晝田瑞希
基本情報 | |
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本名 | 晝田 瑞希 |
階級 | スーパーフライ級 |
身長 | 163cm |
国籍 | 日本 |
誕生日 | 1996年4月12日(28歳) |
出身地 | 岡山県岡山市 |
スタイル | サウスポー[1] |
プロボクシング戦績 | |
総試合数 | 6 |
勝ち | 6 |
KO勝ち | 2 |
晝田 瑞希(ひるた みずき、1996年4月12日 - )は、日本の女子プロボクサー。岡山県岡山市出身。三迫ボクシングジム所属。現WBO女子世界スーパーフライ級王者。現在のトレーナーは寺地拳四朗も担当する加藤健太[2]。一部メディアでは「晝」が新字体の「昼」と表記される[3]。
来歴
[編集]アマチュア時代
[編集]岡山工業高校在学中にボクシングを始め、自衛隊体育学校に進む[3]。2016年の全日本女子選手権フライ級で決勝まで進むが、2014年世界選手権銅メダリストの和田まどかに敗れ準優勝[4]。
2017年8月、台北市カップ国際トーナメントに日本代表としてエントリーし銀メダル獲得[5]。全日本選手権は自体校の後輩で後の東京オリンピック銅メダリストの並木月海を降すが、決勝は2年連続で和田に敗れ準優勝[6]。
2018年には世界選手権出場を果たすが、2016世界選手権金メダリスト相手に初戦敗退[7]。全日本選手権ではフライ級決勝で河野沙捺を破り初優勝[8]。
2019年はフェザー級で全日本選手権優勝とともに最優秀選手賞も受賞[9]。
12月に2020年東京オリンピックアジア・オセアニア予選出場権を懸けた「ボックスオフ」で入江聖奈と対戦するが、2-3の判定で敗れ東京オリンピックの夢は潰えてしまった[3]。この敗戦を機に目標をプロの世界王者に変え、通算成績45戦29勝(13KO/RSC)16敗でアマチュアボクシングのキャリアを終えた[10]。
プロ時代
[編集]2021年3月、馬場龍成とともに自衛隊を除隊し三迫ジムに入門[1]。5月のB級プロテストで合格を果たした[1]。
10月15日、後楽園ホールにてそれまで4戦全勝だった山家七恵(中野サイトウ)との6回戦でプロデビューし、1回にダウンを奪い3-0判定で勝利[3]。この試合は晝田を破って出場した東京五輪で金メダルを獲得した入江もリングサイドで観戦し、試合後に対面も果たした[11]。
2022年4月12日、後楽園ホールにて東洋太平洋女子スーパーフライ級王者のぬきてるみ(井岡弘樹)とプロ2戦目にしてノンタイトル8回戦として対戦[12]。初回から主導権を握るも7回に2度ダウンを奪われるが、逃げ切り3-0(76-74、77-73×2)判定で勝利[13]。
日本王座獲得
[編集]2022年9月1日、「Queens Crest2022」にて初のタイトル挑戦としてと柳井妃奈実(真正)との日本女子フライ級王座決定戦を予定していた[14]。前日計量で晝田は一発パスしたものの、柳井は超過したため、試合は柳井が当日計量で契約体重の8%以内にすることを条件に許可され、晝田は勝利すると初タイトル獲得となる[15]。試合は3-0の判定で勝利し、プロ3戦目で初タイトル獲得となった[16]。
世界王座
[編集]2022年12月1日、小澤瑶生が引退により返上したWBO女子世界スーパーフライ級王座決定戦として、前日本バンタム級王者谷山佳菜子(ワタナベ)と対戦。終始ペースを握り続け、第7ラウンドにはダウンも奪い大差の判定勝ち(99-90、100-89×2)で王座獲得。プロ4戦目での世界王座獲得は富樫直美、佐伯霞と並んで日本人最速タイ記録となる[17][注 1]。
初防衛
[編集]初防衛戦前にアメリカ・ロサンゼルスでオスカル・バルデスらを育てたマニー・ロブレスの下で合宿を決行し、女子世界2階級王者のジェシカ・ボップとのスパーリングも経験した[2]。
2023年6月13日、1位の指名挑戦者で元WBO女子アジア太平洋フライ級王者ケーシー・モートン相手に初防衛戦[18]。試合前にエドガー・ハソ・トレーナーに「6回にKO勝ちできるよ」と激励され「その約束を守りたいと思います」と意気込んで臨んだが[19]、初回にダウンを4度奪い1分3秒レフェリーストップTKOで初防衛を果たした[20]。プロ初のKO勝利であるとともに日本女子の世界戦として初の1回KO勝利で小関桃が15年近く持っていた最短記録を塗り替えるとともに、男子を合わせても井上尚弥が持っていた日本選手の世界戦最短KO記録を更新した[21][22]。
2度目の防衛戦
[編集]2024年1月12日、『フェニックスバトル109』にてマイナー団体の世界王座経験者で江畑佳代子の持つWBO女子世界ミニマム級王座に挑戦した経歴を持つパク・ジヒョン相手に2度目の防衛戦を行い[23]、6回1分45秒TKO勝ちを収め2度目の防衛に成功した[24]。
人物
[編集]- 5歳から小学校6年生まで器械体操を経験した[25]。
- 利き手は右手だが、高校時代にボクシング部の指導でサウスポーとなった[25]。
- 競輪選手の晝田宗一郎は弟[TW 1]。
- 鳥取県出身の入江聖奈とは隣県同士のため、晝田の高校時代に当時中学生だった入江が岡山に練習で訪れ、スパーリングで手を合わせたことがあり、お互いに「やられた」と号泣した[26]。
- アマチュア時代、並木月海とは2度対戦して2勝している[27]。
- 2代前の世界王者であり、三迫ジムで同僚だった吉田実代とは週1回、晝田が在籍していた自衛隊体育学校で練習を共にしたことがあった[28]。
- 東京オリンピック期間は「辛かった。開会式も他競技も見られなかった」としていたが、閉会後は「全部、乗り越えた気持ちになれました」と言い、金メダルを獲得した入江に対し「すごいことを成し遂げて、リスペクトをしている。自分に勝った選手が金メダルを取ったとポジティブに考えられた。一つの負けの重みが自分の体で感じられた。今は負けたくない気持ちが強い」と考えるようになった[29]。
- 除隊から5時間後には髪を赤く染め[1]、試合前日までにはピンク色に染めた[30]。染めた理由については「名前の漢字がすごく難しいので、名前を覚えていなくてもわかる特徴があればいいなと思って」「ピンクは『愛情』とか『ハッピーな言葉』を連想できる色」「岡山出身なので、桃の色もピンクなので」と語っている[31]。
- デビュー戦はフリルの付いたピンクのド派手コスチュームを着用し、衣装代は約30万円にも上った[32]。
- 自衛隊の寮の中でテントを広げてキャンプ気分を味わったこともあるほどのキャンプ好き[33]。
- 2023年6月より自衛隊時代の恩師である須佐勝明が埼玉県朝霞市に開設したアマチュアジムであるSUSA GYMのトレーナーに就任した[34]。
- 好きなボクサーはアリシア・バウムガードナー[TW 2]、芸能人は仲里依紗[INS 1]。
戦績
[編集]- アマチュアボクシング:45戦 29勝 (13KO/RSC) 16敗。
- プロボクシング:6戦 6勝 (2KO) 無敗
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2021年10月15日 | ☆ | 6R | 判定3-0 | 山家七恵(中野サイトウ) | 日本 | プロデビュー戦 |
2 | 2022年4月12日 | ☆ | 8R | 判定3-0 | ぬきてるみ(井岡弘樹) | 日本 | |
3 | 2022年9月1日 | ☆ | 6R | 判定3-0 | 柳井妃奈実(真正) | 日本 | 日本女子フライ級王座決定戦 |
4 | 2022年12月1日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | 谷山佳菜子(ワタナベ) | 日本 | WBO女子世界スーパーフライ級王座決定戦 |
5 | 2023年6月13日 | ☆ | 1R 1:03 | TKO | ケーシー・モートン | アメリカ合衆国 | WBO防衛1 |
6 | 2024年1月12日 | ☆ | 6R 1:45 | TKO | パク・ジヒョン | 韓国 | WBO防衛2 |
テンプレート |
タイトル
[編集]- アマチュアボクシング
- 2018年全日本女子ボクシング選手権大会フライ級優勝
- 2019年全日本女子ボクシング選手権大会フェザー級優勝(MVP獲得)
- プロボクシング
- 日本女子フライ級王座(防衛0=返上)
- WBO女子世界スーパーフライ級王座(防衛2)
受賞歴
[編集]- 山陽新聞体育賞[35]
- 岡山スポーツ賞[36]
- 2022年度女子最優秀選手賞・女子年間最高試合賞[37]
出演
[編集]- バラいろダンディ(TOKYO MX、2022年5月18日放送)
- レッドシューズ祭り(YouTube、2023年2月配信)
- トリンプ ブランドムービー(2023年5月 - )
- あのクズを殴ってやりたいんだ(TBS、2024年10月8日 - ) - 市原香織 役[38]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典記事
[編集]- ^ a b c d “除隊5時間後には髪を赤く染めた晝田 男子アマ2冠の馬場とともに元自衛官2人が世界王者へ意欲【山崎照朝コラム】”. 中日スポーツ. (2021年6月29日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ a b c d “昼田瑞希「革命を起こせるよう頑張りたい」 入江聖奈の元ライバルがプロデビュー戦で圧勝/BOX”. SANSPO.COM. (2021年10月15日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ “和田まどから3選手がV4達成 全日本女子選手権”. Boxing News. (2016年12月26日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ “アマ・台北市カップ 日本勢は金4、銀1、銅2個”. Boxing News. (2017年8月16日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ “和田まどか5連覇達成 全日本女子選手権”. Boxing News. (2017年12月18日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ “2018年 AIBA女子世界選手権大会”. 一般社団法人日本ボクシング連盟 (2018年11月15日). 2021年10月17日閲覧。
- ^ “仲田姉妹対決は姉の勝ち 高校生の入江聖奈シニアでV 長崎 全日本女子選手権”. Boxing News. (2018年12月25日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ “五輪5階級優勝者にベルト授与 全日本女子選手権 河野沙捺は和田まどかとのライバル対決制す”. Boxing News. (2019年10月21日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ 篠崎貴浩 (2023年3月7日). “晝田瑞希(ひるた・みずき)インタビュー 後編”. Web Sportiva. 集英社. 2023年3月9日閲覧。
- ^ “晝田瑞希ライバル入江聖奈の前でデビュー戦勝利「勝ちきる晝田さんすごい」”. nikkansports.com. (2021年10月15日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ “晝田瑞希の2戦目が決定!”. ボクシングモバイル. (2022年3月22日) 2022年3月23日閲覧。
- ^ “入江のライバル晝田は2度ダウンもプロ2連勝”. Sponichi Annex. (2022年4月12日)
- ^ “9.1女子5大タイトルマッチ 世界戦は新旧王者対決 鈴木菜々江vs.黒木優子、宮尾綾香vs.岩川美花”. BOXING NEWS. (2022年7月21日)
- ^ “入江聖奈のライバルだった晝田瑞希がプロ3戦目で初タイトル挑戦 金ネイルでベルトつかむ”. スポニチアネックス. (2022年8月31日)
- ^ “入江聖奈の元ライバル、晝田瑞希がプロ3戦目で日本王座獲得 ドレス入場にバック宙も披露”. スポニチアネックス. (2022年9月1日)
- ^ “昼田 日本人最速タイのプロ4戦目で世界王者!「最強無敵のスーパースターになる」”. スポニチアネックス. (2022年12月2日)
- ^ “【ボクシング】川浦龍生と高山涼深が6月13日に後楽園ホールで日本王座決定戦 晝田瑞希の初防衛戦や鈴木なな子VS松田恵里も”. サンケイスポーツ. (2023年4月19日)
- ^ “WBO女子Sフライ級王者昼田瑞希「6回にKO。約束を守りたい」13日初防衛戦へ計量クリア”. 日刊スポーツ. (2023年6月12日) 2023年6月13日閲覧。
- ^ “【ボクシング】WBO女子世界Sフライ級王者昼田瑞希63秒殺で初防衛成功「最強無敵になる」”. 日刊スポーツ. (2023年6月13日)
- ^ “【ボクシング】井上尚弥超え63秒殺!女子世界王者の昼田瑞希が国内世界戦最短でTKO初防衛”. 日刊スポーツ. (2023年6月13日) 2023年6月14日閲覧。
- ^ “晝田瑞希が世界王座初防衛 “モンスター超え”のわずか63秒TKO勝ち”. スポーツ報知. (2023年6月13日) 2023年6月14日閲覧。
- ^ “【ボクシング】24年1月12日、女子世界3大タイトル戦決定 大橋ジム興行フェニックスバトル”. 日刊スポーツ. (2023年11月29日)
- ^ “女子スーパーフライ級王者・晝田瑞希がV2 「大事な寿命使って見に来てくれてありがとう」”. スポーツ報知 (2024年1月12日). 2024年1月12日閲覧。
- ^ a b 篠崎貴浩 (2023年3月7日). “晝田瑞希(ひるた・みずき)インタビュー 前編”. Web Sportiva. 集英社. 2023年3月9日閲覧。
- ^ “入江聖奈が晝田瑞希を応援 「晝田さんがいたから今の私がある」”. スポーツ報知. (2021年10月15日) 2022-0412閲覧。
- ^ “昼田瑞希が予告「私の方が強いから圧勝する」 プロ2戦目は東洋太平洋王者とノンタイトル戦/ボクシング”. サンスポ. (2022年4月11日) 2022年4月12日閲覧。
- ^ “【ボクシング】大晦日はトリプル世界戦! 吉田実代の初防衛戦もセットアップ”. BBM Sports. (2019年11月22日) 2023年2月23日閲覧。
- ^ “晝田瑞希が白星デビュー「私はプロで革命」ライバル五輪金の入江聖奈も応援”. nikkansports.com. (2021年10月15日) 2022-40-12閲覧。
- ^ “【ボクシング】「女子ボクシングに革命を起こしたい!」─アマ全日本王者・晝田が明日プロデビュー”. BBM Sports. (2021年10月14日) 2021年10月17日閲覧。
- ^ “「 “晝田” が難しいから髪をピンクに」元自衛官・晝田瑞希選手 最終選考で入江聖奈選手(東京五輪金メダル)に敗退 挫折乗り越え「絶対にスーパースターになる!」”. RSKニュース. (2023年1月15日) 2023年1月16日閲覧。
- ^ “入江聖奈も口あんぐり…プロデビュー戦を白星で飾った晝田瑞希のド派手衣装は30万円”. Sponichi Annex. (2021年10月15日) 2021年12月5日閲覧。
- ^ “もしもキャンピングカーがあったなら – 晝田 瑞希”. U-BASE. 2023年1月30日閲覧。
- ^ “2012年ロンドン五輪代表 マルチに活躍の須佐勝明さん 朝霞にジム開く”. BOXING NEWS. (2023年6月10日) 2023年6月11日閲覧。
- ^ ““全国制覇”の栄誉を讃え…サッカー・岡山学芸館や駅伝・倉敷高校などが「山陽新聞体育賞」受賞【岡山】”. 岡山放送. (2023年1月28日) 2023年2月9日閲覧。
- ^ “北京五輪で銅メダル 県勢初の全国制覇 57年ぶりの快挙! 「岡山スポーツ賞」【岡山】”. 岡山放送. (2023年2月8日) 2023年2月9日閲覧。
- ^ “女子年間MVPはWBO・S・フライ級王者の晝田瑞希 年間最高試合賞とダブル受賞”. BOXING NEWS. (2023年2月8日) 2023年2月9日閲覧。
- ^ “WBOスーパーフライ級王者・晝田瑞希が「あのクズ」出演、セリフにも初挑戦”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年9月10日). 2024年9月10日閲覧。
ツイート
[編集]- ^ @mizukihiruta33 (2021年12月5日). "私の弟が最強なので自慢させてください。競輪選手なんです実は。今日優勝してました。競輪選手の弟よりも、プロボクサーとして稼ぐのが夢です。eお姉ちゃん頑張るぞ。". X(旧Twitter)より2021年12月6日閲覧。
- ^ @mizukihiruta33 (2023年2月25日). "めっちゃみんなに太ももやばいって言われるんだが。笑 バウムガードナー好きだからめっちゃ嬉しいから、まあいいや😘❤️". X(旧Twitter)より2023年6月21日閲覧。
インスタグラム
[編集]- ^ 晝田瑞希 [@mizukihiruta33] (2022年12月15日). "大好きな大好きな仲里依紗様のポップアップ🌺ギャルだからピンプリ撮った✋🏾💖". Instagramより2023年6月21日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 三迫ボクシングジム
- 晝田瑞希 (@mizukihiruta33) - X(旧Twitter)
- 晝田瑞希 (mizukihiruta.official) - Facebook
- 晝田瑞希 (@mizukihiruta33) - Instagram
- 晝田瑞希 (@mizukihiruta33) - TikTok
- ヒルタナンデス! /晝田瑞希 MizukiHiruta - YouTubeチャンネル
- ボクシングチケットドットコム
- 晝田瑞希の戦績 - BoxRec
空位 前タイトル保持者 平山夢 |
第4代日本女子フライ級王者 2022年9月1日 - 2022年12月2日(返上) |
空位 次タイトル獲得者 山家七恵 |
空位 前タイトル保持者 小澤瑶生 |
第9代WBO女子世界スーパーフライ級王者 2022年12月1日 - 現在 |
次王者 N/A |