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「日本の女性専用車両」の版間の差分

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* 東京急行電鉄では、2005年7月25日から東横線に平日の特急・通勤特急・急行の8号車(横浜寄り先頭車両)に終日導入したが、約1年後の2006年7月18日より設定内容を変更し、副都心直通に際して2013年3月18日に再び変更された。詳しくは記事「東急東横線」の「[[東急東横線#女性専用車両|女性専用車両]]」の項を参照。
* 東京急行電鉄では、2005年7月25日から東横線に平日の特急・通勤特急・急行の8号車(横浜寄り先頭車両)に終日導入したが、約1年後の2006年7月18日より設定内容を変更し、副都心直通に際して2013年3月18日に再び変更された。詳しくは記事「東急東横線」の「[[東急東横線#女性専用車両|女性専用車両]]」の項を参照。
* JR東日本では、2005年9月5日に中央線快速に、2006年5月15日に常磐線各駅停車に、同年11月20日に総武線各駅停車に追加導入した。なお、2007年3月17日ダイヤ改正で分割編成が東京方から6両+4両に変更されたため、同月16日をもって4両編成で運転される[[八高線]]、青梅線の[[奥多摩駅|奥多摩]] - 青梅間及び直通先の[[富士急行線]]の中央線快速直通列車は設定を終了し、同月19日から6両編成で運転される五日市線の中央線快速直通列車に導入した。
* JR東日本では、2005年9月5日に中央線快速に、2006年5月15日に常磐線各駅停車に、同年11月20日に総武線各駅停車に追加導入した。なお、2007年3月17日ダイヤ改正で分割編成が東京方から6両+4両に変更されたため、同月16日をもって4両編成で運転される[[八高線]]、青梅線の[[奥多摩駅|奥多摩]] - 青梅間及び直通先の[[富士急行線]]の中央線快速直通列車は設定を終了し、同月19日から6両編成で運転される五日市線の中央線快速直通列車に導入した。
** また、JR東日本は新潟支社においても、「[[らくらくトレイン|らくらくトレイン長岡]]」及び「[[らくらくトレイン|らくらくトレイン村上]]」において2004年3月13日より6両のうち1両を「'''レディースカー'''」として女性専用としていた(いずれも使用車両の[[国鉄485系電車|485系]]から[[JR東日本E653系電車|E653系]]への変更に合わせて、実施を取りやめている)。夜行ではない座席定員制の列車としては珍しい取り組みである。
** また、JR東日本は新潟支社においても、「[[信越 (列車)|らくらくトレイン長岡]]」及び「[[信越 (列車)|らくらくトレイン村上]]」において2004年3月13日より6両のうち1両を「'''レディースカー'''」として女性専用としていた(いずれも使用車両の[[国鉄485系電車|485系]]から[[JR東日本E653系電車|E653系]]への変更に合わせて、実施を取りやめている)。夜行ではない座席定員制の列車としては珍しい取り組みである。
* 東京メトロでは、2005年10月30日に有楽町線、2006年3月27日に日比谷線、同年5月15日に千代田線に、同年11月20日に東西線に、2008年6月16日に副都心線に追加導入した。いずれの路線も設定位置が先頭車両又は最後部車両となっている。同社は構内の[[階段]]が前後にしかない場合が多く、日比谷線のように駅の前後において混雑が激しい事から導入以前より車両更新に伴って一部列車の前後2両を5扉車に変更しており、上述のように混雑平準化との兼ね合いを述べた事もある<ref name="mainiti20050125"/>。
* 東京メトロでは、2005年10月30日に有楽町線、2006年3月27日に日比谷線、同年5月15日に千代田線に、同年11月20日に東西線に、2008年6月16日に副都心線に追加導入した。いずれの路線も設定位置が先頭車両又は最後部車両となっている。同社は構内の[[階段]]が前後にしかない場合が多く、日比谷線のように駅の前後において混雑が激しい事から導入以前より車両更新に伴って一部列車の前後2両を5扉車に変更しており、上述のように混雑平準化との兼ね合いを述べた事もある<ref name="mainiti20050125"/>。
* 小田急電鉄の列車のうち、[[箱根登山鉄道鉄道線|箱根登山線]][[箱根湯本駅]]始発で該当時間に新宿駅に到着するものについては、[[風祭駅]]での旅客の乗降が2008年3月14日まで女性専用車両に設定される最後尾車両(1号車)でしかできなかった事から、同線内では女性専用車両の設定はなく、小田原駅からの小田急線内で女性専用車両としていた。同月15日以降は一般車両の箱根登山線内乗り入れは4両編成(7 - 10号車)に限定されたため、女性専用車両の表示がされている車両が箱根登山線内に乗り入れることはなくなっている。
* 小田急電鉄の列車のうち、[[箱根登山鉄道鉄道線|箱根登山線]][[箱根湯本駅]]始発で該当時間に新宿駅に到着するものについては、[[風祭駅]]での旅客の乗降が2008年3月14日まで女性専用車両に設定される最後尾車両(1号車)でしかできなかった事から、同線内では女性専用車両の設定はなく、小田原駅からの小田急線内で女性専用車両としていた。同月15日以降は一般車両の箱根登山線内乗り入れは4両編成(7 - 10号車)に限定されたため、女性専用車両の表示がされている車両が箱根登山線内に乗り入れることはなくなっている。
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*[[あけぼの (列車)|あけぼの]]…1号車(指定席車・レディースゴロンとシート)に連結。
*[[あけぼの (列車)|あけぼの]]…1号車(指定席車・レディースゴロンとシート)に連結。
*[[いしづち (列車)|いしづち]]…1号車(指定席車)の一部は女性専用席とされた。2010年設定廃止。
*[[いしづち (列車)|いしづち]]…1号車(指定席車)の一部は女性専用席とされた。2010年設定廃止。
*[[らくらくトレイン]]…「らくらくトレイン信越」は2015年まで、「らくらくトレイン村上」は2014年まで「レディースカー」が設定されていた。
*[[信越 (列車)]]…「らくらくトレイン信越」は2015年まで、「らくらくトレイン村上」は2014年まで「レディースカー」が設定されていた。





2021年4月24日 (土) 02:49時点における版

京王線の女性専用車の乗車風景(新宿駅にて撮影)
Osaka Metro御堂筋線

日本の女性専用車両(にほんのじょせいせんようしゃりょう)では、世界各国の女性専用車両およびそのシステム・サービスのうち、日本の公共交通機関のものについて詳述する。なお、日本では東日本地区と西日本地区で名称が異なっており、東日本地区では「女性専用車」という名称が、西日本地区では「女性専用車両」という名称が使われている傾向にあるが、両者に大きな違いはなく本質的には同じものである。以下では「女性専用車」および「女性専用車両」が混在している箇所がある。

日本の公共交通機関における「女性専用車(女性専用車両)」について国土交通省は「鉄道事業者において、輸送サービスの一環として導入された女性等に配慮した鉄道車両」と定義しており[1]、男性利用者の自発的な協力(任意協力と呼ばれる)をもとに成り立っているものであり、「男性の乗車を禁止する法的根拠はない」としているが、男性客を乗車拒否をした事案に対し不当を訴えた裁判では却下された事例がある[2][3]

概要

1900年代

表示板付きの中央線の婦人専用電車 車両はデ963形(1912年)
戦前の阪急の神戸女学院貸切車
国鉄時代の中央線で使用された婦人子供専用車の表示板

日本における女性専用車両は、1912年1月31日に当時の東京府の中央線で朝夕の通勤・通学ラッシュ時間帯に登場した「婦人専用電車」が最初とされている[4]。この「婦人専用電車」の導入は、学習院長であった乃木希典の要請と言われることもあるが、当時の新聞記事には以下のような記事が掲載されている[4]

乃木将軍もかつて学習院女学部の生徒が電車に乗ると男子が女生徒の体に触れたがって困ると電気局員[注釈 1]に語られたと記憶するが、近来不良学生が山手線沿線より市内各女学校に通う女学生の乗車するを機とし混雑に紛れて、或いは巧妙なる手段を以て誘惑し、逸らすとも女生徒の体に触れて、其の美しき姿を見るを楽しみとする風がある。彼らは此の女学生の満載せる電車を称して「花電車」と呼んで居るが、今回中野昌平橋間に各駅から婦人専用電車を朝の八時半前後と午後の三時半前後の数回運転せしむることに決定し、此の電車を女学生が利用する様にお茶の水附属女学校、女子学院、千代田女子学校、雙葉女学校三輪田女学校、精華女学校[注釈 2]等に対し通知し、来る三十一日より実施することになった。 — 1912年(明治45年)1月28日、東京朝日新聞朝刊、「婦人専用電車 不良少年の誘惑予防」

関西地方では1920年10月、大戦景気の余韻を買って神戸市電が買い物客を誘致するために「御婦人専用電車」を運行した事があるが、この年で姿を消した[5]。また、阪神急行電鉄(阪急)では1933年(昭和8年)の神戸女学院の神戸から西宮への移転と同時に、女学生の風紀を守るためとして、今津線門戸厄神駅まで神戸から直通する神戸女学院貸切車(1両編成)が通学時間帯に一日に2本運行されたが、1937年(昭和12年)頃廃止された[6][7][8]

太平洋戦後の1947年5月に、やはり中央線で「婦人子供専用車」が登場し、同年9月からは京浜東北線にも連結された。この「婦人子供専用車」は、当時の乗車率が300%にも及ぶ過密状態であったため、殺人的通勤ラッシュから子供と働く女性を守る目的から導入された。しかし、京浜東北線の「婦人子供専用車」は短期間で廃止され、中央線では朝の通勤・通学ラッシュ時間帯での運行が継続されていたものの、1973年9月15日(当時の敬老の日)より導入された「シルバーシート」(優先席)と入れ替わる形で前日の14日をもって廃止された[9]。なお、中央線と京浜東北線には進駐軍関係者のための専用車を格下げして「老幼専用車」が1957年6月より設定された事があるが、中央線は1958年11月、京浜東北線は1961年11月に廃止されている[10]

時代が下り、1988年には大阪府で痴漢を咎めた女性が逆に性犯罪の被害者となる「地下鉄御堂筋事件」があり、それを機会に結成された「性暴力を許さない女の会」などが性犯罪防止を鉄道各社に訴えた事でアナウンスや啓発広告がなされるようになり、後年の女性専用車両導入の底流の一つともなっている[11]。ただ、同会は「女性専用車両は対症療法でしかない」という認識である[12]

2000年代

駅ホーム表示の例(小田急多摩線小田急多摩センター駅にて撮影)
車両表示の例(中央線快速
車両表示の例(JR西日本

この頃になると、車内における迷惑行為や痴漢行為が社会問題として大きく取り上げられ、明瞭な犯罪として意識されるようになった。このような状況を背景に、女性が安心して乗車できる事を目的として女性専用を謳った車両が導入され始める事になる。輸送力の増強計画が進捗し、バブル経済の崩壊による都心回帰少子高齢化などによる利用者の減少も重なり、総じて混雑度が緩和されつつあった事も、鉄道事業者が同車両の導入に踏み切る事ができた理由の一つである。[要出典]

2000年12月、京王電鉄京王線で平日深夜帯に新宿駅を発車する下りの臨時列車(急行・通勤快速)の最後部の車両に「女性専用車両」の名で試験的に導入した[13][14]。翌2001年3月のダイヤ改正で女性専用車両が本格導入となり[15]、以後は他の鉄道事業者においても徐々に導入が広がり始める。国土交通省は2002年にアンケート調査と関西地方での試験運行を行い、導入に対し肯定的な意見が多かったため、その結果、をまとめて導入推進の姿勢を強めた[16]。以後、2005年頃までは導入が相次いだのは関西地方だった。

一方、首都圏では鉄道各社と警視庁と東京都が「駅構内・電車内等公共空間における反社会的行為等の防止に関する協議会」を2004年7月に組織し、検討作業を進めていた[17]。しかし、混雑との兼ね合いなどから「大阪との混雑度の違い」をほのめかし導入に二の足を踏む事業者も見られた。一方、行政側は推進に積極的で、2005年1月には警視庁が女性専用車両導入の要請を行った[18][19]

国土交通省は「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」を鉄道局に設置し、同年3月7日に第1回の会合を開催し、同省より鉄道各社に設置の要請を行った[20][21]。同月28日には第2回の会合を開き、第1回での要請を受けて各社が導入・拡充を決めた[22][23]。これにより、2005年5月9日から多くの路線で新規導入と設定範囲の拡充が図られた[24][25][26]。これに呼応する形で、関東の鉄道各社もキャンペーンを行った[27]

法律・規則

鉄道営業法第34条には「制止ヲ肯セスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス」、同2号では「婦人ノ為ニ設ケタル待合室及車室等ニ男子妄ニ立入リタルトキ」という条文が存在する。しかし、女性専用車両の制度について、国土交通省は、「現行の女性専用車両に、鉄道営業法34条2号の適用は想定していなく、男性のお客様のご理解とご協力の下に、鉄道事業者が輸送サービスの一環として成り立っているものであって、強制的に乗車を禁ずる法的根拠もなく、男性のお客様を排除するためのものではなく、利用者のご理解とご協力のもとで成り立っています」としており、長谷川裕雅弁護士は「鉄道営業法第34条の『婦人の為に設けたる待合室及車室等』は女性専用車両よりもっと厳格な排他的領域を想定していると考えられている」と解説している[3][28]

大阪市交通局(現・大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)と横浜市交通局は自社公式サイトで鉄道事業者が乗客に任意協力を求めているものであると述べている[29][30]。名古屋市では「名古屋市交通局は鉄道営業法34条2号の適用を考えていない」と報告書の中で述べている[31]

鉄道事業者の多くでは、小学生以下の男児及び障害者とその介助者の男性も利用できるとしている[32][33]が、事業者により、男児のみの場合、あるいは障害者・介助者がともに男性である場合でも女性専用車両を利用できる事業者(例:西武鉄道[34])と、男児が女性に同伴されている場合(例:京阪電気鉄道[35]神戸電鉄[36])、あるいは障害者と介助者の少なくとも一方が女性である場合に限り女性専用車両を利用できる事業者(例:神戸電鉄[36])がある。

女性専用車両に対する意見

調査・統計

2000年代の女性専用車両導入に関連したアンケートで最も古いものは、京王電鉄が2000年に行ったものである[13][10]。調査規模としては、2002年に行われた国土交通省の「拡大モデル調査」関係が最も大きく、専用車の試行や意見聴取も多様な手法が使われている[16]。2004年の公明党の調査によると、20代から30代までの女性の6割位が痴漢被害を受けているとのアンケートの結果が出ている[37]。2005年の「駅探」のアンケート調査[38]によると、女性の9割、男性の6割、全体で78%が女性専用車両に賛成している。同年から2006年にかけての札幌市交通局の調査[39]では、「ご意見コーナー」へ寄せられた意見のうち男性の65%、女性の35%、全体で56%が反対している。産経新聞社が2009年5月に行った調査によると、三分の二の人間が女性専用車両は痴漢対策に役立つと回答したものの、性差別と感じる意見や女性専用車両の存在が利用上の不便さを感じるという意見も約6割存在することが明らかとなった[40]。他にも実施主体や調査方法・地域が異なる様々な調査が実施されている[41][42][43][44]

東京都の場合、警視庁生活安全部が総合対策資料として電車車両内における卑猥行為の統計を持っており、2000年度は1,854件を記録している[16]。一方、電車の内外を問わずまとめられた卑猥行為の統計「迷惑防止条例違反の送致状況」では、2001年は2,057件である[45]。また、東京都によると、2004年に都内の電車内において痴漢や盗撮行為が検挙された件数は、1996年の約3倍に相当する2,201件に増加しており、被害者の約半数が未成年者だとしている[27][46]

利便性

女性専用車両に隣接する車両が混み合うという不満が出されている路線や区間もある[11]事から、男性を中心にして不満を感じているという意見が見られる[44]横浜市営地下鉄ブルーラインなど編成の中央部に女性専用車両を配置している路線では、男性客の通過を遠慮するよう掲示しており、他の車両に移動する際に車外を回らないといけない場合がある。

路線ごとに車両位置や時間帯が異なる事で、女性専用車両の利用を望む女性客からも分かりづらいと批判される事がある。先頭又は最後尾が女性専用車両となる路線では、乗り換えの不便さや降車駅改札までの遠さなどを理由に乗車しない女性客もおり、比較的空いている事を期待して利用する回答がある[44]

身体障害者の利用について

女性専用車両を男児及び障害者の男性も利用できるとしている鉄道事業者が多いが(関東の各社とJR西日本・Osaka Metro・北大阪急行電鉄[47])、一部の事業者を除き、それを明示しない事や「女性専用」という名称のために、一般には認知度が低い。このため、男性視覚障害者が女性専用車両と知らずに足を踏み入れ、冷たい言葉を投げ掛けられる例[48]が報告されており、視覚障害者が乗車車両を変更する訓練を行わなくてはならない場合もある[49]。また、男児や身体障害者とその介助者が単独で乗車できない事業者、条件付きで男性の利用を認めている事業者もあるなど(主に西日本地区)、鉄道事業者間で統一されていない[47]

特に関西地区において、関東地方に比べて障害者の男性が女性専用車両を利用できることの告知が十分でなく、大きな負担となっているとの行政相談が総務省近畿管区行政評価局に寄せられ、同局が近畿運輸局に対し、2016年(平成28年)2月25日に「障がいを有する男性及び男性介助者等の「女性専用車両」等に起因する身体的・精神的な負担軽減を図るため、必要な対応を行うこと」のあっせんが行われた[47]

性同一性障害者の利用について

なお、2005年に週刊誌が行ったアンケート取材[50]によると、性同一性障害者などの身体的には女性でない人の乗車については、回答のあった鉄道会社からはすべて「自己申告で乗車できる」との見解が示されている。

混雑

国土交通省の拡大モデル調査では、試験結果を受けて路線の状況や時間帯での運用方法についても議論が行われていたが、東急東横線などのように導入を行ったものの、混雑悪化などを理由として設定を縮小・変更したケースが存在する[51][52]

心理学者の多湖輝によると、日本人で行った狭所への詰め込みの実験では、男性同士や女性同士よりも、男女混合で詰め込んだほうが密度をより高く詰め込めるという結果がある。しかし、混雑率は乗車位置や大型駅の構造などにより大きく変化し、「平均混雑率」だけで十分に把握できるものではない[24](詳細は定員#混雑率・乗車率を参照)ため、女性専用車両の設定は各社・各路線ごとに異なる。小田急電鉄は2006年、車内に分散乗車への啓発ポスターを掲示しており、その中で編成中の各車の混雑率の傾向が示され、車両により大きな開きがある事を伝えている。同社は、そのポスター内で最も混雑率が低くなると示す先頭車両を女性専用車両として指定している。

2012年2月24日の東京都知事定例記者会見では、報道陣から石原慎太郎都知事あてに混雑差に関する質問がなされ、石原は「混雑差は問題」「女性は弱者ではない」「今度都知事自ら乗車して確認するが、その際に痴漢扱いされたら問題指摘する」と回答している[53]

痴漢対策

痴漢犯罪の減少が目的ではないものの、導入の前後で痴漢被害の件数に変化があったのかどうか多くの鉄道事業者では数値を公表していない。発表された一部の路線では、御堂筋線埼京線のように減少した路線も[5]中央線快速京王線のように増加した路線もある[54][55]。また変わらない路線もある。一部の列車種別の列車のみに導入しても、未導入の列車では痴漢被害相談が継続している[56]。車両の運用については拡大モデル調査でケース別に検討所見があり、導入に積極的な事業者でも試行錯誤が続いている事を認めている[11]。一方、痴漢冤罪を問題視する団体が、冤罪防止の観点から女性専用車両の導入を歓迎していることを報道機関取材に対して表明した事例も見られる[57]

混雑とも関わる事だが、女性専用車両の導入はあくまで次善策に過ぎず、ラッシュ時の混雑緩和こそが根本的な痴漢対策だとする意見がある[44]。一方で、混雑緩和には相応のコストを必要とするが、運賃の値上げや増便による沿線環境への影響などの社会的負担について、乗客や住民の同意が得られるかどうかの課題が解決されていない[58]。このため、仮に女性専用車両を廃止した場合に代替となる痴漢対策を講じられない状況にある。警視庁では痴漢対策について「電車内では狭い空間に多くの人が密集するという場所的特殊性から発生が多くなっている」と述べ、痴漢と鉄道との関連性を説明している[59]。時間帯別についてのみた所見もあり、京王電鉄によると、痴漢の発生率の最も高いのは朝ラッシュ時間帯で、深夜、夕方ラッシュ時、昼間時間帯の順となり、国土交通省の拡大モデル調査においてもラッシュ時を重視する所見が見られる[24]

また、痴漢被害を受けた際に恐怖心や大きなショック・不快感などを受ける女性や[5]、同一人物から繰返し痴漢に遭う[60]、集団痴漢[61]などといったケース、咎めた側が返り討ちに遭うケースなどがあった[11][5]。そのため、女性専用車両が「緊急避難場所」や「駆け込み寺」としての防衛的機能を果たしている事が挙げられる。例えば、国土交通省の拡大モデル調査報告書では、「痴漢被害の根本的解決策ではないが、痴漢被害を減らす効果は期待でき、痴漢の回避手段がなかった女性にとっては女性専用車両の利用は有効な痴漢被害防止策であるとの考えのもと実施した」、と述べている[16][62][44][63]。女性専用車両がなかった時代、こうした被害者は心理的にも物理的にも安全な逃げ場がなく、導入による安心感も挙げられている[10]。また、京王電鉄によれば、上記のように深夜は2番目に発生率が高いが、帰宅時間帯であるため、被害者が泣き寝入りするケースが多かったと言う[24]

マナー

アンケートなどにおける女性の意見の中には、「男性のにおい」を回避する事ができる、「ゆっくり化粧できる」「男性の視線を気にせずにすむ」などの理由を挙げるものがある[44][63][注釈 3]

また、女性専用車両内における女性乗客のモラルの低下が批判されることもある[65]。著名人が女性専用車両内のモラルの低下を揶揄した事もある[66]

男性の待遇に対する意見・行動

女性は女性専用車両で痴漢被害を防げるが、すべての女性客が女性専用車両に乗っている訳ではない以上、男性は痴漢冤罪を完全には防げない事や、男性だけが一方的に女性専用車両導入のデメリットを受ける事、男性が被害者になる性犯罪の対処策にはなっていない事などを挙げ、「男女平等の社会に反する男性差別」と不公平感を訴える意見[44]もあり、現に台湾では女性専用車が男性差別であるとされて3ヶ月で廃止になっている(後述)。このため、捜査方法の改善が模索され、テレビなどで周知される事もある[67]。痴漢を行う男女平等が謳われる現代社会と女性専用車両との「かすかな違和感」と一部の男性の「陰湿」さの両方を指摘し「女性の隔離で一部男性のゆがんだ品性そのものが改まるとの保証はない」という女性の評論も存在する[68]

男性への性犯罪については、総じて頻度、立件数、推定される暗数の点で、女性への性犯罪と比較して著しく少ないと計測される研究がある[46]。また、女性の性犯罪被害者数は暗数も大きいとする調査研究もある[69][70][71]

女性専用車両に反対する者の中には「任意乗車」として抗議する者もいる[72]。任意乗車とは、女性専用車両の存在に異議を唱えている男性が、その意思を鉄道会社や利用者にアピールするために女性専用車に乗車することである。この抗議活動に関しては、2008年に、乗車後に鉄道員・駅長からの移動の説得に応じず、この模様を撮影していたことを警察官から止められたとして、「女性専用車両に男性乗車可能の表示」と「女性専用車から排除されたことに対する賠償金の支払い」を求めて訴訟を起こしたこともあるが、その際の判決は「健常な成人男性が他の車両に乗車することで目的地に移動することができなくなるわけではないので、女性専用車の設定・表示は違法とはいえない」・「女性専用車両の目的からして、男性が乗車することによって生じる不安を取り除くための鉄道会社職員による降車の要求と行動は不当とはいえない」と東京地方裁判所から敗訴の判断が出ている[2]

しかし、その後も女性専用車両をめぐる事件・トラブルが発生している。

  • 2017年3月 - 名古屋市営地下鉄東山線の約20駅と名古屋市交通局に、「女性専用車両を廃止しろ」という内容の脅迫文と、ガソリンとみられる少量の液体が入った容器が郵送で届いた[73]
  • 2018年2月16日午前8時40分頃 - 東京メトロ千代田線国会議事堂前駅で、女性客から「女性専用車両に男性がいる」との申告があり、駅員らが男性3人に降りるよう説得したが男性らは応じず、列車は暫く停車した後男性らを乗せたまま出発し、男性らは3駅先の表参道駅で降車した。この騒動の影響で千代田線で最大約15分の遅延が生じた[74]。男性3人は「女性専用車両は男性差別である」と主張する団体のメンバーだった。また、5日後の22日にも京浜東北線で同様のトラブルが起きていた[75]

2018年4月24日、「任意乗車」に反対する市民団体が東京地下鉄(東京メトロ)に対し、男性の乗車を明確に禁止する要望書を提出した[76]

男性専用車両導入の要望

上記のような理由や、「(痴漢をする側である)男性の方を隔離するべき」という理由[77]により、男性のみが利用できる車両、すなわち男性専用車両を導入すべきであるとの主張を行う者もいる[78]。これに加え、男女の乗車車両を分離すべきであるとの主張を行う者もいる[79]警視庁も、痴漢対策としてこの「区分乗車」の試験導入を鉄道会社に要請したことがある[80]。また、女性専用車両には反対の立場をとりながらも、老人などより広い交通弱者のための専用車を求める意見もある[44]。一方、男性専用車両を導入するということは女性専用車両の存在を認めることになり、「女性専用車両があるなら、男性専用車両も導入すべき」というのは「目には目を」の発想で、一方的な差別は解消されるものの差別自体はなくならない、そもそも専用車両というのは「女性用」の場合も「男性用」の場合も、法的には存在し得ないので、「男性専用車両を導入すべき」と言うのは、実はあり得ない主張だという意見もある[81]

鉄道事業者に対し、男性専用車両の導入が要望された例もある。

  • 2008年2月1日に大阪市営地下鉄御堂筋線痴漢捏ち上げ事件が発生した後、大阪市交通局には男性専用車両の導入・男女の乗車車両の分離を要望するメールが20件以上寄せられた[82]が、同局は「現状では女性の保護を目的に行っている、痴漢そのものをなくす取り組みが主眼」とし、男性専用車両の導入は「検討段階にもない」と回答した[83]
  • 2009年6月24日に開催された西武ホールディングスの第4回定時株主総会では、痴漢および痴漢冤罪の防止を目的として、株主が西武鉄道に対して男性専用車両の導入を提案したが否決されている[84][85]
  • 2011年9月の東京都議会における公営企業委員会では、都営地下鉄における男性専用車両の導入に関する陳情が出されたが、不採択とされた[86]

上記の要望はいずれも不採用となり、2017年現在、日本国内で男性専用車両が導入された例はない。

2017年6月にマクロミル関東地方の500人を対象に行った調査では、全体の69.4%が男性専用車両の導入に賛成し、男女別では男性は65.1%、女性は73.9%が賛成に回った[87]

女性専用車両に対するアンケート結果

  • 2009年に産経新聞が2,936人(男性2,298人、女性638人)に対して実施した女性専用車両に関するアンケートでは[88]
    • 「痴漢対策に役立つか」という質問に対しては全体の67%が「YES」、33%が「NO」と回答した。
    • 「性差別につながるか」という質問に対しては全体の57%が「YES」、43%が「NO」と回答した。
    • 「(女性専用車両があることで)利用に不便さを感じるか」という質問に対しては全体の61%が「YES」、39%が「NO」と回答した。
  • 2009年7月10日から15日にかけてアイシェアが男女543人(男性57.5%、女性42.5%)に対して実施したアンケートでは[89][90]
    • 「女性専用車両は必要だと思いますか?」という質問に対して全体の54.0%(男性49.5%、女性60.2%)が「必要だと思う」、全体の16.6%(男性23.1%、女性7.8%)が「必要だと思わない」と回答した。
    • 「男性専用車両は必要と思うか」という質問に対しては、全体の40.3%(男性39.1%、女性42.0%)が「必要だと思う」、全体の23.8%(男性30.1%、女性15.2%)が「必要だと思わない」と回答した。
  • 2016年10月7日から25日にかけて民間調査会社「日本法規情報」が974人(男性456人、女性518人)に「改めて考えると男性差別だと感じるものはありますか?」という質問をしたところ、「男性差別はない」との回答は13パーセントであったが、11パーセントが「女性専用車両」と答えている[91]

女性差別

女性専用車両もしくは女性専用車両に乗る女性に対するミソジニー(女性嫌悪)を背景としたバッシングが日本社会に蔓延していることを指摘する意見もある。また、現在の女性専用車両は、実際は痴漢でない男性を一人も乗せまいとした「男性対策」であり、痴漢対策であるとは言えないとして、「導入しても痴漢が減らず、しかも男性を男性であるというだけで排除しようとする女性専用車両」ではなく、「公共の場での男性に対する差別に当たらず、しかもJR埼京線で痴漢件数6割減という、大きな効果を発揮した車内監視カメラ」 を設置すべきという意見もある[72]

2020年1月13日に放送された情報番組「羽鳥慎一のモーニングショー」での「女性専用車両を敬遠する女性が増えている」という特集に関して、一部の視聴者からは女性蔑視だと批判意見が相次いだ[92]ほか、同日のJタウンネットの記事での「女性専用車両はあぶらとり紙が散乱している」という読者投稿紹介には、「あぶらとり紙なんて今時は使わないのになぜ?」とその内容を疑問視する声が拡散し、「あぶらとり紙」がTwitterトレンドになった[93]

TBS系の番組「グッとラック!」でも2020年1月15日に「女性専用車両に乗りたくない女性が増えている」という特集を放送したが、その中で若林有子アナウンサーは「乗りたい乗りたくないというのは普段は意識せず、自分の乗りやすい場所に乗っています」と語り、女性側の行動ばかりが注視される現状に触れた[94]

鉄道事業者の姿勢

東武鉄道のように要望の少なさを挙げたり、東京地下鉄のように混雑均等化の観点から導入に消極的な事業者が存在した[19]交通新聞に対してコメントした事業者の指摘した問題点としては、通勤客が乗降駅の階段に集中する朝ラッシュでは混雑の平準化が損なわれる事、保有編成が多く特定車両を専用車に指定しづらい事、相互直通運転を行っている路線での車両位置の調整が難しい事、などが挙げられていた。事業者の中では導入に積極的であった京王電鉄も、混雑の激しい事や単独実施の困難性から2005年の一斉拡充までは朝ラッシュなどでの設定を躊躇した旨を述べている[24]。また、西日本旅客鉄道(JR西日本)は、京阪神の在来線(京阪神緩行線大阪環状線など)に女性専用車両を導入したが、逆に、これらの線を雁行している列車で、女性専用車両の設定の無い列車(新快速、快速など)では、逆に痴漢被害が増加し、警察が導入を要望したものの、JR西日本は編成の多様性を理由に断ったという[56]。また設定を縮小する事業者がある。

ステッカーの大きさも事業者によっては差が見られる。東京急行電鉄は貫通路の窓の周囲にもステッカーを複数枚貼付して強調している。京浜急行電鉄はホームに貼付するステッカーを他社に比べて小さいものを使用している。京成電鉄京浜急行電鉄では車両のステッカーを女性専用車両を実施する時間帯に限り貼付し、終了したら外すという事を行っている。なお、東日本側の事業者はステッカーを窓ガラスに、西日本側の事業者は車体(戸袋部分)に貼り付けていることが多いが、神戸市交通局のように両方に貼り付けている事業者も存在する。

一方で、京王電鉄のように痴漢対策に積極的に取り組んでいる事をアピールする事業者もある[13]。同社は「よくいただくご意見」に痴漢対策を挙げている[95]。また、2005年に関東地方で拡充が行われた際には、長い経験により培ったノウハウがあるという理由で、同業他社から問い合わせが相次いだ[24]。こうした事業者の場合、社会・環境報告書で女性専用車両の導入を記載している事がある[96]。また、西武鉄道は事業者の中でいち早く女性専用車両限定の広告を企画し[97]、テレビ番組とタイアップして痴漢撲滅のPR電車を運行した事がある[98][67]。2007年6月の株主総会では痴漢冤罪防止の立場から一部株主が専用車以外の車両へ監視カメラの設置を提案したが、同社は百数十億のコストと混雑時の有効性への疑問を理由に拒否した[99]

各事業者の状況

導入期の概歴

特記が無い限り、実施対象は平日ダイヤである。

北海道地方

2009年1月の時点で、札幌市札幌市営地下鉄南北線において女性専用車両が導入されている。

2007年9月の傷害事件発生後、女性専用車両導入の要望書が提出され[100]、2008年8月18日から9月12日までの間、南北線で女性専用車両の導入実験が行われた[101]。その後、同年12月15日から同線で「女性とこどもの安心車両」という名称で正式に導入される事になった。この際、名称変更された理由は、女性以外の乗車対象者が利用しづらいと感じる恐れがあるからだとしている。但し、あくまでも任意によるものであり、法的拘束力は無いことを明確に示しているため、男性の乗車を拒否される事はない[102]。2009年7月13日には東西線にも導入された(南北線と時期がずれている理由は2009年3月3日までのホームドア全駅設置・4月1日のワンマン運転開始)。ただし、東豊線は4両編成と短いため導入されていない。

東北地方

会津高原尾瀬口駅を除き、女性専用車が停車することがある駅は存在しない。

関東地方

前述した通り、京王電鉄京王線においては2000年12月、夜間の一部列車において女性専用車両を試験的に導入させた後、翌2001年3月に本格的に導入された。実施対象列車は新宿駅を22時50分以降に発車する急行・通勤快速・快速である。また、長きにわたり痴漢発生率ワーストワン[103]であった東日本旅客鉄道(JR東日本)の埼京線においても同年7月から平日深夜限定の下り(大宮方面行)で試験的に設定、後に本格導入に至った。2003年3月24日には平日始発から9時までの全列車において横浜市営地下鉄(現名称:横浜市営地下鉄ブルーライン)でも試験的に導入され、同年7月1日から本格導入された。横浜市交通局の発表によると、京王線と同じく肯定的な意見が多かったためとしている。関東地方の鉄道路線で平日朝ラッシュ時間帯に導入された事例は、横浜市営地下鉄が初めてである。

関東地方の鉄道路線において女性専用車両が設定されたのはこれら三路線だけであった上、深夜時間帯である平日23時以降に限定されていた。多くの事業者・路線では、混雑が隔たりが生じる恐れがあるなどの様々な見解から女性専用車両の運行時間や運行対象路線の拡大、新規導入の動きは無かった。

しかし、2004年12月に警視庁が首都圏の鉄道事業者に対し「女性専用車両の導入率が低い」とし、女性専用車両の導入を各鉄道事業者に要望書を提出した。さらに、公明党が率先して導入を求める署名運動を展開したこと、同時期に国土交通大臣を務めていた同党員である北側一雄も導入に積極的だったことなど、既に前項で述べたような経緯があり、首都圏においても急速に女性専用車両導入が進むことになる。

以下の概略は、特記が無い限り平日朝ラッシュ時間帯における導入である。

日付 出来事
2005年04月04日 JR埼京線、従来の実施時間帯に加えて朝ラッシュ時間帯の大崎方面行にも女性専用車両を追加。乗り入れ先であるりんかい線においても埼京線からの直通電車(新木場行)に導入した。
2005年05月09日 多くの首都圏の鉄道路線に女性専用車両を一斉導入。新たに導入されたのは都営新宿線西武鉄道池袋線新宿線)、東京メトロ半蔵門線東急田園都市線東武鉄道伊勢崎線日光線東上線)、小田急電鉄小田原線江ノ島線)、京急線京成線芝山鉄道線相模鉄道である。このうち、相模鉄道は22時以降に横浜駅を発車する全列車においても導入された。京王線は従来の実施時間帯に加え、朝ラッシュ時間帯と夕刻の一部列車にも追加導入した。この際、下り線対象列車については実施区間が調布駅までに短縮された(従来は全区間)。
2005年06月20日 東武野田線に導入。
2005年07月25日 平日の終日にわたり東急東横線みなとみらい線(両者は相互乗り入れ)の特急・通勤特急・急行に全区間導入[104]。首都圏初の終日導入として話題になった。
2005年09月01日 開業間もないつくばエクスプレス線に導入。朝ラッシュ時間帯は秋葉原方面行、夕方以降はつくば方面行で実施。
2005年09月05日 前述したJR埼京線に次ぐ痴漢発生率第2位であるJR中央線快速電車の東京行に導入(厳密には再導入・前項参照)。これにより富士急行線青梅線八高線の中央線快速直通電車にも導入された。
2005年010月30日 東京メトロ有楽町線の新木場行に導入。これにより東武東上線および西武池袋線内実施列車のうち、有楽町線直通電車にも追加導入される。
2005年12月05日 相模鉄道、夜間実施分の開始時間を22時から18時に繰り上げ。
2006年03月18日 東武伊勢崎線、ダイヤ改正により久喜駅始発の急行にも追加設定。
2006年03月27日 東京メトロ日比谷線・東武伊勢崎線各駅停車(両者は相互乗り入れ)に導入。なお、日比谷線のうち北千住方面行(東急東横線内からの直通を含む)については実施しておらず、北千住方面から東横線に乗り入れる列車も中目黒駅到着をもって女性専用車両の運用を終了する。また、日比谷線に乗り入れない伊勢崎線浅草方面行の各駅停車も対象外である。
2006年05月15日 JR常磐線各駅停車上り線・東京メトロ千代田線上下線・小田急線の千代田線直通電車(これらの路線は相互乗り入れ)に導入。
2006年07月18日 東急東横線・みなとみらい線、問題が生じたため昼間の女性専用車両を取り止め(終日設定廃止)ならびに設定車両の変更を実施[51]
2006年011月20日 JR総武線各駅停車上り線(御茶ノ水駅まで)・東京メトロ東西線中野方面行・東葉高速鉄道線西船橋方面行(これらの路線は相互乗り入れ)に導入。なお、東西線のうちJR中央線各駅停車への直通電車は中野駅到着をもって終了となる。
2006年011月29日 東京メトロ東西線、問題が生じたため設定区間を大手町駅までに縮小。
2006年012月11日 都営新宿線、新宿方面行にも追加設定。相互直通運転を実施している京王新線内では実施されず、同線方面直通電車は新宿駅到着をもって設定が解除される。
2007年03月19日 JR中央線快速電車の車両置き換えで分割編成の東京方が4両編成から6両編成に変更されたことに伴い、4両編成で乗り入れる富士急行線・青梅線(青梅 - 奥多摩間)・八高線での実施を取りやめ、6両編成で乗り入れる五日市線の中央線快速直通電車に導入。
2008年06月16日 開業間もない東京メトロ副都心線の渋谷行に導入。これにより東武東上線および西武池袋線内実施列車のうち、副都心線直通電車にも追加導入される。
2010年04月19日 京浜東北線根岸線に導入。諸事情により、先頭車両ではなく3号車の設定となった。
2013年03月18日 東急東横線・みなとみらい線、同年3月16日の副都心線への相互直通運転開始に伴い、設定車両を乗り入れ先にあわせて渋谷寄り先頭車(1号車)に変更、実施時間帯を縮小(朝時間帯は短縮・夕時間帯は廃止)、実施列車を各駅停車を含めた全列車に拡大した[105]。又、副都心線の和光市方面行きにも導入された(始発駅から池袋駅まで)。
2018年03月19日 小田急小田原線が同年3月17日のダイヤ改正で東京メトロ千代田線直通の各駅停車を新設したため、千代田線内での設定時間帯に乗り入れる各駅停車にも追加導入される(新宿行きの各駅停車については10両編成であっても対象外)。
2019年03月18日 東京メトロ千代田線の北綾瀬駅のホームが10両編成対応に延長されたため、綾瀬 - 北綾瀬間(10両編成のみ)にも追加導入される。
2019年012月2日 相鉄線、同年11月30日の相鉄・JR直通線の開業に伴い、同線に女性専用車両を導入すると共に相鉄線内の設定時間帯を平日朝の上りのみに短縮し、JR埼京線に合わせる形で設定車両を変更(新規開業区間を除くJR埼京線内は変更なし)。

2005年以降に関東地区で急速に普及した女性専用車両においては、小学生以下および身体の不自由な客と、これらの介助を行う客がいずれも男性の場合でも乗車を認める事となった。横浜市営地下鉄も男性客の単独乗車は認めていなかったが、2007年6月14日から認められるようになった。朝ラッシュ時間帯の混雑が激しい首都圏では、ほとんどの鉄道事業者において女性専用車両の設定位置を最前部、あるいは最後部に設ける傾向がある。

なお、前記した概略のうちJR中央線快速電車と小田急線は列車運用における都合により、一部の乗り入れ先における設定を廃止した。

2008年3月30日に開業した横浜市営地下鉄グリーンラインは、車両数が少ないことやラッシュ時間でも痴漢が発生するほど混雑しないことから、女性専用車両は設けていない。

一方で、山手線常磐快速線東京メトロ銀座線丸ノ内線など、女性専用車両の導入を見送った路線も少なくない。

東海地方

東海地方のJR東海名古屋鉄道では、途中駅での分割併合が頻繁に行われていることから車両の運用の都合上、女性専用車両を設定していない。近畿圏では女性専用車両を設置している近畿日本鉄道においても、名古屋線区の列車には女性専用車両は設置していない。

現時点では、名古屋地区で女性専用車両を導入しているのは名古屋市営地下鉄のみである。名古屋 - 間で特に混雑の激しい東山線では平日終日、名城線名港線では平日朝のみ、それぞれ女性専用車両が導入されている。また、女性専用車両の乗降口は女性専用乗降口と呼ばれている。

近畿地方

関西地区では、京阪電鉄京阪本線阪急電鉄京都本線において、国土交通省の実施した女性専用車両路線拡大モデル調査[16]の対象路線として2002年10月1日からの試行期間を経た上で、同年12月2日より導入された。京阪電鉄では朝ラッシュ時の京都大阪方面行特急の最後部車両で(その後、女性専用車両導入列車を朝間のK特急に変更し、大阪→京都方面列車の先頭車両にも拡大)、阪急電鉄では京都本線で2ドア車(6300系)を使用する通勤特急・特急の1両を平日のみ終日女性専用車両に設定した。さらに、2008年7月より9300系にも拡大された。

2003年を境に、JR西日本やほとんどの大手私鉄・市営地下鉄で、朝ラッシュ時の導入が急速に進んだ。このため、関西圏では女性専用車両の普及度が高い。JR西日本とOsaka Metro御堂筋線神戸市営地下鉄のように終日にわたり設定されている路線も存在し、中でもJR西日本と神戸市営地下鉄の場合「土曜・休日も含め終日指定」となっている(ダイヤ乱れや沿線でプロ野球などのイベントがある場合に解除されることはある)。JR西日本では2011年4月18日より女性専用車両を全日・終日化を実施した(女性の他に小学6年生以下の男児と身体障害者の男性の単独乗車に加え、その介助者が男性の場合でも乗車を認めるようになった)[106]

一方、阪神なんば線京阪中之島線近鉄南大阪線などのように一切女性専用車両が設定されていない路線もある。JR西日本でも221系223系などの近郊形を充当する列車には設定を行っていなかったが、2016年7月以降阪和線では設定対象である6両編成の車両について、103系205系から225系5100番台への置き換えが開始されたため、同社管内では初めて近郊形への設定が行われることになった。

京阪電鉄と阪急電鉄は女性専用車両の設定開始時から、女性の他に小学6年生以下の男児と身体障害者の男性の単独乗車に加え、その介助者が男性の場合でも乗車を認めるようになった。

2011年現在、関西の大手私鉄全社において女性専用車両の設定を行っている。

しかし、京阪神地区では、京阪神緩行線に女性専用車両を導入したものの、逆に痴漢が新快速快速に流れ込む結果となっている[56]

四国地方

高松琴平電鉄が2005年(平成17年)の12月2日・9日・16日・22日に一部列車の最後尾車両に試験導入したことがある[107]

九州地方

西日本鉄道が朝ラッシュ時の混雑の激しい天神大牟田線の特急・急行で女性専用車両を導入している。2003年5月26日より試行導入ののち、利用者に対しアンケート調査を行い、同年11月4日に正式導入となった。なお、同線の女性専用車両は弱冷房車でもある。

一方、JR九州ならびに福岡市地下鉄では導入の予定は無い。(JR九州は過去に女性専用席が導入されていたことがあるが廃止された)また、JR九州では複数の編成を併合しており、女性専用車両を特定するのが難しいため、導入されないことが公式で回答されている[108]

2020年9月14日から12月28日までの平日朝時間帯の一部の電車において、熊本市交通局(熊本市電)において試験導入され[109]、2021年1月4日以降は「女性優先車両」として本格導入される[110]。路面電車での導入は全国でも初めてとなる。

設定車両での取り組み

女性専用車両を他の車両と見分けやすくするために、設定車両のみをラッピング広告等の車体広告車としているケースがある。

  • 大阪市高速電気軌道では、御堂筋線の設定車両(6号車)にキユーピー、労働者派遣事業者、無料求人情報誌などのラッピング広告が施されている(施されていない場合もある)。また、2008年1月1日より女性専用車両の座席に広告を付けた車両も登場した。
  • JR東日本は女性専用車両の中づり広告を独占的に利用できる「中づり貸し切り」の販売を2008年度から行っている[111]

広告の他にも、女性専用車両で以下のような特別な取り組みを行っている。

  • 大阪地下鉄では、30000系のうち御堂筋線用編成において、女性専用車両とその他の車両とでLED照明の色合いを変えている[112]
  • JR西日本では、大阪環状線桜島線(JRゆめ咲線)に導入されている323系において、女性専用車両とその他の車両とでLED照明の色合いを変えている。
  • JR東日本の中央線快速・青梅線五日市線に導入されているE233系は、女性専用車両内及び他の車両の優先席のみ他系列よりも網棚やつり革の高さが低い設計になっている。[113]

実施路線一覧

鉄道

  • 毎日、終日にわたり実施
  • 平日、終日にわたり実施
  • 平日、朝ラッシュのみ実施
  • 平日夕方及び夜間のみ実施
  • □:その他(一部時間帯のみ、もしくは複数の時間帯)
  • 男児および障害者の利用
    • ○:男児単独や、障害者・介助者ともに男性である場合も利用可
    • △:男児が女性に同伴される場合と、障害者か介助者の一方が女性である場合のみ利用可
    • ×:利用不可
事業者名 路線名 時間帯 使用列車 設定車両 男児および障害者の利用
札幌市交通局
札幌市営地下鉄[* 1]
南北線 平日始発 - 9時 全列車 真駒内寄り先頭車両(3000形,5000形共に1号車)
東西線 平日始発 - 9時 全列車 編成中央の車両(4号車)
東日本旅客鉄道 埼京線川越線 平日新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車 上り全列車
※相鉄線直通列車は大崎駅で終了。
新木場・海老名寄り先頭車両(10号車)
平日新宿駅を23時以降に発車する列車 下り全列車
※相鉄線からの直通列車は実施なし。
相鉄・JR直通線(羽沢横浜国大駅→大崎駅) 平日大崎駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車 上り全列車
中央線快速(大月駅→東京駅)・青梅線(青梅駅→立川駅)・五日市線 平日新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車 上り快速通勤特快
※青梅線・五日市線内は東京行き列車のみ実施。
東京寄り先頭車両(1号車)
常磐線各駅停車(取手駅→綾瀬駅) 平日綾瀬駅を7時10分 - 9時30分に発車する東京メトロ千代田線直通電車(千代田線内は代々木上原駅まで、9時30分で一斉終了) 上り全列車 代々木上原寄り先頭車両(1号車)
総武線各駅停車(千葉駅→御茶ノ水駅) 平日錦糸町駅を7時20分 - 9時20分に発車する列車とこの間に運転される津田沼駅始発の東京メトロ東西線直通列車 西行全列車
※東京メトロ東西線直通は大手町駅までの実施で9時で一斉終了。
御茶ノ水寄り先頭車両(10号車)
京浜東北線根岸線(北行:大船駅→品川駅、南行:大宮駅→東京駅) 平日東京駅品川駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車 全列車
横浜線直通列車は実施なし。
大船寄り先頭から3両目の車両(3号車)
京王電鉄
京王線京王新線高尾線相模原線 平日京王線新宿駅・新線新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車 上り特急・準特急・急行区間急行 京王線新宿・新線新宿寄り先頭車両(10号車)
京王線(京王線新宿駅→調布駅) 平日京王線新宿駅を18時以降に発車する列車 下り特急・準特急
東京都交通局都営地下鉄
新宿線 東行:平日新宿駅を7時30分 - 9時30分に発車する列車
西行:平日本八幡駅を7時15分 - 9時に発車する列車
東行:京王線内で女性専用車両を実施し都営新宿線に直通する10両編成列車(8本)
西行:全列車
※西行は新宿駅で終了。
進行方向の先頭車両(東行:10号車・西行:1号車)
東京メトロ
東葉高速鉄道
半蔵門線 平日始発 - 9時30分(9時30分で一斉終了)
B線(渋谷方面)列車は押上駅を9時20分迄に発車する電車
全列車
※B線(渋谷方面)列車は渋谷駅で、東武線直通列車は押上駅で終了。
進行方向の最後尾車両(A線:10号車・B線:1号車)
日比谷線 平日北千住駅を7時30分 - 9時に発車する電車(9時で一斉終了) A線(中目黒方面)列車のみ 北千住寄り先頭車両(1号車)
千代田線 平日綾瀬駅・代々木上原駅を7時10分 - 9時30分に発車する電車(小田急線・常磐線からの直通電車は当該線内も含む、ともに9時30分で一斉終了) 全列車
※小田急線直通列車は代々木上原駅で、常磐線各駅停車直通列車は綾瀬駅で終了。
※綾瀬 - 北綾瀬間は10両編成のみ実施。
代々木上原寄り先頭車両(1号車)
東西線東葉高速線
(東葉勝田台駅→大手町駅)
平日西船橋駅(妙典駅始発を含む)を6時57分 - 8時57分に発車する電車(総武線各駅停車・東葉高速線からの直通電車は当該線内も含む、ともに9時で一斉終了。東葉高速線からの直通電車は9時に西船橋駅に到着する電車まで) B線(中野方面)列車のみ 中野寄り先頭車両(10号車)
有楽町線 平日始発 - 9時30分(9時30分で一斉終了) A線(新木場方面)列車のみ 和光市寄り先頭車両(1号車)
副都心線 全列車
※B線(和光市方面)列車は池袋駅で終了。
東武鉄道
伊勢崎線日光線(館林駅・南栗橋駅→北千住駅間) 平日北千住駅を7時30分 - 9時に到着する列車 上り区間急行 館林・南栗橋寄り最後尾車両(1号車)
伊勢崎線・日光線(久喜駅・南栗橋駅→押上駅→渋谷駅 東京メトロ半蔵門線直通列車) 平日押上駅を9時20分迄に到着する列車 上り急行・準急
※東京メトロ半蔵門線渋谷駅で終了。
伊勢崎線(東武動物公園駅→北千住駅→中目黒間 東京メトロ日比谷線直通列車) 平日北千住駅を7時30分 - 9時に到着する列車 上り東京メトロ日比谷線直通列車
東上線(小川町駅→和光市駅・池袋駅) 平日池袋駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車及び和光市駅を9時30分迄に到着する東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 上り急行・準急及び東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 小川町寄り先頭車両(1号車)
野田線 平日始発 - 9時 全列車 寄り先頭車両(6号車)
西武鉄道
池袋線(飯能駅→池袋駅)・西武有楽町線 平日池袋駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車及び小竹向原駅を9時30分迄に到着・発車する東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 上り快速急行・急行・通勤急行快速・準急・通勤準急と東京メトロ有楽町線・副都心線直通列車 飯能寄り最後尾車両(1号車) [* 2]
新宿線拝島線多摩湖線(本川越駅・西武遊園地駅→西武新宿駅) 平日西武新宿駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車 上り急行・通勤急行・準急 西武新宿寄り先頭車両(1号車)
京成電鉄
芝山鉄道
本線東成田線芝山鉄道線(芝山千代田駅→東成田駅→京成成田駅→京成上野駅) 平日京成船橋駅を7時20分 - 8時30分に到着する列車 京成上野行通勤特急 芝山千代田寄り最後尾車両(1号車)
小田急電鉄
小田原線江ノ島線多摩線(小田原駅・藤沢駅・唐木田駅→代々木上原駅・新宿駅) 平日新宿駅を7時30分 - 9時30分に到着する列車及び代々木上原駅を7時10分 - 9時30分に到着・発車する東京メトロ千代田線直通列車 上り快速急行・急行・通勤急行と東京メトロ千代田線直通列車 小田原・藤沢・唐木田寄り最後尾車両(1号車)
東急電鉄
横浜高速鉄道
東横線みなとみらい線 平日始発 - 9時30分 全列車 渋谷寄り先頭車両(1号車)
田園都市線 平日始発 - 9時30分 上り全列車 中央林間寄り最後尾車両(10号車)
首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス線 平日初電 - 9時 上り全列車 つくば寄り先頭車両(1号車)
平日秋葉原駅を18時以降に発車する列車 下り全列車
東京臨海高速鉄道 りんかい線 平日大崎駅を7時46分 - 9時41分に発車する列車 上り全列車 新木場寄り先頭車両(10号車)
平日新木場駅を22時34分以降に発車する列車 下り全列車
相模鉄道 本線いずみ野線相鉄新横浜線相鉄・JR直通線 平日横浜駅を7時 - 9時に到着する列車・大崎駅を7時20分 - 9時30分に到着する列車 上り全列車
※直通線列車はJR線大崎駅で終了。
海老名・湘南台寄り最後尾車両(10両では10号車、8両では8号車)
京浜急行電鉄 平日横浜駅を7時30分 - 8時30分に到着する列車 品川行き快特(金沢文庫まで特急) 品川寄り先頭車両
横浜市営地下鉄 ブルーライン 平日始発 - 9時 全列車 湘南台寄り先頭から4両目の車両(4号車)
名古屋市交通局
(名古屋市営地下鉄)
東山線 平日終日 全列車 藤が丘寄り先頭から4両目の車両
名城線名港線 平日初電 - 9時 全列車 名古屋港金山から大曽根方面行(名港線、名城線右回り)は先頭から4両目の車両、金山から新瑞橋方面行(名城線左回り)と名古屋港行(名港線)は先頭から3両目の車両
西日本旅客鉄道 大阪環状線桜島線(JRゆめ咲線) 毎日終日 普通 323系8両編成で内回り方向先頭から4両目の車両(4号車)
片町線(学研都市線)JR東西線 普通区間快速・快速 4扉・7両の207系321系通勤形電車大阪駅北新地駅基準で尼崎寄り先頭から5両目の車両(5号車)
東海道本線山陽本線JR京都線JR神戸線琵琶湖線)(野洲駅 - 加古川駅) 普通
福知山線(JR宝塚線)(尼崎駅 - 篠山口駅) 普通・快速
阪和線 普通・区間快速 225系6両編成で和歌山寄り先頭から3両目の車両(3号車)
関西本線大和路線)・和歌山線(JR難波駅 - 奈良駅・高田駅) 普通・快速 201系黄緑色)6両編成でJR難波駅新大阪駅基準で久宝寺奈良高田寄り先頭から3両目の車両(3号車)
おおさか東線 普通
阪急電鉄 京都本線 平日終日 特急・通勤特急 9300系電車(3ドア・クロスシート)大阪梅田寄り先頭から5両目の車両(5号車) [* 3]
宝塚本線(川西能勢口駅→大阪梅田駅) 平日朝ラッシュ時 通勤特急 宝塚寄りの最後尾車両
神戸本線 平日朝ラッシュ時 通勤特急 10両編成の神戸三宮寄り先頭車両
京阪電気鉄道 京阪本線鴨東線 平日始発駅を初電 - 8時50分頃に発車する列車 特急 出町柳寄り先頭車両 [* 4]
阪神電気鉄道 本線(御影駅→大阪梅田駅) 平日朝ラッシュ時 区間特急 大阪梅田寄り先頭から4両目の車両 [* 3]
近畿日本鉄道 奈良線 平日大阪難波駅を初電 - 9時30分頃に到着する列車 上り快速急行
※大阪難波駅で終了。
10両編成における近鉄奈良寄り最後尾車両
南海電気鉄道
泉北高速鉄道
南海線空港線(和歌山市駅・関西空港駅→天下茶屋駅) 平日天下茶屋駅を7時20分 - 8時30分に到着する列車 上り急行及び空港急行 4扉車・8両編成の難波寄り先頭から4両目の車両
高野線泉北線(橋本駅・和泉中央駅→天下茶屋駅) 上り急行及び区間急行
大阪市高速電気軌道
北大阪急行電鉄
御堂筋線南北線 平日終日 全列車 なかもず寄り先頭から6両目の車両(6号車)
谷町線 平日初電 - 9時 全列車 八尾南寄り先頭から3両目の車両(3号車)
神戸市営地下鉄 西神・山手線北神線 毎日終日 全列車 6両編成
谷上方面:先頭から3両目の車両
西神中央方面:先頭から4両目の車両
[* 3]
海岸線 三宮・花時計前寄り先頭車両
神戸電鉄 有馬線三田線粟生線神戸高速線 早朝時間帯を除く平日 4両編成の列車 新開地方先頭から3両目の車両 [* 3]
西日本鉄道 天神大牟田線 平日西鉄福岡(天神)駅を7時33分 - 9時05分に到着する列車 上り急行・特急 西鉄福岡(天神)行きの最後尾車両
熊本市交通局[109][注釈 4] 熊本市電A系統B系統 平日の7時頃~9時頃に運転する電車 2両編成の電車 進行方向の後方車両
  • ※は2005年5月9日より導入した事業者。
  1. ^ 札幌市営地下鉄では、「女性専用車」ではなく「女性と子どもの安心車両」と呼称している。
  2. ^ 小学生以下の子供(男女とも)を同伴する男性保護者も利用可。
  3. ^ a b c d 視覚障害者に限り男性単独での利用可。
  4. ^ 男児の利用は女性同伴のみ可、障害者の利用は障害者・介助者が男性のみでも利用可。
補足
  • 東武鉄道では2005年6月20日に野田線、同年10月30日に東上線のうち東京メトロ有楽町線直通列車、2008年6月16日に東京メトロ副都心線直通列車、2006年3月27日には伊勢崎線のうち東京メトロ日比谷線直通列車に追加導入した。また、夜行列車においても女性専用車両を追加導入している。
  • 西武鉄道では、2005年10月30日に東京メトロ有楽町線直通列車、2008年6月16日に東京メトロ副都心線直通列車にも追加導入した。西武拝島線では一部電車が運用の都合上設定できない。
  • 東京急行電鉄では、2005年7月25日から東横線に平日の特急・通勤特急・急行の8号車(横浜寄り先頭車両)に終日導入したが、約1年後の2006年7月18日より設定内容を変更し、副都心直通に際して2013年3月18日に再び変更された。詳しくは記事「東急東横線」の「女性専用車両」の項を参照。
  • JR東日本では、2005年9月5日に中央線快速に、2006年5月15日に常磐線各駅停車に、同年11月20日に総武線各駅停車に追加導入した。なお、2007年3月17日ダイヤ改正で分割編成が東京方から6両+4両に変更されたため、同月16日をもって4両編成で運転される八高線、青梅線の奥多摩 - 青梅間及び直通先の富士急行線の中央線快速直通列車は設定を終了し、同月19日から6両編成で運転される五日市線の中央線快速直通列車に導入した。
    • また、JR東日本は新潟支社においても、「らくらくトレイン長岡」及び「らくらくトレイン村上」において2004年3月13日より6両のうち1両を「レディースカー」として女性専用としていた(いずれも使用車両の485系からE653系への変更に合わせて、実施を取りやめている)。夜行ではない座席定員制の列車としては珍しい取り組みである。
  • 東京メトロでは、2005年10月30日に有楽町線、2006年3月27日に日比谷線、同年5月15日に千代田線に、同年11月20日に東西線に、2008年6月16日に副都心線に追加導入した。いずれの路線も設定位置が先頭車両又は最後部車両となっている。同社は構内の階段が前後にしかない場合が多く、日比谷線のように駅の前後において混雑が激しい事から導入以前より車両更新に伴って一部列車の前後2両を5扉車に変更しており、上述のように混雑平準化との兼ね合いを述べた事もある[19]
  • 小田急電鉄の列車のうち、箱根登山線箱根湯本駅始発で該当時間に新宿駅に到着するものについては、風祭駅での旅客の乗降が2008年3月14日まで女性専用車両に設定される最後尾車両(1号車)でしかできなかった事から、同線内では女性専用車両の設定はなく、小田原駅からの小田急線内で女性専用車両としていた。同月15日以降は一般車両の箱根登山線内乗り入れは4両編成(7 - 10号車)に限定されたため、女性専用車両の表示がされている車両が箱根登山線内に乗り入れることはなくなっている。
  • 神戸市交通局(神戸市営地下鉄)海岸線では、編成が4両と短い上に終日設定で導入されているが、元々ラッシュ時でもそれほど混雑しないので最近[いつ?]は特に問題視されていない。但し、沿線でのイベント開催による混雑時には設定を解除しているため、その期間は痴漢対策効果がない。
  • 2006年には、3月20日から東京臨海高速鉄道りんかい線において平日朝のラッシュ時のJR埼京線からの直通列車に加えて平日朝のラッシュ時の大崎駅折り返し列車及び平日深夜の下り列車にも導入、同月27日からは東京メトロ日比谷線並びに東武伊勢崎線からの直通列車にも新たに導入された。そして5月15日からは東京メトロ千代田線と常磐線各駅停車でも導入された他、小田急線でも千代田線直通の準急に追加導入した。同年11月20日からは総武線各駅停車(中央線御茶ノ水以西は未実施)と東京メトロ東西線・東葉高速鉄道東葉高速線に、翌12月11日からは都営新宿線の車両にも設定された。
  • 名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)東山線では、2015年4月1日よりそれまで平日の始発 - 9時と17時 - 21時に設定していたものを平日の終日に拡大した。
  • 相鉄線では、2019年11月までは横浜方から4両目に女性専用車両を設定していたが、新たに直通運転を開始するJR埼京線に合わせて2019年11月30日より[注釈 5]設定車両を海老名・湘南台方の先頭車[注釈 6]に変更した。この時同時に後述する設定の縮小も行われた。[114]

縮小・廃止

  • 東急東横線とみなとみらい線は、2005年7月25日から平日の特急・通勤特急・急行に終日導入していたが、菊名駅元町・中華街駅などにおける問題や終日設定に批判があり、翌2006年7月18日から設定時間帯を平日始発 - 10時と渋谷駅を17時以降に発車する元町・中華街方面行に縮小し、合わせて設定車両も横浜寄り先頭車(8号車)から中程(5号車)に移動した[51]。2013年3月18日からは、16日からの東京メトロ副都心線直通にあわせて設定時間の再縮小を行い、設定車両を渋谷寄りの先頭車(1号車)へと再移動した(ただし、実施列車については各駅停車を含む全列車へ拡大された)[105]
  • 東京メトロ東西線は、当初は朝のラッシュ時のB線(西船橋→中野方面)全線で女性専用車両を設定していたが、大手町駅での混雑による危険性から、2006年11月29日より同駅までの実施に短縮された[115][116]
  • 相鉄線は、横浜着7時 - 9時30分と横浜発18時以降の全列車で女性専用車両を設定していたが、JRとの直通運転を開始するにあたり横浜発の列車の混雑緩和が見込まれるとして2019年11月30日より[注釈 7]横浜発9時00分以降と夕方の女性専用車両を廃止した。[114]

路線バス

路線バスにも、以下のように「女性専用バス」が設定されている。

廃止

その他

女性専用席

  • 特急「サンダーバード」「くろしお」「らくラクはりま」:2007年10月1日より「サンダーバード」・「くろしお」で導入。背景としては、「サンダーバード」車内で強姦事件が発生したことがきっかけとなっている。「らくラクはりま」は2019年の運行開始当初から導入されている。初期の「くろしお」系統(当時は名称統一前)の中、海南・和歌山始発終着の車両には設定されていなかったが、指定席車両の増加(自由席車両の減少)と同時に設定された為、現在は全ての車両に設置されている。2011年9月17日より平成23年台風第12号の影響により「オーシャンアロー」「スーパーくろしお」「くろしお」に設定している女性専用席は中止になったが、同年12月3日に再開した[118]
  • 特急「WEST EXPRESS 銀河」:2020年9月11日に運転開始。2号車が女性席となっており、車内には女性専用の更衣室やトイレが設置されている。男性の通り抜けは可能。

夜行列車

上記のような通勤列車の他に、夜行列車においても女性専用席・車両が設定される事例がある。これは就寝中の安全とプライバシー確保に配慮したもので、普通車指定席と開放式B寝台が対象となっていたが、夜行列車自体の縮小によりJRの定期列車では設定が無くなっている。

1990年3月に寝台特急「あかつき」(2008年3月廃止)の「レガートシート」(普通車指定席)の一部が女性専用とされたのが始まりである。かつては寝台特急「ゆうづる」「はくつる」などに「レディースカー」と呼ばれるものもあった。 急行「はまなす」のB寝台車・普通車指定席とカーペットカーの一部、快速「ムーンライトえちご」・「ムーンライト信州」の普通車指定席にも女性専用席が設定されていたが、夜行列車自体の廃止により設定も無くなっている。

なお、私鉄では唯一夜行列車を運行する東武鉄道の「尾瀬夜行」「スノーパル」に設定されていた。この2列車は全車両が座席指定制を採用している関係で、1両を女性専用車両に充当していたが、使用車両が500系「リバティ」になってからは一部の運転日を除き設定が無くなっている[119]

女性専用車席が設置されていた列車
  • まりも…指定席車および寝台車には女性専用席が設置されていた。
  • ドリームにちりん…2号車(指定席車)の一部は女性専用席とされた。
  • あかつき・彗星なは…レガートシート(指定席車)を連結。
  • あけぼの…1号車(指定席車・レディースゴロンとシート)に連結。
  • いしづち…1号車(指定席車)の一部は女性専用席とされた。2010年設定廃止。
  • 信越 (列車)…「らくらくトレイン信越」は2015年まで、「らくらくトレイン村上」は2014年まで「レディースカー」が設定されていた。


列車ホテル

列車ホテルにおいても女性専用車両が設定されることがある。新幹線などの長大編成の場合、複数の車両が女性専用車両となることがある。

高速バス

小田急シティバス「ルミナス」(行先に「女性専用」を表示している他、女性専用車である事を表すステッカーを掲出している。2006年3月25日、新宿駅西口にて撮影)

高速バスの中にも、主に夜行長距離バスにおいてこのような形態のバスを運行している路線がある。高速バスの場合、1車両当たりの定員が少ない事から、1台をそのまま女性専用車として運行される事もある。また、1台の一部を女性専用席としている事もある。

女性専用車

以下は時期限定

女性専用席
  • 京王バス東フジエクスプレス富士急山梨バス:東京(新宿) - 河口湖・富士吉田(富士山駅)・山中湖・平野・本栖湖中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・富士急山梨バス:八王子(南大沢)・多摩(多摩センター・聖蹟桜ヶ丘) - 富士吉田(富士山駅)・河口湖「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・富士急山梨バス:東京(新宿) - 富士山三合目・富士山五合目「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・富士急平和観光山梨交通:東京(新宿) - 甲府「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・山梨交通:東京(新宿) - 南アルプス市・身延「中央高速バス」(昼行便)
  • 山梨交通:東京(新宿) - 北杜(白州)「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・山梨交通・アルピコ交通JRバス関東:東京(新宿) - 上諏訪・下諏訪・岡谷「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・フジエクスプレス・山梨交通・アルピコ交通・JRバス関東:東京(新宿) - 茅野「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・フジエクスプレス・山梨交通・伊那バス信南交通:東京(新宿) - 伊那・駒ヶ根「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・フジエクスプレス・アルピコ交通・伊那バス・信南交通:東京(新宿) - 飯田「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・アルピコ交通:東京(新宿) - 松本「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・アルピコ交通:東京(新宿) - 大町・白馬「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・おんたけ交通:東京(新宿) - 塩尻・木曽福島「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王電鉄バス・濃飛乗合自動車:東京(新宿) - 高山「中央高速バス」(昼行便)
  • 京王バス東・名鉄バス:東京(新宿) - 中津川・恵那・多治見・名古屋「中央高速バス」「中央道高速バス」(夜行便のみ)
  • 京浜急行バス日本交通日ノ丸自動車:東京(品川・浜松町) - 鳥取・倉吉「キャメル号
  • 京浜急行バス・日本交通・日ノ丸自動車:東京(品川・浜松町) - 米子「キャメル号」
  • 中国JRバス石見交通:東京(新木場・東京駅・新宿) - 庄原・三次・浜田・益田・津和野「いわみエクスプレス
  • 中国JRバス:東京(新木場・東京駅・新宿)・横浜 - 赤磐・岡山・倉敷「京浜吉備ドリーム号」 - 4列スタンダードシート(ダブルデッカーの1階部分)に設定(車両検査等によりスーパーハイデッカーで運行する場合は設定なし)。
  • 小田急シティバス・中国JRバス:東京(新木場・東京駅・新宿) - 東広島(西条)・広島「ニューブリーズ号」 - 3列シート(スーパーハイデッカー・ハイデッカー)の最前列3席。
  • 中国JRバス:名古屋 - 米子・松江・出雲「出雲・松江・米子ドリーム名古屋号
  • 名鉄バス・アルピコ交通:名古屋 - 松本「中央道高速バス」(昼行便)
  • 名鉄バス・アルピコ交通:名古屋 - 長野「中央道高速バス」(昼行便)
  • JR東海バス・中国JRバス:名古屋 - 庄原・三次・広島「セレナーデ号

都市間ツアーバス

都市間ツアーバスの中にも、主に夜行長距離バスにおいてこのような形態のバスを運行している路線がある。都市間ツアーバスの場合、1車両当たりの定員が少ない事から、1台をそのまま女性専用車として運行される事もある。また、1台の一部を女性専用席としている事もある。

女性専用車
  • WILLER TRAVELTDR・東京(品川・新宿) - 福島・仙台「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・横浜・東京(新宿) - 長岡・燕三条・新潟「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・東京(新宿) - 富山・高岡・金沢「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・東京(新宿)・横浜 - 名古屋「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • WILLER TRAVEL:TDR・東京(新宿)・横浜 - 京都・大阪(梅田・なんば)「WILLER EXPRESS(ボーテ・ボーテ4)」
  • 平成エンタープライズ:志木・東京(新宿・東京駅)・横浜 - 京都・大阪(梅田・なんば)「VIPライナー(プルメリア号)」
  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(新宿・東京駅) - 京都・大阪(梅田・なんば)「VIPライナー(プルメリアグランデ号)」
  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(王子・東京駅)・横浜 - 京都・大阪(梅田)・神戸(三宮)「VIPライナー(プルメリアグランデ号)」
  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(新宿・渋谷) - 京都・大阪(梅田・なんば)「VIPライナー(チェリッシュ号)」
  • 平成エンタープライズ:TDR・東京(東京駅・新宿) - 名古屋「VIPライナー(チェリッシュ号)」
  • オーケー商事:東京(池袋・新宿)・横浜 - 京都・大阪(梅田・天王寺)「ブルーライナー(女性専用車)」
  • さくら観光:TDR・東京(東京駅・新宿・渋谷) - 富山・高岡・金沢「アットライナー(女性専用)」
  • さくら観光:東京(東京駅・新宿・渋谷)・横浜 - 京都・大阪(梅田)「アットライナー(女性専用)」
女性専用席
  • 平成エンタープライズ:さいたま新都心・東京(東京駅・新宿) - 富山・高岡・金沢「VIPライナー(VIPクラス)」
  • アップオン・ラド観光・グッドアライアンス:東京(新宿)・横浜 - 京都・大阪「夜行バスネットワーク」…ダブルデッカーの2階部分を全て女性専用席に設定

女性専用車での広告活動

女性ターゲットの車内広告を女性専用車内のみで宣伝する広告プランがある。小田急電鉄では朝方に女性専用車になる車両(6、10両編成の1号車)のドアステッカーサイズを小さくし、広告を強調(2013年ごろ終了)させたり、またJR埼京線、総武線各駅停車では女性専用車のみの中吊りジャックを行ったり、大阪市交通局御堂筋線では長らくの間女性専用車のみにラッピングを行うなど、女性専用車での広告活動が存在する。

女性専用車に反対する会、専用車両調査結果参照の事 (http://fastlast.s45.coreserver.jp/senyou-mondai/investigation/index.html)

政治との関連

公明党/創価学会婦人部の積極姿勢

女性専用車両については、公明党公式サイト[122]に「公明党青年局と女性委員会が、急増する痴漢対策として2005年2月から東京を中心に、早期導入を求める署名活動を精力的に展開。3月15日には北側一雄国土交通相(公明党)に会い、7万6000人分の署名簿を添えて要望するなど、世論の盛り上がりを喚起。これを追い風に、迅速な導入を強力に後押ししてきた。」とあるように公明党が女性専用車両の導入に関してかなり積極的な動いている。事実、一斉導入の数年前から公明党の国会議員、地方議員は議会で女性専用車両問題を取り上げており、平成16年9月に公明党の北側一雄が国土交通相に就任するとその翌年3月には「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」を発足、その協議会の第1回会合[123]のわずか22日後[124]には首都圏地区の鉄道各社で女性専用車両の一斉導入を表明するといった具合に終始一貫して公明党がかかわっている[125](なおこの様子は2005年3月28日には公明党機関紙である公明新聞で「女性専用車両、一気に開花!」との見出しで大々的に扱っている)。さらに、公明党は首都圏に止まらず、導入例の無い名古屋地区や九州などを中心とした地域の鉄道会社にも女性専用車両の導入を要望した。札幌の際には女性への刺傷事件をも女性専用車両導入の動機づけとし、札幌市議会公明党と公明党道本部女性局が地下鉄に女性専用車両を導入するよう求める要望書「安全・安心な地下鉄と女性専用車両の導入に関する要望書」を直接上田文雄市長に手渡した[126][127]。ここまで急速に女性専用車両の導入を公明党が推し進めていった背景は、選挙における女性票や創価学会の女性信者獲得などが目的だったという意見も多数ある[128][129]

脚注

注釈

  1. ^ 東京市電を運営していた東京市電気局の職員
  2. ^ 東海大学付属市原望洋高等学校となっている。
  3. ^ 東日本旅客鉄道(JR東日本)は、女性専用車両の実施を時間帯限定としている理由を「専用車両を設けると他の車両が混みやすくなるため」としている[64]
  4. ^ 2020年9月14日~12月28日の平日に試験導入、2021年1月4日以降は「女性優先車両」として本格導入
  5. ^ ただし土曜日のため実際に施行されるのは同年12月2日より
  6. ^ 10両編成の10号車、8両編成の8号車
  7. ^ ただし土曜日のため実際に施行されるのは同年12月2日より

出典

  1. ^ 国土交通省 用語解説ページ”. 国土交通省. 2014年9月30日閲覧。
  2. ^ a b 「東京地方裁判所平成23年(ワ)33279号」
  3. ^ a b 村上敬 (2011年11月16日). “鉄道営業法 -「女性専用車両」男が乗っても法的にはOK”. PRESIDENT Online. プレジデント. 2014年9月30日閲覧。
  4. ^ a b 新聞集成明治編年史編纂会 編『新聞集成明治編年史』 第十四卷(第三版)、林泉社、1940年、521, 523頁頁。NDLJP:1920445/283 
    東京朝日新聞 1912年1月28日、2月1日、7月19日に記事掲載。7月時点では続いていた模様。
  5. ^ a b c d さようなら「恐怖の時間」 女性専用車”. asahi.com. 朝日新聞社 (2007年5月26日). 2009年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月25日閲覧。
    ※記事内で神戸市電の件の出典は「元神戸市立南蛮美術館館長の故荒尾親成(ちかしげ)氏の著書による」と明記
  6. ^ 神戸女学院八十年史編集委員会 編『神戸女学院八十年史』神戸女学院八十年史編集委員会、1955年、264頁。NCID BN09924911 
  7. ^ 『神戸女学院の125年』編集委員会 編『神戸女学院の125年』神戸女学院、2000年。NCID BA48198487 
  8. ^ 奥田英夫、正垣修『阪急電車僕らの青春』神戸新聞総合出版センター、2011年、54頁。ISBN 978-4-343-00620-2 
  9. ^ 鉄道博物館 収蔵資料紹介”. 鉄道博物館. 2009年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月30日閲覧。
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  12. ^ 「地下鉄御堂筋事件」について”. 性暴力を許さない女の会. 2018年3月22日閲覧。
  13. ^ a b c ニュースリリース: 女性車両の試行について”. 京王電鉄 (2000年12月4日). 2004年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月30日閲覧。
  14. ^ “京王 深夜帯に女性専用車両”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (2000年12月7日) 
  15. ^ “女性専用車両を本格導入”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 6. (2001年2月26日) 
  16. ^ a b c d e 「女性専用車両 路線拡大モデル調査」報告書の概要について”. 国土交通省 (2003年12月9日). 2014年9月30日閲覧。
    女性専用車両 路線拡大モデル調査 報告書” (PDF). 国土交通省 (2003年12月9日). 2014年9月30日閲覧。
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  18. ^ 毎日新聞
    <痴漢抑止>「女性専用車両」増発、警視庁が異例の要請(2005年1月21日)
  19. ^ a b c 毎日新聞(2005年1月25日)
  20. ^ 交通新聞(2005年3月9日)
  21. ^ 「女性などに配慮した車両」の導入促進に関する協議会 (第1回)の開催について”. 国土交通省 (2005年3月4日). 2014年9月30日閲覧。
  22. ^ 交通新聞(2005年3月30日)
  23. ^ 「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」(第2回)の開催について”. 国土交通省 (2005年3月24日). 2014年9月30日閲覧。
  24. ^ a b c d e f 交通新聞:女性専用車両首都圏各社も一斉スタート(2005年5月10日)
    鉄道事業者各社の検討経緯について比較的詳しく記述。
  25. ^ 「女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会」(第3回)の開催について”. 国土交通省 (2005年7月27日). 2014年9月30日閲覧。
    同資料に第1・2回の検討結果の概要を明示。第3回では混乱がなかった事を理由に数社が新たな導入の計画を検討。
  26. ^ 京急のように、導入に踏切った経緯を説明した事業者もある。
    http://www.keikyu.co.jp/corporate/press/2004/pdf/05_0331.pdf [リンク切れ]
  27. ^ a b 「痴漢・盗撮撲滅統一キャンペーン」の実施について”. 東京都青少年・治安対策本部. 東京都. 2007年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月26日閲覧。
  28. ^ 朝日新聞大阪版(2007年1月28日)
  29. ^ 女性専用車両は性別による差別ではないのですか?”. 大阪市交通局. 2014年9月30日閲覧。
  30. ^ 「女性専用車」に関する質問状”. 横浜市 (2006年10月13日). 2007年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年4月9日閲覧。
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  32. ^ 女性専用車のご利用についてJR東日本
  33. ^ 女性専用車東京メトロ
  34. ^ 西武鉄道の女性専用車両ページには、この点が明確に記載されており、その他に「小学生以下の児童(男女とも)とともに乗車する男性の保護者」も利用可能としている。
  35. ^ 京阪電気鉄道の女性専用車両ページには、男性が利用可能な条件として障害者・介助者(性別不記載)の他、「女性のお客さまに同伴される小学校6年生以下のお子さま」だけが記載されている。
  36. ^ a b 神戸電鉄の優先座席・女性専用車両のご案内に、男性が利用可能な条件として「女性のお客さまに同伴される小学6年生以下のお子さま」「お体の不自由なお客さまと介護者のどちらかが女性の場合」とある。(ただし、左記とは別に「目の不自由な方」「車いすをご利用の方」(いずれも性別不記載)も女性専用車を利用可能としている。)
  37. ^ 女性にやさしい鉄道に”. 公明新聞. 公明党 (2005年2月21日). 2007年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年11月7日閲覧。
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関連項目

外部リンク