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アイ・フィール・ファイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビートルズ > 作品リスト > アイ・フィール・ファイン
ビートルズ > 曲名リスト > アイ・フィール・ファイン
「アイ・フィール・ファイン」
ビートルズシングル
B面 シーズ・ア・ウーマン
リリース
規格 7インチシングル
録音
ジャンル
時間
レーベル
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
ゴールドディスク
後述を参照
チャート最高順位
後述を参照
ビートルズ シングル U.K. 年表
  • アイ・フィール・ファイン
  • (1964年)
ビートルズ シングル U.S. 年表
  • アイ・フィール・ファイン
  • (1964年)
ビートルズ シングル 日本 年表
  • アイ・フィール・ファイン
  • (1965年)
パスト・マスターズ Vol.1 収録曲
マッチボックス
(13)
アイ・フィール・ファイン
(14)
シーズ・ア・ウーマン
(15)
ミュージックビデオ
「I Feel Fine」 - YouTube
テンプレートを表示

アイ・フィール・ファイン」(I Feel Fine)は、ビートルズの楽曲である。1964年11月にシングル盤として発売された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはジョン・レノンによって書かれた楽曲[3]で、ポピュラー音楽ギターフィードバック奏法が使用された最初期の事例の1つとされている。イギリス、アメリカ、カナダ、アイルランド、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデンのシングルチャートで第1位を獲得し、1960年代のイギリスで5番目に売れたシングルとなっている[4]

背景・曲の構成

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エイト・デイズ・ア・ウィーク」のレコーディング・セッション中に、本作のギターリフが頭に浮かんだ[5]レノンは、演奏の間ずっとリフが鳴っているような曲を想定して本作を書いた。レノンは翌朝のスタジオでリンゴ・スターに「こんな曲を書いたんだけど、粗末な出来なんだ」と伝えたが、前日に思い浮かんだギターリフをつけて試し、シングル曲向きであると判断したため、そのまま使用されることとなった[6]。レノンとジョージ・ハリスンが演奏するギターリフは、ボビー・パーカー英語版の「ウォッチ・ユア・ステップ英語版」のリフに影響を受けたもの[7]ポール・マッカートニーは、本作のドラムパターンが1959年に発売されたレイ・チャールズのシングル曲「ホワッド・アイ・セイ」に触発されたものであることを明かしている[3]

本作は、短めの重いフィードバックの後、アルペジオのリフによるイントロに入る。曲はDメジャーで始まった後、Cメジャーを経て、Gメジャーに移行し、オープニングリフを数回繰り返してフェード・アウトする。メロディでは、長三度と短七度を使用。

冒頭のフィードバック

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「アイ・フィール・ファイン」は、マッカートニーがベースのA弦を弾き、レノンがギターをマッカートニーのベースのアンプに近づけて鳴らすことで出しているフィードバック音から始まる。マッカートニーは「ジョンはギブソンのセミアコースティックギターを持っていた。そのギターにはピックアップが付いていたから、アンプに繋げることができたんだ。録音したテイクを聴くために、ジョンがそのギターをアンプに立てかけたままその場を離れようとしたら、「ニュアアアアアア」という音が鳴ったんだ。「アレはなんの音だ?プードゥーの呪いか?」「いや、違う。フィードバックだ」「すごい音だな!」と僕らは口々に言った。その場にいたジョージ・マーティンに「これをレコードに使えるかな?」と聞いたら、「そうだな、できると思うよ。最初の部分に入れたらいいんじゃないかな?」と答えた。ギターをアンプの方に向けて立てかけたせいで起こったハプニングから、良いものが見つかった」と振り返っている[3]

1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「1920年代のオールド・ブルースは別にして、この曲より前にフィードバックを使っている曲なんかありっこないと断言できる。ライブでフィード・バックや進んでいる奏法をみんなやっているけど、レコードにこの手法を使ったミュージシャンはいなかった。これが最初のフィード・バックさ。ビートルズのために声を大にして言いたいね。(ジミ・)ヘンドリックスよりもザ・フーよりも、誰より先だったとね」と語っている[8]

プロモーション・フィルム

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ジョー・マクグラス英語版監督のもと、2種類のプロモーション・フィルムが制作されており、いずれも1965年11月23日に撮影された。1本目はレノンとマッカートニーとハリスンが演奏している後ろでスターがエクササイズバイクを漕いでいるもの[9]で、2本目は4人が新聞紙に包まれたフィッシュ・アンド・チップスを食べているもの[10]。いずれも2015年に発売された『ザ・ビートルズ 1+』に収録された[11]

リリース

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「アイ・フィール・ファイン」は、アメリカとイギリスでほぼ同時期に発売されたビートルズ初のシングルで、1964年12月12日付の全英シングルチャートで第1位[12]を獲得し、1965年1月13日付の同チャートまでの5週連続で第1位を獲得した[13]。カナダのシングルチャートでも第1位を獲得した[14]。アメリカのBillboard Hot 100でも1964年後半から1965年初頭までの3週連続で第1位を獲得し[15][16][17]、『キャッシュボックス』誌が発表した1965年度年間チャートで第19位を獲得した[18]。ビートルズのシングル作品でのBillboard Hot 100の首位獲得は、『抱きしめたい』、『シー・ラヴズ・ユー』、『キャント・バイ・ミー・ラヴ』、『ラヴ・ミー・ドゥ』、『ア・ハード・デイズ・ナイト』に次ぐ6作目となり、作曲者のレノンとマッカートニーにとっては、同じ年に書いた楽曲で7作目の首位獲得作品となった。

イギリスで発売されたオリジナル・アルバムには未収録となっており、1966年12月に発売されたコンピレーション・アルバム『オールディーズ』でアルバム初収録となった。アメリカでは1964年12月に発売された『Beatles '65』でアルバム初収録となった。このほか、『ビートルズ・イン・イタリー』、『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』、『ザ・ビートルズ/グレイテスト・ヒッツ』、『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』、『パスト・マスターズ Vol.1』、『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』、『ザ・ビートルズ1』などのコンピレーション・アルバムにも収録され、『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』や『オン・エア〜ライヴ・アット・ザ・BBC Vol.2』にはBBCラジオで放送された演奏が収録された。

イギリスでは、2012年時点で141万枚の売上を記録し[19]、2018年12月時点で史上53番目に売れたシングルとなっている[20]

クレジット

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※出典[21]

チャート成績

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週間チャート

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チャート (1964年 - 1965年) 最高位
オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[22] 3
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[23] 3
ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[24] 7
カナダ トップシングルス (RPM)[25] 1
アイルランド (IRMA)[26]
1
オランダ (Single Top 100)[27] 1
ニュージーランド (Lever Hit Parade)[28] 1
ノルウェー (VG-lista)[29] 1
スウェーデン (Kvällstoppen Chart)][30] 1
UK シングルス (OCC)[12] 1
US Billboard Hot 100[15] 1
US Cash Box Top 100[31] 1
西ドイツ (Media Control Singles Chart)[32] 3
チャート (1984年) 最高位
UK シングルス (OCC)[33] 65

月間チャート

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チャート (1965年) 最高位
日本 (ミュージック・マンスリー洋楽チャート)[34] 5

年間チャート

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チャート (1964年) 順位
UK Singles (Official Charts Company)[35] 21
チャート (1965年) 順位
UK Singles (Official Charts Company)[36] 39
US Cash Box[18] 19

認定と売上

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国/地域 認定 認定/売上数
United Kingdom 1,000,000[37]
アメリカ合衆国 (RIAA)[38] Gold 1,000,000^

^ 認定のみに基づく出荷枚数

カバー・バージョン

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脚注

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出典

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  1. ^ Unterberger, Richie. “I Feel Fine - The Beatles | Song Info”. 2020年11月24日閲覧。
  2. ^ a b O'Grady, Terence J. (1 May 1983). The Beatles: A Musical Evolution. Twayne Publishers. p. 56. ISBN 978-0-8057-9453-3. https://archive.org/details/beatlesmusicalev00ogra. "Both "I Feel Fine" and "She's a Woman" are heavily rhythm and blues influenced pop-rock songs." 
  3. ^ a b c Miles 1997, p. 172.
  4. ^ Ken Dodd 'third best-selling artist of 1960s'”. BBC News. BBC (2010年6月1日). 2020年11月24日閲覧。
  5. ^ MacDonald 2005, p. 36.
  6. ^ The Beatles 2000, p. 160.
  7. ^ The Beatles, p. 160.
  8. ^ 『ジョン・レノンPlayboyインタビュー』集英社、1981年、155頁。ASIN B000J80BKM 
  9. ^ Martinelli, Dario (2020). What You See Is What You Hear: Creativity and Communication in Audiovisual Texts. Springer International Publishing. p. 54. ISBN 978-3-030-32594-7 
  10. ^ 1+ (book). The Beatles. Apple Records. 2015.
  11. ^ Rowe, Matt (2015年9月18日). “The Beatles 1 To Be Reissued With New Audio Remixes... And Videos”. The Morton Report. 2019年1月18日閲覧。
  12. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年11月24日閲覧。
  13. ^ i feel fine | full Official Chart History”. Official Charts Company. 2020年11月24日閲覧。
  14. ^ Top 40 & 5”. Library and Archives Canada. 2020年11月24日閲覧。
  15. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1964年12月29日). 2020年11月24日閲覧。
  16. ^ The Hot 100 Chart”. Billboard (1965年1月2日). 2020年11月24日閲覧。
  17. ^ The Hot 100 Chart”. Billboard (1965年1月9日). 2020年11月24日閲覧。
  18. ^ a b Cash Box Year-End Charts: Top 100 Pop Singles, December 25, 1965”. 2015年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月24日閲覧。
  19. ^ Sedghi, Ami (2012年11月4日). “UK's million-selling singles: the full list”. The Guardian (Guardian Media Group). https://www.theguardian.com/news/datablog/2012/nov/04/uk-million-selling-singles-full-list 2020年11月24日閲覧。 
  20. ^ Myers, Justin (2018年11月14日). “The best-selling singles of all time on the Official UK Chart”. Official Charts Company. 2020年11月24日閲覧。
  21. ^ MacDonald 2005, p. 136.
  22. ^ "Austriancharts.at – The Beatles – I Feel Fine" (in German). Ö3 Austria Top 40. 2020年11月24日閲覧。
  23. ^ "Ultratop.be – The Beatles – I Feel Fine" (in Dutch). Ultratop 50. 2020年11月24日閲覧。
  24. ^ "Ultratop.be – The Beatles – I Feel Fine" (in French). Ultratop 50. 2020年11月24日閲覧。
  25. ^ "Top RPM Singles: Issue 5603." RPM. Library and Archives Canada. 2020年11月24日閲覧。
  26. ^ The Irish Charts - Search Results - I Feel Fine”. Irish Singles Chart. 2022年3月27日閲覧。
  27. ^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – I Feel Fine" (in Dutch). Single Top 100. 2020年11月24日閲覧。
  28. ^ Lever hit parades: 24-Dec-1964”. Flavour of New Zealand. 2020年11月24日閲覧。
  29. ^ "Norwegiancharts.com – The Beatles – I Feel Fine". VG-lista. 2020年11月24日閲覧。
  30. ^ Swedish Charts 1962 - March 1966/Kvällstoppen - Listresultaten vecka för vecka > December 1964” (Swedish). hitsallertijden.nl. 2020年11月24日閲覧。
  31. ^ Hoffmann, Frank (1983). The Cash Box Singles Charts, 1950-1981. Metuchen, NJ & London: The Scarecrow Press, Inc. pp. 32-34 
  32. ^ Offizielle Deutsche Charts - The Beatles - I Feel Fine” (German). GfK Entertainment Charts. 2020年11月24日閲覧。
  33. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年11月24日閲覧。
  34. ^ 『大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP、2015年、33頁。ISBN 978-4-8222-7834-2 
  35. ^ The 100 best-selling singles of 1964[in the U.K.]”. sixtiescity.net. 2020年11月24日閲覧。
  36. ^ The 100 best-selling singles of 1965[in the U.K.]”. sixtiescity.net. 2020年11月24日閲覧。
  37. ^ Hutchins, Chris (December 26, 1964). “Beatles Scoring High in U.K. on Single, Album; New Film Set”. Billboard (Nielsen Business Media) 76 (52): 8. ISSN 0006-2510. https://books.google.com/books?id=LiAEAAAAMBAJ&pg=PA8&dq=Elvis+Presle&hl=en-419&sa=X&ved=2ahUKEwi06PjAnsyAAxUTkoQIHfqhAAs4UBDoAXoECAUQAg#v=onepage&q=Elvis%20Presley&f=false. 
  38. ^ "American single certifications – The Beatles – I Feel Fine". Recording Industry Association of America. 2020年11月24日閲覧
  39. ^ Cook, Stephen. The Ventures Knock Me Out! - The Ventures | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月24日閲覧。
  40. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Chet Atkins Picks on the Beatles - Chet Atkins | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2020年11月24日閲覧。
  41. ^ Sweethearts of the Rodeo Chart History (Hot Country Songs)”. Billboard. 2018年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月25日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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