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ユー・ノウ・マイ・ネーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビートルズ > 作品リスト > ユー・ノウ・マイ・ネーム
ビートルズ > 曲名リスト > ユー・ノウ・マイ・ネーム
ユー・ノウ・マイ・ネーム
ビートルズ楽曲
英語名You Know My Name (Look Up the Number)
リリース
  • イギリスの旗 1970年3月6日
  • アメリカ合衆国の旗 1970年3月11日
  • 日本の旗 1970年3月25日
規格7インチシングル
A面レット・イット・ビー
録音
ジャンルノベルティ[1]
時間4分21秒
レーベルアップル・レコード
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ビートルズ シングル U.K. 年表
ビートルズ シングル U.S. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
パスト・マスターズ Vol.2 収録曲
レット・イット・ビー
(14)
ユー・ノウ・マイ・ネーム
(15)

ユー・ノウ・マイ・ネーム」(原題 : You Know My Name (Look Up The Number))は、ビートルズの楽曲である。1970年3月にシングル盤『レット・イット・ビー』のB面曲として発売された。1967年5月と6月に行なわれた3回のセッションで取り上げられた後、1969年4月に行なわれたセッションで完成した。本作で、ローリング・ストーンズブライアン・ジョーンズサクソフォーンを演奏した。

背景・曲の構成

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「ユー・ノウ・マイ・ネーム」は、ジョン・レノンが電話帳に着想を得て書いた楽曲。1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「未完成だった曲の1つで、ポールと一緒にコメディ・レコードに仕上げた。彼の家で待っていたら、ピアノの上に電話帳が置いてあって、そこに"You know my name, look up the number"って書いてあった。実際に書かれてたロゴみたいなものを、自分の中で置き換えちゃったんだ。曲は4部構成で…こんな感じにコードが変わるんだけど、発展させることなくジョークで終わってしまった」と語っている[2]

マッカートニーは本作について、ビートルズのレコーディングに関する分析者であるマーク・ルイソン英語版に「ビートルズのシングルのB面を聴いてくれる人だけが『ユー・ノウ・マイ・ネーム』みたいな曲を知ってる。この曲は僕の大好きなビートルズ・ナンバーなんだ」[3]と説明しており、「すごくおかしな曲で、なにもかも突飛だった。もしもジョン・レノンみたいなやつがスタジオに来て『新曲ができた!』と言ったらどんな反応をする?もちろん僕は『どんな歌詞だい?』と聞いた。そしたら彼は『You know my name look up the number』と答えた。僕が『…他には?』と聞いたら、彼は『いや、これだけさ。これをマントラみたいに繰り返すんだよ!』と答えた」[3]と振り返っている。

本作のラウンジ調のセクションでは、レノンが映画『ジョン・レノンの 僕の戦争』で一緒に仕事をしたデニス・オデールの名前が登場する[4]。本作では、ナイトクラブの歌手の名前として使用されており、マッカートニーがデニス・オデール役を演じている[5]

レコーディング

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「ユー・ノウ・マイ・ネーム」の最初のレコーディング・セッションは、1967年5月17日、6月7日、8日に行なわれ、メンバー全員が参加した[6]。6月8日のセッションに[7]は、ザ・ローリング・ストーンズブライアン・ジョーンズサクソフォーン奏者として参加した[7][8][3]

1969年4月30日にマル・エヴァンズの協力のもと、レノンとマッカートニーがボーカル・トラックを作成し、サウンド・エフェクトが加えられるまで、本作は未完成のまま手つかずとなっていた。なお、最後のセッションとなったこの日はジョージ・ハリスンリンゴ・スターは同席していない。同日のセッションで、セカンド・エンジニアを務めたニック・ウェッブは「当時のジョンとポールは、あまり仲が良くなかったけど、この曲のためにスタジオのフロアに出て、1本のマイクを囲んで一緒に歌っていたよ。この時も『彼らは古い4トラック・テープを使って、この古風な曲におかしな断片を録音して、何をやってるんだ』と思っていたけど、やってみると楽しい曲だった」と振り返っている[9]

本作のレコーディングについて、マッカートニーは、「僕らは2年か3年をかけて取り組んだ。20分くらいのものになって、どうにかしようと思ったけどどうにもならなかった。だから一旦中断してまた挑戦することにした。いつ終わるのかなんてわからない、めちゃくちゃで楽しいセッションだったよ。僕が『You know my name〜』って(ジャズっぽく)歌って、ジョンと一緒にスキャットも入れたんだ。マルがスコップを持ってて、それで砂を掘ってる姿が今でも思い浮かぶ。そんな感じで賑やかにレコーディングをやっていたんだ。偉大なメドレーとかではないけど、すごくユニークだった」と振り返っている[3]

リリース

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当初「ユー・ノウ・マイ・ネーム」は、プラスティック・オノ・バンドのシングル曲として発売される予定だった。レノンは本作と「ホワッツ・ザ・ニュー・メリー・ジェーン[注釈 1]を発売したいと考え、アップル・コアにこの2曲をプラスティック・オノ・バンドのシングルとして発売するように手配した[10]。レコーディングに参加したブライアン・ジョーンズがプールで溺死してから4か月後にあたる1969年11月26日[11]、レノンは「ユー・ノウ・マイ・ネーム」を編集により、6分8秒もある演奏をシングルに適した4分19秒に短縮した。シングルには「Apples 1002」というカタログ番号が割り当てられ、イギリスでの発売日が1969年12月5日に決定したが、発売日直前に取りやめとなった[10]

本作は1970年3月にビートルズのシングル盤『レット・イット・ビー』のB面曲として発売されたが、レコードのラベルには「You Know My Name (Look Up My Number)」と誤ったタイトルが記載されていた。なお、イギリスで発売された同シングル盤の溝には、プラスティック・オノ・バンドのシングル盤のカタログ番号がわずかながら確認できる[12]

本作は1978年に発売されたボックス・セット『ザ・ビートルズ・コレクション』のボーナス・ディスク『レアリティーズ』でアルバム初収録となった[13]。CD作品では1988年に発売された『パスト・マスターズ Vol.2』で初収録となった[14]

なお、本作は1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に、拡張版ステレオ・ミックスが収録されるまで、モノラル・ミックスしか存在しなかった[15]

クレジット

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※出典[8][9]

脚注

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注釈

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  1. ^ レノンが1968年8月にオノ・ヨーコやハリスンと共にレコーディングした楽曲で、アルバム『ザ・ビートルズ』のセッションのアウトテイク

出典

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  1. ^ Unterberger, Richie. “You Know My Name (Look Up the Number) - The Beatles | Song Info”. AllMusic. All Media Group. 2019年1月5日閲覧。 “Not that it's at all like "Revolution 9," but it's almost as avant-garde in a way, as a novelty-humor piece that, rather than riffing on one joke too much, becomes a downright weird multi-sectioned orgy of goofiness.”
  2. ^ Sheff 2000, pp. 204–205.
  3. ^ a b c d Lewisohn 1988a, p. 15.
  4. ^ Harry 2000, p. 810.
  5. ^ Womack 2016, p. 567.
  6. ^ Lewisohn 1988a, pp. 112, 116.
  7. ^ a b Lewisohn 1988a, p. 116.
  8. ^ a b MacDonald 2005, pp. 259–260.
  9. ^ a b Lewisohn 1988a, p. 175.
  10. ^ a b Lewisohn 1988a, p. 194.
  11. ^ Harry 2000, p. 583.
  12. ^ Lewisohn 1988a, pp. 194, 196.
  13. ^ Lewisohn 1988a, p. 200.
  14. ^ Lewisohn 1988b, p. 10.
  15. ^ Lewisohn 1996, p. 39.

参考文献

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  • Harry, Bill (2000). The Beatles Encyclopedia: Revised and Updated. London: Virgin Publishing. ISBN 0-7535-0481-2 
  • Lewisohn, Mark (1988a). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1 
  • Lewisohn, Mark (1988b). Past Masters, Volume Two (Media notes). The Beatles. London: Apple Records. 90044。
  • Lewisohn, Mark (1996). Anthology 2 (booklet). The Beatles. London: Apple Records. 31796。
  • MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3 
  • Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4. https://archive.org/details/allwearesayingla00lenn 
  • Womack, Kenneth (2016). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. ABC-CLIO. ISBN 1-4408-4427-5 

外部リンク

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