戸観音。これは、境内奥の院の洞窟・
歴史
[編集]日本の南北朝時代、寧波より渡来した元の禅僧・
本尊の観音像自体は、寺の建立以前から洞内に安置されていたと言い、世阿弥の謡曲「檜垣」により、平安朝の歌人・檜垣がこの観音を日参したという故事でも知られる。
また、剣聖・宮本武蔵が晩年、霊巌洞に参籠し、二天一流の極意書「五輪書」を著したことは特に著名である。
境内及び周辺
[編集]寺は金峰山の西麓に所在する。
境内は1975年(昭和50年)、熊本県指定史跡名勝に指定され、裏山には江戸中期につくられた十六羅漢、五百羅漢の石像が並ぶ。
隣接する宝物館には、宮本武蔵が巌流島で佐々木小次郎との決闘に使用したとする木剣や武蔵の自画像などが収蔵されている。
奇岩や紅葉の名所として肥後耶馬渓と呼ばれる寺の周辺は、岩戸の里公園として整備されており、園内の黒岩展望台は有明海を挟み雲仙普賢岳を臨む。
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石標
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絵馬代わりの杓文字
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五百羅漢
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霊巌洞
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宮本武蔵所修練碑
文化財
[編集]重要文化財(国指定)
[編集]- 木造東陵永璵禅師倚像 - 南北朝時代(熊本市立博物館に寄託)
行事
[編集]- 3月18日 - 春季大祭
- 9月28日 - 不動尊大祭
- 10月18日 - 秋季大祭
御詠歌
[編集]- ふたらくの都にかよふ道芝の 露おきそむる此ほらの中
- わしのやまその春秋は程ふれと みのりのはなはなおにおいけり
所在地
[編集]- 熊本県熊本市西区松尾町平山589
交通
[編集]- 熊本桜町バスターミナルより産交バス(芳野経由河内温泉行き)において「岩戸観音入口」バス停下車後、徒歩18分(1.4㎞)。
- 九州自動車道熊本インターチェンジより21㎞。
注釈
[編集]- ^ 「肥後国誌」には「寳華山」「山號或ハ巌殿山」と見え、近年の文献でも「霊場肥後33カ所」81頁は「宝華山(別名岩殿山)」と両者を併記する。
- ^ この洞内の本尊を伝行基作とする文献に「古寺名刹大辞典」31頁。他方、「霊場肥後33カ所」81頁は、本尊とは別に本堂に奉祀される四面観音が伝行基作(行基七観音の1つ)とする。
参考文献
[編集]- 「熊本県案内」(九州沖縄八県聯合共進会協賛会、1901年)171頁
- 木村俊作編「熊本県案内」(熊本市三大事業記念国産共進会熊本県協賛会、1925年)52頁
- 「くまもと」(新興熊本大博覧会協賛会、1935年)41頁
- 「熊本県大観」(警醒社、1935年)18頁
- 「全国寺院名鑑」(全日本仏教会寺院名鑑刊行会、1969年)熊本県-3頁
- 圭室文雄編「日本名刹大事典」(雄山閣出版、1992年)37頁
- 金岡秀友編「古寺名刹大辞典」(東京堂出版、1992年)31頁
- 高濱政五郎「霊場肥後33カ所」(熊本新評社、1993年)81-84頁
- 「九州西国霊場 巡礼の道」(九州西国霊場会、1999年)68-71頁
- 「熊本・観光文化検定 公式テキストブック」(熊本商工会議所、2006年)110、178頁
関連項目
[編集]- 蓮台寺 (熊本市) - 檜垣が草庵を結んだ地。檜垣はここから岩戸観音へ通ったという。