ジャスティンパレス
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
ジャスティンパレス | ||||||||||||
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2023年天皇賞(春) | ||||||||||||
欧字表記 | Justin Palace[1] | |||||||||||
香港表記 | 駿天宮 | |||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||
性別 | 牡[1] | |||||||||||
毛色 | 青鹿毛[1] | |||||||||||
生誕 | 2019年4月12日(5歳)[1] | |||||||||||
父 | ディープインパクト[1] | |||||||||||
母 | パレスルーマー[1] | |||||||||||
母の父 | Royal Anthem[1] | |||||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | |||||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | |||||||||||
馬主 | 三木正浩[1] | |||||||||||
調教師 | 杉山晴紀(栗東)[1] | |||||||||||
競走成績 | ||||||||||||
生涯成績 |
16戦5勝[1] 中央:15戦5勝 海外:1戦0勝 | |||||||||||
獲得賞金 |
7億2929万8900円[2] 中央:6億8687万8000円[1] UAE:30万米ドル[3] (2024年10月27日現在) | |||||||||||
WBRR |
L115 - E115 / 2022年[4] I121 - L121 / 2023年[5] | |||||||||||
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ジャスティンパレス(欧字名:Justin Palace、2019年4月12日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2023年の天皇賞(春)、阪神大賞典、2022年の神戸新聞杯。
馬名の意味は、冠名+母名の一部。
戦績
[編集]デビュー前
[編集]2019年4月12日、ノーザンファームで誕生。2020年のセレクトセール1歳市場で三木正浩に2億900万円で落札される。ノーザンファーム伊藤隆行厩舎で育成後、栗東の杉山晴紀厩舎に入厩した。
2歳(2021年)
[編集]9月12日の2歳新馬(中京芝2000m)でデビュー。1.5倍の断然人気に応え、後続に1馬身半差をつけて1着、デビュー勝ちを決める。続く黄菊賞も2番手から逃げるメイショウゲキリンを交わして1着、連勝を飾る。3戦目はGIのホープフルステークスに出走、スタートで若干後手を踏むも、道中は好位を追走、直線で末脚を伸ばすもキラーアビリティに1馬身半及ばず2着に敗れた[6]。
3歳(2022年)
[編集]3か月半ぶり、直行で挑んだクラシック一冠目の皐月賞は後方から追走するも9着に敗れ、初めて連対を外す。続く東京優駿は中団から競馬をするも伸びずに再び9着に終わった。夏は休養に充て、4か月ぶりのレースとなった神戸新聞杯は鮫島克駿とコンビを組み、好位追走から直線で先頭に立って後続を引き離し、3馬身半差をつける快勝。重賞初制覇となった[7]。続く菊花賞は不利な17番枠からロスなく運び勝ったアスクビクターモアに0.1秒差の3着に入った[8]。年内最終戦の有馬記念はイクイノックスの7着に終わった[9]。
4歳(2023年)
[編集]明け4歳は3月19日に阪神競馬場で行われた阪神大賞典に出走し、スタートから内の3番手につけ、ロスなく立ち回って最後の直線で抜け出して、外からボルドグフーシュの追い込みを振り切って1馬身3/4差をつけて重賞2勝目を挙げると共に、天皇賞・春の優先出走権を手にした[10][11][12][13]。
4月30日に京都競馬場で行われた天皇賞(春)に出走し、中団の内で脚を溜め、直線コースに向くと一気に抜け出し、先に先頭に立っていたディープボンドを交わし、これに2馬身1/2差をつけて、6度目の挑戦でGI初制覇を飾った[14][15][16][17][18]。ディープインパクト産駒はJRA・GI通算71勝目で、サンデーサイレンスに並んで史上最多タイとなり[17]、騎乗したルメールはJRA・GI通算44勝目、杉山晴調教師はGI通算5勝目を挙げた。なお、ルメールはジャスティンパレスとのコンビで2歳新馬、黄菊賞、阪神大賞典、天皇賞・春と4戦4勝となった[17]。
続いて6月25日の宝塚記念に2番人気で出走、鞍上には再び鮫島を迎えた。後方で脚を溜めて4コーナー手前で猛追を開始。直線で鞭を落としながらも追い込みを見せたが、外から上がったイクイノックスに先に抜け出されてしまい3着に敗れた[19][20]。秋初戦となった10月29日の天皇賞(秋)には新たに横山武史を鞍上に迎え出走。スタートが上手く決まらず、逃げるジャックドールが飛ばす中で後方2番手から競馬を進めたが、ペースが流れたことで結果的に良い位置取りとなった。直線では大外からメンバー最速の上がりで先に抜け出したイクイノックスをメンバー最速の上がりで猛追したが、2馬身半届かずの2着となり、天皇賞春秋連覇はならなかった[21]。年内最終戦は前年と同様に12月24日の有馬記念を選択。1番人気で迎えたレースでは、ゲートを上手く出ず、道中は最後方を選択。ドウデュースを見るようにレースを進め、勝負所で外目から前へ進出するも、反応が鈍くドウデュースとの差は広がった。それでも直線では外からしぶとく伸びたが、逃げ粘る3着タイトルホルダーからアタマ差の4着に終わった[22]。
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阪神大賞典
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天皇賞表彰式
5歳(2024年)
[編集]5歳シーズンの初戦にはドバイシーマクラシックを選択し、初の海外遠征となった。鞍上には新たにジョアン・モレイラを迎えてレースに臨むも、好位から伸びきれず4着に終わった[23]。
レース後は帰国し、宝塚記念に出走。クリストフ・ルメールと前年の天皇賞・春以来となる再コンビを結成するも、レースでは中団のまま見せ場なく、自身初の2桁着順となる10着に敗れる。 騎乗したルメールは「ディープ(産駒)だし、こういう重い馬場は走らないのかも。直線に向いて進んでいかなかった」とコメントし、重馬場適正の低さが露呈する結果となった[24]。
競走成績
[編集]以下の内容は、JBISサーチ[25]およびnetkeiba.com[26]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2021. 9.12 | 中京 | 2歳新馬 | 芝2000m(良) | 5 | 4 | 4 | 1.5 (1人) | 1着 | 2:02.3(34.3) | -0.3 | C.ルメール | 54 | (アカデミー) | 444 | |
11.14 | 阪神 | 黄菊賞 | 1勝 | 芝2000m(良) | 6 | 1 | 1 | 1.9 (1人) | 1着 | 2:03.3(34.6) | -0.2 | C.ルメール | 55 | (メイショウゲキリン) | 450 |
12.28 | 中山 | ホープフルS | GI | 芝2000m(良) | 15 | 5 | 8 | 8.8 (4人) | 2着 | 2:00.8(35.7) | 0.2 | C.デムーロ | 55 | キラーアビリティ | 450 |
2022. 4.17 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 5 | 10 | 20.9 (9人) | 9着 | 2:00.5(34.5) | 0.8 | M.デムーロ | 57 | ジオグリフ | 458 |
5.29 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 5 | 9 | 43.1(10人) | 9着 | 2:23.2(35.4) | 1.3 | M.デムーロ | 57 | ドウデュース | 448 |
9.25 | 中京 | 神戸新聞杯 | GII | 芝2200m(良) | 17 | 4 | 7 | 11.0 (5人) | 1着 | 2:11.1(34.4) | -0.6 | 鮫島克駿 | 56 | (ヤマニンゼスト) | 452 |
10.23 | 阪神 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 8 | 17 | 9.7 (4人) | 3着 | 3:02.5(36.5) | 0.1 | 鮫島克駿 | 57 | アスクビクターモア | 452 |
12.25 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 16 | 5 | 10 | 18.9 (7人) | 7着 | 2:33.5(36.6) | 1.1 | T.マーカンド | 55 | イクイノックス | 456 |
2023. 3.19 | 阪神 | 阪神大賞典 | GII | 芝3000m(良) | 14 | 3 | 3 | 3.1 (2人) | 1着 | 3:06.1(34.2) | -0.3 | C.ルメール | 57 | (ボルドグフーシュ) | 472 |
4.30 | 京都 | 天皇賞(春) | GI | 芝3200m(稍) | 17 | 1 | 1 | 4.3 (2人) | 1着 | 3:16.1(34.9) | -0.4 | C.ルメール | 58 | (ディープボンド) | 472 |
6.25 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 芝2200m(良) | 17 | 5 | 9 | 8.5 (2人) | 3着 | 2:11.4(35.1) | 0.2 | 鮫島克駿 | 58 | イクイノックス | 470 |
10.29 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 11 | 6 | 6 | 35.1 (6人) | 2着 | 1:55.6(33.7) | 0.4 | 横山武史 | 58 | イクイノックス | 468 |
12.24 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 16 | 5 | 10 | 3.6 (1人) | 4着 | 2:31.2(34.4) | 0.3 | 横山武史 | 58 | ドウデュース | 474 |
2024. 3.30 | メイダン | ドバイSC | G1 | 芝2410m(Gd)[注 1] | 12 | 3 | 2 | 7.6 (4人) | 4着 | 3 | J.モレイラ | 57 | Rebel's Romance | 計不 | |
6.23 | 京都 | 宝塚記念 | GI | 芝2200m(重) | 13 | 2 | 2 | 3.7 (2人) | 10着 | 2:13.6(35.9) | 1.6 | C.ルメール | 58 | ブローザホーン | 472 |
10.27 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 15 | 6 | 11 | 15.0 (6人) | 4着 | 1:57.6(33.0) | 0.3 | 坂井瑠星 | 58 | ドウデュース | 470 |
- 競走成績は2024年10月27日現在
血統表
[編集]ジャスティンパレスの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系(ヘイロー系) |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 2002 鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘアWind In Her Hair 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 *パレスルーマー Palace Rumor 2003 鹿毛 |
Royal Anthem 1995 黒鹿毛 |
Theatrical | Nureyev | |
*ツリーオブノレッジ | ||||
In Neon | Ack Ack | |||
Shamara | ||||
母の母 Whisperifyyoudare1997 鹿毛 |
Red Ransom | Roberto | ||
*アラビアII | ||||
Steller Affair | Skywalker | |||
Fawn and Hahn | ||||
母系(F-No.) | パレスルーマー(USA)系(FN:2-s) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Hail to Reason:4×5(9.38%) Northern Dancer:5×5(6.25%) |
[§ 4] | ||
出典 |
- 半兄に2013年ベルモントステークス・2014年メトロポリタンハンデキャップ勝ち馬パレスマリス(父カーリン)、2023年ステイヤーズステークス勝ち馬アイアンバローズ(父オルフェーヴル)がいる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ジャスティンパレス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年3月31日閲覧。
- ^ “競走馬情報ジャスティンパレス”. 日本中央競馬会. 2024年4月17日閲覧。
- ^ “2024ドバイ・ワールドカップ・デイ施行競走 登録要綱(簡易版)”. 2024年3月31日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2022”. 国際競馬統括機関連盟. 2023年1月18日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月24日閲覧。
- ^ “【ホープフルS】ジャスティンパレス追いすがるも2着 C・デムーロ「体が幼いぶん、直線で寄れた」”. サンスポZBAT!競馬 (2021年12月28日). 2022年10月24日閲覧。
- ^ “【神戸新聞杯結果】ジャスティンパレスが3馬身半差の圧勝 ダービー9着以来の休み明けで重賞初V | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年10月24日閲覧。
- ^ “【菊花賞】ジャスティンパレスは3着 鮫島駿「ロスなく立ち回ることができた」 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年10月24日閲覧。
- ^ “【有馬記念】ジャスティンパレスは7着 マーカンド「最後はヨーイドンの形になって、少しフラフラ」”. Sponichi Annex (2022年12月25日). 2024年3月3日閲覧。
- ^ 「【阪神大賞典】ジャスティンパレスがV!! 重賞2勝目でG1獲りに弾み」『スポーツニッポン』2023年3月19日。2023年3月19日閲覧。
- ^ 「【阪神大賞典結果】ジャスティンパレスが快勝で重賞2勝目 ディープボンドは3連覇ならず5着」『netkeiba.com』2023年3月19日。2023年3月19日閲覧。
- ^ 「【阪神大賞典】ジャスティンパレスが復活の重賞2勝目 ルメール騎手は3週連続重賞V」『スポーツ報知』2023年3月19日。2023年3月19日閲覧。
- ^ 「【阪神大賞典】ジャスティンパレスがボルドグフーシュを破って重賞2勝目」『サンケイスポーツ』2023年3月19日。2023年3月19日閲覧。
- ^ 「【天皇賞・春】ジャスティンパレスV! 新装・京都の初G1で初タイトル タイトルホルダー競走中止」『スポーツニッポン』2023年4月30日。2023年4月30日閲覧。
- ^ 「【天皇賞・春】ジャスティンパレスが6度目挑戦でG1初制覇」『日刊スポーツ』2023年4月30日。2023年4月30日閲覧。
- ^ 「【天皇賞・春】ジャスティンパレスがG1・6度目挑戦で初制覇 タイトルホルダーは競走中止 」『スポーツ報知』2023年4月30日。2023年4月30日閲覧。
- ^ a b c 「【天皇賞・春】ジャスティンパレスが直線一気に抜け出し春の盾奪取! 昨年の覇者タイトルホルダーは競走中止」『サンケイスポーツ』2023年4月30日。2023年4月30日閲覧。
- ^ 「【天皇賞・春結果】ジャスティンパレスがGI初V 前年覇者タイトルホルダーは競走中止」『netkeiba.com』2023年4月30日。2023年4月30日閲覧。
- ^ 「【宝塚記念】ジャスティンパレス3着 3連勝ならず鮫島駿「最後は差を詰める走りをしてくれた」」『デイリースポーツ』2023年6月25日。2024年3月3日閲覧。
- ^ “【宝塚記念】「一瞬で抜き去られてしまった」3着ジャスティンパレス鮫島駿は勝ち馬に脱帽も「逆転できるようにしたい」”. 東スポ競馬 (2023年6月25日). 2024年3月3日閲覧。
- ^ “【天皇賞秋】位置取りが"吉"と出たジャスティンパレス最速上がりで2着 横山武「この馬もよく走ってくれています」”. 東スポ競馬 (2023年10月29日). 2024年3月3日閲覧。
- ^ “【有馬記念】1番人気ジャスティンパレスは最後方から追い上げるも4着 横山武が語った大一番での"無念"”. 東スポ競馬 (2023年12月24日). 2024年3月3日閲覧。
- ^ “ドバイシーマクラシック(G1) 2024/3/30(土) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年8月3日閲覧。
- ^ “【宝塚記念】ジャスティンパレス10着大敗のなぜ…ルメール「直線に向いて進んでいかなかった」 | 競馬ニュース”. netkeiba. 2024年8月3日閲覧。
- ^ “ジャスティンパレス 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月29日閲覧。
- ^ “ジャスティンパレスの競走成績”. netkeiba.com. 2023年10月29日閲覧。
- ^ “結果”. 2024年4月4日閲覧。
- ^ a b c "血統情報:5代血統表|ジャスティンパレス". JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年9月26日閲覧。
- ^ a b c d "ジャスティンパレスの血統表|競走馬データ". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2022年9月26日閲覧。