ムーンライト信州
ムーンライト信州 | |
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ムーンライト信州(2018年7月 新宿駅) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 快速列車 |
現況 | 運行終了 |
地域 | 東京都・神奈川県・山梨県・長野県 |
前身 | 急行「アルプス」 |
運行開始 | 2002年12月1日 |
運行終了 | 2018年12月30日 |
後継 |
快速・特急「諏訪湖花火大会号」 特急「アルプス」 |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
路線 | |
起点 | 新宿駅 |
終点 | 白馬駅 |
営業距離 | 284.8km(新宿駅 - 白馬駅) |
使用路線 | 中央本線・篠ノ井線・大糸線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 全車指定席 |
技術 | |
車両 | 189系電車(長野総合車両センター) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500 V |
備考 | |
臨時列車扱い 廃止時点のデータ |
ムーンライト信州(ムーンライトしんしゅう)は、かつて東日本旅客鉄道(JR東日本)が主に新宿駅 - 松本駅・信濃大町駅・白馬駅間を中央本線・篠ノ井線・大糸線経由で運行していた臨時夜行快速列車である。「ムーンライト」シリーズの一つだった。
本項では、中央本線東京駅 - 塩尻駅間(中央東線)で運転されていた夜行列車の沿革についても記述する。
概要
[編集]2002年(平成14年)12月1日ダイヤ改正で運転が開始された臨時快速列車[1]で、同改正で廃止された急行「アルプス」の代替としての役割も担っている。
なお、2018(平成30)年の運行を最後に設定がなく[2]、使用車両である189系も2019年に廃車となっている。
運行概況
[編集]2010年以降は下りの81号と上りの90号・92号が設定される1.5往復体制となっていた。
下り列車の方が設定日が多く、主に多客期に運転された。通常は81号で運転されたが、まれに91号として運転される年があった。
上り列車は定期列車であった急行「アルプス」時代から利用が少なく、2010年以降は年2回上諏訪駅近くで開催される諏訪湖祭湖上花火大会の実施当日深夜(終了後)に運転されるのみであった。2017年までは90号と、続行列車として山梨県内の停車駅を増やした92号が運転された[注釈 1]。最終年となる2018年(平成30年)は90号のみ設定された。
停車駅
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使用車両
[編集]全車指定席であった。
- 183系・189系
- かつて夏季は9両でグリーン車を連結し、普通車もグレードアップ車を中心とした幕張車両センター所属のC編成も投入されていたが、2008年春のダイヤ改正以降は幕張車が「中央ライナー」から撤退しており、以降は原則として長野総合車両センター所属のN編成(モノクラス6両)で運転されていた。
- 車両運用の都合で豊田車両センターのM50編成や幕張所属の旧「あずさ」色マリ31・32編成が投入された実績もある。また2006年(平成18年)3月24日・31日には、長野車の検査と豊田・幕張車によるほかの臨時列車運用が重なったため田町車両センター所属で国鉄色のH61編成が投入された。
- E257系
- 2007年(平成19年)8月15日は「ムーンライト信州92号(諏訪湖花火大会号)」として運転され、松本車両センター所属のE257系11両編成が投入された。これは通常充当される幕張所属の183系が臨時「あずさ」で運用され、車両が不足したため。
- 2008年(平成20年)3月28日の81号、2009年(平成21年)夏季と2015年(平成27年)夏季の一部列車はE257系9両で運転された。
- E351系
- 2008年(平成20年)の諏訪湖花火大会でも例年通り92号が運行されたが、E351系12両編成が投入された。午後に下り臨時「スーパーあずさ」で松本へ送り込み、夜に「ムーンライト信州」に充当した。2015年(平成27年)、2016年(平成28年)の諏訪湖花火大会に伴う臨時90号新宿行もE351系12両編成が充当された[注釈 2]。
その他の列車
[編集]ファンタジー舞浜
[編集]2002年7月に東京駅 - 穂高駅間で快速「ルンルン舞浜」として運転を開始。同年12月に「ファンタジー舞浜」とし、下りが夜行列車、上りは昼行列車として運転された。183・189系の6両編成で1号車が女性専用車両である。
元々は、1990年から1997年まで舞浜駅 - 長野駅間を信越本線・高崎線・武蔵野線・京葉線経由で運行していた夜行快速列車(169系で運転)の名称であった。この列車は、全列車停車が原則の横川駅で客扱いしない列車であった。
諏訪湖花火大会号
[編集]2019年8月16日・9月7日に上諏訪駅 - 新宿駅間で上りのみ運転された列車で、松本車両センター所属のE257系9両編成が使用された[2]。運航日やダイヤ設定から、事実上2018年まで運転されていたムーンライト信州90号・92号の後継である。上諏訪発の時刻は8月16日運転と9月7日運転とで異なるが、新宿着の時刻は同じである。停車駅はムーンライト信州90号と同じく、上諏訪・小淵沢・甲府・大月・八王子・立川・新宿である。
なお、2020年・2021年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で諏訪湖花火大会の開催が中止となったため設定されず、2022年も諏訪湖花火大会を実施したものの当列車は設定されなかった。
2023年8月15日に上諏訪駅 - 新宿駅間の上りで4年ぶりに特急列車として運行された。停車駅は、上諏訪・八王子・立川・新宿で、E353系12両が使用された[3](2024年も運行[4])。
臨時特急「アルプス」
[編集]2024年に7月から11月にかけて、新宿駅 - 白馬駅間の下りのみを大宮総合車両センター東大宮センター所属のE257系2000番台による9両編成で運転[4]。ムーンライト信州の運行開始とともに廃止された「アルプス」の列車愛称が22年ぶりに復活した形となる。
中央東線夜行急行・快速・普通列車沿革
[編集]中央東線では1993年(平成5年)12月まで主に登山客向けの夜行普通列車が設定されていた。
戦前
[編集]- 1906年(明治39年)6月:中央本線の昌平橋駅[注釈 3] - 塩尻駅間(中央東線)が全通。
- 1911年(明治44年)5月:塩尻駅 - 名古屋駅間(中央西線)が全通し、飯田町駅 - 名古屋駅間に東西直通運転の始まりとなる直通夜行列車705・706列車を設定。
- 1913年(大正2年)4月:飯田町駅 - 長野駅間に夜行列車1往復を新設。
- 1921年(大正10年)6月:二等寝台車を連結開始。
- 1922年(大正11年)3月:飯田町駅 - 長野駅間の夜行列車を2往復に増発。ただし増発列車に寝台車は不連結。
- 1923年(大正12年)7月:3往復に増発。
- 1927年(昭和2年)1月:2往復に削減。
- 1931年(昭和6年)7月:飯田町駅 - 甲府駅間に臨時の夜行列車を下り1本新設。
- 1933年(昭和8年)9月:飯田町駅の旅客営業が廃止。長距離列車は新宿駅始発となる。
- 1934年(昭和9年):甲府駅 - 名古屋駅間の長距離列車を新設。
- 1938年(昭和13年)2月:中央本線経由の新宿駅 - 名古屋駅間直通列車は一旦消滅。
- 1944年(昭和19年)4月:新宿駅 - 長野駅間列車の寝台車連結を廃止。
- 1945年(昭和20年)6月:留まることのない戦局の悪化により新宿駅 - 長野駅間列車を一往復に削減し、下り夜行・上り昼行とする[注釈 4]。新宿駅 - 名古屋駅間の直通列車[注釈 5]が下り昼行・上り夜行で復活する。
戦後
[編集]- 1950年(昭和25年)10月:中央東線の夜行普通列車が新宿駅 - 長野駅間1往復の407・408列車となる[注釈 6]。
- その後に世情が落ち着くにつれ、短距離の登山客向け臨時夜行列車が設定された[注釈 7]。
- 1972年(昭和47年)3月 - 11月:中央東線下り夜行列車の最盛期である。
- 定期普通列車425列車(419列車を改番)のほかに臨時の夜行普通列車は甲府駅・上諏訪駅・河口湖駅などへゴールデンウィーク中に3 - 5本、更に急行「アルプス」「たてしな」が定期2本・臨時7本程度設定された。
- 週末の夜に登山客が集中するため、臨時を含めて下り列車の設定が多く、上りは定期普通列車である426列車(418列車を改番)のほか急行「アルプス」が定期1本・臨時1本のみ。
- 425列車は登山客に多く利用されたことから「山男列車」とあだ名された[5]。
- 1975年(昭和50年)3月:ダイヤ改正で425・426列車は電車化されて441M・442Mとなる。
- 1985年(昭和60年)3月:442M廃止。441M(後の421M)が上諏訪止りとなる。
- 1986年(昭和61年)11月:急行「アルプス」の昼行列車全廃に伴い、夜行急行「アルプス」の車両を165系から特急「あずさ」と共通運用の183・189系に置き換え。
- 1988年(昭和63年)4月:14系座席車4両に14系寝台車2両を連結した、白馬駅行臨時急行「アルプス91号」が運転を開始。始発駅は新宿駅のほか、千葉駅発にまで延長されることもあった[注釈 9]。以後1992年(平成4年)8月までシーズン中に運転された。
- 1992年(平成4年)3月:421Mが1521M甲府行きとなる[注釈 10]。
- 1993年(平成5年)12月:1521Mを廃止[注釈 11]。以後は松本行き臨時快速8421Mなどが165系や115系を使用して運転されたこともあったが、1998年(平成10年)5月を最後に運転が終了。
- 2002年(平成14年)7月:東京駅 - 穂高駅間で快速「ルンルン舞浜」の運転開始。同時に115系を使用した新宿駅 - 松本駅・白馬駅間で臨時快速列車も運転。同列車は秋シーズンには松本電車区所属の「あずさ」用183・189系に置換えられて全車指定席となり、新宿駅 - 長野駅・白馬駅間を「しらかば白馬」「しらかば長野」「しらかば新宿」の愛称で運転。
- 2002年(平成14年)12月1日:ダイヤ改正で急行「アルプス」廃止。「ムーンライト信州」を運転開始[1]。「ルンルン舞浜」を「ファンタジー舞浜」に改称。
- 2018年(平成30年)
- 2019年(令和元年)
- 2023年(令和5年)
- 8月15日:特急列車として「諏訪湖花火大会」号を設定。
- 2024年(令和6年)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 大月以東の到着時刻が早くなりすぎないよう、90号は塩山駅で、92号は甲斐大和駅で、それぞれおよそ2時間20分の運転停車をする、大月駅には早朝4時台の到着としている。
- ^ 9月の新作花火大会でも同様の運用となったが、E257系が投入されたため、通常の「あずさ」として運転。
- ^ 神田駅 - 御茶ノ水駅間にあった仮駅。
- ^ 廃止された夜行1往復は以後も復活・廃止を繰り返す。
- ^ 後に再び塩尻駅を境に中央本線の直通列車は系統分割される。
- ^ そのほかにも準急列車が設定されており、以後比較的長距離のものは準急・急行として増発されるようになった。
- ^ 多くの登山客は週末に登山することから、下り往路は夜行で、帰りは昼行列車を使用する事が多かった。例として1956年(昭和31年)10月では定期419・418列車(407・408列車から改番)のほかに上り夜行普通列車は存在しないが、下りは長野駅・松本駅・甲府駅・(初代)富士山麓電鉄大月河口湖線(現・富士山麓電気鉄道富士急行線)直通河口湖駅などに6本の臨時列車が設定されていた。また臨時準急も新宿駅 - 松本駅間に1往復存在した。
- ^ 跡地は飯田町紙流通センターの倉庫を経てアイガーデンエアの敷地になった
- ^ 機回しを避けるため送り込みの回送列車は尾久-我孫子-成田-千葉で運行された
- ^ しかし実際には2:25の甲府到着後、そのまま甲府4:00発松本行き普通列車となり、旅客は乗り通す事が可能であった。このため新宿では「甲府〔松本〕行」と案内された。
- ^ ほぼ同時刻に東京発大月行の通勤電車を新設し、終電機能を代替。
- ^ なお日本最後の夜行快速列車は2021年7月3日の快速谷川岳山開き。
出典
[編集]- ^ a b 「鉄道記録帳2002年12月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年3月1日、24頁。
- ^ a b 『夏の増発列車のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2019年5月17日 。2019年7月8日閲覧。
- ^ 『夏の臨時列車の増発について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道長野支社、2023年7月7日 。2023年8月16日閲覧。
- ^ a b 『2024年7月~9月 夏の信州観光キャンペーンを開催します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道長野支社、2024年5月17日 。2024年5月17日閲覧。
- ^ スハ32 kato(2021年12月11日閲覧)