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「JR東日本E257系電車」の版間の差分

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{{複数の問題
{{告知|提案|5000番台に関する全保護実施について}}
|出典の明記=2024年4月20日 (土) 09:53 (UTC)
{{Notice|車両の動きなどについては、[[Wikipedia:検証可能性]]に反する、個人の目撃報告や外部の私設サイトなどを典拠とする情報を記載しないでください。[[Wikipedia:出典を明記する]]や[[Wikipedia:独自研究は載せない]]、[[Wikipedia:信頼できる情報源]]などの方針により除去されます。|お願い}}
|独自研究=2024年4月20日 (土) 09:53 (UTC)
<!--下記のボックスに5000番台、5500番台の記述を記入されても、現状検証できないため、その記述を差し戻す場合があります。 -->
}}
{{鉄道車両
{{鉄道車両
| 車両名 = JR東日本E257系電車
| 車両名 = JR東日本E257系電車
| 背景色 = #008000
| 背景色 = #0c8c11
| 文字色 = #ffffff
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = JR East E257 series EMU 021.JPG
| 画像 = JR East E257 Limited Express Azusa.jpg
| 画像説明 = E257系0番台「[[かいじ (列車)|かいじ]]」<br>(201754日)<!-- 2000番台の画像に変更しないでください -->
| 画像説明 = 「[[あずさ (列車)|あずさ]]」で運用されるE257系0番台<br />(2008120 [[相模湖駅]] - [[高尾駅 (東京都)|高尾駅]]間)<!-- 番台の画像に変更しないでください -->
| 運用者 = [[東日本旅客鉄道]]
| 運用者 = [[東日本旅客鉄道]]
| 製造所 = [[日立製作所]][[日立製作所笠戸事業所|笠戸事業所]]<br />[[近畿車輛]]<br />[[東急車輛製造]]
| 製造所 = [[日立製作所]][[日立製作所笠戸事業所|笠戸事業所]]<br />[[近畿車輛]]<br />[[東急車輛製造]]
| 製造年 = 2001年 - 2005年
| 製造年 = [[2001年]] - [[2005年]]
| 製造数 = 249両
| 製造数 = 249両
| 運用開始 = 2001年12月1日
| 運用開始 = [[2001年]][[12月1日]]
| 運用終了 =
| 編成 = 0番台: 基本編成9両([[MT比|5M4T]])<br />0番台: 付属編成2両(1M1T)<br />500番台: 5両(3M2T)<br />2000番台: 基本編成9両(5M4T)<br />2500番台: 付属編成5両(3M2T)
| 軌間 = 1,067 mm
| 廃車 =
| 編成 =9両編成([[MT比|5M4T]])<br />5両編成([[MT比|3M2T]])<br />2両編成([[MT比|1M1T]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1,500V
| 軌間 = 1,067 mm([[狭軌]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1,500V<br />([[架空電車線方式]])
| 最高運転速度 = 130 km/h
| 最高運転速度 = 130 km/h
| 設計最高速度 = 140 km/h
| 設計最高速度 = 140 km/h
| 起動加速度 = 2.0 km/h/s<br />(0番台・500番台)<ref name="Saibane38">日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第38回(2001年)「JR東日本E257系電車用主回路システム」論文番号504。</ref><ref name="Technology229">日本鉄道車両工業会「車両技術」229号「JR東日本 E257系500代特急形直流電車の概要」記事。</ref>
| 常用減速度 = 5.2 km/h/s<br />(500番台)<ref name="Technology229"/>
| 非常減速度 = 5.2 km/h/s<br />(500番台)<ref name="Technology229"/>
| 編成定員 = 0番台:11両678名<br />([[普通車 (鉄道車両)|普通車]]650名・[[グリーン車]]28名)<br />0番台:9両558名<br />(普通車530名・グリーン車28名)<br />500番台:5両306名<br />(全車普通車)<br>2000番台:基本編成9両546名(普通車498名・グリーン車48名)<br>2500番台:付属編成5両298名(全車普通車)
| 車両定員 =
| 自重 =
| 編成重量 = 0番台:11両 377.0 t<br />9両 306.1 t<br />500番台:5両 180.6 t
| 全長 = 先頭車 21,000 mm<br />中間車 20,500 mm
| 全長 = 先頭車 21,000 mm<br />中間車 20,500 mm
| 全幅 = 2,946 mm
| 全幅 = 2,946 mm
| 全高 = 3,980 mm([[集電装置|パンタグラフ]]折り畳み高さ)
| 全高 = 3,980 mm([[集電装置|パンタグラフ]]折り畳み高さ)
| 床面高さ = 1,140 mm
| 車体材質 = [[アルミニウム合金]]([[A-train (日立製作所)|A-train]])
| 車体材質 = [[アルミニウム合金]]<br />[[ダブルスキン構造]]([[A-train (日立製作所)|A-train]])
| 台車 =
| 台車 = 軸梁式[[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス台車]]([[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]付)
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]]
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]]
| 主電動機出力 =
| 主電動機出力 = 145 kW
| 駆動方式 = [[TD平行カルダン駆動方式]]
| 駆動方式 = [[TD平行カルダン駆動方式]]
| 歯車比 =5.65(17:96)
| 歯車比 =5.65(17:96)
| 編成出力 = 0番台:11両145kW×24=3,480kW<br />9両145kW×20=2,900kW<br />500番台:5両 145kW×12=1,740kW
| 制御方式 = [[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]([[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]])
| 制御方式 = [[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]([[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]])
| 制御装置 =
| 制御装置 =
| 制動装置 = [[回生ブレーキ|回生]]・[[発電ブレーキ|発電]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]]<br />[[抑速ブレーキ]]・耐雪ブレーキ
| 制動装置 = [[回生ブレーキ|回生]]・[[発電ブレーキ|発電]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]]<br />[[抑速ブレーキ]]・耐雪ブレーキ
| 保安装置 =
| 保安装置 = 0番台:[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]],[[自動列車停止装置#ATS-Ps形(変周地上子組合せパターン型)|ATS-Ps]]<br />※クモハE257-0は[[自動列車停止装置#ATS-S改良形_(ATS-Sx形)|ATS-S<small>N</small>]]のみ装備<br />500番台:ATS-P,ATS-S<small>N</small>
| 備考 =
| 備考 =
| 備考全幅 = {{ブルーリボン賞 (鉄道)|45|2002}}
| 備考全幅 =
}}
}}
'''E257系電車'''(E257けいでんしゃ)は、[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)の[[直流電化|直流]][[特急形車両|特急形]][[電車]]。
'''E257系電車'''(E257けいでんしゃ)は、[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)の[[直流電化|直流]][[特急形車両|特急形]][[電車]]。


== 概要 ==
== 概要 ==
JR東日本が[[日本国有鉄道]](国鉄)から引き継いだ直流用特急形電車([[国鉄183系電車|183系・189系]]や、波動輸送用に転用されていた直流用[[急行形車両|急行形電車]]([[国鉄165系電車|165系]])の置き換えのために[[2001年]]より投入した「新世代の特急形電車<ref name="rail fan200202">{{Cite journal|和書 |author = 吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー) |date = 2002-02-01 |title = 新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車 |journal = RAIL FAN |issue = 2 |volume = 49 |publisher = 鉄道友の会 |pages = 2-5 }}</ref>」である
[[日本国有鉄道]](国鉄)から引き継いだ[[国鉄183系電車|183系・189系]]や、波動輸送用に転用されていた直流用[[急行形車両|急行形電車]]([[国鉄165系電車|165系]])の置き換えのために[[2001年]]より投入した「新世代の特急形電車」である<ref name="rail fan200202">{{Cite journal|和書|author=吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)|date=2002-02-01|title=新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車|journal=RAIL FAN|issue=2|volume=49|publisher=鉄道友の会|pages=2-5}}</ref>。


最初に登場した0番台の開発コンセプトは「シンプルさの中のくつろぎ」であり、車体傾斜などによる速達性の向上よりは特急列車に求められる基本的な快適性の向上に主眼が置かれている<ref name=":0">{{Cite journal|author=東日本旅客鉄道(株)運輸車両部企画課車両開発プロジェクト|date=2001-08-01|title=E257系特急型直流電車|journal=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]|volume=Vol.41|issue=通巻484号|pages=pp129-136|publisher=[[交友社]]}}</ref>。
最初に登場した0番台の開発コンセプトは「シンプルさの中のくつろぎ」で、車体傾斜などによる速達性の向上よりは特急列車に求められる基本的な快適性の向上に主眼が置かれている<ref name=":0">{{Cite journal|author=東日本旅客鉄道(株)運輸車両部企画課車両開発プロジェクト|date=2001-08-01|title=E257系特急型直流電車|journal=[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]|volume=Vol.41|issue=通巻484号|pages=pp129-136|publisher=[[交友社]]}}</ref>。車両デザインは[[GKインダストリアルデザイン]]が担当した


JRが独自に設計・製造した特急形車両では初めて製造両数が200両を越え246両に達し、2011年4月1日時点では[[JR西日本683系電車]]に次ぐ製造数であり<ref>{{Cite book|和書|editor=ジェー・アー・アル |title=JR電編成表 2011夏 |year=2011 |publisher=交通新聞社|page=402|isbn=9784330212111}}</ref><ref>{{Cite book|和書|editor=ジェー・アール・アール |title=JR電車編成表 2011 |year=2011 |publisher=交通新聞社 |page=405 |isbn=9784330212111}}</ref>、2015年度に683系2000番台のほとんどが[[JR西日本683系電車#289系|289系]]への改造・2両の廃車が生じた後、2018年現在JRグループの特急型では単独の系列として最大のグループとなっている。車両デザインは[[GKインダストリアルデザイン]]が担当した
JRが独自に設計・製造した特急形車両として初めて製造両数が200両を越え、249両に達した。2022年4月1日現在では239両が残存し、JRループの特急型両では単独系列として最大数を誇る<ref>{{Cite book|和書|editor=ジェー・アール・アール|title=JR電車編成表 2022夏|year=2022|publisher=交通新聞社|page=407|isbn=9784330028224}}</ref>。


第45回([[2002年]][[鉄道友の会]][[ブルーリボン賞 (鉄道)|ブルーリボン賞]]受賞。
[[2002年]]に第45回[[鉄道友の会]][[ブルーリボン賞 (鉄道)|ブルーリボン賞]]受賞した<ref>『読売新聞』2002年6月14日朝刊山梨2面33頁「[短信]6月14日=山梨」(読売新聞東京本社)</ref>


== 構造 ==
== 構造 ==
稿では落成時点および共通部分を中心に記述し、各番台固有の構造については後述する。
では落成時点および共通部分を中心に記述し、各番台固有の構造は後述する。


=== 外観・車体 ===
=== 車体 ===
車体は[[JR東日本E653系電車|E653系]]や[[JR東日本E751系電車|E751系]]を基本とした[[アルミニウム合金|アルミ合金]]製[[ダブルスキン構造]]を採用している。0番台は[[大糸線]]での運転を、500番台は[[臨時列車]]での[[雪|降雪]]線区の運転<ref group="注">置き換え対象となった幕張車両センターの183・189系車両が、かつて冬場に[[上越線]]方面のスキー列車([[水上 (列車)|新雪]]や[[シュプール号]]など)に使われたことがあった。</ref> をそれぞれ考慮して耐寒耐雪構造としている。
車体は[[JR東日本E653系電車|E653系]]や[[JR東日本E751系電車|E751系]]を基本とした[[アルミニウム合金|アルミ合金]]製[[ダブルスキン構造]]を採用している。0番台は[[大糸線]]での運転を、500番台は[[臨時列車]]での[[雪|降雪]]線区の運転をそれぞれ考慮し<ref group="注">置き換え対象となった幕張車両センターの183・189系車両が、かつて冬場に[[上越線]]方面のスキー列車([[水上 (列車)|新雪]]や[[シュプール号]]など)に使われたことがあったため。</ref>耐寒耐雪構造としている。


前面形状は高運転台非貫通構造のE653系やE751系とは異なり、E231系に似た切妻に近い形となった。衝撃吸収構造を有する。0番台には非貫通構造貫通構造簡易構造があり、付属編成の簡易運転台を装備したクモハE257形0番台はワンタッチ[[幌]]装置備えられている。500番台は分割・併合運転を行うため先頭車は貫通構造のみで、クハE257形500番台にワンタッチ幌装置備えられている。
前面形状は高運転台非貫通構造のE653系やE751系とは異なり、[[E231系]]に似た切妻に近い形で、[[クラッシャブルゾーン|衝撃吸収構造]]となっている。0番台には非貫通構造貫通構造、貫通簡易構造の3種類があり、簡易運転台を装備した付属編成のクモハE257形0番台はワンタッチ[[幌]]装置備える。500番台は[[増解結|分割・併合]]運転を行うため先頭車は貫通構造のみで、クハE257形500番台にワンタッチ幌装置備える。


[[前照灯]]はシールドビームとプロジェクター式[[ディスチャージヘッドランプ]](HID)を併用している。また上部に補助灯も装備している。[[尾灯]]は[[発光ダイオード|LED]]式である
[[前照灯]]は[[ハロゲンランプ|ハロゲン]][[シールドビーム]](HSB)とプロジェクター式[[ディスチャージヘッドランプ]](HID)を併用し上部に補助灯も装備している。[[尾灯]]は[[発光ダイオード|LED]]式。


前面に[[発光ダイオード|LED]]式の[[方向幕|種別・愛称表示器]]を備えている。形状は非貫通構造の先頭車は横長、貫通先頭車ではほぼ正方形となる。側面[[方向幕|行先表示器]]もLED式である
前面にLED式の[[方向幕|種別・愛称表示器]]を備えている。形状は非貫通構造の先頭車は横長、貫通先頭車ではほぼ正方形となる。側面[[方向幕|行先表示器]]もLED式。


乗降用のドアはクハE257形は片側2か所、サロハE257形のみ中央寄り1か所で、それ以外は片側1か所設置されている。客室側窓は座席2列分<ref group="注">183系グレードアップ改造車より上下寸法を90mm拡大している。</ref>、E653系やE751系と共通である。[[窓ガラス]]は[[紫外線]]カット機能付きの[[複層ガラス]]である
乗降用のドアはクハE257形は片側2か所、そのほかは片側1か所であり、このうちサロハE257形のみ中央寄り設置されている。客室側窓は座席2列分<ref group="注">183系グレードアップ改造車より上下寸法を90[[ミリメートル]](mm)拡大している。</ref>、E653系やE751系と共通。[[窓ガラス]]は[[紫外線]]カット機能付きの[[複層ガラス]]。


低重心化のために[[エア・コンディショナー|空調装置]]はすべて床下に搭載し<ref name="rail fan200202" />、屋根上はパンタグラフ以外の重量物は搭載していないため、平坦である
低重心化のために[[エア・コンディショナー|空調装置]]はすべて床下に搭載し<ref name="rail fan200202" />、屋根上はパンタグラフ以外の重量物は搭載していない。


後に0番台の全編成と500番台ともに改良型のスカートの取り付けが実施されている<ref name="Hensei2015SM">交通新聞社「JR電車編成表2015夏」記事。</ref>。
後に0番台の全編成と500番台ともに改良型の[[排障器|スカート]]の取り付けが実施されている<ref name="Hensei2015SM">交通新聞社「JR電車編成表2015夏」記事。</ref>。


=== 走行装置・機器 ===
=== 車内 ===
普通車の[[鉄道車両の座席|座席]]は前後間隔(シートピッチ)960 mmの座面スライド機構付き[[リクライニングシート]]で、座席の回転は手動式である。座席背面にテーブル、カップホルダー、網ポケットのマガジンラックを装備する。[[車椅子スペース#鉄道|車椅子対応座席]]は車椅子からの移乗に配慮して通路側回転としている。
制御伝送システムには、[[JR東日本E231系電車|E231系]]で採用された[[TIMS]]を特急型車両としては初めて搭載している。


0番台には、基本編成の8号車であるサロハE257形の下り方の[[合造車|半室]]に[[グリーン車]](グリーン室)が設定されている。座席はシートピッチ1,160 mm・横4列配置のリクライニングシートで、[[フットレスト]]、可動式枕、座席背面にテーブルを装備する。E351系で設置されていたシートヒーターは装備されていない。
0番台の主回路は[[日立製作所]]製[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]]VVVFインバータ装置を搭載し、500番台はモハE257形1500番台が[[三菱電機]]製[[インテリジェントパワーモジュール|IPM]]を、モハE257形500番台が日立製作所製IGBT素子VVVFインバータ装置をそれぞれ搭載して、磁励音の低減が図られている。モハE257形0・100・500番台はインバータ装置2群を搭載してモハE256形と合わせて8台の[[電動機|主電動機]]を、クモハE257形・モハE257形1000・1500番台はインバータ装置1群を搭載して自車のみ4台の主電動機を制御する。主電動機は出力145kWの[[かご形三相誘導電動機]]MT72A形(0番台)・MT72B形(500番台)を搭載する。[[起動加速度]]は0番台・500番台とも2.0km/h/sとなっている<ref name="Saibane38"/><ref name="Technology229"/>。


車内は[[繊維強化プラスチック|FRP]]やカラーパネルシートを多用し、デッキ・客室間の自動[[貫通扉|仕切り扉]]はタッチスイッチ式を採用した。E351系にあった大型の荷物置き場は本系列では当初設置されなかった。
ブレーキシステムは[[回生ブレーキ|回生]]・[[発電ブレーキ|発電]][[遅れ込め制御|ブレンディングブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]]を装備する。付随車の基礎ブレーキ装置は[[ディスクブレーキ]]を装備する。TIMSによって適切なブレーキ力を与える。なお、発電ブレーキを搭載した理由は、列車密度の低い路線では[[回生失効]]の頻度が高く、空気ブレーキの動作するケースが多いことに基づく。発電ブレーキシステムにはブレーキ[[チョッパ制御|チョッパ]]を搭載しており、環境への配慮が図られている。


LED式[[車内案内表示装置|車内案内表示器]]を客室前後端部に備え、床材はゴム製のシートを挟んで振動を軽減している<ref name="rail fan2002022">{{Cite journal|和書|author=吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)|date=2002-02-01|title=新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=2|pages=2-5|publisher=鉄道友の会}}</ref>。[[照明]]はグリーン車・普通車ともに間接式である。
[[鉄道車両の台車|台車]]は[[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス]]式[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]・軸バネオイルダンパ付きで、車輪径は860mm。E653系やE751系と基本的には同じもの<ref name="rail fan200202" />(電動台車DT64系・付随台車TR249系)である。


トイレの処理方式は[[便器#腰掛大便器(洋式・洋風大便器)|洋式]]・男性用[[便器#小便器|小便器]]ともに真空式で臭気を軽減しており、サハE257形・モハE257形1500番台は車椅子に対応する。車椅子対応トイレは入口幅や室内寸法を拡大し、入口扉は押ボタン式の自動ドアとなっている。
[[集電装置|パンタグラフ]]は低断面トンネル対応のシングルアーム式PS36形(0番台)・PS37形(500番台)を採用する。PS36形とPS37形は取り付け互換性を有している。


[[活性炭]]方式の脱臭機能[[空気清浄機]]付き空調装置のエアダクトは荷物棚と一体化し、荷物棚の先端と下部から吹き出す<ref name="rail fan2002022">{{Cite journal|和書|author=吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)|date=2002-02-01|title=新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=2|pages=2-5|publisher=鉄道友の会}}</ref>。
[[警笛]]はAW2形空気笛とミュージックホーン・電子ホーンを併用する。


乗降用ドアは特急形で初めて徐々に強く閉まる方式を採用し、手を挟んだ場合の安全性を向上している。[[視覚障害者]]対応として開閉時に「ドアが開きます」「ドアが閉まります」といった警告音声が流れる。内側の塗装は0番台とその改造車が赤色、500番台とその改造車が白色である<ref group="注">651系以来、特急車両のドア内側は水色(651系)や青色(255系・E653系)など鮮やかに塗装されていたが、E257系500番台を境に以降の車両はすべて白色に統一されている。</ref>。
=== 車内 ===
普通車の[[鉄道車両の座席|座席]]は前後間隔(シートピッチ)960mmの座面スライド機構付き[[リクライニングシート]]である。座席の回転は手動式。座席背面にテーブル、カップホルダー、網ポケットのマガジンラックを装備する。車椅子対応座席は車椅子から移乗しやすいように座席は通路側回転としている。


運転台の[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]は左手操作のワンハンドル式を採用する。運転台は通常の[[TIMS]]用の[[鉄道車両のモニタ装置|モニタ]]のほか、運転時刻表のみを表示する小型モニタを併設する。[[JR東日本E217系電車|E217系]]やE231系近郊タイプに準じて[[踏切障害事故|踏切事故]]対策として前後の空間を広く確保する。貫通・非貫通構造車ともに運転席とデッキはガラスで仕切られ、デッキから前方の眺望が開ける。助士席部は運転席よりも若干低く造作され、児童らの踏み台として運転室背面にパイプを設置している<ref name="rail fan2002022">{{Cite journal|和書|author=吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)|date=2002-02-01|title=新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=2|pages=2-5|publisher=鉄道友の会}}</ref>。運転室の[[遮光幕|背面仕切カーテン]]は電動式だが助士席側小窓はカーテンが無く、夜間やトンネル内でもデッキから前方が見通せる。
0番台にはグリーン車(グリーン室)が設定され、座席はシートピッチ1,160mm・横4列配置のリクライニングシートで、フットレスト、可動式枕、座席背面にテーブルを装備する。E351系で設置されていたシートヒーターは装備されていない。0番台基本編成の8号車であるサロハE257形の下り方の半室が充てられる。


=== 主要機器 ===
車内は[[繊維強化プラスチック|FRP]]やカラーパネルシートを多用している。デッキ・客室間の仕切り扉はタッチスイッチ式となっている。E351系にあった大型の荷物置き場は本系列では設置されていない。
制御伝送システムは、[[JR東日本E231系電車|E231系]]で採用された[[TIMS]]を特急型車両として初めて搭載している。


0番台の主回路は[[日立製作所]]製[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]][[VVVFインバータ制御|VVVFインバータ装置]]を搭載し、500番台はモハE257形1500番台が[[三菱電機]]製[[インテリジェントパワーモジュール|IPM]]を、モハE257形500番台が日立製作所製IGBT素子VVVFインバータ装置をそれぞれ搭載して、[[磁励音]]の低減が図られている。モハE257形0・100・500番台はインバータ装置2群を搭載してモハE256形と合わせて8台の[[電動機|主電動機]]を、クモハE257形・モハE257形1000・1500番台はインバータ装置1群を搭載して自車のみ4台の主電動機を制御する。主電動機は出力145kWの[[かご形三相誘導電動機]]MT72A形(0番台)・MT72B形(500番台)を搭載する。[[起動加速度]]は0番台・500番台とも2.0km/h/sとなっている。
LED式[[車内案内表示装置|車内案内表示器]]を客室前後端部に備える。床材はゴム製のシートを挟むことで振動を軽減している<ref name="rail fan200202" />。[[照明]]はグリーン車・普通車ともに間接式である。


ブレーキシステムは[[回生ブレーキ|回生]]・[[発電ブレーキ|発電]][[遅れ込め制御|ブレンディングブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]]を装備する。TIMSによって適切なブレーキ力を与える。発電ブレーキの搭載は、列車密度の低い路線では[[回生失効]]の頻度が高く、空気ブレーキが動作するケースが多いことによる。発電ブレーキシステムにブレーキ[[チョッパ制御|チョッパ]]を搭載しており、環境への配慮が図られている。
トイレの処理方式は[[便器#腰掛大便器(洋式・洋風大便器)|洋式]]・男性用[[便器#小便器|小便器]]ともに真空式で臭気を軽減しており、前記したようにサハE257形・モハE257形1500番台は車椅子対応である。車椅子対応トイレは入口幅や室内寸法を拡大し、入口扉は押ボタン式の自動ドアとなっている。


[[鉄道車両の台車|台車]]は[[鉄道車両の台車史#%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%82%B9%E5%8F%B0%E8%BB%8A|ボルスタレス]]式[[蛇行動#%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%91|ヨーダンパ]]・軸バネ[[ショックアブソーバー#構造|オイルダンパ]]付きで、車輪径は860mm。E653系やE751系と基本的に同じもの<ref name="rail fan2002023">{{Cite journal|和書|author=吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)|date=2002-02-01|title=新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=2|pages=2-5|publisher=鉄道友の会}}</ref>(電動台車DT64系・付随台車TR249系)である。基礎ブレーキ装置は電動台車が[[踏面ブレーキ]](ユニットブレーキ)、付随台車がユニットブレーキと1軸1枚の[[ディスクブレーキ]]を装備する<ref name="Tetsushako200109">日本鉄道車輌工業会『車両技術』222号(2001年9月)「JR東日本 E257系特急形電車」p.35。</ref>。電動台車の重量(主電動機、駆動装置含む)は5,920 kg、付随台車の重量(中間台車)は4,610 kgである<ref name="Tetsushako200109"/>。
[[活性炭]]方式の脱臭機能[[空気清浄機]]付き空調装置のエアダクトは荷物棚と一体化しており、荷物棚の先端と下から吹き出す仕組みである<ref name="rail fan200202" />。


[[集電装置|パンタグラフ]]は低断面トンネル対応のシングルアーム式PS36形(0番台)・PS37形(500番台)を採用する。PS36形とPS37形は取り付け互換性を有している。
乗降用ドアは、徐々に強く閉まる方式を特急形で初めて採用し、手を挟んだ場合の安全性を向上している。また、[[視覚障害者]]対応として開閉時に女性の声で「ドアが開きます」「ドアが閉まります」とアナウンスするシステムを搭載する。


[[警笛]]はAW2形空気笛とミュージックホーン・電子ホーンを併用する。
運転台の[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]は左手操作のワンハンドル式を採用する。運転台には通常のTIMS用の[[鉄道車両のモニタ装置|モニタ]]のほか、運転時刻表のみを表示する小型モニタも併設されている。[[JR東日本E217系電車|E217系]]やE231系近郊タイプに準じて[[踏切障害事故|踏切事故]]対策として前後のスペースを広く確保したレイアウトとなっている。貫通・非貫通構造車ともに運転席とデッキはガラスで仕切られているため、デッキから前方の景色を楽しむことができる。それを考慮して、助士席部分の高さは運転席よりも若干低くしてある。また、子供でも景色を楽しむことができるように運転室背面に踏み台として使えるパイプを設置している<ref name="rail fan200202" />。運転室の[[遮光幕|背面仕切カーテン]]は電動式である。助士席側の小窓にはカーテンは設置されておらず、夜間・トンネル内でもデッキから前方が見通せる。

== 番台別概要 ==
0番台と500番台は新造車、2000番台は0番台からの改造車、2500番台は500番台からの改造車となっている。5000番台、5500番台については検証できるまで掲載しないこととする。よく「鉄道ニュース系サイトで5000番台が営業運転を開始したと報道された。検証できるではないか。」という声が発生するが、鉄道ニュース系サイトは信頼性に欠けており、また大抵のニュース系サイトは私設サイトである。時々デマが発生する。{{要出典範囲|date=2021年8月|現にサロンカーなにわの客車が廃車されたというデマが流れた。また、障害者を差別する鉄道ニュース系サイトもあるのである}}。Wikipediaでは検証可能性が重視されており、私設サイトを出典としない。信頼できる文献が見つかるまで5000番台、5500番台については掲載しないのである。<!--5000番台、5500番台については現状検証できないため、その記述を差し戻す場合があります。あと、本文に警告のような文は記述しないでください。 -->


== 番台別概説 ==
=== 0番台 ===
=== 0番台 ===
{{鉄道車両
[[File:JR East E257 series EMU 023.JPG|thumb|230px|特急「かいじ」<br />2017年6月5日]]
| 車両名 = 0番台
[[中央本線]]で使われていた[[国鉄183系電車|183・189系]]の老朽化による置き換えを目的として、[[日立製作所]]・[[近畿車輛]]・[[東急車輛製造]]の3社で製造された。[[2001年]](平成13年)[[12月1日]]の[[2001年以降のJRダイヤ改正|ダイヤ改正]]より基本・付属各3編成が中央本線の[[特別急行列車|特急]]「[[あずさ (列車)|あずさ]]」3往復で運用を開始、翌[[2002年]](平成14年)[[3月23日]]には基本編成5本が投入され新たに特急「[[かいじ (列車)|かいじ]]」5往復を<ref>{{Cite journal|和書 |date=2002-05-01|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=5|page=19|publisher=鉄道友の会}}</ref>、[[7月1日]]には基本編成5本、付属編成1本が投入され、残る4往復を<ref>{{Cite journal|和書 |date=2002年10月号|title=鉄道記録帳|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=10|page=22|publisher=鉄道友の会}}</ref>、そして12月1日のダイヤ改正で基本編成3本、付属編成1本が投入され、残った特急「あずさ」を置き換え、1年間で183系・189系を置き換えた<ref group="注">捻出された183系・189系の一部は団体・臨時用として使用されていた165系の置き換えに転用されている。</ref>。また、同年7月1日より[[はちおうじ・おうめ|「中央ライナー」「青梅ライナー」]]にも充当されるようになった。
| 背景色 = #79787d
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = JR East E257 series EMU 021.JPG
| 画像説明 = 0番台による特急「[[あずさ (列車)|かいじ]]」<br />(2017年5月)
| 運用者 =
| 製造所 =
| 製造年 = [[2001年]] - [[2002年]]
| 製造数 = 154両
| 投入先 = [[あずさ (列車)|あずさ・かいじ]]<br/>[[中央本線]]・[[篠ノ井線]]
| 運用開始 = [[2001年]][[12月1日]]
| 運用終了 = [[2019年]][[3月15日]](定期列車)<br />[[2021年]][[6月20日]](臨時列車)
| 編成 = 基本編成9両([[MT比|5M4T]])<br />付属編成2両(1M1T)
| 最高運転速度 = 130km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.0 km/h/s<ref name="Saibane38">日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第38回(2001年)「JR東日本E257系電車用主回路システム」論文番号504。</ref>
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 9両558名(普通車530名・グリーン車28名)<br />2両120名(全車普通車)
| 車両定員 =
| 自重 = 30.1 - 36.8 t
| 編成重量 = 9両 306.1 t<br />2両 70.9 t
| 台車 = 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)<br />DT64B(動力)・TR246B、TR249C、TR249D(付随)
| 主電動機 = かご形三相誘導電動機 MT72A形
| 主電動機出力 = 145 kW
| 編成出力 = 11両 145kW×24=3,480kW<br />9両 145kW×20=2,900kW
| 制御方式 =
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]、[[自動列車停止装置#ATS-Ps形(変周地上子組合せパターン型)|ATS-Ps]]<br />※クモハE257-0は[[自動列車停止装置#ATS-S改良形|ATS-S<small>N</small>]]のみ
| 備考 =
| 備考全幅 = {{ブルーリボン賞 (鉄道)|45|2002}}
}}
[[ファイル:Series-E257-M103.jpg|サムネイル|貫通型の前面]]
[[中央本線]]で使われていた183・189系の老朽化による置き換えを目的として、[[日立製作所]]・[[近畿車輛]]・[[東急車輛製造]]で製造された。[[2001年]](平成13年)[[12月1日]]の[[2001年以降のJRダイヤ改正|ダイヤ改正]]より基本・付属各3編成が中央本線の[[特別急行列車|特急]]「[[あずさ (列車)|あずさ]]」3往復で運用を開始、翌[[2002年]](平成14年)[[3月23日]]に基本編成5本が投入され新たに特急「かいじ」5往復を<ref>{{Cite journal|和書 |date=2002-05-01|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=5|page=19|publisher=鉄道友の会}}</ref>、[[7月1日]]に基本編成5本、付属編成1本が投入され、残る4往復を<ref>{{Cite journal|和書 |date=2002年10月号|title=鉄道記録帳|journal=RAIL FAN|volume=49|issue=10|page=22|publisher=鉄道友の会}}</ref>、12月1日のダイヤ改正で基本編成3本、付属編成1本が投入され、残った特急「あずさ」を置き換え、1年間で183系・189系を置き換えた<ref group="注">捻出された183系・189系の一部は団体・臨時用として使用されていた165系の置き換えに転用されている。</ref>。同年7月1日より[[はちおうじ・おうめ|「中央ライナー」「青梅ライナー」]]にも充当されるようになった。


2018年10月1日時点では、[[松本車両センター]]に基本編成9両編成16本(144両)と付属編成2両編成5本(10両)の計154両が在籍していた<ref name="JRR 2019w 101">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2019冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2018年、p.101。ISBN 9784330932187。</ref>。[[日本の鉄道車両検査|指定保全以上の検査]]は、[[長野総合車両センター]]が担当していた
2018年10月1日時点では、[[松本車両センター]]に基本編成9両編成16本(144両)と付属編成2両編成5本(10両)の計154両が在籍していた<ref name="JRR 2019w 101">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2019冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2018年、p.101。{{ISBN2|9784330932187}}。</ref>。


E353系の増備に伴い徐々に運用を減らしていき、2019年3月15日をもって中央本線の定期特急列車運用から離脱した。その後余剰となった編成は順次「[[踊り子 (列車)|踊り子]]」用2000番台へのリニューアル工事が行われ<ref>[http://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/180516-01.pdf 中央線特急列車「あずさ」「かいじ」E353系置き換えについて] - JR東日本長野支社 2018年5月16日</ref>、基本編成16本のうち13本(M105M107M111編成以外)が2000番台へ改造され、[[大宮総合車両センター東大宮センター]]へ移籍、そこで特急「踊り子」などで使用されていた[[国鉄185系電車|国鉄185系電車]]を置き換えた<ref name="JRR 2021s 59">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2021年、p.59。ISBN 9784330025216。</ref>(詳細は[[#2000番台・2500番台|後述]])。
[[JR東日本E353系電車|E353系]]の増備に伴い徐々に運用を減らし、2019年3月15日をもって中央本線の定期特急列車運用から離脱した。その後余剰となった編成は順次「[[踊り子 (列車)|踊り子]]」用2000番台へのリニューアル工事が施工され<ref>[https://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/180516-01.pdf 中央線特急列車「あずさ」「かいじ」E353系置き換えについて] - JR東日本長野支社 2018年5月16日</ref>、基本編成16本のうち13本<ref group="注"> M-105M-107M-111編成以外</ref>、[[大宮総合車両センター東大宮センター]]へ移籍[[国鉄185系電車|185系]]を置き換えた<ref name="JRR 2022s 58">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.58-59。{{ISBN2|9784330028224}}。</ref>(詳細は[[#2000番台・2500番台|後述]])。


2021年4月1日現在、基本編成9両編成3本(27両)が松本車両センターに配置されている<ref name="JRR 2021s 100">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2021年、p.100。ISBN 9784330025216。</ref>。付属編成2両編成5本(10両)に関しては、定期運用離脱後も長野総合車両センターにて留置されていたが、2020年6月15日付で本系列初の廃車となり<ref name="JRR 2021w 358">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2020年、p.358。ISBN 9784330082202。</ref>、同年9月までに全編成が解体された。
付属編成2両編成5本(10両)に関しては、定期運用離脱後も長野総合車両センターにて留置されていたが、2020年6月15日付で本系列初の廃車となり<ref name="JRR 2021w 358">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2020年、p.358。{{ISBN2|9784330082202}}。</ref>、同年9月までに全編成が解体された。いずれも基本編成のような改造・転用はなされなかった。

残った3編成は2000番台への改造や付属編成の廃車が行われた後も松本車両センターに残留していたが、2021年より順次波動用5000番台へ改造され、M-111編成の改造を最後に本番台は消滅した<ref name="DJ4541" />。


==== 構成 ====
==== 構成 ====
118行目: 148行目:


==== 外観 ====
==== 外観 ====
「ふるさとのぬくもり」「めぐりゆくふるさとの四季」をデザインコンセプトとしていた<ref name=":0" />。外観はアルプスの山々や林檎の花をイメージさせる白を基調としており、車体側面に四季の彩りを表す、[[家紋|武田菱]]を模した大きな菱形模様が描かれた<ref name="rail fan200202" />。菱形模様は桃色{{Color|#FF67A0|■}}(春の花)、碧色{{Color|#00B7A1|■}}(夏の木の葉)、黄色{{Color|#FCD703|■}}(秋の紅葉)、青紫{{Color|#4C9DCA|■}}(冬の山々)、銀色{{Color|#79787D|■}}(八ヶ岳やアルプスの嶺)からなり、その配色は似ているものもあが号車ごとに異なってい(左右のサイドでは向きが逆転しているので8号車を除き全て東京新宿側傾いてい)。客用ドア横の号車番号表示は沿線の風物の[[イラストレーション|イラスト]]が号車ごとに描かれてい
「ふるさとのぬくもり」「めぐりゆくふるさとの四季」をデザインコンセプトとしていた<ref name=":0" />。外観はアルプスの山々や林檎の花をイメージさせる白を基調としており、車体側面に四季の彩りを表す、[[家紋|武田菱]]を模した大きな菱形模様が描かれた<ref name="rail fan200202" />。菱形模様は桃色{{Color|#FF67A0|■}}(春の花)、碧色{{Color|#00B7A1|■}}(夏の木の葉)、黄色{{Color|#FCD703|■}}(秋の紅葉)、青紫{{Color|#4C9DCA|■}}(冬の山々)、銀色{{Color|#79787D|■}}(八ヶ岳やアルプスの嶺)からなり、その配色は似ているものもあった号車ごとに異なってい(左右のサイドでは向きが逆転しているため、8号車を除き全て東京新宿側傾いてい)。客用ドア横の号車番号表示は沿線の風物の[[イラストレーション|イラスト]]が号車ごとに描かれてい
<gallery caption="各車両のロゴマーク" perrow="6">

E257logo01.jpg|1号車<br />[[新宿]]の[[超高層ビル|高層ビル]]
<gallery caption="各車両のロゴマーク、ブロックパターン" perrow="6">
File:E257logo01.jpg|thumb|1号車ロゴ<br>[[新宿]]の[[超高層ビル|高層ビル]]
E257logo02.jpg|2号車<br />[[高尾山]]の[[紅葉]]
E257logo03.jpg|3号車<br />[[富士山]]
File:E257block01.jpg|thumb|E257系1号車ブロックパターン
File:E257logo02.jpg|thumb|2号車ロゴ<br>[[高尾山]]の[[紅葉]]
E257logo04.jpg|4号車<br />[[甲州市]]の[[ブドウ|ぶどう]]
E257logo05.jpg|5号車<br />[[甲府市]]の[[モモ|桃]]
File:E257block02.jpg|thumb|E257系2号車ブロックパターン
File:E257logo03.jpg|thumb|3号車ロゴ<br>[[富士山]]
E257logo06.jpg|6号車<br />[[諏訪湖祭湖上花火大会]]
E257logo07.jpg|7号車<br/>車椅子対応
File:E257block03.jpg|thumb|E257系3号車ブロックパターン
File:E257logo04.jpg|thumb|4号車ロゴ<br>[[甲州市]]の[[ブドウ|ぶどう]]
E257logo08.jpg|8号車<br />[[松本城]]
File:E257block04.jpg|thumb|E257系4号車ブロックパターン
E257logo08g.jpg|8号車<br />グリーン
File:E257logo05.jpg|thumb|5号車ロゴ<br>[[甲府市]]の[[モモ|]]
E257logo09.jpg|9号車<br />[[信濃国|信州]]の[[リンゴ|りんご]]
E257logo10.jpg|10号車<br />[[道祖神]]
File:E257block05.jpg|thumb|E257系5号車ブロックパターン
File:E257logo06.jpg|thumb|6号車ロゴ<br>[[諏訪湖祭湖上花火大会]]
E257logo11.jpg|11号車<br />[[白馬村]]の[[スキー場]]
</gallery>
File:E257block06.jpg|thumb|E257系6号車ブロックパターン
<gallery caption="各車両のブロックパターン" perrow="6">
File:E257logo07.jpg|thumb|7号車ロゴ<br>イラスト無し車椅子対応
E257block01.jpg|1号車
File:E257block07.jpg|thumb|E257系7号車ブロックパターン
E257block02.jpg|2号車
File:E257logo08.jpg|thumb|8号車ロゴ<br>[[松本城]]
E257block03.jpg|3号車
File:E257logo08g.jpg|thumb|8号車グリーン車ロゴ
E257block04.jpg|4号車
File:E257logo08d.jpg|thumb|8号車松本城グリーン車ロゴ
E257block05.jpg|5号車
File:E257block08.jpg|thumb|E257系8号車ブロックパターン
E257block06.jpg|6号車
File:E257logo09.jpg|thumb|9号車ロゴ<br>[[信濃国|信州]]の[[リンゴ|りんご]]
E257block07.jpg|7号車
File:E257block09.jpg|thumb|E257系9号車ブロックパターン
E257block08.jpg|8号車
File:E257logo10.jpg|thumb|10号車ロゴ<br>[[道祖神]]
E257block09.jpg|9号車
File:E257block10.jpg|thumb|E257系10号車ブロックパターン
E257block10.jpg|10号車
File:E257logo11.jpg|thumb|11号車ロゴ<br>[[白馬村]]の[[スキー場]]
File:E257block11.jpg|thumb|E257系11号車ブロックパターン
E257block11.jpg|11号車
</gallery>
</gallery>


150行目: 180行目:
室内においてもデザインコンセプトに基づき、普通席・グリーン席共に座席の柄に武田菱を模したひし形のパターンが用いられていた。
室内においてもデザインコンセプトに基づき、普通席・グリーン席共に座席の柄に武田菱を模したひし形のパターンが用いられていた。


普通車は明るく軽快なイメージで「カジュアルで楽しい雰囲気」を指向していた。荷棚上の小天井部は奇数号車がピンク、偶数号車がエメラルドグリーンとされた<ref name=":0" />。
普通車は明るく軽快なイメージで「カジュアルで楽しい雰囲気」を指向していた。荷棚上の小天井部は奇数号車がピンク、偶数号車がエメラルドグリーンとされた<ref name=":0" />。


グリーン車は木目調の内装材や、カーペットを用いることで、落ち着いた雰囲気が指向されていた<ref name=":0" />。
グリーン車は木目調の内装材や、カーペットを用いることで、落ち着いた雰囲気が指向されていた<ref name=":0" />。


モハE257形100番台(9号車)の新宿方車端部に喫煙用フリースペースを設けていた<ref name="rail fan200202" />、JR東日本の特急列車完全禁煙化により、[[2007年]][[3月18日]]からは禁煙のフリースペースとして開放されていた。{{-}}<gallery>
モハE257形100番台(9号車)の新宿方車端部に喫煙用フリースペースを設けていた<ref name="rail fan200202" />、JR東日本の特急列車完全禁煙化により、[[2007年]][[3月18日]]からは禁煙のフリースペースとして開放されていた。
<gallery>
File:JRE E257 type0 nomalcar inside1.jpg|普通車車内(0番台車両 1号車)
JRE E257 type0 nomalcar inside1.jpg|普通車車内(1号車)
File:JRE E257 type0 nomalcar inside2.jpg|普通車車内(0番台車両 8号車)
JRE E257 type0 nomalcar inside2.jpg|普通車車内(8号車)
File:JREaste-SeriesE257-0NormalSeat.JPG|普通車座席
JREaste-SeriesE257-0NormalSeat.JPG|普通車座席
File:JRE E257 type0 greencar inside.jpg|グリーン車車内(0番台車両)
JRE E257 type0 greencar inside.jpg|グリーン車車内
File:JREaste-SeriesE257-0GreenCarSeat.JPG|グリーン車座席
JREaste-SeriesE257-0GreenCarSeat.JPG|グリーン車座席
File:E257_Green_Car_Table.jpg|グリーン車テーブル
E257_Green_Car_Table.jpg|グリーン車テーブル
File:E257-freespace.jpg|モハE257形100番台(9号車)新宿方車端に設置しているフリースペース<ref group="注">[[2007年]][[3月17日]]までは喫煙スペースとして使用。</ref>
E257-freespace.jpg|alt=モハE257形100番台(9号車)新宿方車端に設置しているフリースペース|フリースペース<ref group="注">[[2007年]][[3月17日]]までは喫煙スペースとして使用。</ref>
</gallery>
</gallery>


==== 形式 ====
==== 形式(0番台) ====
===== 基本編成(M101 - M116編成) =====
===== 基本編成(M101 - M116編成) =====
; クハE256形(1 - 16)
; クハE256形(1 - 16)
: '''基本編成の11号車'''に連結。CPを搭載する非貫通型制御車。定員64名。号車表示のイラストは「[[白馬村]]の[[スキー場]]」。
: '''基本編成の11号車'''に連結。CPを搭載する非貫通型制御車。定員64名。号車表示のイラストは「[[白馬村]]の[[スキー場]]」。
; クハE257形100番台(101 - 116)
; クハE257形100番台(101 - 116)
: '''基本編成の3号車'''に連結。CPを搭載する貫通型制御車。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備え。号車表示のイラストは「[[富士山]]」。
: '''基本編成の3号車'''に連結。CPを搭載する貫通型制御車。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備えていた。号車表示のイラストは「[[富士山]]」。
<gallery widths="200" heights="180px">
KuhaE256-16.JPG|クハE256-16<br />[[河辺駅]]
E257kantsu.JPG|クハE257形100番台<br />[[三鷹駅]]
</gallery>

; モハE256形(1 - 16)
; モハE256形(1 - 16)
: '''基本編成の5号車'''に連結。補助電源用210kVA[[静止形インバータ]](SIV)を搭載する中間電動車。定員64名。松本方車端部に[[列車便所|トイレ]]、[[洗面器#洗面台・洗面所|洗面所]]、[[テレホンカード|カード]]式[[公衆電話]]、[[清涼飲料水]]の[[自動販売機]]を備え<ref group="注">自動販売機は2008年4月1日から使用停止となっている。</ref>。モハE257形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[甲府市]]の[[モモ|桃]]」。
: '''基本編成の5号車'''に連結。補助電源用210kVA[[静止形インバータ]](SIV)を搭載する中間電動車。定員64名。松本方車端部に[[列車便所|トイレ]]、[[洗面器#取付用洗面|洗面所]]、[[テレホンカード|カード]]式[[公衆電話]]、[[清涼飲料水]]の[[自動販売機]]を備えていた。<ref group="注">自動販売機は2008年4月1日から使用停止となっている。</ref>。モハE257形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[甲府市]]の[[モモ|桃]]」。
; モハE257形(1 - 16)
; モハE257形(1 - 16)
: '''基本編成の4号車'''に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[甲州市]]の[[ブドウ|ぶどう]]」。
: '''基本編成の4号車'''に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[甲州市]]の[[ブドウ|ぶどう]]」。
<gallery widths="200" heights="180px">
MohaE256-16.JPG|モハE256-16
MohaE257-16.JPG|モハE257-16
</gallery>

; モハE256形100番台(101 - 116)
; モハE256形100番台(101 - 116)
: '''基本編成の10号車'''に連結。基本的にモハE256形0番台と同様。モハE257形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[道祖神]]」。
: '''基本編成の10号車'''に連結。基本的にモハE256形0番台と同様。モハE257形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[道祖神]]」。
; モハE257形100番台(101 - 116)
; モハE257形100番台(101 - 116)
: '''基本編成の9号車'''に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員64名。[[新宿駅|新宿]]方にフリースペースを備え。モハE256形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[信濃国|信州]]の[[リンゴ|りんご]]」。
: '''基本編成の9号車'''に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員64名。[[新宿駅|新宿]]方にフリースペースを備えていた。モハE256形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「[[信濃国|信州]]の[[リンゴ|りんご]]」。
<gallery widths="200" heights="180px">
JREastMohaE256-116.JPG|モハE256-116
MohaE257-116.JPG|モハE257-116<br />河辺駅
</gallery>

; モハE257形1000番台(1001 - 1016)
; モハE257形1000番台(1001 - 1016)
: '''基本編成の6号車'''に連結。基本的にモハE257形0番台と同様。本形式とクモハE257形は1C4M方式の単独電動車であ。号車表示のイラストは「[[諏訪湖祭湖上花火大会]]」。
: '''基本編成の6号車'''に連結。基本的にモハE257形0番台と同様。本形式とクモハE257形は1C4M方式の単独電動車であった。号車表示のイラストは「[[諏訪湖祭湖上花火大会]]」。
;サハE257形(1 - 16)
;サハE257形(1 - 16)
: '''基本編成の7号車'''に連結。CPを搭載する[[付随車]]。定員54名。出入台側に[[車椅子]]対応座席2席と松本方車端部に車椅子対応トイレと洗面所、[[車内販売|車販準備室]]、多目的室を備え。号車表示のイラストはなく、その部分に車椅子マークを表示してい
: '''基本編成の7号車'''に連結。CPを搭載する[[付随車]]。定員54名。出入台側に[[車椅子]]対応座席2席と松本方車端部に車椅子対応トイレと洗面所、[[車内販売|車販準備室]]、多目的室を備えていた。号車表示のイラストはなく、その部分に車椅子マークを表示してい
; サロハE257形(1 - 16)
; サロハE257形(1 - 16)
: '''基本編成の8号車'''に連結。グリーン車・普通車合造の付随車で、定員はグリーン室28名・普通室24名。出入台に車掌室と業務用室、松本方車端部にトイレと洗面所を備え。号車表示ステッカーは2箇所あり、東京寄り(普通車側)のイラストは「[[松本城]]」、松本寄り(グリーン車側)はイラストの代わりにグリーン車マーク表示されてい
: '''基本編成の8号車'''に連結。グリーン車・普通車合造の付随車で、定員はグリーン室28名・普通室24名。出入台に車掌室と業務用室、松本方車端部にトイレと洗面所を備えていた。号車表示ステッカーは2箇所あり、東京寄り(普通車側)のイラストは「[[松本城]]」、松本寄り(グリーン車側)はイラストの代わりにグリーン車マーク表示されてい
<gallery widths="200" heights="180px">
<gallery>
MohaE257-1016.JPG|E257-1016
KuhaE256-16.JPG|E256形0番台
SahaE257-16.JPG|ハE257-16
E257kantsu.JPG|ハE257形100番台
SarohaE257-16.JPG|サロE257-16
MohaE256-16.JPG|E256形0番台
MohaE257-16.JPG|モハE257形0番台
JREastMohaE256-116.JPG|モハE256形100番台
MohaE257-116.JPG|モハE257形100番台
MohaE257-1016.JPG|モハE257形1000番台
SahaE257-16.JPG|サハE257形0番台
SarohaE257-16.JPG|サロハE257形0番台
</gallery>
</gallery>


===== 付属編成(M201 - M205編成) =====
===== 付属編成(M201 - M205編成) =====
; クハE257形(1 - 5)
; クハE257形(1 - 5)
: '''付属編成の1号車'''に連結。補助電源用110kVA SIVとスクリュー式[[圧縮機|電動空気圧縮機]](CP)を搭載する非貫通型[[制御車]]。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備え。号車表示のイラストは「[[新宿]]の[[超高層ビル|高層ビル]]」。
: '''付属編成の1号車'''に連結。補助電源用110kVA SIVとスクリュー式[[圧縮機|電動空気圧縮機]](CP)を搭載する非貫通型[[制御車]]。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備えていた。号車表示のイラストは「[[新宿]]の[[超高層ビル|高層ビル]]」。
; クモハE257形(1 - 5)
; クモハE257形(1 - 5)
: '''付属編成の2号車'''に連結。[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]装置と[[集電装置|パンタグラフ]]を搭載する[[制御車|制御]][[動力車|電動車]]。[[定員]]68名。[[松本駅|松本]]方に簡易[[操縦席|運転台]]を備え<ref name="rail fan200202"/>。また連結時のワンタッチ幌装置を備えてい。長距離の運転は想定していなが、スイッチと計器類は本設運転台とほぼ同じものが取り付けられ、電気笛を搭載してい。号車表示のイラストは「[[高尾山]]の[[紅葉]]」。
: '''付属編成の2号車'''に連結。[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]装置と[[集電装置|パンタグラフ]]を搭載する[[制御車|制御]][[動力車|電動車]]。[[定員]]68名。[[松本駅|松本]]方に簡易[[操縦席|運転台]]を備え<ref name="rail fan200202"/>連結時のワンタッチ幌装置を備えてい簡易運転台は[[鉄道駅|駅]]や[[車両基地]]での[[増解結]]用で長距離の運転は想定していなかったが、スイッチと計器類は本設運転台とほぼ同じものが取り付けられ、[[警笛|電気笛]]を搭載してい。号車表示のイラストは「[[高尾山]]の[[紅葉]]」。
<gallery widths="200" heights="180px">
<gallery>
KuhaE257-4.jpg|クハE257-4<br />[[三鷹駅]]
KuhaE257-4.jpg|クハE257形0番台
KumohaE257-4.jpg|クモハ257-4
KumohaE257-4.jpg|クモハE257形0番台
E257 Coupling of JR East.JPG|付属編成と基本編成の連結部。左側がクモハE257形。<br />[[2006年]][[8月14日]] [[甲府駅]]
E257 Coupling of JR East.JPG|付属編成と基本編成の連結部。左側がクモハE257形。
SeriesE257-M204.png|クモハE257形の簡易運転台側
</gallery>
</gallery>
{{-}}


===== 編成 =====
==== 編成(0番台) ====
{|class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
{|class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
|-
|-
|rowspan="2" style="background-color:#00B7A1;"|&nbsp;
|rowspan="2" |
| colspan="11" style="text-align:left;" |{{TrainDirection|甲府・松本・南小谷|新宿・東京・千葉}}
| colspan="11" style="text-align:left;" |{{TrainDirection|南小谷・松本・甲府|新宿・東京・千葉}}
|-
|-
|colspan="9"|基本編成
|colspan="9"|基本編成
| colspan="2" |付属編成
| colspan="2" |付属編成
|-
|-
!号車
!style="background-color:#FCD703;"|号車
|11||10||9|| style="background-color:#cf9;" |8||7||6||5||4|| style="border-right:solid 3px #666;" |3||2
|11||10||9<|| style="background-color:#cf9;" |8||7||6<||5||4<||style="border-right:solid 3px #666;" |3||2<||1
||1
|-
|-
!形式
!style="background-color:#FF67A0;"|形式
|クハ<br />E256<br />-0
|クハ<br />E256<br />-0
|モハ<br />E256<br />-100
|モハ<br />E256<br />-100
244行目: 265行目:
|}
|}


==== 編成一覧表 ====
==== 編成表(0番台) ====
<!--M-111編成の改造につきましては、信頼できる情報源による掲載が行われるまで記載を控えていただきますようお願い致します。-->
{| class="wikitable"
{| class="wikitable" style="font-size:80%"
|-
|-
!<small>基本編成名</small>
!基本編成名
!<small>付属編成名</small>
!付属編成名
!<small>落成日</small>
!落成日
!<small>製造会社</small>
!製造会社
!改造後編成名
!<small>2000番台化改造</small>
!<small>備考</small>
!備考
|-
|-
!<small>M-101</small>
!M-101
!<small>M-201</small>
!M-201
|<small>2001年5月29日</small>
|2001年5月29日
|<small>日立製作所</small>
|日立製作所
|<small>NA-01</small>
|NA-01
|2020年6月15日 付属編成廃車
|
|-
|-
!<small>M-102</small>
!M-102
!<small>M-202</small>
!M-202
|<small>2001年6月6日</small>
|2001年6月6日
|<small>近畿車輛</small>
|近畿車輛
|<small>NA-02</small>
|NA-02
|2020年6月15日 付属編成廃車
|
|-
|-
!<small>M-103</small>
!M-103
!<small>M-203</small>
!M-203
|<small>2001年6月22日</small>
|2001年6月22日
|<small>東急車輛</small>
|東急車輛
|<small>NA-03</small>
|NA-03
|2020年6月15日 付属編成廃車
|
|-
|-
!<small>M-104</small>
!M-104
!<small></small>
!-
|<small>2001年12月5日</small>
|2001年12月5日
|<small>日立製作所</small>
|日立製作所
|<small>NA-04</small>
|NA-04
|
|
|-
|-
!<small>M-105</small>
!M-105
!<small></small>
!-
|<small>2002年1月10日</small>
|2002年1月10日
|<small>日立製作所</small>
|日立製作所
|OM-91
|
|
|
|-
|-
!<small>M-106</small>
!M-106
!<small></small>
!-
|<small>2001年12月26日</small>
|2001年12月26日
|<small>近畿車輛</small>
|近畿車輛
|<small>NA-05</small>
|NA-05
|
|
|-
|-
!<small>M-107</small>
!M-107
!<small></small>
!-
|<small>2001年12月7日</small>
|2001年12月7日
|<small>東急車輛</small>
|東急車輛
|OM-92
|
|
|
|-
|-
!<small>M-108</small>
!M-108
!<small></small>
!-
|<small>2002年2月6日</small>
|2002年2月6日
|<small>近畿車輛</small>
|近畿車輛
|<small>NA-06</small>
|NA-06
|
|
|-
|-
!<small>M-109</small>
!M-109
!<small>M-204</small>
!M-204
|<small>2002年4月8日</small>
|2002年4月8日
|<small>日立製作所</small>
|日立製作所
|<small>NA-07</small>
|NA-07
|2020年6月15日 付属編成廃車
|
|-
|-
!<small>M-110</small>
!M-110
!<small></small>
!-
|<small>2002年4月9日</small>
|2002年4月9日
|<small>東急車輛</small>
|東急車輛
|<small>NA-08</small>
|NA-08
|
|
|-
|-
!<small>M-111</small>
!M-111
!<small></small>
!-
|<small>2002年5月10日</small>
|2002年5月10日
|<small>東急車輛</small>
|東急車輛
|OM-93
|
|
|
|-
|-
!<small>M-112</small>
!M-112
!<small></small>
!-
|<small>2002年5月30日</small>
|2002年5月30日
|<small>日立製作所</small>
|日立製作所
|<small>NA-09</small>
|NA-09
|
|
|-
|-
!<small>M-113</small>
!M-113
!<small></small>
!-
|<small>2002年6月10日</small>
|2002年6月10日
|<small>東急車輛</small>
|東急車輛
|<small>NA-10</small>
|NA-10
|
|
|-
|-
!<small>M-114</small>
!M-114
!<small>M-205</small>
!M-205
|<small>2002年7月18日</small>
|2002年7月18日
|<small>日立製作所</small>
|日立製作所
|<small>NA-11</small>
|NA-11
|2020年6月15日 付属編成廃車
|
|-
|-
!<small>M-115</small>
!M-115
!<small></small>
!-
|<small>2002年8月7日</small>
|2002年8月7日
|<small>近畿車輛</small>
|近畿車輛
|<small>NA-12</small>
|NA-12
|
|
|-
|-
!<small>M-116</small>
!M-116
!<small></small>
!-
|<small>2002年9月4日</small>
|2002年9月4日
|<small>近畿車輛</small>
|近畿車輛
|<small>NA-13</small>
|NA-13
|
|
|}
|}
* 前述のとおり、付属編成は新宿・東京方に連結され。号車番号は付属編成が1・2号車、基本編成が3 - 11号車となっていた。基本編成のみの9両編成で運転する場合でも号車番号の表示は変更されず、3 - 11号車の9両による運転として案内・表示されていた。
* 前述のとおり、付属編成は新宿・東京方に連結されていた。号車番号は付属編成が1・2号車、基本編成が3 - 11号車となっていた。基本編成のみの9両編成で運転する場合でも号車番号の表示は変更されず、3 - 11号車の9両による運転として案内・表示されていた。


=== 500番台 ===
=== 500番台 ===
{{鉄道車両
[[ファイル:Series-E257-500-NB18.jpg|230px|thumb|特急「[[わかしお (列車)|わかしお]]」に運用される500番台<br>(2021年3月 [[新習志野駅]])]]
| 車両名 = 500番台
[[File:Series E257-500 NB-10 Red Stripe in Musashi-Koganei Station 01.jpg|thumb|230px|NB-10編成(2021年)<br/>アクセントカラーは赤]]
| 背景色 = #ffe900
[[ファイル:E257 NB-11 2020.jpg|サムネイル|230x230ピクセル|NB-11編成(2020年)<br/>アクセントカラーはグレー]]
| 文字色 = #000000
[[ファイル:クハE257-512.jpg|サムネイル|230x230ピクセル|NB-12編成(2020年)<br/>アクセントカラーは緑]]
| 画像 = Series-E257-500-NB18.jpg
| 画像説明 = 500番台による特急「[[わかしお (列車)|わかしお]]」<br />(2021年3月 [[新習志野駅]])
| 運用者 =
| 製造所 =
| 製造年 = [[2004年]] - [[2005年]]
| 製造数 = 95両(5両編成19本)
| 投入先 = [[さざなみ (列車)|さざなみ]]<br />[[しおさい (列車)|しおさい]]<br />[[あやめ (列車)|あやめ]]<br />[[わかしお (列車)|わかしお]]
| 運用開始 = [[2004年]][[10月16日]]
| 編成 = 5両([[MT比|3M2T]])
| 最高運転速度 = 130km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.0 km/h/s<ref name="Technology229">日本鉄道車両工業会「車両技術」229号「JR東日本 E257系500代特急形直流電車の概要」記事。</ref>
| 常用減速度 = 5.2 km/h/s<ref name="Technology229"/>
| 非常減速度 = 5.2 km/h/s<ref name="Technology229"/>
| 編成定員 = 5両 306名(全車普通車)
| 車両定員 =
| 自重 = 34.2 - 37.6 t
| 編成重量 = 5両 180.6 t
| 台車 = 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)<br />DT64B(動力)・TR246D、TR249E(付随)
| 主電動機 = かご形三相誘導電動機 MT72B形
| 主電動機出力 = 145 kW
| 編成出力 = 5両 145kW×12=1,740kW
| 制御方式 =
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 = ATS-P、ATS-S<small>N</small>
| 備考 = 出典<ref>交友社『鉄道ファン』2004年10月号新車ガイド「JR東日本 E257系500番台」p.101。</ref>
}}
房総地区の特急列車に運用されていた183系・189系の老朽化による置き換えを目的として製造された。幕張電車区(現:[[幕張車両センター]])に配置され、[[2004年]][[10月16日]]のダイヤ改正から営業運転を開始した。「'''Boso Express'''」の[[車両愛称|愛称]]がある。[[#0番台|0番台]]と同様に日立製作所・近畿車輛・東急車輛製造で製造された。


車両の構造は0番台を基本としているが、一部の車内設備と搭載機器に相違があるために[[鉄道の車両番号|車両番号]]を500番台として区分している。MT比は地下トンネル内の勾配区間の走行を考慮して3M2Tとしている。分割・併合での運転を考慮して、東京方および[[銚子駅|銚子]]・[[安房鴨川駅|安房鴨川]]方の先頭車の双方とも前面[[貫通扉|貫通構造]]を採用している。
房総地区各線の特急列車に運用されていた183系・189系の老朽化による置き換えを目的として、幕張電車区(現・[[幕張車両センター]])に配置され、[[2004年]][[10月16日]]のダイヤ改正から営業運転を開始した。「'''Boso Express'''」の[[車両愛称|愛称]]がある。[[#0番台|0番台]]と同様に日立製作所・近畿車輛・東急車輛製造の3社で製造された。


車内は普通車のみの5両編成で、グリーン車は連結されていない。インテリアは座席の柄が青を基調としたものとなっている。
車両の構造は0番台を基本としているが、一部の車内設備と搭載機器に相違があるために[[鉄道の車両番号|車両番号]]を'''500番台'''として区分している。MT比は地下トンネル内の勾配区間の走行を考慮して3M2Tとしている。分割・併合での運転を考慮して、東京方および[[銚子駅|銚子]]・[[安房鴨川駅|安房鴨川]]方の先頭車の双方とも前面[[貫通扉|貫通構造]]を採用している。


0番台とは異なり、[[純電気ブレーキ]]は採用されていない。
車内は普通車のみの5両編成であり、グリーン車は連結されていない。また、インテリアも座席の柄が青を基調としたものとなっている。


車体色は、[[JR東日本255系電車|255系]]と同様に房総特急のイメージカラーである[[白|ホワイト]]□([[夏]]の[[海|ビーチ]])をベースに、側[[窓]]下に[[青|ブルー]]{{Color|#0100ff|■}}(深みのある[[太平洋]])・客用ドアと正面に[[黄色|イエロー]]{{Color|#ffe900|■}}(明るい陽光と房総に咲く[[アブラナ|菜の花]])を基調にデザインされている。客用扉横に「boso」の「b」と、[[幕張新都心]]の直線的で近代的な建築物を模したデザインの[[ロゴタイプ|ロゴマーク]]が配置されている。
0番台とはVVVFインバータ装置の差異から[[磁励音]]が異なるが、[[純電気ブレーキ]](全電気ブレーキ)は採用していない。

車体色は、[[JR東日本255系電車|255系]]と同様の房総特急のイメージカラーである[[白|ホワイト]]□([[夏]]の[[海|ビーチ]])をベースに、側[[窓]]下に[[青|ブルー]]{{Color|#2A32FF|■}}(深みのある[[太平洋]])・客用ドアと正面に[[黄色|イエロー]]{{Color|#FFCC00|■}}(明るい陽光と房総に咲く[[アブラナ|菜の花]])を基調にデザインされている。また、客用扉横に「boso」の'''「b」'''と、[[幕張新都心]]の直線的で近代的な建築物を模したデザインの[[ロゴタイプ|ロゴマーク]]が配置されている。


2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正より「[[さざなみ (列車)|さざなみ]]」「[[わかしお (列車)|わかしお]]」に投入され、さらに翌[[2005年]](平成17年)[[12月10日]]のダイヤ改正からは「[[しおさい (列車)|しおさい]]」「[[あやめ (列車)|あやめ]]」にも投入され、房総地区で運用されていた183系・189系をすべて置き換えた。
2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正より「[[さざなみ (列車)|さざなみ]]」「[[わかしお (列車)|わかしお]]」に投入され、さらに翌[[2005年]](平成17年)[[12月10日]]のダイヤ改正からは「[[しおさい (列車)|しおさい]]」「[[あやめ (列車)|あやめ]]」にも投入され、房総地区で運用されていた183系・189系をすべて置き換えた。


2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正で千葉、房総地区の特急列車が削減された<ref name="Fan2015-5">交友社「鉄道ファン」2015年5月号「平成27年3月14日ダイヤ改正にともなうJR東日本車両の動き」記事。</ref>ことに伴い、9編成(45両)の余剰車が発生している<ref name="Fan2015-5" />。余剰車のうち2編成はホームライナーに使用され、3編成は富士急線直通列車に使用されることになり、後者は幕張車両センター所属のまま豊田車両センター常駐となった。豊田車両センター常駐の3編成は車体デザインが小変更され、側窓周りに黒塗装が追加されたほか、客用扉横と正面のロゴが「SERIES E257」に変更され、NB-10編成が赤、NB-11編成がグレー、NB-12編成が緑のアクセントカラーがそれぞれ入れられている
2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正で千葉、房総地区の特急列車が削減されたことに伴い<ref name="Fan2015-5">交友社「鉄道ファン」2015年5月号「平成27年3月14日ダイヤ改正にともなうJR東日本車両の動き」記事。</ref>、9編成(45両)の余剰車が発生し<ref name="Fan2015-5" />。余剰車のうち2編成はホームライナーに使用され、3編成は富士急線直通列車に使用されることになり、後者は幕張車両センター所属のまま豊田車両センター常駐となった。
残りの4編成については、今後の活用は未定とされた<ref name="Fan2015-5" />。しかし2019年3月16日のダイヤ改正で「ホームライナー千葉」が廃止されたため、同列車に使われていた2編成が余剰となり、余剰車は計6編成となった。このうち4編成は「踊り子」「湘南」へ転用されることが発表され、2021年3月で全て2500番台への改造が完了した<ref name="2019-11-28"/>。


豊田車両センター常駐の3編成は2019年ダイヤ改正を前に車体デザインが小変更され、側窓周りに黒塗装が追加されたほか、客用扉横と正面のロゴが「SERIES E257」に変更され、NB-10編成が赤、NB-11編成がグレー、NB-12編成が緑のアクセントカラーがそれぞれ入れられていた。
2021年4月1日現在、幕張車両センターに5両編成15本(NB01 - 05,08 - 12,15 - 19,75両)が配置されている<ref name="JRR 2021s 50">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2021年、p.50。ISBN 9784330025216。</ref>。

その後、2019年3月16日のダイヤ改正で「ホームライナー千葉」が廃止されたため、同列車に使われていた2編成が余剰となり、余剰車は計6編成となった。うち4編成は2500番台へ改造され、2編成は豊田車両センター常駐の3編成とともに5500番台に改造された。

2022年4月1日現在、幕張車両センターに5両編成10本(NB-01 - 05、15 - 19、50両)が配置されている<ref name="JRR 2022s 50">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.50。{{ISBN2|9784330028224}}。</ref>。
<gallery>
ファイル:Series E257 500 Fuji Excursion.jpg|豊田車両センター常駐時代の500番台NB-10編成
ファイル:E257 NB-11 2020.jpg|豊田車両センター常駐時代の500番台NB-11編成
</gallery>


==== 形式(500番台) ====
==== 形式(500番台) ====
395行目: 451行目:
: 補助電源用210kVA SIVとCPを搭載する制御車。定員64名。1(6)号車に連結する。
: 補助電源用210kVA SIVとCPを搭載する制御車。定員64名。1(6)号車に連結する。
; クハE257形500番台(501 - 519)
; クハE257形500番台(501 - 519)
: CPを搭載する制御車。定員52名。東京方車端部にトイレと洗面所を備える。1次車(501 - 510)は当初[[交通機関の喫煙規制|喫煙車]]で天井に[[空気清浄機]]と[[オゾン]]脱臭装置を備えていた<ref name="rail fan200202"/>、2005年12月10日のダイヤ改正で[[禁煙]]車となったため撤去された。2次車は当初から禁煙車のため準備工事のみとなっている。また連結時のワンタッチ幌装置を備えている。5 (10) 号車に連結する。
: CPを搭載する制御車。定員52名。東京方車端部にトイレと洗面所を備える。1次車(501 - 510)は当初[[交通機関の喫煙規制|喫煙車]]で天井に[[空気清浄機]]と[[オゾン]]脱臭装置を備えていた<ref name="rail fan200202"/>、2005年12月10日のダイヤ改正で[[禁煙]]車となったため撤去された。2次車は当初から禁煙車のため準備工事のみとなっている。連結時のワンタッチ幌装置を備えている。5(10)号車に連結する。
<gallery widths="200" heights="180px">
E257-500 NB-10 KuHa E256-510 Choshi Station 20130824.JPG|クハE256-510
E257-500 NB-10 KuHa E257-510 Choshi Station 20130824 (1).JPG|クハE257-510<br />[[銚子駅]]
</gallery>

; モハE257形1500番台(1501 - 1519)
; モハE257形1500番台(1501 - 1519)
: VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員54名。客室端に車椅子対応座席2席と東京側車端部に車椅子対応トイレと洗面所、[[車内販売]]準備室、多目的室を備える。2(7)号車に連結する。
: VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員54名。客室端に車椅子対応座席2席と東京側車端部に車椅子対応トイレと洗面所、[[車内販売]]準備室、多目的室を備える。2(7)号車に連結する。
407行目: 458行目:
; モハE257形500番台(501 - 519)
; モハE257形500番台(501 - 519)
: VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形500番台とユニットを構成し、4(9)号車に連結する。
: VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形500番台とユニットを構成し、4(9)号車に連結する。
<gallery widths="200" heights="180px">
<gallery>
E257-500 NB-10 MoHa E257-1510 Choshi Station 20130824.JPG|E257-1510
E257-500 NB-10 KuHa E256-510 Choshi Station 20130824.JPG|E256形500番台
E257-500 NB-10 MoHa E256-510 Choshi Station 20130824.JPG|E256-510
E257-500 NB-10 KuHa E257-510 Choshi Station 20130824 (1).JPG|E257形500番台
E257-500 NB-10 MoHa E257-510 Choshi Station 20130824.JPG|モハE257-510<br />銚子駅
E257-500 NB-10 MoHa E257-1510 Choshi Station 20130824.JPG|モハE257形1500番台
E257-500 NB-10 MoHa E256-510 Choshi Station 20130824.JPG|モハE256形500番台
E257-500車内.jpg|500番台車内(2019年3月14日)
E257-500 NB-10 MoHa E257-510 Choshi Station 20130824.JPG|モハE257形500番台
JRE Kuha-E257-516 Seat.jpg|座席
JRE Kuha-E257-516 Inside.jpg|車内
JRE Kuha-E257-516 Inside Deck.jpg|車内デッキ
</gallery>
</gallery>


419行目: 474行目:
|
|
|colspan="5" style="text-align:right;"|{{TrainDirection|安房鴨川・君津・銚子|東京・新宿}}
|colspan="5" style="text-align:right;"|{{TrainDirection|安房鴨川・君津・銚子|東京・新宿}}
|-style="border-top:solid 5px #0055ff;"
|-style="border-top:solid 5px #ffe900;"
|colspan="7"|
!style="background-color:#ffd400;"|号車
|-style="border-top:solid 5px #0100ff;"
!5<br /><small>(10)</small>
!号車
!4<br /><small>(9)</small>
!3<br /><small>(8)</small>
|5<br /><small>(10)</small>
!2<br /><small>(7)</small>
|>4<br /><small>(9)</small>
!1<br /><small>(6)</small>
|3<br /><small>(8)</small>
|>2<br /><small>(7)</small>
|1<br /><small>(6)</small>
|-
|-
!形式
!style="background-color:#ffd400;"|形式
|クハE257<br />-500
|クハ<br />E257<br />-500
|モハE257<br />-500
|モハ<br />E257<br />-500
|モハE256<br />-500
|モハ<br />E256<br />-500
|モハE257<br />-1500
|モハ<br />E257<br />-1500
|クハE256<br />-500
|クハ<br />E256<br />-500
|}
|}


==== 編成一覧表 ====
==== 編成表(500番台) ====
{| class="wikitable"
{| class="wikitable" style="font-size:80%"
|-
|-
!<small>編成名</small>
!編成名
!<small>落成日</small>
!落成日
!<small>製造会社</small>
!製造会社
!改造後編成名
!<small>2500番台化改造</small>
!<small>備考</small>
!備考
|-
|-
!<small>NB-01</small>
!NB-01
| rowspan="2" |<small>2004年7月16日</small>
| rowspan="2" |2004年7月16日
| rowspan="2" |<small>日立製作所</small>
| rowspan="2" |日立製作所
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-02</small>
!NB-02
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-03</small>
!NB-03
| rowspan="2" |<small>2004年8月5日</small>
| rowspan="2" |2004年8月5日
| rowspan="2" |<small>日立製作所</small>
| rowspan="2" |日立製作所
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-04</small>
!NB-04
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-05</small>
!NB-05
| rowspan="2" |<small>2004年8月26日</small>
| rowspan="2" |2004年8月26日
| rowspan="2" |<small>日立製作所</small>
| rowspan="2" |日立製作所
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-06</small>
!NB-06
|NC-31
|<small>NB-06 → NC-31</small>
|
|
|-
|-
!<small>NB-07</small>
!NB-07
| rowspan="2" |<small>2004年9月8日</small>
| rowspan="2" |2004年9月8日
| rowspan="2" |<small>近畿車輛</small>
| rowspan="2" |近畿車輛
|NC-32
|<small>NB-07 → NC-32</small>
|
|
|-
|-
!<small>NB-08</small>
!NB-08
|OM-51
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-09</small>
!NB-09
| rowspan="2" |<small>2004年9月16日</small>
| rowspan="2" |2004年9月16日
| rowspan="2" |<small>日立製作所</small>
| rowspan="2" |日立製作所
|OM-52
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-10</small>
!NB-10
|OM-53
|
|<small>豊田常駐(赤塗装</small>
|改造前は豊田常駐(赤)
|-
|-
!<small>NB-11</small>
!NB-11
| rowspan="2" |<small>2005年7月22日</small>
| rowspan="2" |2005年7月22日
| rowspan="2" |<small>東急車輛</small>
| rowspan="2" |東急車輛
|OM-54
|
|<small>豊田常駐(灰塗装</small>
|改造前は豊田常駐(灰)
|-
|-
!<small>NB-12</small>
!NB-12
|OM-55
|
|<small>豊田常駐(緑塗装</small>
|改造前は豊田常駐(緑)
|-
|-
!<small>NB-13</small>
!NB-13
| rowspan="2" |<small>2005年8月26日</small>
| rowspan="2" |2005年8月26日
| rowspan="2" |<small>東急車輛</small>
| rowspan="2" |東急車輛
|NC-33
|<small>NB-13 → NC-33</small>
|
|
|-
|-
!<small>NB-14</small>
!NB-14
|NC-34
|<small>NB-14 → NC-34</small>
|
|
|-
|-
!<small>NB-15</small>
!NB-15
| rowspan="2" |<small>2005年9月2日</small>
| rowspan="2" |2005年9月2日
| rowspan="2" |<small>日立製作所</small>
| rowspan="2" |日立製作所
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-16</small>
!NB-16
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-17</small>
!NB-17
| rowspan="2" |<small>2005年10月7日</small>
| rowspan="2" |2005年10月7日
| rowspan="2" |<small>日立製作所</small>
| rowspan="2" |日立製作所
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-18</small>
!NB-18
|
|
|
|
|-
|-
!<small>NB-19</small>
!NB-19
|<small>2005年10月28日</small>
|2005年10月28日
|<small>日立製作所</small>
|日立製作所
|
|
|
|
|}
|}


=== 2000番台・2500番台 ===
=== 2000番台 ===
{{鉄道車両
[[ファイル:Series E257.jpg|サムネイル|230x230ピクセル|2000番台による特急「踊り子」<br>([[新子安駅]] 2021年4月) ]]
| 車両名 = 2000番台
[[File:JR East E257-2500 NC-33 Mishima Odoriko 20210314.JPG|thumb|230px|2500番台による特急「踊り子」<br>([[三島駅]]、2021年3月14日撮影)]]
| 背景色 = #009acf
東海道線の特急列車に使用されていた[[国鉄185系電車|185系]]の老朽化による置き換えとして、0番台及び500番台に転用改造及び機器更新が施されて誕生した番台区分<ref name="2019-11-28">{{Cite press release|url=https://www.jreast.co.jp/press/2019/yokohama/20191128_y01.pdf|title=特急「踊り子」にリニューアル車両を順次投入します|publisher=東日本旅客鉄道|date=2019-11-28|accessdate=2019-11-28}}</ref>。0番台のM112編成が[[長野総合車両センター]]において改造され、2019年2月27日付で2000番台NA-09編成として[[大宮総合車両センター]]に配置された。その後、同センターに加えて[[秋田総合車両センター]]および[[総合車両製作所]]横浜事業所において順次改造が実施されている。また、500番台NB-07編成が秋田総合車両センターにおいて改造され、2020年7月に2500番台NC-32編成として出場した。
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Series-E257-2000 NA05 Odoriko-EXP.jpg
| 画像説明 = 2000番台による特急「[[踊り子 (列車)|踊り子]]」<br />(2022年2月 [[新子安駅]])
| 運用者 = [[東日本旅客鉄道]]
| 種車 = 0番台
| 改造所 = [[長野総合車両センター]]<br />[[秋田総合車両センター]]<br />[[総合車両製作所|総合車両製作所横浜事業所]]
| 改造年 = 2019年 - 2021年
| 改造数 = 117両
| 投入先 = [[踊り子 (列車)|踊り子]]・[[湘南 (列車)|湘南]]
| 運用開始 = 2020年3月14日
| 編成 = 9両([[MT比|5M4T]])
| 軌間 =
| 電気方式 =
| 最高運転速度 = 130km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 =
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 9両546名(普通車498名・グリーン車48名)
| 車両定員 =
| 自重 =
| 編成重量 =
| 全幅 =
| 全高 =
| 車体材質 =
| 台車 =
| 主電動機 =
| 主電動機出力 =
| 駆動方式 =
| 歯車比 =
| 編成出力 =
| 制御方式 =
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 =
| 備考 =
| 備考全幅 =
}}
[[ファイル:Series E257-2000 NA-05 Shonan.jpg|サムネイル|2000番台貫通形先頭車]]
東海道線特急「踊り子」「スーパービュー踊り子」やライナー列車などに使用されていた[[国鉄185系電車|185系]]、[[JR東日本251系電車|251系]]、[[JR東日本215系電車|215系]]の置き換えを目的に、0番台に転用改造と機器更新が施されたことにより誕生した番台区分<ref name="JRE press release20191128">{{Cite press release |和書 |format=PDF |url=https://www.jreast.co.jp/press/2019/yokohama/20191128_y01.pdf |title=JR東日本ニュース『特急「踊り子」にリニューアル車両を順次投入します』 |date=2019-11-28 |accessdate=2021-09-11 |publisher=東日本旅客鉄道株式会社 横浜支社}}</ref>。改造は2019年(平成31年・令和元年)から2021年(令和3年)にかけて[[長野総合車両センター]]、[[秋田総合車両センター]]および[[総合車両製作所]]横浜事業所で行われた。


2021年4月1日現在、基本編成2000番台(NA-01 - 13編成)9両編成13本(117両)と付属編成2500番台(NC-31 - 34編成)5両編成4本(20両)の合計137両が大宮総合車両センターに配置されている<ref name="JRR 2021s 59" />。
2022(令和4年)4月1日現在、9両編成13本(NA-01 - 13編成、117両)が[[大宮総合車両センター東大宮センター]]に配置されている<ref name="JRR 2022s 58" />。


0番台では普通席と半室構造となっていた半室グリーン車は2000台で全室グリーン車なっている。
車番は0番台の車番+2000となっており基本的に編成NA-01=M-101、NA-02=M-102いう順で改番されている(一部編成を除く)


0番台ではグリーン車と普通車の[[合造車|半室構造]]となっていたサロハE257形が、2000番台では全室グリーン車に改造されサロE257形となっている。
リニューアルにあたり、車体塗装は伊豆の空と海の色をイメージしたペニンシュラブルー{{Color|#408DB9|■}}を基調としたものに変更され、窓側座席には電源コンセント、各座席上方には[[JR東日本E657系電車|E657系]]と同様の指定席発売状況確認ランプが設置され、NA編成は1・9号車、NC編成は10・14号車へ荷物置き場が設置された<ref>[https://www.jreast.co.jp/ltd_exp/tokaido/ 東海道線特急「湘南」「踊り子」のご案内] - JR東日本</ref>。


リニューアルにあたり、車体塗装は[[JR東日本E261系電車|E261系]]に準じて白地に伊豆の空と海の色をイメージしたペニンシュラブルー{{Color|#009acf|■}}を基調としたものに変更され、[[前照灯]]が[[ハロゲンランプ|ハロゲン]][[シールドビーム]](HSB)+[[ディスチャージヘッドランプ|HID]][[プロジェクタ|プロジェクター]]から[[発光ダイオード|LED]]のものへと交換された。前面の3色LED電光表示板は交換されずに転用された。
==== 9両編成(基本編成2000番台) ====

内装面は、座席のモケットが交換され、窓側座席に電源コンセント、各座席上方に[[JR東日本E657系電車|E657系]]と同様の指定席発売状況確認ランプ、各先頭車に荷物置き場が設置された<ref name="東日本旅客鉄道公式HP">{{Cite web|和書|website=東日本旅客鉄道公式HP 首都圏発着在来特急のご案内 |url=https://www.jreast.co.jp/ltd_exp/tokaido/ |title=東海道線特急「湘南」「踊り子」のご案内 |accessdate=2020-12-19 |publisher=東日本旅客鉄道 |url-status=dead|url-status-date=2022-04 |archive-url=https://web.archive.org/web/20201112053737/https://www.jreast.co.jp/ltd_exp/tokaido/ |archive-date=2020-11-12}}</ref>。グリーン車は床板と肘掛けが更新されたが、旧普通席部分で座席と窓枠の位置が合わない席が生じている。

普通車は「スタンダードでありながら奥行き感のある現代的な空間」、グリーン車は「リッチで高品質感のある現代的な空間」をデザインコンセプトとしている<ref name="JRE press release20191128" />。

==== 編成(2000番台) ====
{|class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
{|class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
|-
|-
|rowspan="2"|
|
|colspan="9" style="text-align:right;"|{{TrainDirection|伊豆急下田|東京}}
|colspan="9" style="text-align:right;"|{{TrainDirection|伊豆急下田|東京・新宿}}
|-
|-style="border-top:solid 5px #408DB9;"
|colspan="9"|基本編成(2000番台)
|-style="border-top:solid 5px #009acf;"
|colspan="10"|
|-style="border-top:solid 5px #454545;"
!号車
!号車
|1||2||3||style="background-color:#cf9;"|4||5||6||7||8||9
|1||2||3<||style="background-color:#cf9;"|4||5||6<||7||8<|||9
|-
|-
!形式
!形式
572行目: 679行目:
|クハ<br />E257<br />-2100
|クハ<br />E257<br />-2100
|}
|}
<gallery>
ファイル:JRE KuhaE256-2010.jpg|クハE256形2000番台
ファイル:JRE KuhaE257-2110.jpg|クハE257形2100番台
ファイル:JRE MohaE257-2010.jpg|モハE257形2000番台
ファイル:JRE MohaE256-2010.jpg|モハE256形2000番台
ファイル:JRE MohaE257-2110.jpg|モハE257形2100番台
ファイル:JRE MohaE257-3010.jpg|モハE257形3000番台
ファイル:JRE SahaE257-2010.jpg|サハE257形2000番台
ファイル:JRE SaroE257-2010.jpg|サロE257形2000番台
ファイル:Series-E257-2000 inside.jpg|普通車車内
ファイル:Series-E257-2000 inside Green-seat.jpg|グリーン車車内
ファイル:Series-E257-2000 inside Deck.jpg|車内デッキ
ファイル:Series-E257-2000 Rogo.jpg|シンボルマーク
</gallery>


==== 編成一覧表 ====
==== 編成表(2000番台) ====
{| class="wikitable"
{| class="wikitable" style="font-size:80%"
|-
|-
!<small>基本編成名</small>
!<small>編成名</small>
!<small>竣工</small>
!<small>竣工</small>
!<small>改造施工</small>
!<small>改造施工</small>
613行目: 734行目:
!<small>NA-06</small>
!<small>NA-06</small>
|<small>2019年10月15日</small>
|<small>2019年10月15日</small>
|<small>内装:総合車両製作所横浜事業所<br />外装:秋田総合車両センター</small>
|<small>総合車両製作所横浜事業所(内装)<br />秋田総合車両センター(外装)</small>
|<small>M-108</small>
|<small>M-108</small>
|
|
630行目: 751行目:
!<small>NA-09</small>
!<small>NA-09</small>
|<small>2019年2月27日</small>
|<small>2019年2月27日</small>
|rowspan=5|<small>長野総合車両センター</small>
| rowspan="5" |<small>長野総合車両センター</small>
|<small>M-112</small>
|<small>M-112</small>
|
|
655行目: 776行目:
|}
|}


==== 5両編成(付属編成2500番台 ====
=== 2500番台 ===
{{鉄道車両
| 車両名 = 2500番台
| 背景色 = #009acf
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Series E257-2500 NC-34 Shonan.jpg
| 画像説明 = 2500番台による特急「[[湘南 (列車)|湘南]]」<br/>(2022年4月 [[二宮駅]] - [[大磯駅]]間)
| 運用者 = [[東日本旅客鉄道]]
| 種車 = 500番台
| 改造所 = [[秋田総合車両センター]]
| 改造年 = 2020年 - 2021年
| 改造数 = 20両
| 投入先 = [[踊り子 (列車)|踊り子]]・[[湘南 (列車)|湘南]]<br />[[あかぎ (列車)|あかぎ]]・[[草津・四万]]
| 運用開始 = 2021年3月13日
| 編成 = 5両(3M2T)
| 軌間 =
| 電気方式 =
| 最高運転速度 = 130km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 =
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 5両298名(全車普通車)
| 車両定員 =
| 自重 =
| 編成重量 =
| 全幅 =
| 全高 =
| 車体材質 =
| 台車 =
| 主電動機 =
| 主電動機出力 =
| 駆動方式 =
| 歯車比 =
| 編成出力 =
| 制御方式 =
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 =
| 備考 =
| 備考全幅 =
}}
東海道線特急「踊り子」の[[伊豆箱根鉄道駿豆線|伊豆箱根鉄道]]直通列車などに使用されていた[[国鉄185系電車|185系]]の置き換えを目的に、500番台に転用改造と機器更新が施されたことにより誕生した番台区分<ref name="JRE press release20191128">{{Cite press release |和書 |format=PDF |url=https://www.jreast.co.jp/press/2019/yokohama/20191128_y01.pdf |title=JR東日本ニュース『特急「踊り子」にリニューアル車両を順次投入します』 |date=2019-11-28 |accessdate=2021-09-11 |publisher=東日本旅客鉄道株式会社 横浜支社}}</ref>。改造は2020年から2021年にかけて[[秋田総合車両センター]]で行われた。

2022年4月1日現在、5両編成4本(NC-31 - 34編成、20両)が[[大宮総合車両センター東大宮センター]]に配置されている<ref name="JRR 2022s 58" />。

車番は500番台の車番+2000となっている(一部編成を除く)。

内外装ともにデザインは2000番台に準拠している。

==== 編成(2500番台) ====
*「踊り子」「湘南」での運転時は10 - 14号車、「あかぎ」「草津・四万」での運転時は1 - 5号車となる。

{|class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
{|class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
|-
|-
|rowspan="1"|
|
|colspan="6" style="text-align:right;"|{{TrainDirection|修善寺|東京}}
|colspan="5" style="text-align:right;"|{{TrainDirection|修善寺|東京}}<br /> {{TrainDirection|上野・新宿| 高崎・長野原草津口}}
|-
|-style="border-top:solid 5px #408DB9;"
|-style="border-top:solid 5px #009acf;"
!号車
|colspan="10"|
|10||11||12||13||14
|-style="border-top:solid 5px #454545;"
! rowspan="2" |号車
||10||11<||12||13<||14
|-
|1||2<||3||4<||5
|-
|-
!形式
!形式
672行目: 850行目:
|}
|}


<gallery>
==== 編成一覧表 ====
JRE_KuhaE256-2513.JPG|クハE256形2500番台
{| class="wikitable"
JRE MohaE257-3513.JPG|モハE257形3500番台
JRE MohaE256-2513.JPG|モハE256形2500番台
JRE_MohaE257-2513.JPG|モハE257形2500番台
JRE_KuhaE257-2513.JPG|クハE257形2500番台
ファイル:E257系2500番台トイレ(2023年2月).jpg|トイレ
</gallery>

==== 編成表(2500番台) ====
{| class="wikitable" style="font-size:80%"
|-
|-
!<small>付属編成名</small>
!<small>編成名</small>
!<small>落成日</small>
!<small>竣工</small>
!<small>改造施工</small>
!<small>改造施工</small>
!<small>旧編成</small>
!<small>旧編成</small>
702行目: 889行目:
|
|
|}
|}

* 前述のとおり、付属編成は東京方に連結される。号車番号は基本編成が1 - 9号車、付属編成が10 - 14号車となっている。基本編成のみの9両編成で運転する場合でも、号車番号の表示は変更されず、1 - 9号車の9両による運転として案内・表示される。
=== 5000番台 ===
{{鉄道車両
| 車両名 = 5000番台
| 背景色 = #239b38
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = あずさ77号_代走E257系5000番代_at_豊田〜八王子.jpg
| 画像説明 = 5000番台による特急「あずさ」<br>(2024年4月27日 [[豊田駅]] - [[八王子駅]]間)
| 運用者 = [[東日本旅客鉄道]]
| 種車 = 0番台
| 改造所 = [[長野総合車両センター]]
| 改造年 = [[2021年]]
| 改造数 = 27両
| 投入先 =
| 運用開始 = [[2021年]][[8月12日]]
| 編成 = 9両([[MT比|5M4T]])
| 軌間 =
| 電気方式 =
| 最高運転速度 = 130 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 =
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 9両550名(普通車522名・グリーン車28名)
| 車両定員 =
| 自重 =
| 編成重量 =
| 全長 =
| 全幅 =
| 全高 =
| 車体材質 =
| 台車 =
| 主電動機 =
| 主電動機出力 =
| 駆動方式 =
| 歯車比 =
| 編成出力 =
| 制御方式 =
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 =
| 備考 =
| 備考全幅 =
}}
[[ファイル:東日本 E257 5000番台.jpg|サムネイル|5000番台貫通型先頭車]]
直流区間内の[[臨時列車]](波動輸送)に使用されていた[[国鉄185系電車|185系]]の置き換えを目的として、0番台に転用改造及び機器更新が施されて落成した。[[2021年]]([[令和]]3年)に9両編成3本が[[長野総合車両センター]]で改造され、[[大宮総合車両センター東大宮センター]]に配置された。

リニューアルにあたり、基本的な設備は2000番台をベースに、外板色は爽やかさ、エネルギッシュ、環境、抑揚、流れをイメージした白地に緑色{{Color|#3B8725|■}}を基調としたものに変更された<ref name="RF728_42-48" /><ref name="RP992_96-102" />。クハE257-5100は自動幌があった場所に塞ぎ板が設置され、非貫通となった<ref name="RF728_42-48" />。

車内には1号車、9号車に荷物置き場と各客室の[[防犯カメラ]]の設置、カーテンや普通車の側小天井パネルの交換などが行われたが、それ以外は種車と同仕様になっている<ref name="RF728_42-48">{{Cite journal|和書|author=吉田勝博(東日本旅客鉄道鉄道事業本部運輸車両部車両技術センター)|year=|date=2021-12-01|title=E257系5000・5500番台特急形直流電車|journal=鉄道ファン|volume=61|issue=第12号(通巻728号)|page=|pages=42 - 48|publisher=交友社|oclc=61102288}}</ref><ref name="RP992_96-102">{{Cite journal|和書|author=吉田勝博(東日本旅客鉄道鉄道事業本部運輸車両部車両技術センター)|date=2021-09-01|title=JR東日本E257系 転用改造・機器更新の概要|journal=[[鉄道ピクトリアル]]|publisher=[[電気車研究会]]|volume=71|issue=第11号(通巻第992号)|pages=96 - 102|issn=0040-4047}}</ref>。

==== 編成(5000番台) ====
号車表記は便宜上のもので、中央本線特急など一部列車では号車が逆転することがある。
{| class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
|-
|
| colspan="9" style="text-align:right;" |{{TrainDirection|松本|新宿}}<br />{{TrainDirection|伊豆急下田・熱海|東京・黒磯}}

|-style="border-top:solid 5px #239b38;"
|colspan="10"|
|-style="border-top:solid 5px #454545;"
!号車
|1||2||3<||style="background-color:#cf9;"|4||5||6<||7||8<||9
|-
!形式
|クハ<br />E256<br />-5000
|モハ<br />E256<br />-5100
|モハ<br />E257<br />-5100
| style="background-color:#cf9;" |サロハ<br />E257<br />-5000
|サハ<br />E257<br />-5000
|モハ<br />E257<br />-6000
|モハ<br />E256<br />-5000
|モハ<br />E257<br />-5000
|クハ<br />E257<br />-5100
|}
<gallery>
<gallery>
File:JRE KuhaE256-2010.jpg|クハE256-2000<br>([[新宿駅]])
ファイル:JRE KuhaE256-5007 Nebukawa 20211004.jpg|クハE256形5000番台
ファイル:JRE MohaE256-5107 Nebukawa 20211004.jpg|モハE256形5100番台
File:JRE KuhaE257-2110.jpg|クハE257-2100
File:JRE MohaE256-2010.jpg|モハE256-2000
ファイル:JRE MohaE257-5107 Nebukawa 20211004.jpg|モハE257形5100番台
File:JRE MohaE257-2010.jpg|ハE257-2000
ファイル:JRE SarohaE257-5007 Nebukawa 20211004.jpg|サロハE257形5000番台
File:JRE MohaE257-2110.jpg|ハE257-2100
ファイル:JRE SahaE257-5007 Nebukawa 20211004.jpg|ハE257形5000番台
File:JRE MohaE257-3010.jpg|モハE257-3000
ファイル:JRE MohaE257-6007 Nebukawa 20211004.jpg|モハE257形6000番台
ファイル:JRE MohaE256-5007 Nebukawa 20211004.jpg|モハE256形5000番台
File:JRE SahaE257-2010.jpg|サハE257-2000
ファイル:JRE MohaE257-5007 Nebukawa 20211004.jpg|モハE257形5000番台
File:JRE SaroE257-2010.jpg|サロE257-2000
ファイル:JRE KuhaE257-5107 Nebukawa 20211004.jpg|クハE257形5100番台
</gallery>
</gallery>

==== 編成表(5000番台) ====
{| class="wikitable" style="font-size:80%"
|-
!編成名
!竣工
!改造施工
!旧編成
!備考
|-
!OM-91
|2021年5月24日<ref name="RF728_42-48" />
| rowspan="3" |長野総合車両センター<ref name="RF728_42-48" />
|M-105
|
|-
!OM-92
|2021年8月20日<ref name="RF728_42-48" />
|M-107
|
|-
!OM-93
|2021年12月17日<ref name="DJ4541">{{Cite journal|和書|author=ジェー・アール・アール |date=2022-02-15 |title=JR車両の動き |journal=鉄道ダイヤ情報 №454 2022 3月号 |volume=51 |issue=3号(通巻454号)|page=103 |publisher=交通新聞社}}</ref>
|M-111
|
|}

=== 5500番台 ===
{{鉄道車両
| 車両名 = 5500番台
| 背景色 = #239b38
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Series E257-5500 OM-51.jpg
| 画像説明 = 5500番台
| 運用者 = [[東日本旅客鉄道]]
| 種車 = 500番台
| 改造所 = [[秋田総合車両センター]]
| 改造年 = [[2021年]] - [[2022年]]
| 改造数 = 25両
| 投入先 = [[あかぎ (列車)|あかぎ]]・[[草津・四万]]
| 運用開始 = [[2021年]][[10月2日]](臨時)<br />[[2023年]][[3月18日]](定期)
| 編成 = 5両(3M2T)
| 軌間 =
| 電気方式 =
| 最高運転速度 = 130 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 =
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 5両298名(全車普通車)
| 車両定員 =
| 自重 =
| 編成重量 =
| 全長 =
| 全幅 =
| 全高 =
| 車体材質 =
| 台車 =
| 主電動機 =
| 主電動機出力 =
| 駆動方式 =
| 歯車比 =
| 編成出力 =
| 制御方式 =
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 =
| 備考 =
| 備考全幅 =
}}
5000番台と同様の波動輸送用として、500番台に転用改造及び機器更新が施されて誕生した番台区分。2021年(令和3年)から2022年(令和4年)にかけて5両編成5本が[[秋田総合車両センター]]で改造され、大宮総合車両センター東大宮センターに配置された。

リニューアルにあたっては5000番台と同じく、基本的な設備は2500番台をベースに、外板色は爽やかさ、エネルギッシュ、環境、抑揚、流れをイメージした白地に緑色{{Color|#3B8725|■}}を基調としたものに変更された<ref name="RF728_42-48" /><ref name="RP992_96-102" />。車内については各客室への防犯カメラ設置やカーテンや普通車の側小天井パネルの交換などが行われたが、それ以外は種車と同仕様となっている<ref name="RF728_42-48" /><ref name="RP992_96-102" />。

==== 編成(5500番台) ====
{|class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
|-
|
|colspan="5" style="text-align:right;"|{{TrainDirection|上野|高崎・長野原草津口}}<br />{{TrainDirection|松本・熱海|黒磯}}
|-style="border-top:solid 5px #239b38;"
|colspan="6"|
|-style="border-top:solid 5px #454545;"
!号車
|1||2<||3||4<||5
|-
!形式
|クハ<br />E256<br />-5500
|モハ<br />E257<br />-6500
|モハ<br />E256<br />-5500
|モハ<br />E257<br />-5500
|クハ<br />E257<br />-5500
|}
<gallery>
<gallery>
ファイル:JRE Kuha-E257-5511.jpg|クハE257形5500番台
File:JRE_KuhaE256-2513.JPG|クハE256-2500<br>([[三島駅]])
File:JRE MohaE257-3513.JPG|モハE257-3500
ファイル:JRE Moha-E257-5511.jpg|モハE257形5500番台
File:JRE MohaE256-2513.JPG|モハE256-2500
ファイル:JRE Moha-E256-5511.jpg|モハE256形5500番台
File:JRE_MohaE257-2513.JPG|モハE257-2500
ファイル:JRE Moha-E257-6511.jpg|モハE257形6500番台
ファイル:JRE Kuha-E256-5511.jpg|クハE256形5500番台
File:JRE_KuhaE257-2513.JPG|クハE257-2500
File:Series-E257-2000 inside.jpg|2000番台普通車車内
ファイル:JRE Moha-E257-5509 Inside.jpg|車内
ファイル:JRE Moha-E257-6509 Seat.jpg|座席
File:Series-E257-2000 inside Green-seat.jpg|2000番台グリーン車車内
File:Series-E257-2000 inside Deck.jpg|2000番台車内デッキ
ファイル:JRE Moha-E257-6509 Deck.jpg|車内デッキ
File:Series-E257-2000 Rogo.jpg|2000番台ロゴマーク
</gallery>
</gallery>


==== 編成表(5500番台) ====
== 運用 ==
{| class="wikitable" style="font-size:80%"
|-
!編成名
!竣工
!改造施工
!旧編成
!備考
|-
!OM-51
|2021年8月16日<ref name="RF728_42-48" />
| rowspan="5" |秋田総合車両センター<ref name="RF728_42-48" />
|NB-08
|
|-
!OM-52
|2021年5月18日<ref name="RF728_42-48" />
|NB-09
|
|-
!OM-53
|2021年10月7日<ref name="DJ4541" />
|NB-10
|<!--電源コンセント設置編成-->
|-
!OM-54
|2022年1月12日<ref name="JRR 2022s 58" />
|NB-11
|<!--電源コンセント設置編成-->
|-
!OM-55
|2022年4月2日
|NB-12
|<!--電源コンセント設置編成-->
|}


== 運用 ==
=== 0番台 ===
=== 0番台 ===
[[File:Series-E257-RapidService.jpg|thumb|230px|篠ノ井線の快速として運用に就く0番台<br />(2019年1月30日)]]
導入から定期運用終了まで「あずさ」「かいじ」「中央ライナー」「青梅ライナー」などの中央東線の特急列車・ライナーを中心に運用されていた。
導入から定期運用終了まで「あずさ」「かいじ」「中央ライナー」「青梅ライナー」などの中央東線の特急列車・ライナーを中心に運用されていた。


間合い運用では、[[篠ノ井線]][[松本駅|松本]] - [[信越本線]][[長野駅|長野]]間を結ぶ[[快速列車]]にも1日1往復充当されていたほか、[[東海道線 (JR東日本)|東海道線]]の[[湘南 (列車)|「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」]]に充当されていた時期もあった<ref group="注">[[2003年]](平成15年)春から2008年3月改正まで充当。</ref>。
間合い運用では、[[篠ノ井線]][[松本駅|松本]] - [[信越本線]][[長野駅|長野]]間を結ぶ[[快速列車]]にも1日1往復充当されていたほか、[[東海道線 (JR東日本)|東海道線]]の[[湘南 (列車)|「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」]]に充当されていた時期もあった<ref group="注">[[2003年]](平成15年)春から2008年3月改正まで充当。</ref>。


また、ダイヤの乱れや車両故障などの理由により[[JR東日本E351系電車|E351系]]の代走として「スーパーあずさ」の運用に入ったほか、[[修学旅行]]の団体専用列車として運用されることもあり、[[日光線]]や信越本線[[黒姫駅]]まで入線した実績があった。
ダイヤの乱れや車両故障などの理由により[[JR東日本E351系電車|E351系]]の代走として「スーパーあずさ」の運用に入ったほか、[[修学旅行]]などの団体専用列車として運用されることもあり、[[日光線]]や信越本線(現在はしなの鉄道北しなの線)[[黒姫駅]]まで入線した実績があった。


2018年(平成30年)7月1日に「あずさ」「かいじ」の一部(あずさ10往復中3往復、かいじ12往復中9往復)に9両編成のE353系7本(63両)が投入されたことにより運用を減らし、2019年3月16日のダイヤ改正で中央東線の特急「あずさ」「かいじ」および新設の「[[富士回遊]]」「[[はちおうじ・おうめ|はちおうじ」「おうめ]]」)用車両が一部の臨時列車を除き全てE353系に統一(一方「スーパーあずさ」は廃止)された<ref name="jreast20181213">{{PDFlink|[https://www.jreast.co.jp/press/2018/20181213.pdf 2019年3月ダイヤ改正について]}} : 東日本旅客鉄道プレスリリース、2018年12月14日付、2018年12月19日閲覧。</ref>とにより、定期運用終了した。
2018年(平成30年)7月1日に「あずさ」「かいじ」の一部に9両編成のE353系7本(63両)が投入されたことにより運用を減らし<ref group="注">あずさ10往復中3往復、かいじ12往復中9往復</ref>、2019年3月16日のダイヤ改正で中央東線の特急用車両が一部の臨時列車を除き全て[[JR東日本E353系電車|E353系]]に統一されたことにより<ref group="注">「あずさ」「かいじ」および新設の「[[富士回遊]]」「[[はちおうじ・おうめ|はちおうじ」「おうめ]]」</ref><ref name="jreast20181213">{{Cite press release |和書 |date=2018-12-14 |format=PDF |url=https://www.jreast.co.jp/press/2018/20181213.pdf |title=2019年3月ダイヤ改正について |accessdate=2018-12-19 |publisher=東日本旅客鉄道}}</ref>、定期運用を終了した。その後は前述の通り基本編成は2000番台5000番台改造付属編成は廃車となって0番台は2021年に消滅した。5000番台に改造された編成は定期運用終了後改造されるまでの間、臨時列車とてあずさや新宿さざなみなどに充当された。
<gallery>

ファイル:Series-E257-RapidService.jpg|篠ノ井線快速で運用される0番台
定期運用終了後は、臨時列車として定期運用時代と同じ「あずさ」「かいじ」などの中央線特急、「新宿さざなみ」等に使用されており、[[団体列車|団体臨時列車]]として[[大宮総合車両センター]]の185系の置き換えにも使われている<ref name="RP989 100">{{Cite journal|和書 |author=羽賀元彦 |date=2021-09-01 |title=トピック・フォト 関東 JR東日本 特急「新宿さざなみ1・4号」E257系0番代で運転 |journal=鉄道ピクトリアル2021年9月号 【特集】房総地区の鉄道の興味 |volume=71 |issue=第9号(通巻989号)|page=100 |publisher=電気車研究会}}</ref>。
</gallery>


=== 500番台 ===
=== 500番台 ===
房総地区の特急列車のほか、以前は間合い運用で早朝の[[鹿島線]]の一部普通列車や[[横須賀線]]の「おはようライナー逗子」「ホームライナー逗子」「[[横須賀・総武快速線#ホームライナー|ホームライナー千葉]]」にも使用されていた。
房総地区の特急列車のほか、以前は間合い運用で早朝の[[鹿島線]]の一部普通列車や[[横須賀線]]の「おはようライナー逗子」「ホームライナー逗子」「[[横須賀・総武快速線#ホームライナー|ホームライナー千葉]]」にも使用されていた。


房総特急の運用が少なくなったことに伴、関東地方を中心とした多くの臨時列車で使用されるようになり、2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正以降は、全廃された豊田車両センターの波動用特急車に代わり、5両編成のまま「あずさ」「かいじ」の臨時列車や、[[富士急行線]]に直通する「[[富士回遊|ホリデー快速富士山]]」(後「[[富士回遊]]」に変更)なども運用されるようになった。
房総特急の縮小に伴って余剰が発生し、関東地方を中心とした多くの臨時列車で使用されるようになった。2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正以降は、5両編成のまま「あずさ」「かいじ」の臨時列車や「[[富士回遊|ホリデー快速富士山]]」(後「[[富士回遊]]」)、「[[鎌倉 (列車)|ホリデー快速鎌倉]]」なども運用されていたが「ホリデー快速鎌倉」の運用は2021年9月が最後となった。


=== 2000・2500番台 ===
=== 2000番台 ===
2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正で、2000番台(基本編成)が185系で運用される特急「[[踊り子 (列車)|踊り子]]」のうち、[[東京駅|東京]] - [[伊豆急下田駅|伊豆急下田]]間1.5往復と伊豆急下田→[[池袋駅|池袋]]間1本、土休日はそれに加え、[[新宿駅|新宿]]→伊豆急下田間1本と伊豆急下田→東京間1本に投入された。なお、本系列の東海道線運用は前述した0番台時代の「湘南ライナー」「おはようライナー宿」ホームライナー小田原以来12年ぶとなる
2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正で、2000番台(基本編成)が185系で運用される特急「[[踊り子 (列車)|踊り子]]」のうち、東京 - 伊豆急下田間1.5往復と伊豆急下田→池袋間1本、土休日はそれに加え、新宿→伊豆急下田間1本と伊豆急下田→東京間1本に投入された。2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正まに「踊り子」運用を当系列で統一したほか「湘南ライナー」に代わってたに運転される特急[[湘南 (列車)|湘南]]にも投入された<ref>{{Cite press release |和書 |date=2020-11-12 |format=PDF |url=https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201112_ho02.pdf|title=東海道線特急が新しく生まれ変わます |accessdate=2020-11-13 |publisher=東日本旅<客鉄道}}</ref><ref name="東日本旅客鉄道公式HP" />


また、2024年(令和6年)には[[新宿駅|新宿]]-[[白馬駅|白馬]]間で運転された臨時特急[[ムーンライト信州#アルプス|アルプス]]に充当され、[[中央本線]]・[[篠ノ井線]]・[[大糸線]]などに入線した<ref>「[https://news.mynavi.jp/article/20240713-2984990/ JR東日本、特急「アルプス」運行開始 初日はE257系2000番代使用]」マイナビニュース 2024年7月13日</ref>。
2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正では2500番台(付属編成)が修善寺駅発着の「踊り子」に投入され、JR東海管内及び伊豆箱根鉄道線への乗り入れを開始した。これにより「踊り子」運用を当系列で統一するのに加え、「湘南ライナー」に代わって新たに運転される特急「[[湘南 (列車)|湘南]]」にも投入された<ref>{{Cite web|url=https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201112_ho02.pdf|title=東海道線特急が新しく生まれ変わります|accessdate=2020年11月13日|publisher=東日本旅客鉄道}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.jreast.co.jp/ltd_exp/tokaido/|title=東海道線特急「湘南」「踊り子」のご案内|accessdate=2020年12月19日|publisher=東日本旅客鉄道}}</ref>。
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ファイル:SeriesE257-2000 NA-13 Ltd.exp.Alps.jpg|臨時特急アルプスで運用されるE257系2000番台
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=== 2500番台 ===
2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正で、[[修善寺駅]]発着の「踊り子」や「湘南」に投入され、運用を開始した。

2023年(令和5年)3月18日のダイヤ改正からは651系で運用されていた特急「[[あかぎ (列車)|あかぎ]]」や「[[草津・四万]]」の後継車両として運用を開始した5500番台と共通で運用されている。
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ファイル:E257系2500番台 あかぎ.jpg|「あかぎ」で運用される2500番台
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=== 5000番台 ===
定期運用は設定されておらず、[[臨時列車]]や[[団体臨時列車]]のみで運用される。

2021年(令和3年)8月12日に臨時特急「[[さざなみ (列車)|さざなみ]]」91号で営業運転を開始した<ref name="2021-8-14">{{Cite web|和書|url=https://town.chibatopi.jp/matome.php?id=1336|title=波動用E257系が房総に |website=ちばとぴ!タウン |work=ちばとぴ!鉄道部 |publisher=千葉日報社 |date=2021-08-14 |accessdate=2021-08-14}}</ref>。同年12月からは臨時特急「あずさ」として新宿 - 松本間、2023年2月からは臨時特急「踊り子」として東京 - 伊豆急下田間でも運転されている。

=== 5500番台 ===
2021年(令和3年)10月2日・3日に[[両国駅]]にて開催の「ちばトレインフェスティバル」にて、185系と日付を分けてOM-52編成が展示され<ref>{{Cite press release |和書 |url=https://www.jreast.co.jp/press/2021/chiba/20210913_c01.pdf |date=2021-09-13 |title=~鉄道の安全・安心と地域の魅力を発信!~「ちばトレインフェスティバル」を開催します! |format=PDF |accessdate=2021-09-13 |publisher=東日本旅客鉄道千葉支社}}</ref>、同日から快速「武蔵野・青梅奥多摩号」でOM-51編成が営業運転を開始した。

運行開始当初は臨時列車や団体列車に用いられていたが、2021年に[[鎌倉 (列車)|ホリデー快速鎌倉]]において500番台を置き換えたことで定期的な運用を持つようになり、2023年3月18日のダイヤ改正では[[JR東日本651系電車#1000番台|651系1000番台]]を置き換えて特急「あかぎ」「草津・四万」に投入され、定期運用を持つようになった<ref>{{Cite press release |和書 |title=2023年3月ダイヤ改正について |publisher=東日本旅客鉄道高崎支社 |date=2022-12-16 |url= https://www.jreast.co.jp/press/2022/takasaki/20221216_ta01.pdf |format=PDF |accessdate=2022-12-16}}</ref><ref> {{Cite press release |和書 |title=特急草津・四万 特急あかぎ |publisher=東日本旅客鉄道高崎支社 |date=2022-12-16 |url= https://www.jreast.co.jp/info/2022/takasaki/20221216_ta02.pdf |format=PDF |accessdate=2022-12-16}}</ref>。2024年3月をもって「[[鎌倉 (列車)|鎌倉]]」(「ホリデー快速鎌倉」から特急へ格上げ)での運用を終了し、[[JR東日本E653系電車|E653系1000番台]]に置き換えられた。現在は上述の「[[あかぎ (列車)|あかぎ]]」「[[草津・四万]]」のほか、臨時の「[[富士回遊]]」などに使用されている。
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ファイル:E257-5500.jpg|5500番台で運用されたホリデー快速鎌倉
ファイル:Series E257-5500 OM-53 Kusatsu-Shima-2.jpg|5500番台による高崎線特急「草津・四万」
ファイル:Series E257-5500 OM-54.jpg|5500番台による高崎線特急「あかぎ」
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== 車体装飾 ==
== 特別装飾・ラッピング ==
* [[日本放送協会|NHK]][[大河ドラマ]]『[[風林火山 (NHK大河ドラマ)|風林火山]]』
* [[日本放送協会|NHK]][[大河ドラマ]]『[[風林火山 (NHK大河ドラマ)|風林火山]]』
** 2007年に放映された『風林火山』に合わせて一部編成(M116編成)の正面と側面に風林火山をイメージしたイラストの[[ラッピング車両|ラッピング]]が施されており、臨時特急列車「風林火山」号に優先的に運用していた。
** 2007年に放映された『風林火山』に合わせて一部編成(M-116編成)の正面と側面に風林火山をイメージしたイラストの[[ラッピング車両|ラッピング]]が施されており、臨時特急列車「風林火山」号に優先的に運用していた。
* デスティネーションキャンペーン「未知を歩こう。信州」
* デスティネーションキャンペーン「未知を歩こう。信州」
** 2010年10月から12月まで長野県内で実施されていた[[デスティネーションキャンペーン]]「未知を歩こう。信州」のキャラクター・アルクマなどのラッピングを施した9両編成2本(M-101・111編成)が同年9月9日から12月中旬まで運行されていた<ref>{{PDFlink|[http://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/100906_2.pdf 長野新幹線あさま号・中央東線特急あずさ号「信州デスティネーションキャンペーン」ラッピング車両を運転します!]}} - 東日本旅客鉄道長野支社プレスリリース 2010年9月7日</ref>。
** 2010年10月から12月まで長野県内で実施されていた[[デスティネーションキャンペーン]]「未知を歩こう。信州」のキャラクター・アルクマなどのラッピングを施した9両編成2本(M-101・111編成)が同年9月9日から12月中旬まで運行されていた<ref>{{Cite press release |和書 |format=PDF |date=2010-09-03 |url=https://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/100906_2.pdf |title=長野新幹線あさま号・中央東線特急あずさ号「信州デスティネーションキャンペーン」ラッピング車両を運転します! |accessdate=2010-09-07 |publisher=東日本旅客鉄道・同八王子支社・同長野支社}}</ref>。
*あずさ号運行開始50周年
*あずさ号運行開始50周年
**2016年10月15日から12月31日頃まで、9両1編成(M-102編成)に50周年を記念したエンブレムとロゴをラッピングし運転された<ref>{{Cite web|url=http://www.jreast.co.jp/hachioji/info/20161013/20161013_info1.pdf|title=特急「あずさ」号運行開始 50 周年を記念したイベントの実施と旅行商品の発売について|accessdate=2016-10-17|date=2016-10-13|format=PDF|publisher=|newspaper=東日本旅客鉄道・同八王子支社・同長野支社}}</ref>。
**2016年10月15日から12月31日頃まで、9両1編成(M-102編成)に50周年を記念したエンブレムとロゴをラッピングし運転された<ref>{{Cite press release |和書 |date=2016-10-13 |format=PDF |url=https://www.jreast.co.jp/hachioji/info/20161013/20161013_info1.pdf |title=特急「あずさ」号運行開始 50 周年を記念したイベントの実施と旅行商品の発売について |accessdate=2016-10-17 |publisher=東日本旅客鉄道・同八王子支社・同長野支社}}</ref>。
**このほか、0番台の全車の車内の座席テーブルにもエンブレムとロゴを施してい
**このほか、0番台の全車の車内の座席テーブルにもエンブレムとロゴを施してい


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{commonscat|JR East E257}}
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* [https://www.jreast.co.jp/train/express/wakashio_sazanami.html JR東日本:列車案内>わかしおさざなみしおさい(E257500番台・255]
* [https://www.jreast.co.jp/train/express/wakashio_sazanami.html わかしおさざなみしおさい(255/E257):JR東日本]
* [https://www.jreast.co.jp/train/express/odoriko.html JR東日本:列車案内>踊り子湘南(E257系2000番台・2500番台)] - 東日本旅客鉄道株式会社
* [https://www.jreast.co.jp/train/express/odoriko.html 踊り子湘南(E257系):JR東日本]
* [http://www.kinkisharyo.co.jp/ja/products/sh/257.htm JR東日本 E257系] - 近畿車輛
* [https://www.jreast.co.jp/train/express/akagi.html 草津・四万/あかぎ(E257系):JR東日本]
* 日立製作所『日立評論』2002年1月号「{{PDFlink|[https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/2002/01/2002_01_02.pdf 東日本旅客鉄道株式会社納めE257系特急電車」]}}」p.69。
* {{Wayback|url=http://www.kinkisharyo.co.jp/ja/products/sh/257.htm|date=20190923163033|title=JR東日本 E257系}} - [https://www.kinkisharyo.co.jp/ourproducts/?cat=1 近畿車輛]
* [https://web.archive.org/web/20071111091033/http://www.kinkisharyo.co.jp/pdf/gihou/KSW11/KSW11_p45-47.pdf 新製品紹介 E257系500番代特急電車 東日本旅客鉄道(株)殿](近畿車輌技報Vol.11・インターネットアーカイブ)


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2024年12月14日 (土) 13:35時点における最新版

JR東日本E257系電車
あずさ」で運用されるE257系0番台
(2008年1月20日 相模湖駅 - 高尾駅間)
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
製造所 日立製作所笠戸事業所
近畿車輛
東急車輛製造
製造年 2001年 - 2005年
製造数 249両
運用開始 2001年12月1日
主要諸元
編成 9両編成(5M4T
5両編成(3M2T
2両編成(1M1T
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 130 km/h
設計最高速度 140 km/h
全長 先頭車 21,000 mm
中間車 20,500 mm
全幅 2,946 mm
全高 3,980 mm(パンタグラフ折り畳み高さ)
床面高さ 1,140 mm
車体 アルミニウム合金
ダブルスキン構造A-train
台車 軸梁式ボルスタレス台車ヨーダンパ付)
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 145 kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 5.65(17:96)
制御方式 VVVFインバータ制御IGBT素子
制動装置 回生発電併用電気指令式空気ブレーキ
抑速ブレーキ・耐雪ブレーキ
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E257系電車(E257けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流特急形電車

概要

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日本国有鉄道(国鉄)から引き継いだ183系・189系や、波動輸送用に転用されていた直流用急行形電車165系)の置き換えのために2001年より投入した「新世代の特急形電車」である[1]

最初に登場した0番台の開発コンセプトは「シンプルさの中のくつろぎ」で、車体傾斜などによる速達性の向上よりは特急列車に求められる基本的な快適性の向上に主眼が置かれている[2]。車両デザインはGKインダストリアルデザインが担当した。

JRが独自に設計・製造した特急形車両として初めて製造両数が200両を越え、249両に達した。2022年4月1日現在では239両が残存し、JRグループの特急型車両では単独系列として最大数を誇る[3]

2002年に第45回鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した[4]

構造

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本項では落成時点および共通部分を中心に記述し、各番台固有の構造は後述する。

車体

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車体はE653系E751系を基本としたアルミ合金ダブルスキン構造を採用している。0番台は大糸線での運転を、500番台は臨時列車での降雪線区の運転をそれぞれ考慮し[注 1]、耐寒耐雪構造としている。

前面形状は高運転台非貫通構造のE653系やE751系とは異なり、E231系に似た切妻に近い形で、衝撃吸収構造となっている。0番台には非貫通構造、貫通構造、貫通簡易構造の3種類があり、簡易運転台を装備した付属編成のクモハE257形0番台はワンタッチ装置を備える。500番台は分割・併合運転を行うため先頭車は貫通構造のみで、クハE257形500番台にワンタッチ幌装置を備える。

前照灯ハロゲンシールドビーム(HSB)とプロジェクター式ディスチャージヘッドランプ(HID)を併用し、上部に補助灯も装備している。尾灯LED式。

前面にLED式の種別・愛称表示器を備えている。形状は非貫通構造の先頭車は横長、貫通先頭車ではほぼ正方形となる。側面行先表示器もLED式。

乗降用のドアはクハE257形は片側2か所、そのほかは片側1か所であり、このうちサロハE257形のみ中央寄りに設置されている。客室側窓は座席2列分で[注 2]、E653系やE751系と共通。窓ガラス紫外線カット機能付きの複層ガラス

低重心化のために空調装置はすべて床下に搭載し[1]、屋根上はパンタグラフ以外の重量物は搭載していない。

後に0番台の全編成と500番台ともに改良型のスカートの取り付けが実施されている[5]

車内

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普通車の座席は前後間隔(シートピッチ)960 mmの座面スライド機構付きリクライニングシートで、座席の回転は手動式である。座席背面にテーブル、カップホルダー、網ポケットのマガジンラックを装備する。車椅子対応座席は車椅子からの移乗に配慮して通路側回転としている。

0番台には、基本編成の8号車であるサロハE257形の下り方の半室グリーン車(グリーン室)が設定されている。座席はシートピッチ1,160 mm・横4列配置のリクライニングシートで、フットレスト、可動式枕、座席背面にテーブルを装備する。E351系で設置されていたシートヒーターは装備されていない。

車内はFRPやカラーパネルシートを多用し、デッキ・客室間の自動仕切り扉はタッチスイッチ式を採用した。E351系にあった大型の荷物置き場は本系列では当初設置されなかった。

LED式車内案内表示器を客室前後端部に備え、床材はゴム製のシートを挟んで振動を軽減している[6]照明はグリーン車・普通車ともに間接式である。

トイレの処理方式は洋式・男性用小便器ともに真空式で臭気を軽減しており、サハE257形・モハE257形1500番台は車椅子に対応する。車椅子対応トイレは入口幅や室内寸法を拡大し、入口扉は押ボタン式の自動ドアとなっている。

活性炭方式の脱臭機能空気清浄機付き空調装置のエアダクトは荷物棚と一体化し、荷物棚の先端と下部から吹き出す[6]

乗降用ドアは特急形で初めて徐々に強く閉まる方式を採用し、手を挟んだ場合の安全性を向上している。視覚障害者対応として開閉時に「ドアが開きます」「ドアが閉まります」といった警告音声が流れる。内側の塗装は0番台とその改造車が赤色、500番台とその改造車が白色である[注 3]

運転台の主幹制御器は左手操作のワンハンドル式を採用する。運転台は通常のTIMS用のモニタのほか、運転時刻表のみを表示する小型モニタを併設する。E217系やE231系近郊タイプに準じて踏切事故対策として前後の空間を広く確保する。貫通・非貫通構造車ともに運転席とデッキはガラスで仕切られ、デッキから前方の眺望が開ける。助士席部は運転席よりも若干低く造作され、児童らの踏み台として運転室背面にパイプを設置している[6]。運転室の背面仕切カーテンは電動式だが助士席側小窓はカーテンが無く、夜間やトンネル内でもデッキから前方が見通せる。

主要機器

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制御伝送システムは、E231系で採用されたTIMSを特急型車両として初めて搭載している。

0番台の主回路は日立製作所IGBT素子VVVFインバータ装置を搭載し、500番台はモハE257形1500番台が三菱電機IPMを、モハE257形500番台が日立製作所製IGBT素子VVVFインバータ装置をそれぞれ搭載して、磁励音の低減が図られている。モハE257形0・100・500番台はインバータ装置2群を搭載してモハE256形と合わせて8台の主電動機を、クモハE257形・モハE257形1000・1500番台はインバータ装置1群を搭載して自車のみ4台の主電動機を制御する。主電動機は出力145kWのかご形三相誘導電動機MT72A形(0番台)・MT72B形(500番台)を搭載する。起動加速度は0番台・500番台とも2.0km/h/sとなっている。

ブレーキシステムは回生発電ブレンディングブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを装備する。TIMSによって適切なブレーキ力を与える。発電ブレーキの搭載は、列車密度の低い路線では回生失効の頻度が高く、空気ブレーキが動作するケースが多いことによる。発電ブレーキシステムにブレーキチョッパを搭載しており、環境への配慮が図られている。

台車ボルスタレスヨーダンパ・軸バネオイルダンパ付きで、車輪径は860mm。E653系やE751系と基本的に同じもの[7](電動台車DT64系・付随台車TR249系)である。基礎ブレーキ装置は電動台車が踏面ブレーキ(ユニットブレーキ)、付随台車がユニットブレーキと1軸1枚のディスクブレーキを装備する[8]。電動台車の重量(主電動機、駆動装置含む)は5,920 kg、付随台車の重量(中間台車)は4,610 kgである[8]

パンタグラフは低断面トンネル対応のシングルアーム式PS36形(0番台)・PS37形(500番台)を採用する。PS36形とPS37形は取り付け互換性を有している。

警笛はAW2形空気笛とミュージックホーン・電子ホーンを併用する。

番台別概説

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0番台

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0番台
0番台による特急「かいじ
(2017年5月)
基本情報
製造年 2001年 - 2002年
製造数 154両
運用開始 2001年12月1日
運用終了 2019年3月15日(定期列車)
2021年6月20日(臨時列車)
投入先 あずさ・かいじ
中央本線篠ノ井線
主要諸元
編成 基本編成9両(5M4T
付属編成2両(1M1T)
最高運転速度 130km/h
起動加速度 2.0 km/h/s[9]
編成定員 9両558名(普通車530名・グリーン車28名)
2両120名(全車普通車)
自重 30.1 - 36.8 t
編成重量 9両 306.1 t
2両 70.9 t
台車 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)
DT64B(動力)・TR246B、TR249C、TR249D(付随)
主電動機 かご形三相誘導電動機 MT72A形
主電動機出力 145 kW
編成出力 11両 145kW×24=3,480kW
9両 145kW×20=2,900kW
保安装置 ATS-PATS-Ps
※クモハE257-0はATS-SNのみ
第45回(2002年
テンプレートを表示
貫通型の前面

中央本線で使われていた183・189系の老朽化による置き換えを目的として、日立製作所近畿車輛東急車輛製造で製造された。2001年(平成13年)12月1日ダイヤ改正より基本・付属各3編成が中央本線の特急あずさ」3往復で運用を開始、翌2002年(平成14年)3月23日に基本編成5本が投入され新たに特急「かいじ」5往復を[10]7月1日に基本編成5本、付属編成1本が投入され、残る4往復を[11]、12月1日のダイヤ改正で基本編成3本、付属編成1本が投入され、残った特急「あずさ」を置き換え、1年間で183系・189系を置き換えた[注 4]。同年7月1日より「中央ライナー」「青梅ライナー」にも充当されるようになった。

2018年10月1日時点では、松本車両センターに基本編成9両編成16本(144両)と付属編成2両編成5本(10両)の計154両が在籍していた[12]

E353系の増備に伴い徐々に運用を減らし、2019年3月15日をもって中央本線の定期特急列車運用から離脱した。その後余剰となった編成には順次「踊り子」用の2000番台へのリニューアル工事が施工され[13]、基本編成16本のうち13本[注 5]大宮総合車両センター東大宮センターへ移籍。185系を置き換えた[14](詳細は後述)。

付属編成2両編成5本(10両)に関しては、定期運用離脱後も長野総合車両センターにて留置されていたが、2020年6月15日付で本系列初の廃車となり[15]、同年9月までに全編成が解体された。いずれも基本編成のような改造・転用はなされなかった。

残った3編成は2000番台への改造や付属編成の廃車が行われた後も松本車両センターに残留していたが、2021年より順次波動用5000番台へ改造され、M-111編成の改造を最後に本番台は消滅した[16]

構成

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編成は基本編成がMT比5M4Tの9両編成、増結用の付属編成がMT比1M1Tの2両編成であった。松本駅における増・解結作業の関係上付属編成が新宿東京方に連結されており、号車番号は付属編成が1・2号車、基本編成が3 - 11号車となっていた。基本編成のみの9両編成で運転する場合でも号車番号の表示は変更されず、3 - 11号車の9両による運転として案内・表示された。これは編成両数にかかわらず自由席車両とグリーン車の号車番号を統一するための措置であった。グリーン車は基本編成の8号車に連結され、普通車との半室構造となっていた。

外観

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「ふるさとのぬくもり」「めぐりゆくふるさとの四季」をデザインコンセプトとしていた[2]。外観はアルプスの山々や林檎の花をイメージさせる白を基調としており、車体側面に四季の彩りを表す、武田菱を模した大きな菱形模様が描かれた[1]。菱形模様は桃色(春の花)、碧色(夏の木の葉)、黄色(秋の紅葉)、青紫(冬の山々)、銀色(八ヶ岳やアルプスの嶺)からなり、その配色は似ているものもあったが、号車ごとに異なっていた(左右のサイドでは向きが逆転しているため、8号車を除き全て東京・新宿側に傾いていた)。客用ドア横の号車番号表示は沿線の風物のイラストが号車ごとに描かれていた。

室内

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室内においてもデザインコンセプトに基づき、普通席・グリーン席共に座席の柄に武田菱を模したひし形のパターンが用いられていた。

普通車は明るく軽快なイメージで「カジュアルで楽しい雰囲気」を指向していた。荷棚上の小天井部は奇数号車がピンク、偶数号車がエメラルドグリーンとされた[2]

グリーン車は木目調の内装材や、カーペットを用いることで、落ち着いた雰囲気が指向されていた[2]

モハE257形100番台(9号車)の新宿方車端部に喫煙用フリースペースを設けていたが[1]、JR東日本の特急列車完全禁煙化により、2007年3月18日からは禁煙のフリースペースとして開放されていた。

形式(0番台)

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基本編成(M101 - M116編成)
[編集]
クハE256形(1 - 16)
基本編成の11号車に連結。CPを搭載する非貫通型制御車。定員64名。号車表示のイラストは「白馬村スキー場」。
クハE257形100番台(101 - 116)
基本編成の3号車に連結。CPを搭載する貫通型制御車。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備えていた。号車表示のイラストは「富士山」。
モハE256形(1 - 16)
基本編成の5号車に連結。補助電源用210kVA静止形インバータ(SIV)を搭載する中間電動車。定員64名。松本方車端部にトイレ洗面所カード公衆電話清涼飲料水自動販売機を備えていた。[注 7]。モハE257形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「甲府市」。
モハE257形(1 - 16)
基本編成の4号車に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「甲州市ぶどう」。
モハE256形100番台(101 - 116)
基本編成の10号車に連結。基本的にモハE256形0番台と同様。モハE257形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「道祖神」。
モハE257形100番台(101 - 116)
基本編成の9号車に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員64名。新宿方にフリースペースを備えていた。モハE256形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「信州りんご」。
モハE257形1000番台(1001 - 1016)
基本編成の6号車に連結。基本的にモハE257形0番台と同様。本形式とクモハE257形は1C4M方式の単独電動車であった。号車表示のイラストは「諏訪湖祭湖上花火大会」。
サハE257形(1 - 16)
基本編成の7号車に連結。CPを搭載する付随車。定員54名。出入台側に車椅子対応座席2席と松本方車端部に車椅子対応トイレと洗面所、車販準備室、多目的室を備えていた。号車表示のイラストはなく、その部分に車椅子マークを表示していた。
サロハE257形(1 - 16)
基本編成の8号車に連結。グリーン車・普通車合造の付随車で、定員はグリーン室28名・普通室24名。出入台に車掌室と業務用室、松本方車端部にトイレと洗面所を備えていた。号車表示ステッカーは2箇所あり、東京寄り(普通車側)のイラストは「松本城」、松本寄り(グリーン車側)はイラストの代わりにグリーン車マークが表示されていた。
付属編成(M201 - M205編成)
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クハE257形(1 - 5)
付属編成の1号車に連結。補助電源用110kVA SIVとスクリュー式電動空気圧縮機(CP)を搭載する非貫通型制御車。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備えていた。号車表示のイラストは「新宿高層ビル」。
クモハE257形(1 - 5)
付属編成の2号車に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する制御電動車定員68名。松本方に簡易運転台を備え[1]、連結時のワンタッチ幌装置を備えていた。簡易運転台は車両基地での増解結用で長距離の運転は想定していなかったが、スイッチと計器類は本設運転台とほぼ同じものが取り付けられ、電気笛を搭載していた。号車表示のイラストは「高尾山紅葉」。

編成(0番台)

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← 南小谷・松本・甲府
新宿・東京・千葉 →
基本編成 付属編成
号車 11 10 9< 8 7 6< 5 4< 3 2< 1
形式 クハ
E256
-0
モハ
E256
-100
モハ
E257
-100
サロハ
E257
-0
サハ
E257
-0
モハ
E257
-1000
モハ
E256
-0
モハ
E257
-0
クハ
E257
-100
クモハ
E257
-0
クハ
E257
-0

編成表(0番台)

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基本編成名 付属編成名 落成日 製造会社 改造後編成名 備考
M-101 M-201 2001年5月29日 日立製作所 NA-01 2020年6月15日 付属編成廃車
M-102 M-202 2001年6月6日 近畿車輛 NA-02 2020年6月15日 付属編成廃車
M-103 M-203 2001年6月22日 東急車輛 NA-03 2020年6月15日 付属編成廃車
M-104 2001年12月5日 日立製作所 NA-04
M-105 2002年1月10日 日立製作所 OM-91
M-106 2001年12月26日 近畿車輛 NA-05
M-107 2001年12月7日 東急車輛 OM-92
M-108 2002年2月6日 近畿車輛 NA-06
M-109 M-204 2002年4月8日 日立製作所 NA-07 2020年6月15日 付属編成廃車
M-110 2002年4月9日 東急車輛 NA-08
M-111 2002年5月10日 東急車輛 OM-93
M-112 2002年5月30日 日立製作所 NA-09
M-113 2002年6月10日 東急車輛 NA-10
M-114 M-205 2002年7月18日 日立製作所 NA-11 2020年6月15日 付属編成廃車
M-115 2002年8月7日 近畿車輛 NA-12
M-116 2002年9月4日 近畿車輛 NA-13
  • 前述のとおり、付属編成は新宿・東京方に連結されていた。号車番号は付属編成が1・2号車、基本編成が3 - 11号車となっていた。基本編成のみの9両編成で運転する場合でも号車番号の表示は変更されず、3 - 11号車の9両による運転として案内・表示されていた。

500番台

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500番台
500番台による特急「わかしお
(2021年3月 新習志野駅
基本情報
製造年 2004年 - 2005年
製造数 95両(5両編成19本)
運用開始 2004年10月16日
投入先 さざなみ
しおさい
あやめ
わかしお
主要諸元
編成 5両(3M2T
最高運転速度 130km/h
起動加速度 2.0 km/h/s[17]
減速度(常用) 5.2 km/h/s[17]
減速度(非常) 5.2 km/h/s[17]
編成定員 5両 306名(全車普通車)
自重 34.2 - 37.6 t
編成重量 5両 180.6 t
台車 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)
DT64B(動力)・TR246D、TR249E(付随)
主電動機 かご形三相誘導電動機 MT72B形
主電動機出力 145 kW
編成出力 5両 145kW×12=1,740kW
保安装置 ATS-P、ATS-SN
備考 出典[18]
テンプレートを表示

房総地区の特急列車に運用されていた183系・189系の老朽化による置き換えを目的として製造された。幕張電車区(現:幕張車両センター)に配置され、2004年10月16日のダイヤ改正から営業運転を開始した。「Boso Express」の愛称がある。0番台と同様に日立製作所・近畿車輛・東急車輛製造で製造された。

車両の構造は0番台を基本としているが、一部の車内設備と搭載機器に相違があるために車両番号を500番台として区分している。MT比は地下トンネル内の勾配区間の走行を考慮して3M2Tとしている。分割・併合での運転を考慮して、東京方および銚子安房鴨川方の先頭車の双方とも前面貫通構造を採用している。

車内は普通車のみの5両編成で、グリーン車は連結されていない。インテリアは座席の柄が青を基調としたものとなっている。

0番台とは異なり、純電気ブレーキは採用されていない。

車体色は、255系と同様に房総特急のイメージカラーであるホワイト□(ビーチ)をベースに、側下にブルー(深みのある太平洋)・客用ドアと正面にイエロー(明るい陽光と房総に咲く菜の花)を基調にデザインされている。客用扉横に「boso」の「b」と、幕張新都心の直線的で近代的な建築物を模したデザインのロゴマークが配置されている。

2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正より「さざなみ」「わかしお」に投入され、さらに翌2005年(平成17年)12月10日のダイヤ改正からは「しおさい」「あやめ」にも投入され、房総地区で運用されていた183系・189系をすべて置き換えた。

2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正で千葉、房総地区の特急列車が削減されたことに伴い[19]、9編成(45両)の余剰車が発生した[19]。余剰車のうち2編成はホームライナーに使用され、3編成は富士急行線直通列車に使用されることになり、後者は幕張車両センター所属のまま豊田車両センター常駐となった。

豊田車両センター常駐の3編成は2019年ダイヤ改正を前に車体デザインが小変更され、側窓周りに黒塗装が追加されたほか、客用扉横と正面のロゴが「SERIES E257」に変更され、NB-10編成が赤、NB-11編成がグレー、NB-12編成が緑のアクセントカラーがそれぞれ入れられていた。

その後、2019年3月16日のダイヤ改正で「ホームライナー千葉」が廃止されたため、同列車に使われていた2編成が余剰となり、余剰車は計6編成となった。うち4編成は2500番台へ改造され、2編成は豊田車両センター常駐の3編成とともに5500番台に改造された。

2022年4月1日現在、幕張車両センターに5両編成10本(NB-01 - 05、15 - 19、50両)が配置されている[20]

形式(500番台)

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クハE256形500番台(501 - 519)
補助電源用210kVA SIVとCPを搭載する制御車。定員64名。1(6)号車に連結する。
クハE257形500番台(501 - 519)
CPを搭載する制御車。定員52名。東京方車端部にトイレと洗面所を備える。1次車(501 - 510)は当初喫煙車で天井に空気清浄機オゾン脱臭装置を備えていたが[1]、2005年12月10日のダイヤ改正で禁煙車となったため撤去された。2次車は当初から禁煙車のため準備工事のみとなっている。連結時のワンタッチ幌装置を備えている。5(10)号車に連結する。
モハE257形1500番台(1501 - 1519)
VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員54名。客室端に車椅子対応座席2席と東京側車端部に車椅子対応トイレと洗面所、車内販売準備室、多目的室を備える。2(7)号車に連結する。
モハE256形500番台(501 - 519)
補助電源用210kVA SIVを搭載する中間電動車。定員64名。東京方車端部にトイレ・洗面所、カード式公衆電話を備える。モハE257形500番台とユニットを構成し、3(8)号車に連結する。
モハE257形500番台(501 - 519)
VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形500番台とユニットを構成し、4(9)号車に連結する。

編成(500番台)

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← 安房鴨川・君津・銚子
東京・新宿 →
号車 5
(10)
>4
(9)
3
(8)
>2
(7)
1
(6)
形式 クハ
E257
-500
モハ
E257
-500
モハ
E256
-500
モハ
E257
-1500
クハ
E256
-500

編成表(500番台)

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編成名 落成日 製造会社 改造後編成名 備考
NB-01 2004年7月16日 日立製作所
NB-02
NB-03 2004年8月5日 日立製作所
NB-04
NB-05 2004年8月26日 日立製作所
NB-06 NC-31
NB-07 2004年9月8日 近畿車輛 NC-32
NB-08 OM-51
NB-09 2004年9月16日 日立製作所 OM-52
NB-10 OM-53 改造前は豊田常駐(赤)
NB-11 2005年7月22日 東急車輛 OM-54 改造前は豊田常駐(灰)
NB-12 OM-55 改造前は豊田常駐(緑)
NB-13 2005年8月26日 東急車輛 NC-33
NB-14 NC-34
NB-15 2005年9月2日 日立製作所
NB-16
NB-17 2005年10月7日 日立製作所
NB-18
NB-19 2005年10月28日 日立製作所

2000番台

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2000番台
2000番台による特急「踊り子
(2022年2月 新子安駅
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
種車 0番台
改造所 長野総合車両センター
秋田総合車両センター
総合車両製作所横浜事業所
改造年 2019年 - 2021年
改造数 117両
運用開始 2020年3月14日
投入先 踊り子湘南
主要諸元
編成 9両(5M4T
最高運転速度 130km/h
編成定員 9両546名(普通車498名・グリーン車48名)
テンプレートを表示
2000番台貫通形先頭車

東海道線特急「踊り子」「スーパービュー踊り子」やライナー列車などに使用されていた185系251系215系の置き換えを目的に、0番台に転用改造と機器更新が施されたことにより誕生した番台区分[21]。改造は2019年(平成31年・令和元年)から2021年(令和3年)にかけて長野総合車両センター秋田総合車両センターおよび総合車両製作所横浜事業所で行われた。

2022年(令和4年)4月1日現在、9両編成13本(NA-01 - 13編成、117両)が大宮総合車両センター東大宮センターに配置されている[14]

車番は0番台の車番+2000となっており、基本的に編成番号はNA-01=M-101、NA-02=M-102という順で改番されている(一部編成を除く)。

0番台ではグリーン車と普通車の半室構造となっていたサロハE257形が、2000番台では全室グリーン車に改造されサロE257形となっている。

リニューアルにあたり、車体塗装はE261系に準じて白地に伊豆の空と海の色をイメージしたペニンシュラブルーを基調としたものに変更され、前照灯ハロゲンシールドビーム(HSB)+HIDプロジェクターからLEDのものへと交換された。前面の3色LED電光表示板は交換されずに転用された。

内装面は、座席のモケットが交換され、窓側座席に電源コンセント、各座席上方にE657系と同様の指定席発売状況確認ランプ、各先頭車に荷物置き場が設置された[22]。グリーン車は床板と肘掛けが更新されたが、旧普通席部分で座席と窓枠の位置が合わない席が生じている。

普通車は「スタンダードでありながら奥行き感のある現代的な空間」、グリーン車は「リッチで高品質感のある現代的な空間」をデザインコンセプトとしている[21]

編成(2000番台)

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← 伊豆急下田
東京・新宿 →
基本編成(2000番台)
号車 1 2 3< 4 5 6< 7 8< 9
形式 クハ
E256
-2000
モハ
E256
-2100
モハ
E257
-2100
サロ
E257
-2000
サハ
E257
-2000
モハ
E257
-3000
モハ
E256
-2000
モハ
E257
-2000
クハ
E257
-2100

編成表(2000番台)

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編成名 竣工 改造施工 旧編成 備考
NA-01 2020年7月28日 長野総合車両センター M-101
NA-02 2021年1月22日 M-102
NA-03 2019年4月4日 秋田総合車両センター M-103
NA-04 2019年10月1日 長野総合車両センター M-104
NA-05 2020年4月24日 秋田総合車両センター M-106
NA-06 2019年10月15日 総合車両製作所横浜事業所(内装)
秋田総合車両センター(外装)
M-108
NA-07 2019年12月6日 秋田総合車両センター M-109
NA-08 2019年8月28日 M-110
NA-09 2019年2月27日 長野総合車両センター M-112
NA-10 2019年6月25日 M-113
NA-11 2020年4月14日 M-114
NA-12 2020年10月26日 M-115
NA-13 2020年1月10日 M-116

2500番台

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2500番台
2500番台による特急「湘南
(2022年4月 二宮駅 - 大磯駅間)
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
種車 500番台
改造所 秋田総合車両センター
改造年 2020年 - 2021年
改造数 20両
運用開始 2021年3月13日
投入先 踊り子湘南
あかぎ草津・四万
主要諸元
編成 5両(3M2T)
最高運転速度 130km/h
編成定員 5両298名(全車普通車)
テンプレートを表示

東海道線特急「踊り子」の伊豆箱根鉄道直通列車などに使用されていた185系の置き換えを目的に、500番台に転用改造と機器更新が施されたことにより誕生した番台区分[21]。改造は2020年から2021年にかけて秋田総合車両センターで行われた。

2022年4月1日現在、5両編成4本(NC-31 - 34編成、20両)が大宮総合車両センター東大宮センターに配置されている[14]

車番は500番台の車番+2000となっている(一部編成を除く)。

内外装ともにデザインは2000番台に準拠している。

編成(2500番台)

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  • 「踊り子」「湘南」での運転時は10 - 14号車、「あかぎ」「草津・四万」での運転時は1 - 5号車となる。
← 修善寺
東京 →

← 上野・新宿
 高崎・長野原草津口 →
号車 10 11< 12 13< 14
1 2< 3 4< 5
形式 クハ
E256
-2500
モハ
E257
-3500
モハ
E256
-2500
モハ
E257
-2500
クハ
E257
-2500

編成表(2500番台)

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編成名 竣工 改造施工 旧編成 備考
NC-31 2020年9月29日 秋田総合車両センター NB-06
NC-32 2020年7月6日 NB-07
NC-33 2021年1月25日 NB-13
NC-34 2021年3月4日 NB-14

5000番台

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5000番台
5000番台による特急「あずさ」
(2024年4月27日 豊田駅 - 八王子駅間)
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
種車 0番台
改造所 長野総合車両センター
改造年 2021年
改造数 27両
運用開始 2021年8月12日
主要諸元
編成 9両(5M4T
最高運転速度 130 km/h
編成定員 9両550名(普通車522名・グリーン車28名)
テンプレートを表示
5000番台貫通型先頭車

直流区間内の臨時列車(波動輸送)に使用されていた185系の置き換えを目的として、0番台に転用改造及び機器更新が施されて落成した。2021年令和3年)に9両編成3本が長野総合車両センターで改造され、大宮総合車両センター東大宮センターに配置された。

リニューアルにあたり、基本的な設備は2000番台をベースに、外板色は爽やかさ、エネルギッシュ、環境、抑揚、流れをイメージした白地に緑色を基調としたものに変更された[23][24]。クハE257-5100は自動幌があった場所に塞ぎ板が設置され、非貫通となった[23]

車内には1号車、9号車に荷物置き場と各客室の防犯カメラの設置、カーテンや普通車の側小天井パネルの交換などが行われたが、それ以外は種車と同仕様になっている[23][24]

編成(5000番台)

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号車表記は便宜上のもので、中央本線特急など一部列車では号車が逆転することがある。

← 松本
新宿 →

← 伊豆急下田・熱海
東京・黒磯 →


号車 1 2 3< 4 5 6< 7 8< 9
形式 クハ
E256
-5000
モハ
E256
-5100
モハ
E257
-5100
サロハ
E257
-5000
サハ
E257
-5000
モハ
E257
-6000
モハ
E256
-5000
モハ
E257
-5000
クハ
E257
-5100

編成表(5000番台)

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編成名 竣工 改造施工 旧編成 備考
OM-91 2021年5月24日[23] 長野総合車両センター[23] M-105
OM-92 2021年8月20日[23] M-107
OM-93 2021年12月17日[16] M-111

5500番台

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5500番台
5500番台
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
種車 500番台
改造所 秋田総合車両センター
改造年 2021年 - 2022年
改造数 25両
運用開始 2021年10月2日(臨時)
2023年3月18日(定期)
投入先 あかぎ草津・四万
主要諸元
編成 5両(3M2T)
最高運転速度 130 km/h
編成定員 5両298名(全車普通車)
テンプレートを表示

5000番台と同様の波動輸送用として、500番台に転用改造及び機器更新が施されて誕生した番台区分。2021年(令和3年)から2022年(令和4年)にかけて5両編成5本が秋田総合車両センターで改造され、大宮総合車両センター東大宮センターに配置された。

リニューアルにあたっては5000番台と同じく、基本的な設備は2500番台をベースに、外板色は爽やかさ、エネルギッシュ、環境、抑揚、流れをイメージした白地に緑色を基調としたものに変更された[23][24]。車内については各客室への防犯カメラ設置やカーテンや普通車の側小天井パネルの交換などが行われたが、それ以外は種車と同仕様となっている[23][24]

編成(5500番台)

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← 上野
高崎・長野原草津口 →

← 松本・熱海
黒磯 →
号車 1 2< 3 4< 5
形式 クハ
E256
-5500
モハ
E257
-6500
モハ
E256
-5500
モハ
E257
-5500
クハ
E257
-5500

編成表(5500番台)

[編集]
編成名 竣工 改造施工 旧編成 備考
OM-51 2021年8月16日[23] 秋田総合車両センター[23] NB-08
OM-52 2021年5月18日[23] NB-09
OM-53 2021年10月7日[16] NB-10
OM-54 2022年1月12日[14] NB-11
OM-55 2022年4月2日 NB-12

運用

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0番台

[編集]

導入から定期運用終了まで「あずさ」「かいじ」「中央ライナー」「青梅ライナー」などの中央東線の特急列車・ライナーを中心に運用されていた。

間合い運用では、篠ノ井線松本 - 信越本線長野間を結ぶ快速列車にも1日1往復充当されていたほか、東海道線「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」に充当されていた時期もあった[注 8]

ダイヤの乱れや車両故障などの理由によりE351系の代走として「スーパーあずさ」の運用に入ったほか、修学旅行などの団体専用列車として運用されることもあり、日光線や信越本線(現在はしなの鉄道北しなの線)黒姫駅まで入線した実績があった。

2018年(平成30年)7月1日に「あずさ」「かいじ」の一部に9両編成のE353系7本(63両)が投入されたことにより運用を減らし[注 9]、2019年3月16日のダイヤ改正で中央東線の特急用車両が一部の臨時列車を除き全てE353系に統一されたことにより[注 10][25]、定期運用を終了した。その後は前述の通り基本編成は2000番台と5000番台に改造、付属編成は廃車となって0番台は2021年に消滅した。5000番台に改造された編成は定期運用終了後改造されるまでの間、臨時列車としてあずさや新宿さざなみなどに充当された。

500番台

[編集]

房総地区の特急列車のほか、以前は間合い運用で早朝の鹿島線の一部普通列車や横須賀線の「おはようライナー逗子」「ホームライナー逗子」「ホームライナー千葉」にも使用されていた。

房総特急の縮小に伴って余剰が発生し、関東地方を中心とした多くの臨時列車で使用されるようになった。2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正以降は、5両編成のまま「あずさ」「かいじ」の臨時列車や「ホリデー快速富士山」(後の「富士回遊」)、「ホリデー快速鎌倉」などでも運用されていたが「ホリデー快速鎌倉」の運用は2021年9月が最後となった。

2000番台

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2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正で、2000番台(基本編成)が185系で運用される特急「踊り子」のうち、東京 - 伊豆急下田間1.5往復と伊豆急下田→池袋間1本、土休日はそれに加え、新宿→伊豆急下田間1本と伊豆急下田→東京間1本に投入された。2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正までに「踊り子」運用を当系列で統一したほか「湘南ライナー」に代わって新たに運転される特急「湘南」にも投入された[26][22]

また、2024年(令和6年)には新宿白馬間で運転された臨時特急アルプスに充当され、中央本線篠ノ井線大糸線などに入線した[27]

2500番台

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2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正で、修善寺駅発着の「踊り子」や「湘南」に投入され、運用を開始した。

2023年(令和5年)3月18日のダイヤ改正からは651系で運用されていた特急「あかぎ」や「草津・四万」の後継車両として運用を開始した5500番台と共通で運用されている。

5000番台

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定期運用は設定されておらず、臨時列車団体臨時列車のみで運用される。

2021年(令和3年)8月12日に臨時特急「さざなみ」91号で営業運転を開始した[28]。同年12月からは臨時特急「あずさ」として新宿 - 松本間、2023年2月からは臨時特急「踊り子」として東京 - 伊豆急下田間でも運転されている。

5500番台

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2021年(令和3年)10月2日・3日に両国駅にて開催の「ちばトレインフェスティバル」にて、185系と日付を分けてOM-52編成が展示され[29]、同日から快速「武蔵野・青梅奥多摩号」でOM-51編成が営業運転を開始した。

運行開始当初は臨時列車や団体列車に用いられていたが、2021年にホリデー快速鎌倉において500番台を置き換えたことで定期的な運用を持つようになり、2023年3月18日のダイヤ改正では651系1000番台を置き換えて特急「あかぎ」「草津・四万」に投入され、定期運用を持つようになった[30][31]。2024年3月をもって「鎌倉」(「ホリデー快速鎌倉」から特急へ格上げ)での運用を終了し、E653系1000番台に置き換えられた。現在は上述の「あかぎ」「草津・四万」のほか、臨時の「富士回遊」などに使用されている。

特別装飾・ラッピング

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  • NHK大河ドラマ風林火山
    • 2007年に放映された『風林火山』に合わせて一部編成(M-116編成)の正面と側面に風林火山をイメージしたイラストのラッピングが施されており、臨時特急列車「風林火山」号に優先的に運用していた。
  • デスティネーションキャンペーン「未知を歩こう。信州」
    • 2010年10月から12月まで長野県内で実施されていたデスティネーションキャンペーン「未知を歩こう。信州」のキャラクター・アルクマなどのラッピングを施した9両編成2本(M-101・111編成)が同年9月9日から12月中旬まで運行されていた[32]
  • あずさ号運行開始50周年
    • 2016年10月15日から12月31日頃まで、9両1編成(M-102編成)に50周年を記念したエンブレムとロゴをラッピングし運転された[33]
    • このほか、0番台の全車の車内の座席テーブルにもエンブレムとロゴを施していた。

脚注

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注釈

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  1. ^ 置き換え対象となった幕張車両センターの183・189系車両が、かつて冬場に上越線方面のスキー列車(新雪シュプール号など)に使われたことがあったため。
  2. ^ 183系グレードアップ改造車より上下寸法を90ミリメートル(mm)拡大している。
  3. ^ 651系以来、特急車両のドア内側は水色(651系)や青色(255系・E653系)など鮮やかに塗装されていたが、E257系500番台を境に以降の車両はすべて白色に統一されている。
  4. ^ 捻出された183系・189系の一部は団体・臨時用として使用されていた165系の置き換えに転用されている。
  5. ^ M-105・M-107・ M-111編成以外
  6. ^ 2007年3月17日までは喫煙スペースとして使用。
  7. ^ 自動販売機は2008年4月1日から使用停止となっている。
  8. ^ 2003年(平成15年)春から2008年3月改正まで充当。
  9. ^ あずさ10往復中3往復、かいじ12往復中9往復
  10. ^ 「あずさ」「かいじ」および新設の「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ

出典

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  1. ^ a b c d e f 吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)「新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車」『RAIL FAN』第49巻第2号、鉄道友の会、2002年2月1日、2-5頁。 
  2. ^ a b c d 東日本旅客鉄道(株)運輸車両部企画課車両開発プロジェクト (2001-08-01). “E257系特急型直流電車”. 鉄道ファン (交友社) Vol.41 (通巻484号): pp129-136. 
  3. ^ ジェー・アール・アール 編『JR電車編成表 2022夏』交通新聞社、2022年、407頁。ISBN 9784330028224 
  4. ^ 『読売新聞』2002年6月14日朝刊山梨2面33頁「[短信]6月14日=山梨」(読売新聞東京本社)
  5. ^ 交通新聞社「JR電車編成表2015夏」記事。
  6. ^ a b c 吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)「新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車」『RAIL FAN』第49巻第2号、鉄道友の会、2002年2月1日、2-5頁。 
  7. ^ 吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)「新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車」『RAIL FAN』第49巻第2号、鉄道友の会、2002年2月1日、2-5頁。 
  8. ^ a b 日本鉄道車輌工業会『車両技術』222号(2001年9月)「JR東日本 E257系特急形電車」p.35。
  9. ^ 日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第38回(2001年)「JR東日本E257系電車用主回路システム」論文番号504。
  10. ^ 『RAIL FAN』第49巻第5号、鉄道友の会、2002年5月1日、19頁。 
  11. ^ 「鉄道記録帳」『RAIL FAN』第49巻第10号、鉄道友の会、2002年10月号、22頁。 
  12. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2019冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2018年、p.101。ISBN 9784330932187
  13. ^ 中央線特急列車「あずさ」「かいじ」E353系置き換えについて - JR東日本長野支社 2018年5月16日
  14. ^ a b c d ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.58-59。ISBN 9784330028224
  15. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2020年、p.358。ISBN 9784330082202
  16. ^ a b c ジェー・アール・アール「JR車両の動き」『鉄道ダイヤ情報 №454 2022 3月号』第51巻3号(通巻454号)、交通新聞社、2022年2月15日、103頁。 
  17. ^ a b c 日本鉄道車両工業会「車両技術」229号「JR東日本 E257系500代特急形直流電車の概要」記事。
  18. ^ 交友社『鉄道ファン』2004年10月号新車ガイド「JR東日本 E257系500番台」p.101。
  19. ^ a b 交友社「鉄道ファン」2015年5月号「平成27年3月14日ダイヤ改正にともなうJR東日本車両の動き」記事。
  20. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.50。ISBN 9784330028224
  21. ^ a b c JR東日本ニュース『特急「踊り子」にリニューアル車両を順次投入します』』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道株式会社 横浜支社、2019年11月28日https://www.jreast.co.jp/press/2019/yokohama/20191128_y01.pdf2021年9月11日閲覧 
  22. ^ a b 東海道線特急「湘南」「踊り子」のご案内”. 東日本旅客鉄道公式HP 首都圏発着在来特急のご案内. 東日本旅客鉄道. 2020年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月19日閲覧。
  23. ^ a b c d e f g h i j k 吉田勝博(東日本旅客鉄道鉄道事業本部運輸車両部車両技術センター)「E257系5000・5500番台特急形直流電車」『鉄道ファン』第61巻第12号(通巻728号)、交友社、2021年12月1日、42 - 48頁、OCLC 61102288 
  24. ^ a b c d 吉田勝博(東日本旅客鉄道鉄道事業本部運輸車両部車両技術センター)「JR東日本E257系 転用改造・機器更新の概要」『鉄道ピクトリアル』第71巻第11号(通巻第992号)、電気車研究会、2021年9月1日、96 - 102頁、ISSN 0040-4047 
  25. ^ 2019年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2018年12月14日https://www.jreast.co.jp/press/2018/20181213.pdf2018年12月19日閲覧 
  26. ^ 東海道線特急が新しく生まれ変わります』(PDF)(プレスリリース)東日本旅<客鉄道、2020年11月12日https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201112_ho02.pdf2020年11月13日閲覧 
  27. ^ JR東日本、特急「アルプス」運行開始 初日はE257系2000番代使用」マイナビニュース 2024年7月13日
  28. ^ 波動用E257系が房総に”. ちばとぴ!タウン. ちばとぴ!鉄道部. 千葉日報社 (2021年8月14日). 2021年8月14日閲覧。
  29. ^ ~鉄道の安全・安心と地域の魅力を発信!~「ちばトレインフェスティバル」を開催します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道千葉支社、2021年9月13日https://www.jreast.co.jp/press/2021/chiba/20210913_c01.pdf2021年9月13日閲覧 
  30. ^ 2023年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社、2022年12月16日https://www.jreast.co.jp/press/2022/takasaki/20221216_ta01.pdf2022年12月16日閲覧 
  31. ^ 特急草津・四万 特急あかぎ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社、2022年12月16日https://www.jreast.co.jp/info/2022/takasaki/20221216_ta02.pdf2022年12月16日閲覧 
  32. ^ 長野新幹線あさま号・中央東線特急あずさ号「信州デスティネーションキャンペーン」ラッピング車両を運転します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・同八王子支社・同長野支社、2010年9月3日https://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/100906_2.pdf2010年9月7日閲覧 
  33. ^ 特急「あずさ」号運行開始 50 周年を記念したイベントの実施と旅行商品の発売について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道・同八王子支社・同長野支社、2016年10月13日https://www.jreast.co.jp/hachioji/info/20161013/20161013_info1.pdf2016年10月17日閲覧 

外部リンク

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