ルノー・R31
2011年マレーシアGPにて ニック・ハイドフェルドが駆るR31 | |||||||||||
カテゴリー | F1 | ||||||||||
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コンストラクター | ルノー | ||||||||||
デザイナー | ジェームス・アリソン | ||||||||||
先代 | ルノー・R30 | ||||||||||
後継 | ロータス・E20 | ||||||||||
主要諸元 | |||||||||||
エンジン | ルノーRS27-2011 | ||||||||||
タイヤ | ピレリ | ||||||||||
主要成績 | |||||||||||
チーム | ロータス・ルノーGP | ||||||||||
ドライバー |
9. ニック・ハイドフェルド 9. ブルーノ・セナ 10. ヴィタリー・ペトロフ | ||||||||||
出走時期 | 2011年 | ||||||||||
通算獲得ポイント | 73 | ||||||||||
初戦 | 2011年オーストラリアGP | ||||||||||
最終戦 | 2011年ブラジルGP | ||||||||||
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ルノー・R31 (Renault R31) は、ロータス・ルノーGPが2011年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。2011年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。
概要
[編集]グループ・ロータスの資本参入によりチーム名は「ロータス・ルノーGP」となり、カラーリングはチーム・ロータスの1970年代から1980年代にかけてのメインスポンサーであるJPSを彷彿させる、「黒色ボディに金文字」という配色になった[1]。コンストラクター名はルノーのままだが、チームは完全に独立しており、ルノーのF1エンジン部門(ルノースポールF1)からエンジンやKERSの供給を受ける形となった。
特徴
[編集]R31の唯一無二の特徴として、特異な前方排気システムが挙げられる。通常、フォーミュラ1カーではエギゾーストパイプの出口を車両後端に配置するものであるが、R31では、エンジンからの排気をエキゾーストパイプをシャシー中央まで引き出し、サイドポット前方から排出するよう設計されている[2]。高速で吐き出される排気を利用してアンダーフロアを通過する気流の速度を増すことで、ダウンフォースの増大を狙っていると考えられている[3][4]。
ただし、このエギゾーストパイプ配置では、エンジンや燃料タンクなどが位置する部分(サイドポンツーン前端より後方)が高温の排気ガスにさらされる。そのため、この排気システムが他チームに広がることはなく、むしろ第5戦スペインGP予選と第11戦ハンガリーGP決勝でエギゾーストパイプのトラブルによってマシンが炎上している[5][6]。
2011年シーズン
[編集]開幕前のバレンシア合同テストではロバート・クビサがトップタイムを記録して注目を集めた[7]。しかし、クビサはラリー参戦中に重傷を負って全戦欠場することになり、代役としてニック・ハイドフェルドが起用された。
開幕戦ではヴィタリー・ペトロフがロシア人初となる3位表彰台を獲得。第2戦でもハイドフェルドが3位となり、好調なスタートを切った。しかし、シーズン経過とともに中団グループに後退し、後半戦は入賞圏外で終えるレースが目立つようになった。第10戦ドイツGPのフリー走行では、ハイドフェルドのマシンから前方排気を取り外し、他チームが採用しているようなブロウンディフューザーをテストした[8](実戦には未投入)。成績不振が続く中、チームはハイドフェルドに替えてブルーノ・セナを起用した。
テクニカルディレクターのジェームス・アリソンによれば、前方排気はアンダーステア対策として、車体中央付近のダウンフォースを増やす狙いがあったという[9]。風洞実験の数値から期待されたものの、実際はそれほどのダウンフォースを発生せず、低速コーナーに根本的な弱点を抱えていたという[10]。アリソンは「大胆な試みではあったが、最終的に失敗だった」と認めた[10]。
スペック
[編集]シャーシ
[編集]- シャーシ名 R31[11]
- シャーシ構造 カーボンファイバー/ハニカムコンポジット複合構造モノコック・ルノーV8エンジン搭載(ストレスメンバー)
- 全長 5,100mm
- 全幅 1,800mm
- 全高 950mm
- 前トレッド 1,450mm
- 後トレッド 1,400mm
- ブレーキキャリパー パッド・AP製キャリパー
- ブレーキディスク・パッド ヒトコ製カーボンファイバー製ディスクブレーキ
- サスペンション カーボンファイバー製ダブルウィッシュボーン、プッシュロッド(フロント)/プッシュロッド(リヤ)式トーションバー&アンチロールバー。アルミニウム合金製アップライト
- ダンパー マルチマチック
- ホイール O・Z
- タイヤ ピレリ
- ギアボックス 縦置き7速+リバース1速油圧式セミオートマチック(クイックシフト付き)/チタニウム製ケーシング
- エレクトロニクス MES-マイクロソフト スタンダードECU
- KERS バッテリーとルノー・スポーツが供給するモータージェネレーターユニットをエンジン前方に搭載。電子コントロールユニットはマニエッティ・マレリ製
- 重量 冷却水、潤滑油、ドライバーを含めて640kg
エンジン
[編集]- エンジン名 ルノーRS27-2011
- 気筒数・角度 V型8気筒・90度
- 排気量 2,400cc
- 最高回転数 18,000rpm(レギュレーションで規定)
- シリンダーブロック アルミニウム鋳造製
- バルブ数 32
- 重量 95kg
- 潤滑油 トタル
- エンジンマネージメント FIA(MES製)標準コントロールユニットTAG310B
記録
[編集]年 | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | ポイント | ランキング |
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AUS |
MAL |
CHN |
TUR |
ESP |
MON |
CAN |
EUR |
GBR |
GER |
HUN |
BEL |
ITA |
SIN |
JPN |
KOR |
IND |
ABU |
BRA | |||||
2011 | 9 | ハイドフェルド | 12 | 3 | 12 | 7 | 8 | 8 | Ret | 10 | 8 | Ret | Ret | 73 | 5位 | ||||||||
セナ | 13 | 9 | 15 | 16 | 13 | 12 | 16 | 17 | |||||||||||||||
10 | ペトロフ | 3 | 17 | 9 | 8 | 11 | Ret | 5 | 15 | 12 | 10 | 12 | 9 | Ret | 17 | 9 | Ret | 11 | 13 | 10 |
脚注
[編集]- ^ “ロータスがルノーの株式を取得。ルノーはサプライヤーに”. AUTOSPORT web. (2010年12月8日) 2010年12月8日閲覧。
- ^ “ロータス・ルノーGP R31、サイドポット前方に排気口を配置”. F1-Gate.com. (2011年2月2日) 2011年2月19日閲覧。
- ^ “ルノーの排気システム、2011年F1マシンのトレンドに?”. F1-Gate.com. (2011年2月3日) 2011年2月19日閲覧。
- ^ “Renault R31 - forward exhausts”. Formula1.com. (2011年2月11日) 2011年12月9日閲覧。
- ^ “ニック・ハイドフェルド、火災の原因はエキゾーストの故障”. F1-Gate.com. (2011年5月22日) 2011年8月1日閲覧。
- ^ “ニック・ハイドフェルド、マシン炎上も怪我はなし”. F1-Gate.com. (2011年8月1日) 2011年8月1日閲覧。
- ^ “バレンシアテスト最終日:2月3日”. ESPN F1. (2011年2月4日) 2011年12月9日閲覧。
- ^ “ルノー、前方排気を断念か。“通常型”をテストへ”. AUTOSPORT web. (2011年7月21日) 2011年12月9日閲覧。
- ^ 『オートスポーツ2月2日号』第1323号、三栄書房、2012年1月、65頁。
- ^ a b “R31は"大胆"だが失敗作とルノー”. ESPN F1. (2011年11月19日) 2011年12月9日閲覧。
- ^ “ロータス・ルノーGP R31”. F1-Gate.com. (2011年1月31日) 2011年2月4日閲覧。