「伊奈駅」の版間の差分
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|ホーム = 2面3線 (単式・島式複合型) |
|ホーム = 2面3線 (単式・島式複合型) |
2020年2月15日 (土) 06:08時点における版
伊奈駅 | |
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橋上駅舎 (2018年) | |
いな INA | |
◄NH01 *豊橋 (5.0 km) (1.6 km) 小田渕 NH03► | |
所在地 | 愛知県豊川市伊奈町南山新田292-1 |
駅番号 | NH 02 |
所属事業者 | 名古屋鉄道 |
所属路線 | 名古屋本線 |
キロ程 | 5.0 km(豊橋起点) |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム | 2面3線 (単式・島式複合型) |
乗車人員 -統計年度- |
1,599人/日(降車客含まず) -2017年- |
開業年月日 | 1927年(昭和2年)6月1日以前 |
備考 | * この間に平井信号場有(1.2km先) |
伊奈駅(いなえき)は、愛知県豊川市伊奈町南山新田にある、名古屋鉄道(名鉄)名古屋本線の駅である。駅番号はNH02。
概要
急行停車駅だが、特急や快速特急の一部も特別停車する。特急以上が特別停車する時間帯はほとんどの急行が当駅または国府で折り返しとなっており、間隔が開くのを避けるために停車している。
駅の乗降客は多くはないものの、隣の豊橋駅へは東海旅客鉄道飯田線と線路を共有している関係で毎時6本しか乗り入れできないという制約があり、普通列車、臨時列車、団体専用列車、試運転列車、回送列車(豊橋駅へ送り込む回送列車を除く)の全てが当駅で折り返している。そのため豊橋方面の列車は一部時間帯を除き毎時2本の急行のみである。
歴史
伊奈駅の開業年月日には諸説があり、はっきりしていない。
愛知電気鉄道(愛電)は岡崎から豊橋(吉田)への延伸計画を立てていたが、自社線による豊橋乗り入れに先立ち、ひとまず豊川鉄道の小坂井駅に接続して豊橋方面との連絡を図ることになった。愛電が1925年(大正14年)に鉄道省へ申請した『下地岡崎間線路設計変更並豊川鉄道連絡線敷設工事認可申請』には「…小坂井村大字伊奈ニ於テ弊社線ノ停車場ヲ設置シ是ヨリ分岐シ…」とあり、伊奈駅の設置も計画されていた[1]が、岡崎 - 小坂井間が開通した1926年(大正15年)4月の時点ではまだ存在しなかった[2]。その後、1927年(昭和2年)6月1日に吉田方面が開通したが、伊奈駅の開業は同時、またはその前後だったとされる。
『名古屋鉄道百年史』では1927年(昭和2年)6月1日の吉田方面開通時に伊奈信号所を設置し、同年9月1日に駅へ昇格したとしている[3][注釈 1]が、昭和2年6月1日に発行された愛電の時刻表にはすでに伊奈駅が特急停車駅として掲載されていた[4]ほか、吉田方面開通を知らせた『官報』1927年6月11日号には「伊奈(旣設驛)」と記されており[5]、吉田方面開通以前から存在した可能性がある[6][注釈 2]。
なお、豊橋方面開通に伴い小坂井方面は小坂井線[7](後に小坂井支線へ改称)となり、豊川方面との連絡線と位置付けられたが、豊川市内線の全通に伴い廃止されている[注釈 3]。
-
1940年当時の伊奈駅
年表
- 1925年(大正14年)11月18日 - 愛知電気鉄道が小坂井村大字伊奈 - 小坂井間の連絡線を工事認可申請。伊奈停車場を計画。
- 1926年(大正15年)4月1日 - 東岡崎 - 小坂井間開業。
- 1927年(昭和2年)6月1日 - 伊奈 - 吉田間開業。伊奈 - 小坂井間は支線となる。この前後に伊奈駅開業。
- 1954年(昭和29年)12月25日 - 小坂井支線廃止。
- 1974年(昭和49年)9月17日 - 名鉄の白紙ダイヤ改正により、日中の発着列車をそれまでの準急(小田渕停車)毎時1本のみから急行毎時2本と普通同2本(当時は豊橋発着と当駅折り返し各1本)へと増発。
- 1982年(昭和57年)3月21日 - 本線特急の増発に伴い、日中の普通列車がすべて当駅折り返しとなる。
- 1996年(平成8年)3月 - 橋上駅化、留置線増強。
- 2005年(平成17年)3月15日 - トランパス導入。
- 2011年(平成23年)2月11日 - ICカード乗車券「manaca」供用開始。
- 2012年(平成24年)2月29日 - トランパス供用終了。
配線の変遷
← 吉田方面 |
→ 神宮前方面 |
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↓ 豊川方面 | ||
凡例 出典:[8] |
← 豊橋駅 小坂井駅 (1954年廃止) |
→ 東岡崎・ 新名古屋方面 |
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凡例 出典:[9] |
← 豊橋駅 |
→ 東岡崎・ 新名古屋方面 |
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凡例 出典:[10] |
駅構造
単式・島式の複合型2面3線のホームを持つ橋上駅である。2番ホームが単式、3・4番ホームが島式である。自動改札機はトランパス導入時に2機設置された。ICカードmanacaの使用は可能である。
橋上駅舎化前は1 - 3番線だったのを2 - 4番線に振り替えたため、1番線は欠番となっている。これは従来存在しなかった下り副本線の用地を確保し、1番線として使用できるようにしたためであるが、現時点では駐車場になっている(豊橋方には、一部未整備の用地を見ることができる)。橋上駅化に伴う配線変更以前は(旧)4・5番ホームも存在したが、有効長が短く未舗装であり、晩年は留置専用で乗降に利用することはほとんどなかった。現在このエリアには留置線が5本あり、その内最も西側の1線は下り方へも発車可能となっている。
改札を入ったところに方面別に反転フラップ式案内表示機が設置されていたが、現在はLED式のものに置き換えられている。豊橋方面は、朝と深夜の特急特別停車時間帯を除いて、「急行 豊橋」が表示されたままとなっている。
構内通過制限速度は豊橋方のポイントが100km/h、国府方が110km/hと120km/h区間側が高くなっており、この点は新清洲駅に類似している。また、配線変更に際して上り線の小田渕駅 - 当駅間に閉塞信号機が増設された。
駅構内の放送は全て駅員の肉声によって行われており、自動放送はない。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2 | NH 名古屋本線 | 下り | 東岡崎・名鉄名古屋方面[11] | |
3 | 上り | 豊橋行き[11] | ||
4 | 下り | 東岡崎・名鉄名古屋方面[11] | 普通列車・当駅始発の急行等 |
-
改札口
-
構内留置線
-
駅名標
配線図
← 豊橋駅 |
→ 東岡崎・ 名古屋方面 |
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凡例 出典:[12] 2009年現在 |
利用状況
- 『名鉄120年:近20年のあゆみ』によると2013年度当時の1日平均乗降人員は2,998人であり、この値は名鉄全駅(275駅)中142位、 名古屋本線(60駅)中38位であった[13]。
- 『名古屋鉄道百年史』によると1992年度当時の1日平均乗降人員は3,472人であり、この値は岐阜市内線均一運賃区間内各駅(岐阜市内線・田神線・美濃町線徹明町駅 - 琴塚駅間)を除く名鉄全駅(342駅)中126位、 名古屋本線(61駅)中35位であった[14]。
- 愛知県の統計によれば、1日平均の乗車人員は、平成19年度1,454人、平成20年度1,466人である。愛知県内の名古屋本線の駅では、55駅中34位である。
- 『豊川市の統計』によると、2017年度の1日平均乗車人員は1,599人である。近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
2013年 | 1,499 |
2014年 | 1,466 |
2015年 | 1,514 |
2016年 | 1,560 |
2017年 | 1,599 |
ダイヤ
日中は豊橋駅発着の急行と当駅で名古屋方面へ折り返す普通が1時間あたり各2本、30分間隔で交互に停車する。
始発列車に名古屋方面の当駅発の特急(2200系+3100系または3150系の8両)が設定されているほか、朝のラッシュ時には、伊奈駅発の急行等も数本あり、豊橋発の列車本数が限られているのを補完する形になっている。また夜(当駅に特急が停車する時間帯)は、豊橋着の列車が殆ど特急となるため、伊奈止まりの急行等も同様に数本存在する。
さらに2006年4月29日改正で、初めて当駅止まりの特急も新設された。これは、それまで国府止まりであった列車を、伊奈まで延長運転したものである。この特急は伊奈駅で停泊後、名古屋方面へ向かう。2008年12月の改正で平日のみもう1本増えており、平日の伊奈止まりは2本になっている。事故などで名古屋本線のダイヤが乱れた場合でも、JRへダイヤの乱れを広げないようにするため通常の豊橋行きの特急や急行を一時的に当駅止まりにすることがある(この場合、東海道本線または飯田線で振替となる)。逆にJRのダイヤが乱れた場合も通常の豊橋行きの列車が当駅止まりになることがある(豊橋駅はJRの管轄であり同駅へはJRが優先的に入線することになっているため。この場合の振替輸送はない)。
平日の朝2本のみ、快速特急が特別停車する。
駅周辺
駅の西側は工場が多い。
- JR東海道本線西小坂井駅
- JR飯田線小坂井駅
- 愛知県道384号小坂井御津線
- 国道23号(豊橋バイパス) 小坂井御津インターチェンジ
- 豊川市小坂井支所(旧・小坂井町役場)
- 豊川市立小坂井中学校
- 豊川市立小坂井東小学校
- カゴメ小坂井工場
- 日本トレクス本社 - トレーラ・バンなどの製造・販売
- 雪印メグミルク豊橋工場
- 富士紡績(フジボウ)小坂井工場
- 第二青山病院
- レッツ倶楽部 豊川小坂井
- 豊川信用金庫小坂井支店
- ひまわり農協
- 小坂井支店
- やすらぎ会館小坂井 - 小坂井支線が小坂井駅へ向かってカーブしていた部分の跡地南側。線路跡はカーブなりに住宅が建っている。
バス
西口に豊川市コミュニティバスゆうあいの里小坂井線の「伊奈駅前萬楽」バス停があり、JR西小坂井駅から当駅、市民病院、市役所、ぎょぎょランドを経由してゆうあいの里までを結んでいる。
隣の駅
脚注
注釈
- ^ 鉄道省編『鉄道停車場一覧』(昭和12年10月1日現在、国立国会図書館デジタル化資料)においても開業日は9月1日とされ、『小坂井町史』通史編(小坂井町史編集委員会、2010年)もこの説に準拠している。なお、『名古屋鉄道社史』(名古屋鉄道、1961年)の年表おいては6月1日に「伊奈信号所」と記されているが、駅昇格については明記されていない。
- ^ 『小坂井町誌』(小坂井町誌編纂委員会、1976年)では駅開業日を吉田開通と同時(6月1日)としつつも信号所としては小坂井方面開通時(1926年)に存在したとしており、6月1日開業としても駅として開業する前に信号所として存在した可能性もある。
- ^ 当駅南方東側の留置線2本は同線の名残りである。またそれ以南にも4線分の架線柱が残るなど現在でも小坂井支線の廃線跡を見ることができる。
出典
- ^ 井戸田弘『東海地方の鉄道敷設史』 2巻、2006年、199頁。
- ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1926年4月9日(国立国会図書館デジタル化資料)
- ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、866頁。
- ^ 『愛知電鐵 電車時刻表 昭和2年6月1日改正』名鉄資料館〈名鉄電車時刻表復刻シリーズ〉、1998年。
- ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1927年6月11日(国立国会図書館デジタル化資料)
- ^ 日本鉄道旅行地図帳 追加・訂補 7号 東海 - 鉄道フォーラム
- ^ 名古屋鉄道 編『名古屋鉄道社史』名古屋鉄道、1961年、656頁。ASIN B000JAMKU4。
- ^ 清水武、田中義人『名古屋鉄道車両史 上巻』、アルファベータブックス、2019年、pp.180-181、ISBN 978-4865988475
- ^ 澤田幸雄 「名鉄の駅,構内設備の思い出」(『鉄道ピクトリアル No.816 2009年3月号臨時増刊』電気車研究会、2009年)
- ^ 宮脇俊三・原田勝正 『東京・横浜・千葉・名古屋の私鉄 (JR・私鉄全線各駅停車)』小学館、1993年、ISBN 978-4093954112)
- ^ a b c 駅時刻表:名古屋鉄道・名鉄バス、2019年3月23日閲覧
- ^ 巻末折込「名古屋鉄道 配線略図」(『鉄道ピクトリアル No.816 2009年3月号臨時増刊』電気車研究会、2009年)
- ^ 名鉄120年史編纂委員会事務局(編)『名鉄120年:近20年のあゆみ』名古屋鉄道、2014年、160-162頁。
- ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、651-653頁。