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2021年3月28日 (日) 21:46時点における版
かがわ きょうこ 香川 京子 | |||||||||||||||||
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1954年 | |||||||||||||||||
本名 | 牧野 香子 | ||||||||||||||||
生年月日 | 1931年12月5日(93歳) | ||||||||||||||||
出生地 |
日本・茨城県行方郡麻生町 (現:行方市)[1] | ||||||||||||||||
身長 | 162cm | ||||||||||||||||
職業 | 女優 | ||||||||||||||||
ジャンル | テレビドラマ、映画 | ||||||||||||||||
活動期間 | 1950年 - | ||||||||||||||||
配偶者 | あり | ||||||||||||||||
主な作品 | |||||||||||||||||
映画 『ひめゆりの塔』[1] 『東京物語』[1] 『近松物語』 『どん底』 『悪い奴ほどよく眠る』[1] 『天国と地獄』 『まあだだよ』 『阿弥陀堂だより』 テレビドラマ 『肝っ玉かあさん』 『水色の時』 『春日局』 『芋たこなんきん』 | |||||||||||||||||
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香川 京子(かがわ きょうこ、1931年12月5日[1] - )は、日本の女優。本名は、牧野 香子(まきの きょうこ)。茨城県行方郡麻生町(現行方市)生まれ。東京都立第十高等女学校卒業[1]。身長162cm、体重45kg[2]。
人物
生まれてすぐに父親の仕事の都合で兵庫県の芦屋へ移る。
小学校に入る1年前に東京に戻るも、女学校に上がった1944年に空襲を避けるため、茨城県の下館に疎開。間もなく母親が麻生町に疎開したため、自らも麻生町に戻る。
女学校時代は勤労奉仕ばかりで、勉強することはあまりなかった。
1945年に東京に移り住む。
1949年に女学校を卒業。東京新聞主催の「ニューフェイス・ノミネーション」に合格し、新東宝へ入社する[1](女学校卒業時に漠然と将来を考えた際に、当初は英語の勉強をしたいと考えていたが家庭の事情で断念。『白鳥の湖』を観賞してバレリーナになりたいと考えるも、専門家から、目指すには遅すぎると指摘され、どうしようか考えあぐねている時に新聞のニューフェイス募集記事が目に止まって応募したという)。一般会社の入社試験も同時進行で受けており、最終面接とニューフェイスのカメラテストでの最終試験が重なってしまうが、母の助言もあり、女優の道に進むことになる。
1950年、『窓から飛び出せ』でデビュー。
芸名は映画会社で用意されていたものがしっくり来ず、家族と自身で考えたもの(本名の「香」と言う文字はどうしても用いたく、「きょうこ」という音も用いられるために決定したという)。
大手映画会社間の五社協定ができる前の1953年にフリーになった[1] [3]おかげで、各映画会社の黄金期の多くの巨匠たちの作品に出演するという幸運に恵まれている。本人は「個性のない普通の雰囲気が使いやすかったのだと思う」と謙遜して答えている。
『ひめゆりの塔』への出演が転機になったようで、女優としての意義を意識するようになった。監督の今井正からは役作りのために役になりきってひめゆり学徒隊に志願した理由を書く作文を書かされ、とても勉強になったと述べている(NHKサービスセンター、『女優が語る私の人生』)。
続いて成瀬巳喜男監督の作品に次々に出演し、さわやかな演技で人気女優となる。
溝口健二監督の『近松物語』ではヒロインを演じ、初の人妻を演じる(当時は未婚であったため、溝口監督独特の演技指導しない演出も重なって、既婚者の動作が中々演じられなかったという)。本人の思い出に残る作品であり、「できるまでやらされ死ぬほどつらかったが、芝居の基本を教えてもらった」と振り返っている[1]。
黒澤明監督の作品にも多く出演し、黒澤作品の看板役者であった三船敏郎の恋人役や妻役を演じることが多かった(2010年の黒澤明誕生100年にあたっては、仲代達矢と回想対談している(『文藝春秋』2010年7月号、「私たちのクロサワ悶絶体験 生誕100年」)。黒澤作品において、三船とは9回の共演回数を誇る(女優陣で最多)。特に思い出深い作品は『悪い奴ほどよく眠る』である。
1963年に結婚。
1965年、『赤ひげ』に出演して以降、出産を経験。新聞記者であった夫の海外赴任先であるニューヨークへ同行し、映画の世界を3年ほど離れることになる(ニューヨーク滞在時には、近所に日本人が多くいたおかげで、主婦業が大いに磨かれたという)。ニューヨーク在住時には1965年北アメリカ大停電を経験している。
1968年に帰国。テレビドラマ・舞台へ主軸を移す。
テレビドラマでは石井ふく子・橋田寿賀子両者の作品に多く出演した。
映画撮影時の記念アルバムなどの資料は東京国立近代美術館フィルムセンターに寄贈され、展示室で公開されている。そうした映画保存活動への貢献が評価され、2011年10月24日に第24回東京国際映画祭の会場で日本人初となるFIAF賞(国際フィルム・アーカイヴ連盟賞)が授与された。FIAF賞受賞記念として、映画祭で、「香川京子と巨匠たち」として9作品特集上映され、また、東京国立近代美術館フィルムセンターで、「映画女優 香川京子」として45作品特集上映され、企画展示室にて「映画女優 香川京子」展として特別展示された。
出演
映画
- 影を慕いて(1949年)
- 帰国(ダモイ)(1949年)
- 窓から飛び出せ(1950年)
- 細雪(1950年)
- 東京のヒロイン(1950年)
- 銀座化粧(1951年)
- 高原の駅よさようなら(1951年)
- 上海帰りのリル(1952年)
- チャッカリ夫人とウッカリ夫人(1952年)
- おかあさん(1952年)
- モンテンルパの夜は更けて(1952年)
- 稲妻(1952年)
- 嵐の中の母(1952年)
- ひめゆりの塔(1953年)
- 東京物語(1953年) - 平山京子役
- 恋文(1953年)
- 叛乱(1954年)
- 山椒大夫(1954年)
- 母の初恋(1954年) - 緑川阿佐子役
- 近松物語(1954年)
- 女の暦(1954年)
- 七つの顔の銀次(1955年)
- 獄門帳(1955年)
- しいのみ学園(1955年)
- 王将一代(1955年) - 坂田君子役
- 青銅の基督(1955年) - モニカ役
- 何故彼女等はそうなったか(1956年)
- 奥様は大学生(1956年)
- 女囚と共に(1956年)
- 新平家物語 静と義経(1956年)
- 猫と庄造と二人のをんな(1956年)
- 天下大風(1956年)
- 流転(1956年)
- 鼠小僧忍び込み控(1956年)
- 黒帯三国志(1956年)
- あばれ行灯(1956年)
- 森繁よ何処へ行く(1956年)
- 驟雨(1956年)
- 女殺し油地獄(1957年)
- 地上(1957年)
- 大阪物語(1957年)
- 柳生武芸帳(1957年)
- どん底(1957年) - かよ役
- 女であること(1957年)
- 赤い陣羽織(1958年)
- 日本誕生(1959年) - 美夜受姫役
- 人間の壁(1959年)
- 風雲児 織田信長(1959年)
- 悪い奴ほどよく眠る(1960年) - 岩淵佳子役
- 疵千両(1960年)
- 幽霊繁盛記(1960年) - おせつ役
- 大坂城物語(1961年)
- 黒い画集 ある遭難(1961年) - 岩瀬真佐子役
- モスラ(1961年) - 花村ミチ役
- 明日ある限り(1962年)
- 早乙女家の娘たち(1962年)
- 天国と地獄(1963年) - 権藤伶子
- 赤ひげ(1965年) - 狂女
- 華麗なる一族(1974年) - 美馬一子役
- ある映画監督の生涯 溝口健二の記録(1975年)
- 翼は心につけて(1978年) - 鈴木佳代役
- 男はつらいよ 寅次郎春の夢(1979年) - マドンナ
- 式部物語(1990年) - 大友伊佐役
- まあだだよ(1993年) - 奥さん
- 蒼い記憶 満蒙開拓と少年たち(1993年) - ナレーター
- 深い河(1995年)
- Shall we ダンス?(1996年) - 岸川恵子役
- ワンダフルライフ(1999年) - 渡辺京子役
- 阿弥陀堂だより(2002年) - 幸田ヨネ役
- 天国の本屋〜恋火 - 桧山幸役
- 赤い鯨と白い蛇(2005年) - 雨見保江役
- 自由戀愛(2005年)
- 東南角部屋二階の女(2008年)- 夏見藤子役
- BALLAD 名もなき恋のうた(2009年) - 吉乃役
- インターミッション(2013年) - 本人役
- 青時雨(2015年) -サキ役
- 東京の日(2015年) - 未知子 役
- 天使のいる図書館(2017年) - 芦高礼子 役[4]
- おもてなし(2018年)
- 峠 最後のサムライ (2021年6月18日公開予定) - お貞役[5]
- 島守の塔(2021年夏公開予定) - 比嘉凛(戦後) 役[6]
テレビドラマ
- いろはにほへと(1959年、KRT) - 松本美沙役、※映像が現存する
- NHK大河ドラマ
- 二十四の瞳(1964年 、東京12チャンネル) - 大石先生役
- 肝っ玉かあさん(1968年 - 1972年、TBS) - 下元忍役
- 日曜劇場「ママ日曜でありがとう」(1965年 - 1969年、TBS) - 萌子役
- 台風娘がやって来た(1968年 、朝日放送)
- 天皇の世紀(1971年 、朝日放送) - 野村望東尼役
- 明日がござる(1975年、TBS) - 世渡静枝役
- 連続テレビ小説(NHK)
- 家族(1977年、TBS)
- 女たちの忠臣蔵(1979年、TBS) - つね役
- 火曜サスペンス劇場「球形の荒野」(1981年、日本テレビ) - 野上孝子役
- おはよう24時間(1982年、TBS)
- 妻の旅立ち(1984年、TBS)
- 忠臣蔵・女たち・愛(1987年、TBS) - 大石りく役
- ドラマ23「こまったもんだthey!?」(1988年、TBS)
- 忠臣蔵・いのちの刻(1988年) - 濱松屋おくに
- 白旗の少女(1990年、CX) - うし役
- 金曜ドラマシアター「主婦たちのざけんなヨIII」(1992年、CX)
- 渡る世間は鬼ばかり(1993年 - 1994年、TBS) - 田村綾子役
- はやぶさ新八御用帳(1993年、NHK)
- 藏(1995年、NHK)
- 鳥帰る(1996年5月4日、NHK)
- オトナの男(1997年、TBS)
- 上杉鷹山-二百年前の行政改革-(1998年、NHK) - 紀伊役
- ふたつの愛(1998年、NHK)
- 一絃の琴(2000年、NHK) - 澤村袖役
- 明るいほうへ 明るいほうへ(2001年、TBS) - 金子ウメ役
- ちゅらさん2(2003年、NHK) - 紺野真知子役
- 家政婦は見た!(第20作)(2002年、テレビ朝日) - 叶茂子役
- はんなり菊太郎(2002年、NHK) - 政江役
- 帰ってきたロッカーのハナコさん(2003年、NHK) - 羽根田小春役
- 自由戀愛(2005年、WOWOW)
- 新・はんなり菊太郎(2007年、NHK) - 政江役
- サイレント・プア(2014年、NHK) - 江田房枝役
- この世界の片隅に(2018年、TBS) - 北條節子(現代) 役
- サギデカ(2019年、NHK総合) - 今宮しのぶ 役
舞台
- 「おんな太閤記」より 旦那さま大事
ラジオ
- 立体放送劇 火の山(1962年、NHK) - 第15回イタリア賞ステレオドラマ部門イタリア賞[7]
- CBCゴールデン劇場 放送即興劇 あるディスクジョッキー(1965年、CBCラジオ) - 第13回日本民間放送連盟賞ディスク番組部門優秀賞[8]
- ドラマ 青磁の色は空の色(1971年、文化放送) - 第26回芸術祭賞優秀賞[9]
- FMシアター 茶湯寺で見た夢(1999年、NHK-FM) - 第54回芸術祭賞優秀賞[10]
- FMシアター 天使の赤紙(2007年、NHK-FM)[11]
- ラジオ深夜便「女優が語る私の戦後」(2009年6月、NHKラジオ第一)
- 日曜喫茶室(NHK-FM)
朗読
- ブラームス「マゲローネのロマンス」(ソプラノ: 平松英子 / レコード芸術・特選盤 / ミュージックスケイプ)
- 智恵子抄(ミュージックスケイプ)
CM
- 日本専売公社(現日本たばこ)「タバコは動くアクセサリー」
- ハウス食品「グラタンシリーズ」(1970年代後半~1980年代初頭)
- キリンビール「一番搾り」(2005年)[12]
- ローソン「プレミアムロールケーキ」(2010年)[12]
- サントリー「グルコサミン」(2010年 - 2011年)[12]
ディスコグラフィー
シングル
著書
- 「ひめゆりたちの祈り 沖縄のメッセージ」(1992年、朝日新聞社)のち文庫
- 「愛すればこそ スクリーンの向こうから」勝田友巳 編(2008年、毎日新聞社)
- 『凛たる人生 映画女優香川京子』香川京子 述, 立花珠樹著. ワイズ出版, 2018.
- 『小津安二郎 大全』(2019年、朝日新聞出版)インタビュー収録
受賞歴
- 第80回(1990年度)キネマ旬報映画賞 助演女優賞(『式部物語』)
- 第3回(1993年度)日本映画批評家大賞 女優賞(『まあだだよ』)
- 第48回(1993年) 毎日映画コンクール・田中絹代賞(『まあだだよ』)
- 第36回(1993年) ブルーリボン賞助演女優賞(『まあだだよ』)
- 第17回(1994年)日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞(『まあだだよ』)
- 第5回(1995年度)日本映画批評家大賞 ゴールデン・グローリー賞
- 1998年 紫綬褒章受章。
- 第12回(2002年度)日本映画批評家大賞 助演女優賞(『阿弥陀堂だより』)
- 2004年 旭日小綬章受章。
- 第16回(2006年度)日本映画批評家大賞 サファイア大賞
- 第26回(2008年度)川喜多賞
- 2011年 FIAF賞(国際フィルム・アーカイヴ連盟賞)受賞 - 日本人初
脚注
- ^ a b c d e f g h i 別冊宝島2551『日本の女優 100人』p.38.
- ^ 『香川京子』プロフィール[リンク切れ]
- ^ 『あさイチ』(NHK 2014年4月4日放送、『プレミアムトーク』コーナーでの本人の証言)。
- ^ “横浜流星、香川京子、森本レオが小芝風花主演作「天使のいる図書館」に出演”. 映画ナタリー. (2016年10月3日) 2016年10月3日閲覧。
- ^ “役所広司×小泉堯史で司馬遼太郎「峠」を初映像化、松たか子、田中泯ら出演”. 映画ナタリー. (2018年9月4日) 2018年9月4日閲覧。
- ^ “映画「島守の塔」キャスト発表 島田叡役に萩原聖人さん”. 神戸新聞NEXT (神戸新聞社). (2020年3月17日) 2020年3月18日閲覧。
- ^ 放送ライブラリー 番組ID:R00017
- ^ 放送ライブラリー 番組ID:R00799
- ^ 放送ライブラリー 番組ID:R01641
- ^ 放送ライブラリー 番組ID:R01745
- ^ 放送ライブラリー 番組ID:R03316
- ^ a b c “香川京子のCM出演情報”. ORICON STYLE. 2016年11月5日閲覧。
外部リンク
- 香川京子 - 日本映画データベース
- 香川京子 - allcinema
- 香川京子 - KINENOTE
- Kyōko Kagawa - IMDb
- 香川京子 - MOVIE WALKER PRESS
- 香川京子 - テレビドラマ人名録 - ◇テレビドラマデータベース◇
- 香川京子 - NHK人物録
- “巨匠たちに、そして日本映画に愛され続ける香川京子”. シネマズ. 松竹 (2016年8月28日). 2016年10月18日閲覧。
- “香川京子 1931年生まれ。映画「ひめゆりの塔」「…:日本の大女優 写真特集”. 時事ドットコム. 2016年10月24日閲覧。