西多摩郡
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西多摩郡(にしたまぐん)は、東京都の郡。東京都に現存する唯一の郡である。
人口53,858人、面積375.86km²、人口密度143人/km²。(2024年10月1日、推計人口)。
以下の3町1村を含む。
郡域
[編集]1878年(明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記3町1村から瑞穂町の一部(二本木・高根・駒形富士山・富士山栗原新田)を除き、以下の市全域を加えた区域にあたる。
隣接していた郡
[編集]発足時に隣接していた郡は以下の通り。
歴史
[編集]郡発足までの沿革
[編集]『旧高旧領取調帳』に記載されている明治初年時点での、多摩郡のうち後の当郡域の支配は以下の通りに記述されている。幕府領は代官・江川太郎左衛門支配所が管轄した。●は村内に寺社領が存在。(101村)
なお、氷川村・小河内村内の各村も1村に数える。
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領 | 49村 | 留浦村(小河内村のうち)、境村、小河内村ノ内・原村、●殿ヶ谷村、石畑村、●箱根ヶ崎村、長谷部新田、●福生村、●羽村、●上草花村、●菅生村、原小宮村、原小宮村・勘次郎組(原小宮村のうち)、●伊奈村、●横沢村、三内村、●網代村、●上平井村、留原村、●山田村、小中野村、●小和田村、●舘屋村、●高尾村、●檜原村、●新町村、●黒沢村、●北小曾木村、●根ヶ布村、●青梅村、日向和田村、●千ヶ瀬村、●河辺村、●友田村、竜寿寺村、駒木野村、●御嶽村、●柚木村、●二俣尾村、川井村、大丹波村、白丸村、棚沢村、丹三郎村、海沢村、氷川村ノ内・栃久保村、氷川村ノ内・大沢村/小菅村/日原村(日原村を指す)、氷川本村(氷川村を指す)、小河内村ノ内・河内村、小河内村ノ内・川野村 |
旗本領 | 22村 | 下師岡新田、五ノ神村、●瀬戸岡村、平沢村、●二宮村、●野辺村、●小川村、●雨間村、油平村、牛沼村、淵上村、中平井村、下平井村、●吹上村、大門村、木ノ下村、●谷野村、上成木村上下分(2村)、●西分村、畑中村、●日影和田村 | |
幕府領・旗本領 | 6村 | 熊川村、川崎村、●下草花村、●引田村、●五日市村、●今寺村 | |
藩領 | 上野前橋藩 | 9村 | 養沢村、●塩船村、●野上村、●藤橋村、●勝沼村、●長淵村上下分(上長淵村、下長淵村の2村を指す)、●沢井村、小丹波村 |
常陸龍ヶ崎藩[1] | 3村 | ●下代継村、●上代継村、●乙津村 | |
武蔵岩槻藩 | 3村 | ●富岡村、●下成木村上分(下成木村上下分の誤記か。2村に数える) | |
岩槻藩・前橋藩 | 1村 | ●南小曾木村 | |
幕府領・藩領 | 幕府領・三河西端藩 | 3村 | 下大久野村、●上大久野村、●北大久野村 |
旗本領・前橋藩 | 4村 | ●今井村、●上師岡村、●下師岡村、●下村(下村三郷) |
- 慶応4年=明治元年
- 明治初年(98村)
- 上草花村・下草花村が合併して草花村となる。
- 上平井村・中平井村・下平井村が合併して平井村となる。平井村は後に韮山県に属する。
- 明治2年
- 明治4年
- 明治5年
- 1月 - 各県の後の日の出町域が神奈川県に移管。該当区域は入間県(平井村の全域、大久野村のうち旧幕府領)、旧西端県(大久野村のうち旧西端藩領)。
- 5月 - 入間県のうち後の当郡に属する区域の残部が神奈川県に移管。
- 1873年(明治6年) - 上大久野村・下大久野村・北大久野村が合併して大久野村となる。(96村)
- 1874年(明治7年) - 上師岡村・下師岡村が合併して師岡村となる。(95村)
- 1875年(明治8年)(1町93村)
- 青梅村が青梅町に、竜寿寺村が梅沢村にそれぞれ改称。
- 栃久保村(氷川村のうち)が氷川村に編入。
郡発足以降の沿革
[編集]- 1878年(明治11年)11月18日 - 郡区町村編制法の神奈川県での施行により、神奈川県多摩郡のうち1町93村の区域をもって西多摩郡が発足。郡役所が青梅町(現在の青梅図書館の場所)に設置。
- 1889年(明治22年)
- 3月31日 - 下記の各町村が合併。(2町30村)
- 青梅町 ← 青梅町、勝沼村、西分村、日向和田村(現・青梅市)
- 五日市町 ← 五日市町[大部分]、小中野村(現・あきる野市)A
- 三ッ里村 ← 小和田村、留原村、高尾村(現・あきる野市)A
- 明治村 ← 館谷村、入野村、深沢村、五日市町[一部](現・あきる野市)A
- 西多摩村 ← 羽村、五ノ神村、川崎村(現・羽村市)
- 東秋留村 ← 野辺村、小川村、二宮村、平沢村、雨間村(現・あきる野市)
- 西秋留村 ← 淵上村、牛沼村、油平村、上代継村、下代継村、引田村(現・あきる野市)
- 増戸村 ← 伊奈村、山田村、網代村、横沢村、三内村(現・あきる野市)
- 霞村 ← 藤橋村、大門村、今井村、新町村、今寺村、野上村、吹上村、塩船村、根ヶ布村、谷野村、木野下村、師岡村(現・青梅市)
- 小曽木村 ← 南小曽木村、富岡村、黒沢村(現・青梅市)
- 成木村 ← 上成木村下分、上成木村上分、下成木村上分、下成木村下分、北小曽木村(現・青梅市)
- 調布村 ← 下長淵村、千ヶ瀬村、河辺村、上長淵村、友田村、駒木野村(現・青梅市)
- 吉野村 ← 下村三郷、畑中村、日影和田村、柚木村(現・青梅市)
- 三田村 ← 沢井村下分、沢井村上分、二俣尾村、御岳村、御岳山(現・青梅市)
- 古里村 ← 小丹波村、大丹波村、梅沢村、川井村、丹三郎村、棚沢村、白丸村(現・奥多摩町)
- 氷川村 ← 氷川村、日原村、海沢村、境村(現・奥多摩町)
- 小河内村 ← 川野村、原村、河内村、留浦村(現・奥多摩町)
- 小宮村 ← 養沢村、乙津村[大部分](現・あきる野市)A
- 戸倉村 ← 戸倉村、乙津村[一部](現・あきる野市)A
- 大久野村(単独村制。現・日の出町)
- 檜原村(檜原本村が単独村制。現・檜原村)
- 箱根ヶ崎村、石畑村、殿ヶ谷村(それぞれ単独村制。現・瑞穂町)B
- 長岡村 ← 長谷部新田、下師岡新田(現・瑞穂町)B
- 福生村、熊川村(それぞれ単独村制。現・福生市)C
- 菅生村、草花村、原小宮村、瀬戸岡村(それぞれ単独村制。現・あきる野市)D
- 平井村(単独村制。現・日の出町)D
- 4月1日 - 上記2町30村が町村制を施行。上記A - Dは町村組合を結成(名称は地図参照)。
- 3月31日 - 下記の各町村が合併。(2町30村)
- 1893年(明治26年)4月1日 - 東京府の管轄となる。
- 1899年(明治32年)7月1日 - 郡制を施行。
- 1918年(大正7年)12月1日 - 五日市町・三ッ里村・明治村が合併し、改めて五日市町が発足。(2町28村)
- 1921年(大正10年)4月1日 - 菅生村・草花村・原小宮村・瀬戸岡村が合併して多西村が発足。(2町25村)
- 1923年(大正12年)4月1日 - 郡会が廃止。残務処理のため郡役所は存続。
- 1926年(大正15年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 1940年(昭和15年)
- 1943年(昭和18年)7月1日 - 東京都制の施行により東京都の管轄となる。
- 1951年(昭和26年)4月1日 - 青梅町・霞村・調布村が合併して青梅市が発足し、郡より離脱。(4町16村)
- 1955年(昭和30年)
- 1956年(昭和31年)10月1日 - 西多摩村が町制施行・改称して羽村町となる。(6町2村)
- 1958年(昭和33年)10月15日 - 瑞穂町が埼玉県入間郡元狭山村を編入。
- 1970年(昭和45年)7月1日 - 福生町が市制施行して福生市となり、郡より離脱。(5町2村)
- 1972年(昭和47年)5月5日 - 秋多町が市制施行、即日改称して秋川市となり、郡より離脱。(4町2村)
- 1974年(昭和49年)6月1日 - 日の出村が町制施行して日の出町となる。(5町1村)
- 1991年(平成3年)11月1日 - 羽村町が市制施行して羽村市となり、郡より離脱。(4町1村)
- 1995年(平成7年)9月1日 - 五日市町が秋川市と合併してあきる野市が発足し、郡より離脱。(3町1村)
変遷表
[編集]自治体の変遷
明治22年以前 | 明治22年4月1日 | 明治22年 - 明治45年 | 大正元年 - 大正15年 | 昭和元年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和39年 | 昭和40年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
駒形富士山村 高根村 富士山栗原新田 |
埼玉県入間郡 元狭山村の一部 |
埼玉県入間郡 元狭山村 |
埼玉県入間郡 元狭山村 |
埼玉県入間郡 元狭山村 |
昭和33年10月15日 瑞穂町に編入 |
瑞穂町 | 瑞穂町 | 瑞穂町 |
箱根ヶ崎村 | 箱根ヶ崎村 | 箱根ヶ崎村 | 箱根ヶ崎村 | 昭和15年11月10日 瑞穂町 |
瑞穂町 | |||
石畑村 | 石畑村 | 石畑村 | 石畑村 | |||||
殿ヶ谷村 | 殿ヶ谷村 | 殿ヶ谷村 | 殿ヶ谷村 | |||||
長谷部新田 下師岡新田 |
長岡村 | 長岡村 | 長岡村 | |||||
藤橋村 | ||||||||
霞村 | 霞村 | 霞村 | 霞村 | 昭和26年4月1日 青梅市 |
青梅市 | 青梅市 | 青梅市 | |
大門村 今井村 新町村 今寺村 野上村 吹上村 塩船村 根ヶ布村 谷野村 木野下村 師岡村 | ||||||||
青梅町 | 青梅町 | 青梅町 | 青梅町 | 青梅町 | ||||
勝沼村 西分村 日向和田村 | ||||||||
下長淵村 千ヶ瀬村 河辺村 上長淵村 友田村 駒木野村 |
調布村 | 調布村 | 調布村 | 調布村 | ||||
小曽木村 富岡村 黒沢村 |
小曽木村 | 小曽木村 | 小曽木村 | 小曽木村 | 昭和30年4月1日 青梅市に編入 | |||
上成木村下分 上成木村上分 下成木村上分 下成木村下分 北小曽木村 |
成木村 | 成木村 | 成木村 | 成木村 | ||||
下村三郷 畑中村 日影和田村 柚木村 |
吉野村 | 吉野村 | 吉野村 | 吉野村 | ||||
沢井村下分 沢井村上分 二俣尾村 御岳村 御岳山 |
三田村 | 三田村 | 三田村 | 三田村 | ||||
福生村 | 福生村 | 福生村 | 福生村 | 昭和15年11月10日 福生町 |
福生町 | 昭和45年7月1日 市制 |
福生市 | 福生市 |
熊川村 | 熊川村 | 熊川村 | 熊川村 | |||||
菅生村 | 菅生村 | 菅生村 | 大正10年4月1日 多西村 |
多西村 | 昭和30年4月1日 秋多町 |
昭和47年5月5日 市制改称 秋川市 |
平成7年9月1日 あきる野市 |
あきる野市 |
草花村 | 草花村 | 草花村 | ||||||
原小宮村 | 原小宮村 | 原小宮村 | ||||||
瀬戸岡村 | 瀬戸岡村 | 瀬戸岡村 | ||||||
野辺村 小川村 二宮村 平沢村 雨間村 |
東秋留村 | 東秋留村 | 東秋留村 | 東秋留村 | ||||
淵上村 牛沼村 油平村 上代継村 下代継村 引田村 |
西秋留村 | 西秋留村 | 西秋留村 | 西秋留村 | ||||
小中野村 | 五日市町 | 五日市町 | 大正7年12月1日 五日市町 |
五日市町 | 昭和30年4月1日 五日市町 |
五日市町 | ||
五日市町 | ||||||||
明治村 | 明治村 | |||||||
館谷村 入野村 深沢村 | ||||||||
小和田村 留原村 高尾村 |
三ッ里村 | 三ッ里村 | ||||||
伊奈村 山田村 網代村 横沢村 三内村 |
増戸村 | 増戸村 | 増戸村 | 増戸村 | ||||
戸倉村 | 戸倉村 | 戸倉村 | 戸倉村 | 戸倉村 | ||||
乙野村 | ||||||||
小宮村 | 小宮村 | 小宮村 | 小宮村 | |||||
養沢村 | ||||||||
羽村 五ノ神村 川崎村 |
西多摩村 | 西多摩村 | 西多摩村 | 西多摩村 | 昭和31年10月1日 町制改称 羽村町 |
羽村町 | 平成3年11月1日 市制 |
羽村市 |
大久野村 | 大久野村 | 大久野村 | 大久野村 | 大久野村 | 昭和30年6月1日 日の出村 |
昭和49年6月1日 町制 |
日の出町 | 日の出町 |
平井村 | 平井村 | 平井村 | 平井村 | 平井村 | ||||
氷川村 日原村 海沢村 境村 |
氷川村 | 氷川村 | 氷川村 | 昭和15年2月11日 町制 |
昭和30年4月1日 奥多摩町 |
奥多摩町 | 奥多摩町 | 奥多摩町 |
小丹波村 大丹波村 梅沢村 川井村 丹三郎村 棚沢村 白丸村 |
古里村 | 古里村 | 古里村 | 古里村 | ||||
川野村 原村 河内村 留浦村 |
小河内村 | 小河内村 | 小河内村 | 小河内村 | ||||
檜原本村 | 檜原村 | 檜原村 | 檜原村 | 檜原村 | 檜原村 | 檜原村 | 檜原村 | 檜原村 |
行政
[編集]- 神奈川県西多摩郡長
『神奈川県史 別編1 人物』による[5]。
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 細谷五郎右衛門 | 明治11年(1878年)11月18日 | 明治15年(1882年)6月23日 | |
2 | 村上佳景 | 明治15年(1882年)6月23日 | 明治26年(1893年)3月31日 | 東京府に移管 |
- 東京府西多摩郡長
特記なき場合『東京府史 行政篇 第1巻』による[6]。
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 村上佳景 | 明治26年(1893年)4月1日 | 明治28年(1895年)9月10日 | 神奈川県西多摩郡長より留任 |
2 | 福井光 | 明治28年(1895年)9月10日 | 明治32年(1899年)4月8日 | |
3 | 丸山良香 | 明治32年(1899年)4月8日 | 明治33年(1900年)6月2日 | |
4 | 橋口常彦 | 明治33年(1900年)6月2日 | 明治35年(1902年)12月1日 | |
5 | 松平正秀 | 明治35年(1902年)12月1日 | 明治39年(1906年)12月11日 | 在任中に死去 |
6 | 武藤文吾 | 明治39年(1906年)12月22日 | 明治42年(1909年)5月 | のち八王子市長 |
7 | 安藤源治郎 | 明治42年(1909年)5月26日 | 大正4年(1915年)7月26日 | |
8 | 原林之助 | 大正4年(1915年) | 大正6年(1917年)4月28日 | 在任中に死去 |
9 | 川越守男 | 大正6年(1917年)5月16日 | 大正7年(1918年)10月10日 | |
10 | 山田信太郎 | 大正7年(1918年)10月10日 | 大正13年(1924年)12月16日 | |
11 | 奥田久七郎 | 大正13年(1924年)12月23日 | 大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 東京府 編『東京府史 行政篇 第1巻』東京府、1935年 。
- 神奈川県県民部県史編集室 編『神奈川県史 別編1 人物』神奈川県、1983年。
- 角川日本地名大辞典 編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 13 東京都』角川書店、1983年10月。ISBN 4040011309。
- “旧高旧領取調帳データベースの検索”. 国立歴史民俗博物館. 2022年11月15日閲覧。
外部リンク
[編集]- にしたまねっと - 西多摩地域広域行政圏協議会
関連項目
[編集]先代 多摩郡 |
行政区の変遷 1878年 - |
次代 (現存) |