ステュクス
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(ステュクス川から転送)
ステュクス(古希: Στύξ, Styx)とは、ギリシア神話において地下を流れているとされる大河、あるいはそれを神格化した女神である。ステュィクス、スティクス、ステッィクス等とも呼ばれる。
概要
[編集]オーケアノスの流れの十分の一を割り当てられている支流で、地下の冥界を七重に取り巻いて流れ、生者の領域と死者の領域とを峻別しているという。ステュクスの支流には火の川プレゲトーン、忘却の川レーテー、悲嘆の川コーキュートス、アケローン川がある。
女神としてのステュクスは、オーケアノスとテーテュースの娘でオーケアニデスの長姉である。また、クレイオスの息子パラースの妻で、彼との間にニーケー、クラトス、ゼーロス、ビアーをもうけている。
ティーターンの血族だが、ティーターノマキアーの際には、父神オーケアノスの勧めにより 子供達と共にいち早くゼウス側に寝返った。その功績により、彼女はゼウスから「神々を罰する」という特別な権限を与えられた。オリュンポス山の神々は、誓言をする際にイーリスにステュクスの水を汲みに行かせる。神々はこれを飲んで誓言をするが、もしこの誓言に背けば、その者は 1 年間仮死状態に陥る。さらにその後 9 年間オリュンポス山を追放され、10 年目にやっと罪を許されるという。
このように、ステュクスの水には神々さえも支配する特別な力が宿っており、猛毒であるという説や、逆に不死をもたらす神水であるという説が唱えられている。アキレウスも、母の手によってこの水に浸されて不死の体を手に入れたが、母に掴まれていた踵の部分は浸されず脆弱なままだったという[1]。
備考
[編集]出典
[編集]- ^ Chisholm, Hugh, ed. (1911). . Encyclopædia Britannica (英語) (11th ed.). Cambridge University Press.