コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ソユーズMS-20

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソユーズMS-20
国際宇宙ステーションにドッキングする直前のソユーズMS-20
任務種別ISS乗員輸送、宇宙旅行
運用者ロシアの旗 ロスコスモス
COSPAR ID2021-119A
SATCAT №49922
ウェブサイトhttp://en.roscosmos.ru/z
任務期間11日 19時間 34分
特性
宇宙機ソユーズMS No.752 Altair
宇宙機種別ソユーズMS 11F747
製造者RKKエネルギア
乗員
乗員数3名
乗員アレクサンドル・ミシュルキン
前澤友作
平野陽三
任務開始
打ち上げ日2021年12月8日 07:38:15 UTC[1][2]
ロケットソユーズ_2.1a
打上げ場所カザフスタンの旗 バイコヌール宇宙基地 Pad 31/6
打ち上げ請負者プログレス国家研究生産ロケット宇宙センター
任務終了
着陸日2021年12月20日 03:13 UTC
着陸地点カザフスタン カザフステップ[注釈 1]
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
傾斜角51.66°
ISSのドッキング(捕捉)
ドッキング ポイスク・モジュール 天頂側
ドッキング(捕捉)日 2021年12月8日 13:40:44 UTC
分離日 2021年12月19日 23:50:30 UTC
dock時間 11日 10時間 9分

(左から)前澤、ミシュルキン、平野
ソユーズ計画
(有人宇宙飛行)

ソユーズMS-20 (ロシア語: Союз МС-20) は、2021年12月8日ISSに向けて打ち上げられたロシアソユーズ宇宙船である[1]。これまでのソユーズの飛行とは異なり、ソユーズMS-20は国際宇宙ステーション長期滞在クルーの輸送や、ステーションに搭乗中の乗組員の救命船としての飛行ではなく、コマンダーの職業宇宙飛行士1名のほかに宇宙旅行を提供するスペース・アドベンチャーズによって選ばれた2名の宇宙旅行客が搭乗し、同社にとってはこれが8人目と9人目のクライアントになり、9度目のISSへの宇宙旅行ミッションとなる[4][5]。ISSへの飛行には6時間を要した[6]

クルー

[編集]
地位 乗組員
コマンダー ロシアの旗 アレクサンドル・ミシュルキン, ロスコスモス
3回目の宇宙飛行
宇宙旅行参加者 日本の旗 前澤友作, スペース・アドベンチャーズ
1回目の宇宙飛行
宇宙旅行参加者 日本の旗 平野陽三, スペース・アドベンチャーズ
1回目の宇宙飛行

バックアップクルー

[編集]
地位 乗組員
コマンダー ロシアの旗 アレクサンドル・スクボルソフ, ロスコスモス
2回目の宇宙飛行
宇宙飛行参加者 日本の旗 小木曽詢, スペース・アドベンチャーズ
1回目の宇宙飛行
宇宙飛行参加者 無し

搭乗者の選定

[編集]

2021年5月13日、スペース・アドベンチャーズ社はソユーズの2つの席をいずれも、日本の実業家前澤友作が取得し、前澤と同時に宇宙へ向かうのは彼のマネージャー兼プロデューサーを務める平野陽三になると発表した[7]。日本人が2名同時にISSへ打ち上げられるのは史上初めてとなる。

公式発表以前はオーストリアのパイロット、ヨハンナ・メイスリンガー英語版が搭乗者のうち一人に選ばれたことが確実視されていたが、ソユーズへの搭乗者が決定した後の2021年7月になりスペース・アドベンチャーズ社のモスクワの事務所は「彼女を今回の宇宙旅行の正当な候補者として扱ったことはない」とするコメントを出した。このほか、日本の歌手松任谷由実が搭乗者として有力視されていると報じた媒体もあった[8]

以前との変更点

[編集]

今回のフライトは、ソユーズでは初の完全商業目的のフライトである。また、宇宙旅行者のソユーズへの搭乗という面で見ても2009年に打ち上げられたTMA-16で搭乗したギー・ラリベルテカナダ国籍、シルク・ドゥ・ソレイユ創設者)以来12年ぶりとなる。スペース・アドベンチャーズ社はこれ以後もソユーズMSによる民間人の宇宙旅行を計画しており、2022年10月に打ち上げが予定されているMS-23でも2名がISSに向かって打ち上げられ、こちらは6ヶ月間をISSで過ごすこととなっている[9]

また、これまでのISSへの宇宙旅行は長期滞在中の宇宙飛行士の交代のタイミングを利用した形や、「タクシークルー」と呼ばれたISSにドッキングしているソユーズの交換に便乗する形で行われていたが、MS-20においてはそれらとは異なり、往復ともに宇宙旅行者が搭乗し宇宙への移動手段として用いられる純粋な宇宙旅行を目的とした専用のフライトである点が、これまでのソユーズによる民間人の宇宙旅行の形態とは大きく異なる。

展示

[編集]

2023年11月から12月に開催された「NIHONBASHI SPACE WEEK 2023」で、ソユーズ帰還モジュールの実物および前澤が着用したソコル宇宙服が展示された[10]。帰還モジュールは帰還後に前澤が購入したもので、金額は非公開[11]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 目標地点はジェスカスガン市の南東148km[3]

出典

[編集]
  1. ^ a b Zak, Anatoly (3 September 2020). “Planned Russian space missions in 2021: Soyuz MS-20”. RussianSpaceWeb.com. 4 September 2020閲覧。
  2. ^ Baylor, Michael (1 July 2020). “Status - Soyuz MS-20”. NextSpaceflight. https://nextspaceflight.com/launches/details/2971 14 October 2020閲覧。 
  3. ^ Soyuz MS-20 lands following 12-day ISS mission”. NASASpaceFlight.com. 2022年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月10日閲覧。
  4. ^ Jefferson, Mark. “Space Station Experience”. Space Adventures. 2022年1月12日閲覧。
  5. ^ “Roscosmos signs new contract on flight of two space tourists to ISS”. TASS. (19 February 2020). https://tass.com/science/1045321 
  6. ^ Туристы из Японии в декабре полетят к МКС по шестичасовой схеме” (ロシア語) (2021年8月15日). 2021年8月15日閲覧。
  7. ^ Space Adventures' Client, Yusaku Maezawa, Plans for Mission to the International Space Station” (2021年5月13日). 2021年9月21日閲覧。
  8. ^ Russia to select actress for Soyuz mission in May” (英語). SpaceNews (2021年4月28日). 2021年9月21日閲覧。
  9. ^ Коммерческий полет "Союза" на МКС планируется в 2022-2023 годах” [Soyuz commercial flight to the ISS is planned in 2022-2023] (ロシア語) (2020年4月27日). 2021年9月21日閲覧。
  10. ^ 焼け焦げた帰還ソユーズを日本初展示「NIHONBASHI SPACE WEEK」”. Impress Watch (2023年11月27日). 2023年12月3日閲覧。
  11. ^ 前沢友作さんが乗った宇宙船 地球帰還で「焦げたリアルな姿を見て」”. withnews (2023年11月28日). 2024年2月10日閲覧。

関連項目

[編集]