2020年中華民国立法委員選挙
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
区域および不分区選挙結果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2020年中華民国立法委員選挙(2020ねんちゅうかみんこくりっぽういいんせんきょ、繁: 2020年中華民國立法委員選舉、正式名称: 第10屆立法委員選舉[1])は、2020年(民国109年)1月11日に行われた、中華民国の国会である立法院を構成する立法委員を選出する選挙である。
中華民国の元首である総統を選出する総統選挙も同時に行われ、立法委員選挙と総統選挙のダブル選挙となった。
概要
[編集]前回選挙で勝利した民主進歩党は、選挙前より7議席を減らしたものの、第一党の座を守り、立法院での過半数を維持した。中国国民党は比例区では民主進歩党に迫る政党票を獲得したが、選挙区で伸び悩み、3議席増にとどまった。また、2019年に台北市長・柯文哲が主導して設立した台湾民衆党は5議席を、2014年のひまわり学生運動で発生した時代力量は3議席を、台湾基進は1議席をそれぞれ獲得した。
なお、台湾の人口統計の結果を受け、2019年1月に選挙区の調整が行われ、台南市・新竹県はそれぞれ1議席増、高雄市・屏東県はそれぞれ1議席減となった[2]。今回の選挙で新区割りが初めて適用される。
選挙データ
[編集]立法委員の任期4年が満了したことに伴って実施される選挙である。
立法院の定数は113名でこのうち、区域(73名)と全国不分区及び僑居国外国民(34名)の他、原住民(平地と山地それぞれ3名ずつの計6名)をそれぞれ選出する仕組みとなっている。
投票日
[編集]定数
[編集]- 113
- 区域:73
- 全国不分区及び僑居国外国民:34
- 原住民:6
- 平地原住民:3
- 山地原住民:3
選挙制度
[編集]- 有権者:20歳以上で中華民国の国籍所持者
- 区域:18,806,913人
- 全国不分区及び僑居国外国民:19,312,105人
- 平地原住民:199,833人
- 山地原住民:215,115人
- 選挙制度:単一選区両票制(小選挙区比例代表並立制)
- 投票:2票制。選挙区候補と比例代表政党への投票(記号式)
- クオータ制:比例代表当選者の半分以上は女性候補でなければならない
選挙結果
[編集]選挙の結果、蔡英文総統の与党である民主進歩党(選挙時68議席)は61議席となり、過半数の確保に成功した。最大野党である中国国民党(選挙時35議席)は3議席増で38議席となった。小政党の台湾民衆党は5議席を、時代力量は選挙時と同じく3議席を、台湾基進は1議席をそれぞれ獲得した。なお、選挙区の調整により、同党内の争いを避けるため、民主進歩党の一部の候補者は無所属で選挙戦に参加した[3]。
- 投票率:74.86%
- 区域:75.13%
- 平地原住民:62.30%
- 山地原住民:68.60%
党派 | 区域(小選挙区) | 不分区(比例代表) | 原住民 | 合計議席 | 議席増減[注釈 1] | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
得票数 | 得票率 | 議席 | 得票数 | 得票率 | 議席 | 平地 | 山地 | ||||
民主進歩党 | 6,332,168 | 45.60% | 46 | 4,811,241 | 33.98% | 13 | 1 | 1 | 61 | ▼7 | |
中国国民党 | 5,633,749 | 40.57% | 22 | 4,723,504 | 33.36% | 13 | 2 | 1 | 38 | △3 | |
台湾民衆党 | 264,478 | 1.91% | - | 1,588,506 | 11.22% | 5 | 0 | 0 | 5 | △5 | |
時代力量 | 141,952 | 1.02% | - | 1,098,100 | 7.76% | 3 | 0 | 0 | 3 | ▼2 | |
台湾基進 | 141,503 | 1.02% | 1 | 447,286 | 3.16% | - | 0 | 0 | 1 | △1 | |
無所属 | 1,013,347 | 7.30% | 4 | - | - | - | 0 | 1 | 5 | △2 | |
合計 | 14,129,999 | 73 | 14,456,293 | 34 | 3 | 3 | 113 | ||||
第10回立法選挙 党派別議席数 ■=民主進歩党/■=中国国民党/■=台湾民衆党/■=時代力量/■=台湾基進/■=無所属 |
当選議員
[編集]区域・原住民当選者
[編集]民主進歩党 中国国民党 台湾民衆党 時代力量 台湾基進 無所属 [4]
台北市 | 1区 | 呉思瑶 | 2区 | 何志偉 | 3区 | 蔣万安 | 4区 | 高嘉瑜 | 5区 | 林昶佐[民 1] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6区 | 林奕華 | 7区 | 費鴻泰 | 8区 | 頼士葆 | |||||
新北市 | 1区 | 洪孟楷 | 2区 | 林淑芬 | 3区 | 余天 | 4区 | 呉秉叡 | 5区 | 蘇巧慧 |
6区 | 張宏陸 | 7区 | 羅致政 | 8区 | 江永昌 | 9区 | 林徳福 | 10区 | 呉琪銘 | |
11区 | 羅明才 | 12区 | 頼品妤 | |||||||
基隆市 | 全市 | 蔡適応 | ||||||||
宜蘭県 | 全県 | 陳欧珀 | ||||||||
桃園市 | 1区 | 鄭運鵬 | 2区 | 黄世杰 | 3区 | 魯明哲 | 4区 | 万美玲 | 5区 | 呂玉玲 |
6区 | 趙正宇[無 1] | |||||||||
新竹市 | 全市 | 鄭正鈐 | ||||||||
新竹県 | 1区 | 林為洲 | 2区 | 林思銘 | ||||||
苗栗県 | 1区 | 陳超明 | 2区 | 徐志栄 | ||||||
台中市 | 1区 | 蔡其昌 | 2区 | 陳柏惟 | 3区 | 楊瓊瓔 | 4区 | 張廖万堅 | 5区 | 荘競程 |
6区 | 黄国書[民 2] | 7区 | 何欣純 | 8区 | 江啓臣 | |||||
彰化県 | 1区 | 陳秀宝 | 2区 | 黄秀芳 | 3区 | 謝衣鳳 | 4区 | 陳素月 | ||
南投県 | 1区 | 馬文君 | 2区 | 許淑華 | ||||||
雲林県 | 1区 | 蘇治芬 | 2区 | 劉建国 | ||||||
嘉義市 | 全市 | 王美恵 | ||||||||
嘉義県 | 1区 | 蔡易余 | 2区 | 陳明文 | ||||||
台南市 | 1区 | 頼恵員 | 2区 | 郭国文 | 3区 | 陳亭妃 | 4区 | 林宜瑾 | 5区 | 林俊憲 |
6区 | 王定宇 | |||||||||
高雄市 | 1区 | 邱議瑩 | 2区 | 邱志偉 | 3区 | 劉世芳 | 4区 | 林岱樺 | 5区 | 李昆沢 |
6区 | 趙天麟 | 7区 | 許智傑 | 8区 | 頼瑞隆 | |||||
屏東県 | 1区 | 鍾佳浜 | 2区 | 蘇震清[民 3] | ||||||
台東県 | 全県 | 劉櫂豪[民 4] | ||||||||
花蓮県 | 全県 | 傅崐萁[国 1] | ||||||||
澎湖県 | 全県 | 楊曜 | ||||||||
金門県 | 全県 | 陳玉珍 | ||||||||
連江県 | 全県 | 陳雪生 | ||||||||
原住民 | 平地 | 鄭天財[注釈 2] | 陳瑩[注釈 3] | 廖国棟[注釈 4] | ||||||
山地 | 高金素梅[無 2][注釈 5] | 孔文吉[注釈 6] | 伍麗華[注釈 7] |
補欠選挙
[編集]年 | 月 | 選挙区 | 当選者 | 当選政党 | 欠員 | 欠員政党 | 欠員事由 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022年 | 1月 | 台中市第2区 | 林静儀 | 民主進歩党 | 陳柏惟 | 台湾基進 | 2021年10月のリコール成立により失職[11]。 | [12] |
2023年 | 1月 | 台北市第3区 | 王鴻薇 | 中国国民党 | 蔣万安 | 中国国民党 | 2022年11月10日に台北市長選への出馬のため辞職[13]。 | [14] |
3月 | 南投県第2区 | 蔡培慧 | 民主進歩党 | 許淑華 | 中国国民党 | 2022年中華民国統一地方選挙で南投県長に当選[15]。 | [16] | |
- | 台北市第6区 | 欠員[注釈 8] | 林奕華 | 中国国民党 | 2023年2月3日に台北市副市長に就任[17][18]。 |
全国不分区及び僑居国外国民当選者
[編集]議席獲得政党の比例名簿の掲載順に記載[4]。
全国不分区及び僑居国外国民[19] | 民主進歩党 | 呉玉琴 | 洪申翰 | 范雲 | 羅美玲 | 邱泰源 | 周春米 | 游錫堃 | 柯建銘 | 管碧玲 | 荘瑞雄 | 沈発恵 | 林楚茵 | 湯蕙禎[民 5] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中国国民党 | 曽銘宗 | 葉毓蘭 | 李貴敏 | 呉斯懐 | 鄭麗文 | 林文瑞 | 廖婉汝 | 翁重鈞 | 呉怡玎 | 陳以信 | 張育美 | 李徳維 | 温玉霞 | |
台湾民衆党 | 頼香伶 | 張其禄 | 高虹安 | 邱臣遠 | 蔡壁如 | |||||||||
時代力量 | 陳椒華 | 邱顕智 | 王婉諭 |
繰上当選
[編集]年 | 月 | 繰上者 | 政党名 | 欠員 | 欠員事由 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|
2022年 | 10月 | 呉欣盈 | 台湾民衆党 | 蔡壁如 | 2022年10月14日、修士学位の取消により辞職[20]。 | [21] |
12月 | 陳琬恵 | 台湾民衆党 | 高虹安 | 2022年中華民国統一地方選挙で新竹市長に当選[15]。 | [22] | |
陳静敏 | 民主進歩党 | 周春米 | 2022年中華民国統一地方選挙で屏東県長に当選[15]。 | [23] | ||
2023年 | 2月 | 陳培瑜 | 民主進歩党 | 管碧玲 | 2023年1月に中華民国海洋委員会主任委員に就任[24]。 | [25] |
脚注
[編集]注釈
[編集]当選者注釈
[編集]- 民主進歩党
- ^ 2023年11月27日に民主進歩党に入党[5]。
- ^ 2021年10月17日、戒厳令の時代に情報部門のスパイを務めたことが発覚したため、民主進歩党を離党[6][7]。
- ^ 選挙前が民主進歩党籍であったが、選挙区の変動により無所属で出馬し、当選後に復党。2021年2月26日に再び民主進歩党を離党[8]。その後、趙正宇と共に民主進歩党の院内会派に参加。
- ^ 2023年11月10日に次期選挙で民主進歩党の公認をもらえず、無所属で出馬するために離党[9]。
- ^ 名簿順位は16位だが、「選挙罷免法」67条の「比例代表で各政党の女性当選者は当選者の50%を上回らなければならない」とするクオータ制により当選。
- 中国国民党
- 無所属
出典
[編集]- ^ “選舉資料庫” (中国語). 選舉資料庫. 2024年5月30日閲覧。
- ^ “立委選區席次變更 賴清德、蘇嘉全達共識 - 政治 - 自由時報電子報” (中国語). 自由電子報 (2018年12月28日). 2020年1月13日閲覧。
- ^ 聯合新聞網. “選情初探/屏東立委1選區 泛綠分裂 蘇家人成關鍵” (中国語). 聯合新聞網. 2020年1月13日閲覧。
- ^ a b “中央選舉委員會公告 中選務字第 1093150021 號”. 行政院公報 (行政院) 026 (015). (2020-01-22) .
- ^ “林昶佐宣布加入民進黨 推薦人為賴清德 | 政治” (中国語). 中央社 CNA (2023年11月27日). 2024年1月14日閲覧。
- ^ “黃國書認曾是情治單位線民 宣布退出民進黨 | 政治 | 重點新聞 | 中央社 CNA” (中国語). www.cna.com.tw (2021年10月17日). 2021年10月17日閲覧。
- ^ 高橋正成 (2021年11月24日). “台湾の国会議員はなぜ「学生スパイ」だったのか | 中国・台湾”. 東洋経済オンライン. 2022年1月11日閲覧。
- ^ “蘇震清宣布退出民進黨:捍衛清白 不讓府院黨高層困擾 | 政治 | 重點新聞 | 中央社 CNA” (中国語). www.cna.com.tw (2021年2月26日). 2021年9月28日閲覧。
- ^ “劉櫂豪退出民進黨 宣布以無黨籍參選台東立委 - 政治 - 自由時報電子報” (中国語). news.ltn.com.tw (2023年11月10日). 2024年1月14日閲覧。
- ^ 自由時報電子報 (2021年11月20日). “傅崐萁重返國民黨 率領5千大軍入黨挺「劉邦」 - 政治” (中国語). 自由時報電子報. 2022年1月11日閲覧。
- ^ “陳柏惟服務處自行宣布罷免案通過 承認努力不夠 | 政治 | 重點新聞 | 中央社 CNA” (中国語). www.cna.com.tw (2021年12月27日). 2021年10月23日閲覧。
- ^ “中央選舉委員會:::第10屆立法委員臺中市第2選舉區缺額補選結果:::” (中国語). 中央選舉委員會 (111/01/09). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “蔣萬安辭立委 宣示破釜沉舟贏回北市 | 政治 | 中央社 CNA” (中国語). www.cna.com.tw (2022年11月10日). 2022年11月11日閲覧。
- ^ “「王鴻薇瞬間逆轉!」王浩宇曝「關鍵票倉」助攻拉開差距-風傳媒” (中国語). www.storm.mg (2023年1月8日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ a b c “延長賽!4立委成功「轉換跑道」 2不分區遞補 北市3、投縣2「再戰」 | 政治” (中国語). Newtalk新聞 (2022年11月26日). 2022年11月27日閲覧。
- ^ “南投立委補選「最終票數」出爐 蔡培慧45218票勝選 | 政治 | 三立新聞網 SETN.COM” (中国語). www.setn.com (2023年3月4日). 2023年3月5日閲覧。
- ^ “林奕華明年2月出任台北市副市長 大安區立委不須補選[影 | 政治]” (中国語). 中央社 CNA (2022年12月23日). 2023年3月18日閲覧。
- ^ “蔣萬安第4波小內閣 林奕華接台北市副市長、俞振華掌研考會 | 地方” (中国語). 中央社 CNA (2022年12月23日). 2023年3月18日閲覧。
- ^ 第 10 屆 立法委員選舉不分區政黨得票數 中選會.
- ^ “碩士學位遭撤銷…民眾黨立委蔡壁如宣布請辭 由新光吳欣盈遞補” (中国語). 聯合新聞網 (2022年10月14日). 2022年10月15日閲覧。
- ^ “將遞補蔡壁如立委遺缺 新光吳欣盈首度表態:我願意付出” (中国語). 聯合新聞網 (2022年10月15日). 2022年10月15日閲覧。
- ^ “宜蘭縣意外撿到一席立委 民眾黨陳琬惠動向受矚目” (中国語). 葛瑪蘭新聞網 (2022年12月26日). 2022年12月26日閲覧。
- ^ 自由時報電子報 (2022年12月25日). “中選會公告 民進黨陳靜敏、民眾黨陳琬惠遞補不分區立委 - 政治” (中国語). 自由時報電子報. 2022年12月26日閲覧。
- ^ “管碧玲學者出身 回政治發跡地高雄掌海委會備受期待 | 政治” (中国語). 中央社 CNA (2023年1月26日). 2023年3月18日閲覧。
- ^ 李若雯 (2023年2月26日). “自幼被母拋棄、中年法庭相見 新科立委陳培瑜的放下、自我救贖之路”. 天下Web only. 2023年3月18日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “第 10 屆 立法委員選舉資料”. 中央選舉委員會. 2022年3月29日閲覧。
- 2020立委大選即時戰況 - 中央社