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井上拓真

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
井上 拓真
基本情報
本名 井上 拓真
階級 バンタム級
身長 164cm
リーチ 163cm
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1995-12-26) 1995年12月26日(28歳)
出身地 神奈川県座間市
家族 井上真吾(父)
井上尚弥(兄)
親戚 井上浩樹(従兄弟)
スタイル 右ボクサーファイター
プロボクシング戦績
総試合数 22
勝ち 20
KO勝ち 5
敗け 2
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井上 拓真(いのうえ たくま、1995年12月26日 - )は、日本プロボクサー神奈川県座間市出身。大橋ボクシングジム所属。元WBA世界バンタム級王者。元WBC世界バンタム級暫定王者

担当トレーナーは父の井上真吾。兄は同じプロボクサーの井上尚弥。入場曲は、AK-69の『ONE[1]

来歴

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アマチュア

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元アマチュアボクサーであった父の影響でボクシングを始めた兄・井上尚弥の後を追うように幼稚園からボクシングを始める[2]

2011年、神奈川県立綾瀬西高等学校1年時にインターハイに出場し、ピン級で優勝した[3][4]。その翌年の2012年、高校2年時のインターハイではライトフライ級に出場し、決勝戦で田中恒成に敗れ準優勝となった[5]

プロ

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2013年、高校3年在学中にプロボクサーへの転向を表明[6]。同年12月6日に両国国技館で日本ランカーの福原辰弥(本田フィットネス)とプロデビュー戦を行い、3-0の判定で勝利を収めた[7]

その後デビューから4連勝を飾り、2015年7月6日、5戦目で後楽園ホールマーク・アンソニー・ヘラルドフィリピン)とOPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座決定戦を行い、3-0の判定勝ちを収めて王座を獲得した[8]。同年12月29日、有明コロシアムにてレネ・ダッケル(フィリピン)と対戦し、3-0の判定勝ちで初防衛に成功した。

2016年は、有明コロシアムにて5月8日にアフリザル・タンボレシ(インドネシア)と対戦し、2回1分46秒TKOで下して2度目の王座防衛に成功[9]。この試合の直後にOPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座を返上した[10]。9月4日には座間市立市民体育館にてフローイラン・サルダール(フィリピン)とのノンタイトル10回戦を行い、1回にダウンを喫したが8回・9回に1つずつダウンを奪い、判定勝ちを収めた[11]

練習中に右拳を負傷し、12月30日にWBO世界バンタム級王者マーロン・タパレスと行われる予定だった世界戦は中止となった[12][13]

2017年、約1年ぶりの試合として8月30日に後楽園ホールで久高寛之と53.5キロ契約10回戦で対戦し、3-0の判定勝ちで復帰戦を飾り[14]、12月30日に横浜文化体育館益田健太郎と54.0キロ契約10回戦で対戦し、3-0の判定勝ちを収めた[15]

2018年9月11日、後楽園ホールで開催された「第65回フェニックスバトル」にてマーク・ジョン・ヤップ(フィリピン)とWBC世界バンタム級挑戦者決定戦を行い、12回3-0の判定勝ちを収め、指名挑戦権を獲得した[16]

2018年12月30日、大田区総合体育館にてWBC世界バンタム級2位でWBCユース世界バンタム級シルバー王者のペッチ・CPフレッシュマート英語版(タイ)とWBC世界バンタム級暫定王座決定戦を行い、12回3-0(117-111×3)で判定勝ちを収め、王座を獲得した[17]

2019年11月7日、さいたまスーパーアリーナにて井上尚弥対ノニト・ドネアの前座でWBC世界バンタム級正規王者のノルディーヌ・ウバーリ(フランス)と団体内王座統一戦を行った。試合は4回にウバーリの左ストレートで井上は尻からキャンバスにダウン。最終回に左フックでウバーリをグラつかせたが、ポイントで大差をつけられ、12回判定0-3(107-120、110-117、112-115)でプロ初黒星を喫し団体内王座統一に失敗、井上が10ヶ月間保持してきた暫定王座はウバーリの正規王座に吸収される形で消滅した[18]

2021年1月14日、後楽園ホールにて行われた「フェニックスバトル」でOPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太と対戦し、9回負傷判定勝ちでOPBF2階級制覇を達成[19]

2021年3月27日、OPBF東洋太平洋バンタム級王座を返上した[20]

2021年11月11日、階級を一つ上げて、後楽園ホールにてWBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王座決定戦で元OPBF・日本同級王者である和氣慎吾と対戦し、12回3-0(117-110×3)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[21]

2022年6月7日、さいたまスーパーアリーナにて井上尚弥 対 ノニト・ドネア第2戦の前座の日本・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで日本同級王者の古橋岳也と対戦し、12回3-0(119-109、120-108×2)の判定勝ちを収めWBOアジアパシフィック王座を初防衛するとともに日本王座を獲得し、2冠王者となった[22]。日本、東洋太平洋、WBOアジアと世界の4王座を獲得したのは日本人初[23]

2022年10月24日、日本スーパーバンタム級王座を返上した[24]

2022年12月13日、有明アリーナで行われた井上尚弥 対 ポール・バトラー戦の前座で、ジェイク・ボルネアと55.5kg契約10回戦で対戦し、8回2分48秒TKO勝ちを収めた。なお、ボルネオは前日の計量で600gの体重超過で計量失敗した[25]

2022年12月15日、WBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王座を返上した[26]

2023年4月8日、有明アリーナにて寺地拳四朗 対 アンソニー・オラスクアガ戦の前座でWBA世界バンタム級王座決定戦をWBA世界同級2位のリボリオ・ソリスと対戦し、12回判定勝ちを収め王座獲得に成功した。

2024年2月24日、両国国技館にてWBA世界バンタム級タイトルマッチでWB世界同級9位のヘルウィン・アンカハスと対戦し、9回44秒KOで下して初防衛に成功[27]

2024年5月6日、東京ドームにてWBA世界バンタム級タイトルマッチでWBA世界同級1位の石田匠と対戦し、初回にダウンを奪われるも、12回判定3-0で下して2度目の防衛に成功[28]。なお、対戦した石田は同年8月に現役を引退した。

2024年10月13日、有明アリーナで行われたWBA世界バンタム級タイトルマッチでWBA世界同級2位の堤聖也と対戦し、12回判定0-3で敗れ3度目の防衛に失敗、王座から陥落した[29]。ちなみに堤とはアマチュア時代に全国大会で戦って勝利したことがあっただけに「雪辱を果たされた」という趣旨でキャッチコピーをされることもあった[30]

戦績

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  • アマチュアボクシング:57戦 52勝 (14RSC) 5敗
  • プロボクシング:22戦 20勝 (5KO) 2敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2013年12月6日 6R 判定 3-0 福原辰弥(本田フィットネス) 日本の旗 日本 プロデビュー戦
2 2014年4月6日 8R 判定 3-0 ファーラン・サックリン・ジュニア英語版 タイ王国の旗 タイ
3 2014年9月5日 2R 0:51 KO チャナチャイ・ ソーシアムチャイ タイ王国の旗 タイ
4 2014年12月30日 8R 判定 3-0 ネストール・ナルバエス アルゼンチンの旗 アルゼンチン
5 2015年7月6日 12R 判定 3-0 マーク・アンソニー・ヘラルド フィリピンの旗 フィリピン OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座決定戦
6 2015年12月29日 12R 判定 3-0 レネ・ダッケル フィリピンの旗 フィリピン OPBF防衛1
7 2016年5月8日 2R 1:46 TKO アフリザル・タンボレシ インドネシアの旗 インドネシア OPBF防衛2
8 2016年9月4日 10R 判定 3-0 フローイラン・サルダール フィリピンの旗 フィリピン
9 2017年8月30日 10R 判定 3-0 久高寛之仲里 日本の旗 日本
10 2017年12月30日 10R 判定 3-0 益田健太郎新日本木村 日本の旗 日本
11 2018年5月25日 1R 2:14 KO ワルド・サブ インドネシアの旗 インドネシア
12 2018年9月11日 12R 判定 3-0 マーク・ジョン・ヤップ(六島 フィリピンの旗 フィリピン WBC世界バンタム級挑戦者決定戦
13 2018年12月30日 12R 判定 3-0 ペッチ・CPフレッシュマート英語版 タイ王国の旗 タイ WBC世界バンタム級暫定王座決定戦
14 2019年11月7日 12R 判定 0-3 ノルディーヌ・ウバーリ フランスの旗 フランス WBC世界バンタム級王座統一戦
15 2021年1月14日 9R 2:25 負傷判定 3-0 栗原慶太(一力) 日本の旗 日本 OPBF東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ
16 2021年11月11日 12R 判定 3-0 和氣慎吾(FLARE山上) 日本の旗 日本 WBOアジア太平洋スーパーバンタム級王座決定戦
17 2022年6月7日 12R 判定 3-0 古橋岳也川崎新田 日本の旗 日本 日本・WBOアジア太平洋スーパーバンタム級王座統一戦
日本王座獲得・WBOアジア太平洋防衛1
18 2022年12月13日 8R 2:48 TKO ジェイク・ボルネア フィリピンの旗 フィリピン 55.5kg級契約10回戦
19 2023年4月8日 12R 判定 3-0 リボリオ・ソリス ベネズエラの旗 ベネズエラ WBA世界バンタム級王座決定戦
20 2024年2月24日 9R 0:44 KO ヘルウィン・アンカハス フィリピンの旗 フィリピン WBA防衛1
21 2024年5月6日 12R 判定 3-0 石田匠井岡 日本の旗 日本 WBA防衛2
22 2024年10月13日 12R 判定 0-3 堤聖也角海老宝石 日本の旗 日本 WBA陥落
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獲得タイトル

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脚注

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  1. ^ 【ボクシング】「正規王者になって認めてもらう!」井上拓真、“オンリーワン”に向けラストスパート ベースボール・マガジン社WEB 2019年10月29日
  2. ^ 第65回全国高等学校ボクシング選手権大会 ピン級で優勝した 井上拓真さん タウンニュース綾瀬版 2011年8月26日号
  3. ^ 第65回全国高等学校ボクシング選手権大会 ピン級で優勝した 井上拓真さん タウンニュース綾瀬版 2011年8月26日号
  4. ^ 第65回全国高等学校総合体育大会 ボクシング競技の結果 財団法人全国高等学校体育連盟 ボクシング専門部
  5. ^ 第66回全国高等学校総合体育大会 ボクシング競技の結果 財団法人全国高等学校体育連盟 ボクシング専門部
  6. ^ 井上尚弥の弟17歳の拓真がプロ転向表明 日刊スポーツ 2013年10月13日付
  7. ^ 井上拓真デビュー戦白星/ボクシング 日刊スポーツ 2013年12月6日付
  8. ^ 井上拓真がOPBF王座獲得、兄尚弥と同じプロ5戦目 Boxing News 2015年7月6日付
  9. ^ 【ボクシング】井上弟が2RTKO勝ちでV2、世界戦アピール イー・ファイト 2016年5月8日
  10. ^ 井上拓真が東洋太平洋王座返上 世界準備へ9月次戦 日刊スポーツ 2016年6月17日付
  11. ^ 井上拓真は世界前哨戦で1回ピンチから逆転判定勝利 日刊スポーツ 2016年9月5日付
  12. ^ 井上拓真の世界挑戦決定、年末に 尚弥&八重樫とトリプルマッチ スポーツニッポン 2016年9月5日付
  13. ^ 井上拓真12・30世界戦中止 練習中に右拳負傷 日刊スポーツ 2016年11月12日付
  14. ^ 井上拓真が1年ぶり復帰戦判定勝ち、久高寛之は及ばず Boxing News(ボクシングニュース) 2017年8月30日
  15. ^ 清水聡がOPBF初防衛、井上拓は判定で益田下す Boxing News(ボクシングニュース) 2017年12月30日
  16. ^ 井上拓真、連勝中のヤップ下し世界挑戦切符勝ち取る 日刊スポーツ 2018年9月11日
  17. ^ 井上拓真がWBC暫定獲得「まだ喜んではいられない」 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年12月30日
  18. ^ 井上拓真「ポイントは取っていると…」最終回にKOチャンスつかむも及ばず Boxing News(ボクシングニュース)2019年11月7日
  19. ^ 井上拓真が貫禄勝ち 再び兄弟世界王者へ第一歩東洋太平洋王者の栗原慶太は強打空転 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年1月14日
  20. ^ 井上拓真が東洋王座返上「世界戦の準備」大橋会長 日刊スポーツ 2021年3月27日
  21. ^ 井上拓真がWBOアジアパシフィックS・バンタム級王座獲得 和氣慎吾に大差判定勝ち Boxing News(ボクシングニュース)2021年11月11日
  22. ^ 井上拓真が大差判定でS・バンタム級2冠王者に、古橋岳也は奮闘及ばず日本王座陥落 Boxing News(ボクシングニュース)2022年6月7日
  23. ^ 井上拓真、日本初4王座獲得 2年7か月ぶり兄弟同時ファイト日に快挙達成「簡単にはいかなかった」”. スポーツ報知. 報知新聞社 (2022年6月7日). 2022年6月15日閲覧。
  24. ^ スーパーバンタム級の井上拓真とスーパーフライ級の中川健太が日本王座を返上 JBC発表”. スポニチ (2022年10月24日). 2022年11月11日閲覧。
  25. ^ 井上拓真TKO勝ち「バンタム級のベルト集めたい」 清水聡は1年7カ月ぶりリングで快勝”. ボクシングニュース (2022年12月13日). 2022年12月16日閲覧。
  26. ^ 井上拓真がWBOAPスーパーバンタム級王座返上 来年にバンタム級で世界再挑戦へ”. スポニチ (2022年12月15日). 2022年12月16日閲覧。
  27. ^ 井上拓真がうれし泣き初防衛!「変わったところを見せたかった」 元王者をKOで下し兄・尚弥も祝福 - スポニチ Sponichi Annex 格闘技”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年2月24日閲覧。
  28. ^ 井上拓真 V2防衛に成功 先制ダウン奪われ倍返し 石田に苦戦「きょうは競り勝てた」…WBA世界バンタム級タイトルマッチ”. スポーツ報知. 2024年5月6日閲覧。
  29. ^ 井上拓真が陥落 同学年日本人対決に判定完敗 12年前の因縁戦、堤にリベンジ許す ダウン判定に不満露わ 陣営怒り「ちゃんとレフェリーしろよ!」”. デイリースポーツ (2024年10月13日). 2024年10月13日閲覧。
  30. ^ 堤聖也が井上拓真を攻略 3-0判定で世界獲得

関連項目

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外部リンク

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空位
前タイトル保持者
松本亮
第35代OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者

2015年7月6日 - 2016年6月11日(返上)

空位
次タイトル獲得者
レネ・ダッケル
空位
前タイトル保持者
シリモンコン・シンワンチャー
WBC世界バンタム級暫定王者

2018年12月30日 - 2019年11月7日

空位
次タイトル獲得者
レイマート・ガバリョ
前王者
栗原慶太
第49代OPBF東洋太平洋バンタム級王者

2021年1月14日 - 2021年3月27日(返上)

空位
次タイトル獲得者
中嶋一輝
前王者
古橋岳也
第44代日本スーパーバンタム級王者

2022年6月7日 - 2022年10月24日(返上)

空位
次タイトル獲得者
古橋岳也
空位
前タイトル保持者
ギレルモ・リゴンドウ
WBA世界バンタム級王者

2023年4月8日 - 2024年10月13日

次王者
堤聖也