松木平優太
中日ドラゴンズ #29 | |
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基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 大阪府大阪市港区 |
生年月日 | 2003年2月24日(21歳) |
身長 体重 |
178 cm 78 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2020年 育成選手ドラフト3位 |
初出場 | 2024年7月10日 |
年俸 | 1050万円(2025年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
この表について
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松木平 優太(まつきひら ゆうた、2003年2月24日 - )は、大阪府大阪市港区出身[2]のプロ野球選手(投手)。右投右打。中日ドラゴンズ所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]インドネシア人の父と日本人の母の間に生まれる。大阪市立田中小学校1年時にソフトボールを始めて投手を務め、大阪市立港南中学校時代は港ボーイズに所属し遊撃手と外野手を務めた[2]。
精華高等学校へ進学すると2年時の夏より野手としてベンチ入りし、秋から投手に転向した[3]。高校入学時は身長163 cm、体重53 kgと小柄な体格で球速も120 km/h台後半だったが、祖母が毎食用意する3合の米やトレーニングの甲斐があり、最終的に身長は178cmまで伸びて体重は70 kgまで増加し、球速は最速145 km/hを計測する程に成長した[4][5]。
3年時の7月に行われた練習試合・履正社戦で、前年の甲子園優勝校を相手に3失点に抑える好投で注目を集めた。夏の高校野球大阪大会では、初戦の羽衣学園戦で先発し7回を無失点に抑え、9回二死満塁には8回より回っていた一塁から再び登板し試合を締める活躍を見せるも[6]、2回戦のみどり清朋戦では10回タイブレークの末にサヨナラ負けを喫した[7]。8月に開催されたプロ志望高校生合同練習会では中山礼都らから三振を奪い、打者5人に対し無安打3奪三振1四球と結果を残した[8]。
2020年のプロ野球ドラフト会議を前に中日ドラゴンズとオリックス・バファローズから調査書が届き、同会議では中日から育成3位指名を受け、11月12日に支度金200万円、年俸300万円で仮契約を結んだ[5]。背番号は206[9]。また、精華高等学校からプロ入りする初の野球選手となった[10]。
中日時代
[編集]2021年は5月29日、オリックスとのウエスタン・リーグ公式戦でプロ初登板。1イニングを投げ、被安打3、2失点の内容だった[11]。シーズン中は体幹強化に励み、入団時から体重を10kg近く増加させた[12]。トレーナーの判断により[12]、二軍公式戦の登板は2試合にとどまった[13]。
2022年は12試合登板、1勝5敗、防御率4.89[14]。フレッシュオールスターゲームではウエスタン・リーグ選抜に選出され、7回裏の1イニングを無失点に抑えた[15]。
2023年は16試合登板、5勝4敗、防御率4.56[16]。NPB AWARDSでウエスタン・リーグ優秀選手賞を受賞した[17]。オフに台湾ウインターリーグに参加し、自己最速の151km/hを計測した[18]。
2024年は7月7日までにウエスタン・リーグで14試合に登板し、9勝3敗、防御率1.84と二軍の先発ローテーションとして好投を続け、特に5月14日のウエスタン・リーグ広島戦でプロ初完投、同月30日のオリックス戦で初完封を果たした。7月8日、支配下選手契約を締結したことが発表された。これにより中日は同年の支配下選手登録上限人数の70名に達した[19]。背番号は69に変更され、推定年俸は420万円となった[20]。7月10日、横浜スタジアムでのDeNA戦で1軍初登板するも7回3失点で黒星[21]。7月31日、本拠地バンテリンドームでのヤクルト戦で3戦目にして初勝利した[22]。このシーズンのウエスタン・リーグでは前田純とタイとなる最多勝(10勝)のタイトルを獲得し、最高勝率(.769)のタイトルを単独で記録している。他にもリーグ完封最多となる2完封を記録[23]。NPB AWARDSではウエスタン・リーグの優秀選手賞、サンケイスポーツ選定の優秀投手賞にも選出された[24]。
選手としての特徴
[編集]最速151km/hのストレートとスライダー、カーブ、スプリットを投げる[2][25]。
人物
[編集]- 上述の通りインドネシア人の父と日本人の母との間に生まれるが、両親は本人が2歳の頃に離婚。その後は大阪市内の母の実家で祖父母、1つ年上の姉と5人で暮らしていたが、小学2年の頃に入退院を繰り返していた母が肝臓がんで他界。以降は祖父母に育てられるも、高校2年夏の大阪府大会初戦の2日前に祖父も他界した[26]。
- 祖母が作る豚のしょうが焼きが大好きだったが、祖母は体調を崩し親戚の千葉県の家に転居している。「お金を稼げる選手になって、おばあちゃんと住みたいです」と夢を語っている[27][28]。
- 好きな曲はヒップホップグループDOBERMAN INFINITYの『We are the one』[2]。
- 目標とする選手は大谷翔平と千賀滉大[2]。
- 毎年1月に先輩の柳裕也が地元・宮崎県都城市で行っている自主トレに参加している[29]。
- 母校の大阪・精華高校の理事長は清原和博の父と親交があり、プロ入りの際に清原のサイン入りバットと色紙を贈られ、宝物として寮に飾っている。2022年2月には中日の沖縄・北谷キャンプを訪れた清原と初対面し、「清原さんからは『当ててもいいからインコースに投げろ。岸和田魂でいけ』と言われました。今日は一生の宝物です」と語っている[30][31]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
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2024 | 中日 | 8 | 8 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | .333 | 206 | 48.2 | 46 | 5 | 16 | 1 | 4 | 40 | 1 | 1 | 20 | 20 | 3.70 | 1.27 |
通算:1年 | 8 | 8 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | .333 | 206 | 48.2 | 46 | 5 | 16 | 1 | 4 | 40 | 1 | 1 | 20 | 20 | 3.70 | 1.27 |
- 2024年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2024 | 中日 | 8 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1.000 |
通算 | 8 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1.000 |
- 2024年度シーズン終了時
記録
[編集]- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発登板:2024年7月10日、対横浜DeNAベイスターズ13回戦(横浜スタジアム)、7回3失点で敗戦投手
- 初奪三振:同上、1回裏に桑原将志から空振り三振
- 初勝利・初先発勝利:2024年7月31日、対東京ヤクルトスワローズ16回戦(バンテリンドーム ナゴヤ)、6回無失点[32]
- 打撃記録
- 初打席:2024年7月10日、対横浜DeNAベイスターズ13回戦(横浜スタジアム)、3回表に東克樹から空振り三振
背番号
[編集]- 206(2021年 - 2024年7月7日)
- 69(2024年7月8日 - 同年終了)
- 29(2025年 - )
脚注
[編集]- ^ 「中日 - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2024年11月22日閲覧。
- ^ a b c d e 「中日育成3位・松木平優太投手「頭が真っ白に…うれしい」父はインドネシア人「日本を代表する投手に!」」『中日スポーツ』2020年10月27日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「戦国大阪に“イケメン超新星”精華・松木平 プロ3球団の前で好投 インドネシア人の父持つ原石」『スポニチアネックス』2020年7月19日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「精華・松木平はドラフト「隠し玉」祖母飯で体重増加」『日刊スポーツ』2020年7月18日。2020年12月27日閲覧。
- ^ a b 「【中日】育成3位指名、最速145キロ右腕の精華高・松木平に指名あいさつと仮契約 「奪三振王を取りたい」」『スポーツ報知』2020年11月12日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「プロ注目の精華・松木平7回0封「力みすぎ」/大阪」『日刊スポーツ』2020年7月18日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「精華・松木平サヨナラ負けに涙 2球団が視察/大阪」『日刊スポーツ』2020年7月23日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「精華・松木平「自信に」プロ注目選手2人を連続三振」『日刊スポーツ』2020年8月30日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「中日が新入団9選手の背番号を発表、1位の高橋宏は『19』、2位の森は『28』、3位の土田は『45』」『中日スポーツ』2020年12月11日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「【お知らせ】硬式野球部 松木平優太君 プロ野球ドラフト指名」『精華高等学校公式ホームページ』2020年10月27日。2020年12月27日閲覧。
- ^ 「【中日2軍】育成3位右腕の松木平優太は1回2失点のほろ苦デビュー「やはりプロは甘い球を逃さないなと…」」『中日スポーツ』2021年5月29日。2021年11月11日閲覧。
- ^ a b 「【中日】育成の松田亘哲&松木平優太は現状維持の300万円で更改 ともに支配下契約めざし気合」『スポーツ報知』2021年11月10日。2021年11月11日閲覧。
- ^ 「2021年度 中日ドラゴンズ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2021年11月11日閲覧。
- ^ 「2022年度 中日ドラゴンズ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「2022年7月23日 【フレッシュオールスターゲーム】 試合速報」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「2023年度 中日ドラゴンズ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「ウエスタン・リーグ表彰 | 2023年 表彰選手」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「中日の育成・松木平優太が151キロ自己最速を計測「すごくいい。直球が伸びてきています」台湾で成長」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2023年12月12日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「【中日】松木平優太の支配下登録を発表 ウエスタン14試合に登板しリーグ断トツの9勝」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2024年7月8日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「【中日】育成右腕・松木平優太を支配下選手登録 球団上限70人目「本当になれてよかった」」『日刊スポーツ』2024年7月8日。2024年7月8日閲覧。
- ^ “【中日】松木平優太デビュー戦は7回3失点黒星も「これから上を目指して」祖母へ恩返しの第1歩”. 日刊スポーツ. (2024年7月10日) 2024年8月5日閲覧。
- ^ “中日・育成出身の松木平優太、プロ初勝利「思春期にやつあたりしてしまって…」育ててくれた祖母に「感謝しかない」”. 中日スポーツ 東京中日スポーツ. (2024年8月1日) 2024年8月5日閲覧。
- ^ 2024年度 ウエスタン・リーグ リーダーズ(投手部門) NPB (2024年10月24日閲覧)
- ^ “ウエスタン・リーグ表彰 | 2024年 表彰選手”. NPB.jp. 日本野球機構. 2024年11月26日閲覧。
- ^ 「中日の育成・松木平優太が151キロ自己最速を計測「すごくいい。直球が伸びてきています」台湾で成長」『中日スポーツ』2023年12月12日。2024年3月25日閲覧。
- ^ 若狭敬一「母に、祖父に、父に届け。中日の育成・松木平優太が“珍しい名前”を世界に轟かせる日」『文春オンライン』2021年4月25日。2022年10月19日閲覧。
- ^ 「ドラフト「隠し玉」 精華・松木平 スピン直球で無名から急成長!ソフトB千賀タイプの鋭い腕の振り」『スポーツニッポン』2020年10月10日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「投手転向まだ2年半…中日・育成の松木平が急成長「稼げる選手になり祖母と住みたい」苦労の幼少期経て“一人前”へ」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2022年2月20日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「『チーム柳』で25勝!中日・柳裕也、自主トレ参加の仲地礼亜、松木平優太と“全員キャリアハイ”誓う」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2024年1月18日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「清原さんと驚きの初対面に絶句 育成・松木平「“岸和田魂”で頑張れ」と激励もらう【中日】」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2022年2月22日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「中日松木平優太が清原氏との初対面に感激、宝物はバットと色紙「岸和田魂」も伝授」『日刊スポーツ』2022年2月22日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「中日・松木平がプロ初勝利 8日に支配下登録を勝ち取った苦労人右腕が6回4安打無失点の力投」『スポニチアネックス』2024年7月31日。2024年7月31日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 個人年度別成績 松木平優太 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE