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「日本百名山」の版間の差分

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『'''日本百名山'''』(にほんひゃくめいざん)は[[深田久弥]]の最も著名な山岳[[随筆]]である。初刊は[[1964年]]に新潮社で出版された。
『'''日本百名山'''』(にほんひゃくめいざん)は、[[深田久弥]]の最も著名な山岳[[随筆]]である。初刊は[[1964年]]7月に[[新潮社]]から出版され<ref name="日本百名山(1964)">[[#日本百名山(1964)|日本百名山(1964)]]</ref>、第16回[[読売文学賞]](評論・伝記賞)を受賞した作品である。


本著は[[文筆家]]で[[登山家]]でもあった深田が、[[日本列島]]各地の山岳を、が定めた基準で、座を選び主題とした随筆集。
本著は[[文筆家]]で[[登山家]]でもあった本人が、実際に登頂した[[日本の山一覧|日本の各地の山]]からが定めた基準で、100座を選び主題とした随筆集。

登山記として見たときの『日本百名山』は、他の著名な山岳随筆である[[ウォルター・ウェストン]]『日本アルプスの登山と探検』や、[[小島烏水]]・[[志賀重昂]]・[[田部重治]]・[[冠松次郎]]・[[串田孫一]]などの諸作品に比べて、一座あたりの文章量が少なく、文章の多くは山の歴史や山名の由来などに割かれている。


== 概要 ==
== 概要 ==
山の地誌・歴史、文化史、文学史、山容、などの特徴を中心として記載され、本人の登頂時の様子と共に、100の日本の名峰各座が4頁(2,000字)程度に巧みにまとめられた随筆である<ref name="日本百名山(1964)" />。本書における山の記述が、登山解説書や様々な[[ホームページ]]で引用されることがある<ref name="登山案内(1998)">[[#登山案内|登山案内(1998)]]</ref>。登山記([[紀行|紀行文]])として見たときの『日本百名山』は、他の著名な山岳随筆である[[ウォルター・ウェストン]]『日本アルプスの登山と探検』や、[[小島烏水]]・[[志賀重昂]]・[[田部重治]]・[[冠松次郎]]・[[串田孫一]]などの諸作品と比較すると、一座あたりの文章量は少ない。
深田は日本の多くの山を踏破した経験から、「品格・歴史・個性」を兼ね備え、かつ原則として標高1500m以上の山<ref>[[筑波山]] (877m) および[[開聞岳]] (924m) のような例外もある。</ref>という基準を設け、“日本百名山”を選定した。<ref>上記の基準に加えて深田は、観光的に開発されつくして「山霊のすみかがなくなっている」ような山は選ぶわけにはいかない、と述べ、また、自らの出身地である福井県の荒島岳に触れて、「各県から代表の山を選ぶ」というような考えももっていたとしている{{要出典|date=2010年3月}}。なお、47すべての都道府県から選んだわけではなく、百名山の存在しない都道府県も、西日本を中心に16府県に及んでいる。</ref>


== 深田久弥の日本百名山の選定基準 ==
深田は、「自分の選定の試みは、旅行業界が観光振興のために選んだ「名勝百選」のようなものに比べれば正確だ」と自負する一方、自分の基準が唯一の妥当な選定基準ではないことも認めていた。新潮文庫版の「日本百名山」では、解説者の[[串田孫一]]が、「読者が自分で百名山を選定する際のたたき台として使えることもこの本の魅力」という意見を述べている。
日本の多くの山を踏破した本人の経験から、「品格・歴史・個性」を兼ね備え、かつ原則として[[標高]]1,500 [[メートル|m]]以上の山<ref>[[筑波山]] (877m) および[[開聞岳]] (924m) のような例外もある。[[弥彦山]]、[[比叡山]]、[[英彦山]]などは名山ではあるが標高が低いことから除外された。</ref>という基準を設け、『日本百名山』を選定した。1961年(昭和36年)に[[上高地]]で[[開山祭]]である「ウェストン祭」の講演で日本百名山の選定基準を披露している<ref name="日本百名山と深田久弥(2004)、著書一覧3頁">[[#日本百名山と深田久弥|日本百名山と深田久弥(2004)、著書一覧3頁]]</ref>。
* '''山の品格''' - 人には[[人格]]があるように、山には『山格』のようなものがあるとし、誰が見ても立派な山だと感嘆する山であることを、第一の基準とした<ref name="日本百名山(1964)、後記">[[#日本百名山(1964)|日本百名山(1964)、後記]]</ref>。
* '''山の歴史''' - 昔から人間との関わりが深く、崇拝され山頂に[[祠]]が祀られている山であるというような山の歴史を尊重し、第二の基準とした<ref name="日本百名山(1964)、後記" />。
* '''個性のある山''' - [[芸術作品]]と同様に、山容・現象・伝統など他には無いような顕著な個性をもっていることを、第三の基準とした<ref name="日本百名山(1964)、後記" />。
また「本人が登頂した山であること」が、絶対条件となっている。少年の頃から約50年の間に相当数の山に登っていて、多くの山を知っている点に自信を持っていた<ref name="日本百名山(1964)、後記" />。
{{main|深田久弥#主な登山記録(山行記録)}}


前記の基準に加えて、観光的に開発されつくして「山霊のすみかがなくなっている」ような山は選ぶわけにはいかないと述べ、自らの出身地である福井県の荒島岳に触れて、「各県から代表の山を選ぶ」というような考えも持っていたとしている<ref name="日本百名山と深田久弥(2004)、65頁">[[#日本百名山と深田久弥|日本百名山と深田久弥(2004)、65頁]]</ref>。なお、47すべての[[都道府県]]から選んだわけではなく、百名山の存在しない都道府県も、西日本を中心に16府県に及んでいる。
この本が広く関心を集めるようになったのは、自身も山好きで[[日本山岳会]]にも属する[[皇太子徳仁親王|徳仁]]<ref>『山と渓谷』1995年8月号への寄稿では、誕生日に父から贈られた事があると記している。</ref>が“日本百名山”の全峰踏破を夢見ていると、当時のマスコミによって伝えられたことがきっかけであったとされる。


「自分の選定の試みは、旅行業界が観光振興のために選んだ「名勝百選」のようなものに比べれば正確だ」と自負する一方、自分の基準が唯一の妥当な選定基準ではないことも認めていた。新潮文庫版の「日本百名山」では、解説者の串田孫一が、「読者が自分で百名山を選定する際のたたき台として使えることもこの本の魅力」という意見を述べている<ref name="日本百名山、解説(串田孫一)">[[#日本百名山(1964)|日本百名山、解説(串田孫一)]]</ref>。
[[1994年]]から翌年にかけて[[NHK衛星第2テレビジョン]]の『日本百名山』のテレビ番組で、一山ずつ全山が紹介された<ref>[http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999404050130149/?n=12&q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%99%BE%E5%90%8D%E5%B1%B1&o=101&np=20&or=t NHKアーカイブス保存番組詳細『日本百名山 八ヶ岳』(1994年4月5日)] [[日本放送協会|NHK]]、2011年2月17日閲覧。</ref>。
=== 他の候補 ===
また[[1997年]]に[[岩崎元郎]]・[[みなみらんぼう]]らが百名山に挑戦する[[趣味悠々]]『中高年のための登山入門』も放映された<ref>[http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999707030130261/?n=10&q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%99%BE%E5%90%8D%E5%B1%B1&o=1&np=20&or=t NHKアーカイブス保存番組詳細(1997年7月3日放送・開聞岳)他] NHK趣味悠々『中高年のための登山学~日本百名山をめざす』、2011年2月17日閲覧</ref>。
[[北海道]]では9座が選定され、他に[[ウペペサンケ山]]、[[ニペソツ山]]、[[石狩岳]]、[[ペテガリ岳]]、[[芦別岳]]、[[北海道駒ヶ岳|駒ヶ岳]]、[[樽前山]]なども有力な候補としていたが、登頂していないことにより除外された。[[東北地方]]では、[[秋田駒ヶ岳]]と[[栗駒山]]も候補としていて、[[森吉山]]、[[姫神山]]、[[船形山]]は標高が低いことから除外された。[[上信越]]は最も選定に迷った地域で、[[女峰山]]、[[仙ノ倉山]]、[[黒姫山 (長野県) |黒姫山]]、[[飯縄山]]、[[守門岳]]、[[荒沢岳]]、[[白砂山]]、[[鳥甲山]]、[[岩菅山]]なども候補としていた。[[日本アルプス]]からは28座が選定されたが、[[雪倉岳]]、[[奥大日岳]]、[[針ノ木岳]]、[[蓮華岳]]、[[燕岳]]、[[大天井岳]]、[[霞沢岳]]、[[有明山 (長野県安曇野市)|有明山]]、[[餓鬼岳]]、[[毛勝山]]、[[大無間山]]、[[笊ヶ岳]]、[[七面山]]なども候補としていた。[[北陸地方]]では、[[笈ヶ岳]]と[[大笠山]]を入れるべきと考えていたが、登頂していなかったため除外された。自身の出身地では、荒島岳と[[能郷白山]]から前者を選択した。[[関西地方]]では、[[藤原岳]]と[[比良山]]が標高が低いため除外され、[[御在所岳]]は山頂が[[遊園地]]化し世俗化していたため除外された。[[中国地方]]では[[氷ノ山]]を次の候補としていて、[[蒜山]]や[[三瓶山]]などなだらか山が多く物足りなく感じ、鳥取県の大山1座のみの選定に至った。[[四国]]では迷うことなく、石鎚山と剣山を選定した。[[九州]]では[[由布岳]]、[[市房山]]、[[桜島]]も候補となっていた<ref name="日本百名山(1964)、後記" />。


== 日本百名山の背景 ==
[[2007年]][[7月]]には島津康一郎が日本百名山を48日間で連続踏破し、平田和文が[[2002年]]に達成していた最短記録(66日間)を更新した。
=== 山岳雑誌の山小屋での初期構想 ===
[[第二次世界大戦|戦]]前の頃に日本のめぼしい山にすべて登り、その中から百名山を選ぶという構想を持っていた<ref name="日本百名山(1964)、後記" />。[[1940年]](昭和15年)3月から、出版社であった朋文堂から山岳雑誌の『山小屋』で日本百名山の初期の構想であった連載を始めた。その初回で「日本百名山を選ぶのは、多年の僕の念願であった」と記載して、400-600字程度の短編に自身が撮影した写真を付けて、毎月2座合計以下の20座の連載が行われた<ref name="日本百名山と深田久弥(2004)、7-9頁">[[#日本百名山と深田久弥|日本百名山と深田久弥(2004)、7-9頁]]</ref>。
* [[高千穂峰]]、乗鞍岳 - 3月号
* [[岩菅山]]、妙高山 - 4月号
* 燧ヶ岳、至仏山 - 5月号
* 五竜岳、蓼科山 - 6月号
* [[宝剣岳]]、[[八甲田山|高田大岳]] - 7月号
* 白山、会津駒ヶ岳 - 8月号
* 薬師岳、[[太郎山 (栃木県)|太郎山]] - 9月号
* 高妻山、霧ヶ峰 - 10月号
* [[赤岳 (八ヶ岳山系)|赤岳]]、開聞岳 - 11月号
* [[湯ノ丸山]]、岩手山 - 12月号
=== 『岳人』選定による日本百名山 ===
1947年より[[東京新聞]]出版局から創刊されている山岳雑誌の『[[岳人]]』では[[奥山章]]、[[冠松次郎]]、[[辻村太郎]]ら54名のアンケートにより1年余りかけて選考が行われ、[[1953年]](昭和28年)の3月号(59号)で「岳人選定による日本百名山」がまとめられた<ref name="日本百名山と深田久弥(2004)、15-17頁">[[#日本百名山と深田久弥|日本百名山と深田久弥(2004)、15-17頁]]</ref>。78座が、後に出版された深田久弥による『日本百名山』と一致していた。標高1,500 [[メートル|m]]以上であることをあくまでも原則として、山容のよいこと、[[景勝地]]であること、山頂からの展望が優れていることなどが選考条件となり、特に「[[登山]]の対象として面白い」が主眼とされていた<ref name="日本百名山と深田久弥(2004)、15-17頁" />。
;深田久弥による百名山と一致した山
:大雪山、十勝岳、阿寒岳、斜里岳、八甲田山、八幡平、岩手山、鳥海山、早池峰山、東北朝日岳、飯豊山、月山、蔵王山、吾妻山、磐梯山、会津駒ヶ岳、[[越後三山|魚沼三山]]、谷川岳、武尊山、日光白根山、男体山、燧ヶ岳、至仏山、平ヶ岳、苗場山、那須岳、赤城山、天城山、丹沢山、両神山、雲取山、甲武信ヶ岳、金峰山、瑞牆山、浅間山、蓼科山、八ヶ岳、妙高山、火打山、富士山、[[白峰三山]]、[[鳳凰山|鳳凰三山]]、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、塩見岳、悪沢岳、荒川岳、赤石岳、聖岳、木曽駒ヶ岳、空木岳、木曽御嶽山、恵那山、乗鞍岳、焼岳、槍ヶ岳、穂高岳、笠ヶ岳、白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、常念岳、鷲羽岳、薬師岳、立山、剱岳、黒岳、白山、荒島岳、大峰山、大台ヶ原山、伊吹山、伯耆大山、石鎚山、剣山、九重山、霧島山、阿蘇山
;深田久弥による百名山と一致しなかった山
:[[ペテガリ岳]]、[[石狩岳]]、[[神威岳 (大樹町・浦河町)|神威岳]]、[[仙ノ倉山]]、[[白砂山]]、[[妙義山]]、[[榛名山]]、[[国師岳]]、[[戸隠山]]、[[岩菅山]]、[[笊ヶ岳]]、[[唐松岳]]、[[燕岳]]、[[針ノ木岳]]、[[烏帽子岳 (飛騨山脈)|烏帽子岳]]、[[毛勝山|毛勝岳]]、[[奥大日岳]]、[[御在所岳|鈴鹿山]]、[[氷ノ山]]、八重山、[[雲仙岳]]、[[傾山]]
=== 雑誌『山と高原』での日本百名山の連載 ===
[[1959年]](昭和34年)3月から、朋文堂の雑誌『山と高原』で毎月2座の日本百名山の連載が始まった。山の地誌・歴史、文化史、文学史、山容、自身の登頂記などを2,000字程度に簡潔にまとめ、50回連続して[[1963年]](昭和38年)4月号まで書き継がれた<ref name="日本百名山と深田久弥(2004)、25-27頁">[[#日本百名山と深田久弥|日本百名山と深田久弥(2004)、25-27頁]]</ref><ref name="日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛(2004)、219頁">[[#日本百名山の背景深田久弥二つの愛|日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛(2004)、219頁]]</ref>。初回は鳥海山と男体山、最終回は筑波山と富士山だった。山の愛好者から好評を得て、この雑誌の読者による人気投票で第1回読者賞を獲得した<ref name="日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛(2004)、219頁" />。その後、1年余りの推敲が重ねられて、1964年(昭和39年)に[[新潮社]]から『日本百名山』の単行本が出版された<ref name="日本百名山(1964)" />。各山の文章中に、山周辺の地図と山の白黒写真が挿入された版のものある。好評を得て、深田久弥のこの著書が第16回読売文学賞(評論・伝記賞)を受賞した。その贈賞式は1965年(昭和40年)2月6日に、[[読売ホール|読売会館]]で行われた。


== 選定された百山 ==
== 日本のその後 ==
[[画像:Mt.Kayagatake-Fukada monument (200711).jpg|thumb|200px|[[深田久弥]]終焉の地の[[茅ヶ岳]]。1971年3月21日に山上で、脳卒中で急逝。]]
深田久弥はこの本の出版後も相変わらず山に登り続けて、ぜひ百名山に入れたいと思ういくつかの山を知った。それらは標高としては第2線級ではあるが、その山容の美しさや品格のある点では[[日本の山一覧 (3000m峰) |3,000 m峰]]にも劣らなかったと記している<ref name="山頂の憩い-「日本百名山」その後(2000)、15頁">[[#山頂の憩い-「日本百名山」その後|山頂の憩い-「日本百名山」その後(2000)、15頁]]</ref>。[[1971年]](昭和46年)に出版された山岳紀行[[エッセイ]]集『山頂の憩い-「日本百名山」その後』では、20座程が紹介された。[[ニペソツ山]]については、「日本百名山を出版した時、この山をまだ見ておらず、ニペソツには申し訳なかったが百名山には入れなかった。実に立派な山であることを登ってみて初めて知った。」と記載している<ref name="山頂の憩い-「日本百名山」その後(2000)、115頁">[[#山頂の憩い-「日本百名山」その後|山頂の憩い-「日本百名山」その後(2000)、115頁]]</ref>。多くの人の意見を聞いて若干の山の差替えをするつもりのようであったが<ref name="日本百名山(1964)、後記" />、結局1964年の出版後に百座の入替えが行われることはなかった。『山頂の憩い-「日本百名山」その後』が[[遺作]]となり、1971年3月21日登山中の[[茅ヶ岳]]にて、[[脳血管障害|脳卒中]]で急逝した。

この本により、これまで知らなかった日本の山の魅力を知り、自分もこれらの山に登ってみようという「日本百名山ブーム」が起き、現在も継続している<ref name="日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛(2004)、220頁">[[#日本百名山の背景深田久弥二つの愛|日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛(2004)、220頁]]</ref>。百座のうち自分がいくつ登ったか増えていくのを楽しみにしている読者もいる<ref name="日本百名山、解説(串田孫一)" />
。日本百名山だけに注目が集まって、これらの山ばかりに人々が群がると批評されることもある<ref name="日本百名山、名山考(今西錦司)">[[#日本百名山(1964)|日本百名山、名山考(今西錦司)]]</ref><ref name="新・傷だらけの百名山(2005)">[[#新・傷だらけの百名山|新・傷だらけの百名山(2005)"]]</ref><ref name="脱百名山登山学(2008)">[[#脱百名山登山学|脱百名山登山学(2008)"]]</ref>。

この本が広く関心を集めるようになったのは、自身も山好きで[[日本山岳会]]にも属する[[皇太子徳仁親王|徳仁]]<ref>『山と渓谷』1995年8月号への寄稿では、誕生日に父から贈られた事があると記している。</ref>が“日本百名山”の全峰踏破を夢見ていると、当時のマスコミによって伝えられたことがきっかけであったとされる。

[[1970年]](昭和45年)に、山岳雑誌『岳人』の1月号(第271号)から『世界百名山』の連載を始めた。茅ヶ岳で急逝するまで41座まで書かれ、その後『世界百名山―絶筆41座』が新潮社より出版された<ref>{{Cite book |和書 |year=1974 |author=深田久弥 |title=世界百名山―絶筆41座 |publisher=新潮社 |isbn=}}[[ASIN]] B000J9GLAA。</ref>。
[[1982年]](昭和57年)から、茅ヶ岳山麓の[[韮崎市]]で深田久弥の遺徳を偲ぶ碑前祭である『深田祭』と記念登山のイベントが毎年実施されている<ref>{{Cite web |url=http://www.nirasaki-kankou.jp/?page_id=254 |title=深田祭 |publisher=韮崎市観光協会 |accessdate=2011-11-18}}</ref>。[[1994年]](平成6年)から翌年にかけて[[NHK衛星第2テレビジョン]]の『日本百名山』のテレビ番組で、一山ずつ全山が紹介された<ref>{{Cite web |url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999404050130149/?n=12&q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%99%BE%E5%90%8D%E5%B1%B1&o=101&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細『日本百名山 八ヶ岳』(1994年4月5日放送) |publisher=[[日本放送協会|NHK]] |accessdate=2011-10-26}}</ref>。また[[1997年]]に[[岩崎元郎]]・[[みなみらんぼう]]らが百名山に挑戦する[[趣味悠々]]『中高年のための登山入門』も放映された<ref>{{Cite web |url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999707030130261/?n=10&q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%99%BE%E5%90%8D%E5%B1%B1&o=1&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細(1997年7月3日放送・趣味悠々『中高年のための登山入門』開聞岳) |publisher=NHK |accessdate=2011-10-26}}</ref>。[[2002年]](平成14年)12月に、[[石川県]][[加賀市]]大聖寺に「深田久弥 山の文化館」がオープンした<ref>{{Cite web |url=http://www.city.kaga.ishikawa.jp/article/ar_detail.php?ev_init=1&arm_id=401-0028-3386 |title=深田久弥 山の文化館 |publisher=加賀市 |accessdate=2011-11-18}}</ref>。
[[2007年]](平成19年)[[7月]]には島津康一郎が日本百名山を48日間で連続踏破し、平田和文が2002年に達成していた最短記録(66日間)を更新した。個人の日本百名山の登頂記の書籍が多数出版社されている<ref name="クレイグ・マクラクラン(1997)">[[#クレイグ・マクラクラン|クレイグ・マクラクラン(1997)]]</ref>。

== 選定された百山の一覧 ==
{{座標一覧|article=Category:日本百名山}}
{{座標一覧|article=Category:日本百名山}}
{{-}}
{{-}}
=== 著書順の山の一覧 ===
深田久弥の『日本百名山』に記述されている百座を、その順に以下のリストに示す<ref name="日本百名山(1964)" /><ref>{{Cite book|和書 |year=2010 |month=12 |title=山と溪谷2011年1月号付録(山の便利手帳2011) |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=322-323頁、[[ASIN]] B004DPEH6G}}</ref>。[[国立公園#日本の国立公園|国立公園]]内にある山、[[各都道府県の最高峰]]、[[火山]]などが多数含まれている。[[日本の山一覧 (3000m峰)|3,000 mを越える山]]が13座含まれている。高い山が少ない[[西日本]]の山の選定数は少なく、選定されていない都道府県が多数ある。<br />(注)各項目の▲記号をクリックすることにより、ソートすることができます。<ref>記事としてより相応しい画像を募集中。よい画像があれば差し替え願います。他言語への展開を考慮して、[[Wikipedia:ウィキメディア・コモンズ]]の登録画像を推奨します。</ref>
{| class="sortable" border=0 cellspacing=3 cellpadding=1 style="border:1px solid #e7dcc3" style=font-size:small
|- style="background-color:#ccc"
!番号
!山名
!よみ
![[標高]]([[メートル|m]])
!山系
![[都道府県]]
!備考
!山容
|-
| 1 || '''[[利尻山|利尻岳]]''' || <small>りしりだけ</small> || 1,721 || [[利尻島]] || [[北海道]] || [[利尻礼文サロベツ国立公園]] || [[File:Mt Rishiri in the evening.jpg|70x70px| ]]
|-
| 2 || '''[[羅臼岳]]''' || <small>らうすだけ</small> || 1,660 || [[知床半島]] || 北海道 || [[知床 (世界遺産)]]<br />[[知床国立公園]] || [[File:Rausu-dake 02.JPG|70x70px| ]]
|-
| 3 || '''[[斜里岳]]''' || <small>しゃりだけ</small> || 1,547 || 知床半島 || 北海道 || 知床国立公園 || [[File:Mt. Shari.jpg|70x70px| ]]
|-
| 4 || '''[[雌阿寒岳|阿寒岳]]''' || <small>あかんだけ</small> || 1,499 || 独立峰 || 北海道 || [[阿寒国立公園]] || [[File:Mount Meakan01s10.jpg|70x70px| ]]
|-
| 5 || '''[[大雪山]]''' || <small>たいせつざん</small> || 2,291 || [[大雪山系]] || 北海道 || [[大雪山国立公園]]<br />[[各都道府県の最高峰|北海道の最高峰]] || [[File:Daisetsu0001.jpg|70x70px| ]]
|-
| 6 || '''[[トムラウシ山|トムラウシ]]''' || <small>とむらうし</small> || 2,141 || 大雪山系 || 北海道 || 大雪山国立公園 || [[File:Tomuraushi from chuubetsudake 2006-8-25.jpg|70x70px| ]]
|-
| 7 || '''[[十勝岳]]''' || <small>とかちだけ</small> || 2,077 || 大雪山系 || 北海道 || 大雪山国立公園 || [[File:Mount Tokachi from Mount Biei 1998-8-9.jpg|70x70px| ]]
|-
| 8 || '''[[幌尻岳]]''' || <small>ぽろしりだけ</small> || 2,053 || [[日高山脈]] || 北海道 || [[日高山脈襟裳国定公園]] || [[File:Mt.Poroshiridake from Mt.Tottabetsudake.jpg|70x70px| ]]
|-
| 9 || '''[[羊蹄山|後方羊蹄山]]''' || <small>しりべしやま</small> || 1,898 || 独立峰 || 北海道 || [[支笏洞爺国立公園]]<br />[[郷土富士|蝦夷富士]] || [[File:Mt Youtei Hokkaido Japan.jpg|70x70px| ]]
|-
|10 || '''[[岩木山]]''' || <small>いわきさん</small> || 1,625 || 独立峰 || [[青森県]] || 青森県の最高峰 || [[File:Iwakisan 01.jpg|70x70px| ]]
|-
|11 || '''[[八甲田山]]''' || <small>はっこうださん</small> || 1,584 || [[奥羽山脈]] || 青森県 || [[十和田八幡平国立公園]] || [[File:3 Peaks Hakkōda.jpg|70x70px| ]]
|-
|12 || '''[[八幡平]]''' || <small>はちまんたい</small> || 1,614 || 奥羽山脈 || [[岩手県]]<br />[[秋田県]] || 十和田八幡平国立公園 || [[File:Hachimann numa 2008.jpg|70x70px| ]]
|-
|13 || '''[[岩手山]]''' || <small>いわてさん</small> || 2,038 || 奥羽山脈 || 岩手県 || 十和田八幡平国立公園<br />岩手県の最高峰 || [[File:Mt. Iwate and Morioka.jpg|70x70px| ]]
|-
|14 || '''[[早池峰山|早池峰]]''' || <small>はやちね</small> || 1,917 || [[北上山地]] || 岩手県 || [[早池峰国定公園]] || [[File:Mount Hayachine from the Iwate Pref Road 25.jpg|70x70px| ]]
|-
|15 || '''[[鳥海山]]''' || <small>ちょうかいさん</small> || 2,236 || [[出羽山地]] || 秋田県<br />[[山形県]] || [[鳥海国定公園]]<br />山形県の最高峰 || [[File:MtChokaiFromOkojoland.jpg|70x70px| ]]
|-
|16 || '''[[月山]]''' || <small>がっさん</small> || 1,984 || 出羽山地 || 山形県 || [[磐梯朝日国立公園]] || [[File:Precincts of Gassan jinja.JPG|70x70px| ]]
|-
|17 || '''[[朝日岳 (山形県・新潟県)|朝日岳]]''' || <small>あさひだけ</small> || 1,870 || 奥羽山脈 || 山形県<br />[[新潟県]] || 磐梯朝日国立公園 || [[File:Mt.Oasahi 110625.jpg|70x70px| ]]
|-
|18 || '''[[蔵王連峰|蔵王山]]''' || <small>ざおうさん</small> || 1,841 || [[朝日山地]] || [[宮城県]]<br />山形県 || [[蔵王国定公園]]<br />宮城県の最高峰 || [[File:Zao juhyo.jpg|70x70px| ]]
|-
|19 || '''[[飯豊山]]''' || <small>いいでさん</small> || 2,128 || [[飯豊山地]] || 山形県<br />[[福島県]]<br />新潟県 || 磐梯朝日国立公園 || [[File:Mt. Iide.JPG|70x70px| ]]
|-
|20 || '''[[吾妻山]]''' || <small>あづまさん</small> || 2,035 || 奥羽山脈 || 山形県<br />福島県 || 磐梯朝日国立公園 || [[File:Mt. Higashi-azuma.JPG|70x70px| ]]
|-
|21 || '''[[安達太良山]]''' || <small>あだたらやま</small> || 1,710 || 奥羽山脈 || 福島県 || 磐梯朝日国立公園 || [[File:Adatara.jpg|70x70px| ]]
|-
|22 || '''[[磐梯山]]''' || <small>ばんだいさん</small> || 1,816 || 奥羽山脈 || 福島県 || 磐梯朝日国立公園 || [[File:Mt. Bandaisan 0811.JPG|70x70px| ]]
|-
|23 || '''[[会津駒ヶ岳]]''' || <small>あいづこまがだけ</small> || 2,133 || [[越後山脈]] || 福島県 || [[尾瀬国立公園]] || [[File:Mt. Aizukoma 080812.JPG|70x70px| ]]
|-
|24 || '''[[那須岳]]''' || <small>なすだけ</small> || 1,917 || 那須連山 || 福島県<br />[[栃木県]] || || [[File:Mt.Chausu&Mt.Asahi.jpg|70x70px| ]]
|-
|25 || '''[[越後駒ヶ岳|魚沼駒ヶ岳]]''' || <small>うおぬまこまがたけ</small> || 2,003 || [[越後山脈]] || [[新潟県]] || [[越後三山只見国定公園]] || [[File:Mt.Echigo-Komagatake.jpg|70x70px| ]]
|-
|26 || '''[[平ヶ岳 (群馬県・新潟県)|平ヶ岳]]''' || <small>ひらがたけ</small> || 2,141 || [[三国山脈]] || 新潟県<br />[[群馬県]] || 越後三山只見国定公園 || [[File:Mt. Hiragatake 0809.JPG|70x70px| ]]
|-
|27 || '''[[巻機山]]''' || <small>まきはたやま</small> || 1,967 || 三国山脈 || 新潟県<br />群馬県 || || [[File:冬の巻機山.JPG|70x70px| ]]
|-
|28 || '''[[燧ヶ岳|燧岳]]''' || <small>ひうちだけ</small> || 2,356 || 越後山脈 || 福島県 || 尾瀬国立公園<br />福島県の最高峰 || [[File:Hiuchigatake 080923 4.JPG|70x70px| ]]
|-
|29 || '''[[至仏山]]''' || <small>しぶつさん</small> || 2,228 || 越後山脈 || 群馬県 || 尾瀬国立公園 || [[File:Mt.Shibutsu 16.jpg|70x70px| ]]
|-
|30 || '''[[谷川岳]]''' || <small>たにがわだけ</small> || 1,977 || 三国山脈 || 新潟県<br />群馬県 || 越後三山只見国定公園 || [[File:TAnigawaDakeA.jpg|70x70px| ]]
|-
|31 || '''[[雨飾山]]''' || <small>あまかざりやま</small> || 1,963 || [[頸城山塊]] || 新潟県<br />[[長野県]] || [[上信越高原国立公園]] || [[File:Futonbishi.JPG|70x70px| ]]
|-
|32 || '''[[苗場山]]''' || <small>なえばさん</small> || 2,145 || 三国山脈 || 新潟県<br />長野県 || 上信越高原国立公園 || [[File:Naebayama2.JPG|70x70px| ]]
|-
|33 || '''[[妙高山]]''' || <small>みょうこうさん</small> || 2,454 || 頸城山塊 || 新潟県 || 上信越高原国立公園 || [[File:Mt Myoko from Northeast.JPG|70x70px| ]]
|-
|34 || '''[[火打山]]''' || <small>ひうちやま</small> || 2,462 || 頸城山塊 || 新潟県 || 上信越高原国立公園 || [[File:Hiuchitama 1999-9-4.jpg|70x70px| ]]
|-
|35 || '''[[高妻山]]''' || <small>たかつまやま</small> || 2,353 || [[戸隠連峰]] || 新潟県<br />長野県 || 上信越高原国立公園 || [[File:Mount Takatsuma from Mount Hiuchi 1996-6-29.jpg|70x70px| ]]
|-
|36 || '''[[男体山]]''' || <small>たかつまやま</small> || 2,486 || [[日光連山]] || 栃木県 || [[日光国立公園]] || [[File:Mount nantai and lake chuzenji.jpg|70x70px| ]]
|-
|37 || '''[[日光白根山|奥白根山]]''' || <small>おくしらねさん</small> || 2,578 || 日光連山 || 栃木県<br />[[群馬県]] || 日光国立公園<br />栃木県の最高峰<br />群馬県の最高峰 || [[File:Mt.Nikko-Shirane.jpg|70x70px| ]]
|-
|38 || '''[[皇海山]]''' || <small>すかいさん</small> || 2,144 || [[足尾山地]] || 栃木県<br />群馬県 || 日光国立公園 || [[File:Sukai-01.jpg|70x70px| ]]
|-
|39 || '''[[武尊山]]''' || <small>ほたかやま</small> || 2,158 || 越後山脈 || 群馬県 || || [[File:Mt Josyu-Hotaka.jpg|70x70px| ]]
|-
|40 || '''[[赤城山]]''' || <small>あかぎやま</small> || 1,828 || 独立峰 || 群馬県 || || [[File:MountAkagi.jpg|70x70px| ]]
|-
|41 || '''[[草津白根山]]''' || <small>くさつしらねさん</small> || 2,171 || 独立峰 || 群馬県 || 上信越高原国立公園 || [[File:Kusatsu-Shiranesan01s5s4272.jpg|70x70px| ]]
|-
|42 || '''[[四阿山]]''' || <small>あずまやさん</small> || 2,354 || [[志賀高原]] || 群馬県<br />[[長野県]] || 上信越高原国立公園 || [[File:Sugadaira4.JPG|70x70px| ]]
|-
|43 || '''[[浅間山]]''' || <small>あさまやま</small> || 2,568 || 浅間山系 || 群馬県<br />長野県 || 上信越高原国立公園 || [[File:Mount Asama and Volcanic gas 1996-9-1.jpg|70x70px| ]]
|-
|44 || '''[[筑波山]]''' || <small>つくばさん</small> ||  877 || [[八溝山地]] || [[茨城県]] || [[水郷筑波国定公園]] || [[File:Mt.Tsukuba.jpg|70x70px| ]]
|-
|45 || '''[[白馬岳]]''' || <small>しろうまだけ</small> || 2,932 || [[後立山連峰]] || 長野県<br />[[富山県]] || [[中部山岳国立公園]] || [[File:Shiroumadake from maruyama 26 2000 7 30.jpg|70x70px| ]]
|-
|46 || '''[[五竜岳]]''' || <small>ごりゅうだけ</small> || 2,814 || 後立山連峰 || 長野県<br />富山県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Goryudake from Kitazyo 1996-1-2.jpg|70x70px| ]]
|-
|47 || '''[[鹿島槍ヶ岳|鹿島槍岳]]''' || <small>かしまやりだけ</small> || 2,889 || 後立山連峰 || 長野県<br />富山県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Kashimayarigatake from jiigatake 2001-11-20.jpg|70x70px| ]]
|-
|48 || '''[[剱岳|剣岳]]''' || <small>つるぎだけ</small> || 2,999 || [[立山連峰]] || 富山県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Tsurugidake from bessan 22 1995 8 20.jpg|70x70px| ]]
|-
|49 || '''[[立山]]''' || <small>たてやま</small> || 3,015 || 立山連峰 || 富山県 || 中部山岳国立公園<br />富山県の最高峰 || [[File:20 Tateyama from Mikurigaike 1998-7-17.jpg|70x70px| ]]
|-
|50 || '''[[薬師岳]]''' || <small>やくしだけ</small> || 2,926 || [[飛騨山脈]] || 富山県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Mount Yakushi from Mount Jii 2004-8-13.JPG|70x70px| ]]
|-
|51 || '''[[黒部五郎岳]]''' || <small>くろべごろうだけ</small> || 2,840 || 飛騨山脈 || 富山県<br />[[岐阜県]] || 中部山岳国立公園 || [[File:Mount Kurobegoro from Mount Suisho 1999-08-09.jpg|70x70px| ]]
|-
|52 || '''[[水晶岳|黒岳]]''' || <small>くろだけ</small> || 2,986 || 飛騨山脈 || 富山県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Mount Suisho from Mount jii 2004-8-13.JPG|70x70px| ]]
|-
|53 || '''[[鷲羽岳]]''' || <small>わしばだけ</small> || 2,924 || 飛騨山脈 || 長野県<br />富山県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Mount Washibadake from Huts Mitsumata 2004-8-13.jpg|70x70px| ]]
|-
|54 || '''[[槍ヶ岳]]''' || <small>やりがたけ</small> || 3,180 || 飛騨山脈 || 長野県<br />岐阜県 || 中部山岳国立公園 || [[File:05 Yarigatake from Higashikamaone 2000-8-16.jpg|70x70px| ]]
|-
|55 || '''[[穂高岳]]''' || <small>ほたかだけ</small> || 3,190 || 飛騨山脈 || 長野県<br />岐阜県 || 中部山岳国立公園<br />長野県の最高峰<br />岐阜県の最高峰 || [[File:Hotakadake from Cyogatake 1999-8-1.jpg|70x70px| ]]
|-
|56 || '''[[常念岳]]''' || <small>じょうねんだけ</small> || 2,857 || [[常念山脈]] || 長野県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Mount Jonen from Mount Akaiwa 2003-9-14.jpg|70x70px| ]]
|-
|57 || '''[[笠ヶ岳]]''' || <small>かさがだけ</small> || 2,897 || 飛騨山脈 || 岐阜県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Mount Kasagatake from Mount Nukedo 1999-8-8.jpg|70x70px| ]]
|-
|58 || '''[[焼岳]]''' || <small>やけたけ</small> || 2,455 || 飛騨山脈 || 長野県<br />岐阜県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Yakedake from Kamikochi 1999-5-22.jpg|70x70px| ]]
|-
|59 || '''[[乗鞍岳]]''' || <small>のりくらだけ</small> || 3,026 || 飛騨山脈 || 長野県<br />岐阜県 || 中部山岳国立公園 || [[File:Norikuradake from nishiho 1995 10 7.jpg|70x70px| ]]
|-
|60 || '''[[御嶽山 (長野県)|御岳]]''' || <small>おんたけ</small> || 3,067 || 独立峰 || 長野県<br />岐阜県 || || [[File:Ontake-air.jpg|70x70px| ]]
|-
|61 || '''[[美ヶ原]]''' || <small>うつくしがはら</small> || 2,034 || 中信高原 || 長野県 || [[八ヶ岳中信高原国定公園]] || [[File:IGP1134 1.jpg|70x70px| ]]
|-
|62 || '''[[霧ヶ峰]]''' || <small>きりがみね</small> || 1,925 || 中信高原 || 長野県 || 八ヶ岳中信高原国定公園 || [[File:Kurumayama Kogen01bs5s4592.jpg|70x70px| ]]
|-
|63 || '''[[蓼科山]]''' || <small>たてしなやま</small> || 2,530 || [[八ヶ岳連峰]] || 長野県 || 八ヶ岳中信高原国定公園 || [[File:Tateshinayama-fuyu.JPG|70x70px| ]]
|-
|64 || '''[[八ヶ岳]]''' || <small>やつがたけ</small> || 2,899 || 八ヶ岳連峰 || 長野県<br />[[山梨県]] || 八ヶ岳中信高原国定公園 || [[File:Mount Akadake from Yokodake 1997-8-3.jpg|70x70px| ]]
|-
|65 || '''[[両神山]]''' || <small>りょうかみさん</small> || 1,723 || [[奥秩父山塊]] || [[埼玉県]] || [[秩父多摩甲斐国立公園]] || [[File:Ryogami.JPG|70x70px| ]]
|-
|66 || '''[[雲取山]]''' || <small>くもとりやま</small> || 2,017 || 奥秩父山塊 || 埼玉県<br />[[東京都]]<br />山梨県 || 秩父多摩甲斐国立公園<br />東京都の最高峰 || [[File:Kumotori-nanatsuishi.JPG|70x70px| ]]
|-
|67 || '''[[甲武信ヶ岳|甲武信岳]]''' || <small>こぶしだけ</small> || 2,475 || 奥秩父山塊 || 埼玉県<br />長野県<br />山梨県 || 秩父多摩甲斐国立公園 || [[File:Mt.Kobushigatake from Mt.Tokusa 03.jpg|70x70px| ]]
|-
|68 || '''[[金峰山 (山梨県・長野県)|金峰山]]''' || <small>きんぷさん</small> || 2,599 || 奥秩父山塊 || 長野県<br />山梨県 || 秩父多摩甲斐国立公園 || [[File:Mt.Kinpu from West 02.jpg|70x70px| ]]
|-
|69 || '''[[瑞牆山]]''' || <small>みずがきやま</small> || 2,230 || 奥秩父山塊 || 山梨県 || 秩父多摩甲斐国立公園 || [[File:Mt.Mizugaki 02.jpg|70x70px| ]]
|-
|70 || '''[[大菩薩嶺|大菩薩岳]]''' || <small>だいぼさつだけ</small> || 2,057 || 奥秩父山塊 || 山梨県 || 秩父多摩甲斐国立公園 || [[File:Mount Daibosatsurei.jpg|70x70px| ]]
|-
|71 || '''[[丹沢山]]''' || <small>たんざわさん</small> || 1,673 || [[丹沢山地]] || [[神奈川県]] || [[丹沢大山国定公園]]<br />神奈川県の最高峰 || [[File:Tanzawa Mountains from Mt.Bukka 01.jpg|70x70px| ]]
|-
|72 || '''[[富士山]]''' || <small>ふじさん</small> || 3,776 || 独立峰 || 山梨県<br />[[静岡県]] || [[富士箱根伊豆国立公園]]<br />山梨県の最高峰<br />静岡県の最高峰 || [[File:Fujisan from kenashiyama 01 1994 11 27.jpg|70x70px| ]]
|-
|73 || '''[[天城山]]''' || <small>あまぎさん</small> || 1,405 || [[伊豆半島]] || 静岡県 || 富士箱根伊豆国立公園 || [[File:Mount Amagi 20110919.jpg|70x70px| ]]
|-
|74 || '''[[木曽駒ヶ岳]]''' || <small>きそこまがたけ</small> || 2,956 || [[木曽山脈]] || 長野県 || || [[File:Mt.Kisokomagatake from Mt.Utsugidake 01.jpg|70x70px| ]]
|-
|75 || '''[[空木岳]]''' || <small>うつぎだけ</small> || 2,864 || 木曽山脈 || 長野県 || || [[File:Mt.Utsugidake 12.jpg|70x70px| ]]
|-
|76 || '''[[恵那山]]''' || <small>えなさん</small> || 2,191 || 木曽山脈 || 長野県<br />岐阜県 || || [[File:Enasan from north 2010-9-17.JPG|70x70px| ]]
|-
|77 || '''[[甲斐駒ヶ岳]]''' || <small>かいこまがたけ</small> || 2,967 || [[赤石山脈]] || 山梨県<br />長野県 || [[南アルプス国立公園]] || [[File:Kaikomagatake from kurisawayama 1998 10 11.jpg|70x70px| ]]
|-
|78 || '''[[仙丈ヶ岳|仙丈岳]]''' || <small>せんじょうだけ</small> || 3,033 || 赤石山脈 || 山梨県<br />長野県 || 南アルプス国立公園 || [[File:Senjogatake from Kitadake 2001-10-3.jpg|70x70px| ]]
|-
|79 || '''[[鳳凰山]]''' || <small>ほうおうざん</small> || 2,840 || 赤石山脈 || 山梨県 || 南アルプス国立公園 || [[File:Mount Houousan from Kitadake 2001-10-3.jpg|70x70px| ]]
|-
|80 || '''[[北岳]]''' || <small>きただけ</small> || 3,193 || 赤石山脈 || 山梨県 || 南アルプス国立公園 || [[File:Mount Kita from Mount Nakashirane 2001-10-03.JPG|70x70px| ]]
|-
|81 || '''[[間ノ岳]]''' || <small>あいのだけ</small> || 3,189 || 赤石山脈 || 山梨県<br />静岡県 || 南アルプス国立公園 || [[File:Mount Aino fom Mount Kita 2001-7-2.jpg|70x70px| ]]
|-
|82 || '''[[塩見岳]]''' || <small>しおみだけ</small> || 3,052 || 赤石山脈 || 長野県<br />静岡県 || 南アルプス国立公園 || [[File:Mount Shiomi from Eboshi 1996-10-20.jpg|70x70px| ]]
|-
|83 || '''[[悪沢岳]]''' || <small>わるさわだけ</small> || 3,141 || 赤石山脈 || 長野県<br />静岡県 || 南アルプス国立公園 || [[File:13 Arakawadake from Shiomidake 2000-7-9.jpg|70x70px| ]]
|-
|84 || '''[[赤石岳]]''' || <small>あかいしだけ</small> || 3,120 || 赤石山脈 || 長野県<br />静岡県 || 南アルプス国立公園 || [[File:Akaishidake from senmaidake 07 1994 7 31.jpg|70x70px| ]]
|-
|85 || '''[[聖岳]]''' || <small>ひじりだけ</small> || 3,013 || 赤石山脈 || 長野県<br />静岡県 || 南アルプス国立公園 || [[File:21 Hijiridake from Minamidake 1996-11-16.jpg|70x70px| ]]
|-
|86 || '''[[光岳]]''' || <small>てかりだけ</small> || 2,591 || 赤石山脈 || 長野県<br />静岡県 || 南アルプス国立公園 || [[File:Mount Tekari from Mount Kamikochi 2003-11-23.jpg|70x70px| ]]
|-
|87 || '''[[白山]]''' || <small>はくさん</small> || 2,702 || [[両白山地]] || 岐阜県<br />[[石川県]] || [[白山国立公園]] || [[File:Mount Haku from Onanjimine 2011-07-17.jpg|70x70px| ]]
|-
|88 || '''[[荒島岳]]''' || <small>あらしまだけ</small> || 1,523 || 越美山地 || [[福井県]] || [[奥越高原県立自然公園]] || [[File:Arashimadake from ojiroyama 2009 4 9.jpg|70x70px| ]]
|-
|89 || '''[[伊吹山]]''' || <small>いぶきやま</small> || 1,377 || [[伊吹山地]] || 岐阜県<br />[[滋賀県]] || [[琵琶湖国定公園]]<br />滋賀県の最高峰 || [[File:Mount Ibuki and N700 Series Shinkansen.jpg|70x70px| ]]
|-
|90 || '''[[大台ヶ原山]]''' || <small>おおだいがはらやま</small> || 1,695 || [[台高山脈]] || [[三重県]]<br />[[奈良県]] || [[吉野熊野国立公園]]<br />三重県の最高峰 || [[File:Hinokidukaokumine04.JPG|70x70px| ]]
|-
|91 || '''[[大峰山]]''' || <small>おおみねさん</small> || 1,915 || [[紀伊山地]] || 奈良県 || 吉野熊野国立公園<br />奈良県の最高峰 || [[File:Hakkyo01.JPG|70x70px| ]]
|-
|92 || '''[[大山 (鳥取県)|大山]]''' || <small>だいせん</small> || 1,729 || [[中国山地]] || [[鳥取県]] || [[大山隠岐国立公園]]<br />鳥取県の最高峰 || [[File:Mt Daisen Full View.jpg|70x70px| ]]
|-
|93 || '''[[剣山]]''' || <small>つるぎさん</small> || 1,955 || [[四国山地]] || [[徳島県]] || [[剣山国定公園]]<br />徳島県の最高峰 || [[File:Mt.Tsurugisan.jpg|70x70px| ]]
|-
|94 || '''[[石鎚山]]''' || <small>いしづちさん</small> || 1,982 || 四国山地 || [[愛媛県]] || [[石鎚国定公園]]<br />愛媛県の最高峰 || [[File:20050825ishizuchi.JPG|70x70px| ]]
|-
|95 || '''[[九重山]]''' || <small>くじゅうさん</small> || 1,791 || 九重火山群 || [[大分県]] || [[阿蘇くじゅう国立公園]]<br />大分県の最高峰 || [[File:Kuju-san.JPG|70x70px| ]]
|-
|96 || '''[[祖母山]]''' || <small>そぼさん</small> || 1,756 || [[九州山地]] || 大分県<br />[[宮崎県]] || [[祖母傾国定公園]]<br />宮崎県の最高峰 || [[File:Mt.Sobo.jpg|70x70px| ]]
|-
|97 || '''[[阿蘇山]]''' || <small>あそさん</small> || 1,592 || [[阿蘇カルデラ]] || [[熊本県]] || 阿蘇くじゅう国立公園 || [[File:Mt.Aso and caldera01.jpg|70x70px| ]]
|-
|98 || '''[[霧島山]]''' || <small>きりしまやま</small> || 1,700 || [[えびの高原]] || 宮崎県<br />[[鹿児島県]] || [[霧島屋久国立公園]] || [[File:Kirishima from Maruoka.jpg|70x70px| ]]
|-
|99 || '''[[開聞岳]]''' || <small>かいもんだけ</small> ||  924 || [[南薩火山群]] || 鹿児島県 || 霧島屋久国立公園 || [[File:Kaimondake 2005 3 19.jpg|70x70px| ]]
|-
|100 || '''[[宮之浦岳]]''' || <small>みやのうらだけ</small> || 1,936 || [[屋久島]] || 鹿児島県 || 霧島屋久国立公園<br />鹿児島県の最高峰 || [[File:Yaku 3 mountains.jpg|70x70px| ]]
|}

=== 地域ごとの山名一覧 ===
{{Col|
{{Col|
;北海道
;北海道
27行目: 281行目:
* [[雌阿寒岳|阿寒岳]]
* [[雌阿寒岳|阿寒岳]]
* [[大雪山]]
* [[大雪山]]
* [[トムラウシ山]]
* [[トムラウシ山|トムラウシ]]
* [[十勝岳]]
* [[十勝岳]]
* [[幌尻岳]]
* [[幌尻岳]]
50行目: 304行目:
* [[平ヶ岳 (群馬県・新潟県)|平ヶ岳]]
* [[平ヶ岳 (群馬県・新潟県)|平ヶ岳]]
* [[巻機山]]
* [[巻機山]]
* [[燧ヶ岳]]
* [[燧ヶ岳|燧岳]]
* [[至仏山]]
* [[至仏山]]
* [[谷川岳]]
* [[谷川岳]]
82行目: 336行目:
* [[白馬岳]]
* [[白馬岳]]
* [[五竜岳]]
* [[五竜岳]]
* [[鹿島槍ヶ岳]]
* [[鹿島槍ヶ岳|鹿島槍岳]]
* [[剱岳]]
* [[剱岳|剣岳]]
* [[立山]]
* [[立山]]
* [[薬師岳]]
* [[薬師岳]]
95行目: 349行目:
* [[焼岳]]
* [[焼岳]]
* [[乗鞍岳]]
* [[乗鞍岳]]
* [[御嶽山 (長野県)|御]]
* [[御嶽山 (長野県)|御]]
* [[美ヶ原]]
* [[美ヶ原]]
* [[霧ヶ峰]]
* [[霧ヶ峰]]
101行目: 355行目:
* [[八ヶ岳]]
* [[八ヶ岳]]
* [[火打山]]
* [[火打山]]
* [[木曽駒ヶ岳]]
* [[木曽駒ヶ岳|木曾駒ヶ岳]]
* [[空木岳]]
* [[空木岳]]
* [[恵那山]]
* [[恵那山]]
120行目: 374行目:
* [[伊吹山]]
* [[伊吹山]]
* [[大台ヶ原山]]
* [[大台ヶ原山]]
* [[八経ヶ岳|大峰山]]
* [[大峰山]]
* [[大山 (鳥取県)|大山]]
* [[大山 (鳥取県)|大山]]
* [[剣山]]
* [[剣山]]
132行目: 386行目:
}}
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== 他の百名山 ==
== 他の百名山 ==
昨今ではさまざまな“名山もの”が選定されたり、書籍なども作られるようになった。以下にその例を挙げる。
昨今ではさまざまな“名山もの”が選定されたり、書籍なども作られるようになった。以下にその例を挙げる。


* [[日本三百名山]] - 日本山岳会の『山日記』編集メンバーによって1978年に選定された。ここで選定されたのは200の山で、それに深田久弥の百名山を加えて300としている。
* '''日本三百名山''' - 日本山岳会の『山日記』編集メンバーによって1978年に選定された。ここで選定されたのは200の山で、それに深田久弥の百名山を加えて300としている。
{{main|日本三百名山}}
* [[日本二百名山]] - 深田久弥のファン組織である「深田クラブ」によって、同クラブ創立10周年を記念して[[1984年]]に選定された。ほぼ全てが三百名山に入っているが、三百名山に含まない奥只見の[[荒沢岳]]が入っている。こちらも、深田久弥の百名山が全て入っている。
* [[花の百名山]] - 作家・[[中澄江]][[花の百名山]]掲載された100の山深田久弥の百名山と重複するのは39座のみである。その後『[[新・花の百名山]]』も刊行されている。
* '''日本二百名山''' - 久弥ファン組織である「深田クラブ」によって、同クラブ創立10周年を記念して[[1984年]]に選定された。ほぼ全てが三百名山に入っていが、三百名山に含まない奥只見[[荒沢岳]]が入っている。こちらも深田久弥の百名山が全て入っている。
{{main|日本二百名山}}
* '''花の百名山''' - 作家である[[田中澄江]]の『花の百名山』に掲載された100の山。深田久弥の百名山と重複するのは39座のみである。その後、『[[新・花の百名山]]』も刊行されている。
{{main|花の百名山}}


 この他に、[[北海道百名山]]、[[東北百名山]]、[[うつくしま百名山]]、[[山梨百名山]]、[[関西百名山]]、[[四国百名山]]、[[九州百名山]]など各地の百名山、[[岩崎元郎]]選の「[[新日本百名山]]」、[[小林泰彦]]選の「日本百低山」などもある。飛騨山岳会では創立100周年を記念して[[2008年]][[9月]]、『[http://hac.boatdiy.jp 飛騨百山]』を出版した。
 この他に、[[北海道百名山]]、[[東北百名山]]、[[うつくしま百名山]]、[[山梨百名山]]、[[関西百名山]]、[[四国百名山]]、[[九州百名山]]など各地の百名山、[[岩崎元郎]]選の「[[新日本百名山]]」、[[小林泰彦]]選の「日本百低山」などもある。飛騨山岳会では創立100周年を記念して[[2008年]][[9月]]、『飛騨百山』を出版した<ref name="Hida">{{Cite web |url=http://www.museum-hida.jp/sanpo/images/Pdf-22/p14-15.pdf |title=ふるさとの山 飛騨百山マップ |format=PDF |publisher=飛騨山岳会 |accessdate=2011-10-26}}</ref>。他にも下表に示す地元の[[自治体]]、山岳会、[[出版社]]及び[[新聞社]]が選定した各県や地方の百名山などがある。2002年には、山岳[[写真家]]の[[白川義員]]が中心となり『[[白川義員#世界百名山|世界百名山]]』を選定した<ref name="w100">{{Cite web |url=http://www.yoshikazu-shirakawa.com/works/work09.html |title=世界百名山 |publisher=白川義員 |accessdate=2011-10-26}}</ref>

=== 日本全国の百名山 ===
日本全国の百名山が複数あり、特に読売文学賞を受賞した深田久弥の『日本百名山』はよく知られている。
{| class="sortable" border=0 cellspacing=3 cellpadding=1 style="border:1px solid #e7dcc3"
|- style="background-color:#ccc"
! 名称<br />
! 選定者<br />
! 選定時期<br />
! 備考<br />
|- style="background-color:#ccc"
| [[日本百名山]]
| [[深田久弥]]
| 1964年
| 第16回[[読売文学賞]](評論・伝記賞)を受賞
|-
| [[日本二百名山]]
| 深田クラブ
| 1984年
| 日本三百名山から99山を選択して、[[荒沢岳]]を追加した
|-
| [[日本三百名山]]
| [[日本山岳会]]
| 1978年
| 日本百名山に200山を追加した
|-
| [[新日本百名山]]
| [[岩崎元郎]]
| 2006年
| 中高年が登り易い山という点を加味して選定
|-
| [[花の百名山]]
| [[田中澄江]]
| 1980年
| 山の[[高山植物|花]]を中心として選定<br />第32回読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞
|-
| [[新・花の百名山]]
| 田中澄江
| 1995年
| 花の百名山を発表の15年後に、新たに選定
|-
| [[一等三角点百名山]]
|一等三角点研究会
|}

=== 日本各地の百名山など ===
{| class="sortable" border=0 cellspacing=3 cellpadding=1 style="border:1px solid #e7dcc3"
|- style="background-color:#ccc"
! 名称<br />
! 選定者<br />
! 選定時期<br />
! 備考<br />
|-
| [[北海道百名山]]
| [[山と溪谷社]]
| 1993年
| 『北海道の百名山』[[道新スポーツ]](2000年)
|-
| [[東北百名山]]
| 東北山岳写真家集団
| 1990年
| 2000年に10山入替え
|-
| [[うつくしま百名山]]
| [[福島テレビ]]
| 1998年
| 選定委員長は[[田部井淳子]]
|-
| 会津百名山
| 会津百名山選考委員会
| 1998年
|
|-
| 甲信越百名山
| 山と溪谷社
| 2000年
|
|-
| 越後百名山
| [[日本山岳会]]越後支部
| 1989年
|
|-
| 関東百名山
| 山と溪谷社
| 1993年
|
|-
| 栃木百名山
| [[下野新聞社]]
| 2004年
|
|-
| ぐんま百名山
| [[群馬県]]
| 1993年
| <ref>{{Cite web |url=http://www.jomonet.co.jp/100meizan/ |title=ぐんま百名山 |publisher=[[上毛新聞]] |accessdate=2011-10-26}}</ref>
|-
| 信州百山
| [[信濃毎日新聞社]]
| 1970年
|
|-
| 信州ふるさと120山
| 長野県山岳協会
| 2011年
|[[平成の大合併]]前の旧120市町村ごと120座<ref>{{Cite book |和書 |year=2011 |month=11 |title=信州ふるさと120山 |editor=長野県山岳協会120山委員会 |publisher=[[信濃毎日新聞社]] |isbn=9784784071821}}</ref>
|-
| [[山梨百名山]]
| [[山梨県]]
| 1997年
|
|-
| 東海の百山
| [[静岡新聞]]
| 2000年
|
|-
| 静岡の百山
| 静岡百山研究会
| 1991年
|
|-
| [[ぎふ百山]]
| 岐阜県山岳連盟
| 1975年
| 120山、ぎふ百山(続)の130山を1993年に追加
|-
| 飛騨百山
| 飛騨山岳会
| 2008年
| <ref name="Hida" />
|-
| [[関西百名山]]
| 山と溪谷社大阪支局
| 1998年
| 『近畿百名山』(近畿山岳愛好会 1976年)と68山が重複
|-
| [[大阪50山]]
| [[大阪府]]山岳連盟
| 2002年
|
|-
| [[ふるさと兵庫50山]]
| [[兵庫県]]山岳連盟
| 1998年
|2009年7月には『ふるさと兵庫100山』が出版された<ref>{{Cite book |和書 |year=2009 |month=07 |title=ふるさと兵庫100山 |editor=兵庫県山岳連盟 |publisher=[[神戸新聞社]] |isbn=9784343005236}}</ref>
|-
| [[奈良百遊山]]
| [[奈良県]]健康推進課
| 2003年
|
|-
| | [[中国百名山]]
| 山と溪谷社大阪支局
| 2000年
|
|-
| ひろしま百名
| 広島山岳連盟
| 1998年
|
|-
| [[四国百名山]]
| 山と渓谷社大阪支局
| 2000年
| 『四国百山』([[高知新聞社]] 1999年)と74山が重複
|-
| [[九州百名山]]
| 山と渓谷社
| 2002年
| 2002年改訂
|-
| 大分百山
| 日本山岳会東九州支部
| 1980年
|
|-
| [[世界百名山]]
| [[白川義員]]ら
| 2002年
| <ref name="w100" /><ref>{{Cite book |和書 |year=2007 |month=08 |author=白川義員 |title=白川義員 愛蔵版 世界百名山 |publisher=[[小学館]] |isbn=9784096811559}}</ref>
|}


== 登山規制のある山 ==
== 登山規制のある山 ==
* '''浅間山''' ランクAの[[活火山]]であり、山頂周辺(2010年4月以降は、火口から500m以内)への立入りが禁止されていて、火山活動に応じて禁止区域が変更されている<ref>[http://www.city.komoro.nagano.jp/www/contents/1233531142855/index.html 浅間山登山規制のお知らせ] [[小諸市]]2011年2月17日閲覧。</ref>。
* '''浅間山''' ランクAの[[活火山]]であり、山頂周辺(2010年4月以降は、火口から500 [[メートル|m]]以内)への立入りが禁止されていて、火山活動に応じて禁止区域が変更されている<ref>{{Cite web |url=http://www.city.komoro.nagano.jp/www/contents/1233531142855/index.html |title=浅間山登山規制のお知らせ |publisher=[[小諸市]] |accessdate=2011-10-26}}</ref>。
* '''焼岳''' ランクBの活火山であり、[[1991年]](平成3年)に北峰への登山規制が緩和されたが<ref>[http://www8.shinmai.co.jp/yama/guide/00018.html 信州山岳ガイド・焼岳] [[信濃毎日新聞]]、2011年2月17日閲覧。</ref>、最高点の南峰への立入りは[[火山ガス]]や崩落の危険があるため立入りが禁止されている<ref>槍ヶ岳・穂高岳 上高地山と高原地図37)』 [[昭文社]]、2010年3月、ISBN 978-4-398-75717-3</ref>。
* '''焼岳''' ランクBの活火山であり、[[1991年]](平成3年)に北峰への登山規制が緩和されたが<ref>{{Cite web |url=http://www8.shinmai.co.jp/yama/guide/00018.html |title=信州山岳ガイド・焼岳 |publisher=信濃毎日新聞 |accessdate=2011-10-26}}</ref>、最高点の南峰への立入りは[[火山ガス]]や崩落の危険があるため立入りが禁止されている<ref>{{Cite book |和書 |year=2010 |month=03 |title=槍ヶ岳・穂高岳 上高地 |series=[[山と高原地図]]37 |publisher=[[昭文社]] |isbn=9784398757173}}</ref>。
* '''阿蘇山''' ランクAの活火山であり、西火口への立入り規制がある<ref>[http://www.aso.ne.jp/~volcano/ 阿蘇火山西火口規制情報] 阿蘇火山防災会議協議会2011年2月17日閲覧。</ref>。
* '''阿蘇山''' ランクAの活火山であり、西火口への立入り規制がある<ref>{{Cite web |url=http://www.aso.ne.jp/~volcano/ |title=阿蘇火山西火口規制情報 |publisher=阿蘇火山防災会議協議会 |accessdate=2011-10-26}}</ref>。
* '''霧島山''' 構成する[[御鉢]]、[[新燃岳]]の山は[[噴火警戒レベル]]に応じて、立入り規制が行われている<ref>[http://www.city-kirishima.jp/modules/page060/index.php?id=13 霧島山に関する規制状況] [[霧島市]]2011年2月17日閲覧。</ref>。
* '''霧島山''' 構成する[[御鉢]]、[[新燃岳]]の山は[[噴火警戒レベル]]に応じて、立入り規制が行われている<ref>{{Cite web |url=http://www.city-kirishima.jp/modules/page060/index.php?id=13 |title=霧島山に関する規制状況 |publisher=[[霧島市]] |accessdate=2011-10-26}}</ref>。


== 関連画像 ==
== 関連画像 ==
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! [[File:Rausu-dake 02.JPG|135px]]
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| <small>[[男体山]]([[関東地方|関東]])</small>
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| <small>[[槍ヶ岳]]([[飛騨山脈|北アルプス]])</small>
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| <small>[[北岳]]([[赤石山脈|南アルプス]])</small>
| <small>[[北岳]]([[赤石山脈|南アルプス]])</small>
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== 書誌・関連書籍 ==
== 書誌・関連書籍 == <!-- 出版年月順に記載 -->
『日本百名山』の本は多数重版され、改版や新装版も出版されている。深田久弥自身の著書の他に、深田久弥に関するものや、日本百名山のすべての山を解説する登山ガイド本などが多数出版されている。他にも、[[セルビデオ|ビデオ]]・[[DVD]]なども、多数出版されている。
* 『日本百名山』 ([[新潮社]])、1964年、[[ASIN]] B000JAFKT2、改訂1991年、ISBN 4103184051 
=== 深田久弥自身の著書 ===
** [[新潮文庫]] (1978年、ASIN B000J8KTOU)(改版2003年、ISBN 4101220026)
* {{Cite book |和書 |author=深田久弥 |year=1964 |month= |title=日本百名山 |publisher=[[新潮社]] |ref=日本百名山(1964)}}、[[ASIN]] B000JAFKT2。(改訂1991年。ISBN 4103184051)、([[新潮文庫]] 1978年、ASIN B000J8KTOU。)、(改版2003年。ISBN 4101220026。)
* 『日本百名山 〈山の文学全集5〉』 [[朝日新聞社]]、1974年、[[ASIN]] B000J99R7Y、(全12巻)
* {{Cite book |和書 |author=深田久弥 |year=1974 |month= |title=日本百名山 |series=山の文学全集5 |publisher=[[朝日新聞社]]}}ASIN B000J99R7Y。(全12巻)
* 『日本百名山 〈山の文庫1〉』 [[朝日新聞出版|朝日文庫]]、1982年7月、ASIN B000J7N024、(全6巻) <br> 多数重版され、改版や新装版も出版されている。以下の他にも、日本百名山を主題とした書籍、[[登山]]ガイドに関連する出版、[[セルビデオ|ビデオ]]・[[DVD]]なども、多数出版されている。
* {{Cite book |和書 |author=深田久弥 |year=1971 |month= |title=山頂の憩い-「日本百名山」その後 |series=山の文庫1 |publisher=[[新潮社]] |ref=山頂の憩い-「日本百名山」その後}} (新潮文庫、2000年4月。ISBN 4101220034)
* 深田久弥 『山頂の憩い-「日本百名山」その後』 新潮社、1971年、新潮文庫、2000年4月、ISBN 4101220034)<br> この著作では、日本百名山執筆後に登頂した[[ニペソツ山]]について、「日本百名山を出した時、私はまだこの山を見ていなかった。ニペソツには申し訳なかった」と記していて、登頂してその山を望んでいることが百名山選定する一つの条件であったと考えられている。
* {{Cite book |和書 |author=深田久弥 |year=1974 |month= |title=日本百名山 |series=山の文庫1 |publisher=[[朝日新聞出版|朝日文庫]]}}ASIN B000J7N024。(全6巻)
* [[安宅夏夫]] 『日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛』 [[集英社|集英社新書]]、2002年4月、ISBN 4087201368

* 田沢拓也 『百名山の人 深田久弥伝』 阪急コミュニケーションズ、2002年2月、ISBN 4484022036/ [[角川文庫]]、2005年3月、ISBN 4043689020
=== 深田久弥以外の著書 ===
* 高辻謙輔 『日本百名山と深田久弥』 白山書房、2004年11月、ISBN 4894750899
* {{Cite book |和書 |author=田沢拓也 |year=2002 |month=02 |title=百名山の人 深田久弥伝 |publisher=[[阪急コミュニケーションズ]] |isbn=4484022036 ([[角川文庫]]、2005年3月、ISBN 4043689020)}}
* 加藤久晴 『新・傷だらけの百名山』 [[新風舎]]、2005年6月、ISBN 4797497327
* {{Cite book |和書 |author=安宅夏夫 |year=2004 |month=04 |title=日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛 |publisher=[[集英社|集英社新書]] |isbn=4087201368 |ref=日本百名山の背景深田久弥二つの愛}}
* 桜田隆範 『切手と風景印でたどる百名山』 ふくろう舎、2007年6月、ISBN 9784898062760
* {{Cite book |和書 |author=高辻謙輔 |year=2004 |month=11 |title=日本百名山と深田久弥 |publisher=[[白山書房]] |isbn=4894750899 |ref=日本百名山と深田久弥}}
* 石井光造 『脱百名山登山学』 白山書房、2008年3月、ISBN 9784894751217
* {{Cite book |和書 |author=加藤久晴 |year=2005 |month=06 |title=新・傷だらけの百名山 |publisher=[[新風舎]] |isbn=4797497327 |ref=新・傷だらけの百名山}}
* 高橋秀男監修『深田久弥の日本百名山花ガイド 別冊家庭画報』 [[世界文化社]]、2001年6月、ISBN 4418011179   
* {{Cite book |和書 |author=石井光造 |year=2008 |month=07 |title=脱百名山登山学 |publisher=白山書房 |isbn=9784894751217 |ref=脱百名山登山学}}
=== 紀行文・登山解説書 ===
* {{Cite book |和書 |author=クレイグ・マクラクラン |translator=橋本恵 |year=1997 |month=07 |title=ニッポン百名山よじ登り |publisher=[[小学館文庫]] |isbn=4094111522 |ref=クレイグ・マクラクラン}}
* {{Cite book |和書 |year=1998 |month=12 |title=日本百名山登山案内 |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |isbn=4635530175 |ref=登山案内}}
* {{Cite book |和書 |author=高橋秀男(監修) |year=2001 |month=06 |title=深田久弥の日本百名山花ガイド 別冊家庭画報 |publisher=[[世界文化社]] |isbn=4418011179}}
* {{Cite book |和書 |author=桜田隆範 |year=2007 |month=06 |title=切手と風景印でたどる百名山 |publisher=[[ふくろう舎]] |isbn=9784898062760}}
* {{Cite book |和書 |year=2008 |month=08 |title=日本百名山地図帳 |publisher=山と溪谷社 |isbn=9784635530552}}
* {{Cite book |和書 |year=2011 |month=07 |title=鳥瞰図で楽しむ日本百名山 |publisher=[[成美堂出版社]] |isbn=9784415310695}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commons|Category:100 Famous Japanese Mountains}}
{{Commons|Category:100 Famous Japanese Mountains}}
* [[山]]、[[山の一覧]][[日本の山一覧]]
* [[日本の山一覧]] - [[日本の山一覧 (高さ順)]]
* [[深田久弥]]
* [[深田久弥]]
* [[読売文学賞]]
* [[新日本百名山]]([[岩崎元郎]])
* [[新日本百名山]]([[岩崎元郎]])
* [[日本二百名山]](深田クラブ)
* [[日本二百名山]](深田クラブ)
* [[日本三百名山]]([[日本山岳会]])
* [[日本三百名山]]([[日本山岳会]])
* [[花の百名山]]、[[新・花の百名山]]([[田中澄江]])
* [[北海道百名山]]、[[東北百名山]]、[[うつくしま百名山]]、[[山梨百名山]]、[[関西百名山]]、[[四国百名山]]、[[九州百名山]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2011年11月18日 (金) 10:01時点における版

日本百名山』(にほんひゃくめいざん)は、深田久弥の最も著名な山岳随筆である。初刊は1964年7月に新潮社から出版され[1]、第16回読売文学賞(評論・伝記賞)を受賞した作品である。

本著は文筆家登山家でもあった本人が、実際に登頂した日本の各地の山から自身が定めた基準で、100座を選び主題とした随筆集。

概要

山の地誌・歴史、文化史、文学史、山容、などの特徴を中心として記載され、本人の登頂時の様子と共に、100の日本の名峰各座が4頁(2,000字)程度に巧みにまとめられた随筆である[1]。本書における山の記述が、登山解説書や様々なホームページで引用されることがある[2]。登山記(紀行文)として見たときの『日本百名山』は、他の著名な山岳随筆であるウォルター・ウェストン『日本アルプスの登山と探検』や、小島烏水志賀重昂田部重治冠松次郎串田孫一などの諸作品と比較すると、一座あたりの文章量は少ない。

深田久弥の日本百名山の選定基準

日本の多くの山を踏破した本人の経験から、「品格・歴史・個性」を兼ね備え、かつ原則として標高1,500 m以上の山[3]という基準を設け、『日本百名山』を選定した。1961年(昭和36年)に上高地開山祭である「ウェストン祭」の講演で日本百名山の選定基準を披露している[4]

  • 山の品格 - 人には人格があるように、山には『山格』のようなものがあるとし、誰が見ても立派な山だと感嘆する山であることを、第一の基準とした[5]
  • 山の歴史 - 昔から人間との関わりが深く、崇拝され山頂にが祀られている山であるというような山の歴史を尊重し、第二の基準とした[5]
  • 個性のある山 - 芸術作品と同様に、山容・現象・伝統など他には無いような顕著な個性をもっていることを、第三の基準とした[5]

また「本人が登頂した山であること」が、絶対条件となっている。少年の頃から約50年の間に相当数の山に登っていて、多くの山を知っている点に自信を持っていた[5]

前記の基準に加えて、観光的に開発されつくして「山霊のすみかがなくなっている」ような山は選ぶわけにはいかないと述べ、自らの出身地である福井県の荒島岳に触れて、「各県から代表の山を選ぶ」というような考えも持っていたとしている[6]。なお、47すべての都道府県から選んだわけではなく、百名山の存在しない都道府県も、西日本を中心に16府県に及んでいる。

「自分の選定の試みは、旅行業界が観光振興のために選んだ「名勝百選」のようなものに比べれば正確だ」と自負する一方、自分の基準が唯一の妥当な選定基準ではないことも認めていた。新潮文庫版の「日本百名山」では、解説者の串田孫一が、「読者が自分で百名山を選定する際のたたき台として使えることもこの本の魅力」という意見を述べている[7]

他の候補

北海道では9座が選定され、他にウペペサンケ山ニペソツ山石狩岳ペテガリ岳芦別岳駒ヶ岳樽前山なども有力な候補としていたが、登頂していないことにより除外された。東北地方では、秋田駒ヶ岳栗駒山も候補としていて、森吉山姫神山船形山は標高が低いことから除外された。上信越は最も選定に迷った地域で、女峰山仙ノ倉山黒姫山飯縄山守門岳荒沢岳白砂山鳥甲山岩菅山なども候補としていた。日本アルプスからは28座が選定されたが、雪倉岳奥大日岳針ノ木岳蓮華岳燕岳大天井岳霞沢岳有明山餓鬼岳毛勝山大無間山笊ヶ岳七面山なども候補としていた。北陸地方では、笈ヶ岳大笠山を入れるべきと考えていたが、登頂していなかったため除外された。自身の出身地では、荒島岳と能郷白山から前者を選択した。関西地方では、藤原岳比良山が標高が低いため除外され、御在所岳は山頂が遊園地化し世俗化していたため除外された。中国地方では氷ノ山を次の候補としていて、蒜山三瓶山などなだらか山が多く物足りなく感じ、鳥取県の大山1座のみの選定に至った。四国では迷うことなく、石鎚山と剣山を選定した。九州では由布岳市房山桜島も候補となっていた[5]

日本百名山の背景

山岳雑誌の山小屋での初期構想

前の頃に日本のめぼしい山にすべて登り、その中から百名山を選ぶという構想を持っていた[5]1940年(昭和15年)3月から、出版社であった朋文堂から山岳雑誌の『山小屋』で日本百名山の初期の構想であった連載を始めた。その初回で「日本百名山を選ぶのは、多年の僕の念願であった」と記載して、400-600字程度の短編に自身が撮影した写真を付けて、毎月2座合計以下の20座の連載が行われた[8]

  • 高千穂峰、乗鞍岳 - 3月号
  • 岩菅山、妙高山 - 4月号
  • 燧ヶ岳、至仏山 - 5月号
  • 五竜岳、蓼科山 - 6月号
  • 宝剣岳高田大岳 - 7月号
  • 白山、会津駒ヶ岳 - 8月号
  • 薬師岳、太郎山 - 9月号
  • 高妻山、霧ヶ峰 - 10月号
  • 赤岳、開聞岳 - 11月号
  • 湯ノ丸山、岩手山 - 12月号

『岳人』選定による日本百名山

1947年より東京新聞出版局から創刊されている山岳雑誌の『岳人』では奥山章冠松次郎辻村太郎ら54名のアンケートにより1年余りかけて選考が行われ、1953年(昭和28年)の3月号(59号)で「岳人選定による日本百名山」がまとめられた[9]。78座が、後に出版された深田久弥による『日本百名山』と一致していた。標高1,500 m以上であることをあくまでも原則として、山容のよいこと、景勝地であること、山頂からの展望が優れていることなどが選考条件となり、特に「登山の対象として面白い」が主眼とされていた[9]

深田久弥による百名山と一致した山
大雪山、十勝岳、阿寒岳、斜里岳、八甲田山、八幡平、岩手山、鳥海山、早池峰山、東北朝日岳、飯豊山、月山、蔵王山、吾妻山、磐梯山、会津駒ヶ岳、魚沼三山、谷川岳、武尊山、日光白根山、男体山、燧ヶ岳、至仏山、平ヶ岳、苗場山、那須岳、赤城山、天城山、丹沢山、両神山、雲取山、甲武信ヶ岳、金峰山、瑞牆山、浅間山、蓼科山、八ヶ岳、妙高山、火打山、富士山、白峰三山鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、塩見岳、悪沢岳、荒川岳、赤石岳、聖岳、木曽駒ヶ岳、空木岳、木曽御嶽山、恵那山、乗鞍岳、焼岳、槍ヶ岳、穂高岳、笠ヶ岳、白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、常念岳、鷲羽岳、薬師岳、立山、剱岳、黒岳、白山、荒島岳、大峰山、大台ヶ原山、伊吹山、伯耆大山、石鎚山、剣山、九重山、霧島山、阿蘇山
深田久弥による百名山と一致しなかった山
ペテガリ岳石狩岳神威岳仙ノ倉山白砂山妙義山榛名山国師岳戸隠山岩菅山笊ヶ岳唐松岳燕岳針ノ木岳烏帽子岳毛勝岳奥大日岳鈴鹿山氷ノ山、八重山、雲仙岳傾山

雑誌『山と高原』での日本百名山の連載

1959年(昭和34年)3月から、朋文堂の雑誌『山と高原』で毎月2座の日本百名山の連載が始まった。山の地誌・歴史、文化史、文学史、山容、自身の登頂記などを2,000字程度に簡潔にまとめ、50回連続して1963年(昭和38年)4月号まで書き継がれた[10][11]。初回は鳥海山と男体山、最終回は筑波山と富士山だった。山の愛好者から好評を得て、この雑誌の読者による人気投票で第1回読者賞を獲得した[11]。その後、1年余りの推敲が重ねられて、1964年(昭和39年)に新潮社から『日本百名山』の単行本が出版された[1]。各山の文章中に、山周辺の地図と山の白黒写真が挿入された版のものある。好評を得て、深田久弥のこの著書が第16回読売文学賞(評論・伝記賞)を受賞した。その贈賞式は1965年(昭和40年)2月6日に、読売会館で行われた。

日本百名山のその後

深田久弥終焉の地の茅ヶ岳。1971年3月21日に山上で、脳卒中で急逝。

深田久弥はこの本の出版後も相変わらず山に登り続けて、ぜひ百名山に入れたいと思ういくつかの山を知った。それらは標高としては第2線級ではあるが、その山容の美しさや品格のある点では3,000 m峰にも劣らなかったと記している[12]1971年(昭和46年)に出版された山岳紀行エッセイ集『山頂の憩い-「日本百名山」その後』では、20座程が紹介された。ニペソツ山については、「日本百名山を出版した時、この山をまだ見ておらず、ニペソツには申し訳なかったが百名山には入れなかった。実に立派な山であることを登ってみて初めて知った。」と記載している[13]。多くの人の意見を聞いて若干の山の差替えをするつもりのようであったが[5]、結局1964年の出版後に百座の入替えが行われることはなかった。『山頂の憩い-「日本百名山」その後』が遺作となり、1971年3月21日登山中の茅ヶ岳にて、脳卒中で急逝した。

この本により、これまで知らなかった日本の山の魅力を知り、自分もこれらの山に登ってみようという「日本百名山ブーム」が起き、現在も継続している[14]。百座のうち自分がいくつ登ったか増えていくのを楽しみにしている読者もいる[7] 。日本百名山だけに注目が集まって、これらの山ばかりに人々が群がると批評されることもある[15][16][17]

この本が広く関心を集めるようになったのは、自身も山好きで日本山岳会にも属する徳仁[18]が“日本百名山”の全峰踏破を夢見ていると、当時のマスコミによって伝えられたことがきっかけであったとされる。

1970年(昭和45年)に、山岳雑誌『岳人』の1月号(第271号)から『世界百名山』の連載を始めた。茅ヶ岳で急逝するまで41座まで書かれ、その後『世界百名山―絶筆41座』が新潮社より出版された[19]1982年(昭和57年)から、茅ヶ岳山麓の韮崎市で深田久弥の遺徳を偲ぶ碑前祭である『深田祭』と記念登山のイベントが毎年実施されている[20]1994年(平成6年)から翌年にかけてNHK衛星第2テレビジョンの『日本百名山』のテレビ番組で、一山ずつ全山が紹介された[21]。また1997年岩崎元郎みなみらんぼうらが百名山に挑戦する趣味悠々『中高年のための登山入門』も放映された[22]2002年(平成14年)12月に、石川県加賀市大聖寺に「深田久弥 山の文化館」がオープンした[23]2007年(平成19年)7月には島津康一郎が日本百名山を48日間で連続踏破し、平田和文が2002年に達成していた最短記録(66日間)を更新した。個人の日本百名山の登頂記の書籍が多数出版社されている[24]

選定された百山の一覧

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著書順の山の一覧

深田久弥の『日本百名山』に記述されている百座を、その順に以下のリストに示す[1][25]国立公園内にある山、各都道府県の最高峰火山などが多数含まれている。3,000 mを越える山が13座含まれている。高い山が少ない西日本の山の選定数は少なく、選定されていない都道府県が多数ある。
(注)各項目の▲記号をクリックすることにより、ソートすることができます。[26]

番号 山名 よみ 標高(m) 山系 都道府県 備考 山容
1 利尻岳 りしりだけ 1,721 利尻島 北海道 利尻礼文サロベツ国立公園
2 羅臼岳 らうすだけ 1,660 知床半島 北海道 知床 (世界遺産)
知床国立公園
3 斜里岳 しゃりだけ 1,547 知床半島 北海道 知床国立公園
4 阿寒岳 あかんだけ 1,499 独立峰 北海道 阿寒国立公園
5 大雪山 たいせつざん 2,291 大雪山系 北海道 大雪山国立公園
北海道の最高峰
6 トムラウシ とむらうし 2,141 大雪山系 北海道 大雪山国立公園
7 十勝岳 とかちだけ 2,077 大雪山系 北海道 大雪山国立公園
8 幌尻岳 ぽろしりだけ 2,053 日高山脈 北海道 日高山脈襟裳国定公園
9 後方羊蹄山 しりべしやま 1,898 独立峰 北海道 支笏洞爺国立公園
蝦夷富士
10 岩木山 いわきさん 1,625 独立峰 青森県 青森県の最高峰
11 八甲田山 はっこうださん 1,584 奥羽山脈 青森県 十和田八幡平国立公園
12 八幡平 はちまんたい 1,614 奥羽山脈 岩手県
秋田県
十和田八幡平国立公園
13 岩手山 いわてさん 2,038 奥羽山脈 岩手県 十和田八幡平国立公園
岩手県の最高峰
14 早池峰 はやちね 1,917 北上山地 岩手県 早池峰国定公園
15 鳥海山 ちょうかいさん 2,236 出羽山地 秋田県
山形県
鳥海国定公園
山形県の最高峰
16 月山 がっさん 1,984 出羽山地 山形県 磐梯朝日国立公園
17 朝日岳 あさひだけ 1,870 奥羽山脈 山形県
新潟県
磐梯朝日国立公園
18 蔵王山 ざおうさん 1,841 朝日山地 宮城県
山形県
蔵王国定公園
宮城県の最高峰
19 飯豊山 いいでさん 2,128 飯豊山地 山形県
福島県
新潟県
磐梯朝日国立公園
20 吾妻山 あづまさん 2,035 奥羽山脈 山形県
福島県
磐梯朝日国立公園
21 安達太良山 あだたらやま 1,710 奥羽山脈 福島県 磐梯朝日国立公園
22 磐梯山 ばんだいさん 1,816 奥羽山脈 福島県 磐梯朝日国立公園
23 会津駒ヶ岳 あいづこまがだけ 2,133 越後山脈 福島県 尾瀬国立公園
24 那須岳 なすだけ 1,917 那須連山 福島県
栃木県
25 魚沼駒ヶ岳 うおぬまこまがたけ 2,003 越後山脈 新潟県 越後三山只見国定公園
26 平ヶ岳 ひらがたけ 2,141 三国山脈 新潟県
群馬県
越後三山只見国定公園
27 巻機山 まきはたやま 1,967 三国山脈 新潟県
群馬県
28 燧岳 ひうちだけ 2,356 越後山脈 福島県 尾瀬国立公園
福島県の最高峰
29 至仏山 しぶつさん 2,228 越後山脈 群馬県 尾瀬国立公園
30 谷川岳 たにがわだけ 1,977 三国山脈 新潟県
群馬県
越後三山只見国定公園
31 雨飾山 あまかざりやま 1,963 頸城山塊 新潟県
長野県
上信越高原国立公園
32 苗場山 なえばさん 2,145 三国山脈 新潟県
長野県
上信越高原国立公園
33 妙高山 みょうこうさん 2,454 頸城山塊 新潟県 上信越高原国立公園
34 火打山 ひうちやま 2,462 頸城山塊 新潟県 上信越高原国立公園
35 高妻山 たかつまやま 2,353 戸隠連峰 新潟県
長野県
上信越高原国立公園
36 男体山 たかつまやま 2,486 日光連山 栃木県 日光国立公園
37 奥白根山 おくしらねさん 2,578 日光連山 栃木県
群馬県
日光国立公園
栃木県の最高峰
群馬県の最高峰
38 皇海山 すかいさん 2,144 足尾山地 栃木県
群馬県
日光国立公園
39 武尊山 ほたかやま 2,158 越後山脈 群馬県
40 赤城山 あかぎやま 1,828 独立峰 群馬県
41 草津白根山 くさつしらねさん 2,171 独立峰 群馬県 上信越高原国立公園
42 四阿山 あずまやさん 2,354 志賀高原 群馬県
長野県
上信越高原国立公園
43 浅間山 あさまやま 2,568 浅間山系 群馬県
長野県
上信越高原国立公園
44 筑波山 つくばさん  877 八溝山地 茨城県 水郷筑波国定公園
45 白馬岳 しろうまだけ 2,932 後立山連峰 長野県
富山県
中部山岳国立公園
46 五竜岳 ごりゅうだけ 2,814 後立山連峰 長野県
富山県
中部山岳国立公園
47 鹿島槍岳 かしまやりだけ 2,889 後立山連峰 長野県
富山県
中部山岳国立公園
48 剣岳 つるぎだけ 2,999 立山連峰 富山県 中部山岳国立公園
49 立山 たてやま 3,015 立山連峰 富山県 中部山岳国立公園
富山県の最高峰
50 薬師岳 やくしだけ 2,926 飛騨山脈 富山県 中部山岳国立公園
51 黒部五郎岳 くろべごろうだけ 2,840 飛騨山脈 富山県
岐阜県
中部山岳国立公園
52 黒岳 くろだけ 2,986 飛騨山脈 富山県 中部山岳国立公園
53 鷲羽岳 わしばだけ 2,924 飛騨山脈 長野県
富山県
中部山岳国立公園
54 槍ヶ岳 やりがたけ 3,180 飛騨山脈 長野県
岐阜県
中部山岳国立公園
55 穂高岳 ほたかだけ 3,190 飛騨山脈 長野県
岐阜県
中部山岳国立公園
長野県の最高峰
岐阜県の最高峰
56 常念岳 じょうねんだけ 2,857 常念山脈 長野県 中部山岳国立公園
57 笠ヶ岳 かさがだけ 2,897 飛騨山脈 岐阜県 中部山岳国立公園
58 焼岳 やけたけ 2,455 飛騨山脈 長野県
岐阜県
中部山岳国立公園
59 乗鞍岳 のりくらだけ 3,026 飛騨山脈 長野県
岐阜県
中部山岳国立公園
60 御岳 おんたけ 3,067 独立峰 長野県
岐阜県
61 美ヶ原 うつくしがはら 2,034 中信高原 長野県 八ヶ岳中信高原国定公園
62 霧ヶ峰 きりがみね 1,925 中信高原 長野県 八ヶ岳中信高原国定公園
63 蓼科山 たてしなやま 2,530 八ヶ岳連峰 長野県 八ヶ岳中信高原国定公園
64 八ヶ岳 やつがたけ 2,899 八ヶ岳連峰 長野県
山梨県
八ヶ岳中信高原国定公園
65 両神山 りょうかみさん 1,723 奥秩父山塊 埼玉県 秩父多摩甲斐国立公園
66 雲取山 くもとりやま 2,017 奥秩父山塊 埼玉県
東京都
山梨県
秩父多摩甲斐国立公園
東京都の最高峰
67 甲武信岳 こぶしだけ 2,475 奥秩父山塊 埼玉県
長野県
山梨県
秩父多摩甲斐国立公園
68 金峰山 きんぷさん 2,599 奥秩父山塊 長野県
山梨県
秩父多摩甲斐国立公園
69 瑞牆山 みずがきやま 2,230 奥秩父山塊 山梨県 秩父多摩甲斐国立公園
70 大菩薩岳 だいぼさつだけ 2,057 奥秩父山塊 山梨県 秩父多摩甲斐国立公園
71 丹沢山 たんざわさん 1,673 丹沢山地 神奈川県 丹沢大山国定公園
神奈川県の最高峰
72 富士山 ふじさん 3,776 独立峰 山梨県
静岡県
富士箱根伊豆国立公園
山梨県の最高峰
静岡県の最高峰
73 天城山 あまぎさん 1,405 伊豆半島 静岡県 富士箱根伊豆国立公園
74 木曽駒ヶ岳 きそこまがたけ 2,956 木曽山脈 長野県
75 空木岳 うつぎだけ 2,864 木曽山脈 長野県
76 恵那山 えなさん 2,191 木曽山脈 長野県
岐阜県
77 甲斐駒ヶ岳 かいこまがたけ 2,967 赤石山脈 山梨県
長野県
南アルプス国立公園
78 仙丈岳 せんじょうだけ 3,033 赤石山脈 山梨県
長野県
南アルプス国立公園
79 鳳凰山 ほうおうざん 2,840 赤石山脈 山梨県 南アルプス国立公園
80 北岳 きただけ 3,193 赤石山脈 山梨県 南アルプス国立公園
81 間ノ岳 あいのだけ 3,189 赤石山脈 山梨県
静岡県
南アルプス国立公園
82 塩見岳 しおみだけ 3,052 赤石山脈 長野県
静岡県
南アルプス国立公園
83 悪沢岳 わるさわだけ 3,141 赤石山脈 長野県
静岡県
南アルプス国立公園
84 赤石岳 あかいしだけ 3,120 赤石山脈 長野県
静岡県
南アルプス国立公園
85 聖岳 ひじりだけ 3,013 赤石山脈 長野県
静岡県
南アルプス国立公園
86 光岳 てかりだけ 2,591 赤石山脈 長野県
静岡県
南アルプス国立公園
87 白山 はくさん 2,702 両白山地 岐阜県
石川県
白山国立公園
88 荒島岳 あらしまだけ 1,523 越美山地 福井県 奥越高原県立自然公園
89 伊吹山 いぶきやま 1,377 伊吹山地 岐阜県
滋賀県
琵琶湖国定公園
滋賀県の最高峰
90 大台ヶ原山 おおだいがはらやま 1,695 台高山脈 三重県
奈良県
吉野熊野国立公園
三重県の最高峰
91 大峰山 おおみねさん 1,915 紀伊山地 奈良県 吉野熊野国立公園
奈良県の最高峰
92 大山 だいせん 1,729 中国山地 鳥取県 大山隠岐国立公園
鳥取県の最高峰
93 剣山 つるぎさん 1,955 四国山地 徳島県 剣山国定公園
徳島県の最高峰
94 石鎚山 いしづちさん 1,982 四国山地 愛媛県 石鎚国定公園
愛媛県の最高峰
95 九重山 くじゅうさん 1,791 九重火山群 大分県 阿蘇くじゅう国立公園
大分県の最高峰
96 祖母山 そぼさん 1,756 九州山地 大分県
宮崎県
祖母傾国定公園
宮崎県の最高峰
97 阿蘇山 あそさん 1,592 阿蘇カルデラ 熊本県 阿蘇くじゅう国立公園
98 霧島山 きりしまやま 1,700 えびの高原 宮崎県
鹿児島県
霧島屋久国立公園
99 開聞岳 かいもんだけ  924 南薩火山群 鹿児島県 霧島屋久国立公園
100 宮之浦岳 みやのうらだけ 1,936 屋久島 鹿児島県 霧島屋久国立公園
鹿児島県の最高峰

地域ごとの山名一覧

他の百名山

昨今ではさまざまな“名山もの”が選定されたり、書籍なども作られるようになった。以下にその例を挙げる。

  • 日本三百名山 - 日本山岳会の『山日記』編集メンバーによって1978年に選定された。ここで選定されたのは200の山で、それに深田久弥の百名山を加えて300としている。
  • 日本二百名山 - 深田久弥のファン組織である「深田クラブ」によって、同クラブ創立10周年を記念して1984年に選定された。ほぼ全てが三百名山に入っているが、三百名山に含まない奥只見の荒沢岳が入っている。こちらも、深田久弥の百名山が全て入っている。
  • 花の百名山 - 作家である田中澄江の『花の百名山』に掲載された100の山。深田久弥の百名山と重複するのは39座のみである。その後、『新・花の百名山』も刊行されている。

 この他に、北海道百名山東北百名山うつくしま百名山山梨百名山関西百名山四国百名山九州百名山など各地の百名山、岩崎元郎選の「新日本百名山」、小林泰彦選の「日本百低山」などもある。飛騨山岳会では創立100周年を記念して2008年9月、『飛騨百山』を出版した[27]。他にも下表に示す地元の自治体、山岳会、出版社及び新聞社が選定した各県や地方の百名山などがある。2002年には、山岳写真家白川義員が中心となり『世界百名山』を選定した[28]

日本全国の百名山

日本全国の百名山が複数あり、特に読売文学賞を受賞した深田久弥の『日本百名山』はよく知られている。

名称
選定者
選定時期
備考
日本百名山 深田久弥 1964年 第16回読売文学賞(評論・伝記賞)を受賞
日本二百名山 深田クラブ 1984年 日本三百名山から99山を選択して、荒沢岳を追加した
日本三百名山 日本山岳会 1978年 日本百名山に200山を追加した
新日本百名山 岩崎元郎 2006年 中高年が登り易い山という点を加味して選定
花の百名山 田中澄江 1980年 山のを中心として選定
第32回読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞
新・花の百名山 田中澄江 1995年 花の百名山を発表の15年後に、新たに選定
一等三角点百名山 一等三角点研究会

日本各地の百名山など

名称
選定者
選定時期
備考
北海道百名山 山と溪谷社 1993年 『北海道の百名山』道新スポーツ(2000年)
東北百名山 東北山岳写真家集団 1990年 2000年に10山入替え
うつくしま百名山 福島テレビ 1998年 選定委員長は田部井淳子
会津百名山 会津百名山選考委員会 1998年
甲信越百名山 山と溪谷社 2000年
越後百名山 日本山岳会越後支部 1989年
関東百名山 山と溪谷社 1993年
栃木百名山 下野新聞社 2004年
ぐんま百名山 群馬県 1993年 [29]
信州百山 信濃毎日新聞社 1970年
信州ふるさと120山 長野県山岳協会 2011年 平成の大合併前の旧120市町村ごと120座[30]
山梨百名山 山梨県 1997年
東海の百山 静岡新聞 2000年
静岡の百山 静岡百山研究会 1991年
ぎふ百山 岐阜県山岳連盟 1975年 120山、ぎふ百山(続)の130山を1993年に追加
飛騨百山 飛騨山岳会 2008年 [27]
関西百名山 山と溪谷社大阪支局 1998年 『近畿百名山』(近畿山岳愛好会 1976年)と68山が重複
大阪50山 大阪府山岳連盟 2002年
ふるさと兵庫50山 兵庫県山岳連盟 1998年 2009年7月には『ふるさと兵庫100山』が出版された[31]
奈良百遊山 奈良県健康推進課 2003年
中国百名山 山と溪谷社大阪支局 2000年
ひろしま百名 広島山岳連盟 1998年
四国百名山 山と渓谷社大阪支局 2000年 『四国百山』(高知新聞社 1999年)と74山が重複
九州百名山 山と渓谷社 2002年 2002年改訂
大分百山 日本山岳会東九州支部 1980年
世界百名山 白川義員 2002年 [28][32]

登山規制のある山

  • 浅間山 ランクAの活火山であり、山頂周辺(2010年4月以降は、火口から500 m以内)への立入りが禁止されていて、火山活動に応じて禁止区域が変更されている[33]
  • 焼岳 ランクBの活火山であり、1991年(平成3年)に北峰への登山規制が緩和されたが[34]、最高点の南峰への立入りは火山ガスや崩落の危険があるため立入りが禁止されている[35]
  • 阿蘇山 ランクAの活火山であり、西火口への立入り規制がある[36]
  • 霧島山 構成する御鉢新燃岳の山は噴火警戒レベルに応じて、立入り規制が行われている[37]

関連画像

羅臼岳北海道 岩手山東北 男体山関東 槍ヶ岳北アルプス 木曽駒ヶ岳中央アルプス
北岳南アルプス 白山北陸 大山中国 石鎚山四国 宮之浦岳九州

脚注

  1. ^ a b c d 日本百名山(1964)
  2. ^ 登山案内(1998)
  3. ^ 筑波山 (877m) および開聞岳 (924m) のような例外もある。弥彦山比叡山英彦山などは名山ではあるが標高が低いことから除外された。
  4. ^ 日本百名山と深田久弥(2004)、著書一覧3頁
  5. ^ a b c d e f g 日本百名山(1964)、後記
  6. ^ 日本百名山と深田久弥(2004)、65頁
  7. ^ a b 日本百名山、解説(串田孫一)
  8. ^ 日本百名山と深田久弥(2004)、7-9頁
  9. ^ a b 日本百名山と深田久弥(2004)、15-17頁
  10. ^ 日本百名山と深田久弥(2004)、25-27頁
  11. ^ a b 日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛(2004)、219頁
  12. ^ 山頂の憩い-「日本百名山」その後(2000)、15頁
  13. ^ 山頂の憩い-「日本百名山」その後(2000)、115頁
  14. ^ 日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛(2004)、220頁
  15. ^ 日本百名山、名山考(今西錦司)
  16. ^ 新・傷だらけの百名山(2005)"
  17. ^ 脱百名山登山学(2008)"
  18. ^ 『山と渓谷』1995年8月号への寄稿では、誕生日に父から贈られた事があると記している。
  19. ^ 深田久弥『世界百名山―絶筆41座』新潮社、1974年。 ASIN B000J9GLAA。
  20. ^ 深田祭”. 韮崎市観光協会. 2011年11月18日閲覧。
  21. ^ NHKアーカイブス保存番組詳細『日本百名山 八ヶ岳』(1994年4月5日放送)”. NHK. 2011年10月26日閲覧。
  22. ^ NHKアーカイブス保存番組詳細(1997年7月3日放送・趣味悠々『中高年のための登山入門』開聞岳)”. NHK. 2011年10月26日閲覧。
  23. ^ 深田久弥 山の文化館”. 加賀市. 2011年11月18日閲覧。
  24. ^ クレイグ・マクラクラン(1997)
  25. ^ 『山と溪谷2011年1月号付録(山の便利手帳2011)』山と溪谷社、2010年12月、322-323頁、ASIN B004DPEH6G頁。 
  26. ^ 記事としてより相応しい画像を募集中。よい画像があれば差し替え願います。他言語への展開を考慮して、Wikipedia:ウィキメディア・コモンズの登録画像を推奨します。
  27. ^ a b ふるさとの山 飛騨百山マップ” (PDF). 飛騨山岳会. 2011年10月26日閲覧。
  28. ^ a b 世界百名山”. 白川義員. 2011年10月26日閲覧。
  29. ^ ぐんま百名山”. 上毛新聞. 2011年10月26日閲覧。
  30. ^ 長野県山岳協会120山委員会 編『信州ふるさと120山』信濃毎日新聞社、2011年11月。ISBN 9784784071821 
  31. ^ 兵庫県山岳連盟 編『ふるさと兵庫100山』神戸新聞社、2009年7月。ISBN 9784343005236 
  32. ^ 白川義員『白川義員 愛蔵版 世界百名山』小学館、2007年8月。ISBN 9784096811559 
  33. ^ 浅間山登山規制のお知らせ”. 小諸市. 2011年10月26日閲覧。
  34. ^ 信州山岳ガイド・焼岳”. 信濃毎日新聞. 2011年10月26日閲覧。
  35. ^ 『槍ヶ岳・穂高岳 上高地』昭文社山と高原地図37〉、2010年3月。ISBN 9784398757173 
  36. ^ 阿蘇火山西火口規制情報”. 阿蘇火山防災会議協議会. 2011年10月26日閲覧。
  37. ^ 霧島山に関する規制状況”. 霧島市. 2011年10月26日閲覧。

書誌・関連書籍

『日本百名山』の本は多数重版され、改版や新装版も出版されている。深田久弥自身の著書の他に、深田久弥に関するものや、日本百名山のすべての山を解説する登山ガイド本などが多数出版されている。他にも、ビデオDVDなども、多数出版されている。

深田久弥自身の著書

  • 深田久弥『日本百名山』新潮社、1964年。 ASIN B000JAFKT2。(改訂1991年。ISBN 4103184051)、(新潮文庫 1978年、ASIN B000J8KTOU。)、(改版2003年。ISBN 4101220026。)
  • 深田久弥『日本百名山』朝日新聞社〈山の文学全集5〉、1974年。 ASIN B000J99R7Y。(全12巻)
  • 深田久弥『山頂の憩い-「日本百名山」その後』新潮社〈山の文庫1〉、1971年。  (新潮文庫、2000年4月。ISBN 4101220034
  • 深田久弥『日本百名山』朝日文庫〈山の文庫1〉、1974年。 ASIN B000J7N024。(全6巻)

深田久弥以外の著書

  • 田沢拓也『百名山の人 深田久弥伝』阪急コミュニケーションズ、2002年2月。ISBN [[特別:文献資料/4484022036+%EF%BC%88%5B%5B%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB%5D%5D%E3%80%812005%E5%B9%B43%E6%9C%88%E3%80%81ISBN+4043689020%EF%BC%89 |4484022036 (角川文庫、2005年3月、ISBN 4043689020)]]{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 
  • 安宅夏夫『日本百名山の背景 深田久弥 二つの愛』集英社新書、2004年4月。ISBN 4087201368 
  • 高辻謙輔『日本百名山と深田久弥』白山書房、2004年11月。ISBN 4894750899 
  • 加藤久晴『新・傷だらけの百名山』新風舎、2005年6月。ISBN 4797497327 
  • 石井光造『脱百名山登山学』白山書房、2008年7月。ISBN 9784894751217 

紀行文・登山解説書

関連項目

外部リンク