恋のアドバイス
「恋のアドバイス」 | ||||
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ビートルズ の シングル | ||||
初出アルバム『ヘルプ!』 | ||||
B面 | テル・ミー・ホワット・ユー・シー | |||
リリース | ||||
規格 | 7インチシングル | |||
録音 |
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ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | オデオン / 東芝音楽工業 | |||
作詞・作曲 | レノン=マッカートニー | |||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||
チャート最高順位 | ||||
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ビートルズ シングル 日本 年表 | ||||
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「恋のアドバイス 」(こいのアドバイス、原題 : You're Going to Lose That Girl[注釈 1])は、ビートルズの楽曲である。1965年に公開されたビートルズの主演映画『ヘルプ!4人はアイドル』で使用され、同年に発売された5作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ヘルプ!』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、主にジョン・レノンによって書かれた楽曲で、一部ポール・マッカートニーが手伝っている。
日本では、B面に「テル・ミー・ホワット・ユー・シー」を収録したシングル盤としても発売され、洋楽チャートで最高位10位を獲得した[1]。
背景
[編集]本作はレノン=マッカートニー名義[3]で発売されたが、ウォルター・エヴェレットとイアン・マクドナルドは共にレノンが書いた曲としている[4][3]。マッカートニーも、1997年に出版された自伝『Many Years from Now』で、本作の作曲について「60対40で、ジョンの曲」としている[5][6]。1965年1月16日に行なわれた『メロディー・メイカー』誌のレイ・コールマンとのインタビューで、レノンはビートルズの次回作のために「『半分の曲』しか書いていない」と説明している[7]。
同年1月25日から2月7日にかけて、レノンと当時の妻であるシンシア・レノンは、ビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティンと、その妻ジュディー・ロックハート=スミスと共に、オーストリア・アルプスで休暇を過ごした。この休暇を用いて、レノンとマッカートニー、ジョージ・ハリスンは本作を含む11の新曲を書き、2月15日から20日にかけて録音した[7]。
レコーディング
[編集]「恋のアドバイス」のレコーディングは、1965年2月19日にEMIレコーディング・スタジオで行なわれた午後のセッションで開始され、2テイク録音されたのち、オーバー・ダビングが行なわれた。翌日、マーティンはエンジニアのノーマン・スミスとケン・スコットの協力のもと、モノラル・ミックスを作成[8]。2月23日、ビートルズがバハマで映画『ヘルプ!4人はアイドル』の撮影をしている間に[9]、エンジニアのスミスとマルコム・デイヴィースはステレオ・ミックスを2種類作成[10]。その結果、2つ目のミックスが選ばれた[10]。
3月30日、ビートルズは本作に対してさらなるオーバー・ダビングを行なった[10]。なお、オリジナルのテープには、エレクトリックピアノとハリスンのギターソロが含まれていた[11]が、この2つのパートはカットされた[12][注釈 2]。ハリスンは新しいギターソロを録音し、リンゴ・スターはボンゴ、マッカートニーはピアノを演奏した[3][12]。
4月2日、マーティンはスミスの協力のもと、3月30日のオーバー・ダブを使用して、再度ステレオ・ミックスを作成した[13]。このステレオ・ミックスは、イギリスで発売された『ヘルプ!』とアメリカで発売された『ヘルプ(四人はアイドル)』に収録された[14]。
リリース・評価
[編集]1965年8月6日にパーロフォンから『ヘルプ!』が発売され[15]、「恋のアドバイス」は「アナザー・ガール」と「涙の乗車券」の間の7曲目に収録された[16]。キャピトル・レコードは、イギリスで発売された『ヘルプ!』と収録曲を変更したサウンドトラック・アルバム『ヘルプ(四人はアイドル)』を8月13日にアメリカで発売し、「You're Gonna Lose That Girl」と表記を変更して[2]2つのオーケストラ曲の間の11曲目に収録した[17]。本作は、1965年のアメリカツアー中にレノンとハリスンに贈られたソニックブルーのフェンダー・ストラトキャスターが使用された初の楽曲となっている[18]。このギターは、後の活動でもハリスンのお気に入りの一本であり[18]、次のアルバム『ラバー・ソウル』でも使用されている[19]。同年に公開された映画『ヘルプ!4人はアイドル』では、スタジオ[注釈 3]でのレコーディングのシーン[注釈 4]で使用された[20]。
作家のジャクリーン・ワーウィックは、本作を「シー・ラヴズ・ユー」や活動初期にカバーしていたガール・グループの楽曲に匹敵する「アドバイス」ソングと表現している[22]。エヴェレットは、「マッカートニーとハリスンのリード・ボーカルに応えるバッキング・ボーカルは、モータウンに大きく影響している」[4]とし、本作のコード進行について「ぎょっとするほど独創的」と評している[23]。
ビル・ワイマンは、ラモーンズの楽曲「キル・ザット・ガール」(原題 : You're Gonna Kill That Girl)について本作のパロディソングと解釈している[24]。
クレジット
[編集]※出典[3](特記を除く)
- ジョン・レノン - ダブルトラックのリード・ボーカル、リズムギター[4]
- ポール・マッカートニー - バッキング・ボーカル、ベース、ピアノ
- ジョージ・ハリスン - バッキング・ボーカル、リードギター
- リンゴ・スター - ドラム、ボンゴ
カバー・バージョン
[編集]- クライアン・シェイムス - 1967年に発売されたアルバム『シュガー・アンド・スパイス』に収録[25]。
- ファイブ・マン・エレクトリカル・バンド - 2008年に発売されたアルバム『Half Past Midnight: The Staccatos and Beyond』に収録[26]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP、2015年、33頁。ISBN 978-4-8222-7834-2。
- ^ a b Sawyers 2006, p. 339.
- ^ a b c d MacDonald 2007, p. 150.
- ^ a b c Everett 2001, p. 291.
- ^ Miles 1997, p. 195.
- ^ MacDonald 2007, p. 150n2.
- ^ a b Everett 2001, p. 280.
- ^ Lewisohn 1988, p. 56.
- ^ Lewisohn 2000, pp. 184–185.
- ^ a b c Lewisohn 2000, p. 187.
- ^ a b Winn 2008, p. 300.
- ^ a b Winn 2008, p. 309.
- ^ Lewisohn 1988, p. 57.
- ^ Winn 2008, pp. 309–310.
- ^ Miles 2007, p. 167.
- ^ Lewisohn 1988, p. 62.
- ^ Miles 2007, p. 168.
- ^ a b MacDonald 2007, p. 150n3.
- ^ Everett 2001, p. 406n43.
- ^ a b Halpin 2017, p. 115.
- ^ a b Guesdon & Margotin 2014, p. 280.
- ^ Everett 2001, p. 141.
- ^ Everett 2001, p. 292.
- ^ Wyman, Bill. “Joey Ramone, R.I.P.”. salon.com. 2021年7月13日閲覧。
- ^ Unterberger, Richie. Sugar & Spice - The Cryan' Shames | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年7月13日閲覧。
- ^ Deming, Mark. Half Past Midnight: The Staccatos and Beyond - Five Man Electrical Band | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年7月13日閲覧。
参考文献
[編集]- Everett, Walter (2001). The Beatles As Musicians: The Quarry Men through Rubber Soul. Oxford and New York: Oxford University Press. ISBN 978-0-19-514105-4
- Guesdon, Jean-Michel; Margotin, Philippe (2014). All The Songs: The Story Behind Every Beatles Release. Running Press. ISBN 1-6037-6371-6
- Lewisohn, Mark (1988). The Complete Beatles Recording Sessions. New York: Harmony. ISBN 978-0-517-57066-1
- Lewisohn, Mark (2000) [1992]. The Complete Beatles Chronicle: The Only Definitive Guide To the Beatles' Entire Career. London: Hamlyn. ISBN 978-0-60060-033-6
- MacDonald, Ian (2007). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (3rd ed.). Chicago Review Press. ISBN 978-1-55652-733-3
- Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years from Now. Secker & Warburg. ISBN 978-0436280221
- Miles, Barry (2007) [1998]. The Beatles: A Diary - An Intimate Day by Day History. London: Omnibus. ISBN 978-1-847720-825
- Sawyers, June Skinner (2006). “Discography”. In Sawyers, June Skinner. Read the Beatles: Classic and New Writings on the Beatles, Their Legacy, and Why They Still Matter. London: Penguin Books. pp. 337-352. ISBN 0-14-303732-3
- Warwick, Jacqueline (2001). “You're going to lose that girl: The Beatles and the girl groups”. Collected Work: Beatlestudies. III: Proceedings of the Beatles 2000 Conference. Jyvaskyla: University of Jyvaskyla. pp. 161-167. ISBN 978-9513908096
- Winn, John C. (2008). The Beatles' Recorded Legacy: Volume 1. University of Michigan: Three Rivers Press. ISBN 978-0307451576
外部リンク
[編集]- You're Going to Lose That Girl - The Beatles