ファイナルステークス
ファイナルステークス | |
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主催者 | 日本中央競馬会 |
競馬場 | 中山競馬場 |
2024年の情報 | |
距離 | 芝1600m |
格付け | 3勝クラス |
賞金 |
1着賞金1840万円[1] |
出走条件 | サラブレッド系3歳以上(混合)(特指) |
負担重量 | ハンデキャップ |
ファイナルステークス(Final Stakes)は、日本の競馬の競走のひとつである。
概要
[編集]2000年に「Dream Horses 2000 カウントダウンステークス」という名称で施行された本競走は、翌2001年よりファイナルステークスに変更された。正式名称は「○○○○ファイナルステークス(丸の中には西暦年が入る)」。
発走時刻の関係[2]で、2022年まで長らく中央競馬としては阪神競馬場で行われる本競走が年間を通じて最後の競走となっていた[3]。中山競馬場の馬場照明設備の増設に伴い、2023年からは中山競馬場で施行される[4]。
阪神開催時代の2001年から2005年、2007年から2011年は桜花賞と同じく芝の外回りコースの1600m(スタートは向正面)で施行。2006年はダート1800mで、2012年から2016年はダート1400mで、2017年・2018年・2020年は芝1400mで、2019年・2021年・2022年は芝1200mで施行された。中山開催時代の2023年以降は芝1600mで施行される。
2003年・2012年・2013年及び2017年からは3勝クラス(1600万下)の条件戦として行われているが、それ以外の年はオープンクラスの競走である。2012年・2013年ならびに中央競馬の年間最終開催日が原則12月28日に固定された2017年以降[5]はこの年最後の重勝式投票券「WIN5」対象競走となっている[6]。
本馬場入場時にはヨーロッパの「ファイナル・カウントダウン」がBGMとして使用される[7]。有馬記念の発走時刻が繰り下がったことに伴い、2016年まで中山競馬場の最終レースである「ハッピーエンドカップ」の発走時刻が遅れることが常態となり、ファイナルステークスの本馬場入場と中山競馬場からのハッピーエンドカップの中継が重なることが多かった。そのためレース実況を優先し、「ファイナル・カウントダウン」が流れることもなく、ひっそりと本馬場入場が行われることが多くなっていたが、中央競馬の年間最終開催日が原則12月28日に固定された2017年以降[5]から中山最終日のメイン競走がホープフルステークスとなって以降は有馬記念ほど最終レースの繰り下げが頻発しなくなった。
負担重量
[編集]2001年 ‐ 2006年、2014年 ‐ 2016年は別定。
2007年 ‐ 2011年、2018年、2021年 ‐ 2022年、2024年はハンデキャップ。
2012年 ‐ 2013年、2017年、2019年 ‐ 2020年、2023年は定量である。
2000年の施行について
[編集]1999年まで、その年の中央競馬最終開催日の阪神競馬場における最終競走は長らくサラブレッド系4歳(現:3歳)以上の900万円(1000万円(現:2勝クラス))以下の条件戦が実施されていた(1991年から1999年までの同日のメインレースは「六甲ステークス」(サラブレッド系3歳以上オープンの芝2000m)が施行されていた)。
2000年は20世紀最後の年ということで、日本中央競馬会では「Dream Horses 2000」と銘打った競馬ファン参加型のキャンペーンを展開した。その一環として年度の下半期に当たる9月から10月にかけて「20世紀の最終レース名募集」という企画を実施。95238通の応募があり[8]厳正に審査した結果、20世紀を締めくくるにふさわしく、またイベント展開もできるとの理由から[8]5番目に票を集めた「カウントダウンステークス」が採用され、正式名称は「Dream Horses 2000 カウントダウンステークス」と決定した[8]。
当日はこのレースに騎乗しなかった武幸四郎がカウントダウンをしたほか、国歌斉唱と、かつて有馬記念で使用された旧式のファンファーレ[9]の演奏も行われた。また、当時は重賞競走以外では行われていなかった勝馬投票券への競走名の印字が行われた(後に重賞競走のほか、特別競走・メイクデビューでも印字されるようになった)。
「カウントダウンステークス」は2014年〜2016年に阪神競馬の第5回最終日の第11競走(準メインレース)にサラブレッド系3歳以上の1600万円以下条件の芝2000mで施行され、2022年は中山競馬の第5回最終日の最終競走(サラブレッド系3歳以上の3勝クラスの芝1600m)として施行されていた。2023年は阪神競馬の第5回最終日の最終競走(サラブレッド系3歳以上の3勝クラスの芝1200m)として施行される(2024年は京都競馬で同じ条件クラスで実施)。
歴代優勝馬
[編集]施行日 | 優勝馬 | 性齢 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 |
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2000年12月24日 | トッププロテクター | 牡3 | 1:34.3 | 池添謙一 | 岩元市三 |
2001年12月23日 | サイキョウサンデー | 牡6 | 1:34.1 | 四位洋文 | 坂口正大 |
2002年12月22日 | エイシンエーケン | 牡6 | 1:34.8 | 野元昭嘉 | 野元昭 |
2003年12月28日 | チアズメッセージ | 牝3 | 1:35.2 | 本田優 | 領家政蔵 |
2004年12月26日 | エリモピクシー | 牝6 | 1:33.1 | 福永祐一 | 沖芳夫 |
2005年12月25日 | ニューベリー | 牡7 | 1:35.8 | 四位洋文 | 音無秀孝 |
2006年12月24日 | エンシェントヒル | 牝5 | 1:51.7 | 生野賢一 | 松元茂樹 |
2007年12月23日 | アンブロワーズ | 牝5 | 1:34.6 | 秋山真一郎 | 平田修 |
2008年12月28日 | フィールドベアー | 牡5 | 1:34.7 | 秋山真一郎 | 野村彰彦 |
2009年12月27日 | エーシンフォワード | 牡4 | 1:33.3 | 小牧太 | 西園正都 |
2010年12月26日 | シルポート | 牡5 | 1:34.1 | 小牧太 | 西園正都 |
2011年12月25日 | コスモセンサー | 牡4 | 1:34.2 | 幸英明 | 西園正都 |
2012年12月24日 | アルゴリズム | 牡4 | 1:22.7 | 横山典弘 | 安田隆行 |
2013年12月23日 | ネオザウイナー | 牡5 | 1:23.8 | C.ルメール | 小崎憲 |
2014年12月28日 | コーリンベリー | 牝3 | 1:22.9 | 松山弘平 | 柴田政見 |
2015年12月27日 | タールタン | 牡7 | 1:22.9 | 松田大作 | 吉村圭司 |
2016年12月25日 | タガノエスプレッソ | 牡4 | 1:22.6 | 北村友一 | 五十嵐忠男 |
2017年12月28日 | スマートカルロス | 牡5 | 1:21.3 | 松山弘平 | 浅見秀一 |
2018年12月28日 | フィアーノロマーノ | 牡4 | 1:21.4 | 川田将雅 | 高野友和 |
2019年12月28日[10] | エイティーンガール | 牝3 | 1:09.5 | 武豊 | 飯田祐史 |
2020年12月27日[11] | ガゼボ | 牡5 | 1:21.5 | 吉田隼人 | 石坂公一 |
2021年12月28日[12] | ローレルアイリス | 牝4 | 1:08.0 | 川又賢治 | 杉山佳明 |
2022年12月28日 | エイシンスポッター | 牡3 | 1:08.3 | 角田大河 | 吉村圭司 |
2023年12月28日[13] | ボルザコフスキー | 牡4 | 1:33.2 | 戸崎圭太 | 清水久詞 |
他の競馬場の年末最終競走
[編集]以下は2024年の事例。
- 京都競馬場 「カウントダウンステークス」(芝1200m、3勝クラス・第12競走)[14][15]
- 中京競馬場 「尾張特別」(芝1200m、2勝クラス・第12競走)[16]
- 中京競馬場のある愛知県の旧国名「尾張」とその年の「終わり」をかけており、同年の中京競馬(かつその年の中央競馬第3場開催)における最終日・最終競走である。なお、例年第3場開催は有馬記念の前週に終了することが通例であり、2024年は12月15日である(ただし、21世紀の初期のころは有馬記念の週も中京か小倉での開催はあった)。
- また、有馬記念・ホープフルステークスが開催される場合、年間最終日でなくても、その年の締めくくりを象徴するタイトル[17]が付いた特別競走として、「グッドラックハンデキャップ」「20xxフェアウェルステークス」などが行われる。
なお、2009年7月より高知競馬場は通年ナイター開催を実施しているため、同年以降、中央・地方を合わせて日本国内の競馬における年間最終競走は当競馬場の12月31日(大晦日)実施分の「ファイナルレース」である。高知競馬は1日の最後のレースは全てファイナルレースと冠している。なお、年度によっては、他の公営競技(競輪、競艇、オートレース)のナイター競走(ないしは薄暮競走的に時間を繰り上げる場合もある)よりも遅く発走することもあり、1年で最も最終の公営競技の競走となる場合もある。
脚注
[編集]- ^ 2009年までは2300万円、2011年までは2200万円、2013年までは1700万円、2016年までは2000万円、2022年までは1820万円。
- ^ 特に東日本は日没の時間が早いため、11月 - 1月はメイン・最終は関東主場→ローカル→関西主場の順番を原則として発走する。
- ^ 2010年・2011年は発走時刻の関係で小倉競馬場で施行された「○○○○アンコールステークス(丸の中には西暦年が入る)」(芝1200m)が、中央競馬の年間最終競走となっていた
- ^ これに伴い、同日の中山メイン競走であるホープフルステークスは2022年まで15時25分発走と第三場(中京)開催のチャンピオンズカップ(15時30分)より早い時間に発走していたが、同年からは一般的な主場でのGI競走と同等の15時40分発走に繰り下げられる。
- ^ a b 12月28日が月曜日になる場合は例外となり、これに該当する2020年は12月27日が年間最終開催日となる。
- ^ 通常、WIN5の対象競走は第11競走までの競走が指定されるのが通例であり、2019年の場合、第12競走がWIN5の対象競走とされたのはこの12月28日の開催時のみであった。
- ^ 小塚歩アナ「入場曲に“遊び”を!」(ラジオNIKKEI競馬実況Web、2009年5月26日)
- ^ a b c 日本中央競馬会『優駿』2001年1月号、p.154
- ^ このファンファーレは2007年3月25日までばんえい競馬の重賞競走でも使用されていた(ばんえい記念では、2022年現在でも現行重賞ファンファーレの前に演奏される)。
- ^ “2019年ファイナルステークス”. スポーツナビ (2019年12月28日). 2019年12月28日閲覧。
- ^ “2020年ファイナルステークス”. スポーツナビ (2020年12月27日). 2020年12月27日閲覧。
- ^ “2021年ファイナルステークス”. スポーツナビ (2021年12月28日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ 2023年ファイナルステークススポーツナビ、2023年12月28日閲覧
- ^ それまでは、1987年まではダート1800mのサラブレッド系4歳(現:3歳)以上の1400万円(1600万円(現:3勝クラス))以下の条件戦、1988年から2000年はダート1800mのサラブレッド系4歳(現:3歳)以上の500万円(現:1勝クラス)以下の条件戦(1991年から1993年と1996年から1999年はダート1200m)が、2001年から2016年・2020年は「ハッピーエンドカップ」(芝1200m、1000万下(現:2勝クラス))(2010年・2011年は「ハッピーエンドプレミアム」)、2017年から2019年は「ベストウィッシュカップ」(2勝クラス(旧1000万下)、2017年は芝1800m、2018年から2019年は芝1600m)、2021年は「立志ステークス」(3勝クラス、芝1600m)、2022年は「カウントダウンステークス」(3勝クラス、芝1600m)が中山競馬場の年末最終競走であった。
- ^ かつて(1999年まで)はサラブレッド系4歳(現:3歳)以上の900万円以下(現:2勝クラス)の条件戦が阪神競馬場の年末最終競走であった。
- ^ それまでの中京競馬(かつその年の中央競馬第3場開催)における最終日・最終競走は、2001年まではサラブレッド系3歳(旧4歳)以上の500万円(現:1勝クラス)以下の条件戦(1999年は小倉競馬場が改修工事している間の代替開催を中京競馬場で実施していたため、その開催時期の交換として小倉競馬場で開催)、2002年から2009年までは「尾張特別」が(2006年から2009年は「尾張ステークス」)、2010年と2011年は本文中の通り、小倉競馬場で芝1200mの「○○○○アンコールステークス(丸の中には西暦年が入る)」が(この競走は、発走時刻の関係で中央競馬の年間最終競走となっていた)、2012年は「桑名特別」が、2013年と2014年は「大須特別」が、2015年は「豊川特別」が最終競走として施行していた。距離は2002年から2005年までが芝1800m、2006年から2009年までが芝1200m、2016年から2023年までが芝2200mである。
- ^ 2021年12月26日のレース番組表