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2011年のスペイングランプリ (ロードレース)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
スペインの旗   2011年のスペイングランプリ
レース詳細
2011年のロードレース世界選手権 全18戦中第2戦
決勝日 2011年4月3日
開催地 ヘレス・サーキット
開催コース 常設サーキット
4.423km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ
1:38.757 1:48.753
表彰台
1. スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ
2. スペインの旗 ダニ・ペドロサ 3. アメリカ合衆国の旗 ニッキー・ヘイデン


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
ドイツの旗 ステファン・ブラドル イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ
1:42.706 1:53.893
表彰台
1. イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ
2. スイスの旗 トーマス・ルティ 3. イタリアの旗 シモーネ・コルシ


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
ドイツの旗 サンドロ・コルテセ スペインの旗 エクトル・ファウベル
1:47.399 1:55.605
表彰台
1. スペインの旗 ニコラス・テロル
2. ドイツの旗 ジョナス・フォルガー 3. フランスの旗 ヨハン・ザルコ


2011年のスペイングランプリは、ロードレース世界選手権の2011年シーズン第2戦として、4月1日から3日までスペインのヘレス・デ・ラ・フロンテーラにあるヘレス・サーキットで開催された。

概要

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125ccクラス

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125ccクラス予選では、地元勢を抑えてドイツのサンドロ・コルテセがポールポジションを獲得、チーム・アスパーのニコラス・テロル、エクトル・ファウベルの2人がフロントロウに並んだ[1]。

ウェットコンディションとなった日曜日の決勝レースでは、テロルとファウベルによるマッチレースが展開されていたが、ファイナルラップにファウベルが転倒を喫して下位に沈み、テロルが開幕から2連勝を遂げた。2位には2009年のフランスGP以来の表彰台となるジョナス・フォルガーが、3位には自身初表彰台となるヨハン・ザルコが続いた。

ファウベル以外にも、今回のレースでは表彰台争いを展開中に雨に足をすくわれて転倒を喫するライダーが続出した。ルーキーのミゲル・オリベイラが6周目に、マーベリック・ビニャーレスが16周目に、エフレン・バスケスが18周目に、コルテセが19周目にそれぞれ転倒し、リタイヤで姿を消すか下位に沈むかした。そんな中イギリスのルーキー2人、ダニー・ケントとテイラー・マッケンジーが生き残り、各人のベストリザルトとなる4位・5位に入った。同じくルーキーの尾野弘樹は8位争いの集団バトルを制し、初ポイント獲得を果たした[2]。

Moto2クラス

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Moto2クラス予選では、カレックスを駆るドイツのステファン・ブラドルが2戦連続でポールポジションを獲得、モリワキを駆る日本の高橋裕紀が2番手に、スッターを駆るスイスのトーマス・ルティが3番手に続き、各人の母国製のシャシーを駆るライダーがフロントロウに並んだ[3]。

125ccに続いてウェットレースとなった決勝では、14周目にトップに立ったアンドレア・イアンノーネがその後独走態勢を築き、シーズン初優勝を果たした。2位にはルティ、3位にはシモーネ・コルシが入った。高橋も序盤は表彰台圏内を走行していたが、10周目に転倒を喫してリタイヤに終わった。

4位にはルーキーのブラッドリー・スミスが入った。同じくルーキーのマルク・マルケスは5位を走行中の11周目に、ブレーキングミスを犯したジュール・クルーセルに追突されて2戦連続のリタイヤに終わった[4]。

MotoGPクラス

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MotoGPクラスでは今回、開幕戦カタールGPで大腿骨骨折の重傷を負ったリズラ・スズキのアルバロ・バウティスタの代役として、ジョン・ホプキンスが3シーズンぶりにグランプリ復帰を果たした[5]。

土曜日の予選ではケーシー・ストーナーが開幕から2戦連続でポールポジションを獲得、2番手はダニ・ペドロサ、3番手はホルヘ・ロレンソとなり、フロントロウの並びは前戦と同じになった[6]。

日曜日、MotoGP決勝前まで雨が降り続き、今回は全クラスがウェットレースとなった。しかしスタート直前になって雨は上がり、路面は徐々に乾いていくこととなった。そのためレインタイヤの摩耗が激しくなり、125ccクラス以上に大荒れのレースが展開されることとなった[7]。

レース序盤はストーナーがトップを維持していたが、5番グリッドからスタートしたマルコ・シモンチェリが6周目にトップに浮上する。12番グリッドからのスタートになったバレンティーノ・ロッシもウェットでの速さを見せ、8周目には2位のストーナーのインを差してオーバーテイクを仕掛けるが転倒。ストーナーを巻き込んでリタイヤに追いやるが、ロッシ自身は最下位ながらレースに復帰した。このときコースマーシャルがロッシへの手助けを優先したことに、ストーナーは怒りをあらわにした[8]。

2人のクラッシュにより独走状態となったシモンチェリだが、12周目に痛恨のハイサイドを喫しリタイヤ、最高峰クラス初優勝を逃した。これでトップに立ったのはロレンソ、2番手には序盤に下位に沈みながらもその後巻き返しを見せたペドロサが追いすがるが、ロレンソが徐々にリードを広げる。逆にペドロサはベン・スピーズの猛追を受け、24周目にはスピーズが2番手に立ちヤマハワークスの1-2体制となる。しかし次の周にスピーズは転倒リタイヤとなってしまう。これでロレンソを脅かすライダーはいなくなり、独走でスペインGP二連覇を果たし、前年と同じくコース脇の池に飛び込んで喜びを表した。

3番手以降でも波乱が多発した。10周目には4番手を走行していたアンドレア・ドヴィツィオーゾがコースアウト、13周目には7番手を走行していたランディ・ド・プニエが、19周目には代わって7番手に立っていたカレル・アブラハムが、20周目には5番手のカル・クラッチロー、ファイナルラップの27周目には3番手のコーリン・エドワーズが転倒を喫し、それぞれ下位に沈むかリタイヤとなった。そんな中ニッキー・ヘイデンがノートラブルで走りきり3位表彰台を獲得、そしてヘイデンから0.4秒差の4位に青山博一が入り、自身クラス最高位を更新した[9]。

5位には最後尾から巻き返しを見せたロッシが入った。ゴール後ロッシはレプソル・ホンダのピットに向かい、テレビカメラの前でストーナーに謝罪した。これに対しストーナーは笑顔を見せながらも、"Obviously your ambition outweighs your talent.（あなたの野心が才能を上回っちゃったんだね）"と強い皮肉で応えた[10]。

MotoGPクラス決勝結果

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順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 1 スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 27 50:49.046 3 25
2 26 スペインの旗 ダニ・ペドロサ ホンダ 27 +19.339 2 20
3 69 アメリカ合衆国の旗 ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 27 +29.085 11 16
4 7 日本の旗 青山博一 ホンダ 27 +29.551 10 13
5 46 イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ ドゥカティ 27 +1:02.227 12 11
6 8 スペインの旗 エクトル・バルベラ ドゥカティ 27 +1:08.440 13 10
7 17 チェコの旗 カレル・アブラハム ドゥカティ 27 +1:14.120 16 9
8 35 イギリスの旗 カル・クラッチロー ヤマハ 27 +1:19.110 9 8
9 24 スペインの旗 トニ・エリアス ホンダ 27 +1:42.906 17 7
10 21 アメリカ合衆国の旗 ジョン・ホプキンス スズキ 27 +1:48.395 14 6
11 65 イタリアの旗 ロリス・カピロッシ ドゥカティ 27 +1:51.876 15 5
12 4 イタリアの旗 アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 26 +1 Lap 6 4
Ret 5 アメリカ合衆国の旗 コーリン・エドワーズ ヤマハ 26 アクシデント 8
Ret 11 アメリカ合衆国の旗 ベン・スピーズ ヤマハ 24 アクシデント 4
Ret 14 フランスの旗 ランディ・ド・プニエ ドゥカティ 16 棄権 7
Ret 58 イタリアの旗 マルコ・シモンチェリ ホンダ 11 アクシデント 5
Ret 27 オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー ホンダ 7 衝突 1

Moto2クラス決勝結果

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順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 29 イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ スッター 26 49:56.423 11 25
2 12 スイスの旗 トーマス・ルティ スッター 26 +7.850 3 20
3 3 イタリアの旗 シモーネ・コルシ FTR 26 +12.625 18 16
4 38 イギリスの旗 ブラッドリー・スミス テック3 26 +15.355 5 13
5 65 ドイツの旗 ステファン・ブラドル カレックス 26 +17.850 1 11
6 60 スペインの旗 フリアン・シモン スッター 26 +24.247 10 10
7 15 サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス モトビ 26 +27.991 6 9
8 49 イギリスの旗 ケブ・コフラン FTR 26 +36.181 24 8
9 51 イタリアの旗 ミケーレ・ピロ モリワキ 26 +36.775 7 7
10 76 ドイツの旗 マックス・ノイキルヒナー MZ-RE ホンダ 26 +41.407 36 6
11 13 オーストラリアの旗 アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 26 +41.711 30 5
12 14 タイ王国の旗 ラタパー・ウィライロー FTR 26 +41.870 31 4
13 75 イタリアの旗 マティア・パシーニ FTR 26 +42.313 34 3
14 68 コロンビアの旗 ヨニー・エルナンデス FTR 26 +45.384 22 2
15 34 スペインの旗 エステベ・ラバト FTR 26 +47.193 21 1
16 54 トルコの旗 ケナン・ソフォーグル スッター 26 +47.204 12
17 36 フィンランドの旗 ミカ・カリオ スッター 26 +47.316 14
18 21 スペインの旗 ハビエル・フォレス スッター 26 +50.677 26
19 19 ベルギーの旗 ザビエル・シメオン テック3 26 +57.958 32
20 44 スペインの旗 ポル・エスパルガロ FTR 26 +58.554 27
21 71 イタリアの旗 クラウディオ・コルティ スッター 26 +1:07.467 9
22 88 スペインの旗 リカルド・カルダス モリワキ 26 +1:10.925 19
23 45 イギリスの旗 スコット・レディング スッター 26 +1:16.149 13
24 40 スペインの旗 アレックス・エスパルガロ ポンス カレックス 26 +1:19.512 8
25 35 イタリアの旗 ラファエレ・デ・ロサ モリワキ 26 +1:22.549 33
26 63 フランスの旗 マイク・ディ・メッリオ テック3 26 +1:26.753 29
27 4 スイスの旗 ランディ・クルメナッハ カレックス 26 +1:37.226 28
28 77 スイスの旗 ドミニク・エガーター スッター 26 +1:42.838 15
29 9 アメリカ合衆国の旗 ケニー・ノエス FTR 26 +1:54.532 25
30 53 フランスの旗 バレンティン・デビーズ FTR 26 +1:57.120 17
31 64 コロンビアの旗 サンティアゴ・エルナンデス FTR 25 +1 Lap 37
32 97 南アフリカ共和国の旗 Steven Odendaal スッター 25 +1 Lap 38
33 95 カタールの旗 マシェル・アル・ナイミ モリワキ 23 +3 Laps 39
Ret 25 イタリアの旗 アレックス・バルドリーニ スッター 12 棄権 23
Ret 93 スペインの旗 マルク・マルケス スッター 10 衝突 4
Ret 16 フランスの旗 ジュール・クルーセル スッター 10 衝突 16
Ret 72 日本の旗 高橋裕紀 モリワキ 9 アクシデント 2
Ret 39 ベネズエラの旗 ロベルティーノ・ピエトリ スッター 4 アクシデント 35
Ret 99 ポーランドの旗 ルーカス・ワルガラ モリワキ 1 アクシデント 40
Ret 80 スペインの旗 アクセル・ポンス ポンス カレックス 0 棄権 20

125ccクラス決勝結果

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順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 18 スペインの旗 ニコラス・テロル アプリリア 23 44:50.646 2 25
2 94 ドイツの旗 ジョナス・フォルガー アプリリア 23 +17.446 7 20
3 5 フランスの旗 ヨハン・ザルコ デルビ 23 +23.955 5 16
4 52 イギリスの旗 ダニー・ケント アプリリア 23 +32.883 9 13
5 17 イギリスの旗 テイラー・マッケンジー アプリリア 23 +34.713 16 11
6 11 ドイツの旗 サンドロ・コルテセ アプリリア 23 +51.515 1 10
7 84 チェコの旗 ヤコブ・コーンフェール アプリリア 23 +54.920 17 9
8 76 日本の旗 尾野弘樹 KTM 23 +1:00.164 21 8
9 7 スペインの旗 エフレン・バスケス デルビ 23 +1:00.286 4 7
10 63 マレーシアの旗 ズルファミ・カイルディン デルビ 23 +1:00.399 18 6
11 55 スペインの旗 エクトル・ファウベル アプリリア 23 +1:00.760 3 5
12 26 スペインの旗 アドリアン・マルティン アプリリア 23 +1:07.739 14 4
13 77 ドイツの旗 マルセル・シュロッター マヒンドラ 23 +1:19.710 23 3
14 96 フランスの旗 ルイ・ロッシ アプリリア 23 +1:21.812 13 2
15 28 スペインの旗 ジュゼップ・ロドリゲス アプリリア 23 +1:23.118 20 1
16 23 スペインの旗 アルベルト・モンカヨ アプリリア 23 +1:24.040 10
17 15 イタリアの旗 シモーネ・グロツキー アプリリア 23 +1:30.610 22
18 21 イギリスの旗 ハリー・スタフォード アプリリア 23 +1:30.952 27
19 19 イタリアの旗 アレッサンドロ・トヌッチ アプリリア 23 +1:55.354 26
20 3 イタリアの旗 ルイジ・モルシアーノ アプリリア 22 +1 Lap 25
21 34 スペインの旗 Daniel Ruiz ホンダ 22 +1 Lap 31
22 12 ドイツの旗 ダニエル・カーセイニンガー KTM 22 +1 Lap 29
23 36 スペインの旗 ホアン・ペレロ アプリリア 22 +1 Lap 30
24 86 ドイツの旗 Kevin Hanus ホンダ 21 +2 Laps 32
Ret 25 スペインの旗 マーベリック・ビニャーレス アプリリア 15 棄権 12
Ret 33 スペインの旗 セルヒオ・ガデア アプリリア 15 アクシデント 11
Ret 53 オランダの旗 ジャスパー・イウェマ アプリリア 15 棄権 15
Ret 43 イタリアの旗 フランチェスコ・マウリエロ アプリリア 13 アクシデント 33
Ret 99 イギリスの旗 ダニー・ウェブ マヒンドラ 10 アクシデント 19
Ret 39 スペインの旗 ルイス・サロム アプリリア 9 アクシデント 6
Ret 30 スイスの旗 ジュリアン・ペドーネ アプリリア 8 棄権 28
Ret 44 ポルトガルの旗 ミゲル・オリベイラ アプリリア 5 アクシデント 8
Ret 31 フィンランドの旗 ニクラス・アジョ アプリリア 2 アクシデント 24
DNQ 69 インドの旗 サラス・クマー アプリリア 予選落ち

脚注

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  1. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/125+report+QP+jerez
  2. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/report+125+race+jerez
  3. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/moto2+report+jerez+QP
  4. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/moto2+report+jerez+race
  5. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/rizla+suzuki+jerez+gp+FP2
  6. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/motogp+report+jerez+QP
  7. ^ http://ms.bridgestone.co.jp/hp/bsms_index?aurl=bsms_contents?coid=1847
  8. ^ http://www.honda.co.jp/WGP/race2011/rd02/report/
  9. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/motogp+report+jerez+race
  10. ^ http://www.foxsports.com.au/motor-sports/moto-gp/casey-stoner-tells-valentino-rossi-his-ambition-outweighs-talent-after-jerez-crash/story-fn2ms4i4-1226033027977

参考文献

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前戦
2011年のカタールグランプリ 		ロードレース世界選手権
2011年シーズン 		次戦
2011年のポルトガルグランプリ
前回開催
2010年のスペイングランプリ 		スペインの旗 スペイングランプリ 次回開催
2012年のスペイングランプリ
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