ルイス・サロム
ルイス・サロム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ピットウォークでのサロム、 2013年のカタルーニャグランプリ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 |
1991年8月7日 スペイン, パルマ・デ・マヨルカ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
死亡年月日 |
2016年6月3日 (24歳没) スペイン, バルセロナ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ルイス・ハイメ・サロム・ホラシュ (Luís Jaime Salom Horrach[1], 1991年8月7日 - 2016年6月3日) は、スペインのオートバイレーサー。
経歴
[編集]キャリア初期
[編集]地中海に浮かぶマリョルカ島の都市パルマ・デ・マヨルカに生まれる。家がヤマハのディーラーを営んでおり、サロムは僅か2歳のときに初めてのオートバイとしてミニモトクロッサーのPW50に乗った。8歳のときにはバレアレス諸島のスーパーモタード選手権50ccクラスでチャンピオンとなった[2]。その後ロードレースに転向し、2005・2006年と2年連続でバレアレス選手権125ccクラスのチャンピオンとなった。
2007年からはスペインロードレース選手権(CEV)125ccクラスに参戦を開始、第2戦カタルニアで初表彰台(3位)を獲得し、年間ランキングでは7位を記録した。またこの年はロードレース世界選手権のサポートレースであるレッドブルMotoGPルーキーズカップにも参戦、アッセンで1勝を挙げてランキング4位となった。
2008年にも両レースへの参戦を継続、ルーキーズカップでは開幕から5戦中4勝を挙げてタイトル争いをリードしていたが、シーズン終盤の2レース連続リタイヤが響いてアメリカのJ.D.ビーチに逆転され、4ポイント差の年間ランキング2位に終わった[3]。CEVのほうでもシーズン2勝を挙げ、エフレン・バスケスから16ポイント差のランキング2位となった。
125cc/Moto3 (2009-2013)
[編集]2009年、サロムはロードレース世界選手権第3戦スペインGP125ccクラスのレースにワイルドカード枠でグランプリデビュー、23位で完走を果たした[4]。その後第6戦カタルニアGPで2度目のワイルドカード出場を経た後、第7戦ダッチTT以降はシモーネ・コルシの後任[5]としてWRBチームのレギュラーシートを確保、シーズン残り10戦を戦った。サロムは第10戦イギリスGPでベストリザルトとなる6位に入賞、シリーズランキングでは22位を記録した。
翌2010年シーズンは、開幕戦からランブレッタチームからの出場となった[6]。前年は中国のロンシンの名前で参戦していたこのチームのマシンのパフォーマンスは低かったが、第2戦スペインGPでこのシーズンチームにとって唯一となるポイント獲得を果たした。この活躍が認められ、第3戦フランスGP以降はスティパ・モレナーレーシングに移籍、最新ファクトリー仕様のアプリリア・RSA125を駆ることとなった[7]。サロムはトップ10圏内の常連となり、第17戦ポルトガルGPでベストリザルトの5位を記録、年間ランキング12位に成績を伸ばした。
2011年シーズンもモレナーチームに残留する予定であったが、資金難に陥った同チームは活動休止となってしまう。このため参戦の危機に陥っていたが、チームの一部のスタッフとスポンサーにより新チーム「RWレーシングGP」が結成され、サロムは引き続きRSA125を駆ってグランプリに参戦できることとなった[8]。
2012年にはインディアナポリスでサンドロ・コルテセ、マーベリック・ビニャーレスとのバトルを制して初勝利を上げる。第13戦のアラゴンでも勝利し、コルテセに次ぐランキング2位でシーズンを終えた。
2013年はレッドブル KTM アジョに移籍、開幕戦のカタールで勝利し、その後も勝利を重ねシーズンをリードする。しかしながら第17戦の日本グランプリで転倒リタイア、ランキング争いのライバル、マーベリック・ビニャーレスとアレックス・リンスにチャンスを与えてしまう。リンスはクラッシュしてリタイアしたものの、ビニャーレスは2位に入る。最終戦バレンシアでもサロムは再びクラッシュし、上位を争うリンスとビニャーレスに引き離される。サロムはこのレースで14位と成り2ポイント獲得、ファステストラップを記録したが、タイトルはビニャーレスが獲得、2位にはリンスが入り、サロムはランキング3位となった。
Moto2 (2014-2016)
[編集]サロムはポンス・レーシングと2015年までの契約を結び、Moto2にステップアップした。かつてのライバル、マーベリック・ビニャーレスとチームメイトとなった[9]。開幕戦のカタールでは14位、続くオースティンではリタイアと、2戦を終えた時点で2ポイントしか獲得できなかった。第7戦カタルーニャではジョナス・フォルガーとクラッシュ、両者ともリタイアとなった。サロムはレース後に病院で治療を受け、骨折した右腕の手術を受けた。
2016年、サロムはSAGレーシングチームに移籍、イェスコ・ラフィンとチームメイトとなる。開幕戦カタールでは2位でフィニッシュした。
事故死
[編集]2016年6月3日に行われたカタルーニャグランプリの2回目のフリー走行開始から25分後、サロムは右の高速コーナー(12コーナー)で転倒、この結果セッションは赤旗で中断された。事故の様子は公式のカメラでは撮影されていなかったが、13コーナー付近の防犯カメラに映像が残されていた。サロムのマシンは舗装されたランオフエリアを一直線に滑りエアーフェンスへ叩きつけられ、その衝撃で上方にバウンドした。サロムはその後に滑り込み、マシンが彼の体に落下した。サロムは治療のためにカタルーニャの病院へ搬送され手術がおこなわれたが、現地時間の16時55分に死亡が確認された[10][11]24歳没。彼の死の結果、レースは通常のレイアウトから速度を低減するため、F1でのレイアウトが使用されることとなった[12]。
ロードレース世界選手権 戦績
[編集]シーズン別
[編集]年 | クラス | マシン | 出走回数 | 勝利数 | 表彰台数 | PP | FL | ポイント | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2009年 | 125cc | ホンダ | 12 | 0 | 0 | 0 | 0 | 21 | 22位 |
アプリリア | |||||||||
2010年 | 125cc | ランブレッタ | 16 | 0 | 0 | 0 | 0 | 72 | 12位 |
アプリリア | |||||||||
2011年 | 125cc | アプリリア | 15 | 0 | 2 | 0 | 0 | 116 | 8位 |
2012年 | Moto3 | カレックス KTM | 17 | 2 | 8 | 0 | 1 | 214 | 2位 |
2013年 | Moto3 | KTM | 17 | 7 | 12 | 4 | 5 | 302 | 3位 |
2014年 | Moto2 | カレックス | 18 | 0 | 2 | 0 | 1 | 85 | 8位 |
2015年 | Moto2 | カレックス | 17 | 0 | 0 | 0 | 0 | 80 | 13位 |
2016年 | Moto2 | カレックス | 6 | 0 | 1 | 0 | 0 | 37 | 19位 |
計 | 118 | 9 | 25 | 4 | 7 | 927 |
クラス別
[編集]クラス | シーズン | 初GP | 初表彰台 | 初勝利 | 出走回数 | 勝利数 | 表彰台数 | PP | FL | ポイント | タイトル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
125 cc | 2009-2011 | 2009年スペイン | 2011年オランダ | 43 | 0 | 2 | 0 | 0 | 209 | 0 | |
Moto3 | 2012-2013 | 2012年カタール | 2012年スペイン | 2012年インディアナポリス | 34 | 9 | 20 | 4 | 6 | 516 | 0 |
Moto2 | 2014-2016 | 2014年カタール | 2014年アルゼンチン | 42 | 0 | 3 | 0 | 1 | 202 | 0 |
年度別
[編集](凡例)
年 | クラス | マシン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 順位 | ポイント |
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2009年 | 125cc | ホンダ | QAT | JPN | SPA 23 |
FRA | ITA | CAT Ret |
22位 | 21 | ||||||||||||
アプリリア | NED 16 |
GER 13 |
GBR 6 |
CZE Ret |
IND 13 |
RSM 21 |
POR 15 |
AUS 19 |
MAL 15 |
VAL 13 |
||||||||||||
2010年 | 125cc | ランブレッタ | QAT Ret |
SPA 15 |
12位 | 72 | ||||||||||||||||
アプリリア | FRA 10 |
ITA DNS |
GBR Ret |
NED 8 |
CAT Ret |
GER Ret |
CZE 10 |
IND 12 |
RSM Ret |
ARA 10 |
JPN 8 |
MAL 8 |
AUS 8 |
POR 5 |
VAL 10 |
|||||||
2011年 | 125cc | アプリリア | QAT 8 |
SPA Ret |
POR 8 |
FRA 10 |
CAT Ret |
GBR 4 |
NED 2 |
ITA 6 |
GER 5 |
CZE DNS |
IND | RSM Ret |
ARA 5 |
JPN 23 |
AUS 2 |
MAL Ret |
VAL 7 |
8位 | 116 | |
2012年 | Moto3 | カレックス KTM | QAT 4 |
SPA 2 |
POR 3 |
FRA Ret |
CAT 10 |
GBR 2 |
NED 4 |
GER 3 |
ITA Ret |
IND 1 |
CZE 2 |
RSM 2 |
ARA 1 |
JPN Ret |
MAL 4 |
AUS 15 |
VAL 10 |
2位 | 214 | |
2013年 | Moto3 | KTM | QAT 1 |
AME 3 |
SPA 2 |
FRA 3 |
ITA 1 |
CAT 1 |
NED 1 |
GER 2 |
IND 5 |
CZE 1 |
GBR 1 |
RSM 4 |
ARA 4 |
MAL 1 |
AUS 3 |
JPN Ret |
VAL 14 |
3位 | 302 | |
2014年 | Moto2 | カレックス | QAT 14 |
AME Ret |
ARG 3 |
SPA 6 |
FRA 5 |
ITA 2 |
CAT Ret |
NED 15 |
GER 14 |
IND 26 |
CZE Ret |
GBR 19 |
RSM 15 |
ARA 13 |
JPN 15 |
AUS 17 |
MAL 11 |
VAL 4 |
8位 | 85 |
2015年 | Moto2 | カレックス | QAT Ret |
AME 27 |
ARG 11 |
SPA 7 |
FRA Ret |
ITA 5 |
CAT 5 |
NED DNS |
GER 17 |
IND 16 |
CZE 9 |
GBR 17 |
RSM 9 |
ARA Ret |
JPN Ret |
AUS 6 |
MAL 6 |
VAL 6 |
13位 | 80 |
2016年 | Moto2 | カレックス | QAT 2 |
ARG 15 |
AME 13 |
SPA 9 |
FRA 10 |
ITA Ret |
CAT DNQ |
NED |
GER |
AUT |
CZE |
GBR |
RSM |
ARA |
JPN |
AUS |
MAL |
VAL |
19位 | 37 |
参照
[編集]- ^ “Campeonato de España de Velocidad, Circuito de Albacete - 5ª Prueba: Clasificación Provisional” (PDF). CEV Buckler. Dorna Sports (2008年9月21日). 2011年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月9日閲覧。
- ^ “#39 Luis Salom”. Red Bull MotoGP Rookie Cup. Red Bull. 9 November 2010閲覧。
- ^ “Red Bull Rookie Standings 2008”. Red Bull MotoGP Rookie Cup. Red Bull. 2011年7月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月9日閲覧。
- ^ “Gran Premio bwin.com de España: 125cc Entry List” (PDF). motogp.com. Dorna Sports. 9 November 2010閲覧。
- ^ コルシは第7戦以降フォンタナ・レーシングに移籍
- ^ “Entry list for 2010 125cc World Championship”. motogp.com (Dorna Sports). (27 January 2010) 9 November 2010閲覧。
- ^ “Monster Energy Grand Prix de France: 125cc Entry List” (PDF). motogp.com. Dorna Sports. 9 November 2010閲覧。
- ^ https://web.archive.org/web/20120528162916/http://www.motogp.com/ja/news/2011/Salom+with+RW+Racing+GP+in+2011
- ^ “Salom, Vinales sign two-year Pons deals”. Crash.net (Crash Media Group). (11 September 2013) 10 November 2013閲覧。
- ^ “Statement - Luis Salmon”. motogp.com. Dorna Sports SL (3 June 2016). 3 June 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月3日閲覧。
- ^ Moto2ライダー、ルイス・サロムがセッション中の転倒事故で亡くなる - Autosport web 2016年6月4日付
- ^ “Catalulnya MotoGP to use F1 layout following Salom tragedy”. Crash.net (Crash.net). (3 June 2016) 4 June 2016閲覧。