角川短歌賞
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角川短歌賞(かどかわたんかしょう)は、月刊の短歌総合誌『短歌』(角川文化振興財団[1])が毎年公募する新人賞で、未発表の短歌・五十首連作が対象である。角川俳句賞と同時に設けられた。
概要
[編集]歴代受賞者の多くは、いわゆる実力派へと成長している。第一回は1955年(昭和30年)であったが、該当作はなかった。これまでに「該当作なし」は5度あるが、直近の2021年(令和3年)は46年ぶりであった。
第66回(2020年)以降の選考委員は、松平盟子、坂井修一、俵万智、藪内亮輔の4名が務めている。受賞者には賞状と副賞として賞金30万円が贈られる。
歴代受賞作と受賞者
[編集]次席以下は抜粋。
- 第1回(1955年) - 該当作なし
- 第2回(1956年) - 「棕梠の花」安永蕗子
- 次席 - 「雨季」川口未根子
- 第3回(1957年) - 「古代悲笳」岡田行雄、「草のある空」加藤正明
- 第4回(1958年) - 「四旬節まだ」生野俊子
- 第5回(1959年) - 「冬木」青木ゆかり
- 最終候補 - 「榛の木について」板宮清治
- 第6回(1960年) - 「麦は生ふれど」深井芳治、「小さき宴」稲葉京子
- 第7回(1961年) - 「成人通知」浜田康敬
- 次席 - 「青」黒田淑子
- 第8回(1962年] - 「冬の稜線」井上正一
- 次席 - 「夏、暗い罠が」新城貞夫
- 第9回(1963年) - 「老に来る夏」鈴木忠次、「ゴーガン忌」鷲尾酵一
- 第10回(1964年) - 「フラノの沓」苑翠子
- 第11回(1965年) - 「秋序」柴英美子
- 第12回(1966年) - 該当作なし
- 第13回(1967年) - 「声また時」武田弘之
- 候補 - 「荒涼たる風景」奥村晃作
- 第14回(1968年) - 「年々の翠」小山そのえ
- 第15回(1969年) - 「桜花の記憶」河野裕子
- 第16回(1970年) - 該当作なし
- 第17回(1971年) - 「幻としてわが冬の旅」竹内邦雄
- 候補 - 「太陽の朝餉」永井陽子
- 第18回(1972年) - 「縦走砂丘」江流馬三郎
- 第19回(1973年) - 「黒き葡萄」宮岡昇
- 候補 - 「八月」竹山広
- 第20回(1974年) - 「テクノクラットのなかに」鵜飼康東
- 第21回(1975年) - 該当作なし
- 次席 - 「二十歳の譜」栗木京子
- 第22回(1976年) - 「白き路」大谷雅彦
- 候補 - 「空の滑り台」阿木津英
- 第23回(1977年) - 「帆を張る父のやうに」松平盟子
- 第24回(1978年) - 「熱情ソナタ」新川克之、「望郷」大崎瀬都
- 候補 - 「柵内の豹」池田はるみ
- 第25回(1979年) - 「午後の章」今野寿美
- 候補 - 「風舌」阿木津英、「海が膨らむ」武藤雅治
- 第26回(1980年) - 「風天使」吉沢昌実、「一片の雲」時田則雄
- 候補 - 「走れ、まどろみ」西王燦
- 第27回(1981年) - 「花首」志野暁子
- 候補 - 「ダムダムの首」西王燦
- 第28回(1982年) - 「一期不会」塘健、「こころの壺」井川京子
- 第29回(1983年) - 「血統樹林」江畑實
- 第30回(1984年) - 「野の異類」阪森郁代
- 候補 - 「神の痛みの神学のオブリガード」古谷智子、「風の丘陵」久我田鶴子
- 第31回(1985年) - 「夏樫の素描」米川千嘉子
- 第32回(1986年) - 「八月の朝」俵万智
- 次席 - 「シンジケート」穂村弘
- 第33回(1987年) - 「アビー・ロードを夢見て」山田富士郎
- 候補 - 「家族の季」辰巳泰子
- 第34回(1988年) - 「ジュラルミンの都市樹」香川ヒサ
- 第35回(1989年) - 「水の上まで」高橋則子
- 第36回(1990年) - 「キャラメル」田中章義
- 第37回(1991年) - 「横断歩道(ゼブラ・ゾーン)」梅内美華子
- 佳作 - 「貝寄風」上村典子、「春の嵐」広坂早苗
- 第38回(1992年) - 「夏木立」中川佐和子
- 第39回(1993年) - 「光りて眠れ」岸本由紀
- 第40回(1994年) - 「町、また水のべ」中埜由季子
- 第41回(1995年) - 「霧降る国で」渡辺幸一、「夢と数」河野美砂子
- 第42回(1996年) - 「素足のジュピター」小守有里
- 第43回(1997年) - 「異客」沢田英史
- 第44回(1998年) - 「ナショナリズムの夕立」大口玲子
- 第45回(1999年) - 「始まりはいつも」福井和子
- 第46回(2000年) - 「いびつな果実」松本典子、「百回忌」佐々木六戈
- 候補 - 「靴箱」松村正直、「空の鏡」鶴田伊津、「高原を吹く風」岡部史
- 第47回(2001年) - 「眼鏡屋は夕ぐれのため」佐藤弓生
- 次席 - 「光の変容」島田幸典
- 第48回(2002年) - 「星の供花」田宮朋子
- 第49回(2003年) - 「夏の読点」駒田晶子
- 次席 - 「冷えゆく耳」後藤由紀恵
- 第50回(2004年)- 「乱反射」小島なお[2]
- 第51回(2005年) - 「闘牛の島」森山良太
- 次席 - 「水と付箋紙」光森裕樹
- 第52回(2006年) - 「黙秘の庭」澤村斉美
- 第53回(2007年) - 「桃花水を待つ」 齋藤芳生
- 第54回(2008年) - 「空の壁紙」 光森裕樹
- 第55回(2009年) - 「夏の曲馬団」 山田航
- 第56回(2010年) - 「硝子の駒」 大森静佳
- 次席 - 「あのあたり」小原奈実
- 第57回(2011年) - 「一人、教室」 立花開
- 次席 - 「海蛇と珊瑚」藪内亮輔
- 第58回(2012年) - 「花と雨」藪内亮輔
- 佳作 - 「フェイクファー」笠木拓
- 第59回(2013年) - 「忘却のための試論」 吉田隼人、「冬の星図」 伊波真人
- 第60回(2014年) - 「うみべのキャンバス」 谷川電話
- 第61回(2015年) - 「革靴とスニーカー」 鈴木加成太
- 次席 - 「シャンデリア まだ使えます」佐佐木定綱
- 第62回(2016年) - 「魚は机を濡らす」 佐佐木定綱、「輪をつくる」竹中優子
- 第63回(2017年) - 「十七月の娘たち」 睦月都
- 次席 - 「膨らんだ風船抱いて」カン・ハンナ
- 佳作 - 「ナイルパーチの鱗」 知花くらら
- 第64回(2018年) - 「オン・ザ・ロード」 山川築
- 第65回(2019年) - 「季の風」 田中道孝、「螺旋階段」 鍋島恵子
- 第66回(2020年) - 「光射す海」 田中翠香、「嵌めてください」 道券はな
- 第67回(2021年) - 該当作なし
- 第68回(2022年) - 「injustices」 工藤貴響
- 第69回(2023年) - 「楚樹」渡邊新月
- 第70回(2024年) - 「光を仕舞う」平井俊
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ KADOKAWAの社内ブランド。
- ^ 受賞時18歳2か月は史上最年少。大谷雅彦(第22回)、立花開(第57回)も18歳での受賞だが、生まれた月日は小島が最も遅い。10代での受賞は、これに19歳受賞の田中章義(第36回)を加えた4人のみ。
- ^ “NHK短歌番組出演のカン・ハンナが角川短歌賞佳作”. ORICON STYLE. (2016年10月26日) 2016年10月26日閲覧。