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'''アパパネ'''(欧字名:{{Lang|en|Apapane}}、香港名:{{Lang|zh|夏威夷鳥}}、[[2007年]][[4月20日]] - ) は、[[日本]]の[[競走馬]]、[[繁殖牝馬]]<ref name="jbis">{{Cite web|和書|title=アパパネ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001049318/|website=JBISサーチ|accessdate=2023-09-16}}</ref>。

[[2010年]]に史上3頭目の[[中央競馬クラシック三冠#牝馬三冠|牝馬三冠]]を達成。同年の[[JRA賞最優秀3歳牝馬]]、[[2009年]]の[[JRA賞最優秀2歳牝馬]]である。牝馬三冠競走の他に、2009年の[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]と[[2011年]]の[[ヴィクトリアマイル]]を制し{{GI}}級競走5勝を挙げた。


競走馬引退後は、[[繁殖牝馬]]として[[2021年]]の[[クイーンカップ]]({{GIII}})、[[秋華賞]](GI)を制した[[アカイトリノムスメ]](父:[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]])を生産した。
'''アパパネ''' ({{Lang|en|Apapane}}) は[[日本]]の[[競走馬]]である。おもな勝ち鞍は[[2009年]]の[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]、[[2010年]]の[[桜花賞]]、[[優駿牝馬]]、[[秋華賞]]、[[2011年]]の[[ヴィクトリアマイル]]。[[競走馬#競走馬名|馬名]]は[[ハワイ州|ハワイ]]に生息する[[アカハワイミツスイ]]([[:en:Apapane|Apapane]])の英語名から<ref name="net091213">{{Cite web |url=http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=42444&category=A |title=キングカメハメハ産駒GI初制覇/阪神JFアラカルト |author= |publisher=netkeiba |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-13}}</ref>。


== 経歴 ==
== 経歴 ==
=== 2歳(2009年) ===
=== 誕生までの経緯 ===
ソルティビッドは、2000年に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で生産された牝馬で父はソルトレイクであった。日本に輸入されて[[金子真人]]が所有し、[[美浦トレーニングセンター]]の国枝栄厩舎に入厩。2歳夏の[[札幌競馬場]]でデビューして2戦目の[[新馬戦]]で逃げ切り勝利、続くすずらん賞(OP)も逃げ切って連勝とした。続いて[[ファンタジーステークス]]({{GIII}})で5着に敗れた後、関西の[[栗東トレーニングセンター]]に1か月滞在し、[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]({{GI}})に[[蛯名正義]]とともに出走した。このように、美浦トレーニングセンター所属の関東馬が、あらかじめ栗東トレーニングセンターに滞在し、近い関西圏の競走に出走することは、後に「栗東留学」と呼ばれるようになっている<ref name="優駿2010-6-7475" />。国枝は、この手法がソルティビットに初めて用いた<ref name="優駿2010-6-7475">『優駿』2010年6月号 74-75頁</ref>。3歳となってからは、[[フェアリーステークス]]({{GIII}})2着、菜の花賞(OP)と芝1200メートルで好走。4歳春まで走り、に12戦3勝という成績で競走馬を引退した。[[金子真人ホールディングス]]所有のまま、[[北海道]][[安平町]]の[[ノーザンファーム]]にて[[繁殖牝馬]]となった<ref>『優駿』2010年2月号 83頁</ref>。
[[福島競馬場]]の芝1800mの新馬戦に[[蛯名正義]]とのコンビでデビューした。3番人気に支持されたものの3着に敗れた。続く未勝利戦では道中3番手から進み、最後の400m過ぎで内から抜け出して2馬身の差をつけて初勝利をあげる。その後は赤松賞に出走することになる。同レースでは大外16番からスタートすると道中は8番手に位置し、4コーナーでは外にモタれたものの直線で差し切ってブルーミングアレーに2馬身半差をつけて2勝目をあげた<ref name="spo091115">{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20091115031.html |title=【赤松賞】アパパネ飛んで来た!レコード差し! |author= |publisher=スポニチ |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-11-15}}</ref>。勝ち時計の1分34秒5は従来の2歳コースレコードを1秒縮めるものとなった<ref name="spo091115" />。


2005年には[[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]]の初仔(後のトムトム<ref>{{Cite web|和書|title=トムトム|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000891877/|website=JBISサーチ|accessdate=2021-05-21}}</ref>)を出産し、続けて金子が所有した[[キングカメハメハ]]を交配。2006年に牝馬の2番仔を出産し金子によりマカニと命名されたが、競走馬としてデビューすることはできなかった<ref>{{Cite web|和書|title=マカニ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000996803/|website=JBISサーチ|accessdate=2021-05-21}}</ref><ref>『優駿』2010年6月号 83頁</ref>。2006年、再びキングカメハメハを交配し、2007年4月20日、3番仔となる牝馬(後のアパパネ)が誕生する。
赤松賞勝利後、陣営は母親のソルティビッドと同じく[[11月26日]]から[[栗東トレーニングセンター]]で調整を行い[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]を目指した<ref name="spo091208">{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/08/04.html |title=【阪神JF】アパパネ栗東滞在で臨む |author= |publisher=スポニチ |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-08}}</ref><ref name="daily091209">{{Cite web |url=http://www.daily.co.jp/newsflash/2009/12/09/0002570056.shtml |title=【阪神JF】国枝師、アパハネでリベンジだ |author= |publisher=デイリースポーツ |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-09}}</ref><ref name="spo091210">{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/10/07.html |title=【阪神JF】“栗東留学”アパパネ跳ねる12秒2 |author= |publisher=スポニチ |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-10}}</ref>。阪神ジュベナイルフィリーズは赤松賞に続き再び大外となる18番となったことに陣営は苦笑を浮かべた<ref name="spo091212">{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/12/06.html |title=【阪神JF】(18)アパパネすっかり“栗東の娘” |author= |publisher=スポニチ |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-12}}</ref>。レースではゲート入りに時間がかかったものの道中中団よりやや後ろから前を窺い、4コーナー直前から先頭グループに迫る<ref name="spo091214">{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/14/01.html |title=【阪神JF】アパパネ尻ッパネ!終わってみれば2歳女王! |author= |publisher=スポニチ |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-14}}</ref>。直線は内に大きく開いた進路から最後の200m手前で先頭に立つとそのまま後続の追撃を振り切って勝利し、母が[[2002年]]に同じく蛯名の騎乗で17着に敗れた同レースでJpnI初勝利となった<ref name="spo091214" />。キングカメハメハ産駒のJpnI勝利は初<ref name="net091213" />。また関東馬の同レース勝利も[[2004年]]の[[ショウナンパントル]]以来となった<ref name="net091213" />。福島デビュー馬の同レース勝利も史上初めてである<ref>[http://www.keibabook.co.jp/homepage/topics/topicsinfo_new.aspx?subsystem=0&kind=0&category=05&filename=KON17920 阪神JFアラカルト] 競馬ブックweb</ref>。


金子は、[[ハワイ州|ハワイ]]で生息している{{仮リンク|アカハワイミツスイ|en|Apapane}}を英語で表した「'''アパパネ'''」<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.allhawaii.jp/article/4428/ |title=【学ぶハワイ】ハワイの鳥を学ぼう |access-date=2023-07-21 |publisher=ハワイ州観光局 |date=2020-08-26}}</ref>と命名<ref name="net091213">{{Cite news|url=http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=42444&category=A|title=キングカメハメハ産駒GI初制覇/阪神JFアラカルト|work=netkeiba.com|accessdate=2009年12月14日|date=2009-12-13}}</ref>。2歳となった2009年5月に美浦トレーニングセンターの国枝栄厩舎に入厩する<ref name="優駿2013-8-79">『優駿』2013年8月号 79頁</ref>。
=== 3歳(2010年) ===
[[ファイル:The 70th OKa Sho 20100411R1.jpg|thumb|200px|第70回桜花賞ゴール前]]
[[2010年]]は[[チューリップ賞]]から始動。陣営は前走同様にチューリップ賞前に栗東入りした。レースでは前半折り合いに苦労する面を見せながら立て直したものの、最後の直線で[[ショウリュウムーン]]にかわされて2着に敗れた。チューリップ賞後もそのまま栗東に残って調整した。そして本番の[[4月11日]]の[[桜花賞]]ではスタートから先行する形でレースを進め最後の直線でスパートをかけるとゴール前で逃げる[[オウケンサクラ]]を差して優勝を飾り、鞍上の蛯名と調教師の[[国枝栄]]に初の桜花賞のタイトルをもたらした。勝ち時計1分33秒3は[[2005年]]の[[ラインクラフト]]が持っていた1分33秒5を0秒2更新する桜花賞レコードとなった。また美浦所属の騎手が桜花賞を制したのは[[1985年]]の[[エルプス]]で制覇した[[木藤隆行]]以来25年ぶり。福島デビュー馬が、桜花賞を制したのは[[1974年]]の[[タカエノカオリ]]以来36年ぶり4頭目となった<ref>[http://www.keibabook.co.jp/homepage/topics/topicsinfo_new.aspx?subsystem=0&kind=0&category=05&filename=KON19263 桜花賞アラカルト] 競馬ブックweb</ref>。


=== 競走馬時代 ===
[[ファイル:2010 Yūshun Hinba 002.jpg|thumb|200px|第71回優駿牝馬優勝時]]
桜花賞後は美浦に戻り[[優駿牝馬]](オークス)へ向けての調整が行われた。そして迎えたオークスでは大外8枠17番、レース前に血統面での適性による距離不安などが囁かれながらも1番人気に支持されての出走となった。レースはニーマルオトメがレースを引っ張る形でアパパネは中団の[[サンテミリオン (競走馬)|サンテミリオン]]のすぐ後ろで折り合いをつける形で追走し、最後の直線で先に飛び出したサンテミリオンに後方から迫ると2頭が並走する形になり1番手で粘っていたアグネスワルツに2馬身差をつけそのまま並んでゴール板を駆け抜けた。約15分間にも及ぶ長い写真判定の末、[[日本中央競馬会|JRA]]・[[競馬の競走格付け|GI]]および[[八大競走]]では史上初となる'''1着同着'''という結果となった(2021年5月1日現在でJRA主催G1での同着優勝決着はこのレースのみである)。鞍上の蛯名とサンテミリオン騎乗の[[横山典弘]]は奇しくも[[1992年]]の[[帝王賞]]でのラシアンゴールド(蛯名騎乗)、[[ナリタハヤブサ]](横山騎乗)でも1着同着となっていたことでも話題となった。なお、この勝利によってアパパネは2009年の[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]に続く2年連続での牝馬クラシック2冠を、また馬主の[[金子真人]]は中央レースでの五大クラシック競走の完全制覇を達成した。また関東馬による牝馬クラシック2冠達成は[[1986年]]の[[メジロラモーヌ]]以来、24年ぶりであった。


==== 2歳(2009年) ====
[[ファイル:Apapane(horse)20101017(2).jpg|200px|thumb|第15回秋華賞優勝時]]
7月5日、[[福島競馬場]]の[[新馬|新馬戦]](芝1800メートル)で[[蛯名正義]]が騎乗してデビュー、雨がちな天気で稍重寄りの良馬場の中、単勝3番人気で出走した<ref name="優駿2013-8-79" />。中団から最終コーナーで先頭に接近するも伸びを欠き、勝利したロードシップに5馬身遅れた3着<ref name="優駿2013-8-79" />。蛯名は「ボコボコの馬場は合わない」を敗因とし「非力」と指摘していた<ref name="優駿2013-8-79" />。また直後に球節が腫れてしまい、放牧に出された<ref name="優駿2013-8-80">『優駿』2013年8月号 80頁</ref>。この間に馬体は成長し、蛯名の言う「非力」は解消、馬体重も増加した<ref name="優駿2013-8-80" />。10月31日、[[東京競馬場]]の未勝利戦(芝1600メートル)にて、新馬戦から馬体重を24キログラム増やして参戦<ref name="優駿2013-8-80" />。好位の3番手から直線で先行する2頭の間から抜け出し、2馬身差をつけて初勝利を挙げた<ref name="優駿2013-8-79" />。一方で、この飼い葉を実にする筋肉質の身体は、調教のみで調子を上げ切ることが出来ず、仕上げのために前哨戦を叩くことを必要とする面があった<ref name="優駿2021-9-32">『優駿』2021年9月 p.32</ref>。
夏は美浦で調整し、秋緒戦は[[9月19日]]の[[ローズステークス]]から始動。レース直前の馬体重は実にプラス24キロを計測、レース中は折り合いも欠くなど本来の状態ではなくそれでもゴール前では一旦先頭に立つがやはりあとひと伸びがなく[[アニメイトバイオ]]の4着に敗れた。[[10月17日]]の[[秋華賞]]は前走より体重をマイナス4キロと絞った。レースでは最後の直線で伸びると追いかける[[アニメイトバイオ]]、[[アプリコットフィズ]]を抑えて1着となり[[スティルインラブ]]以来、7年ぶり史上3頭目の牝馬三冠馬となった。父内国産馬の牝馬三冠馬は初で、牡馬を含めても[[ミスターシービー]](父・[[トウショウボーイ]])以来史上2頭目である。2歳(旧3歳)時のGI(JpnI)も合わせて制覇している三冠馬は牡馬を含めても本馬の他には[[1994年]]の[[ナリタブライアン]]のみである。続いて出走した[[11月14日]]の[[エリザベス女王杯]]では、好スタートから道中6番手前後を追走し4コーナーから直線で外に持ち出して追いあげるも[[スノーフェアリー]]の3着に敗れた。


続く11月15日、同じ距離、条件の赤松賞(500万円以下)では、大外16番枠から発走し、8番手の中団から直線では、外側に持ち出した。蛯名がいざ追い出そうとした際、アパパネの反応があまりに良かったために少しの間制御することができず、外に膨らんでしまった<ref name="優駿2013-8-79" />。改めて、外から追い込み、先行する1番人気ブルーミングアレーなどをかわして抜け出した<ref name="優駿2013-8-79" />。以降は、蛯名が手綱を引くほどの余裕がありながら独走し、後方に2馬身半差をつけて先頭で入線<ref name="優駿2013-8-79" />。走破タイム1分34秒5は、2歳コースレコードを0秒1上回るレコードタイムでの優勝であった<ref>{{Cite news|title=【赤松賞】アパパネ飛んで来た!レコード差し!(競馬) |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20091115031.html|newspaper=スポーツニッポン|date=2009-11-19|accessdate=2021-05-21|archiveurl=https://web.archive.org/web/20091119061808/http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20091115031.html|archivedate=2009-11-19}}</ref>。この走りに、かわされて2着に敗れたブルーミングアレー騎乗の[[柴田善臣]]は「一瞬のうちに抜かされた<ref name="優駿2013-8-79" />」と証言している。
=== 4歳(2011年) ===
[[中山記念]]で[[ヴィクトワールピサ]]と対戦する予定だったが、熱発のため回避。[[マイラーズカップ]]を目指すこととなった。そのマイラーズカップでは中団追走から直線で外から脚を伸ばしたがシルポートの4着。叩き2戦目となった[[ヴィクトリアマイル]]は[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]との対決に注目が集まった。レースは[[オウケンサクラ]]がハナを切って逃げる展開となり後方待機策から最後の直線では先行した[[レディアルバローザ]]を捉えて先頭に立つと、外から追走して来たブエナビスタをクビの差で抑えて1着となりGI5勝目を挙げた。[[安田記念]]では中団のインからレースを進めたが直線で伸びを欠き6着に敗れ、初めて掲示板を外した。秋緒戦の[[府中牝馬ステークス]]では中団に位置するも直線ではまったく伸びず14着と惨敗し初めて2桁着順に沈んだ。牝馬GI完全制覇がかかったエリザベス女王杯では好位の4番手で脚を溜め直線で外から襲い掛かるが、後方から脚を伸ばしたスノーフェアリーにかわされ3着となった。その後は香港へ遠征し、12月の[[香港マイル]]に出走。好位5番手追走でレースを進めたが、直線で失速し13着に敗れた。


===== 阪神ジュベナイルフィリーズ =====
=== 5歳(2012年) ===
[[ファイル:Apapane-horse.jpg|サムネイル|263x263ピクセル|第61回阪神ジュベナイルフィリーズ]]
[[2012年]]は[[阪神牝馬ステークス]]から始動、これまで主戦を務めていた蛯名が落馬負傷したため、[[岩田康誠]]に乗り替わることとなった。レースでは後方10・11番手からレースを進めたが直線で伸びを欠き7着に敗れた。連覇がかかったヴィクトリアマイルでは中団追走も直線で伸びず[[ホエールキャプチャ]]の5着に敗れた。安田記念では中団に位置するも直線ではまったく伸びず16着と惨敗した。
[[11月26日]]から[[栗東トレーニングセンター]]で調整を行い、[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]({{JpnI}})に参戦<ref name="spo091208">{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20091212224929/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/08/04.html |title=【阪神JF】アパパネ栗東滞在で臨む |newspaper=スポーツニッポン |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-08}}</ref><ref name="daily091209">{{Cite news|url=http://www.daily.co.jp/newsflash/2009/12/09/0002570056.shtml |title=【阪神JF】国枝師、アパハネでリベンジだ |newspaper=デイリースポーツ |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-09}}</ref><ref name="spo091210">{{Cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/10/07.html |title=【阪神JF】“栗東留学”アパパネ跳ねる12秒2 |newspaper=スポーツニッポン |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-10}}</ref>。[[新潟2歳ステークス]]({{JpnIII}})を制した[[シンメイフジ]]が3.9倍の1番人気となり、それに次ぐ4.6倍の2番人気に推された。ゲート入りを嫌い、中に収まるまでに時間を要した<ref name="優駿2013-8-80" />。大外枠18番からの発走すると、中団に位置<ref name="spo091212">{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20091215070413/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/12/06.html |title=【阪神JF】(18)アパパネすっかり“栗東の娘” |newspaper=スポーツニッポン |accessdate=2009年12月14日 |date=2009-12-12}}</ref><ref>『優駿』2010年2月号 82頁</ref>。人気を集めたアパパネやシンメイフジ、3番人気の[[タガノエリザベート]]の作戦が総じて後方からの[[追い込み]]であったため、その他はそれらによる馬群の外からの「まくり」を警戒<ref name="優駿2010-2-124">『優駿』2010年2月号 124頁</ref>。そのため直線では、先行する人気薄がしきりに外に進路を求めていた<ref name="優駿2010-2-124" />。しかし、アパパネは最終コーナーにて、先行馬が外に広がったことで空いた馬場の内側を突き、追い込みを開始<ref name="優駿2013-8-79" />。同じく内に切り替えた[[アニメイトバイオ]]と馬体を並べながら順位を上げた。やがてアニメイトバイオを制して先頭となり、先頭で入線。{{JpnI}}競走を初勝利<ref name="spo091214">{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20091216185705/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/14/01.html|title=【阪神JF】アパパネ尻ッパネ!終わってみれば2歳女王!|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2009年12月14日|date=2009-12-14}}</ref>、キングカメハメハ産駒にとっても初の{{GI}}級タイトルであった<ref name="net091213" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=Qo5LWrdBZxk&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2009年 阪神ジュベナイルフィリーズ<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}


また福島競馬場でデビューした馬による本競走の優勝は初めてであり<ref name="net091213" />、美浦トレーニングセンター所属の関東馬が優勝したのは、2004年の[[ショウナンパントル]]以来であった<ref>[http://www.keibabook.co.jp/homepage/topics/topicsinfo_new.aspx?subsystem=0&kind=0&category=05&filename=KON17920 阪神JFアラカルト] 競馬ブックweb</ref><ref group="注釈">2着の[[アニメイトバイオ]]も、美浦トレーニングセンターの[[牧光二]]厩舎所属である。関東馬によるワンツーフィニッシュは、同様に2004年(1着:ショウナンパントル、2着:アンブロワーズ)以来であった。</ref>。2002年に17着に敗れた母など5回目の管理馬参戦となった国枝は初の阪神ジュベナイルフィリーズ制覇となった<ref>{{Cite news|title=アパパネ母の無念晴らすV/阪神JF |url=https://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20091214-575704.html|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-22}}</ref>。2着アニメイトバイオに騎乗した[[内田博幸]]は「あっという間に離された<ref name="優駿2013-8-79" />」3着ベストクルーズに騎乗した[[安藤勝己]]は「勝ち馬(アパパネ)は抜けてくるときの脚が違った<ref name="優駿2013-8-79" />」と証言している<ref name="優駿2013-8-79" />。[[ファイル:Apapane-horse-3.jpg|サムネイル|253x253ピクセル|第61回阪神ジュベナイルフィリーズ優勝時]]
秋競馬を目指していた[[9月13日]]、[[屈腱炎]]を発症しており、競走馬登録を抹消、繁殖牝馬となることが発表された<ref>{{Cite web |url=http://www.jra.go.jp/news/201209/091306.html |title=アパパネ号が故障 |author= |publisher=JRAニュース |accessdate=2012年9月13日 |date=2012-09-13}}</ref>。
[[JRA賞]]では、満票である287票を獲得し[[JRA賞最優秀2歳牝馬]]を受賞した<ref>『優駿』2010年2月号 52頁</ref>。[[JPNサラブレッドランキング]]は2歳牝馬トップの「108」が与えられ、前々年の[[トールポピー]]、3年前の[[ウオッカ (競走馬)|ウオッカ]]と並ぶ評価となった<ref group="注釈">前年の阪神ジュベナイルフィリーズを制したブエナビスタは「110」が与えられている。</ref><ref group="注釈">牝馬部門2位は、アニメイトバイオの「107」。3位は、阪神ジュベナイルフィリーズ3着となったベストクルーズの「105」。</ref><ref>『優駿』2010年2月号 58-59頁</ref>。


== 主な記録 ==
==== 3歳(2010年) ====
ソルティビッドから始まった「栗東留学」は、それから7年間で5頭の3歳牝馬に用いられていた<ref name="優駿2010-6-7677">『優駿』2010年6月号 76-77頁</ref>。国枝の言う「栗東留学」とは、京都や阪神のレースに出走するために、直前に美浦から関西に輸送することで生じる渋滞などのリスクを防ぐということにあった<ref name="優駿2010-12-7071">『優駿』2010年12月号 70-71頁</ref>。国枝厩舎所属の[[厩務員]]福田好訓<ref group="注釈">調教にも騎乗する調教厩務員である。</ref>は、4歳牡馬だったマイネルソロモンが2004年の[[スワンステークス]]、[[マイルチャンピオンシップ]]に出走するために初めて「栗東留学」を経験して以降、[[ピンクカメオ]]や[[サイレントプライド]]、[[マイネルキッツ]]などの「栗東留学」に同行<ref name="優駿2010-12-7071" />。滞在経験豊富な人物に栗東出張を任せる国枝の方針により、アパパネの桜花賞に向けてもまた福田が担当することとなった<ref>『優駿』2010年12月号 70-71頁</ref>。2月18日に栗東トレーニングセンターに移動して調整され<ref>{{Cite news|title=アパパネの仕上がり万全/チューリップ賞 |url=https://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20100306-602954.html|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-22}}</ref>、3月6日の[[チューリップ賞]]({{GIII}})から始動<ref>{{Cite news|title=【チューリップ賞】“栗東留学”アパパネ余裕の構え |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/03/04/kiji/K20100304Z00001650.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-22}}</ref>。初の重馬場での出走ながら、2.2倍の支持で初めて1番人気となった<ref name="優駿2013-8-80" />。
=== 受賞記録 ===
*[[JRA賞]]最優秀3歳牝馬(2010年。285票中284票を獲得。残る1票はスノーフェアリーへの投票)
*[[関西競馬記者クラブ賞]]特別賞(2010年。美浦所属の競走馬が関西競馬記者クラブ賞を受賞するのは史上2頭目)
*[[東京競馬記者クラブ賞]](2010年)


阪神ジュベナイルフィリーズではなかなかゲートに入らず、ゲートの中にいる他の馬を待たせてしまっていたため<ref group="注釈">大外枠で最後のゲート入りだったため、その他17頭がゲートに長くとどまっていた。</ref>、国枝が自ら願い出て最初にゲートに誘導されたが、相変わらずゲート入りには時間を要した<ref name="優駿2010-6-7677" /><ref group="注釈">通常、ゲートの中で待たされることは馬にとって負担とされている。そのため、ゲート入りはできる限り後が好ましい。</ref>。良いスタートではなかったが、追い上げて好位に位置したが<ref>『優駿』2010年5月号 80頁</ref><ref name="日刊スポーツ-チューリップ賞">{{Cite news|title=伏兵ショウリュウ差した/チューリップ賞 |url=https://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20100306-603199.html|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-22}}</ref>、途中で前に馬を置いて息を入れることができずにかかってしまった<ref name="優駿2013-8-80" /><ref name="優駿2010-4-26">『優駿』2010年4月号 26頁</ref>。残り200メートルで先頭となったが、終始アパパネの背後をつけていた9番人気の[[ショウリュウムーン]]に外からかわされ、4分の3馬身遅れた2着<ref name="日刊スポーツ-チューリップ賞" />。蛯名は「悲観する内容じゃない」と振り返っている<ref name="優駿2013-8-80" />。軍土門隼夫は、良馬場以外のチューリップ賞は1996 - 97年、2001年、2003年とそれまでに4回あり、それらすべてで1番人気の支持を集めた馬<ref group="注釈">1996年:[[ビワハイジ]]([[阪神3歳牝馬ステークス]]優勝、2着)<br />1997年:[[メジロドーベル]](阪神3歳牝馬ステークス優勝、3着)<br />2001年:[[チアズグレイス]](その後[[桜花賞]]優勝、10着)<br />2003年:[[スティルインラブ]](その後[[中央競馬クラシック三冠|牝馬三冠]]達成、2着)</ref>が敗退していることから、アパパネの2着を「正しい敗戦<ref name="優駿2010-4-26" />」と指摘していた<ref name="優駿2010-4-26" />。
=== その他記録 ===
*牝馬では史上4頭目のGI競走5勝を記録(同馬以前には、[[ウオッカ]]、[[メジロドーベル]]、ブエナビスタが記録)。また牝馬史上最速でGI競走5勝に到達した(これまでの最速記録はブエナビスタ)<ref>{{Cite web |url=http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/05/16/kiji/K20110516000828620.html |title=【ヴィクトリアM】“ウオッカ超え”のレコードV |author= |publisher=スポニチ |accessdate=2011年5月16日 |date=2011-05-16}}</ref>。
*3歳10月でのGI競走4勝到達は、牝馬のみならず日本競馬史上最短記録である。
*牝馬三冠を達成した歴代の競走馬で、その後にGI競走を制したのは本馬が初めて<ref>[http://www.daily.co.jp/newsflash/2011/05/16/0004070530.shtml 【VM】アパパネ新女王 ブエナねじ伏せた/主要ニュース速報/デイリースポーツonline]</ref>。そもそも牝馬三冠達成後に勝利を収めた事自体、本馬が初である。
*GI競走を5勝しているが、GII・GIII競走は未勝利である。GII・GIII未勝利のGI馬は2歳・3歳限定GI優勝馬を中心に多数存在するが、本馬はその中で最多のGI優勝数である。


===== 桜花賞 =====
==繁殖生活==
チューリップ賞の後、栗東トレーニングセンターに居残り、4月11日の[[桜花賞]]({{GI}})に参戦。2.3倍の1番人気に推された。続く5.1倍の2番人気には[[クイーンカップ]]({{GIII}})を制した[[アプリコットフィズ]]、9.9倍の3番人気には[[フラワーカップ]]({{GIII}})を制した[[オウケンサクラ]]が続いた<ref>{{Cite web|和書|title=桜花賞|2010年04月11日 |url=https://db.netkeiba.com/race/201009020610/|website=netkeiba.com|accessdate=2021-05-22}}</ref>。[[ファイル:The 70th OKa Sho 20100411R1.jpg|thumb|252x252px|第70回桜花賞ゴール前]]チューリップ賞と同じく最初にゲートに誘導されたが、同様に時間を要した<ref name="優駿2010-6-7677" />。スタートからオウケンサクラが逃げて、アパパネは先行<ref name="優駿2010-6-7677" />。当日の阪神競馬場は、先行馬がそのまま勝利するレースが多く、後方からの差し切りが決まりにくいという馬場の傾向があった<ref name="優駿2010-6-7677" />。加えて、出走するメンバーには特徴的な逃げ馬が存在せず、スローペースと目されていた<ref name="優駿2013-8-81">『優駿』2013年8月号 81頁</ref>。このことから蛯名は意識的に4、5番手に位置<ref name="優駿2013-8-81" />。途中で折り合いを欠いた場面もあったが、蛯名は抑え込むことに成功した<ref name="優駿2013-8-81" />。逃げるオウケンサクラを目標に、4番手で最終コーナーを回り直線では外に持ち出して追い上げを開始<ref>『優駿』2010年5月号 7頁</ref>。粘るオウケンサクラを差し切り、半馬身差をつけて先頭で入線した<ref>{{Cite news|title=1番人気アパパネが勝つ 競馬の桜花賞(写真=共同)|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKA0153_R10C10A4000000/|newspaper=日本経済新聞|date=2010-04-11|accessdate=2021-05-22}}</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=7LTrKtgHL2U&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2010年 桜花賞<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}走破タイム1分33秒3は、2005年の[[ラインクラフト]]が記録した桜花賞レコードを0秒2更新するレコードタイムでの勝利<ref name="優駿2010-6-83">『優駿』2010年6月号 83頁</ref>。蛯名は桜花賞を初めて制し、国枝は[[クラシック (競馬)|クラシック]]初勝利<ref name="優駿2010-6-83" />。美浦所属の騎手による勝利は、1985年の[[エルプス]]に騎乗した[[木藤隆行]]以来25年ぶり<ref>『優駿』2010年6月号 82頁</ref>。また福島競馬場デビューの馬による勝利は、1974年の[[タカエノカオリ]]以来36年振りであった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.keibabook.co.jp/homepage/topics/topicsinfo_new.aspx?subsystem=0&kind=0&category=05&filename=KON19263|title=桜花賞アラカルト|accessdate=2021-05-23|publisher=競馬ブック|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160304094049/http://www.keibabook.co.jp/homepage/topics/topicsinfo_new.aspx?subsystem=0&kind=0&category=05&filename=KON19263|archivedate=2016-03-04}}</ref>。
{| class="wikitable" border="1" style="font-size: 90%"

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===== 優駿牝馬 =====
!||生年||馬名||性||毛色||父||馬主||管理調教師||戦績||主な勝利競走||供用||出典
{{Main|第71回優駿牝馬}}
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桜花賞後に、美浦トレーニングセンターに戻って調整され、5月23日の[[優駿牝馬]](オークス)({{GI}})に参戦した。3.8倍の1番人気に推され、続く2番人気にはチューリップ賞で敗れたショウリュウムーン、3番人気には桜花賞2着のオウケンサクラであった<ref name="netkeiba-優駿牝馬" />。降雨により馬場が悪化して敗れたチューリップ賞に次ぐ稍重となり、1600メートルでかかってしまうアパパネは、2400メートルの距離に果たして対応できるのかという心配も指摘されていた<ref name="優駿2013-8-81" />。加えて、外枠の8枠17番の発走であった<ref name="優駿2013-8-81" />。しかし、桜花賞以来1か月半の間にアパパネの身体は前後に伸び、長距離をこなす余地のある体形に変化していたという<ref name="優駿2021-9-33">『優駿』2021年9月 p.33</ref>。
|初仔||[[2014年]]||モクレレ||セン|| rowspan="5" |黒鹿毛||rowspan="4"|[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]|| rowspan="4" |金子真人ホールディングス||美浦・国枝栄||18戦3勝(現役)|| ||||<ref name="モクレレ">{{Cite web|url=http://www.jbis.or.jp/horse/0001192359/ |title=モクレレ |publisher=JBISサーチ|accessdate=2019-06-23}}</ref>

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ニーマルオトメが逃げてアグネスワルツがそれに続く中、アパパネは9番手の中団に位置<ref name="netkeiba-優駿牝馬">{{Cite web|和書|title=優駿牝馬|2010年05月23日 |url=https://db.netkeiba.com/race/201005030211/|website=netkeiba.com|accessdate=2021-05-22}}</ref>。最終コーナーでは大外に持ち出し、アグネスワルツが先に抜け出していた。アパパネの内側にはサンテミリオンがおり、2頭並んでアグネスワルツを目がけて追い上げを開始。2頭は残り200メートルでアグネスワルツをかわして、2頭だけの争いとなった<ref name="日刊スポーツ-オークス">{{Cite news|title=アパパネ・サンテミリオンGI初同着V/オークス |url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/member/news/news.zpl?topic_id=10096&id=201805150000120&year=2018&month=05&day=15|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-22}}</ref>。まず、アパパネがリードを作ったが、サンテミリオンが盛り返して、再び並んだところで決勝線を通過した<ref>『優駿』2010年7月号 80頁</ref>。[[ファイル:2010 Yūshun Hinba 002.jpg|thumb|272x272px|第71回優駿牝馬優勝時]]{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=wrA5e63tNqg&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2010年 優駿牝馬<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}2頭の争いは写真判定となり、直ちに着順が確定していなかったが、蛯名は敗れたと思い、サンテミリオン騎乗の[[横山典弘]]に「おめでとう」と声をかけていた<ref>『優駿』2010年10月号 35頁</ref>。脱鞍所<ref group="注釈">下馬して、鞍などを外す場所。着順により入る場所が異なる。</ref>では蛯名が2着馬用の場所へ入ろうとしていたが、勝利を信じた厩舎スタッフにより1着馬用の場所に誘導された<ref name="平松-同着" /><ref group="注釈">遅れて戻ってきたサンテミリオンは、2着馬用の場所に収まった。</ref>。12分かかって判定は同着<ref name="平松-同着">{{Cite web|和書|author=平松さとし|title=勝ち時計14分29秒9。そんな激闘のオークスのエピソード|url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/aed1a100e3b6590ed94fe1fe03565d753146b0f3|website=Yahoo!ニュース 個人|accessdate=2021-05-22|language=ja}}</ref>、JRA-{{GI}}では初めてとなる'''1着同着'''、[[デッドヒート]]が成立した<ref name=":0">『優駿』2010年7月号 49頁</ref>。横山と蛯名は、1992年の[[帝王賞]]でも横山の[[ナリタハヤブサ]]と、蛯名のラシアンゴールドで1着同着を経験しており、それ以来のデッドヒート<ref name=":0" />。優勝賞金は、1着と2着の賞金を併せて半分に分けた6800万円であった<ref group="注釈">単独優勝の場合、9700万円。単独2着の場合、3900万円。</ref><ref name="日刊スポーツ-オークス" />。直後に行われた表彰式では、優勝馬服、優勝レイが一つしか用意されていないために、別々に実施された<ref name="日刊スポーツ-オークス" />。
|2番仔||[[2015年]]||ジナンボー||rowspan="2"|牡||美浦・[[堀宣行]]||13戦4勝(現役)|| |||||<ref name="ジナンボー">{{Cite web|url=http://www.jbis.or.jp/horse/0001206622/ |title=ジナンボー |publisher=JBISサーチ|accessdate=2019-06-23}}</ref>

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アパパネは、前年の[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]に続き2年連続で[[二冠馬|牝馬二冠]]を達成<ref name="優駿2010-7-81">『優駿』2010年7月号 81頁</ref>。金子は、キングカメハメハ([[東京優駿]])、[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]([[皐月賞]]、[[菊花賞]])、アパパネ(桜花賞、優駿牝馬)の3頭で日本のクラシック競走全制覇を果たした<ref>{{Cite news|title=【オークス】アパパネに託す…クラシック“完全制覇” |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/05/18/kiji/K20100518Z00001760.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-23}}</ref>。美浦トレーニングセンター所属の関東馬の勝利は2002年の[[スマイルトゥモロー]]以来、また関東馬の牝馬二冠は[[1986年]]の[[メジロラモーヌ]]<ref group="注釈">後に[[エリザベス女王杯]]を制し、牝馬三冠を果たした。</ref>以来であった<ref name="優駿2010-7-81" />。
|3番仔||[[2017年]]||[[ラインベック]]||栗東・[[友道康夫]]||11戦3勝(現役)

|中京2歳S
レース後は放牧に出ず、美浦トレーニングセンターに残った<ref name="スポーツニッポン-夏">{{Cite news|title=アパパネ酷暑もへっちゃら!牝馬三冠へパワーアップ |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/08/04/kiji/K20100804Z00001640.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-23}}</ref>。2010年の記録的な夏の暑さに対し、まだ気温の上がらない午前5時に坂路で調整された<ref name="スポーツニッポン-夏" /><ref name="優駿2021-9-34">『優駿』2021年9月 p.34</ref>。
| ||<ref name="アパパネの2017">{{Cite web|url=http://www.jbis.or.jp/horse/0001233862/|title=ラインベック|publisher=JBISサーチ|accessdate=2019-06-23}}</ref>

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===== 秋華賞 =====
|4番仔||[[2018年]]||[[アカイトリノムスメ]]|| rowspan="2" |牝||美浦・国枝栄

|4戦3勝(現役)
8月から本格的に調教が始まり<ref>{{Cite news|title=【ローズS】アパパネ、ド迫力12秒0|url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=10907|work=競馬予想のウマニティ|accessdate=2021-05-23}}</ref>、9月9日に栗東トレーニングセンターに移動<ref>{{Cite news|title=ローズSで3冠へアパパネ9日に栗東入り - 競馬ニュース : nikkansports.com|url=https://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20100907-675564.html|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-23}}</ref>。[[9月19日]]の[[ローズステークス]]({{GII}})で始動。食欲旺盛、度重なる調教でも馬体重は絞れず、優駿牝馬からプラス24キログラム<ref name="優駿2021-9-34" /><ref name="sanspottm" />。調子が戻らず、出走にあたって国枝は「負けを覚悟」するほどの状態だったが<ref name="sanspottm">{{Cite news|title=【牝馬3冠メモリー(4)】10年・アパパネ&18年・アーモンドアイ|url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20201016/etc20101604550001-n1.html|newspaper=サンケイスポーツ|date=2020-10-16|accessdate=2021-05-23|archive-url=https://archive.ph/wip/TxFBl|archive-date=2022-5-12}}</ref>、2.1倍の1番人気に支持された。スタートから先行し馬群の中に位置したが<ref>{{Cite news|title=春女王アパパネ秋初戦は4着/ローズS |url=https://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20100920-680663.html|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-23}}</ref>、途中で折り合いを欠いた<ref>{{Cite web|和書|title=アパパネ、7年ぶり史上3頭目の三冠牝馬へ飛翔=秋華賞展望|url=https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201010140006-spnavi|website=スポーツナビ|accessdate=2021-05-23|language=ja}}</ref>。直線では、一時先頭となったが、後方を離すには至らず、馬群の間からアニメイトバイオにかわされ、先頭のアニメイトバイオから1馬身以上後れを取る4着に敗れた<ref>『優駿』2010年11月号 94頁</ref>。
|[[クイーンカップ|クイーンC]]

| ||<ref name="アパパネの2018">{{Cite web|url=http://www.jbis.or.jp/horse/0001265741/|title=アカイトリノムスメ|publisher=JBISサーチ|accessdate=2018-09-30}}</ref>
[[ファイル:Apapane(horse)20101017(2).jpg|255x255px|thumb|第15回秋華賞優勝時]]
|-
それから、そのまま栗東トレーニングセンターに留まり、[[10月17日]]の[[秋華賞]]({{GI}})に参戦。体重は前走から4キログラム減り、馬体も引き締まった<ref name="優駿2021-9-34" /><ref name="sanspottm" />。蛯名はレース前、アパパネ1頭が優れているとして「普通に走れば勝てる」と分析していた<ref>『優駿』2010年12月号 67頁</ref>。2.3倍の1番人気に推され、対する2番人気にはクイーンステークス勝利から参戦のアプリコットフィズが7.1倍<ref name="netkeiba-秋華賞">{{Cite web|和書|title=秋華賞|2010年10月17日 |url=https://db.netkeiba.com/race/201008050411/|website=netkeiba.com|accessdate=2021-05-23}}</ref>。優駿牝馬で同着のサンテミリオンが7.9倍の3番人気に支持された<ref name="netkeiba-秋華賞" />。
|5番仔

|[[2020年]]

|アパパネの2020

|[[ブラックタイド]]
ゲートに入るのに苦労したものの、良いスタート<ref>『優駿』2013年8月号 82頁</ref>。すぐに、中団の後方まで位置を下げた<ref name="優駿2010-12-82">『優駿』2010年12月号 82頁</ref>。アグネスワルツが逃げる中、第3コーナー付近で進路を外に求めて追い上げ<ref name="優駿2010-12-82" />、残り200メートルで先頭となり、内から伸びたアニメイトバイオを4分の3馬身退けて先頭で入線<ref name="優駿2010-12-82" />。{{GI}}4勝目を挙げた。1986年の[[メジロラモーヌ]]、2003年の[[スティルインラブ]]に次いで'''史上3頭目となる[[中央競馬クラシック三冠|牝馬三冠]]'''を達成した<ref>『優駿』2010年12月号 83頁</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=KKtYG_ZAEnU&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2010年 秋華賞<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}続く出走した[[11月14日]]の[[エリザベス女王杯]]({{GI}})では、史上最速となる3歳11月での{{GI}}5勝目と牝馬初となる年間{{GI}}4勝をかけて出走し<ref>{{Cite news|title=【エリザベス女王杯】アパパネ5冠へ圧巻!78秒9猛時計 |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/11/11/kiji/K20101111Z00001710.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-23}}</ref>、2.7倍の1番人気に推された。イギリス及びアイルランドのオークス優勝馬[[スノーフェアリー]]につけられた6番手に位置し、最終コーナーでは直線に外に持ち出して追い上げたが、スノーフェアリーに5馬身以上離された3着<ref name="スポーツニッポン-エリ女">{{Cite news|title=【エリザベス女王杯】アパパネ3着 秋華賞から気持ち切り替えられず |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/11/14/kiji/K20101114Z00000860.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-23}}</ref>。蛯名は、敗因を精神面に求めている<ref name="スポーツニッポン-エリ女" />。
|

|
JRA賞では、285票中284票<ref group="注釈">残る1票は、スノーフェアリーへの投票。</ref>を集めて[[JRA賞最優秀3歳牝馬]]を受賞<ref name="優駿2011-2-57">『優駿』2011年2月号 57頁</ref>。年度代表馬選考では[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]が211票を集めて受賞する中、アパパネには2位となる41票が投じられた<ref name="優駿2011-2-57" />。JPNサラブレッドランキングでは「112」が与えられ、日本調教馬の牝馬では首位であった<ref group="注釈">2008年の[[リトルアマポーラ]](3歳で[[エリザベス女王杯]]制覇)と並ぶ評価であった。</ref><ref group="注釈">牝馬の首位は「120」のスノーフェアリー。3位は「111」のオウケンサクラとサンテミリオン。</ref><ref>『優駿』2011年2月号 63-64頁</ref>。
|

|
==== 4歳 - 5歳(2011 - 12年)  ====
|
[[中山記念]]({{GII}})で始動する予定だったが、熱発のため回避<ref>{{Cite news|title=アパパネが熱発、中山記念を回避濃厚|url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=13832|work=競馬予想のウマニティ|accessdate=2021-05-23}}</ref>。代わりに出走した[[マイラーズカップ]]({{GII}})では4着<ref>{{Cite news|title=【マイラーズC】国枝師「次が本番!」アパパネ4着 |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/04/18/kiji/K20110418000647920.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-23}}</ref>。
|<ref>{{Cite web|title=_________|JBISサーチ(JBIS-Search)|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001320794/|website=www.jbis.or.jp|accessdate=2020-11-22}}</ref>

|-
続いて、5月15日の[[ヴィクトリアマイル]]({{GI}})に出走した。1年先輩の牝馬二冠馬ブエナビスタが1.5倍の1番人気に推され、それに次ぐ4.1倍の2番人気となった<ref>{{Cite web|和書|title=ヴィクトリアマイル|2011年05月15日 |url=https://db.netkeiba.com/race/201105020811/|website=netkeiba.com|accessdate=2021-05-24}}</ref>。ブエナビスタとアパパネの馬連には32.77パーセントの支持率となった<ref>『優駿』2011年7月号 65頁</ref>。オウケンサクラが大逃げを打つ中、ブエナビスタよりも前につけて直線で大外から追い上げた<ref>『優駿』2013年8月号 84頁</ref>。内で先行から抜け出していた[[レディアルバローザ]]を残り50メートルでかわして、迫るブエナビスタをクビ差だけ振り切って先頭で入線<ref>『優駿』2011年7月号 66頁</ref>。{{GI}}5勝目、牝馬三冠を達成した馬でその後勝利を挙げたのは史上初めてであった<ref>『優駿』2020年7月号 118-123頁</ref>。また、走破タイム1分31秒9は、レースレコードを更新している<ref>{{Cite web|和書|title=JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|url=https://jra.jp/datafile/seiseki/g1/victoria/result/victoria2011.html|publisher=日本中央競馬会|accessdate=2021-05-24}}</ref>。牝馬限定GⅠを5勝は、2024年現在[[メジロドーベル]]と並ぶ歴代最多タイ<ref group="注釈">次点で[[ブエナビスタ_(競走馬)|ブエナビスタ]]・[[アーモンドアイ]]・[[リバティアイランド]]の4勝。詳細は[[G1_(競馬)#中央競馬におけるG1級競走優勝上位記録|GⅠ3勝以上の日本馬一覧]]を参照</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=hQJp4ziZ5jc&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2010年 ヴィクトリアマイル<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}その後、[[安田記念]]は6着となり初めて着外。[[府中牝馬ステークス]]({{GII}})では14着。エリザベス女王杯では再びスノーフェアリーに敗れて3着となった。その後は香港へ遠征し、12月の[[香港マイル]]({{G1}})に出走したが13着となった。
|}

2016年、2019年はディープインパクトを種付けするも不受胎。その他の年に産まれた産駒はすべて金子の所有馬としてデビューしており、2番仔[[ジナンボー]]は[[新潟記念]]2着、3番仔[[ラインベック]]は[[中京2歳ステークス]]優勝、4番仔[[アカイトリノムスメ]]は[[クイーンカップ]]優勝と活躍馬を輩出している。なお、2020年までの全産駒が父・母・仔ともに金子の所有馬という組み合わせである。
5歳となった2012年も現役を続行。蛯名の落馬負傷により[[岩田康誠]]に乗り替わった[[阪神牝馬ステークス]]({{GII}})や<ref>{{Cite news|title=蛯名騎手は21日東京で復帰、アパパネは岩田騎手に決定 |url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=62661|work=netkeiba.com|accessdate=2021-05-23}}</ref>、連覇が期待され1番人気に推されたヴィクトリアマイル、安田記念に出走したもののいずれも勝利することができなかった。夏は、北海道[[苫小牧市]]の[[ノーザンファーム空港牧場]]に放牧<ref name="スポーツニッポン-放牧">{{Cite news|title=安田記念16着アパパネ、放牧 牝馬全冠へエリ女で復活 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/06/08/kiji/K20120608003418570.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-23}}</ref>。秋はエリザベス女王杯を目標とし、前哨戦から向かうことが決まっていたが<ref name="スポーツニッポン-放牧" />、9月13日に右前浅[[屈腱炎]]の発症が判明<ref>{{Cite news|title=5冠牝馬アパパネ 屈腱炎で引退 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/09/13/kiji/K20120913004106330.html|newspaper=スポーツニッポン|accessdate=2021-05-23}}</ref>。復帰を断念して引退し、9月15日付でJRAの競走馬登録を抹消した<ref>{{Cite news|title=アパパネの競走馬登録抹消について |url=http://www.radionikkei.jp/keiba/entry-222284.html|work=競馬実況web|publisher=ラジオNIKKEI|accessdate=2021-05-23}}</ref>。
*2021年2月13日現在

=== 繁殖牝馬時代 ===
[[File:Akai Torino Musume Yushun Himba 2021.jpg|サムネイル|4番仔[[アカイトリノムスメ]]|240x240ピクセル]]
北海道[[勇払郡]][[安平町]]の[[ノーザンファーム]]で繁殖牝馬となった。初年度からディープインパクトが交配され、2014年2月28日に初仔となる牡馬(後のモクレレ)が誕生した<ref>{{Cite news|title=“12冠”ベビー!アパパネの初子公開|url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20140322/etc14032203370001-n1.html|newspaper=サンケイスポーツ|date=2014-03-22|accessdate=2021-05-24}}</ref>。{{GI}}7勝の三冠馬ディープインパクトと{{GI}}5勝の牝馬三冠馬アパパネの配合にメディアは「12冠ベビー」とはやし立てた<ref>{{Cite news|title=12冠ベビー長男モクレレ戦列復帰 遅れてきた大器、本領発揮なるか|url=https://www.daily.co.jp/horse/2017/06/08/0010263003.shtml|newspaper=デイリースポーツ online|accessdate=2021-05-24}}</ref><ref>{{Cite news|title=【七夕賞】“12冠ベビー”ジナンボー、初タイトル奪取へ|url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20200708/ope20070811210009-n1.html|newspaper=サンケイスポーツ|date=2020-07-08|accessdate=2021-05-24}}</ref>。その後、2019年までディープインパクトと交配を続け、12冠ベビーを4頭を生産<ref name="JBIS-牝系" />。最後の12冠ベビーとなった[[アカイトリノムスメ]]は、2021年の[[クイーンカップ]]({{GI}}II)にて重賞勝利<ref>{{Cite news|title=【デイリー杯クイーンC】アカイトリノムスメが重賞初V 超良血開花!いざ桜の舞台へ |url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=183719|work=netkeiba.com|accessdate=2021-05-24}}</ref>、[[秋華賞]]({{GI}})にて{{GI}}勝利を果たし、母娘秋華賞制覇を果たした<ref>{{Cite news|title=【秋華賞】アカイトリノムスメが母アパパネと史上初母子制覇|url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20211018/ope21101805000001-n1.html|newspaper=サンケイスポーツ|date=2021-10-18|accessdate=2021-11-10}}</ref>。

その他の12冠ベビーはおしなべて勝利を挙げており、中でも2番仔のジナンボーは[[新潟記念]]({{GIII}})2着2回<ref>{{Cite web|和書|title=ジナンボー |url=https://db.netkeiba.com/horse/2015104665/|website=netkeiba.com|accessdate=2021-05-24}}</ref>、3番仔の[[ラインベック]]は[[中京2歳ステークス]](OP)を勝利している<ref>{{Cite news|title=良血ラインベックが断然人気応え2連勝/中京2歳S|url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201907200000534&year=2019&month=07&day=20|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2021-05-24}}</ref>。

2020年からは、ディープインパクトの全兄で同じく金子が所有した[[ブラックタイド]]が配合されている<ref name="JBIS-牝系" />。


== 競走成績 ==
== 競走成績 ==
以下の内容はnetkeiba.comの情報<ref>{{Cite web|title=アパパネの競走成績 {{!}} 競走馬データ|url=https://db.netkeiba.com/horse/2007103234/|website=netkeiba.com|accessdate=2020-08-01|language=ja}}</ref>に基づく。
以下の内容は、[[netkeiba.com]]<ref>{{Cite web|和書|title=アパパネの競走成績 |url=https://db.netkeiba.com/horse/2007103234/|website=netkeiba.com|accessdate=2020-08-01|language=ja}}</ref>および『[[優駿]]』2013年8月号85頁<ref>『優駿』2013年8月号 85頁</ref>の情報に基づく。
{| style="border-collapse:collapse; font-size:90%; text-align:center; white-space:nowrap"
{| style="border-collapse:collapse; font-size:90%; text-align:center; white-space:nowrap"
! 競走日
! 競走日
117行目: 121行目:
! 着差
! 着差
! 騎手
! 騎手
! 斤量
! 斤量<br/>[kg]
! 1着馬(2着馬)
! 1着馬<br/>(2着馬)
!馬体重<br/>[kg]
|-
|-
| [[2009年|2009.]][[7月5日|{{0}}7.{{0}}5]]
| [[2009年|2009.]][[7月5日|{{0}}7.{{0}}5]]
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| ロードシップ
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| {{0|0000.}}[[10月31日|10.31]]
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| (ローグランド)
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| {{0|0000.}}[[11月15日|11.15]]
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| 東京
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| 赤松賞
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| 芝1600m(良)
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| (ブルーミングアレー)
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| {{0|0000.}}[[12月13日|12.13]]
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| ([[オウケンサクラ]])
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| {{0|0000.}}[[5月23日|{{0}}5.23]]
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| [[同着]]
| 蛯名正義
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|-
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| アニメイトバイオ
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| (アニメイトバイオ)
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| [[スノーフェアリー]]
|494
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|-
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*タイム欄の{{Color|#f00|R}}はレコード勝ちを示す。
*タイム欄の{{Color|darkred|R}}はレコード勝ちを示す。

== 繁殖成績 ==
{| class="wikitable" border="1" style="font-size: 90%"
|-
! ||生年||馬名||性||毛色||父||馬主||厩舎||戦績||主な勝利競走||供用||出典
|-
|初仔||[[2014年]]||モクレレ||[[騸馬|騸]]|| rowspan="2" |黒鹿毛|| rowspan="6" |[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]|| rowspan="2" |金子真人ホールディングス(株)||美浦・国枝栄||27戦4勝|| || 引退||<ref name="モクレレ">{{Cite web|和書|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001192359/ |title=モクレレ |website=JBISサーチ |accessdate=2022-06-21}}</ref>
|-
|2番仔||[[2015年]]||ジナンボー||[[牡馬|牡]]||美浦・[[堀宣行]]||16戦4勝|| || 引退|||<ref name="ジナンボー">{{Cite web|和書|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001206622/|title=ジナンボー|website=JBISサーチ|accessdate=2019-06-23}}</ref>
|-
|
|[[2016年]]
|(不受胎)
|
|
|
|
|
|
|
|<ref name="JBIS-牝系">{{Cite web|和書|title=繁殖牝馬情報:牝系情報|アパパネ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001049318/broodmare/info/|website=JBISサーチ|accessdate=2021-05-23}}</ref>
|-
|3番仔||[[2017年]]||[[ラインベック]]
|騸
| rowspan="2" |黒鹿毛
| rowspan="2" |金子真人ホールディングス(株)||栗東・[[友道康夫]]||29戦5勝
|[[中京2歳ステークス|中京2歳S]]、東風S
| 現役||<ref name="アパパネの2017">{{Cite web|和書|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001233862/|title=ラインベック|website=JBISサーチ|accessdate=2024-06-08}}</ref>
|-
|4番仔||[[2018年]]||[[アカイトリノムスメ]]||牝||美浦・国枝栄
|8戦4勝
|[[クイーンカップ|クイーンC]]、[[秋華賞]]
|繁殖||<ref name="アパパネの2018">{{Cite web|和書|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001265741/ |title=アカイトリノムスメ |website=JBISサーチ |accessdate=2022-06-21}}</ref>
|-
|
|[[2019年]]
|([[流産]])
|
|
|
|
|
|
|
|<ref name="JBIS-牝系" />
|-
|5番仔
|[[2020年]]
|アスパルディーコ
|牝
|黒鹿毛
| rowspan="3" |[[ブラックタイド]]
|金子真人ホールディングス(株)
|美浦・[[蛯名正義]]
|6戦1勝
|
|引退
|<ref>{{Cite web|和書|title=アスパルディーコ |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001320794/ |website=JBISサーチ |access-date=2023-12-30}}</ref>
|-
|6番仔
|[[2021年]]
|バードウォッチャー
|牡
|鹿毛
| rowspan="2" |金子真人ホールディングス(株)
| rowspan="2" |美浦・国枝栄
|6戦1勝
|
|現役
|<ref>{{Cite web|和書|title=バードウォッチャー |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001333975/ |website=JBISサーチ |accessdate=2024-06-08}}</ref>
|-
|7番仔
|[[2022年]]
|アマキヒ
|牡
|黒鹿毛
|1戦1勝
|
|現役
|<ref>{{Cite web |title=アマキヒ|JBISサーチ(JBIS-Search) |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001353572/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2024-10-06}}</ref>
|-
|8番仔
|[[2024年]]
|
|牡
|鹿毛
|[[マカヒキ (競走馬)|マカヒキ]]
|
|
|
|
|
|<ref>{{Cite web |title=__________________|JBISサーチ(JBIS-Search) |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001387310/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2024-10-06}}</ref>
|}

* 2024年10月4日現在


== 血統表 ==
== 血統表 ==
449行目: 569行目:
|fmff = *[[トライマイベスト]]
|fmff = *[[トライマイベスト]]
|fmfm = Mill Princess
|fmfm = Mill Princess
|fmmf = Blakeney
|fmmf = [[ブレイクニー|Blakeney]]
|fmmm = The Dancer
|fmmm = The Dancer
|mfff = [[ヴァイスリージェント|Vice Regent]]
|mfff = [[ヴァイスリージェント|Vice Regent]]
458行目: 578行目:
|mmfm = Spectacular
|mmfm = Spectacular
|mmmf = Hard Work
|mmmf = Hard Work
|mmmm = Easterborn [[ファミリーナンバー|F-No.]][[9号族|9-f]]
|mmmm = Easterborn
|ref1 = [http://www.jbis.or.jp/horse/0001049318/pedigree/ JBISサーチ アパパネ 5代血統表]2017年8月31日閲覧。
|ref1 = <ref name="ped">{{Cite web|和書|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001049318/pedigree/|title=血統情報:5代血統表|アパパネ|website=JBISサーチ|accessdate=2017-08-31}}</ref>
|mlin = [[ミスタープロスペクター系]]
|mlin = [[キングマンボ系]]/[[ミスタープロスペクター系]]
|ref2 = [http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103234/ netkeiba.com アパパネ 5代血統表]2017年8月31日閲覧。
|ref2 = <ref>{{Cite web|和書|url=https://umatoku.hochi.co.jp/data/horse/07103234|title=アパパネ - 競走馬詳細 - UMATOKU|website=馬トク|publisher=報知新聞社|accessdate=2022-02-13}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103234/|title=アパパネ血統表|website=netkeiba.com|accessdate=2017-08-31}}</ref>
|flin = [[9号族]]
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|FN = [[9号族|9-f]]
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|ref4 = <ref name="ped"/>
|inbr = [[ノーザンダンサー|Northern Dancer]] 5x5x5=9.38%
|ref4 = [http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103234/ netkeiba.com アパパネ 5代血統表]2017年8月31日閲覧。
}}
}}
*母・ソルティビッドは[[フェアリーステークス]]2着があり、オープンのすずらん賞と菜の花賞も勝っている。勝ち鞍が全て1200m以下のスプリンターだった。また現役時はアパパネと同一馬主(但し当時は「[[金子真人]]」名義)、厩舎だった<ref name="spo091214" />。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
<references group="注釈" />

=== 出典 ===
{{Reflist}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* 『[[優駿]]』([[日本中央競馬会]])
** 2010年2月号
***[[吉沢譲治]]「【重賞プレイバック】母の無念を晴らす勝利」
***[[古井由吉]]「【競馬徒然草 60】暮れと有馬記念」
**2010年3月号
***「【重賞プレイバック】第17回チューリップ賞({{GIII}})」
**2010年4月号
***軍土門隼夫「【皐月賞&桜花賞レビュー】アパパネ」
**2010年5月号
***軍土門隼夫「【YUSHUN Point of View】アパパネが2歳女王の貫録を見せ戴冠」
**2010年6月号
***軍土門隼夫「【クローズアップ・{{GI}}優勝馬】アパパネ
***「【重賞プレイバック】第70回桜花賞({{GI}})」
**2010年7月号
***[[平松さとし]]「【第71回オークス詳報】アパパネ & サンテミリオン」
***「【重賞プレイバック】第71回優駿牝馬(オークス)({{GI}})」
**2010年10月号
***[[井上オークス]]「【秋競馬を楽しむための全話題集 part2】{{GI}}1着同着から始まった物語」
**2010年11月号
***「【重賞プレイバック】第28回関西テレビ放送賞ローズステークス({{GII}})」
**2010年12月号
***平松さとし「【第15回秋華賞優勝馬・クローズアップ(1)】アパパネ 牝馬三冠達成」
***岡本光男([[日刊スポーツ]]関西)「【第15回秋華賞優勝馬・クローズアップ(2)】アパパネ三冠を陰で支えた男」
***「【重賞プレイバック】第15回秋華賞({{GI}})」
**2011年2月号
***「2010年度JRA賞決定! 年度代表馬にブエナビスタ」
***「2010年JPNサラブレッドランキング発表!」
**2011年7月号
***谷川善久「アパパネ 跳ね除けたあらゆる不安材料」
**2013年8月号
*** 谷川善久「【優駿激闘譜】アパパネ 独自の進化を遂げて誕生した牝馬三冠馬」
**2020年7月号
***有吉正徳「【未来に語り継ぎたい名馬物語 54】アパパネに輝く5つのティアラ」
**2021年9月号
***有吉正徳「【2010 大一番で勝負強さを発揮】アパパネ」


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* {{競走馬成績|netkeiba=2007103234|yahoo=2007103234|jbis=0001049318|racingpost=748070}}
* {{競走馬成績|netkeiba=2007103234|yahoo=2007103234|jbis=0001049318|racingpost=748070/apapane}}


{{中央競馬の三冠馬}}
{{中央競馬の三冠馬}}

2024年12月23日 (月) 13:35時点における最新版

アパパネ
第15回秋華賞パドック
欧字表記 Apapane[1]
香港表記 夏威夷鳥[2]
品種 サラブレッド[3]
性別 [3]
毛色 鹿毛[3]
生誕 2007年4月20日(18歳)[3]
登録日 2009年5月6日
抹消日 2012年9月15日
キングカメハメハ[3]
ソルティビッド[3]
母の父 Salt Lake[3]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[3]
生産者 ノーザンファーム[3]
馬主 金子真人ホールディングス (株)[3]
調教師 国枝栄[3]美浦
調教助手 佐藤勝美[4]
厩務員 福田好訓[4]
競走成績
タイトル 牝馬三冠[3](2010年)
JRA賞最優秀2歳牝馬[3](2009年)
JRA賞最優秀3歳牝馬[3](2010年)
東京競馬記者クラブ賞[5](2010年)
関西競馬記者クラブ賞[6](2010年)
生涯成績 19戦7勝[3]
中央:18戦7勝[3]
香港:1戦0勝[3]
獲得賞金 5億5859万2000円[3]
勝ち鞍
GI 桜花賞 2010年
GI 優駿牝馬 2010年
GI 秋華賞 2010年
GI ヴィクトリアマイル 2011年
JpnI 阪神JF 2009年
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アパパネ(欧字名:Apapane、香港名:夏威夷鳥2007年4月20日 - ) は、日本競走馬繁殖牝馬[3]

2010年に史上3頭目の牝馬三冠を達成。同年のJRA賞最優秀3歳牝馬2009年JRA賞最優秀2歳牝馬である。牝馬三冠競走の他に、2009年の阪神ジュベナイルフィリーズ2011年ヴィクトリアマイルを制しGI級競走5勝を挙げた。

競走馬引退後は、繁殖牝馬として2021年クイーンカップGIII)、秋華賞(GI)を制したアカイトリノムスメ(父:ディープインパクト)を生産した。

経歴

[編集]

誕生までの経緯

[編集]

ソルティビッドは、2000年にアメリカで生産された牝馬で父はソルトレイクであった。日本に輸入されて金子真人が所有し、美浦トレーニングセンターの国枝栄厩舎に入厩。2歳夏の札幌競馬場でデビューして2戦目の新馬戦で逃げ切り勝利、続くすずらん賞(OP)も逃げ切って連勝とした。続いてファンタジーステークスGIII)で5着に敗れた後、関西の栗東トレーニングセンターに1か月滞在し、阪神ジュベナイルフィリーズGI)に蛯名正義とともに出走した。このように、美浦トレーニングセンター所属の関東馬が、あらかじめ栗東トレーニングセンターに滞在し、近い関西圏の競走に出走することは、後に「栗東留学」と呼ばれるようになっている[7]。国枝は、この手法がソルティビットに初めて用いた[7]。3歳となってからは、フェアリーステークスGIII)2着、菜の花賞(OP)と芝1200メートルで好走。4歳春まで走り、に12戦3勝という成績で競走馬を引退した。金子真人ホールディングス所有のまま、北海道安平町ノーザンファームにて繁殖牝馬となった[8]

2005年にはジャングルポケットの初仔(後のトムトム[9])を出産し、続けて金子が所有したキングカメハメハを交配。2006年に牝馬の2番仔を出産し金子によりマカニと命名されたが、競走馬としてデビューすることはできなかった[10][11]。2006年、再びキングカメハメハを交配し、2007年4月20日、3番仔となる牝馬(後のアパパネ)が誕生する。

金子は、ハワイで生息しているアカハワイミツスイ英語版を英語で表した「アパパネ[12]と命名[13]。2歳となった2009年5月に美浦トレーニングセンターの国枝栄厩舎に入厩する[14]

競走馬時代

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2歳(2009年)

[編集]

7月5日、福島競馬場新馬戦(芝1800メートル)で蛯名正義が騎乗してデビュー、雨がちな天気で稍重寄りの良馬場の中、単勝3番人気で出走した[14]。中団から最終コーナーで先頭に接近するも伸びを欠き、勝利したロードシップに5馬身遅れた3着[14]。蛯名は「ボコボコの馬場は合わない」を敗因とし「非力」と指摘していた[14]。また直後に球節が腫れてしまい、放牧に出された[15]。この間に馬体は成長し、蛯名の言う「非力」は解消、馬体重も増加した[15]。10月31日、東京競馬場の未勝利戦(芝1600メートル)にて、新馬戦から馬体重を24キログラム増やして参戦[15]。好位の3番手から直線で先行する2頭の間から抜け出し、2馬身差をつけて初勝利を挙げた[14]。一方で、この飼い葉を実にする筋肉質の身体は、調教のみで調子を上げ切ることが出来ず、仕上げのために前哨戦を叩くことを必要とする面があった[16]

続く11月15日、同じ距離、条件の赤松賞(500万円以下)では、大外16番枠から発走し、8番手の中団から直線では、外側に持ち出した。蛯名がいざ追い出そうとした際、アパパネの反応があまりに良かったために少しの間制御することができず、外に膨らんでしまった[14]。改めて、外から追い込み、先行する1番人気ブルーミングアレーなどをかわして抜け出した[14]。以降は、蛯名が手綱を引くほどの余裕がありながら独走し、後方に2馬身半差をつけて先頭で入線[14]。走破タイム1分34秒5は、2歳コースレコードを0秒1上回るレコードタイムでの優勝であった[17]。この走りに、かわされて2着に敗れたブルーミングアレー騎乗の柴田善臣は「一瞬のうちに抜かされた[14]」と証言している。

阪神ジュベナイルフィリーズ
[編集]
第61回阪神ジュベナイルフィリーズ

11月26日から栗東トレーニングセンターで調整を行い、阪神ジュベナイルフィリーズJpnI)に参戦[18][19][20]新潟2歳ステークスJpnIII)を制したシンメイフジが3.9倍の1番人気となり、それに次ぐ4.6倍の2番人気に推された。ゲート入りを嫌い、中に収まるまでに時間を要した[15]。大外枠18番からの発走すると、中団に位置[21][22]。人気を集めたアパパネやシンメイフジ、3番人気のタガノエリザベートの作戦が総じて後方からの追い込みであったため、その他はそれらによる馬群の外からの「まくり」を警戒[23]。そのため直線では、先行する人気薄がしきりに外に進路を求めていた[23]。しかし、アパパネは最終コーナーにて、先行馬が外に広がったことで空いた馬場の内側を突き、追い込みを開始[14]。同じく内に切り替えたアニメイトバイオと馬体を並べながら順位を上げた。やがてアニメイトバイオを制して先頭となり、先頭で入線。JpnI競走を初勝利[24]、キングカメハメハ産駒にとっても初のGI級タイトルであった[13]

映像外部リンク
2009年 阪神ジュベナイルフィリーズ
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

また福島競馬場でデビューした馬による本競走の優勝は初めてであり[13]、美浦トレーニングセンター所属の関東馬が優勝したのは、2004年のショウナンパントル以来であった[25][注釈 1]。2002年に17着に敗れた母など5回目の管理馬参戦となった国枝は初の阪神ジュベナイルフィリーズ制覇となった[26]。2着アニメイトバイオに騎乗した内田博幸は「あっという間に離された[14]」3着ベストクルーズに騎乗した安藤勝己は「勝ち馬(アパパネ)は抜けてくるときの脚が違った[14]」と証言している[14]

第61回阪神ジュベナイルフィリーズ優勝時

JRA賞では、満票である287票を獲得しJRA賞最優秀2歳牝馬を受賞した[27]JPNサラブレッドランキングは2歳牝馬トップの「108」が与えられ、前々年のトールポピー、3年前のウオッカと並ぶ評価となった[注釈 2][注釈 3][28]

3歳(2010年)

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ソルティビッドから始まった「栗東留学」は、それから7年間で5頭の3歳牝馬に用いられていた[29]。国枝の言う「栗東留学」とは、京都や阪神のレースに出走するために、直前に美浦から関西に輸送することで生じる渋滞などのリスクを防ぐということにあった[30]。国枝厩舎所属の厩務員福田好訓[注釈 4]は、4歳牡馬だったマイネルソロモンが2004年のスワンステークスマイルチャンピオンシップに出走するために初めて「栗東留学」を経験して以降、ピンクカメオサイレントプライドマイネルキッツなどの「栗東留学」に同行[30]。滞在経験豊富な人物に栗東出張を任せる国枝の方針により、アパパネの桜花賞に向けてもまた福田が担当することとなった[31]。2月18日に栗東トレーニングセンターに移動して調整され[32]、3月6日のチューリップ賞GIII)から始動[33]。初の重馬場での出走ながら、2.2倍の支持で初めて1番人気となった[15]

阪神ジュベナイルフィリーズではなかなかゲートに入らず、ゲートの中にいる他の馬を待たせてしまっていたため[注釈 5]、国枝が自ら願い出て最初にゲートに誘導されたが、相変わらずゲート入りには時間を要した[29][注釈 6]。良いスタートではなかったが、追い上げて好位に位置したが[34][35]、途中で前に馬を置いて息を入れることができずにかかってしまった[15][36]。残り200メートルで先頭となったが、終始アパパネの背後をつけていた9番人気のショウリュウムーンに外からかわされ、4分の3馬身遅れた2着[35]。蛯名は「悲観する内容じゃない」と振り返っている[15]。軍土門隼夫は、良馬場以外のチューリップ賞は1996 - 97年、2001年、2003年とそれまでに4回あり、それらすべてで1番人気の支持を集めた馬[注釈 7]が敗退していることから、アパパネの2着を「正しい敗戦[36]」と指摘していた[36]

桜花賞
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チューリップ賞の後、栗東トレーニングセンターに居残り、4月11日の桜花賞GI)に参戦。2.3倍の1番人気に推された。続く5.1倍の2番人気にはクイーンカップGIII)を制したアプリコットフィズ、9.9倍の3番人気にはフラワーカップGIII)を制したオウケンサクラが続いた[37]

第70回桜花賞ゴール前

チューリップ賞と同じく最初にゲートに誘導されたが、同様に時間を要した[29]。スタートからオウケンサクラが逃げて、アパパネは先行[29]。当日の阪神競馬場は、先行馬がそのまま勝利するレースが多く、後方からの差し切りが決まりにくいという馬場の傾向があった[29]。加えて、出走するメンバーには特徴的な逃げ馬が存在せず、スローペースと目されていた[38]。このことから蛯名は意識的に4、5番手に位置[38]。途中で折り合いを欠いた場面もあったが、蛯名は抑え込むことに成功した[38]。逃げるオウケンサクラを目標に、4番手で最終コーナーを回り直線では外に持ち出して追い上げを開始[39]。粘るオウケンサクラを差し切り、半馬身差をつけて先頭で入線した[40]

映像外部リンク
2010年 桜花賞
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

走破タイム1分33秒3は、2005年のラインクラフトが記録した桜花賞レコードを0秒2更新するレコードタイムでの勝利[41]。蛯名は桜花賞を初めて制し、国枝はクラシック初勝利[41]。美浦所属の騎手による勝利は、1985年のエルプスに騎乗した木藤隆行以来25年ぶり[42]。また福島競馬場デビューの馬による勝利は、1974年のタカエノカオリ以来36年振りであった[43]

優駿牝馬
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桜花賞後に、美浦トレーニングセンターに戻って調整され、5月23日の優駿牝馬(オークス)(GI)に参戦した。3.8倍の1番人気に推され、続く2番人気にはチューリップ賞で敗れたショウリュウムーン、3番人気には桜花賞2着のオウケンサクラであった[44]。降雨により馬場が悪化して敗れたチューリップ賞に次ぐ稍重となり、1600メートルでかかってしまうアパパネは、2400メートルの距離に果たして対応できるのかという心配も指摘されていた[38]。加えて、外枠の8枠17番の発走であった[38]。しかし、桜花賞以来1か月半の間にアパパネの身体は前後に伸び、長距離をこなす余地のある体形に変化していたという[45]

ニーマルオトメが逃げてアグネスワルツがそれに続く中、アパパネは9番手の中団に位置[44]。最終コーナーでは大外に持ち出し、アグネスワルツが先に抜け出していた。アパパネの内側にはサンテミリオンがおり、2頭並んでアグネスワルツを目がけて追い上げを開始。2頭は残り200メートルでアグネスワルツをかわして、2頭だけの争いとなった[46]。まず、アパパネがリードを作ったが、サンテミリオンが盛り返して、再び並んだところで決勝線を通過した[47]

第71回優駿牝馬優勝時
映像外部リンク
2010年 優駿牝馬
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

2頭の争いは写真判定となり、直ちに着順が確定していなかったが、蛯名は敗れたと思い、サンテミリオン騎乗の横山典弘に「おめでとう」と声をかけていた[48]。脱鞍所[注釈 8]では蛯名が2着馬用の場所へ入ろうとしていたが、勝利を信じた厩舎スタッフにより1着馬用の場所に誘導された[49][注釈 9]。12分かかって判定は同着[49]、JRA-GIでは初めてとなる1着同着デッドヒートが成立した[50]。横山と蛯名は、1992年の帝王賞でも横山のナリタハヤブサと、蛯名のラシアンゴールドで1着同着を経験しており、それ以来のデッドヒート[50]。優勝賞金は、1着と2着の賞金を併せて半分に分けた6800万円であった[注釈 10][46]。直後に行われた表彰式では、優勝馬服、優勝レイが一つしか用意されていないために、別々に実施された[46]

アパパネは、前年のブエナビスタに続き2年連続で牝馬二冠を達成[51]。金子は、キングカメハメハ(東京優駿)、ディープインパクト皐月賞菊花賞)、アパパネ(桜花賞、優駿牝馬)の3頭で日本のクラシック競走全制覇を果たした[52]。美浦トレーニングセンター所属の関東馬の勝利は2002年のスマイルトゥモロー以来、また関東馬の牝馬二冠は1986年メジロラモーヌ[注釈 11]以来であった[51]

レース後は放牧に出ず、美浦トレーニングセンターに残った[53]。2010年の記録的な夏の暑さに対し、まだ気温の上がらない午前5時に坂路で調整された[53][54]

秋華賞
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8月から本格的に調教が始まり[55]、9月9日に栗東トレーニングセンターに移動[56]9月19日ローズステークスGII)で始動。食欲旺盛、度重なる調教でも馬体重は絞れず、優駿牝馬からプラス24キログラム[54][57]。調子が戻らず、出走にあたって国枝は「負けを覚悟」するほどの状態だったが[57]、2.1倍の1番人気に支持された。スタートから先行し馬群の中に位置したが[58]、途中で折り合いを欠いた[59]。直線では、一時先頭となったが、後方を離すには至らず、馬群の間からアニメイトバイオにかわされ、先頭のアニメイトバイオから1馬身以上後れを取る4着に敗れた[60]

第15回秋華賞優勝時

それから、そのまま栗東トレーニングセンターに留まり、10月17日秋華賞GI)に参戦。体重は前走から4キログラム減り、馬体も引き締まった[54][57]。蛯名はレース前、アパパネ1頭が優れているとして「普通に走れば勝てる」と分析していた[61]。2.3倍の1番人気に推され、対する2番人気にはクイーンステークス勝利から参戦のアプリコットフィズが7.1倍[62]。優駿牝馬で同着のサンテミリオンが7.9倍の3番人気に支持された[62]


ゲートに入るのに苦労したものの、良いスタート[63]。すぐに、中団の後方まで位置を下げた[64]。アグネスワルツが逃げる中、第3コーナー付近で進路を外に求めて追い上げ[64]、残り200メートルで先頭となり、内から伸びたアニメイトバイオを4分の3馬身退けて先頭で入線[64]GI4勝目を挙げた。1986年のメジロラモーヌ、2003年のスティルインラブに次いで史上3頭目となる牝馬三冠を達成した[65]

映像外部リンク
2010年 秋華賞
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

続く出走した11月14日エリザベス女王杯GI)では、史上最速となる3歳11月でのGI5勝目と牝馬初となる年間GI4勝をかけて出走し[66]、2.7倍の1番人気に推された。イギリス及びアイルランドのオークス優勝馬スノーフェアリーにつけられた6番手に位置し、最終コーナーでは直線に外に持ち出して追い上げたが、スノーフェアリーに5馬身以上離された3着[67]。蛯名は、敗因を精神面に求めている[67]

JRA賞では、285票中284票[注釈 12]を集めてJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞[68]。年度代表馬選考ではブエナビスタが211票を集めて受賞する中、アパパネには2位となる41票が投じられた[68]。JPNサラブレッドランキングでは「112」が与えられ、日本調教馬の牝馬では首位であった[注釈 13][注釈 14][69]

4歳 - 5歳(2011 - 12年) 

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中山記念GII)で始動する予定だったが、熱発のため回避[70]。代わりに出走したマイラーズカップGII)では4着[71]

続いて、5月15日のヴィクトリアマイルGI)に出走した。1年先輩の牝馬二冠馬ブエナビスタが1.5倍の1番人気に推され、それに次ぐ4.1倍の2番人気となった[72]。ブエナビスタとアパパネの馬連には32.77パーセントの支持率となった[73]。オウケンサクラが大逃げを打つ中、ブエナビスタよりも前につけて直線で大外から追い上げた[74]。内で先行から抜け出していたレディアルバローザを残り50メートルでかわして、迫るブエナビスタをクビ差だけ振り切って先頭で入線[75]GI5勝目、牝馬三冠を達成した馬でその後勝利を挙げたのは史上初めてであった[76]。また、走破タイム1分31秒9は、レースレコードを更新している[77]。牝馬限定GⅠを5勝は、2024年現在メジロドーベルと並ぶ歴代最多タイ[注釈 15]

映像外部リンク
2010年 ヴィクトリアマイル
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

その後、安田記念は6着となり初めて着外。府中牝馬ステークスGII)では14着。エリザベス女王杯では再びスノーフェアリーに敗れて3着となった。その後は香港へ遠征し、12月の香港マイルG1)に出走したが13着となった。

5歳となった2012年も現役を続行。蛯名の落馬負傷により岩田康誠に乗り替わった阪神牝馬ステークスGII)や[78]、連覇が期待され1番人気に推されたヴィクトリアマイル、安田記念に出走したもののいずれも勝利することができなかった。夏は、北海道苫小牧市ノーザンファーム空港牧場に放牧[79]。秋はエリザベス女王杯を目標とし、前哨戦から向かうことが決まっていたが[79]、9月13日に右前浅屈腱炎の発症が判明[80]。復帰を断念して引退し、9月15日付でJRAの競走馬登録を抹消した[81]

繁殖牝馬時代

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4番仔アカイトリノムスメ

北海道勇払郡安平町ノーザンファームで繁殖牝馬となった。初年度からディープインパクトが交配され、2014年2月28日に初仔となる牡馬(後のモクレレ)が誕生した[82]GI7勝の三冠馬ディープインパクトとGI5勝の牝馬三冠馬アパパネの配合にメディアは「12冠ベビー」とはやし立てた[83][84]。その後、2019年までディープインパクトと交配を続け、12冠ベビーを4頭を生産[85]。最後の12冠ベビーとなったアカイトリノムスメは、2021年のクイーンカップGIII)にて重賞勝利[86]秋華賞GI)にてGI勝利を果たし、母娘秋華賞制覇を果たした[87]

その他の12冠ベビーはおしなべて勝利を挙げており、中でも2番仔のジナンボーは新潟記念GIII)2着2回[88]、3番仔のラインベック中京2歳ステークス(OP)を勝利している[89]

2020年からは、ディープインパクトの全兄で同じく金子が所有したブラックタイドが配合されている[85]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[90]および『優駿』2013年8月号85頁[91]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬
(2着馬)
馬体重
[kg]
2009.07.05 福島 2歳新馬 芝1800m(良) 16 4 8 006.00(3人) 03着 R1:51.5(37.5) -0.8 0蛯名正義 54 ロードシップ 452
0000.10.31 東京 2歳未勝利 芝1600m(良) 14 6 3 005.10(3人) 01着 R1:35.9(34.3) -0.3 0蛯名正義 54 (ローグランド) 476
0000.11.15 東京 赤松賞 500万下 芝1600m(良) 16 8 16 006.00(3人) 01着 R1:34.5(33.6) -0.4 0蛯名正義 54 (ブルーミングアレー) 468
0000.12.13 阪神 阪神JF JpnI 芝1600m(良) 18 8 18 004.60(2人) 01着 R1:34.9(34.3) -0.1 0蛯名正義 54 アニメイトバイオ 472
2010.03.06 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(重) 16 8 16 002.20(1人) 02着 R1:36.2(35.0) -0.1 0蛯名正義 54 ショウリュウムーン 478
0000.04.11 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 5 9 002.80(1人) 01着 R1:33.3(34.1) -0.1 0蛯名正義 55 オウケンサクラ 480
0000.05.23 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(稍) 18 8 17 003.80(1人) 01着 R2:29.9(35.2) 同着 0蛯名正義 55 サンテミリオン 470
0000.09.19 阪神 ローズS GII 芝1800m(良) 12 5 5 002.10(1人) 04着 R1:46.0(34.1) -0.2 0蛯名正義 54 アニメイトバイオ 494
0000.10.17 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 7 15 002.30(1人) 01着 R1:58.4(34.1) -0.1 0蛯名正義 55 (アニメイトバイオ) 490
0000.11.14 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 17 3 5 002.70(1人) 03着 R2:13.5(35.1) -1.0 0蛯名正義 54 スノーフェアリー 494
2011.04.17 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 18 8 18 007.10(4人) 04着 R1:32.8(33.2) -0.5 0蛯名正義 56 シルポート 490
0000.05.15 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 17 8 16 004.10(2人) 01着 R1:31.9(34.3) -0.0 0蛯名正義 55 ブエナビスタ 490
0000.06.05 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 8 002.20(1人) 06着 R1:32.2(34.5) -0.2 0蛯名正義 56 リアルインパクト 498
0000.10.16 東京 府中牝馬S GII 芝1800m(稍) 16 2 4 002.30(1人) 14着 R1:47.8(34.9) -1.0 0蛯名正義 57 イタリアンレッド 502
0000.11.13 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 2 4 010.00(4人) 03着 R2:11.8(34.7) -0.2 0蛯名正義 56 スノーフェアリー 496
0000.12.11 沙田 香港マイル G1 芝1600m(良) 14 9 14 020.00(9人) 13着 R1:35.41 -1.43 0蛯名正義 55.5 エイブルワン 496
2012.04.07 阪神 阪神牝馬S GII 芝1400m(良) 17 8 16 006.40(3人) 07着 R1:22.3(34.8) -0.4 0岩田康誠 56 クィーンズバーン 504
0000.05.13 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 4 7 004.00(1人) 05着 R1:32.8(33.8) -0.4 0蛯名正義 55 ホエールキャプチャ 498
0000.06.03 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 5 10 009.30(4人) 16着 R1:32.6(35.3) -1.3 0蛯名正義 56 ストロングリターン 496
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

繁殖成績

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生年 馬名 毛色 馬主 厩舎 戦績 主な勝利競走 供用 出典
初仔 2014年 モクレレ 黒鹿毛 ディープインパクト 金子真人ホールディングス(株) 美浦・国枝栄 27戦4勝 引退 [92]
2番仔 2015年 ジナンボー 美浦・堀宣行 16戦4勝 引退 [93]
2016年 (不受胎) [85]
3番仔 2017年 ラインベック 黒鹿毛 金子真人ホールディングス(株) 栗東・友道康夫 29戦5勝 中京2歳S、東風S 現役 [94]
4番仔 2018年 アカイトリノムスメ 美浦・国枝栄 8戦4勝 クイーンC秋華賞 繁殖 [95]
2019年 流産 [85]
5番仔 2020年 アスパルディーコ 黒鹿毛 ブラックタイド 金子真人ホールディングス(株) 美浦・蛯名正義 6戦1勝 引退 [96]
6番仔 2021年 バードウォッチャー 鹿毛 金子真人ホールディングス(株) 美浦・国枝栄 6戦1勝 現役 [97]
7番仔 2022年 アマキヒ 黒鹿毛 1戦1勝 現役 [98]
8番仔 2024年 鹿毛 マカヒキ [99]
  • 2024年10月4日現在

血統表

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アパパネ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 キングマンボ系/ミスタープロスペクター系
[§ 2]

キングカメハメハ
2001 鹿毛
父の父
Kingmambo
1990 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
父の母
*マンファス
Manfath
1991 黒鹿毛
*ラストタイクーン
Last Tycoon
*トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird Blakeney
The Dancer

*ソルティビッド
2000 栗毛
Salt Lake
1989
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Take Lady Anne Queen City Lad
Lovita H.
母の母
Piper Piper
1987
Spectacular Bid Bold Bidder
Spectacular
Alvarada Hard Work
Easterborn
母系(F-No.) (FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5・5x5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [100]
  2. ^ [101][102]
  3. ^ [100]
  4. ^ [100]


脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2着のアニメイトバイオも、美浦トレーニングセンターの牧光二厩舎所属である。関東馬によるワンツーフィニッシュは、同様に2004年(1着:ショウナンパントル、2着:アンブロワーズ)以来であった。
  2. ^ 前年の阪神ジュベナイルフィリーズを制したブエナビスタは「110」が与えられている。
  3. ^ 牝馬部門2位は、アニメイトバイオの「107」。3位は、阪神ジュベナイルフィリーズ3着となったベストクルーズの「105」。
  4. ^ 調教にも騎乗する調教厩務員である。
  5. ^ 大外枠で最後のゲート入りだったため、その他17頭がゲートに長くとどまっていた。
  6. ^ 通常、ゲートの中で待たされることは馬にとって負担とされている。そのため、ゲート入りはできる限り後が好ましい。
  7. ^ 1996年:ビワハイジ阪神3歳牝馬ステークス優勝、2着)
    1997年:メジロドーベル(阪神3歳牝馬ステークス優勝、3着)
    2001年:チアズグレイス(その後桜花賞優勝、10着)
    2003年:スティルインラブ(その後牝馬三冠達成、2着)
  8. ^ 下馬して、鞍などを外す場所。着順により入る場所が異なる。
  9. ^ 遅れて戻ってきたサンテミリオンは、2着馬用の場所に収まった。
  10. ^ 単独優勝の場合、9700万円。単独2着の場合、3900万円。
  11. ^ 後にエリザベス女王杯を制し、牝馬三冠を果たした。
  12. ^ 残る1票は、スノーフェアリーへの投票。
  13. ^ 2008年のリトルアマポーラ(3歳でエリザベス女王杯制覇)と並ぶ評価であった。
  14. ^ 牝馬の首位は「120」のスノーフェアリー。3位は「111」のオウケンサクラとサンテミリオン。
  15. ^ 次点でブエナビスタアーモンドアイリバティアイランドの4勝。詳細はGⅠ3勝以上の日本馬一覧を参照

出典

[編集]
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  6. ^ “関西報道3団体表彰 受賞者のコメント”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/entry-195652.html 2021年5月23日閲覧。 
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  8. ^ 『優駿』2010年2月号 83頁
  9. ^ トムトム”. JBISサーチ. 2021年5月21日閲覧。
  10. ^ マカニ”. JBISサーチ. 2021年5月21日閲覧。
  11. ^ 『優駿』2010年6月号 83頁
  12. ^ 【学ぶハワイ】ハワイの鳥を学ぼう”. ハワイ州観光局 (2020年8月26日). 2023年7月21日閲覧。
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  15. ^ a b c d e f g 『優駿』2013年8月号 80頁
  16. ^ 『優駿』2021年9月 p.32
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  20. ^ “【阪神JF】“栗東留学”アパパネ跳ねる12秒2”. スポーツニッポン. (2009年12月10日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/10/07.html 2009年12月14日閲覧。 
  21. ^ “【阪神JF】(18)アパパネすっかり“栗東の娘””. スポーツニッポン. (2009年12月12日). https://web.archive.org/web/20091215070413/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/12/12/06.html 2009年12月14日閲覧。 
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  102. ^ アパパネの血統表”. netkeiba.com. 2017年8月31日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 優駿』(日本中央競馬会
    • 2010年2月号
      • 吉沢譲治「【重賞プレイバック】母の無念を晴らす勝利」
      • 古井由吉「【競馬徒然草 60】暮れと有馬記念」
    • 2010年3月号
      • 「【重賞プレイバック】第17回チューリップ賞(GIII)」
    • 2010年4月号
      • 軍土門隼夫「【皐月賞&桜花賞レビュー】アパパネ」
    • 2010年5月号
      • 軍土門隼夫「【YUSHUN Point of View】アパパネが2歳女王の貫録を見せ戴冠」
    • 2010年6月号
      • 軍土門隼夫「【クローズアップ・GI優勝馬】アパパネ
      • 「【重賞プレイバック】第70回桜花賞(GI)」
    • 2010年7月号
      • 平松さとし「【第71回オークス詳報】アパパネ & サンテミリオン」
      • 「【重賞プレイバック】第71回優駿牝馬(オークス)(GI)」
    • 2010年10月号
      • 井上オークス「【秋競馬を楽しむための全話題集 part2】GI1着同着から始まった物語」
    • 2010年11月号
      • 「【重賞プレイバック】第28回関西テレビ放送賞ローズステークス(GII)」
    • 2010年12月号
      • 平松さとし「【第15回秋華賞優勝馬・クローズアップ(1)】アパパネ 牝馬三冠達成」
      • 岡本光男(日刊スポーツ関西)「【第15回秋華賞優勝馬・クローズアップ(2)】アパパネ三冠を陰で支えた男」
      • 「【重賞プレイバック】第15回秋華賞(GI)」
    • 2011年2月号
      • 「2010年度JRA賞決定! 年度代表馬にブエナビスタ」
      • 「2010年JPNサラブレッドランキング発表!」
    • 2011年7月号
      • 谷川善久「アパパネ 跳ね除けたあらゆる不安材料」
    • 2013年8月号
      • 谷川善久「【優駿激闘譜】アパパネ 独自の進化を遂げて誕生した牝馬三冠馬」
    • 2020年7月号
      • 有吉正徳「【未来に語り継ぎたい名馬物語 54】アパパネに輝く5つのティアラ」
    • 2021年9月号
      • 有吉正徳「【2010 大一番で勝負強さを発揮】アパパネ」

外部リンク

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