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シボレー・クルーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シボレー・クルーズ
3代目 LT
概要
販売期間 2001年 - 2008年(スズキOEM)
2009年 - 2020年(独自開発)
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動/四輪駆動
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クルーズ (Cruze) は、アメリカ合衆国ゼネラルモーターズ(GM)がかつてシボレーブランドで販売していた乗用車である。

初代 HR51S/HR52S/HR81S/HR82S型(2001年 - 2008年)

[編集]
シボレー・クルーズ(初代)
HR51S/HR52S/HR81S/HR82S型
フロント
リア
概要
別名 スズキ・スイフト
スズキ・イグニス
ホールデン・クルーズ
製造国 日本の旗 日本静岡県湖西市
販売期間 2001年10月 - 2008年9月
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 前輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
変速機 4速AT
F マクファーソンストラット式コイルスプリング
R I.T.L.式コイルスプリング
F マクファーソンストラット式コイルスプリング
R I.T.L.式コイルスプリング
車両寸法
ホイールベース 2,360mm
全長 3,625mm
全幅 1,610mm
全高 1,560-1,610mm
車両重量 940-990kg
その他
製造事業者 スズキ株式会社日本の旗 日本
系譜
後継 日本:
2代目スズキ・スイフトに統合
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初代スイフトをベースに開発された。車体デザインはゼネラルモーターズが担当、15インチの大径タイヤや高めの最低地上高などSUV風に仕上げており、テールランプはコルベットがモチーフとされている。フロントデザインの一部(ヘッドランプ、フェンダー等)は後に欧州向け初代イグニス(スイフトの国外仕様車)や、その兄弟車であるスバル・ジャスティに用いられた。スズキの湖西工場(静岡県湖西市)で生産され、日本国内のほか、オーストラリアでもホールデン・クルーズとして販売された。

エンジン直列4気筒DOHCの1.3 Lのほか、3型まで同1.5 Lも存在した。駆動方式は前輪駆動か、電子制御カップリング(Electro-Magnetic Control Device, EMCD)[1]によるトルクスプリット式4WD。モード切替スイッチにより、2WD(FF)/4WD AUTO/4WD HARD(直結)を選択できる。

取り扱いディーラーはスズキアリーナ店およびGMシボレー店(設立初期はGMオートワールド)。販売開始当初はスズキ店でも取り扱っていた。

歴史
  • 1999年 - 第33回東京モーターショーでコンセプトカーとなる「YGM-1」を発表。
  • 2001年10月22日 - 発売。当初は1.3Lの「1.3E」、「1.3X」をスズキの販売網で、1.5Lの「1.5LS」、「1.5LT」をGMシボレーの販売網でそれぞれ販売されていた。
  • 2002年5月10日 - オーストラリア向け(ホールデン・リミテッド社)の輸出を開始。
  • 2002年12月16日 - 1.3L車の仕様変更を受ける(アルミホイールの装着など。グレード名も「1.3LS」、「1.3 LT」に変更)。また、スズキ・GM相互で1.3L車と1.5L車を両方扱えるようになる。
  • 2003年6月3日 - 仕様変更(オーディオの標準装備化[2]と車両本体価格の値下げ)。また、99万円からとしたお買い得グレード「1.3LS Eエディション」を追加。なお、「1.5LS」は廃止された。
  • 2003年11月13日 - 一部改良(2型)。エンジン性能の向上により、2WD車は全グレード「超-低排出ガス車(☆☆☆)」認定を取得。1.3L・2WD車は燃費性能も向上。内装の改良や外装部品の追加・変更を行った。
  • 2003年12月12日 - 「1.3LT」をベースにスポーティな外装と上級仕様の内装を施した特別仕様車「1.3Sリミテッド」を発売。
  • 2004年5月12日 - 「1.3LT」をベースにした特別仕様車「1.3SリミテッドII」を発売。
  • 2004年12月14日 - 青色を効果的に配色した内装とスポーティな外装を持つ特別仕様車「1.3S-セレクション」を発売。
  • 2005年4月11日 - 一部改良(3型)。1.3L・2WD車の排ガス性能を向上し、「平成17年排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定と「平成22年度燃費基準」を達成。快適装備もプラスされた。なお、「1.3LT」は廃止し、特別仕様車の「1.3S-セレクション」に継承される。
  • 2006年5月25日 - 一部改良(4型)。1.5 Lを廃止し、「1.3LS」と「1.3LT」の2グレードに集約される。また、シートを赤と黒のデザインに統一する。
  • 2008年8月[3] - 生産終了に伴いWEBカタログによる案内が終了。9月[4]に販売終了となった。新車登録台数の累計は4万7144台[5]

2代目(2008年 - 2016年) 

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シボレー・クルーズ(2代目)
フロント
リア
インテリア
概要
別名 ホールデン・クルーズ
製造国 大韓民国の旗 韓国
販売期間 2008年 - 2016年
デザイン デビッド・リヨン英語版
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
プラットフォーム GM・デルタIIプラットフォーム
パワートレイン
変速機 5速MT
6速MT(M32)
6速MT(F40
6速AT(6T30
6速AT(6T40)
6速AT(AF40-6
車両寸法
ホイールベース 2,685mm
全長 セダン:4,597mm
ハッチバック:4,510mm
ステーションワゴン:4,681mm
全幅 1,788-1,797mm
全高 1,477mm
車両重量 1,366-1,576kg
系譜
先代 シボレー・オプトラ
シボレー・コバルト
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GMグループの日本を除く世界戦略車種に位置付けられるCセグメントファミリーカーで、オプトラ及びコバルトの後継車種となる。したがって、初代とは車名以外の共通点はない。ボディタイプはセダンと5ドアハッチバックと5ドアステーションワゴンが用意される。

韓国では当初「ラセッティプレミア」 (Lacetti Premiere) の車名でGM大宇ブランド車として販売されていたが、2011年3月にGM大宇が韓国GMに社名変更し、同ブランドに代わってシボレーブランドが導入されたことに伴って「シボレー・クルーズ」に変更された。また、オーストラリアおよびニュージーランドでは「ホールデン・クルーズ」として販売されている。

エンジニアリングはドイツリュッセルスハイムにあるGMヨーロッパの研究開発センターにて行われ、スタイリングは韓国・仁川にあるGM大宇のデザインスタジオが手がけた[6]。車台はGMデルタプラットフォームの第2世代で、オペル・アストラJやビュイック・ベラーノなどと共有する。エンジンのラインアップは仕向け地によって異なるが、直列4気筒1.6L、1.8L、1.4Lターボ、1.7Lディーゼル、2.0Lディーゼルが用意される。トランスミッションは6速MTおよび6速ATを搭載。

生産はGMの韓国群山中国瀋陽インドグジャラートアメリカ合衆国オハイオロシアサンクトペテルブルクタイラヨーンオーストラリア・エリザベスの各工場で行われる。

歴史
  • 2008年9月モンディアル・ド・ロトモビルでセダンが世界初公開。
  • 2008年10月、前身のラセッティに引き続いて世界ツーリングカー選手権(WTCC)向けのレースカーが発表された[7]
  • 2008年11月8日、クルーズの韓国版「ラセッティプレミア」を販売開始。エンジンは当初1.6L・DOHCのみの3グレード構成となっていたが、2009年2月に2.0Lディーゼル仕様が、10月に1.8L・DOHCの「ID(アイデンティティ)」がそれぞれ追加されている。
  • 2009年3月オーストラリアでホールデン・クルーズ(JG型)として発表。
  • 2009年4月18日、中国で販売開始。
  • 2009年5月、ヨーロッパで順次販売開始。
  • 2009年10月12日、インドで販売開始。2.0Lディーゼルのみの2グレード構成となっており、従来のオプトラ・マグナムも継続販売される。
  • 2009年11月、名古屋モーターショーで右ハンドル仕様が参考出品され、日本初公開(日本での発売は現時点では未定)。
  • 2009年12月、ロサンゼルスオートショーにて北米仕様車が2011年モデルとして発表される。エンジンは1.8Lと1.4Lターボの2種類が用意される。
  • 2010年10月、モンディアル・ド・ロトモビルにて5ドアハッチバックのコンセプトが発表される。スタイリングはオーストラリア・ポートメルボルンにあるホールデンのデザインスタジオが担当した[8]
  • 2011年2月28日、オーストラリア向けホールデン・クルーズがフェイスリフトされる(シリーズII、JH型)。それまでは韓国から輸入していたが、エリザベス工場での現地生産に切り替えられた。ラジエターグリルやフロントバンパーなどの意匠が変更されたほか、新たに2.0Lディーゼルと1.4Lターボが導入された[9]
  • 2011年3月、韓国仕様車がGM大宇ブランドからシボレーブランドに変更される。5ドアハッチバックの市販モデルがジュネーヴモーターショーにて世界初公開となり[10]、やや遅れて豪ホールデン版も発表され[11]、その後ソウルモーターショー2011でも発表された。
  • 2011年5月22日、韓国市場にてハッチバックが「クルーズ5」として発表・発売開始された。
  • 2012年2月9日、3月の第82回ジュネーヴモーターショーにてクルーズのワゴンが世界初公開されることが発表された[12]。ヨーロッパで同年夏の発売を予定している。エンジンのラインナップはガソリンが1.6L、1.8L、1.4Lターボの3種類、ディーゼルは2.0Lと新たに1.7Lが加わる。
  • 2012年4月10日、ブラジルにてハッチバックが「クルーズ・スポーツ6」として発売開始された[13]
  • 2012年4月17日、イギリスにて1.7Lディーゼル搭載車がラインナップに追加された。5ドアハッチバックが翌5月に発売され、ステーションワゴンは2012年後半に投入される予定である[14]
  • 2012年5月24日釜山モーターショーにてフェイスリフトされた2013年モデルを発表[15][16]。先に発表されたステーションワゴンと同様のフロントマスクに改められた他、クロームをあしらうなどして高級感を高めると同時にアルミホイールのデザインを刷新。機能面についてもスマートフォンと連携して、音楽や映像のみならず車両情報や空調設定など様々な情報を入手・再生できる次世代インフォテインメントシステム「シボレー・マイリンク」 (Chevrolet MyLink) が導入された。
  • 2012年6月4日、韓国で2013年モデルを発売。新グレード「パーフェクトブラック」を設定(1.8Lガソリン、2.0Lディーゼルともに設定)。
  • 2013年10月18日、韓国で2014年モデルを発売。トラックスに搭載済みの1.4Lガソリンターボ(130PS)を設定。
  • 2015年1月22日、韓国で2016年モデルを発表。リアコンビレンズをデュアルスクエアタイプへ、リアのナンバープレートもバンパーレベルへ移動するなど大幅に変更された。

3代目(2016年 - 2020年)

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シボレー・クルーズ(3代目)
中国仕様
前期型
後期型
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
中華人民共和国の旗 中国
販売期間 2016年 - 2020年
デザイン スチュアート・クーパー
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
エンジン位置 フロント[17]
駆動方式 前輪駆動[17]
プラットフォーム GM・D2XXプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1.4L 直列4気筒ターボ[17]
1.5L 直列4気筒[17]
最高出力 1.4L I4ターボ
114 kW (155 PS) / 5,600 rpm[17]
1.5L I4
83 kW (113 PS) / 6,300 rpm[17]
最大トルク 1.4L I4ターボ
239 N・m / 2,000 - 4,000 rpm[17]
1.5L I4
141 N・m / 4,000 rpm[17]
変速機 6速MT(M32)
4速AT[17]
6速AT(6T35)
7速DCT(DCG)
車両寸法
ホイールベース 2,700mm
全長 セダン:4,666mm
ハッチバック:4,453mm
全幅 1,795mm
全高 セダン:1,458mm
ハッチバック:1,465mm
車両重量 セダン:1,195-1,300kg
ハッチバック:1,323-1,351kg
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2015年6月24日、アメリカで発表。2016年から販売予定とアナウンスされた。先代より車体を大型化させつつも100㎏以上軽量化すると同時に、剛性も引き上げている。また、サイドブラインドゾーン警告など安全装備を充実させ、「シボレー・マイリンク」などの車載コネクティビティも充実させている。エンジンは新開発の1.4Lガソリンターボを搭載。なお、この代より欧州ならびにオセアニア向けは消滅し、これらの市場ではオペル/ホールデン・アストラセダンが後継となる。

生産はオハイオ州の工場の専用ラインで生産されてきたが、販売不振のため工場の稼働率が低下[18]し、2018年には工場従業員の一時解雇のきっかけとなった[19]

歴史
  • 2016年1月、北米市場で販売を開始。
  • 2017年1月、韓国で販売を開始。
  • 2018年、北米・韓国での販売を終了。
  • 2020年、中国での販売を終了。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 2003年スズキ環境レポート P.15”. (株)スズキ (2003年9月). 2020年2月26日閲覧。
  2. ^ 1.3LS Eエディション」を除く
  3. ^ クルーズ(シボレー)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月5日). 2020年1月5日閲覧。
  4. ^ シボレー クルーズ 2001年式モデルの価格・カタログ情報”. 2022年9月23日閲覧。
  5. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第31号23ページ
  6. ^ 2011 Chevrolet Cruze First Drive”. Inside Line (2009年4月1日). 2010年9月5日閲覧。
  7. ^ GM unveils Chevrolet Cruze WTCC racer”. Autoblog (2008年10月13日). 2010年9月5日閲覧。
  8. ^ General Motors Australia reveals new Chevrolet Cruze hatchback”. Autoblog Green (2010年9月3日). 2010年9月5日閲覧。
  9. ^ Holden Unveils Aussie-Built Cruze Series II with New 2.0L Diesel and 1.4L Turbo Petrol”. Carscoop (2011年3月1日). 2011年3月1日閲覧。
  10. ^ Geneva 2011: 2012 Chevrolet Cruze Hatchback”. Autoblog (2011年3月1日). 2011年3月22日閲覧。
  11. ^ Holden Unveils its Own Version of the Cruze Hatchback”. Carscoop (2011年3月22日). 2011年3月22日閲覧。
  12. ^ World premiere for Chevrolet Cruze station wagon, GM Media Online, (2012-02-09), http://media.gm.com/content/media/intl/en/chevrolet/news.detail.html/content/Pages/news/intl/en/2012/chevrolet/02_09_world_premiere_cruze_station_wagon 2012年2月9日閲覧。 
  13. ^ Chevrolet Cruze Sport6: esportividade para quem pensa grande”. GM Media Online (2012年4月10日). 2012年4月21日閲覧。
  14. ^ Chevrolet Cruze Now Available in the UK with New 1.7-liter Diesel that Returns up to 72.4mpg”. Carscoop (2012年4月17日). 2012年4月21日閲覧。
  15. ^ Next Leap Forward at 2012 Busan International Motor Show”. Korea IT Times (2012年5月24日). 2012年9月9日閲覧。
  16. ^ Facelifted Chevrolet Cruze breaks cover at Busan Motor Show”. Oncars.in (2012年5月28日). 2012年9月9日閲覧。
  17. ^ a b c d e f g h i 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、8 Aug 2020、190頁。ISBN 978-4-7796-4170-1 
  18. ^ アメリカの怠慢「混流生産」の遅れ(1) GMは資金効率を理解できないのか?”. 財形新聞 (2018年9月25日). 2018年12月20日閲覧。
  19. ^ 米GM、セダン不振で一時解雇 最大1500人”. 北海道新聞 (2018年4月14日). 2018年4月14日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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