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「プリーズ・プリーズ・ミー (曲)」の版間の差分

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2021年9月6日 (月) 08:34時点における版

ビートルズ > ビートルズの曲名一覧 > プリーズ・プリーズ・ミー (曲)
ビートルズ > ビートルズの作品 > プリーズ・プリーズ・ミー (曲)
「プリーズ・プリーズ・ミー」
ビートルズシングル
初出アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー
B面 アスク・ミー・ホワイ
リリース
録音
ジャンル
時間
レーベル
作詞・作曲 マッカートニー=レノン
プロデュース ジョージ・マーティン
ゴールドディスク
後述を参照
チャート最高順位
後述を参照
ビートルズ シングル U.K. 年表
ビートルズ シングル U.S. 年表
ビートルズ シングル U.S. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
プリーズ・プリーズ・ミー 収録曲
アスク・ミー・ホワイ
(A-6)
プリーズ・プリーズ・ミー
(A-7)
ラヴ・ミー・ドゥ
(B-1)
音源
テンプレートを表示

プリーズ・プリーズ・ミー」(Please Please Me)は、ビートルズの楽曲。イギリスでは1963年1月に2作目のシングルとして、アメリカでは1963年2月に1作目のシングルとして発売された。また、1作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバムのタイトル曲ともなった。マッカートニー=レノン名義となっているが、ジョン・レノンによって書かれた楽曲[4][5][6]で、プロデュースはジョージ・マーティンが手がけた[7]。楽曲についてレノンは、「ロイ・オービソン風にしようとしたんだけど、信じられるかな?メンローブ・アベニューにある叔母の家の寝室で書いたんだ」と語っている[8]

イギリスで発売されたシングルは、ニュー・ミュージカル・エクスプレス誌およびメロディー・メーカー英語版誌の音楽チャートで第1位を獲得したが、ミュージック・ウィーク誌が発表した全英シングルチャートでは第2位となった。この関係から、イギリスもしくはアメリカで1位を獲得した楽曲を収録したコンピレーション・アルバム『ザ・ビートルズ1』には未収録となった。

シングル盤のB面曲は、イギリス盤およびアメリカ盤第1版には「アスク・ミー・ホワイ」、アメリカ盤第2版には「フロム・ミー・トゥ・ユー」が収録された。

背景・曲の構成

ビートルズは、1962年10月5日にシングル盤『ラヴ・ミー・ドゥ』でデビューし、全英シングルチャートでは最高位17位を獲得した[9]。この結果に期待感を持ったジョージ・マーティンは、2作目のシングルの制作を計画した。

本作のアレンジには変遷があり、マーティンによると「元のアレンジはテンポが遅くて退屈で、ヒットする見込みはなかった」とのこと。このため、マーティンは2作目のシングルとして、デビュー・シングル候補としてレコーディング済みであった「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」を発売することを計画したが、メンバーはオリジナル曲を発売することにこだわったため[7]、マーティンは「これに負けない曲を作ってこい」と伝えた。その後本作を書き換えて、テンポも上げられた[7]。曲の仕上がりにはマーティンも満足し、メンバー側の意見が通された。なお、「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」は、のちにジェリー&ザ・ペースメイカーズのデビュー・シングルとして発売された[注釈 1]

本作の曲名「プリーズ・プリーズ・ミー」は、一種の言葉遊びになっており最初の"Please"は「どうぞ〜」という間投詞で、2番目の"please"は「〜を喜ばせる」という他動詞。よって「どうぞ僕を喜ばせてください」という意味となる。これはビング・クロスビーの楽曲「Please」からヒントを得たもの[7][注釈 2]。当初のテイクでは、コーラスやレスポンスは入っておらず、ハーモニカのイントロも存在しなかった。

レコーディング

ジョージ・マーティンによると、本作は1962年9月11日に行なわれた「ラヴ・ミー・ドゥ」のリメイク・セッションで最初のレコーディングが行なわれたのだという。この当時の曲調は、レノンが憧れているロイ・オービソンのスタイルに倣い、オービソンの代表曲「Only The Lonely」を思わせるスロー・ナンバーであった。ドラムスは同日のセッションに参加したアンディ・ホワイトが担当しており、リンゴ・スタータンバリンマラカスを演奏していた[8]。また、このテイクにおいてレノンはハーモニカを吹いていない。しかし、この時のテイクについてマーティンは、「非常に退屈な歌」とし、テンポを上げることを提案した。このことについて、ポール・マッカートニーは後に「本当はちょっと恥ずかしかったんだ。彼(ジョージ・マーティン)のほうがこの曲の正しいテンポを解っていたんだからね」と述べている[8]

その後、1962年11月26日にリメイクが開始された。この時には現行のテンポが上げられたアレンジになっており、イントロにはハーモニカのパートが加えられた。18テイク録音した後、マーティンは「この曲がビートルズの初のナンバー・ワン・ソングになるだろう」とメンバーに伝えた[10][11]。なお、同日のセッションでは、「アスク・ミー・ホワイ」とマッカートニー作の「ティップ・オブ・マイ・タング英語版[注釈 3]のレコーディングも行われた。

1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』に、1962年9月11日にレコーディングされた音源が収録されているが、マーティンが回想しているスロー・テンポのアレンジではなく、リメイク後のテンポが上げられたアレンジとなっている。また、ドラマーについても意見が分かれており、レコーディング・エンジニアのロン・リチャーズは「その日のセッションでは、リンゴはドラムスを演奏していない」としている一方で、1966年に発売の『リボルバー』よりレコーディング・エンジニアを担当したジェフ・エメリックは「アンディ・ホワイトが帰った後に、ロード・マネージャーのマル・エヴァンズがリンゴのドラムスをセットして、リンゴがドラムを演奏しているのを目撃した」としている[12]。そのため、元のスロー・バージョンは公式では未発表となっている。

ミックス

1963年2月25日にマーティンは、テイク16、17、18を使用してアルバム用のステレオ・ミックスを作成。ステレオ・ミックスでは、曲の途中でレノンが歌詞を間違えており、途中にレノンがかすかに笑う声が入っている。このほか、ジョージ・ハリスンがギターリフをミスしている箇所も存在している。

「プリーズ・プリーズ・ミー」のステレオ・ミックスは、1963年4月に発売されたアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』ステレオ盤に収録された。長らくステレオ・ミックスはCD化されなかったが、2005年に発売されたCDボックス『ザ・ビートルズ ザ・キャピトル・アルバムス Vol.2』中のアルバム『ジ・アーリー・ビートルズ』に収録された。

リリース・評価

「プリーズ・プリーズ・ミー」は、1963年1月11日にシングル盤として発売され、B面は「アスク・ミー・ホワイ」が収録された。シングルはメロディー・メイカーとニュー・ミュージカル・エクスプレスで1位を獲得したが、現在の全英シングルチャートに統合されることになるレコード・リテイラー誌(後のミュージック・ウィーク誌)では2位であったため[13]、英米(もしくはいずれか)で1位を獲得したシングル曲を集めたコンピレーション・アルバム『ザ・ビートルズ1』(2000年初出)には収録されていない[14]

当初アメリカでの発売権は、キャピトル・レコードに与えられていたが、キャピトル側がこれを拒否[15]。このため本作の発売権がヴィージェイ・レコードに移り、1963年2月25日に発売された[16]が、売上枚数7,310枚と低調だった[15]。その後アメリカでの知名度の上昇によって、考えを改めたキャピトルより発売されたシングル『抱きしめたい』がBillboard Hot 100で第1位を獲得。これに続くかたちで、1964年1月3日にキャピトルから第2版にあたるシングル『プリーズ・プリーズ・ミー』が発売され、1964年3月14日付のBillboard Hot 100で最高位の第3位を獲得[17]。また、4月4日付の同チャートでは、ビートルズの楽曲が上位5位を獲得した[注釈 4][18]。アメリカではヴィージェイ編集盤『Introducing... The Beatles』(第2版)に収録されたのち、1965年に発売されたキャピトル編集盤『ジ・アーリー・ビートルズ』にも収録された。なお、ヴィージェイから発売された第1版には誤植があり、バンド名が「The Beattles」となっており[19][20][注釈 5]、後のプレスで修正された[21]。また、ヴィージェイ盤では、作者のクレジットがイギリスでは「McCartney-Lennon」とされていたのに対し、「J. Lennon - P. McCartney」となっていた。その後イギリスでは、シングル『シー・ラヴズ・ユー』から「Lennon-McCartney」とクレジットされるようになった。

日本では、1964年2月10日に『抱きしめたい』に続く2作目のシングルとして発売され、4月15日に発売された編集盤『ビートルズ!』に収録された。

本作は、解散後に発売された『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』、『ザ・ビートルズ/グレイテスト・ヒッツ』、『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』にも収録された。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では第184位(ビートルズの楽曲では15位)を記録[22]ITVの音楽番組『Thank Your Lucky Stars』(1963年1月19日放送回)には、本作で初出演を果たした[23][24]

演奏

※出典[4][8]

レコーディング・エンジニアノーマン・スミスが務めた。

チャート成績

認定

国/地域 認定 認定/売上数
アメリカ合衆国 (RIAA)[35] Platinum 1,000,000double-dagger

* 認定のみに基づく売上数
^ 認定のみに基づく出荷枚数

カバー・バージョン

この曲は多くのアーティストによってカバーされており、主なアーティストにデヴィッド・キャシディザ・クリケッツ英語版マット・ダスクらがいる[36]

日本で放送されたHonda軽自動車「Nシリーズ」(N-BOXシリーズN-ONEN-WGN)のCMには、CMオリジナルのアレンジバージョンが使用された。

脚注

注釈

  1. ^ ジェリー&ザ・ペースメイカーズ版のプロデュースもジョージ・マーティンが手がけた。
  2. ^ 「Please」の歌詞の"Please lend your little ear to my pleas"という部分で、「プリーズ」は別の意味で2回遣われている。
  3. ^ 「ティップ・オブ・マイ・タング」は、1963年7月にトミー・クィックリーがシングル盤を発売したが、ヒットしなかった。なお、ビートルズ版は音源が現存していない。
  4. ^ 1位:「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、2位:「ツイスト・アンド・シャウト」、3位:「シー・ラヴズ・ユー」、4位:「抱きしめたい」、5位:「プリーズ・プリーズ・ミー」
  5. ^ 1963年のWLSでは、この誤ったスペルが使用された。

出典

  1. ^ Dowlding 2009, eBook.
  2. ^ Merseybeat Music Albums - オールミュージック. 2020年7月31日閲覧。
  3. ^ Unterberger, Richie. Please Please Me - The Beatles | Song Infos - オールミュージック. 2020年7月31日閲覧。
  4. ^ a b MacDonald 2005, p. 62.
  5. ^ Harry 1992, p. 528.
  6. ^ Miles 1997, p. 91.
  7. ^ a b c d The Beatles 2000, p. 90.
  8. ^ a b c d Sheff, David (2010). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. St. Martin's Press. p. 168. https://books.google.com/books?id=HL7X-YyrINUC&pg=PA168 2020年7月31日閲覧。 
  9. ^ Official Singles Chart Top 50”. Official Charts Company (1962年12月27日). 2020年7月31日閲覧。
  10. ^ Lewisohn 1988, p. 23.
  11. ^ ルウィソーン, マーク『ビートルズ/レコーディング・セッション』内田久美子(訳)、シンコー・ミュージック、1990年、24頁。 
  12. ^ Emerick & Massey 2006, p. 52.
  13. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年7月31日閲覧。
  14. ^ Anon. “Please Please Me History”. Bearles Music History. DKR Products. 2020年7月31日閲覧。
  15. ^ a b Spizer 2004, p. 14.
  16. ^ Spizer 2004, p. 15.
  17. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard. Prometheus Global Media (1964年3月14日). 2020年7月31日閲覧。
  18. ^ The Hot 100 Chart”. Billboard. Prometheus Global Media (1964年4月4日). 2020年7月31日閲覧。
  19. ^ Spizer 1998, p. 4.
  20. ^ Spizer 2004, p. 16.
  21. ^ Spizer 1998, p. 7.
  22. ^ The RS 500 Greatest Songs of All Time”. Rolling Stone. RealNetworks (2004年12月9日). 2020年7月31日閲覧。
  23. ^ Riley 1989.
  24. ^ ビートルズ伝説の幕開け、『プリーズ・プリーズ・ミー』完成までの物語”. Rolling Stone Japan. CCC Music Lab (2020年4月26日). 2020年7月31日閲覧。
  25. ^ Kent, David (2005). Australian Chart Book (1940-1969). Turramurra: Australian Chart Book. ISBN 0-646-44439-5 
  26. ^ "The Irish Charts – Search Results – Please Please Me". Irish Singles Chart. Retrieved 16 May 2016.
  27. ^ 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP、2015年、97頁。ISBN 978-4-8222-7834-2 
  28. ^ Flavour of New Zealand, 4 April 1963
  29. ^ Swedish Charts 1962 - March 1966/Kvällstoppen – Listresultaten vecka för vecka > Mars 1963” (Swedish). hitsallertijden.nl. 2020年7月31日閲覧。
  30. ^ Hoffmann, Frank (1983). The Cash Box Singles Charts, 1950-1981. Metuchen, NJ & London: The Scarecrow Press, Inc. pp. 32-34 
  31. ^ Offizielle Deutsche Charts” (Enter "Beatles" in the search box) (German). GfK Entertainment Charts. 2020年7月31日閲覧。
  32. ^ wls032064”. Users.qwest.net (1964年3月20日). 2016年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月31日閲覧。
  33. ^ Top 100 Hits of 1964/Top 100 Songs of 1964”. Musicoutfitters.com. 2020年7月31日閲覧。
  34. ^ Cash Box YE Pop Singles - 1964”. Web.archive.org (2014年7月19日). 2020年7月31日閲覧。
  35. ^ "American single certifications – The Beatles – Please Please Me". Recording Industry Association of America. 2020年7月31日閲覧
  36. ^ Please Please Me - The Beatles | Cover Songs - オールミュージック. 2021年6月12日閲覧。

参考文献

外部リンク