コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

防府市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
防府から転送)
ほうふし ウィキデータを編集
防府市
防府市旗 防府市章
防府市旗 防府市章
日本の旗 日本
地方 中国地方
都道府県 山口県
市町村コード 35206-3
法人番号 2000020352063 ウィキデータを編集
面積 189.37km2
総人口 111,688[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 590人/km2
隣接自治体 周南市山口市
市の木 サンゴジュ
市の花 サルビア
市の花木 ウメ
防府市役所
市長 池田豊
所在地 747-8501
山口県防府市寿町7番1号
北緯34度03分05秒 東経131度33分45秒 / 北緯34.05128度 東経131.56256度 / 34.05128; 131.56256座標: 北緯34度03分05秒 東経131度33分45秒 / 北緯34.05128度 東経131.56256度 / 34.05128; 131.56256
地図
市庁舎位置

外部リンク 公式ウェブサイト

防府市位置図

― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト

防府市(ほうふし)は、山口県の中南部にある瀬戸内海周防灘に面している。

概要

[編集]
防府市中心部周辺の空中写真。
2010年4月25日撮影の18枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

山口県の瀬戸内側の中央部、県内で最大の防府平野を持ち、一級河川佐波川の河口に位置する都市である。

防府市は西国街道に沿っており、東の周南市、西の(旧)小郡町(現:山口市東部。山陽新幹線 新山口駅〈旧:小郡駅〉付近)とは、西国街道の後身であるJR山陽本線ならびに国道2号で繋がっている。

防府市は、山口市中心部(現:山口市西部。JR山口線 山口駅付近、湯田温泉とは国道262号で繋がっている[注釈 1]

防府市は、山口市の西の宇部市とは山陽自動車道で繋がっている。山口宇部空港とは、JR山陽本線(防府駅→新山口駅)と高速バス(新山口駅→山口宇部空港)で行き来できる。

商圏については山口市南部・旧秋穂町・旧徳地町・周南市西部が防府市の商圏と重複している。

気候は盆地の山口市とは全く異なり、周南市など瀬戸内沿岸地域に近い。テレビのチャンネルは本局の送信所のある大平山からの電波を受信するため、山口市や周南市の一部チャンネルとほぼ同一設定である[1]

現在は大型店舗の進出が相次ぐために、旧来からの商店街や門前町は衰退しており、商業都市よりも産業・工業都市の性格が強い。2015年NHK大河ドラマ花燃ゆ』は、主人公・杉文(楫取美和子)が現在の防府市内で晩年を過ごしたことにより、ルルサス防府内に大河ドラマ館が期間限定(2015年1月11日-2016年1月11日)で設置されるなど、観光振興策をとるようになった。

かつては三田尻(みたじり)、中関(なかのせき)、宮市(みやいち)と呼ばれることもあった。奈良時代以後周防国国府が置かれた都市(国府、府中)であり、現在の都市名も周国の国に因む。国衙(こくが)など律令時代の遺跡や地名も多い。

地理

[編集]
桑山から望む防府市街
右田ヶ岳からみた防府市

山口県のほぼ中央に位置し、南を瀬戸内海に面する。市の北西から瀬戸内海に向かって一級水系佐波川(さばがわ)が流れ、山口県では数少ない、河口付近に開けた平野部に都市が成り立っている。さらに沖合側はかつての塩田の跡が干拓されて平野部を形成している。

東を周南市に、西・北を山口市に接する。瀬戸内海には佐波島向島野島、平島、沖島の5島が市に属している。

市の東西にそれぞれ新幹線停車駅があり、県庁所在地である山口市、山口宇部空港を有する宇部市、コンビナートの周南市の3都市に囲まれた中心部に位置するためアクセス性に富む。

地名

[編集]

1936年、4町村の合併により発足。合併前の各町村の15大字が継承された。その後、1939年から1955年にかけて5村を編入し16大字を加えため、合計で31大字となった。ただし、その後住居表示実施により旧防府町の3大字が消滅したため、現在は28大字が残る。

  • 三田尻町(旧防府町)
  • 三田尻村(旧防府町)
  • 新田(旧防府町)
  • 野島(旧防府町)
  • 宮市(旧防府町)
  • 西佐波令(旧防府町)
  • 東佐波令(旧防府町)
  • 向島(旧中関町)
  • 浜方(旧中関町)
  • 田島(旧中関町)
  • 牟礼(旧牟礼村)
  • 江泊(旧牟礼村)
  • 植松(旧仁井令村)
  • 仁井令(旧仁井令村)
  • 伊佐江(旧仁井令村)
  • 西浦(旧西浦村。編入時に大字設置)
  • 上右田(旧右田村)
  • 下右田(旧右田村)
  • 高井(旧右田村)
  • 大崎(旧右田村)
  • 佐野(旧右田村)
  • 富海(旧富海村。編入時に大字設置)
  • 奥畑(旧小野村)
  • 久兼(旧小野村)
  • 和字(旧小野村)
  • 真尾(旧小野村)
  • 鈴屋(旧小野村)
  • 奈美(旧小野村)
  • 中山(旧小野村)
  • 切畑(旧大道村)
  • 台道(旧大道村)

1965年より住居表示を実施している。

  • 戎町1丁目~2丁目(1965年、三田尻村・西佐波令)
  • 八王子1丁目~2丁目(1965年、三田尻村・西佐波令)
  • 本橋町(1965年、西佐波令)
  • 今市町(1965年、西佐波令)
  • 平和町(1965年、西佐波令)
  • 佐波1丁目~2丁目(1965年、西佐波令・仁井令)
  • 千日1丁目~2丁目(1965年、西佐波令)
  • 新橋町(1965年、西佐波令)
  • 寿町(1965年、西佐波令・仁井令)
  • 国分寺町(1967年、東佐波令)
  • 惣社町(1967年、東佐波令)
  • 多々良1丁目~2丁目(1967年、東佐波令)
  • 国衙1丁目~5丁目(1967年、東佐波令)
  • 美和町(1967年、東佐波令)
  • 緑町1丁目~2丁目(1967年、東佐波令)
  • 南松崎町(1967年、東佐波令)
  • 東松崎町(1967年、東佐波令・宮市)
  • 松崎町(1967年、東佐波令・宮市)
  • 迫戸町(1967年、西佐波令・宮市)
  • 宮市町(1967年、宮市)
  • 上天神町(1967年、東佐波令・西佐波令・宮市)
  • 天神1丁目~2丁目(1967年、東佐波令・西佐波令・三田尻村)
  • 栄町1丁目~2丁目(1967年、西佐波令・三田尻村)
  • 駅南町(1968年、三田尻村)
  • 中央町(1968年、三田尻村)
  • 岡村町(1968年、三田尻村)
  • 松原町(1968年、三田尻村)
  • 桑山1丁目~2丁目(1968年、三田尻村・仁井令)
  • 車塚町(1968年、三田尻村)
  • 鋳物師町(1968年、三田尻村・東佐波令)
  • 東三田尻1丁目~2丁目(1968年、三田尻町・三田尻村・東佐波令)
  • 三田尻1丁目~3丁目(1968年、三田尻町・三田尻村・新田)
  • 協和町(1968年、三田尻村・新田)
  • 華浦1丁目~2丁目(1968年、三田尻町・三田尻村・東佐波令)
  • 自力町(1968年、三田尻村)
  • 三田尻本町(1968年、三田尻町・三田尻村)
  • お茶屋町(1968年、三田尻町・三田尻村)
  • 警固町1丁目~2丁目(1968年、東佐波令)
  • 勝間1丁目~3丁目(1968年、東佐波令)
  • 鐘紡町(1968年、東佐波令)
  • 石が口1丁目~3丁目(1丁目は1968年、2丁目以降は1989年。三田尻村)
  • 新築地町(1983年、埋立。※住居表示未実施)
  • 鞠生町(1989年、三田尻村)
  • 桑南1丁目~2丁目(1989年、三田尻村・仁井令)
  • 新田1丁目(1989年、三田尻村・新田)
  • 高倉1丁目~2丁目(1990年、西佐波令・仁井令)
  • 泉町(1990年、西佐波令)
  • 開出(1990年、西佐波令・仁井令)
  • 中泉町(1990年、西佐波令・仁井令)
  • 古祖原(1990年、西佐波令)
  • 仁井令町(1994年、仁井令)
  • 清水町(1994年、仁井令)
  • 東仁井令町(1994年、仁井令)
  • 華園町(1994年、仁井令・伊佐江)
  • 伊佐江町(1994年、仁井令・伊佐江)
  • 開出本町(1995年、仁井令)
  • 開出西町(1995年、仁井令・植松)
  • 華城中央1丁目~2丁目(1995年、仁井令・植松)
  • 西仁井令1丁目~2丁目(1995年、仁井令・植松・伊佐江)
  • 酢貝(1996年、牟礼)
  • 牟礼柳(1996年、牟礼)
  • 岸津1丁目~2丁目(1996年、牟礼)
  • 牟礼今宿1丁目~2丁目(1996年、牟礼)
  • 沖今宿1丁目~2丁目(1996年、牟礼・江泊)
  • 岩畠1丁目~3丁目(1丁目は1996年、2丁目以降は1997年。牟礼)
  • 中西(1997年、牟礼)
  • 敷山町(1997年、牟礼)
  • 自由ケ丘1丁目~4丁目(2004年、大崎)

気候

[編集]
防府(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 18.8
(65.8)
21.4
(70.5)
23.9
(75)
28.7
(83.7)
31.8
(89.2)
32.9
(91.2)
37.4
(99.3)
37.7
(99.9)
36.9
(98.4)
30.8
(87.4)
26.5
(79.7)
23.9
(75)
37.7
(99.9)
平均最高気温 °C°F 9.7
(49.5)
10.7
(51.3)
14.2
(57.6)
19.4
(66.9)
24.0
(75.2)
26.7
(80.1)
30.4
(86.7)
31.8
(89.2)
28.5
(83.3)
23.5
(74.3)
17.7
(63.9)
12.1
(53.8)
20.7
(69.3)
日平均気温 °C°F 5.0
(41)
5.9
(42.6)
9.1
(48.4)
14.0
(57.2)
18.8
(65.8)
22.4
(72.3)
26.3
(79.3)
27.5
(81.5)
23.9
(75)
18.2
(64.8)
12.5
(54.5)
7.2
(45)
15.9
(60.6)
平均最低気温 °C°F 0.7
(33.3)
1.3
(34.3)
4.0
(39.2)
8.7
(47.7)
13.7
(56.7)
18.8
(65.8)
23.1
(73.6)
24.0
(75.2)
20.0
(68)
13.5
(56.3)
7.6
(45.7)
2.7
(36.9)
11.5
(52.7)
最低気温記録 °C°F −8.1
(17.4)
−7.2
(19)
−5.0
(23)
−0.4
(31.3)
3.6
(38.5)
9.6
(49.3)
16.2
(61.2)
17.1
(62.8)
8.5
(47.3)
1.8
(35.2)
−0.9
(30.4)
−6.0
(21.2)
−8.1
(17.4)
降水量 mm (inch) 55.6
(2.189)
68.9
(2.713)
119.3
(4.697)
142.8
(5.622)
184.1
(7.248)
241.8
(9.52)
315.7
(12.429)
147.7
(5.815)
159.6
(6.283)
88.4
(3.48)
75.1
(2.957)
54.9
(2.161)
1,653.7
(65.106)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 8.4 8.7 10.2 9.7 8.9 11.7 10.8 8.0 9.0 6.0 7.6 8.6 107.6
平均月間日照時間 139.4 143.5 174.5 190.8 209.5 148.6 173.9 212.7 172.1 182.2 154.6 143.6 2,045.4
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[2]

人口

[編集]

産業が堅調だったこともあり1995年には11万8803人とピークを迎えるが、以降横ばいもしくは逓減傾向にある。2021年の人口は約11万4000人。今後も人口減が予想されているが、防府市は県内の中でも人口減少が最も緩やかな都市の1つで、国立社会保障・人口問題研究所による推計値では、2045年の人口を10万1202人と予想している[3]

防府市と全国の年齢別人口分布(2005年) 防府市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 防府市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
防府市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 97,009人
1975年(昭和50年) 105,540人
1980年(昭和55年) 111,468人
1985年(昭和60年) 118,067人
1990年(平成2年) 117,634人
1995年(平成7年) 118,803人
2000年(平成12年) 117,724人
2005年(平成17年) 116,818人
2010年(平成22年) 116,611人
2015年(平成27年) 115,942人
2020年(令和2年) 113,979人
総務省統計局 国勢調査より


歴史

[編集]

古代

[編集]
  • 縄文時代 - 台が原遺跡、奥正権寺遺跡などで生活の跡が見られる。
  • 弥生時代 - 下右田遺跡、井上山遺跡などに高地性集落の跡が見られる。
  • 古墳時代 - 桑山塔ノ尾古墳、車塚古墳、天神山古墳、片山古墳が造られる。このころ玉祖神社が作られたと見られる。
  • 飛鳥時代 - 来目皇子(聖徳太子の弟)が亡くなり、周防娑婆で殯を行う。との記事が『日本書紀』に見られる。

中世

[編集]

近世

[編集]

近代

[編集]

市制施行後

[編集]

※ 過去に山口県庁の招致を行ったこともある[要出典]

地名の由来

[編集]

行政

[編集]

市長

[編集]
  • 池田豊(2018年6月21日就任、1期目)
歴代市長[8]
氏名 就任日 退任日 備考
官選防府市長
1 武光一 1936年(昭和11年)12月3日 1937年(昭和12年)12月3日
2 浮田茂太郎 1938年(昭和13年)3月5日 1940年(昭和15年)6月14日
3 山本芳輔 1940年(昭和15年)7月18日 1944年(昭和19年)7月17日
4 村田信乃 1944年(昭和19年)7月23日 1945年(昭和20年)11月7日
5 森川親友 1945年(昭和20年)12月10日 1947年(昭和22年)2月3日
公選防府市長
6 宮地良三 1947年(昭和22年)4月16日 1951年(昭和26年)4月15日
7 中司菊治 1951年(昭和26年)5月12日 1952年(昭和27年)11月10日
8 長嶋紀一 1952年(昭和27年)11月27日 1960年(昭和35年)11月26日
9 高安彦 1960年(昭和35年)11月27日 1964年(昭和39年)11月26日
10 秋本武 1964年(昭和39年)11月27日 1968年(昭和43年)11月26日
11 鈴木覚 1968年(昭和43年)11月27日 1980年(昭和55年)11月26日
12 原田孝三 1980年(昭和55年)11月27日 1988年(昭和63年)11月26日
13 吉井惇一 1988年(昭和63年)11月27日 1998年(平成10年)5月18日
14 松浦正人 1998年(平成10年)6月21日 2018年(平成30年)6月20日
15 池田豊 2018年(平成30年)6月21日 現職

その他行政機関

[編集]
国の機関
県の機関
  • 山口県防府総合庁舎
    • 山口県税事務所収納課、山口健康福祉センター防府支所、防府土木建築事務所、防府水産事務所などがある。

警察

[編集]

消防

[編集]

議会

[編集]

市議会

[編集]
  • 定数:25人[9]
  • 任期:2020年11月27日 - 2024年11月26日
  • 議長:上田和夫
  • 副議長:藤村こずえ

県議会

[編集]
  • 選挙区:防府市選挙区
  • 定数:4人
  • 投票日:2019年4月7日
  • 当日有権者数:95,233人
  • 投票率:47.03%
候補者名 当落 年齢 所属党派 新旧別 得票数
島田教明 64 自由民主党 12,134票
石丸典子 60 公明党 9,198票
井上剛 56 無所属 9,032票
松浦多紋 47 無所属 7,945票
渋谷正 71 自由民主党 5,940票

衆議院

[編集]
  • 選挙区:山口1区山口市の一部、防府市、周南市の一部)
  • 任期:2021年10月31日 - 2025年10月30日
  • 当日有権者数:356,209人
  • 投票率:48.50%
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
高村正大 50 自由民主党 118,882票
大内一也 48 立憲民主党 50,684票

産業

[編集]

古くは長州藩第7代藩主、毛利重就によって作られ、東の赤穂、西の三田尻と称されるほど製塩業で栄えた町[要出典]である。昭和に入り製塩業が廃れ、塩田の跡地や臨海部には大規模工場の進出が相次ぎ、近年ではマツダブリヂストンなど輸送関連工場が進出している。また市内にあったカネボウ防府工場は閉鎖され、その工場跡地にはイオンタウン防府ショッピングセンターが建設され2008年3月14日にオープンした。市内にはマツダ防府工場のほか輸送関連企業、ブリヂストン協和発酵バイオ東海カーボンなどがある。

商業

[編集]

古くは防府天満宮(松崎天神)を中心とした門前町の宮市地区(山陽道萩往還の結節点周辺)と、三田尻港・中関港を中心とした港町の三田尻地区、中関地区が栄えてきた。それらの門前町と港の中間点に防府駅(当初は三田尻駅)が設置され、天満宮と駅を結ぶ地域に中心商店街が形成された。

中心商店街には駅通り、栄町、天神町銀座、上天神町、立市、車塚、掘口などの商店街がある。北側に位置する防府天満宮が商店街から離れた防府競輪場の周囲に大規模な駐車場を設置し、南側の防府駅みなとぐち(南口)にシネマコンプレックスボウリング場などを併設したイオン防府店(開店時はニチイ防府ショッピングデパート)が出店するなど、駅と天満宮を結ぶ人流から形成された商環境には変化が生じている。

商店街側もこうした商環境の変化に備え、1979年(昭和54年)8月に天神中央商店街の長崎屋を核店舗とした「天神再開発ビル」(店舗面積2万1911平方メートル)、防府駅北口前の山陽ジャスコを核店舗とした「防府駅前開発ビル」(地下1階地上6階、店舗面積1万7471平方メートル)、同年12月に天神町1番の丸久丸信エムラの3社共同による「防府商業開発ビル」(地下1階地上4階、店舗面積2万6500平方メートル)の大型店舗計画が相次いで申請されたが、商業活動調整協議会での審議によりいずれも店舗面積が6千から1万平方メートル以内に規制され[10]、実現しなかった。

このうち防府商業開発ビルの計画地では百貨店のそごうを核店舗とする再開発事業が再度持ち上がり、1万5400平方メートルの敷地に百貨店ビル(地上7階建て、売場面積約2万平方メートル)とスーパー(地上3階建て)の2棟を建設する計画で[11]、1985年(昭和60年)時点では1989年(昭和64年)1月初旬の開店を予定していた[12] が、実現しなかった。

防府駅てんじんぐち(北口)地区には2004年、図書館を併設した複合商業施設・ルルサス防府が建設された。2008年3月14日にはイオンタウン防府ショッピングセンターが開業し、老舗衣料店であるエムラが商店街から本店を移転するなど郊外化の動きがある一方、山口県内他都市と比較すると公共施設や大規模小売店舗が駅の周辺に立地しており、比較的コンパクトシティ化されている。

スーパーマーケットチェーンストアを傘下に置くリテールパートナーズ及び中核企業の丸久の創業の地であり、本社の他市内に10店舗を展開する。

金融機関

[編集]

山口県内唯一の信託銀行の支店があるが、現在都市銀行の支店は無い。

銀行
その他金融機関
金融・証券・保険会社

商業施設

[編集]
中心市街地
[編集]
市街地郊外
[編集]

企業

[編集]

防府市に本社を置く主な企業

[編集]

支店・営業所を置く主な企業

[編集]

工業

[編集]

輸送産業関連の工場が多く立地している。

防府市にある主な工場
マツダ防府工場(西浦地区・中関地区)
ブリヂストン防府工場
協和発酵バイオ山口事業所防府工場・生産技術研究所
東海カーボン防府工場
バイエルクロップサイエンス防府工場
ヒロテック防府工場
昭和パックス防府工場・西日本支店
日本ファブテック防府工場
ベルポリエステルプロダクツ
アグロカネショウ山口工場 
モルテン防府工場
デルタ工業防府工場
レンゴー防府工場
ダイキョーニシカワ西浦・鶴浜・中関工場
丸大食品防府工場
王子コンテナー防府工場
日本果実工業防府工場
南条装備工業防府工場
ワイテック防府工場
FILWEL防府工場

漁業

[編集]

ハモ(鱧)の水揚高が多く、「天神はも」のブランドを立ち上げPRを行っている。

  • 大道漁港
  • 西浦漁港
  • 中浦漁港
  • 牟礼漁港
  • 富海漁港
  • 向島漁港
  • 野島漁港

主な名産・特産品

[編集]

医療機関

[編集]

県立総合医療センターがあるが、他には公的な総合病院はないため、2次救急は、市内の5病院での輪番体制をとっている。

3次救急
2次救急
  • 桑陽病院
  • 緑町三祐病院
  • 三田尻病院
  • 松本外科病院
  • 防府胃腸病院

姉妹都市・提携都市

[編集]
国内
海外

教育

[編集]

短期大学以外の高等教育機関は存在しない。

短期大学

[編集]

高等学校

[編集]

5校(県立3校、私立2校)

私立
誠英高等学校(旧三田尻女子高等学校)
高川学園高等学校(旧多々良学園高等学校)

中学校

[編集]
公立
  • 華陽中学校
  • 華西中学校
  • 佐波中学校
  • 小野中学校
私立

小学校

[編集]
公立
  • 富海小学校
  • 牟礼小学校
  • 勝間小学校
  • 松崎小学校
  • 華浦小学校
  • 新田小学校
  • 野島小学校
  • 向島小学校
  • 中関小学校
  • 西浦小学校
  • 華城小学校
  • 佐波小学校
  • 小野小学校
  • 右田小学校
  • 玉祖小学校
  • 大道小学校
  • 牟礼南小学校

特別支援学校

[編集]

専修学校

[編集]

交通

[編集]

最寄りの空港は山口宇部空港である。

鉄道

[編集]
防府駅みなとぐち
  • 西日本旅客鉄道(JR西日本)
  • 中心駅:防府駅
    かつては三田尻駅とよばれ小郡(現・新山口)駅に移転するまでは機関区が設置されていた。また鉄道唱歌にも歌われている。防府駅と堀(山口市徳地)との間に防石鉄道があったが、現在は廃止されている。鉄道高架化以前は市内臨海部の工場に向けての引き込み線があった。
    山陽新幹線の岡山以西区間の開業以前は優等列車の発着が多かったが、市内に新幹線の駅は設置されなかった。このため同市における新幹線の最寄り駅は徳山駅あるいは新山口駅となる。

バス

[編集]
  • 高速バス - 以下の路線が防府市内を発着・経由する。すべて防長交通による運行(カルスト号のみ近鉄バスとの共同運行)。
愛称名 運行区間 昼/夜行
萩エクスプレス 東京東京駅霞が関) - 防府駅前 夜行
カルスト号 京都市大阪市梅田USJ)・神戸市三宮) - 防府駅前近鉄バスと共同運行 夜行
福岡・防府・周南ライナー 福岡市博多BT) - 千日町・防府駅前・西国衙・牟礼 昼行
(愛称名なし) 広島市広島BCほか) - 周南市徳山駅前ほか) - 末田・牟礼・西国衙・防府駅前 - 山口市 昼行

道路

[編集]

高速道路

[編集]

新幹線駅が無いため高速道路の利用者は多い。

一般国道

[編集]

主要地方道

[編集]

港湾

[編集]
  • 三田尻中関港重要港湾
    マツダ防府工場で生産された自動車の輸出および移出が中心。輸入より輸出が多いのが特徴。完成自動車の輸出では全国上位港である。近年ではコンテナ扱いも増えている。2008年度の輸出入貿易額は、総額8029億円となっており、空港を含む全国の148港中、18位に位置する。また三田尻港より野島行きの定期船が運航している。

マスメディア

[編集]

山口県内の県域放送のテレビ放送・FM放送の送信所はすべて防府市牟礼大平山送信所大平山)にある。ただし、ぷらざFMの送信アンテナは向島の錦山山頂(旧NTT錦無線中継所内)。また、NHK山口放送局のAM送信所も防府市西浦にある。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

[編集]
防府天満宮
周防国分寺

防府市内に歴史・旧跡は多いものの知名度の低さが問題点となっている。

神社・仏閣
名所・旧跡
公園
社会文化・スポーツ施設
祭事・催事
  • 玉祖神社関連 - 占手神事、玉の祭など
  • 防府天満宮関連 - 防府天満宮御神幸祭(裸坊祭り)、 御誕辰祭万灯、牛替神事など
  • 春の幸せますフェスタ おんなみこし連合渡御 2018年4月29日には「最大の連続した神輿パレード」でギネス世界記録に挑戦し、100基の神輿パレードで世界記録を獲得している。
  • 腰輪踊り(宇佐八幡宮)
  • 塩田まつり - 毎年10月塩田記念公園で行われている祭事
  • 御誕辰祭花火大会(天神山) - 毎年8月5日に開催されている。
  • 防府読売マラソン(市街地) - 毎年12月に開催、日本陸連の公認レース。
  • 三田尻の女尻相撲大会老松神社
  • 防府航空祭(航空自衛隊防府北基地)
  • 笑い講(大道・小俣地区に伝わる神事)
  • つつじ祭り(大平山)
  • 観月会(大平山)
  • 秋の公園祭り(大平山)
  • 大寒みそぎ(春日神社)
  • 愛情防府フリーマーケット(防府市中心商店街)毎年10月に開催されている
文化財
  • 国宝 5件
    • 紙本墨画淡彩四季山水図 雪舟筆(毛利博物館)
    • 鉄宝塔(水晶五輪塔共)(阿弥陀寺
    • 菊造腰刀 刀身無銘 伝・当麻(毛利博物館)
    • 古今和歌集 巻第八(高野切本)(毛利博物館)
    • 史記 呂后本紀第九(毛利博物館)
  • 国宝以外の国指定文化財 49件
    • 重要文化財 37件
    • 史跡 5件
    • 名勝 1件
    • 天然記念物 3件
    • 重要有形民俗文化財 3件
  • 山口県指定文化財 29件
  • 防府市指定文化財 57件
  • 国・県・市指定文化財の総数 142件(2016年3月現在 市教育委員会文化財保護課調べ)

防府市を舞台とした作品

[編集]

「昭和の芭蕉」と呼ばれた種田山頭火の生誕地である。また、「ズッコケ三人組」の作者として知られる那須正幹は晩年防府に在住していた。

映画

[編集]

小説

[編集]

アニメーション

[編集]

音楽

[編集]

防府市出身の著名人

[編集]

政治

[編集]

経済

[編集]

文化

[編集]

芸能

[編集]

放送

[編集]

スポーツ

[編集]

スポーツチーム

[編集]

コード

[編集]

市外局番は、以下のとおりとなっている。

  • 防府MA(市外局番0835、市内局番20 - 39、50 - 69、80 - 99) - 市内全域(山口市徳地と同一MA)
    • なお、防府市(山口県中部)の天気予報0835-177(防府MA)である。

郵便番号は、以下のとおりとなっている。

  • 防府郵便局:747-00xx、747-08xx、747-85xx、747-86xx、747-87xx、747-01xx、747-11xx、747-12xx

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 防府駅JR山陽本線の駅、山口駅JR山口線の駅である。JR山陽本線とJR山口線は山を隔てて並行しており、防府駅と山口駅は鉄道では繋がっていない。代替として、防府駅と山口駅の間にJRバスが運行されている(→「防府市#バス」)。

出典

[編集]
  1. ^ ただし、隣接する山口市北部では、山口市鴻ノ峰からの電波を受信する世帯が多い。
  2. ^ 防府 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月22日閲覧。
  3. ^ 日本の地域別将来推計人口 (PDF) - 国立社会保障・人口問題研究所、p.130
  4. ^ a b 「第7章 戦後の発展:二 繊維のシンフォニィ:1 新繊維分野の開拓」『鐘紡と系列 : 日本の紡績』 5巻、青蛙房〈体系日本主要産業〉、1957年、150-153頁。 
  5. ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、158頁。ISBN 9784816922749 
  6. ^ 「最近十年のあゆみ:第7章 産業:第5節 工業:4 主要企業の近況」『防府市史』 下(第2版)、防府市教育委員会、1969年、862-867頁。 
  7. ^ 「国道が火の粉の海 防府の山火事 三日目さらに火勢」『朝日新聞』1967年(昭和42年)9月20日、3版、11面
  8. ^ 防府市公式ホームページ 統計情報 平成25年版付録.2015年2月27日閲覧。
  9. ^ 市政と市議会”. 2018年11月29日閲覧。
  10. ^ 産業計画センター編集部『大型店舗計画 昭和56年版 西日本版』産業計画センター、1980年10月、180-181頁。 
  11. ^ 三浦智彦「特別レポート 百貨店業界の常識を無視した多店舗化に不安はないのか--吉と出るか!?二〇〇〇億円の大バクチ打つ「そごう」」『総合食品』第7巻第80号、総合食品研究所、1984年1月、140-145頁。 
  12. ^ 星野舜一郎「デートスクランブル/百貨店業界を支える一〇〇人の旦那たち<その一九>「天下取り」に乗り出した不死鳥・そごうの水島社長」『総合食品』第8巻第94号、総合食品研究所、1985年3月、73-77頁。 
  13. ^ 山頭火の生家のそばではない。また資料規模で、文学資料館、記念館でもない。http://hofu-santoka.jp/ - 公式サイト
  14. ^ 『歌謡Gメンあのヒット曲の舞台はここだ』 著: テリー伊藤宝島社刊(2005年)より。
  15. ^ ふるさと人物伝 4”. 防府市. 2022年7月20日閲覧。
  16. ^ 高島由香(岡山・興譲館高)”. 07全国女子駅伝. 京都新聞 (2007年1月10日). 2016年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月13日閲覧。
  17. ^ 陸上で五輪出場 高島選手を激励 県や防府市長”. 山口新聞 (2016年7月2日). 2016年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月13日閲覧。

外部リンク

[編集]