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名鉄広見線

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広見線から転送)

名古屋鉄道 広見線
第二可児川橋梁を渡るワンマン列車(6000系)
第二可児川橋梁を渡るワンマン列車(6000系)
概要
系統 犬山方面
起終点 起点:犬山駅
終点:御嵩駅
駅数 11駅
路線記号 HM
ウェブサイト 広見線
運営
東濃鉄道線開業 1920年8月21日 (1920-08-21)
名鉄今渡線開業 1925年4月24日 (1925-04-24)
起点変更 1946年3月1日 (1946-03-01)
最終延伸 1952年4月1日 (1952-04-01)
所有者 東濃鉄道

東美鉄道+(旧)名古屋鉄道

東美鉄道+名岐鉄道

東美鉄道+名古屋鉄道

名古屋鉄道
路線諸元
路線総延長 22.3 km (13.9 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500 V,
架空電車線方式
運行速度 最高90km/h[1]
路線図
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広見線(ひろみせん)は、愛知県犬山市犬山駅から岐阜県可児市新可児駅を経て岐阜県可児郡御嵩町御嵩駅までを結ぶ、名古屋鉄道(名鉄)の鉄道路線。線名は可児市の母体の一つ広見町にちなむ名称である[注釈 1]

運賃計算区分はC(運賃計算に用いる距離は営業キロの1.25倍)。犬山駅 - 新可児駅間の各駅ではmanacaなどの交通系ICカード全国相互利用サービス対応カードが利用できる。

概要

起点の犬山駅を出ると進路を東に変え、富岡前駅に向かう。犬山駅 - 富岡前駅間には犬山検査場があり、回送列車も多く運転されている。犬山検査場への引き込み線(犬山駅の構内扱い)と分かれた後、善師野駅付近までは田園地帯を走る。県境付近では森の中を走り、途中愛岐トンネルをくぐる。可児市内では沿線に市街地や住宅地が広がる中を、新可児駅以東では可児川沿いを走る。かつて新可児駅以西と以東を直通する列車は同駅でスイッチバックしていた。また名古屋方面からの直通列車は配線上犬山駅でスイッチバックを行うため、犬山駅 - 新可児駅間は他の路線と進行方向が逆になる(1号車が下りを向く)。可児川駅から新可児駅までは東西にまっすぐ結ぶ経路にはなっておらず、北へ迂回して日本ライン今渡駅を経由する経路になっている。

以前は途中の明智駅から八百津線が分岐していたが、同線は2001年平成13年)に廃線となっている。

1984年昭和59年)に八百津線とともに当線でも富士重工業製の軽快気動車LE-Car」の試運転が行われ、閑散区間合理化のため名鉄がこれを採用し、同年八百津線、翌年に新可児駅 - 御嵩駅間の一部の列車がキハ10形で気動車化された。明智駅 - 御嵩駅間の気動車の運行はキハ10形からキハ30形に交代した1995年(平成7年)に終了し、新可児駅 - 明智駅間でも八百津線廃止後は気動車の運行が行われなくなった。

なお、犬山駅・新可児駅を除いて無人駅である。終日有人駅は犬山駅のみであり、新可児駅は特殊勤務駅である。

路線データ

歴史

広見線は新可児駅を境に成り立ちが異なっている。西側は名古屋鉄道(初代)によって開業したが、東側は東濃鉄道(初代。1944年設立の同名の会社とは別)によって軌間762mmの軽便鉄道として開業した。

新多治見駅 - 広見駅間を1918年に開業させていた東濃鉄道は、広見駅(現在の可児駅、ただし場所が異なる) - 御嵩駅(現在の御嵩口駅)間を1920年に延伸開業。のちに新多治見駅 - 広見駅間が国有化され太多線となり、広見駅 - 御嵩駅(当時)間は新会社の東美鉄道が承継した。名古屋鉄道の路線となったのは1943年のことである。

利用客の減少と駅集中管理システムの導入による経費削減のため、学校前駅2005年1月29日に廃止された。

存続問題

2007年に名鉄が新可児 - 御嵩間を廃止する可能性を示し、沿線自治体の可児市や御嵩町に今後の方向性や考えを打診しており、動向が注目される[2]。また、この区間の駅にはSFカードシステムを導入しないことが2008年3月27日に正式に発表された。その後、2010年度から3年間、可児市・御嵩町・八百津町の3自治体が赤字を補填することに決まった。補填額は3年間で合計3億円である。2013年2月には、可児市と御嵩町が引き続き3年間赤字を補填することが決定している。以降、赤字補填を継続しつつ存続している。

2010年10月から11月にはこの区間の定期運賃を半額にする実験が期間限定で行われたが、マイカーから電車への転換客が少なく良い成績を挙げることができなかった[3]

犬山 - 新可児も沿線の高齢化が進んでおり、日本ライン今渡駅と新可児駅を除いて利用客の減少が続いている。

年表

  • 1920年大正9年)8月21日:東濃鉄道が広見駅 - 御嵩駅(現在の御嵩口駅)間を開業。
  • 1925年(大正14年)4月24日:名古屋鉄道が今渡線として犬山口駅 - 今渡駅(現在の日本ライン今渡駅)間を開業。
  • 1926年(大正15年)9月23日:東濃鉄道が東美鉄道へ広見駅 - 御嵩駅(現在の御嵩口駅)間を譲渡。
  • 1928年昭和3年)
    • 10月1日:東美鉄道が全線を1067mm軌間に改軌、電化。国鉄広見駅(現在の可児駅)の移転に伴い、広見駅 - 伏見口駅(現在の明智駅)間の線路を移設。広見駅 - 伏見口駅間に前波駅、伏見口駅 - 御嵩駅(現在の御嵩口駅)間に顔戸駅開業。
    • 12月7日:前波駅 - 伏見口駅間に学校前駅開業。
  • 1929年(昭和4年)1月22日:名古屋鉄道が今渡駅 - 広見駅(現在の新可児駅)間を開業。今渡線を広見線と改称。
  • 1930年(昭和5年)
    • 2月16日:広見駅を新広見駅に改称。
    • 4月30日:東美鉄道 伏見口駅 - 兼山駅間開業。
    • 10月1日:東美鉄道 兼山駅 - 八百津駅間開業。
  • 1931年(昭和6年)4月29日:犬山口駅 - 富岡前駅間に東犬山駅開業。大曽根線(現在の小牧線)乗換駅。
  • 1943年(昭和18年)
    • 3月1日:名古屋鉄道が東美鉄道を合併。新広見駅(現在の新可児駅) - 御嵩駅(現在の御嵩口駅)間、伏見口駅 - 八百津駅間が東美線となる。
    • 11月1日:ライン遊園駅を土田(どた)駅に改称(現在の可児川駅)。
  • 1944年(昭和19年):前波駅休止。
  • 1946年(昭和21年)3月1日:広見線の犬山口駅 - 東犬山駅 - 富岡前駅間を廃止、犬山駅 - 富岡前駅間が開業。広見線の起点を犬山駅に変更。
  • 1948年(昭和23年)5月16日:東美線の新広見駅 - 御嵩駅(現在の御嵩口駅)間を広見線に編入。伏見口駅 - 八百津駅間は八百津線となる。
  • 1949年(昭和24年)12月1日:土田駅をライン遊園駅に改称。
  • 1952年(昭和27年)
    • 3月:丸山ダム建設工事線として、丸山水力専用鉄道 八百津駅 - 錦織駅間開業。
    • 4月1日:御嵩口駅 - 御嵩駅間が開業し、全通。これまでの御嵩駅を御嵩口駅と改称。
  • 1953年(昭和28年)7月:丸山水力専用鉄道 錦織駅 - 丸山発電所駅間開業。
  • 1954年(昭和29年)6月1日:丸山水力専用鉄道 八百津駅 - 丸山発電所駅間廃止。
  • 1957年(昭和32年)3月1日:ライン遊園駅の名古屋パルプ専用側線開通[4]
  • 1965年(昭和40年)3月21日:広見線の新広見駅 - 御嵩駅間と八百津線の架線電圧を1500Vに昇圧。
  • 1967年(昭和42年)8月17日:犬山駅 - 富岡前駅間複線化。
  • 1968年(昭和43年)
    • 3月8日:富岡前駅 - 善師野駅間複線化。
    • 12月7日:今渡駅 - 古市場信号場間を複線化。今渡駅 - 新広見駅間に古市場信号場設置。
  • 1969年(昭和44年)
    • 3月16日:善師野駅 - 春里信号場間複線化。愛岐駅・帷子駅・春里駅を統合し、帷子駅 - 春里駅間に西可児駅を設置。西可児駅 - ライン遊園駅間に春里信号場設置。
    • 4月5日:休止中の前波駅廃止。
    • 9月17日:古市場信号場 - 新広見間複線化。古市場信号場廃止。
    • 11月10日:ライン遊園駅を可児川駅に、今渡駅を日本ライン今渡駅に改称。
  • 1970年(昭和45年)3月6日:春里信号場 - 新広見駅間複線化[5]。春里信号場廃止。
  • 1982年(昭和57年)
    • 4月1日:可児市の市制施行に伴い、新広見駅を新可児駅に、伏見口駅を明智駅に改称。
    • 11月16日:名古屋パルプ専用線(1.6 km)廃止[6]
  • 1984年(昭和59年)9月23日:八百津線の電気運転廃止。レールバス化。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:新可児駅 - 御嵩駅間の一部列車にもレールバス投入。
  • 2001年平成13年)10月1日:八百津線 明智駅 - 八百津駅間廃止。
  • 2003年(平成15年)3月27日:平日昼間と休日の犬山線 - 御嵩直通を廃止。新可児で多くの列車が系統分割される。
  • 2005年(平成17年)1月29日:新可児駅 - 明智駅間の学校前駅廃止。
  • 2007年(平成19年)8月8日:富岡前駅 - 新可児駅間の各駅にトランパス導入。
  • 2008年(平成20年)6月29日:新可児駅 - 御嵩駅間でワンマン運転開始。それに従ってすべての列車が新可児止まりになる。
  • 2011年(平成23年)2月11日:富岡前駅 - 新可児駅間の各駅にICカード乗車券「manaca」導入。
  • 2012年(平成24年)2月29日:トランパス供用終了。
  • 2021年令和3年)5月22日:夕方以降の広見線へのミュースカイ乗り入れを廃止し下り営業列車は全て普通になる。同時に最終の犬山発新可児行きの運行を取りやめ、下りの終電を約14分繰り上げ。
  • 2023年(令和5年)
    • 3月12日:この日限りで土休日朝の新可児駅発の特急の運行を取りやめ。これにより土休日は普通列車のみの運行となる[注釈 2]
    • 3月18日:明智駅の行き違い設備の撤去に伴い、新可児駅 - 御嵩駅間は1本の列車しか入線できなくなる。
  • 2024年(令和6年)3月16日:犬山駅 - 新可児駅間でワンマン運転を開始。これにより平日朝の一部を除いて犬山線名鉄名古屋方面への直通がなくなり、線内折り返しとなる。

運行形態

日中の運行パターン
列車種別:   快速特急   特急   急行   準急   普通
No. 接続先 名鉄名古屋 枇杷島分岐点 岩倉 犬山 新可児 御嵩 本数
(毎時)
備考
名本線 犬山線 広見線
1 豊橋 →新鵜沼 2本 上りが特急、下りが快速特急。犬山で 3 と連絡。
2 中部国際空港 (各停) →新鵜沼 2本 犬山で 3 と連絡。
3 - 2本 犬山で 1・2 、下りは新可児で 6 と連絡。
4 河和 →新鵜沼 2本 犬山で 5 と連絡。
5 - 2本 犬山で 4 、上りは新可児で 6 と連絡。
6 - 2本 新可児で下りは 3 、上りは 5 と連絡。

運行形態は新可児駅を境に分断されている。現在は全区間ワンマン運転であるが、これも同駅を境に異なる方式(犬山側はどの車両のドアでも乗降可能、御嵩側は後乗り前降り)となっている。

犬山駅 - 新可児駅間

上りの朝の一部を除いて普通のみの運行。新可児駅までは6両まで入線可能。この区間の途中駅はすべて相対式ホーム2面2線となっており、新可児方面行きが1番線、犬山方面行きが2番線である。2024年3月16日のダイヤ改正まで中部国際空港駅始発の準急で6両で運転していた列車は、犬山駅で名鉄岐阜駅寄りの2両を切り離していたため、広見線へは基本的に4両で入線していた。ただし、2008年12月改正時点では平日に限り、昼以降の時間帯でも一部の列車は6000系列の6両編成で運転されていた。なお、この場合は豊橋駅、中部国際空港駅方(当線内では新可児駅方)に2両編成が連結[注釈 3] されていて、犬山駅での切り離しは行われなかった。朝ラッシュ時、夕方、休日は線内折り返しの普通列車も4両編成となっていた。

2008年12月27日のダイヤ改正時には、特急の間合い運行として2200系・1700系(当時)を使った犬山発普通新可児行きも休日朝に1本のみ設定された。これは新可児発の特急に充当するため従来新可児駅まで回送列車として運行していたものを客扱いするようにしたものである。広見線での一部特別車特急用車両の間合い運用はこれが初めてである。特急がなくなり間合い運用も必要なくなったため、2023年3月18日のダイヤ改正時(最後の運行は3月12日)に消滅している。

ミュースカイ

平日の朝のみ新可児発中部国際空港行きのミュースカイが2000系4両編成で2本運行されている。犬山駅で新鵜沼発の列車と併結して、犬山駅から中部国際空港駅までは8両で運行されている。停車駅は新可児駅から西可児駅までの各駅と犬山駅であり、善師野駅富岡前駅は通過する(2003年までは可児川駅を通過しており、さらに1983年までは西可児駅も通過していた)。なお、犬山駅で進行方向が変わるため、特別車の座席が犬山線・名古屋本線・常滑線・空港線での向きに合わせて進行方向逆向きにセットされている。

2011年3月26日のダイヤ改正以降は、朝に中部国際空港行きを平日に2本、休日に1本運行され、夕方に新鵜沼・新可児行き(犬山駅で分割)を平日に5本、休日に4本運行されていた。2019年3月16日のダイヤ改正で平日朝のミュースカイが1本削減され、普通列車に変更されている。2021年5月22日のダイヤ改正で夕方の新可児行きのミュースカイの運行を終了した。(8両すべてを新鵜沼行きに変更したため。)また、休日の朝のミュースカイも運行を終了した[7]

夏の長良川花火大会などのイベント時には臨時に名鉄岐阜発新可児行きのミュースカイが運転されることがある(2012年以降は運転されていない)。この列車は名古屋を通らない珍しい特急である。広見線内の停車駅は定期列車のミュースカイと同様である。

普通

普通列車(6500系)

普通列車は昼間は毎時4本運転され、平日朝を除いてこの区間の折り返し運転となっている。新可児側ではうち毎時2本が御嵩行きへ接続し、犬山側では毎時2本が豊橋駅発着の特急・快速特急に、残りの毎時2本が河和駅発着の急行に接続する。基本はワンマン対応の3500系9500系の4両か9100系の2両で運行される。

2024年3月のダイヤ改正前までは毎時4本のうち半数がこの区間で完結する列車(新可児駅で御嵩行きへは接続せず、犬山駅で新鵜沼駅発着のミュースカイ・急行に接続していた。また一部列車は列車番号を変えて名鉄岐阜駅または東岡崎駅まで延長運転されていた。時刻表上、各務原線へ直通する列車は2011年3月の改正後は朝の名鉄岐阜発新可児行き1本(名鉄岐阜駅から新鵜沼駅まで急行)のみであった。)、残り半数が犬山線を経由して名古屋方面と直通しており(大半は犬山駅で種別が変わる)、常滑線空港線に直通する新可児駅 - 中部国際空港駅間の列車が30分間隔で運行されていた(犬山駅から名鉄名古屋方面は準急。新可児駅で御嵩駅発着の列車に接続)。2000年3月改正前は夕方に常滑線直通の代わりに豊橋駅発着の列車があった(犬山駅から犬山線・名古屋本線内は急行、一部は扶桑駅、栄生駅にも停車。布袋駅と前後駅(下りは新安城駅)で特急を通過待ち)。

名古屋本線豊橋方面直通列車は2024年3月のダイヤ改正時点で平日の朝に吉良吉田行き(犬山駅から急行、新安城駅から普通)と内海行き(犬山駅から快速急行、名鉄名古屋駅から急行)と国府行き(犬山駅から急行、新安城駅から準急[注釈 4])と中部国際空港行き(犬山駅から快速急行、名鉄名古屋駅から急行、大同町駅にも停車)と神宮前行き(犬山駅から急行)と鳴海行き(犬山駅から急行)が各1本運転されており[8]、犬山駅で新鵜沼駅発の列車と併結して犬山駅から8両で運転されている(ただし、終点まで8両で運転する列車は神宮前行きのみで、鳴海行きは犬山駅から終点まで6両、他の列車は途中駅で新鵜沼駅発の車両が切り離される)。2011年3月のダイヤ改正時点ではこれ以外に伊奈行き(犬山駅から急行、有松駅にも停車し東岡崎駅から準急)が運転されていたほか、休日の朝に特急豊橋行きが3本走っていた。また平日の朝に西尾駅から1本だけ新可児行きが運転されていた(犬山駅まで急行)。平日朝ラッシュの新可児行きは時刻表上では多くが犬山駅発となっていたが、一部の列車は犬山止まりの列車や新鵜沼行きの列車から名古屋・新可児寄りの2両または4両が切り離されて運行されていた。

夜間20時台以降の新可児駅発の列車は休日20:14発を除いて犬山線へは直通せずにすべて犬山駅が終点となっており、御嵩駅発の列車から接続を受ける列車は犬山駅で同駅始発の準急中部国際空港行きに接続していた(いわゆる犬山駅で系統分割。特急へは接続しない)。

2003年ダイヤ改正以前の標準ダイヤでは常滑駅(当時空港線は未開業) - 御嵩駅間(一部新可児駅または明智駅止まり。犬山駅から急行)、犬山駅 - 新可児駅間(犬山駅で岐阜方面 - 河和駅内海駅間の急行に接続。一部御嵩行き)が毎時各2本走っていた。また2003年ダイヤ改正後 - 2008年12月ダイヤ改正前の標準ダイヤでは犬山駅 - 新可児駅間(犬山駅で岐阜方面 - 中部国際空港駅間の準急または岐阜方面 - 河和駅・内海駅間の急行・準急に接続)と中部国際空港発新可児行き(2008年6月29日ダイヤ改正前は平日の夕方は御嵩行き。犬山駅まで急行)と新可児発河和(内海)行き(2008年6月29日ダイヤ改正前は平日の夕方のみ御嵩発中部国際空港行き。犬山駅から河和行きと内海行きは急行、中部国際空港行きは準急)が毎時2本ずつ走っていた。

過去の種別

特急
可児川を渡る特急列車(2200系)

2023年3月18日(運行は3月12日が最後)のダイヤ改正までは、休日の朝のみ、新可児発豊橋行きの一部特別車特急が3本(1200系または2200系の6両)運行されていた。うち2本は犬山駅で2両増結して犬山駅から豊橋駅までは8両で運行されていた。当該列車は発駅を新鵜沼駅に変更する形で広見線での運行がなくなった。停車駅はミュースカイと同様、新可児駅から西可児駅までの各駅と犬山駅であり、善師野駅富岡前駅は通過していた(2003年までは可児川駅を通過しており、さらに1983年までは西可児駅も通過していた)。なお、犬山駅で進行方向が変わるため、特別車の座席が犬山線・名古屋本線での向きに合わせて進行方向逆向きにセットされていた。

2008年12月27日のダイヤ改正より広見線での一部特別車の快速特急・特急が朝に運行され始めた。快速特急と平日の朝の特急は2011年3月26日のダイヤ改正まで運行されていた。

かつて昭和の終わり頃までは御嵩駅や八百津駅(2001年廃止)まで直通しており、八百津駅直通列車には蘇水湖号という愛称が、7000系白帯車(はくたいしゃ = 現在の特別車)を使用した列車には「日本ライン」号という愛称が付けられていた。新可児止まりとなってからも一部の列車は7000系が特急運用から撤退する1999年まで名乗っていた。西可児駅がリトルワールドのアクセス駅だった頃は「リトルワールド」号という愛称列車もあった。

かつては高速1000系または1600系による豊川稲荷行き(正月ダイヤの臨時特急のみ)や1600系による国府行きの全車特別車特急(犬山駅で新鵜沼方面からの列車を岐阜寄りに増結。2005年改正まで平日朝に1本のみ運転)なども運転されていた。

2008年までは夏の長良川花火大会などのイベント時には臨時列車として、全車特別車(1999年までは全車指定席)の特急が7000系白帯車や1000系の4両で運転された。また、引退が決まった7000系パノラマカーの謝恩イベントの一環として、2008年8月30日には、7000系元白帯車による臨時列車として特急「日本ライン」号が復活運転された。

急行

2011年3月26日のダイヤ改正で廃止され、広見線内で通過運転をする一般車のみの列車はなくなった。

急行は犬山線・各務原線に直通し、名鉄岐阜駅 - 新可児駅間に運転されていた。2008年12月27日のダイヤ改正以降は平日朝の新可児行き1本のみの運転であった。ミュースカイ・特急と同じく富岡前駅と善師野駅を通過し、西可児駅から新可児駅までは各駅に停車していた。2003年の改正前までは犬山線名古屋方面のほかにも御嵩駅まで(さらに昔は八百津駅へも)直通する列車もあった(新可児駅以遠は普通)。土曜・休日の運転は1998年4月6日のダイヤ改正で消滅し、以降は平日のみの運転となっていた。2008年6月29日 - 同年12月26日にはごく僅かな期間だったが5000系を使用した新可児発犬山行き(一部岐阜行き)の急行も平日の夜間に数本運転され、犬山駅で名古屋方面の一部特別車特急に接続していた。

新可児 - 御嵩間

ワンマン列車(6000系)

この区間は東濃鉄道→東美鉄道→名鉄東美線→広見線と何度か名称が変化している。開業以来、全区間が単線である。 2023年3月18日のダイヤ改正以降、新可児駅以外の駅はすべて単式ホーム1面1線を有するのみとなっており、この区間には1列車しか進入できない。そのため、すべての時間帯で1編成が区間内を往復するのみのダイヤとなっている。

2023年3月17日までは明智駅交換設備があり、上下列車の交換が可能であった。朝ラッシュ時と20時台の車両入れ替え時に上下列車の交換が行われていた。2008年6月までは、概ね名古屋方面に直通する列車と区間内のみ運転の列車が運行されており、そのうち名古屋方面に直通する列車の大半が明智駅で交換待ちをするダイヤになっていた。一方、区間内のみ運転の列車は新可児駅と御嵩駅での折り返し時間を短くすることにより(約4分)、先述の時間帯以外は交換を行わないようなダイヤになっていた。

昭和時代は特急・高速・急行も走っていた(いずれも途中の伏見口駅(現在の明智駅)にのみ停車。鬼岩公園への観光アクセス列車として7000系を使用した御嵩行きの列車には「鬼岩号」という愛称が付いていたことがある)が、現在は普通列車のみの運転である。昼間は毎時2本運転されており(平日の朝は4本走ることもある)、2024年3月までは犬山・名古屋方面直通列車(一部をのぞいて中部国際空港行き)に接続していた。新可児駅 - 御嵩駅間の所要時間は明智駅での交換無しで約11分である。

2008年6月29日のダイヤ改正で、犬山・名古屋方面との直通運転は無くなり、終日すべての列車が区間内折り返し運転となった。2003年3月27日のダイヤ改正時に名古屋方面との直通列車が大幅に削減されて以来(それ以前はレールバスが日中に走っていた時期をのぞき、終日ほとんどの列車が4両の常滑行きだった)区間内での折り返し運転が基本となっていたが、朝夕(主に平日)に犬山・名古屋方面との直通列車が残っていた。区間内折り返し(犬山行きを含む)列車は主に5300系や6000系・6800系による車掌乗務の2両、名古屋方面へ直通する列車は6000系・6500系や3500系・3700系3300系による4両で運転されていた。この区間はホームの有効長が短い(新可児駅・明智駅・御嵩駅は4両まで、顔戸駅御嵩口駅は2両まで)ため、顔戸駅と御嵩口駅では4両編成はドアカットを行い後ろ2両の扉が開かなかった。4両編成の列車はこのドアカットの関係で基本的に固定編成が使われていた。普段は三河線ワンマン運転を行っている7100系・7700系も5300系の代走としてたまに乗り入れていた。1800系や3100系も単独で区間内折り返し運用に就いていたことがある。現在御嵩方面へ向かう営業列車はすべて2両編成であり、新可児駅では2両対応の1番線にしか入線しない。

6月29日に明智駅と御嵩駅が無人化され、同区間は新可児駅を除いてすべて無人駅となった。新可児発10:14以降はワンマン運転を行い、新可児駅1番線に乗り換え改札口が設置されている。なお、これは初めてのワンマン化ではなく、過去にはこの区間でレールバスを運行していたので、2回目のワンマン化である。車両は蒲郡線を走っている6000系ワンマン改造車が1編成回されて使用されている。朝は3100系・3150系・9100系が1編成加わり2編成による運転で、運用が終わり新可児駅1番線に到着すると、いったん明智駅1番線(または2番線)まで回送され、折り返し新可児駅2番線へ戻り、犬山行きとなる。運転区間や所要時間、折り返し時間が短いこともあり6000系ワンマン改造車では「新可児」と「御嵩」の方向幕は使用せず白幕のままで、運転区間は貫通扉に縦書きで「新可児 - 御嵩」と書かれた行先系統板を差し込んで表示している(「普通」の種別幕は使用している)。車内で流れる自動放送は三河線や瀬戸線で使われている女声のものではなく、蒲郡線と同じ男声のものになっている(ただし、放送開始時のチャイムは鳴らない)。なお、午前10時より前は車掌が乗務し、すべての駅でホーム側(明智駅3番線を除き、御嵩行で左側)のすべての扉を開ける。このときは他の路線と同じく方向幕を使用することがあるほか、6000系ワンマン改造車は「ワンマン」の表示がないサボを併用する。検査の際など6000系ワンマン改造車の運用の都合がつかない場合は終日車掌が乗務する(この場合でも新可児駅1番線のホーム長の関係上6800系、3100系などの2両編成で運転され、4両編成にはならない)。ワンマン改造車の入れ替えは基本的に1日1回、20時台に行われ、この時だけ入庫車両の御嵩発を11分(御嵩20:40発)繰り下げることで明智駅で列車交換を行い、入れ替わる。最終とその1本前の御嵩行きに使われた車両は運用終了後に新可児駅まで回送され、そこで夜間滞泊となる。

各駅には乗車位置の案内(御嵩行きが、新可児行きが黄色)、自動券売機(各駅に1台ずつ設置。タッチパネル式・磁気券による発券。この券売機で乗車駅証明書も無料で発行できる)、バックミラー(明智駅のみ新たに設置)などが設置された。乗車方法などは蒲郡線と同様の方式を採っている。明智駅・顔戸駅・御嵩口駅では前の車両のみドアが開き、乗車口(1両目の連結部に最も近いドア)と下車口(下車口は一番前)は各1か所に限られる。

なお御嵩駅は無人駅だが、終着駅・始発駅であるため容易に乗車できるようホーム側(新可児方面を向いて進行方向右側)のすべてのドアが開く。ただし車内放送で先頭車両最前扉から下車するように促している(しかし他のドアから下車する旅客もおり、その場合は下車後の旅客全員の乗車券を運転士が回収することが難しいため、御嵩駅の出口付近に乗車券回収箱も設置されている)。

manacaについては明智駅・顔戸駅・御嵩口駅・御嵩駅では利用できない。新可児駅の中間改札で処理をすることによって他線との直通利用は可能である。具体的には以下の手順で行う。

  • 明智駅 - 御嵩駅間から新可児駅以西へ利用する場合は乗車駅の自動券売機で乗車駅証明書を受け取り、新可児駅の中間改札そばの窓口で駅員がカードに乗車駅の記録を行う。
  • 新可児駅から乗車、または他線からの乗り換えで、御嵩駅までの各駅で下車する場合は、中間改札の係員に下車駅を申告し精算処理を受けてICカード精算済証を受け取り、下車する際に運転士(または車掌)に渡す。

2008年6月29日のダイヤ改正前には土休日の朝に犬山駅 - 新可児駅 - 明智駅間の運転が2往復あった(御嵩行きに接続なし)。さらに1995年までは明智駅で折り返して名古屋方面(主に常滑行き)に向かう列車やそれに接続する明智駅 - 御嵩駅間のみ運転の列車もあった(この場合も終点の明智駅で八百津線列車に接続)。

かつては主に名古屋方面直通列車として使われていた3500系、7000系、5500系などのほかにも、モ800形3400系3730系などの旧性能車、キハ10形・キハ30形といったレールバスも多数乗り入れていた。レールバスはかつて新可児駅 - 御嵩駅間や明智駅 - 御嵩駅間で利用者の少ない昼間時間帯を中心に多数運転されていて(単行が多かったが2両編成のときもあった)、晩年は2001年の八百津線廃止まで、車両交換と給油のため新可児駅 - 明智駅間を昼間に1往復のみ運行していた(八百津行きのみ学校前駅は通過)。この頃のレールバスによるワンマン運転は、乗車時に整理券を取り、運賃とともに運賃箱に入れる従来と同じ方式であった。

2005年1月28日まで存在した学校前駅は、日中の普通列車の約半数が通過していた。

2009年5月16日、7000系が臨時列車として久々に御嵩駅まで乗り入れ、雨の中、多くのファンが訪れた。また、7月5日と7月20日にも非公式ではあるが臨時列車として再び御嵩駅まで乗り入れている。

2011年5月15日に「かも1グランプリ in 御嵩」が開催されるにあたり、昼間にこの区間の列車が増発され、15分間隔で運転された。この区間の昼間の増発は平成以降はほとんど行われておらず、かなり珍しい。

2021年5月22日のダイヤ改正からは定期運用として、6000・6800系ワンマン非対応車に代わり、3100系・3150系・9100系が朝に御嵩駅まで乗り入れるようになった。なお、3100系と3150系は2008年6月の系統分離以降、年に数回代走で御嵩駅まで乗り入れたことがある。

2023年3月18日のダイヤ改正より、明智駅の交換設備が廃止され、新可児駅 - 御嵩駅が1閉塞となった。これにより1本の列車しか入れなくなることから朝ラッシュも毎時2本程度に減便となった。車両も検査や事故などで離脱しない限り終日入れ替わらず6000系のワンマン列車のみとなっている。同時に、御嵩行きと新可児行きの乗降口がいずれも御嵩駅方を向いて左側に統一され、この区間では右側のドアは使用されなくなった。

2024年3月16日のダイヤ改正より、犬山駅 - 新可児駅間もワンマン運転(先述の通り方式は異なる)になった事により、名鉄名古屋駅へは基本的に最低でも2回乗り換えが必要になった。新可児駅では基本的に中部国際空港行きの直通列車に接続していたが、改正後は犬山駅からさらに急行河和行きに乗り換える事になる。

利用状況

各駅の年間乗車人員の推移は以下の通り(愛岐駅は不詳。富岡前駅・善師野駅は1965年以降、顔戸駅・御嵩口駅・御嵩駅は2013年まで。詳細は各駅を参照)。

駅一覧

  • 停車駅は2023年3月18日からのもの。
  • 普通は全駅に停車(表中省略)。
凡例
停車駅 … ●:標準停車駅 ↑:通過(矢印の方向のみ運転)
線路 … |:単線区間 ◇:単線区間の交換可能駅 ∥:複線区間 ∨:これより下は単線
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ ミュースカイ 接続路線 線路 所在地
IY15 犬山駅 - 0.0 名古屋鉄道:IY 犬山線(一部直通あり)・KM 小牧線 愛知県
犬山市
HM01 富岡前駅 1.9 1.9  
HM02 善師野駅 2.1 4.0  
HM03 西可児駅 3.7 7.7   岐阜県 可児市
HM04 可児川駅 2.0 9.7  
HM05 日本ライン今渡駅 2.5 12.2  
HM06 新可児駅 2.7 14.9 東海旅客鉄道:CI 太多線可児駅: CI02)
HM07 明智駅 3.5 18.4    
HM08 顔戸駅 1.6 20.0     可児郡
御嵩町
HM09 御嵩口駅 1.7 21.7    
HM10 御嵩駅 0.6 22.3    

廃駅

廃止区間の駅は後の節を参照。

  • 愛岐駅(善師野駅 - 帷子駅間) - 1969年3月16日 帷子駅・春里駅と統合され西可児駅となる。
  • 帷子駅(愛岐駅 - 西可児駅間) - 1969年3月16日 愛岐駅・春里駅と統合され西可児駅となる。
  • 春里駅(西可児駅 - 可児川駅間) - 1969年3月16日 愛岐駅・帷子駅と統合され西可児駅となる。
  • 前波駅(新可児駅 - 学校前駅間) - 1944年休止、1969年4月5日廃止
  • 学校前駅(前波駅 - 明智駅間) - 2005年1月29日廃止

廃止区間

  • 駅名、接続路線、所在地は廃止時点のもの。
駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
犬山口駅 - 0.0 名古屋鉄道:犬山線 愛知県 丹羽郡 犬山町
東犬山駅 0.5 0.5 名古屋鉄道:大曽根線
富岡前駅 1.6 2.1   城東村
営業区間

過去の接続路線

キロポストについて

前述のような歴史的経緯から、広見線では距離を示すキロポストが2つに分かれている。(矢印の方向にキロ数が増える)

  1. 犬山駅→新可児駅
    旧名古屋鉄道広見線として開通した区間を犬山起点でキロポストを打っているため。
  2. 新可児駅→御嵩駅
    旧東美鉄道として開通した区間を新可児起点でキロポストを打っているため。

脚注

注釈

  1. ^ 広見町は1955年に今渡町などと合併して可児郡可児町となり、可児町は1982年にそのまま市に昇格した。新可児駅は市制施行後駅名を改名したもので、改名前の旧名称は広見駅、のち新広見駅であった。
  2. ^ ダイヤ改正は3月18日だが、改正前の休日ダイヤは3月12日が最終日
  3. ^ 通常は犬山駅、名鉄岐阜駅方に2両編成が連結されていた。
  4. ^ 2019年3月のダイヤ改正までは犬山駅から急行、矢作橋駅にも停車し東岡崎駅から準急となっていた。

出典

  1. ^ a b c d 徳田耕一『名古屋鉄道 今昔―不死鳥「パノラマカー」の功績』交通新聞社〈交通新聞社新書〉、2017年8月、172頁。ISBN 978-4330819174 
  2. ^ “広見線存廃で名鉄が打診”. 岐阜新聞. (2007年12月12日). オリジナルの2010年8月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100817012716/https://www.gifu-np.co.jp/blog/tetsu/2007/12/12/187 2021年10月12日閲覧。 
  3. ^ “新可児―御嵩、通勤は電車より車?定期代半額実験、苦戦”. 朝日新聞. オリジナルの2010年11月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20101114142229/http://www.asahi.com/travel/rail/news/NGY201011110019.html 2021年10月12日閲覧。 
  4. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、996頁。 
  5. ^ 「名古屋鉄道 広見線が全線複線化」『交通新聞』交通協力会、1970年3月6日、1面。
  6. ^ 清水武、田中義人、澤内一晃『名古屋鉄道の貨物輸送』フォト・パブリッシング、2021年、268頁。ISBN 978-4802132701 
  7. ^ 5月22日(土)にダイヤ改正を実施します” (pdf). 名古屋鉄道 (2021年3月16日). 2021年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月12日閲覧。
  8. ^ 新可児駅の時刻表 - 犬山・名鉄名古屋・金山方面”. 2024年8月20日閲覧。

関連項目

外部リンク