コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

1975年の日本シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
NPB 1975年の日本シリーズ
ゲームデータ
日本一
阪急ブレーブス
初優勝
4勝0敗2分
試合日程 1975年10月25日-11月2日
最高殊勲選手 山口高志
敢闘賞選手 山本浩二
チームデータ
阪急ブレーブス()
監督 上田利治
シーズン成績 64勝59敗7分(前期1位/PO優勝) 
広島東洋カープ()
監督 古葉竹識
シーズン成績 72勝47敗11分(シーズン1位)
パリーグプレーオフ
1975年のパシフィック・リーグプレーオフ
« 1974
1976 »
テンプレートを表示

1975年の日本シリーズ(1975ねんのにっぽんシリーズ、1975ねんのにほんシリーズ)は、1975年10月25日から11月2日まで行われたセ・リーグ優勝チームの広島東洋カープパ・リーグ優勝チームの阪急ブレーブスによる第26回プロ野球日本選手権シリーズである。

概要

[編集]

広島にとっては初めての日本シリーズ出場。阪急の上田利治監督、広島の古葉竹識監督は共に広島OBで広島OB同士による初の日本シリーズとなった(両者は、1984年でも再び対戦している。)。また日本シリーズ史上1962年東映フライヤーズ阪神タイガース以来13年ぶり5回目となる「どちらが勝っても初の日本一」という対戦でもあった[1]

東海地方以西の球団同士が日本シリーズに出場となり、日本シリーズが関東地方で全く開催されなかったのは関西ダービーだった1964年以来11年ぶりで通算3回目となった。

前評判は広島有利だったが[2]、阪急が6度目のシリーズ出場で初優勝を決めた。阪急は前期優勝の後、プレーオフで近鉄を破ってパ・リーグ代表として出場したが、年間順位では2位であった(1位は近鉄)。年間順位が2位以下のチームが日本シリーズで優勝したのは、この年の阪急が初である。また阪急は勝率.520での出場及び優勝となり、日本シリーズ優勝チームの最低勝率となった[3]

前述の通り上田監督は現役時代、広島の生え抜き選手であったため今シリーズの制覇により史上初の広島生え抜きの日本一監督の誕生となった。

試合結果

[編集]
1975年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月25日(土) 第1戦 広島東洋カープ 3 - 3 阪急ブレーブス 阪急西宮球場
10月26日(日) 第2戦 広島東洋カープ 1 - 5 阪急ブレーブス
10月27日(月) 移動日
10月28日(火) 第3戦 阪急ブレーブス 7 - 4 広島東洋カープ 広島市民球場
10月29日(水) 第4戦 雨天中止
10月30日(木) 阪急ブレーブス 4 - 4 広島東洋カープ
10月31日(金) 第5戦 阪急ブレーブス 2 - 1 広島東洋カープ
11月1日(土) 移動日
11月2日(日) 第6戦 広島東洋カープ 3 - 7 阪急ブレーブス 阪急西宮球場
優勝:阪急ブレーブス(初優勝)

第1戦

[編集]

10月25日 阪急西宮球場 入場者:24694人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R H E
広島 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 3 10 1
阪急 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 4 0
  1. (延長11回)
  2. 広:外木場、金城
  3. 急:足立、山口
  4. 本塁打
    急:大熊1号ソロ(1回・外木場)、マルカーノ1号2ラン(1回・外木場)
  5. 審判
    [球審]久喜
    [塁審]山本文・道仏・岡田和
    [外審]大野・谷村
  6. 試合時間:4時間29分
広島
打順守備選手
1[二]大下剛史
2[遊]三村敏之
3[一]G.ホプキンス
4[中]山本浩二
5[三]衣笠幸雄
6[右]R.シェーン
走右深沢修一
7[左]水谷実雄
打左山本一義
久保俊巳
8[捕]道原博幸
走捕水沼四郎
9[投]外木場義郎
金城基泰
阪急
打順守備選手
1[中]福本豊
2[右]左大熊忠義
3[一]加藤秀司
4[左]長池徳二
B.ウイリアムス
5[二]B.マルカーノ
6[三]森本潔
平林二郎
渡辺勉
7[捕]河村健一郎
8[遊]大橋穣
当銀秀崇
今津光男
9[投]足立光宏
山口高志

この試合の所要時間4時間29分は当時のシリーズ最長試合時間を9年ぶりに更新するものであり、試合時間が4時間を越えるのもこれが初めてであった[要出典]

公式記録関係(日本野球機構ページ)

第2戦

[編集]

10月26日 阪急西宮球場 入場者:36418人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
広島 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 3 1
阪急 1 0 0 0 4 0 0 0 X 5 8 1
  1. 広:佐伯、渡辺弘、池谷、宮本幸、若生
  2. 急:山田
  3. 勝利:山田(1勝)  
  4. 敗戦:佐伯(1敗)  
  5. 本塁打
    広:シェーン1号ソロ(8回・山田)
  6. 審判
    [球審]谷村
    [塁審]大野・山本文・道仏
    [外審]平光・岡田豊
  7. 試合時間:3時間20分
広島
打順守備選手
1[二]大下剛史
2[遊]三村敏之
3[一]G.ホプキンス
4[中]山本浩二
5[三]衣笠幸雄
6[右]R.シェーン
7[左]水谷実雄
久保俊巳
宮本幸信
佐野嘉幸
水沼四郎
8[捕]道原博幸
打左山本一義
9[投]佐伯和司
渡辺弘基
池谷公二郎
打左守岡茂樹
若生智男
阪急
打順守備選手
1[中]福本豊
2[右]左大熊忠義
3[一]加藤秀司
4[左]長池徳二
B.ウイリアムス
5[二]B.マルカーノ
6[三]森本潔
渡辺勉
7[捕]河村健一郎
8[遊]大橋穣
9[投]山田久志

広島の5番手投手として登板した若生は阪神在籍時代の1964年の第6戦以来、11年ぶりのシリーズ登板となったが、これはシリーズ最多ブランク登板となった[4][要出典]

公式記録関係(日本野球機構ページ)

第3戦

[編集]

10月28日 広島市民球場 入場者:25000人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
阪急 0 3 1 0 0 0 0 0 3 7 18 1
広島 0 0 0 0 0 2 2 0 0 4 6 1
  1. 急:山口
  2. 広:金城、渡辺弘、池谷、宮本幸
  3. 勝利:山口(1勝)  
  4. 敗戦:宮本幸(1敗)  
  5. 本塁打
    急:中沢1号2ラン(9回・宮本幸)、大橋1号ソロ(9回・宮本幸)
    広:山本浩1号2ラン(6回・山口)
  6. 審判
    [球審]岡田豊
    [塁審]平光・大野・山本文
    [外審]久喜・岡田和
  7. 試合時間:3時間56分
阪急
打順守備選手
1[中]福本豊
2[右]左大熊忠義
3[一]加藤秀司
4[左]長池徳二
走右B.ウイリアムス
5[二]B.マルカーノ
6[三]森本潔
渡辺勉
高井保弘
走三井上修
7[捕]河村健一郎
中沢伸二
8[遊]大橋穣
9[投]山口高志
広島
打順守備選手
1[二]大下剛史
2[遊]三村敏之
3[一]G.ホプキンス
4[中]山本浩二
5[右]R.シェーン
6[三]衣笠幸雄
7[左]水谷実雄
渡辺弘基
久保俊巳
池谷公二郎
佐野嘉幸
宮本幸信
8[捕]水沼四郎
9[投]金城基泰
深沢修一

公式記録関係(日本野球機構ページ)

第4戦

[編集]

10月30日 広島市民球場 入場者:25002人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 R H E
阪急 0 1 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 1 4 15 1
広島 0 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 4 12 0
  1. (延長13回)
  2. 急:足立、戸田、山口
  3. 広:外木場
  4. 本塁打
    急:森本1号ソロ(2回・外木場)
    広:山本浩2号ソロ(2回・足立)、山本一1号ソロ(2回・足立)
  5. 審判
    [球審]岡田和
    [塁審]久喜・平光・大野
    [外審]谷村・道仏
  6. 試合時間:4時間49分
阪急
打順守備選手
1[中]福本豊
2[右]左大熊忠義
3[一]加藤秀司
4[左]長池徳二
B.ウイリアムス
5[二]B.マルカーノ
6[三]森本潔
走三渡辺勉
高井保弘
走三井上修
7[捕]中沢伸二
8[遊]大橋穣
9[投]足立光宏
当銀秀崇
戸田善紀
河村健一郎
平林二郎
山口高志
広島
打順守備選手
1[二]大下剛史
2[遊]三村敏之
3[一]G.ホプキンス
4[中]山本浩二
5[右]R.シェーン
打右久保俊巳
6[三]衣笠幸雄
7[左]山本一義
走捕水沼四郎
水谷実雄
木下富雄
8[捕]道原博幸
打左深沢修一
9[投]外木場義郎
佐野嘉幸

試合時間4時間49分は第1戦で記録した4時間29分を上回り、2010年第6戦(中日ドラゴンズvs千葉ロッテマリーンズ ナゴヤドーム、5時間43分)にて更新されるまで35年にわたってシリーズ最長記録だった。また、史上初めて引き分け試合が複数記録された。

公式記録関係(日本野球機構ページ)

第5戦

[編集]

10月31日 広島市民球場 入場者:25077人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
阪急 0 0 1 1 0 0 0 0 0 2 6 0
広島 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 7 1
  1. 急:山田、山口
  2. 広:佐伯、金城、宮本幸
  3. 勝利:山田(2勝)  
  4. セーブ:山口(1勝1S)  
  5. 敗戦:佐伯(2敗)  
  6. 本塁打
    広:衣笠1号ソロ(2回・山田)
  7. 審判
    [球審]道仏
    [塁審]谷村・久喜・平光
    [外審]岡田豊・山本文
  8. 試合時間:3時間2分
阪急
打順守備選手
1[中]福本豊
2[右]左大熊忠義
3[一]加藤秀司
4[左]長池徳二
B.ウイリアムス
5[二]B.マルカーノ
6[三]森本潔
渡辺勉
7[捕]河村健一郎
8[遊]大橋穣
9[投]山田久志
山口高志
広島
打順守備選手
1[二]大下剛史
2[遊]三村敏之
3[一]G.ホプキンス
久保俊巳
4[中]山本浩二
5[右]R.シェーン
6[三]衣笠幸雄
7[左]山本一義
8[捕]道原博幸
打捕水沼四郎
9[投]佐伯和司
金城基泰
守岡茂樹
宮本幸信

公式記録関係(日本野球機構ページ)

第6戦

[編集]

11月2日 阪急西宮球場 入場者:30371人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
広島 0 2 0 0 0 0 0 1 0 3 8 2
阪急 0 1 0 5 0 0 0 1 X 7 9 2
  1. 広:池谷、金城、渡辺弘、宮本幸、若生
  2. 急:足立、戸田、山口
  3. 勝利:戸田(1勝)  
  4. セーブ:山口(1勝2S)  
  5. 敗戦:池谷(1敗)  
  6. 本塁打
    広:ホプキンス1号ソロ(8回・山口)
    急:中沢2号2ラン(4回・池谷)
  7. 審判
    [球審]山本文
    [塁審]岡田豊・谷村・久喜
    [外審]岡田和・大野
  8. 試合時間:3時間22分
広島
打順守備選手
1[二]大下剛史
2[遊]三村敏之
宮本幸信
若生智男
3[一]G.ホプキンス
4[中]山本浩二
5[右]R.シェーン
6[三]衣笠幸雄
7[左]山本一義
水沼四郎
佐野嘉幸
8[捕]道原博幸
打左水谷実雄
9[投]池谷公二郎
金城基泰
渡辺弘基
苑田聡彦
久保俊巳
阪急
打順守備選手
1[中]福本豊
2[右]左大熊忠義
3[一]加藤秀司
4[左]長池徳二
B.ウイリアムス
5[二]B.マルカーノ
6[三]森本潔
渡辺勉
7[捕]中沢伸二
8[遊]大橋穣
9[投]足立光宏
戸田善紀
山口高志

公式記録関係(日本野球機構ページ)

表彰選手

[編集]
  • 最優秀選手賞:山口高志(阪急)
  • 敢闘賞:山本浩二(広島)
  • 打撃賞:大橋穣(阪急)
  • 最優秀投手賞:山田久志(阪急)
  • 技能賞:福本豊(阪急)
  • 優秀選手賞:中沢伸二(阪急)、外木場義郎(広島)

※この大会で、広島東洋カープが優勝した場合は球団の資本の関係でマツダから最優秀賞の自動車が贈呈され、トヨタ自工からは賞金が贈呈される予定だったが、阪急が優勝であったためトヨタ提供の自動車が贈呈された。

テレビ・ラジオ中継

[編集]

テレビ中継

[編集]

ラジオ中継

[編集]
  • 第1戦:10月25日
  • 第2戦:10月26日
    • NHKラジオ第1 解説:加藤進
    • TBSラジオ(JRN・朝日放送制作) 解説:皆川睦雄 ゲスト解説:小川亨近鉄
    • 文化放送(独自) 解説:河村英文別所毅彦
    • ニッポン放送(NRN・毎日放送制作) 解説:本屋敷錦吾 ゲスト解説:米田哲也
  • 第3戦:10月28日
  • 第4戦:10月30日
    • NHKラジオ第1 解説:加藤進
    • TBSラジオ(JRN) 解説:牧野茂稲尾和久(RKB)
    • 文化放送(独自) 解説:別所毅彦
    • ニッポン放送(NRN・中国放送制作) 解説:長谷川良平、皆川睦雄(ABC)
    • ラジオ関東 解説:笠原和夫、大沢啓二
  • 第5戦:10月31日
    • NHKラジオ第1 解説:鶴岡一人
    • TBSラジオ(JRN) 解説:牧野茂、稲尾和久(RKB)
    • 文化放送(NRN・中国放送制作) 解説:皆川睦雄(ABC)、横溝桂
    • ニッポン放送(独自) 解説:土井淳、西村貞朗(KBC)
    • ラジオ関東 解説:笠原和夫、大沢啓二
  • 第6戦:11月2日
    • NHKラジオ第1 解説:鶴岡一人
    • TBSラジオ(JRN・朝日放送制作) 解説:花井悠 ゲスト解説:江夏豊、江本孟紀
    • 文化放送(独自) 解説:河村英文(KBC)、別所毅彦
    • ニッポン放送(NRN・毎日放送制作) 解説:永井正義 ゲスト解説:米田哲也

脚注

[編集]
  1. ^ 第1回毎日オリオンズ松竹ロビンス第2回読売ジャイアンツ南海ホークス第4回中日ドラゴンズ西鉄ライオンズ
  2. ^ プロ野球レジェンドが語るあの日、あのとき、産経新聞出版、P191、2015年
  3. ^ 長年出場チームでも最低勝率だったが、2024年に横浜DeNAベイスターズが.508で更新した。
  4. ^ それまでの最多ブランク登板は1960年の第2戦で登板した荒巻淳の10年。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]