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2011年のポルトガルグランプリ (ロードレース)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
ポルトガルの旗   2011年のポルトガルグランプリ
レース詳細
2011年のロードレース世界選手権 全18戦中第3戦
決勝日 2011年5月1日
開催地 エストリル・サーキット
開催コース 常設サーキット
4.182km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ スペインの旗 ダニ・ペドロサ
1:37.161 1:37.629
表彰台
1. スペインの旗 ダニ・ペドロサ
2. スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ 3. オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
ドイツの旗 ステファン・ブラドル イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ
1:41.591 1:42.026
表彰台
1. ドイツの旗 ステファン・ブラドル
2. スペインの旗 フリアン・シモン 3. 日本の旗 高橋裕紀


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 ニコラス・テロル スペインの旗 ニコラス・テロル
1:46.556 1:46.815
表彰台
1. スペインの旗 ニコラス・テロル
2. ドイツの旗 サンドロ・コルテセ 3. フランスの旗 ヨハン・ザルコ


2011年のポルトガルグランプリは、ロードレース世界選手権の2011年シーズン第3戦として、4月29日から5月1日までポルトガルのエストリル・サーキットで開催された。当初のカレンダーでは第4戦だったが、第3戦日本GPが東日本大震災の影響で10月に延期となったことから、前戦スペインGPから約1ヶ月という長いインターバルを挟んでの開催となった。

概要

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Moto2クラス

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Moto2クラス予選では、ステファン・ブラドルが開幕から3戦連続となるポールポジションを獲得した。続いてトーマス・ルティ、フリアン・シモンがフロントロウに並んだ[1]。

日曜日の決勝レース、スタートではブラドルがトップを維持した。4周目にはルティがトップに浮上するが、その直後に転倒リタイヤとなった。代わってブラドルに迫ったのは前年のポルトガルGPで選手権にデビューしたケナン・ソフォーグルだったが、中盤に入り徐々にペースを落として17周目には転倒リタイヤとなった。終盤には14番グリッドスタートだったアンドレア・イアンノーネがファステストラップを連発しながら猛烈な追い上げを見せて22周目にはブラドルからトップの座を奪うが、次の周に転倒を喫してしまった。その後ブラドルは最後までシモンの追撃を抑えきり、シーズン2勝目を挙げた。2位シモンはこのシーズン初の表彰台となった。3位には高橋裕紀が入り、4月24日に交通事故で亡くなった弟の高橋江紀に自身シーズン初の表彰台を捧げた。

4位には自身最高位となるドミニク・エガーターが入った。4番グリッドからスタートしたルーキーのマルク・マルケスは8位走行中の8周目にスコット・レディングに追突して転倒、下位に沈んで開幕から3戦連続でノーポイントに終わった。 ポイントランキングではブラドルがポイントリーダーに再浮上。今回13位に終わった2番手のイアンノーネに13ポイント差、5位でフィニッシュした3番手のシモーネ・コルシに24ポイント差、4番手タイのルティ、シモンに25ポイント差とした[2]。

MotoGPクラス

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MotoGPクラスでは今回のグランプリより、開幕戦カタールGPで大腿骨骨折の重傷を負っていたリズラ・スズキのアルバロ・バウティスタがレースに復帰した[3][4]。

予選ではホルヘ・ロレンソがシーズン初のポールポジションを獲得、2番手にはクラス自己最高グリッドとなるマルコ・シモンチェリが入った。3番手にはインターバルの間に鎖骨の金属プレートを取り除く手術を受けたダニ・ペドロサが続いた[5]。また予選後の記者会見で、ロレンソがシモンチェリのライディングスタイルを「アグレッシブすぎる。将来問題を起こすだろう」と批判したことから、両者が口論を繰り広げた[6][7]。

日曜日の決勝は、1周目4コーナーでシモンチェリ、更にエクトル・バルベラが共にハイサイドでクラッシュ。更に2周目にはカレル・アブラハムが転倒、ベン・スピーズ、ニッキー・ヘイデンが共にコースアウトする荒れた幕開けとなった。優勝争いは、トップのロレンソにペドロサがぴったりと食らいついて追う長いマッチレースが展開されることとなった。決着は残り4周となった24周目、1コーナーでロレンソをオーバーテイクしトップに立ったペドロサはファステストラップを連発してリードをどんどん広げ、シーズン初勝利を遂げた。

3番手には終始単独走行となったケーシー・ストーナー、4番手にはフィニッシュライン直前でバレンティーノ・ロッシを差したアンドレア・ドヴィツィオーゾが続いた。青山博一はカル・クラッチローとのバトルを制し、サテライト勢2番手となる7位でフィニッシュを果たした。

ポイントランキングでは、3戦連続で表彰台を獲得しているロレンソを、同じく連続表彰台のペドロサが4ポイント差で追う形となった。3番手ストーナーはトップから24ポイント差となった[8]。

125ccクラス

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125ccクラス予選では、ニコラス・テロルがシーズン2度目のポールポジションを獲得、2番手にはサンドロ・コルテセ、3番手には地元のルーキーミゲル・オリベイラが続き、ポルトガル人ライダー初となるフロントロウを獲得した[9]。

3クラス中最後の開催となった日曜日の決勝では、テロルが序盤から他を圧倒するラップタイムを刻んで独走態勢を築き、開幕から3連勝を遂げた。125ccクラスでの開幕3連勝は1999年の東雅雄以来のこととなった。

2位の座はレース終盤コルテセ、エクトル・ファウベル、ヨハン・ザルコ、そしてルーキーのマーベリック・ビニャーレスの4台によって争われた。ファウベルは残り4周時点でハイサイドから転倒リタイヤ、開幕から毎戦表彰台争いを展開しながらも、またも結果を残せず終えることとなった。この転倒で後続との差が僅かに広がったコルテセが2位でフィニッシュを果たした。3位争いはフィニッシュライン直前にビニャーレスのスリップストリームからザルコが抜け出す形で両者がほぼ同時にゴール、ビデオ判定の結果ザルコが3位となり、2戦連続で表彰台を獲得した。地元オリベイラは7位フィニッシュとなった。

今回のレースのスタートでは、下位グリッドで明らかなフライングを犯したルイジ・モルシアーノを起因として、ダニー・ケント、ピーター・セベスティエン、ジャスパー・イウェマの計4台がジャンプスタートによりライドスルーペナルティを科せられた。

ポイントランキングでは、ここまで無敗で75ポイントを稼いだテロルが、今回の2位でランキング2番手に浮上したコルテセとの差を25ポイントとした[10]。

MotoGPクラス決勝結果

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順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 26 スペインの旗 ダニ・ペドロサ ホンダ 28 45:51.483 3 25
2 1 スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 28 +3.051 1 20
3 27 オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー ホンダ 28 +7.658 4 16
4 4 イタリアの旗 アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 28 +16.530 6 13
5 46 イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ ドゥカティ 28 +16.555 9 11
6 5 アメリカ合衆国の旗 コーリン・エドワーズ ヤマハ 28 +32.575 7 10
7 7 日本の旗 青山博一 ホンダ 28 +38.749 11 9
8 35 イギリスの旗 カル・クラッチロー ヤマハ 28 +40.912 8 8
9 69 アメリカ合衆国の旗 ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 28 +54.887 13 7
10 14 フランスの旗 ランディ・ド・プニエ ドゥカティ 28 +59.697 16 6
11 24 スペインの旗 トニ・エリアス ホンダ 28 +1:00.374 17 5
12 65 イタリアの旗 ロリス・カピロッシ ドゥカティ 28 +1:01.793 14 4
13 19 スペインの旗 アルバロ・バウティスタ スズキ 28 +1:24.370 15 3
Ret 11 アメリカ合衆国の旗 ベン・スピーズ ヤマハ 12 アクシデント 5
Ret 17 チェコの旗 カレル・アブラハム ドゥカティ 1 アクシデント 12
Ret 58 イタリアの旗 マルコ・シモンチェリ ホンダ 0 アクシデント 2
Ret 8 スペインの旗 エクトル・バルベラ ドゥカティ 0 アクシデント 10

Moto2クラス決勝結果

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順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 65 ドイツの旗 ステファン・ブラドル カレックス 26 44:40.765 1 25
2 60 スペインの旗 フリアン・シモン スッター 26 +0.147 3 20
3 72 日本の旗 高橋裕紀 モリワキ 26 +6.188 7 16
4 77 スイスの旗 ドミニク・エガーター スッター 26 +16.822 5 13
5 3 イタリアの旗 シモーネ・コルシ FTR 26 +17.076 17 11
6 44 スペインの旗 ポル・エスパルガロ FTR 26 +25.956 10 10
7 4 スイスの旗 ランディ・クルメナッハ カレックス 26 +26.102 25 9
8 25 イタリアの旗 アレックス・バルドリーニ スッター 26 +26.333 12 8
9 63 フランスの旗 マイク・ディ・メッリオ テック3 26 +26.636 26 7
10 34 スペインの旗 エステベ・ラバト FTR 26 +29.077 23 6
11 71 イタリアの旗 クラウディオ・コルティ スッター 26 +39.637 30 5
12 15 サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス モトビ 26 +39.913 28 4
13 29 イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ スッター 26 +42.466 14 3
14 88 スペインの旗 リカルド・カルダス モリワキ 26 +47.382 20 2
15 80 スペインの旗 アクセル・ポンス ポンス カレックス 26 +47.406 16 1
16 35 イタリアの旗 ラファエレ・デ・ロサ モリワキ 26 +48.025 18
17 9 アメリカ合衆国の旗 ケニー・ノエス FTR 26 +52.538 27
18 68 コロンビアの旗 ヨニー・エルナンデス FTR 26 +53.478 33
19 21 スペインの旗 ハビエル・フォレス スッター 26 +53.938 31
20 75 イタリアの旗 マティア・パシーニ FTR 26 +56.089 19
21 93 スペインの旗 マルク・マルケス スッター 26 +1:04.697 4
22 51 イタリアの旗 ミケーレ・ピロ モリワキ 26 +1:04.890 6
23 39 ベネズエラの旗 ロベルティーノ・ピエトリ スッター 26 +1:17.101 35
24 64 コロンビアの旗 サンティアゴ・エルナンデス FTR 26 +1:18.110 34
25 45 イギリスの旗 スコット・レディング スッター 26 +1:26.190 13
26 19 ベルギーの旗 ザビエル・シメオン テック3 26 +1:27.600 21
27 13 オーストラリアの旗 アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 26 +1:36.540 29
28 95 カタールの旗 マシェル・アル・ナイミ モリワキ 25 +1 Lap 36
29 38 イギリスの旗 ブラッドリー・スミス テック3 24 +2 Laps 15
Ret 53 フランスの旗 バレンティン・デビーズ FTR 23 アクシデント 32
Ret 14 タイ王国の旗 ラタパー・ウィライロー FTR 21 棄権 24
Ret 36 フィンランドの旗 ミカ・カリオ スッター 18 アクシデント 22
Ret 40 スペインの旗 アレックス・エスパルガロ ポンス カレックス 18 棄権 11
Ret 54 トルコの旗 ケナン・ソフォーグル スッター 17 棄権 8
Ret 16 フランスの旗 ジュール・クルーセル スッター 11 アクシデント 9
Ret 97 南アフリカ共和国の旗 Steven Odendaal スッター 7 棄権 37
Ret 12 スイスの旗 トーマス・ルティ スッター 4 アクシデント 2
DNS 49 イギリスの旗 ケブ・コフラン FTR スタートせず
DNS 76 ドイツの旗 マックス・ノイキルヒナー MZ-RE ホンダ スタートせず
DNQ 99 ポーランドの旗 ルーカス・ワルガラ モリワキ 予選落ち

125ccクラス決勝結果

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順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 18 スペインの旗 ニコラス・テロル アプリリア 23 41:21.986 1 25
2 11 ドイツの旗 サンドロ・コルテセ アプリリア 23 +3.671 2 20
3 5 フランスの旗 ヨハン・ザルコ デルビ 23 +4.466 6 16
4 25 スペインの旗 マーベリック・ビニャーレス アプリリア 23 +4.468 11 13
5 94 ドイツの旗 ジョナス・フォルガー アプリリア 23 +12.140 8 11
6 7 スペインの旗 エフレン・バスケス デルビ 23 +20.304 9 10
7 44 ポルトガルの旗 ミゲル・オリベイラ アプリリア 23 +25.905 3 9
8 39 スペインの旗 ルイス・サロム アプリリア 23 +46.316 7 8
9 26 スペインの旗 アドリアン・マルティン アプリリア 23 +46.395 10 7
10 15 イタリアの旗 シモーネ・グロツキー アプリリア 23 +49.447 14 6
11 63 マレーシアの旗 ズルファミ・カイルディン デルビ 23 +51.071 15 5
12 33 スペインの旗 セルヒオ・ガデア アプリリア 23 +1:00.365 12 4
13 84 チェコの旗 ヤコブ・コーンフェール アプリリア 23 +1:00.479 16 3
14 31 フィンランドの旗 ニクラス・アジョ アプリリア 23 +1:11.738 19 2
15 52 イギリスの旗 ダニー・ケント アプリリア 23 +1:13.752 23 1
16 99 イギリスの旗 ダニー・ウェブ マヒンドラ 23 +1:15.357 18
17 76 日本の旗 尾野弘樹 KTM 23 +1:18.155 21
18 77 ドイツの旗 マルセル・シュロッター マヒンドラ 23 +1:27.900 26
19 30 スイスの旗 ジュリアン・ペドーネ アプリリア 23 +1:32.623 24
20 36 スペインの旗 ホアン・ペレロ アプリリア 23 +1:35.088 25
21 3 イタリアの旗 ルイジ・モルシアーノ アプリリア 22 +1 Lap 22
22 86 ドイツの旗 Kevin Hanus ホンダ 22 +1 Lap 29
23 56 ハンガリーの旗 ピーター・セベスティエン KTM 22 +1 Lap 27
24 69 インドの旗 サラス・クマー アプリリア 21 +2 Laps 30
Ret 55 スペインの旗 エクトル・ファウベル アプリリア 19 アクシデント 4
Ret 21 イギリスの旗 ハリー・スタフォード アプリリア 18 棄権 17
Ret 53 オランダの旗 ジャスパー・イウェマ アプリリア 12 棄権 20
Ret 43 イタリアの旗 フランチェスコ・マウリエロ アプリリア 8 棄権 28
Ret 96 フランスの旗 ルイ・ロッシ アプリリア 6 アクシデント 13
Ret 23 スペインの旗 アルベルト・モンカヨ アプリリア 4 棄権 5
DNS 17 イギリスの旗 テイラー・マッケンジー アプリリア スタートせず
DNS 19 イタリアの旗 アレッサンドロ・トヌッチ アプリリア スタートせず

脚注

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  1. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/moto2+report+QP+estoril
  2. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Estoril+Moto2+Race+Report
  3. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/bautista+fit+for+race
  4. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/bautista+after+Estoril+FP
  5. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/motogp+report+QP+estoril
  6. ^ http://www.motorcycle-usa.com/791/9872/Motorcycle-Article/Estoril-Insider--Simoncelli---Lorenzo-Feud.aspx
  7. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Estoril+QP+press+conference+Lorenzo+Simoncelli
  8. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Estoril+MotoGP+Race+Report
  9. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/125+report+QP+estoril
  10. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Estoril+125cc+Race+Report

参考文献

[編集]
ウィキメディア・コモンズには、2011年のポルトガルグランプリ (ロードレース)に関連するカテゴリがあります。


前戦
2011年のスペイングランプリ 		ロードレース世界選手権
2011年シーズン 		次戦
2011年のフランスグランプリ
前回開催
2010年のポルトガルグランプリ 		ポルトガルの旗 ポルトガルグランプリ 次回開催
2012年のポルトガルグランプリ
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