プルートー (ギリシア神話)
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プルートー(古希: Πλουτώ, Plūtō)は、ギリシア神話の海の女神、あるいはニュムペーである。「富める女」の意。長母音を省略してプルトとも表記される。主に
の2人が知られている。以下に説明する。
オーケアニスの1人
[編集]このプルートーは、大洋神オーケアノスとテーテュースとの間に生まれた3000人の娘たちオーケアニスの1人である[1]。『ホメーロス風讃歌』の「デーメーテール讃歌」によると、プルートーはデーメーテールの娘ペルセポネーと遊んでいたオーケアニスや女神たちの1人だったが[2]、彼女たちの目の前で冥府の支配者ハーデースはペルセポネーを攫って行ったという[3]。
タンタロスの母
[編集]このプルートーは、ベレキュントス山のニュムペーである[4]。一説によるとクロノスの娘[5]、あるいはヒマースの娘で[6]、ゼウスとの間にタンタロスを生んだと伝えられている[7][8][9][10][11]。しかし他の説によればタンタロスの父はトモーロスである[12]。
系図
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脚注
[編集]参考文献
[編集]- アントーニーヌス・リーベラーリス『メタモルフォーシス ギリシア変身物語集』安村典子訳、講談社文芸文庫(2006年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- ヘシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
- カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 英雄の時代』植田兼義訳、中公文庫(1985年)