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アパパネ

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アパパネ
欧字表記 Apapane[1]
香港表記 夏威夷鳥[2]
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2007年4月20日(17歳)
登録日 2009年5月6日
キングカメハメハ
ソルティビッド
母の父 Salt Lake
生国 日本の旗 日本北海道安平町
生産者 ノーザンファーム
馬主 金子真人ホールディングス
調教師 国枝栄美浦
調教助手 佐藤勝美
厩務員 福田好訓
競走成績
タイトル 牝馬三冠(2010年)
JRA賞最優秀2歳牝馬(2009年)
JRA賞最優秀3歳牝馬(2010年)
生涯成績 19戦7勝
内訳
中央:18戦7勝
香港:1戦0勝
獲得賞金 5億5859万円
勝ち鞍
GI 桜花賞 2010年
GI 優駿牝馬 2010年
GI 秋華賞 2010年
GI ヴィクトリアマイル 2011年
JpnI 阪神JF 2009年
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アパパネ (Apapane) は日本競走馬である。おもな勝ち鞍は2009年阪神ジュベナイルフィリーズ2010年桜花賞優駿牝馬秋華賞2011年ヴィクトリアマイル馬名ハワイに生息するアカハワイミツスイApapane)の英語名から[3]

経歴

2歳(2009年)

福島競馬場の芝1800mの新馬戦に蛯名正義とのコンビでデビューした。3番人気に支持されたものの3着に敗れた。続く未勝利戦では道中3番手から進み、最後の400m過ぎで内から抜け出して2馬身の差をつけて初勝利をあげる。その後は赤松賞に出走することになる。同レースでは大外16番からスタートすると道中は8番手に位置し、4コーナーでは外にモタれたものの直線で差し切ってブルーミングアレーに2馬身半差をつけて2勝目をあげた[4]。勝ち時計の1分34秒5は従来の2歳コースレコードを1秒縮めるものとなった[4]

赤松賞勝利後、陣営は母親のソルティビッドと同じく11月26日から栗東トレーニングセンターで調整を行い阪神ジュベナイルフィリーズを目指した[5][6][7]。阪神ジュベナイルフィリーズは赤松賞に続き再び大外となる18番となったことに陣営は苦笑を浮かべた[8]。レースではゲート入りに時間がかかったものの道中中団よりやや後ろから前を窺い、4コーナー直前から先頭グループに迫る[9]。直線は内に大きく開いた進路から最後の200m手前で先頭に立つとそのまま後続の追撃を振り切って勝利し、母が2002年に同じく蛯名の騎乗で17着に敗れた同レースでJpnI初勝利となった[9]。キングカメハメハ産駒のJpnI勝利は初[3]。また関東馬の同レース勝利も2004年ショウナンパントル以来となった[3]。福島デビュー馬の同レース勝利も史上初めてである[10]

3歳(2010年)

第70回桜花賞ゴール前

2010年チューリップ賞から始動。陣営は前走同様にチューリップ賞前に栗東入りした。レースでは前半折り合いに苦労する面を見せながら立て直したものの、最後の直線でショウリュウムーンにかわされて2着に敗れた。チューリップ賞後もそのまま栗東に残って調整した。そして本番の4月11日桜花賞ではスタートから先行する形でレースを進め最後の直線でスパートをかけるとゴール前で逃げるオウケンサクラを差して優勝を飾り、鞍上の蛯名と調教師の国枝栄に初の桜花賞のタイトルをもたらした。勝ち時計1分33秒3は2005年ラインクラフトが持っていた1分33秒5を0秒2更新する桜花賞レコードとなった。また美浦所属の騎手が桜花賞を制したのは1985年エルプスで制覇した木藤隆行以来25年ぶり。福島デビュー馬が、桜花賞を制したのは1974年タカエノカオリ以来36年ぶり4頭目となった[11]

第71回優駿牝馬優勝時

桜花賞後は美浦に戻り優駿牝馬(オークス)へ向けての調整が行われた。そして迎えたオークスでは大外8枠17番、レース前に血統面での適性による距離不安などが囁かれながらも1番人気に支持されての出走となった。レースはニーマルオトメがレースを引っ張る形でアパパネは中団のサンテミリオンのすぐ後ろで折り合いをつける形で追走し、最後の直線で先に飛び出したサンテミリオンに後方から迫ると2頭が並走する形になり1番手で粘っていたアグネスワルツに2馬身差をつけそのまま並んでゴール板を駆け抜けた。約15分間にも及ぶ長い写真判定の末、JRAGIおよび八大競走では史上初となる1着同着という結果となった(2021年5月1日現在でJRA主催G1での同着優勝決着はこのレースのみである)。鞍上の蛯名とサンテミリオン騎乗の横山典弘は奇しくも1992年帝王賞でのラシアンゴールド(蛯名騎乗)、ナリタハヤブサ(横山騎乗)でも1着同着となっていたことでも話題となった。なお、この勝利によってアパパネは2009年のブエナビスタに続く2年連続での牝馬クラシック2冠を、また馬主の金子真人は中央レースでの五大クラシック競走の完全制覇を達成した。また関東馬による牝馬クラシック2冠達成は1986年メジロラモーヌ以来、24年ぶりであった。

第15回秋華賞優勝時

夏は美浦で調整し、秋緒戦は9月19日ローズステークスから始動。レース直前の馬体重は実にプラス24キロを計測、レース中は折り合いも欠くなど本来の状態ではなくそれでもゴール前では一旦先頭に立つがやはりあとひと伸びがなくアニメイトバイオの4着に敗れた。10月17日秋華賞は前走より体重をマイナス4キロと絞った。レースでは最後の直線で伸びると追いかけるアニメイトバイオアプリコットフィズを抑えて1着となりスティルインラブ以来、7年ぶり史上3頭目の牝馬三冠馬となった。父内国産馬の牝馬三冠馬は初で、牡馬を含めてもミスターシービー(父・トウショウボーイ)以来史上2頭目である。2歳(旧3歳)時のGI(JpnI)も合わせて制覇している三冠馬は牡馬を含めても本馬の他には1994年ナリタブライアンのみである。続いて出走した11月14日エリザベス女王杯では、好スタートから道中6番手前後を追走し4コーナーから直線で外に持ち出して追いあげるもスノーフェアリーの3着に敗れた。

4歳(2011年)

中山記念ヴィクトワールピサと対戦する予定だったが、熱発のため回避。マイラーズカップを目指すこととなった。そのマイラーズカップでは中団追走から直線で外から脚を伸ばしたがシルポートの4着。叩き2戦目となったヴィクトリアマイルブエナビスタとの対決に注目が集まった。レースはオウケンサクラがハナを切って逃げる展開となり後方待機策から最後の直線では先行したレディアルバローザを捉えて先頭に立つと、外から追走して来たブエナビスタをクビの差で抑えて1着となりGI5勝目を挙げた。安田記念では中団のインからレースを進めたが直線で伸びを欠き6着に敗れ、初めて掲示板を外した。秋緒戦の府中牝馬ステークスでは中団に位置するも直線ではまったく伸びず14着と惨敗し初めて2桁着順に沈んだ。牝馬GI完全制覇がかかったエリザベス女王杯では好位の4番手で脚を溜め直線で外から襲い掛かるが、後方から脚を伸ばしたスノーフェアリーにかわされ3着となった。その後は香港へ遠征し、12月の香港マイルに出走。好位5番手追走でレースを進めたが、直線で失速し13着に敗れた。

5歳(2012年)

2012年阪神牝馬ステークスから始動、これまで主戦を務めていた蛯名が落馬負傷したため、岩田康誠に乗り替わることとなった。レースでは後方10・11番手からレースを進めたが直線で伸びを欠き7着に敗れた。連覇がかかったヴィクトリアマイルでは中団追走も直線で伸びずホエールキャプチャの5着に敗れた。安田記念では中団に位置するも直線ではまったく伸びず16着と惨敗した。

秋競馬を目指していた9月13日屈腱炎を発症しており、競走馬登録を抹消、繁殖牝馬となることが発表された[12]

主な記録

受賞記録

その他記録

  • 牝馬では史上4頭目のGI競走5勝を記録(同馬以前には、ウオッカメジロドーベル、ブエナビスタが記録)。また牝馬史上最速でGI競走5勝に到達した(これまでの最速記録はブエナビスタ)[13]
  • 3歳10月でのGI競走4勝到達は、牝馬のみならず日本競馬史上最短記録である。
  • 牝馬三冠を達成した歴代の競走馬で、その後にGI競走を制したのは本馬が初めて[14]。そもそも牝馬三冠達成後に勝利を収めた事自体、本馬が初である。
  • GI競走を5勝しているが、GII・GIII競走は未勝利である。GII・GIII未勝利のGI馬は2歳・3歳限定GI優勝馬を中心に多数存在するが、本馬はその中で最多のGI優勝数である。

繁殖生活

生年 馬名 毛色 馬主 管理調教師 戦績 主な勝利競走 供用 出典
初仔 2014年 モクレレ セン 黒鹿毛 ディープインパクト 金子真人ホールディングス 美浦・国枝栄 18戦3勝(現役) [15]
2番仔 2015年 ジナンボー 美浦・堀宣行 13戦4勝(現役) [16]
3番仔 2017年 ラインベック 栗東・友道康夫 11戦3勝(現役) 中京2歳S [17]
4番仔 2018年 アカイトリノムスメ 美浦・国枝栄 4戦3勝(現役) クイーンC [18]
5番仔 2020年 アパパネの2020 ブラックタイド [19]

2016年、2019年はディープインパクトを種付けするも不受胎。その他の年に産まれた産駒はすべて金子の所有馬としてデビューしており、2番仔ジナンボー新潟記念2着、3番仔ラインベック中京2歳ステークス優勝、4番仔アカイトリノムスメクイーンカップ優勝と活躍馬を輩出している。なお、2020年までの全産駒が父・母・仔ともに金子の所有馬という組み合わせである。

  • 2021年2月13日現在

競走成績

以下の内容はnetkeiba.comの情報[20]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2009.07.05 福島 2歳新馬 芝1800m(良) 16 4 8 06.0(3人) 03着 R1:51.5(37.5) -0.8 蛯名正義 54kg ロードシップ
0000.10.31 東京 2歳未勝利 芝1600m(良) 14 6 3 05.1(3人) 01着 R1:35.9(34.3) -0.3 蛯名正義 54kg (ローグランド)
0000.11.15 東京 赤松賞 芝1600m(良) 16 8 16 06.0(3人) 01着 R1:34.5(33.6) -0.4 蛯名正義 54kg (ブルーミングアレー)
0000.12.13 阪神 阪神JF JpnI 芝1600m(良) 18 8 18 04.6(2人) 01着 R1:34.9(34.3) -0.1 蛯名正義 54kg アニメイトバイオ
2010.03.06 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(重) 16 8 16 02.2(1人) 02着 R1:36.2(35.0) -0.1 蛯名正義 54kg ショウリュウムーン
0000.04.11 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 5 9 02.8(1人) 01着 R1:33.3(34.1) -0.1 蛯名正義 55kg オウケンサクラ
0000.05.23 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(稍) 18 8 17 03.8(1人) 01着 R2:29.9(35.2) 同着 蛯名正義 55kg サンテミリオン
0000.09.19 阪神 ローズS GII 芝1800m(良) 12 5 5 02.1(1人) 04着 R1:46.0(34.1) -0.2 蛯名正義 54kg アニメイトバイオ
0000.10.17 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 7 15 02.3(1人) 01着 R1:58.4(34.1) -0.1 蛯名正義 55kg (アニメイトバイオ)
0000.11.14 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 17 3 5 02.7(1人) 03着 R2:13.5(35.1) -1.0 蛯名正義 54kg スノーフェアリー
2011.04.17 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 18 8 18 07.1(4人) 04着 R1:32.8(33.2) -0.5 蛯名正義 56kg シルポート
0000.05.15 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 17 8 16 04.1(2人) 01着 R1:31.9(34.3) -0.0 蛯名正義 55kg ブエナビスタ
0000.06.05 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 8 02.2(1人) 06着 R1:32.2(34.5) -0.2 蛯名正義 56kg リアルインパクト
0000.10.16 東京 府中牝馬S GII 芝1800m(稍) 16 2 4 02.3(1人) 14着 R1:47.8(34.9) -1.0 蛯名正義 57kg イタリアンレッド
0000.11.13 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 2 4 10.0(4人) 03着 R2:11.8(34.7) -0.2 蛯名正義 56kg スノーフェアリー
0000.12.11 沙田 香港マイル G1 芝1600m(-) 14 9 14 20.0(9人) 13着 R1:35.41(-) -1.43 蛯名正義 55.5kg エイブルワン
2012.04.07 阪神 阪神牝馬S GII 芝1400m(良) 17 8 16 06.4(3人) 07着 R1:22.3(34.8) -0.4 岩田康誠 56kg クィーンズバーン
0000.05.13 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 4 7 04.0(1人) 05着 R1:32.8(33.8) -0.4 蛯名正義 55kg ホエールキャプチャ
0000.06.03 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 5 10 09.3(4人) 16着 R1:32.6(35.3) -1.3 蛯名正義 56kg ストロングリターン
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

血統表

アパパネ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

キングカメハメハ
2001 鹿毛
父の父
Kingmambo
1990 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
父の母
*マンファス
Manfath
1991 黒鹿毛
*ラストタイクーン
Last Tycoon
*トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird Blakeney
The Dancer

*ソルティビッド
2000 栗毛
Salt Lake
1989
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Take Lady Anne Queen City Lad
Lovita H.
母の母
Piper Piper
1987
Spectacular Bid Bold Bidder
Spectacular
Alvarada Hard Work
Easterborn F-No.9-f
母系(F-No.) 9号族(FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5x5x5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ アパパネ 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com アパパネ 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ アパパネ 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  4. ^ netkeiba.com アパパネ 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  • 母・ソルティビッドはフェアリーステークス2着があり、オープンのすずらん賞と菜の花賞も勝っている。勝ち鞍が全て1200m以下のスプリンターだった。また現役時はアパパネと同一馬主(但し当時は「金子真人」名義)、厩舎だった[9]

脚注

  1. ^ APAPANE (N611) - Racing Information” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2018年9月30日閲覧。
  2. ^ 夏威夷鳥 (N611) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2018年9月30日閲覧。
  3. ^ a b c キングカメハメハ産駒GI初制覇/阪神JFアラカルト”. netkeiba (2009年12月13日). 2009年12月14日閲覧。
  4. ^ a b 【赤松賞】アパパネ飛んで来た!レコード差し!”. スポニチ (2009年11月15日). 2009年12月14日閲覧。
  5. ^ 【阪神JF】アパパネ栗東滞在で臨む”. スポニチ (2009年12月8日). 2009年12月14日閲覧。
  6. ^ 【阪神JF】国枝師、アパハネでリベンジだ”. デイリースポーツ (2009年12月9日). 2009年12月14日閲覧。
  7. ^ 【阪神JF】“栗東留学”アパパネ跳ねる12秒2”. スポニチ (2009年12月10日). 2009年12月14日閲覧。
  8. ^ 【阪神JF】(18)アパパネすっかり“栗東の娘””. スポニチ (2009年12月12日). 2009年12月14日閲覧。
  9. ^ a b c 【阪神JF】アパパネ尻ッパネ!終わってみれば2歳女王!”. スポニチ (2009年12月14日). 2009年12月14日閲覧。
  10. ^ 阪神JFアラカルト 競馬ブックweb
  11. ^ 桜花賞アラカルト 競馬ブックweb
  12. ^ アパパネ号が故障”. JRAニュース (2012年9月13日). 2012年9月13日閲覧。
  13. ^ 【ヴィクトリアM】“ウオッカ超え”のレコードV”. スポニチ (2011年5月16日). 2011年5月16日閲覧。
  14. ^ 【VM】アパパネ新女王 ブエナねじ伏せた/主要ニュース速報/デイリースポーツonline
  15. ^ モクレレ”. JBISサーチ. 2019年6月23日閲覧。
  16. ^ ジナンボー”. JBISサーチ. 2019年6月23日閲覧。
  17. ^ ラインベック”. JBISサーチ. 2019年6月23日閲覧。
  18. ^ アカイトリノムスメ”. JBISサーチ. 2018年9月30日閲覧。
  19. ^ _________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2020年11月22日閲覧。
  20. ^ アパパネの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年8月1日閲覧。

外部リンク