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「司法警察職員」の版間の差分

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2019年8月11日 (日) 00:17時点における版

司法警察職員(しほうけいさつしょくいん)とは、刑事訴訟法に規定された捜査司法警察)を担う職員である。代表的なものは、警察官である(一般司法警察職員、同法189条1項)。

種類等

司法警察職員は以下の種類に分かれる。

また、司法警察職員は以下の役職に分かれる。

権限

司法警察活動を行う権限を一般に司法警察権と呼ぶが、その内実は検察官が有する捜査権(検察庁法第6条)と同質であり、極めて強力な権限であるため、特定の種類の公務員もしくは専門職の従事者のみに付与されている。この司法警察権を有し、司法警察活動に従事する者が、司法警察職員である。一般的な司法警察権は、以下の通り。

司法警察職員のうち、警察官・皇宮護衛官海上保安官麻薬取締官麻薬取締員など、職務の内容からして他人の生命・身体の防護を必要とするもの、あるい危険を伴う場において職務を執行することが通常想定される者に対しては、職務を安全かつ確実に執行させるため、一定の範囲で 武器(小型武器に限定される場合もある)の携帯・使用権が付与されている[2]

犯則調査

必ずしも司法警察職員の行う捜査でないが、供述を求める際に黙秘権の告知を行い、物品や資料を捜索差押押収する際に裁判官の発した令状を付するなど、刑事訴訟法に規定された手続を準用することで、後に事件が検察(具体的な個々の事件によっては警察などの司法警察職員が介在する場合もあるが、犯則調査の結果としての告発先は法令によって検察官に限定されている例も多く、このような制限が付されている場合には司法警察職員は犯則調査機関からの告発を受けることができない)の関与する刑事手続に移った際に、それらの収集された供述や物品や資料をそのまま刑事訴訟における証拠として使用できるようにすることがある。それを、犯則調査(はんそくちょうさ)と呼ぶ。犯則調査を担う機関には、以下のようなものがある。

関連項目

脚注

  1. ^ 刑事訴訟法222条3項の「押収」の文言は、2011年法改正で「差押」に改められた
  2. ^ 法令上、警務官でない自衛官入国審査官および入国警備官・司法警察職員としての指定を受けていない刑務官も武器の携帯使用権を有するほか(自衛隊法第87条・出入国管理及び難民認定法第61条の4・刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第80条)、現在は実際には所持していないものの税関職員にも法令上武器の携帯使用権が与えられているが(関税法第104条)、これらの者はいずれも司法警察権を有しない。その反面、司法警察権を付与された者であっても労働基準監督官や旧郵政監察官のように武器の携帯使用権を持たないものもあり、また検察庁法第6条により「いかなる犯罪についても捜査をすることができる」権限(検察官の捜査は実務上補充捜査を原則としているものの、検察庁法第6条および刑事訴訟法第191条第1項等により完全な捜査権を付与されている。各司法警察職員が分掌する司法警察権は、検察官の有する捜査権の全部または一部と同質である)を有する検察官も武器の携帯使用権を付与されていない(これは法の不備ではなく、検察官が自ら捜査をする場合であって必要と認めるときは、刑事訴訟法第193条第3項により司法警察職員を指揮して捜査の補助をさせることができ、この場合において「司法警察職員は検察官の指示又は指揮に従わなければならない」(同条第4項)とされていることから、法曹として活動する検察官(ないしは、その補助を行う検察事務官)に対して武器扱方の習得を一律に義務付けず、本来の業務に専念させようという意味合いがある)。従って、この武器携帯・使用に関する権利の有無は検察権・司法警察権の有無によるものではなく、各々が本質的に担当すべき職務の内容に内包する危険度に由来すると考えたほうが理解しやすい。
  3. ^ 公正取引委員会がする告発検事総長のみを受理権者とする点に特徴がある(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第74条第3項)。これは公正取引委員会の事務総局の職員には検察官を加えなければならず(同法第35条第10項)、かつ、この検察官たる職員の掌る職務はこの法律の規定に違反する事件に関するものに限られる(同条第11項)ことを前提とした規定であり、検察官がその地位において告発に関与する点で他に例を見ない特異なものとなっている
  4. ^ 第1章 犯則事件の調査及び処分(総説) - 国税庁”. 2019年6月11日閲覧。
  5. ^ 関税法に基づく犯則事件の告発(申告納税方式適用関税に関する犯則事件を除く)は、検察官のみが受理権者である(同法第137条)
  6. ^ 根拠法となる財務省設置法においては国税庁査察官を司法警察職員と明示してはいないが、同法第27条には「次に掲げる犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする」とある。しかしながら裁判所に対して各種令状・許可状等を請求する権限が付与されていないと解され(同条第2項参照)、現行犯人の逮捕の場合(同条第3項)を除いては任意捜査によって証拠を固めた上で事件に関する書類を検察官に送致する形での捜査しか行い得ないという特色がある。国税庁監察官等

外部リンク