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「ちりとてちん (テレビドラマ)」の版間の差分

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;鞍馬太郎(くらま たろう) - [[竜雷太]]
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:天狗芸能会長。大阪に「天狗座」という大きなお笑いの劇場を持つ。1992年に古希を迎えたが、それでも東京に漫才専門の小屋を作ろうとするなど、精力的に働いている。甘党で和菓子に目がない。関西の芸能界に大きな勢力を持ち、彼に睨まれる事は芸能界での死を意味する。草若に復帰を告げられた時は「勝手にせい」と静観を決め込んでいたが、「寝床寄席」の評判が高まるのを無視できず、1995年に「寝床寄席」に足を運び、天狗座での一門会開催を直々に持ちかけた
:天狗芸能会長。大阪に「天狗座」という大きなお笑いの劇場を持つ。1992年に古希を迎えたが、それでも東京に漫才専門の小屋を作ろうとするなど、精力的に働いている。甘党で和菓子に目がない。
:関西の芸能界に大きな勢力を持ち、彼に睨まれる事は芸能界での死を意味する。天狗芸能主催の徒然亭一門会に穴を開け、彼の面目をつぶした形となった草若は、事実上、落語会を追放された形となっていた。
:彼の率いる天狗芸能の設定に際しては、天狗芸能が、1992年に東京進出を図っている点が[[吉本興業]]と共通している一方、劇中で本人役で登場する[[横山たかし・ひろし]]が所属している点や社名の後半は[[松竹芸能]]と共通している。これらのことから、関西に実在する複数の芸能事務所を参考にして、天狗芸能という占的権勢を誇る架空の事務所を設定していると見なされる。なお、現実のお笑い芸人の出演等について、[[桂吉弥]]と[[桂よね吉]]の2人が[[米朝事務所]]、[[横山たかし・ひろし]]の2人が[[松竹芸能]]、出演と落語指導の2つの役割を果たしている[[林家染丸]]は[[吉本興業]]という具合に、制作者が所属事務所のバランスに気を遣っていることがうかがえる。
:物言いは傲岸不遜。草若に復帰を告げられた時にも、かつて自分の面目をつぶした草若に対し、圧力も辞さないことをも仄めかすような発言で応じた。しかし、実際には介入はみられず、逆に、1995年夏には地道に評判を培っている「寝床寄席」に足を運び、外から暖かさを感じさせる視線を投げかけている。その千秋楽の後、傲岸な物言いながらも、同年末の天狗座での一門会開催を直々に持ちかけ、徒然亭一門の落語社会復帰の道が開けた。
:彼の率いる天狗芸能の設定に際しては、天狗芸能が、1992年に東京進出を図っている点が[[吉本興業]]と共通している一方、劇中で本人役で登場する[[横山たかし・ひろし]]が所属している点や社名の後半は[[松竹芸能]]と共通している。これらのことから、関西に実在する複数の芸能事務所を参考にして、天狗芸能という占的権勢を誇る架空の事務所を設定していると見なされる。なお、現実のお笑い芸人の出演等について、[[桂吉弥]]と[[桂よね吉]]の2人が[[米朝事務所]]、[[横山たかし・ひろし]]の2人が[[松竹芸能]]、出演と落語指導の2つの役割を果たしている[[林家染丸]]は[[吉本興業]]という具合に、制作者が所属事務所のバランスに気を遣っていることがうかがえる。
;万葉亭柳眉(まんようてい りゅうび) - [[桂よね吉]] 
;万葉亭柳眉(まんようてい りゅうび) - [[桂よね吉]] 
:若手実力派の落語家。かつては草々・尊建と三人で「上方落語三国志」と言われた。かつてのライバル草々の動向が気になり、「寝床寄席」の前身となった落語会にも足を運んでいる。
:若手実力派の落語家。かつては草々・尊建と三人で「上方落語三国志」と言われた。かつてのライバル草々の動向が気になり、「寝床寄席」の前身となった落語会にも足を運んでいる。
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:若手実力派の落語家。かつては草々・柳眉と三人で「上方落語三国志」と言われた。
:若手実力派の落語家。かつては草々・柳眉と三人で「上方落語三国志」と言われた。
:没落した徒然亭一門をバカにする発言をすることがしばしばだが、やはり草々の動向が気になるのか、「寝床寄席」の前身となった落語会には足を運んでいる。
:没落した徒然亭一門をバカにする発言をすることがしばしばだが、やはり草々の動向が気になるのか、「寝床寄席」の前身となった落語会には足を運んでいる。
:1995年には、人気を失いつつある小草若に代わり、番組レギュラーを勝ち取るなど、メディア露出を増やしている。
:私生活では、女癖が悪く、粗暴。草々と同席していた清海を、草々が中座の間に見かけてからみ、戻ってきていなそうとする草々に悪態をつき殴りかかる。意図せず返り討ちしたかたちとなった草々は清海と共に土佐屋一門から雨中逃げ回ることになるが、その一件が結果として、清海に草々への恋心を抱かせる最後の後押しとなる。
:私生活では、女癖が悪く、粗暴。草々と同席していた清海を、草々が中座の間に見かけてからみ、戻ってきていなそうとする草々に悪態をつき殴りかかる。意図せず返り討ちしたかたちとなった草々は清海と共に土佐屋一門から雨中逃げ回ることになるが、その一件が結果として、清海に草々への恋心を抱かせる最後の後押しとなる。
;万葉亭柳宝(まんようてい りゅうほう) - [[林家染丸 (4代目)|林家染丸]]
;万葉亭柳宝(まんようてい りゅうほう) - [[林家染丸 (4代目)|林家染丸]]

2007年12月17日 (月) 02:53時点における版

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ちりとてちん
ジャンル ドラマ
放送時間 15分
出演 貫地谷しほり
和久井映見
松重豊
京本政樹
青木崇高
佐藤めぐみ
原沙知絵
米倉斉加年
江波杏子
渡瀬恒彦
放送国 日本の旗 日本
放送局 NHK
放送期間 2007年10月1日 - 2008年3月(予定)

ちりとてちん』は、2007年10月1日から放送されているNHK朝の連続テレビ小説である。NHK大阪放送局制作で、シリーズ通算77作目、大阪制作の作品では通算31作目である。全151回。
脚本は藤本有紀舞台福井県及び大阪府ヒロイン役はオーディションにより選ばれた貫地谷しほりである。

ちりとてちん」は三味線旋律擬音語、また上方落語の演目の一つである (江戸落語では「酢豆腐」という名で演じられている)。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

主人公の和田喜代美は、9歳の時に、福井県小浜市へ引っ越してきた。喜代美は、無口で真面目な出戻り若狭塗り箸職人の父・正典(松重豊)と楽観的な母・糸子(和久井映見)をはじめ、祖父・正太郎(米倉斉加年)と祖母・小梅(江波杏子)、それに弟・正平(橋本淳)や叔父・小次郎(京本政樹)など、大勢の家族に囲まれて育った。

その9年後、喜代美(貫地谷しほり)は高校卒業を間近に控えていた。 同い年で同姓同名の親友・和田清海(佐藤めぐみ)が、才色兼備で誰からも好かれるのに対して、悲観的で将来の夢も展望も全く開けない喜代美は、清海に劣等感を感じてしまうのであった。

そんな状況を打ち破るため、高校卒業後、喜代美は大阪へ飛び出した。その地で、思いがけず出会ったのは、人を笑わせる仕事、落語家であった。祖父の言葉を胸に、喜代美は、希代の天才落語家・徒然亭草若(渡瀬恒彦)に弟子入りするのだが…。

主な登場人物・キャスト

福井の人々

和田家

和田喜代美/徒然亭若狭(わだ きよみ/つれづれてい わかさ) - 桑島真里乃(少女時代)→貫地谷しほり
本作のヒロイン。
1973年福井県南部・小浜市出身。いささかマイナス志向で妄想癖があり、また何かと不器用。
小浜でのうだつの上がらない状況を打破する為、母と喧嘩し、大阪に飛び出す。偶然に徒然亭草若と出くわし、やがて草若の下にただ一人残った弟子・草々への片思いを抱きつつ、草若の弟子達が以前使っていた離れを間借りして住むことになった。
徒然亭一門と接していくうち落語への情熱は高まり、自身も草若の弟子になり落語家を目指す事を決意。紆余曲折の末、つれづれ亭への入門は認められ(詳細は劇中登場する落語の演目「愛宕山」を参照)、19歳で初高座。
当時は辛いのみと考えていた少女時代の経験の数々が、図らずも落語に生かされることとなり、落語家として成長していく。
人により、以下のいくつかの呼び名で呼ばれる。
    • ビーコ
      主に小浜の人々から。学校内で同姓同名の清海と区別するために「和田A」「和田B」のうち「和田B」に甘んじ、次第にB子転じて「ビーコ」で定着するようになった。
    • 「キーコ(喜ィ公)」または喜六
      徒然亭入門前の、草若と草々からの呼称(後述)。
    • 若狭
      徒然亭入門後、小草若を除く一門、および、主に寝床常連の面々から。草若のの字をもらいつつ、福井県若狭地方の出身であることとかけてつけられた芸名。芸名をもらうことを、「古い自分と決別して、新しい自分に生まれ変わる契機」と期待していた喜代美は、名乗るたびに昔を思い出す羽目になる、と、当初は悲嘆にくれていた。しかし、故郷の無い草々の「故郷があるだけいい」という羨望を知り、前向きに捉えるに至る。
    • (番外)哀れのチャンピオン
      草若邸を訪れた大阪で一番の借金取り・あわれの田中と哀れ合戦をして打ち勝ち、磯七から授与された称号
上沼恵美子によるナレーションは、後年の喜代美が自身の半生を回顧する形になっている。毎週月曜日の放送の冒頭では「ようこそのお運びで。厚くお礼申し上げます」という口上を述べる。
和田糸子(わだ いとこ) - 和久井映見
喜代美の母。福井県北部、鯖江市の出身。実家は小間物屋。幼い頃に父を亡くし、母一人子一人の家庭で育った。他人とは感覚がずれたところがあり、天然ボケ気味だが楽天的な性格なので失敗しても気にしない。正平の評するところ、「存在自体が突拍子もない」。五木ひろしの大ファンで、十八番は「ふるさと」。正典が一時塗箸修行をやめていたのは実家の苦境を救うためだったため、正典には恩義を感じ、立派な塗箸職人になってもらいたいと考えている。引っ越し荷物から恋の悩みまで、いろいろなものに「鼻が利く」。喜代美が清海の元から失踪した時、草々に失恋した時にも匂いで嗅ぎ当てた。家族の世話を焼きたがる向きがあり、特に不器用な喜代美が心配でたまらず、彼女の成功を神仏にすがり、お百度参りを実行するほど(しかし、「石段はしんどい」「神仏たるもの、そんな了見が狭いわけがない」ということで、近場のお地蔵さんですませるなど、やはりちょっと一般と感覚が乖離している)。喜代美は母親の世話焼きを鬱陶しく思っていたが、初高座で失敗した際には、喜代美も糸子に八つ当たりできつい言葉をぶつけながらも、最後には肩にすがって泣くなど、心の奥底ではその包容力に大きく依存している。「へしこ丁稚羊羹」騒動の逸話が喜代美2度目の高座を成功に導くなど、当時はとんでもない事件に過ぎなかった糸子との経験は、後の落語家としての喜代美の成功に生かされつつある。
和田正典(わだ まさのり) - 松重豊
喜代美の父。小浜市出身。高校卒業後、3年間正太郎の元で塗箸の修行をしていたが、10年前に修行を投げ出し家を出て正太郎とは絶縁状態にあった。だが塗箸家業が途絶えることを危惧し、鯖江の眼鏡工場を退職し妻子を連れて小浜に戻ってきた。父に似て生真面目な性格である。家族に冷静に突っ込む一面も。正太郎の死後、秀臣の下で従業員として働きながら修行を積み、9年後に秀臣の工場から独立し塗箸店を再興した。だが塗箸の売れ行きは悪く困窮している。
和田小梅(わだ こうめ) - 江波杏子
喜代美の祖母。地元では名の知れた元芸者三味線の名人。粋な性格で当時流行していたバブルガム・ブラザーズ米米CLUBの曲を好んで聞くなど最新の流行にも敏感。草若に弟子入りした喜代美を見て正太郎の遺言(「ぎょうさん笑え」)を実行するには自分が一歩踏み出し嫌いな事にも挑戦しなければならないと気付き、スペインの友人からの依頼を受け三味線を教えるためにスペインへ移住した。旅立つ際草若に、自分が若い頃に着ていた着物を喜代美が高座に上がる時の衣装として託している。また内弟子修行に悩み「ちりとてちん」が習得できずに悩む喜代美を励ました。
和田正太郎(わだ しょうたろう) - 米倉斉加年
喜代美の祖父。小梅には「正太郎ちゃん」と呼ばれている。小浜でも数少ない若狭塗箸の名職人。塗箸の修行を放棄して家を出た正典をなかなか許そうとはしなかったが、実は正典に塗箸を継いでほしいという望みの裏返しであったと死の間際に告白する。落語好きで喜代美が落語に興味を持つきっかけを作り、喜代美には「ぎょうさん笑え。一回きりの人生や。ぎょうさん笑ろた方がええ。」という言葉を残した。
和田小次郎(わだ こじろう) - 京本政樹
喜代美の叔父。正典の弟。堅実な兄とは違い、独身で定職を持たないヤマ師。いつも失敗に終わるものの儲け話には目がない。奈津子が塗箸の取材のために和田家を初めて訪れた時にその美しさに目を奪われたが、竹谷への悪戯のために作った「へしこ丁稚羊羹」を奈津子が誤って食べてしまい、気持ち悪くさせてしまった。ガラクタ好きで、ゴミの山状態となっていた奈津子の部屋を見て宝の山だと興奮。これがきっかけでさらに奈津子に注目し始め、以来奈津子と連絡しあう仲になった。そして1995年の秋に正典と対立したのがきっかけで家を飛び出し、ヒッチハイクで大阪へ移動して奈津子の部屋に転がり込み、以後は一緒に暮らしている。
和田正平(わだ しょうへい )- 星野亜門(少年時代)→橋本淳
喜代美の二歳年下の弟。喜代美と違って手先が器用でしっかりもの。「他愛ないのう」が口癖。恐竜好きで高校卒業後大学に進学し、後に恐竜の研究に従事する。同じ恐竜好きの草々のことを慕っている。

もうひとつの和田家

和田清海(わだ きよみ) - 佐藤初(少女時代)→佐藤めぐみ
大手箸工場を営む秀臣の娘。喜代美と同姓同名、同い年。喜代美が引っ越してきた日に砂浜で出会う。非の打ち所がなく、クラスの皆に慕われている人気者。通称エーコ。喜代美が目立った活躍をせず「和田B」に甘んじたため「和田A」→A子転じて「エーコ」と定着した。喜代美が自分に対して劣等感を抱いていることには気づいておらず、喜代美を無二の親友だと思っている。この事からもわかる通り、鈍感なところがあり、友春が小学生の頃から喜代美のことが好きだった事や草々に好意を持たれている事にも気づいていなかった。
高校卒業後は、大阪で一人暮らしをしながら大学の社会学部で学んでいたが、いかに楽して単位をとるかということばかり考えている友人ばかりだったことなどで大学生活に幻滅。サークルのOBの誘いがきっかけで芸能界に入り、テレビのお天気キャスターなどの仕事をしている。出会った当初は草々を面白い人と感じただけで草々にはあまり興味を持っていなかったが、草々演じる「景清」を聞いたのがきっかけで落語や草々に興味を持ち、後に草々と相思相愛となってしまった。だが、東京でニュースキャスターをする仕事が入り、悩んだ挙句に、好きな草々や喜代美に負けないために東京行きを決意。大学を休学して東京に転居した。大阪で喜代美と別れる際、昔から喜代美のことを羨ましく思っていたことを告げている。
和田友春(わだ ともはる) - 小阪風真(少年時代)→友井雄亮
秀臣の長男。清海の兄。小学生の時に初対面の喜代美に暴言を吐き、かばんで殴られたことで喜代美に一目惚れし、喜代美が高校を卒業した時にはプロポーズした。しっかりした妹と違って典型的なドラ息子に育ってしまったため、正典からもアホと呼ばれており、肝心の喜代美には相手にされていなかった。どこか似ている小草若とはかなり仲が悪い。自分に秀臣ほどの経営能力がないことを自覚しており、喜代美にそばにいてほしいと再度プロポーズしたが、既に落語の道を進むことを決意した喜代美はプロポーズを断り、友春さんも塗箸工場経営者の道を進んで欲しいとエールを送った。それを聞いた友春は喜代美のことをきっぱりとあきらめ、自分の道をみつける決意を固めた。友春は正典にその決意を語り、そのことが小梅や正典を動かし、喜代美の草若への弟子入りを後押しすることとなった。
和田秀臣(わだ ひでおみ) - 川平慈英
小浜の大手箸工場の社長。正太郎の元弟子。伝統工芸の塗箸に見切りをつけて正太郎のもとを去ったため、小梅に嫌われており、正太郎の葬式でも追い返された。正太郎の死後、正典に請われ自分の工場の社員扱いで塗箸の技術を正典に教えた。後に正典の箸が持つブランド力に注目し、友春が喜代美への結婚を言い出したことを機に、自分の工場と正典の塗箸店との合併を狙っている。その第一歩として困窮する正典の和田家のために、自分の名前を出さずにひそかに乾燥機を貸し出し、さらに大阪の堂島百貨店から正典の塗箸を大量に発注させたりした。そして自分の庇護なしで正典が暮らしていけない状態になった頃にそのことを正典に告げ、改めて合併を持ちかけている。
和田静(わだ しずか) - 生稲晃子
秀臣の妻。よくできた妻で、彼女の存在も清海に対する喜代美のコンプレックスの元になっている。

魚屋食堂

野口順子(のぐち じゅんこ) - 伊藤千由李(少女時代)→宮嶋麻衣
喜代美の親友。魚屋食堂の一人娘で、高校卒業後は家業を手伝っている。クールなリアリストで、後ろ向きになりがちな喜代美にいつも毒もありつつ的確な助言をくれる
野口幸助(のぐち こうすけ) - 久ヶ沢徹
順子の父。喧嘩の仲裁が趣味で喧嘩している者に売り物の焼き鯖を与えて仲直りさせる。犬の喧嘩にまで口を出したり、喧嘩を仲裁したいために揉め事のありそうなところへ足を運ぼうとしたりするので家族にあきれられている。いつもねじり鉢巻をしめている。
野口松江(のぐち まつえ) - 松永玲子
順子の母。商売下手な幸助のかわりに魚屋食堂を切り盛りしている。大のおしゃべり好きで、正典をあまり好意的に思っていない。

その他の人々

竹谷修(たけや おさむ) - 渡辺正行
箸問屋「マルタケ」を営み、小浜観光協会の事務局長もつとめている。問屋の小僧時代に正太郎に世話になり、恩を感じていたが、正典の腕前には疑問を抱いている。小次郎とは犬猿の仲。知ったかぶりの性格。秀臣に頼まれ、乾燥機や堂島百貨店の注文を仲介した。小説版には秀臣の企みには気づいていなかったことが書かれているが、放送ではこの部分がカットされた。
なお、劇中、喜代美の初高座の日が決まったという話を聞いた竹谷が大学時代は落研だったと言って、正典に竹谷が大学へは行っていないことを突っ込まれる場面があるが、演じる渡辺は明治大学在学中は落研に入っていた。

大阪の人々

徒然亭一門

徒然亭草若(つれづれてい そうじゃく) - 渡瀬恒彦 
喜代美が大阪で出会った徒然亭一門を率いる落語家。かつて「上方落語界の四天王」と称されていたが、喜代美と出会う3年前の一門会の日、高座の直前に妻志保の余命があと3ヶ月だと知り、心が乱れ、高座に上がれない状態になったために天狗座での徒然亭一門会に穴を開けてしまい天狗芸能会長を激怒させ、天狗芸能を追放されてしまった。喜代美と出会った当時は落語をしておらず、借金まみれで、酒浸りの日々を送っていた。ずっとそばに従っていた草々や戻ってきた草原や四草に対してわざとそっけない態度をとったが、これは自分にこだわってくすぶるのを懸念しての行動。その行動は常に弟子への愛情に溢れている。草々などの弟子達の熱意や喜代美を見ていくうちに落語への情熱が甦り、ついに落語家復帰を決意する。
落語家復帰前は無精ひげを生やし、頭も白髪混じり、どてらを着用していたが、落語家復帰後は髪を黒く染め、サスペンダーを愛用している。面白いと思えばその場のノリで行動することがよくあり、内弟子修業中で恋愛御法度の喜代美に対して草々絡みでからかって遊ぶこともある。情操教育を大切にしており、弟子に教える噺は、特に内弟子修業時代は本人の特徴に合ったものを選ぶ傾向がある(詳細は劇中登場する落語の演目の「崇徳院」、「ちりとてちん」、「天災」参照)。
徒然亭草々(つれづれてい そうそう) - 青木崇高 
草若の二番弟子。
早くに親を亡くして、徒然亭一門に入り草若の高座すっぽかし事件の後も、草若の下に唯一残った。強面で性格は粗暴で短気。ただし根は純情で優しいところがある。大食いで、草若曰く料理の味はあまり気にしない。かつては柳眉・尊建と三人で「上方落語三国志」と言われた実力派。「和田清海が勝山で恐竜の化石を発見した」ことを報じた新聞記事を切り抜いて保存していたほどの恐竜好きで、清海に初めて出会ったときも新聞で見たその顔を覚えていた。中学生の頃から草若に弟子入りして落語の修業を積んだためか、落語以外の常識に疎いところがある。小草若とは犬猿の仲。夜分の爪切りや口笛を嫌うなど、やたらと縁起を気にする。幼い頃に親兄弟と死に別れ、天涯孤独の身であり、草若は父親代わりでもある。そのため師匠思いで、草若を非難する声を聞くと声を荒げる一面も。喜代美を草若の下に住むように引き止めたのも草若が再び落語を始めるきっかけを喜代美に見出したため。登場初期は天然パーマの髪を伸ばしっぱなしにしていたが、落語は独りで何役も演じるために特徴ある髪型では支障をきたすため、草若が落語に目覚め、そのことを指摘するのを待っていたためにわざと切っていなかった。
鈍感なところがあり、喜代美に好意をもたれていることには全く気づいていない。そのため、その気もないのに喜代美を傷つける発言をしてしまうことが多い。また奥手で本人もそのことを自覚している。清海に一目惚れし、以来一年近く片思いの状態が続いたが、後に両思いとなった。だが清海が東京行きを決意したことにより破局。小草若から喜代美が草々に好意を持っていることを告げられたが、恋心を封印して落語修業に励むと決意した喜代美がそのことを否定したため、その時も気がつかなかった。
寝床寄席の評判が高まった1995年の時点では、草若の芸を受け継ぐ正統派の落語家として注目されている。
徒然亭草原(つれづれてい そうげん) - 桂吉弥 
草若の一番弟子。草々の兄弟子。本名原田優夫(はらだ まさお)。1992年当時39歳。
落語に対する知識や思いは人一倍で三味線や太鼓などのお囃子もできるので草々は草若の次に草原を尊敬していた。だが、上がり症で肝心なところで噛んでしまうため、全く客の笑いが取れなかった。知識の深さから「口だけ師匠」と揶揄されたことがある。草若が高座をすっぽかした事件後落語家をやめ、ディスカウントショップ「おとくやん」で実演販売などの仕事をして妻と息子を養っていた。だが、その仕事もうまく行っておらず、昔のことを思い出して悩んでもいた。喜代美に説得され、妻の言葉などに後押しされる形で落語家に復帰する。復帰後は一番弟子であることから草若一門のまとめ役となる。酒癖が悪く、酔うと絡み酒になるが、噛む癖は変わらない。以前はそうでもなかったらしいが、復帰後は四草の賭けに「面白そうやないか」とすぐに飛びつくため、草々から師匠に似てきたと言われている。なお、1992年12月14日の落語会の直前に三味線を習って以来、小梅のことも師匠と呼んでいる。
筆頭弟子として、弟妹弟子への面倒見がとても良い。有り余る落語への愛ゆえか、訓戒などに際しては、落語の中の番頭とお叱りを受ける丁稚よろしく、扇子を煙管に見立てる「仕草」が入る、相手の誰彼構わず「定吉」と呼んでしまうなど、落語の世界の現実世界への混入が見られる。
落語家を志すにあたっては、70年代、フォークを標榜する憧れの従兄弟が就職に際して態度を改めたことに、「彼は自由を叫びながら自由を求めてはいなかったのだ」とショックを受けたのが影響したらしい。当時を想起すると、「『いちご白書』をもう一度」を口ずさみ始める。
徒然亭小草若(つれづれてい こそうじゃく) - 茂山宗彦 
草若の実の息子で、三番弟子。草々の弟弟子。ただし入門の時期は草々と1日しか違わず、年齢も1年しか違わないため、それが原因で草々とは仲が悪い。また草々の落語バカぶりも気に入っていない。本名吉田仁志(よしだ ひとし)。1992年当時27歳。
徒然亭一門でただ一人天狗芸能に残っており、喜代美と出会った時は関西で多くのレギュラーを抱える売れっ子芸人になっていた。1989年の徒然亭一門会の日に草若が女の元へ行って高座をすっぽかしたために、一門が離散し母志保の病状も悪化して死期を早めたと考え、草若を憎んでいた。だが菊江から真相を知らされて草若への誤解も解け和解する。「底抜けに○○やがな~!」という持ちネタがあるが、落語は「寿限無」しかできず、しかも下手。ちなみに草若を憎んでいた頃は草若を「親父」と呼び、草若と和解してからは草若を「師匠」と呼んでいる。
友春同様、初対面の時に喜代美に暴言を吐き、かばんで殴られたことで喜代美に一目惚れした。その友春とは仲が悪い。照れ屋で恋愛に関しては不器用なところがあるため、喜代美に思いを伝えることができず、喜代美が草々に好意を抱いている事には草原に教えられるまで気がついていなかった。喜代美が草々のことが好きだと知った後も喜代美への好意は変わらなかった。そのためか、喜代美のことを周囲が「若狭」と呼ぶようになっても「喜代美ちゃん」と呼んでいる。
喜代美と並んで妄想家だが、彼女と違って、周囲をはばからず口にまで出る。
寝床寄席の評判が高まった1995年の時点では、おばちゃん達からの人気が出ている。
なお、「底抜けに○○やがな~!」という時に使用するポーズは演じる茂山が考案した(関西ローカルの番組で茂山が証言)。
徒然亭四草(つれづれてい しいそう) - 加藤虎ノ介 
草若の四番弟子。四草という名もそのことにちなんでいる。草々の弟弟子。
シニカルで口が悪い。草々曰く、「算段の平兵衛のような」狡猾な性格。だが、ささやかで、どこか憎めない(なお、草々は草若演ずる「平兵衛」について、「狡猾ながらもどこか憎めない」と評価していた)。金にうるさいが、小銭の範囲。また賭け事好きで、なにかと賭け事のネタにしようとし、勝つためには手段を選ばない向きもあるが、対象はうどん一食など、ささやか。女性にはよくもて、口説きのテクニックにも長けている。磯七にいわせると「いい意味でも悪い意味でも口がたつ男」。徒然亭門下では、抜きん出て洞察力に長けている。感情を表に出すのを良しとせず、常にクールに振舞おうとし、ふと気を許した表情をしたところを周囲に見られているのに気づくと、あわてて表情を取り繕う場面も。志保の形見のかんざしを誰が喜代美に挿してやるかで、草原・草々・小草若が揉めていたところ、無言で手を伸ばしてくるなど、実は奥底では、さびしがり屋で情に厚いことを窺わせる。
草若の演じる「算段の平兵衛」に感動し、平兵衛のような男になりたいと大学卒業後に弟子入りした。草若の高座すっぽかし事件の後落語家をやめ、天狗座近くの中国料理店「延陽伯」に住み込みで働くフリーターをしていた。ペットとして平兵衛という名の九官鳥(声:加藤虎ノ介)を飼っている。なんだかんだと理由をつけて仕事を他人におしつけ、自分はあまり仕事をしていなかったが、天狗座への出前は積極的に引き受け、こっそり落語を聞くなど、落語を捨てきれていなかった。落語家復帰を決意した草原に促され、自分も落語家復帰を決意する。
入門許可の一件以降、草若からは「まだ早い」と「算段の平兵衛」の正式な稽古は一度も許されておらず、そのことに不満を抱いたが、高座で勝手に「算段の平兵衛」をかけて大失敗し、草若に叱責されからは態度を改め、落語家としても成長した(詳細は劇中登場する落語の演目の「算段の平兵衛」参照)。
寝床寄席の評判が高まった1995年の時点では、若い女性からの人気が出ている。
吉田志保(よしだ しほ) - 藤吉久美子 
草若の亡き妻。小草若の母。3年前に他界。生前は囃子方を務めており、草若の高座のはめものをほとんど行なっていた。正太郎がいつも聞いていたテープの三味線も彼女の演奏である。不器用で、家事や三味線も習得には人の何倍も時間がかかった。タンポポが好きで、志保自身もタンポポのような人だった。草々いわく、志保がいるだけで春の陽だまりみたいに暖かく、気分がよくなった。そんな志保を草若は愛し、草々ら弟子達は母親のように慕っていた。喜代美が「辻占茶屋」で下座を担当する事になった時に喜代美に対して草若が「不器用でええやないかい。」と言ったのは志保のことが念頭にあったからである。
原田緑(はらだ みどり) - 押元奈緒子 
草原の妻。草原を本名の優夫から「まー君」と呼ぶ。夫の良き理解者。
原田颯太(はらだ そうた) - 河合紫雲 
草原と緑の一人息子。1992年当時6歳。

居酒屋「寝床」

熊五郎(くまごろう) - 木村祐一 
居酒屋「寝床」店主。酒代のツケを貯める草若に頭を悩ませている。フォークソングをこよなく愛し、店で自分のコンサートを開催するが、下手くそなので付き合わされる常連客や近所の人たちには不評。男女の機微には疎い。
1992年12月14日に行なわれた落語会で草若の「愛宕山」を聞いて以来、草若の芸を「同じエンターテーナー」として認め、徒然亭一門復興に力を貸すために寝床を落語会の会場として無償で提供している。
なお劇中で熊五郎が歌う「寝床」は熊五郎自身の作詞作曲という設定になっているが、劇中の設定同様、演じる木村が共演者とともに撮影現場で即興で作った曲である。「寝床」はその後、BGMに採用され、熊五郎のテーマになっている。
咲(さき) - 田実陽子 
居酒屋「寝床」のおかみ。夫・熊五郎を愛し、周りからは不評な熊五郎の歌にも感動するピュアさを持つ。正義感や義理人情も持ち合わせるしっかり者。男女問題では過去に暗い経験が多々あるようで、いわゆる「男性受けがよいタイプ」の女性には反感を禁じえない。
磯七(いそしち) - 松尾貴史 
居酒屋「寝床」の常連客。散髪屋「磯村屋」主人。落語の大ファンで、持っている知識を喜代美らに披露したくて仕方ない。徒然亭一門の没落を惜しみ、何かと援助する。
なお、磯村屋の撮影には、実際の散髪屋が使用された。その店の経営者は連続テレビ小説のファンで、初期の撮影が行われた頃、前作どんど晴れのポスターが貼られていたという(2007年11月19日放送の「スタジオパークからこんにちは」に松尾が出演したときに語られたエピソード)。
菊江(きくえ) - キムラ緑子 
居酒屋「寝床」の常連客。仏壇屋主人。草若とは古くからのつきあいで、志保とは親友だった。草若が高座に穴を開けた真相も知っているため、小草若が草若を憎んでいることに心を痛めていた。志保との関係から小草若に母親代わりのように接する事もあり、小草若のことは本名の「仁志」と呼ぶ。
徳さん - 鍋島浩
居酒屋「寝床」の常連客。ガラス屋。草若邸玄関の割れたガラスの交換にも来ていた。
お花 - 新海なつ
居酒屋「寝床」の常連客。駄菓子屋。熊五郎のフォークコンサートの時には耳栓を用意し、皆にも配っていた。

天狗芸能

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鞍馬太郎(くらま たろう) - 竜雷太
天狗芸能会長。大阪に「天狗座」という大きなお笑いの劇場を持つ。1992年に古希を迎えたが、それでも東京に漫才専門の小屋を作ろうとするなど、精力的に働いている。甘党で和菓子に目がない。
関西の芸能界に大きな勢力を持ち、彼に睨まれる事は芸能界での死を意味する。天狗芸能主催の徒然亭一門会に穴を開け、彼の面目をつぶした形となった草若は、事実上、落語会を追放された形となっていた。
物言いは傲岸不遜。草若に復帰を告げられた時にも、かつて自分の面目をつぶした草若に対し、圧力も辞さないことをも仄めかすような発言で応じた。しかし、実際には介入はみられず、逆に、1995年夏には地道に評判を培っている「寝床寄席」に足を運び、外から暖かさを感じさせる視線を投げかけている。その千秋楽の後、傲岸な物言いながらも、同年末の天狗座での一門会開催を直々に持ちかけ、徒然亭一門の落語社会復帰の道が開けた。
彼の率いる天狗芸能の設定に際しては、天狗芸能が、1992年に東京進出を図っている点が吉本興業と共通している一方、劇中で本人役で登場する横山たかし・ひろしが所属している点や社名の後半は松竹芸能と共通している。これらのことから、関西に実在する複数の芸能事務所を参考にして、天狗芸能という独占的権勢を誇る架空の事務所を設定していると見なされる。なお、現実のお笑い芸人の出演等について、桂吉弥桂よね吉の2人が米朝事務所横山たかし・ひろしの2人が松竹芸能、出演と落語指導の2つの役割を果たしている林家染丸吉本興業という具合に、制作者が所属事務所のバランスに気を遣っていることがうかがえる。
万葉亭柳眉(まんようてい りゅうび) - 桂よね吉 
若手実力派の落語家。かつては草々・尊建と三人で「上方落語三国志」と言われた。かつてのライバル草々の動向が気になり、「寝床寄席」の前身となった落語会にも足を運んでいる。
土佐屋尊建(とさのや そんけん) - 波岡一喜 
若手実力派の落語家。かつては草々・柳眉と三人で「上方落語三国志」と言われた。
没落した徒然亭一門をバカにする発言をすることがしばしばだが、やはり草々の動向が気になるのか、「寝床寄席」の前身となった落語会には足を運んでいる。
1995年には、人気を失いつつある小草若に代わり、番組レギュラーを勝ち取るなど、メディア露出を増やしている。
私生活では、女癖が悪く、粗暴。草々と同席していた清海を、草々が中座の間に見かけてからみ、戻ってきていなそうとする草々に悪態をつき殴りかかる。意図せず返り討ちしたかたちとなった草々は清海と共に土佐屋一門から雨中逃げ回ることになるが、その一件が結果として、清海に草々への恋心を抱かせる最後の後押しとなる。
万葉亭柳宝(まんようてい りゅうほう) - 林家染丸
柳眉の師匠。演じる染丸は劇中の落語指導も担当。
土佐屋尊徳(とさのや そんとく) - 芝本正
尊建の師匠。

その他の人々

緒方奈津子(おがた なつこ) - 原沙知絵 
大阪在住のフリーライター。伝統工芸の取材で訪れた小浜で喜代美と出会い、それ以来喜代美にとって憧れの的となる。しかしその華やかな姿とは裏腹に、日常生活には無頓着で掃除や料理などの家事が苦手でそのためにふられた過去がある。部屋もゴミの山状態であるほど散乱しており、喜代美が部屋を綺麗にしても、喜代美がしばらく来なかっただけですぐ散らかってしまう。だがこれを見た小次郎は宝の山だと興奮。これがきっかけで奈津子は小次郎を意識するようになり、小次郎と連絡を取り合っている他、ガラクタを小次郎のところへ送り、小次郎の着ていたアロハシャツを部屋に飾っていた。後に小次郎が奈津子の部屋に転がり込み、一緒に暮らしている。原稿執筆時は大きなメガネにヘアバンド姿の事もある。
雑居ビルの一室を仕事場兼自宅としており、隣がスナック「アムール」で向かいが麻雀荘「隙間風」である(「スタジオパークからこんにちは」に演じる原が出演した際に語られた設定)。

ゲスト出演

音大の教授 - キダ・タロー(第8回)
喜代美の妄想の中で出演。
あわれの田中 - 徳井優(第17回)
そのあまりにも哀れな境遇を聞かされると誰もが借金を返さずにはいられないという大阪一の取り立て屋。その貧相な外見に草々も戦意を喪失してしまうほどの実力の持ち主だったが、喜代美と哀れ勝負をして負け、借金取りをやめる事を決意し金を取り立てずに帰る。
横山たかし・ひろし - 横山たかし・ひろし(第21回)
天狗座の舞台に本人役で出演。
五木ひろし - 五木ひろし(第28回)
1992年当時の本人役で出演。小浜の海岸で喜代美と順子に出会う。喜代美は糸子を呼びに行くので待っているように五木に頼み込んだが、五木は仕事の都合で喜代美を待ちきれずに帰ってしまった。なお、喜代美を待っている間、順子はちゃっかりサイン(しかも魚屋食堂の名前入り)をもらっていた。
なお、1996年当時の本人役での出演が決まり、撮影も行なわれた。五木ポーズ伝授 NHK朝ドラ「ちりとてちん」再登場
ニュースキャスター - 浅越ゴエ (ザ・プラン9) (第45回~46回)
清海がお天気リポーターを担当する「ニュースwow」キャスター

人物名・店舗名の由来と考えられる落語および人物

「ちりとてちん」の登場人物名の多くは、上方古典落語の登場人物や、中国の歴史上の人物からヒントを得たものが非常に多い。以下に命名の由来となったと推測されるものについて列挙する。

ドラマの登場人物名 命名の由来となった人物 出典 概要
和田喜代美 喜六(きろく) 上方落語全般 代表的な主人公・ボケ役「喜ぃ公」、草々が言及
和田清海 清八(せいはち) 上方落語全般 喜六のメインパートナー・ツッコミ役「清やん」、草々が言及
野口幸助 割木屋の幸助(こうすけ) 落語「胴乱の幸助 ドラマの演出と状況が符合する落語の演目」参照
野口松江 雀のお松 落語「船弁慶 噂話や陰口が大好きなおしゃべり奥さん
竹谷修 知ったかぶりの竹(たけ) 落語「ちりとてちん 再現シーンでは竹の役で登場
徒然亭草々 曹操(そうそう) 三国志三国志演義 の建国者
万葉亭柳眉 劉備(りゅうび) 三国志三国志演義 の建国者
土佐屋尊建 孫権(そんけん) 三国志三国志演義 の建国者
徒然亭草原 原田優夫(はらだまさお) 本名 師匠の名と本名から一字ずつ拝借
万葉亭柳宝 劉邦(りゅうほう) 史記漢書 前漢の建国者
鞍馬太郎 鞍馬天狗(くらまてんぐ) 落語「天狗裁き」など 鞍馬山に棲む天狗・「天狗芸能」からの発想
熊五郎 熊五郎(くまごろう) 落語「崇徳院」など 多くの落語に頻出する庶民の名
お咲(おさき)さん 上方落語全般 長屋に住むしっかり者の奥さん
磯七 磯七(いそしち) 落語「鯉船」など 幇間の役目もする通いの髪結・床屋
菊江 菊江(きくえ) 落語「菊江の仏壇 芸妓の名 (仏壇屋ではない)


登場する落語家の屋号 (亭号) は、日本古典文学の作品から命名されている。

落語家一門 古典文学
徒然亭 徒然草
万葉亭 万葉集
土佐屋 土佐日記


ドラマで登場する店の名にも、落語の演題や落語に登場する言葉が用いられている。

店の名前 出典 備考
居酒屋「寝床」 落語「寝床 ドラマの演出と状況が符合する落語の演目」参照
理容店「磯村屋」 落語「鯉船」など 落語では「町中の幇間」としての屋号
中国料理店「延陽伯」 落語「延陽伯 ドラマの演出と状況が符合する落語の演目」参照

劇中登場する落語の演目

(*)がついているものは劇中、出演者によって再現シーンが演じられた噺。

愛宕山(*)

草若や和田家のテーマと言うべき噺で第1週、第7週、第8週のテーマにもなった。

元々は草若の十八番だった。昭和43年10月6日、草若は小浜市民会館で独演会を開き、そこでも「愛宕山」を演じた。その日は正典が正太郎に、高校を卒業したら塗箸職人になると告げた日で、その日を記念して正典と正太郎は草若の独演会を聞きにいった。独演会終了後、正太郎は受付の係員に独演会を録音したテープをもらえないかと頼んでいた。そこへ草若が通りかかり、正太郎と出会った。正太郎は、今日は息子が塗箸職人を継ぐと言った日で、その日の記念にテープをもらいたかったといい、息子が自分の家業を継ぐと言ったという喜びを語った。草若は録音テープを渡すことを快諾し、以後、正太郎はテープを大切に保存していた。

月日が流れ、一度修行をやめた正典が正太郎のもとに帰ってきたが、過去の経緯から正太郎は正典を許すことができなかった。しかし、正太郎は正典が塗箸を継ぐために帰ってきてくれた事が本当は嬉しかった。それで正太郎は正典が帰ってくる事になってから再びこのテープを聞く事で笑い方を思い出そうとしたのだった。

幼い喜代美は正太郎がこのテープを聞くのを見て落語に出会った。悲しい事があっても、この落語を聞くと不思議と元気になって笑う事が出来た。

正太郎が危篤の時、喜代美は正太郎を元気付けようと、正太郎がいつも聞いていたテープを病院で流そうとし、これに同意した小梅がテープを流した。これにこたえる形で正太郎は意識を取り戻し、喜代美と正典に遺言を残して死去した。正太郎の死後、落ち込んだ喜代美は泣きながら思い出のテープを聞き続け、ついにはテープがラジカセに絡まって切れてしまい、喜代美も精根尽き果てて倒れてしまった。

テープを見て正太郎の思いを知った正典は、父の死で一度は諦めた塗箸職人への道を再度志し、秀臣に従業員として雇われて塗箸作りの教えを受ける事になった。

ある夜、喜代美はこっそりと家を抜け出した。慌てて捜しに来た糸子に、喜代美は梅丈岳でかわらけ投げをしたいと懇願する。その足で梅丈岳に登った二人は朝陽の上る中、一緒にかわらけ投げを行なった。糸子が喜代美が元気になるように願ってかわらけを投げ、うっかり財布も投げてしまい、財布を取ろうと柵を乗り越えようとするのを見て、喜代美は落語に出てくる太鼓持ちの一八みたいだと笑い、元気を取り戻した。

月日は流れ、大阪に出てきた喜代美は草若がこの一節を唱えているのを聞き、草若と出会う。喜代美は草若の言葉に懐かしさを感じていた。

そして喜代美が草若と出会ってから約半年後、手先の器用な正平が切れたテープを直した。小浜でテープを聞いた草々は落涙し、草若を高座に戻したいという気持ちを強くした。

草々と喜代美の尽力により、草若の弟子だった草原と四草が草若の元へ戻り、久しぶりに落語会を開くことになり、草々は「寿限無」とトリの「愛宕山」を演じることになった。草若の十八番ということで草々は草若に稽古を願い出た。一瞬、草若の手の動きが止まったが、草若の返事は草原に稽古をつけてもらえというそっけないものだった。草々は草原の指導で熱心に稽古を続けていたが、その様子を草若はこっそり聞いていた。

草若への憎悪から当初は落語会の開催を妨害していた小草若だったが、偶然正太郎がいつも聞いていた「愛宕山」のテープを聞き、さらに菊江から草若が3年前に高座をすっぽかした真の原因を聞き、落語会への参加を決意。草原によって草々ではなく小草若がトリで「愛宕山」を演じることに決まった。

そして1992年12月14日の落語会の日。高座は順調に進み、小草若の番になった。小草若はまくらに徒然亭一門の高座名の由来を話し、高座は順調に進むかと思われたが、小草若の高座名を付けてくれた父親の気持ちに改めて感動し、突如泣きながら「寿限無」を演じてしまう。既に草々が演じていた噺を聞かされて柳眉と尊建は呆れ、泣き崩れる小草若の気持ちが分からない観客達は呆気にとられ、場の空気は冷めてしまった。このため、当初シークレットゲストとされていた熊五郎は出演を拒否。四草と草原は草々に「愛宕山」を演じるように頼み込んだが、草々は心の準備ができていなかったため、躊躇した。草々を出すために草原が出囃子を演奏したそのとき、突然、草若が観客席から立ち上がり、3年ぶりに高座に上がり、「愛宕山」を演じた。和田家一同は正太郎がいつも聞いていたテープの噺だということに気がつき、感動。草々達も3年ぶりの草若の高座に感動。草若の腕は衰えておらず、観客を沸かせ、久しぶりの徒然亭一門会は大盛況のうちに終わった。これがきっかけで草若は落語家への復帰を決意。さらに喜代美も落語家になることを決意する。

喜代美が落語家になると聞いた正典は激怒し、糸子を喜代美の説得のために残して帰った。糸子は喜代美の決意の固さを確かめるため、3分間大根をおろしてできあがった大根おろしの量で勝負しようと言い、喜代美と糸子は大根おろし勝負を開始した。勝負は主婦歴の長い糸子有利に進んだが、喜代美は以前草原から購入したハンドミキサーを使用し、勝利。喜代美は草若に弟子入りを願い出たが、3年のブランクのために自分の芸に自信を持てなかった草若は弟子入りを断った。喜代美の様子を見ていた草原は、一生懸命にまじめに努力しながらも笑いを誘ってしまう一八を思い出していた。

一度はくじけそうになった喜代美だったが、順子の助言と清海がテレビに出ている姿を見てやる気を出し、いつもお守り代わりに持っていた正太郎のテープを取り出して、再度草若に弟子入りを申し込んだ。だがまた草若に弟子入りを断られてしまった。

奈津子の助言もあって視野を広げるべく喜代美は独学で落語を勉強した。だが勉強するにつれ、草若に弟子入りしたいという思いは強くなっていった。そんなある日、小草若から喜代美が落語家になるつもりだと聞いた友春が喜代美のもとを訪れた。友春は自分のそばで塗箸工場を手伝って欲しいとプロポーズしたが、既に落語と言う自分の進むべき道を見つけ出していた喜代美はプロポーズを断った。それを聞いた友春は喜代美を諦め、正典にもそのことを告げ、自分も進むべき道をみつけなくてはならないと言った。わきで聞いていた小梅は正太郎の遺言を引用して、喜代美が落語家になろうと思ったのは亡き正太郎が導いたのではないかと言った。それを聞いた正典は喜代美が落語家になるのを許す決意を固めた。

その頃、喜代美は無理がたたって風邪をひき、「愛宕山」のテープを聞いて勉強している最中に熱で倒れてしまった。異状に気づいた草々が喜代美の部屋のドアを叩いているところに正典がやってきた。正典は部屋の中に入り、喜代美が昏倒しているのをみつけた。喜代美を母屋に寝かせつけた後、正典は喜代美が握り締めていたテープを草若に見せ、そのテープの由来を話した。草若は塗箸職人に頼まれてテープを渡した事を鮮明に覚えており、喜代美がその塗箸職人の孫だと知って驚いた。正典は、あの日落語会を聞きに行かなければ自分が塗箸修行を再開する事も喜代美が落語に出会うこともなかった、亡き正太郎が自分や喜代美を導いてくれたのではないかと言い、草若に喜代美の弟子入りを許すように願い出た。この言葉に心を動かされた草若は喜代美の弟子入りを許すことを決意。まだ眠っている喜代美のそばでテープを流し、さらに自身も「愛宕山」を演じて喜代美に対して「やってみい。」と言った。こうして喜代美は草若の弟子になった。正典は草若達に口止めして小浜に戻っていった。

再現シーンでは糸子が幇間の一八、正典が旦那、小次郎と少女時代の喜代美が芸者に扮した。

くしゃみをしながら愚痴を言う喜代美を見た草若は、喜代美の様子がこの噺に登場する講釈師に似ていると話した。

草若の家の離れに喜代美が住むことになり、草々が「宿替え」を稽古している最中、壁にほうきをかけるために糸子が大きな釘を壁に打ち付けているのを見て、草々が「宿替え」に似ていると話した。なお、釘は「宿替え」同様隣りの草々の部屋にまでつきぬけてしまい、草々が釘を抜くと壁に大きな穴が開いてしまった。そのため喜代美の部屋にカレンダーをかけて穴を隠している。

第4週のテーマとなった噺。

草若が一門会の高座に穴を開けた三年前、草々が代わりにトリを務めた際に「辻占茶屋」を演じたが、まだ稽古途中であった事と師匠不在の穴埋めをしようと必死であった事が裏目に出て、しどろもどろになる失態を犯した。以来、傷心の草々は高座に上がっていなかった。

柳眉演じる辻占茶屋を見た草々は、喜代美の励ましもあり、三年ぶりに高座に上がって「辻占茶屋」に再挑戦する事になり、学園祭準備で三味線をかじった喜代美が下座を担当することになった。しかし喜代美の腕ではまともな下座がつとまるはずもなく、当日は「ゆかりの月」だけを弾いて他は唄のみの掛け合いでごまかすことになった。

こうして始まった高座だったが、草々の演技は高座を斡旋した磯七の目から見ても硬かった。さらに喜代美が緊張のあまりに「ゆかりの月」ではなく出囃子に使った「ふるさと」を再び弾いてしまうアクシデントが発生。だがこれが幸いし、草々はアドリブを交えてこのアクシデントを乗り越え、そのうちに硬さもとれ、盛況のうちに高座は無事終了。磯七やこっそり隣の部屋で聞いていた草若を安心させた。終了後、草々は喜代美が失敗したことを怒らず、喜代美が「ふるさと」を最後まで弾けたことを褒め、喜代美に感謝。喜代美は草々に恋してしまったことを辻占(熊五郎が「鯉」の話をするのが聞こえた)により自覚。草々にオムライスをご馳走になった後、恋の行方を辻占で占おうとしたその時、目の前に清海が現われ「ビーコ」と呼ばれてしまい、さらに草々が清海と出会ってしまった。

再現シーンでは小次郎が鍛冶屋の源太、糸子が梅乃、正典が源太に入れ知恵する男に扮した。なお、喜代美が本来歌うはずだった「ゆかりの月」に登場する「源太さん」とは、歌舞伎「夕霧名残の正月」などに登場する梶原源太景季のことである。

第5週のテーマとなった噺。喜代美、草々、そして清海を巡る恋模様を表すために用いられた。

草々が草若に入門したばかりの頃、まだ15歳くらいだった草々はこの噺を聞き、「次の御用日」に出てくる「とおやん」(=大阪・船場言葉で「お嬢さん」)はかわいそうだと言って涙ぐんだ。それ以来、草々にとって女の子はかよわく守ってあげなければならない存在になってしまった。

清海と出会ったことを話す草々の話を聞き、喜代美が草々に惚れていると見抜いていた草若はライバル登場だなと喜代美に言いながら草々の初恋としてこの話をし、草々の女性の好みを話した。草若の予想通り、草々は清海を好きになってしまうが、清海は草々に興味を持っていないことが判明。失恋のショックで草々は高座に上がれなくなってしまう状態が続いた。

それから半年後、失恋の痛手から脱した草々は老人ホームで行なわれる落語会に出演することになり、喜代美を前に「次の御用日」を練習した。だが草若の話を思い出した喜代美は草々がまだ清海を思い続けていることを悟り、「聞いとられません」と言って中座。ショックのあまり正太郎の命日が近かったこともあって小浜に帰ってしまった。ところが、草々は自分の落語の腕が悪くなったために喜代美が聞くのをやめてしまったと勘違いし草若に相談。あまりの鈍さに草若をあきれさせた。

その後、草々は「次の御用日」を毎日練習。小浜を訪れた際にかつて正太郎が工房にしていた部屋で半ば強引に喜代美に対して「次の御用日」を聞かせた。草々の声は居間にいた和田家の面々にも聞こえ、いつの間にか皆草々の前に集結。喜代美が思わず笑っていたのを見てあれだけいがみ合っていた和田家の面々も皆笑い、終わった時には拍手が沸き起こった。くしくも正太郎の祥月命日の日でもあり、落語好きだった正太郎の遺影の前での良い供養になった。これを見て喜代美は、一生懸命まじめに落語に取り組む草々が好きだということを再認識した。

再現シーンはなかったものの、草々が「とおやん」とダブらせて一目惚れをした清海が、大学のサークルの先輩である「藤吉」(ふじよし) という男に付きまとわれるシーンがある。この男の名は、落語に出てくる「天王寺屋藤吉」(とうきち) をヒントにしていると思われる。

小草若が唯一できる噺。小草若と草々が入門して最初に覚えた噺である。

生活が困窮していたために些細なことで家族がいがみあうのを目の当たりにした喜代美が、家族を和ませようと、テレビのロケの仕事で小浜に来ていた小草若を和田家に呼び寄せ落語を演じてもらった時も小草若は「寿限無」を演じた。小草若の演技は寿限無の長い名前をただ述べるだけの独善的な芸で面白くなかったため、糸子を除いて皆白け、挙句の果てには寿限無の長い名前を唱えて得意気にしている小草若を見て小次郎が、子供の頃に正典が円周率を100桁暗唱できると自慢していたことを思い出して正典と喧嘩を始めてしまい、喜代美の目論見は失敗に終わってしまった。ちなみに小次郎も円周率を15桁までなら暗唱できる。また糸子は本気で小草若の「寿限無」を面白いと思っており、徒然亭一門が再結集して行なわれた落語会の直前に大阪に出て来た時もそう語っている。

後に徒然亭一門が再結集して行なわれた第1回目の落語会で一席目に草々が「寿限無」を演じた。小草若はトリで「愛宕山」を演じる予定だったが、「愛宕山」の項目で述べたとおり、父草若への思いから感極まり、泣きながら「寿限無」を演じてしまい、客をひかせてしまった。だが小草若の思いは父草若に伝わり、草若が落語家復帰を決意する一因になった。

崇徳院(*)

第6週のテーマとなった噺。草々の台詞にもある通り、崇徳院が詠んだ歌が草若の弟子達の心情を表すキーポイントとなっている。

小浜から戻ってきた草々は「崇徳院」を練習。隣の部屋で聞いていた喜代美は奈津子に「崇徳院」の話をする。その話を聞いた奈津子は喜代美が落語が好きになったことを指摘し、落語会の開催を喜代美に勧める。喜代美は磯七に相談するが、磯七は草々一人では落語会は開けないことを指摘し、さらに草若には草々と小草若の他に二人弟子がいたことを話した。この話を聞いた喜代美はしばらくして草若の弟子を集めて落語会を開くことを決意する。だが小草若は草若への憎悪からこれを拒否。残りの草原と四草も落語家に戻ることを拒否。その直後、草若に稽古をつけてもらうことを拒否され、きついことを言われた草々は草若の元を飛び出してしまった。

草々は草原の家に転がり込み、「崇徳院」の稽古をつけてくれと頼んだ。はじめは拒否した草原だったが、草々の稽古を見ているうちに、また草々に請われた事もあってつい「崇徳院」の話をしてしまう。草々は草原に対し、崇徳院が詠んだ歌『瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ』の部分に気持ちをこめて言える様になったといい、三年間別れ別れになったけれどもいつか草若や草原達と落語をやりたいという自分の気持ちと重なると述べた。落語の話をしてしまったことに愕然とした草原は、息子の颯太に請われて「崇徳院」を披露した草々に対し、落語を思い出したくないという理由で落語をやめさせてしまった。直後に草原は妻の緑から思い出したくないのは落語ではなくて落語をすると楽しいということではないかと言われ、落語に対する未練があることを指摘される。

次に草々は四草の元に転がり込んだ。四草は草若から「崇徳院」の稽古をつけられたことがあったからだ。だが四草は稽古をつけようとはしなかった。さらに「時うどん」の項目で述べる出来事もあって草々は四草の元を去ってしまった。

一方、喜代美は草原から草々が草原の家にいたことを聞き、さらに草々が草原の家から去ったと知って四草が働いている店に行った。そこであくまでも草若にこだわる草々の覚悟のほどを知らされた後、草原の元を訪れ、草原が18年間も落語を続けていたことを挙げて草原が落語好きであることを指摘。緑からも、落語家に復帰して草々を助けるよう勧められる。ついには颯太が草々の稽古を聞いて覚えた「崇徳院」の一節(『瀬を早み~』の部分)を唱えた。これを聞いた草原は自分と落語との因縁を悟り、落語家復帰を決意した。

その翌日。草原と喜代美は四草の元を訪れ、四草を説得。四草は草若に対する恨み言を述べて断ろうとしたが、突然、ペットの九官鳥の平兵衛が「崇徳院」の一節(これまた『瀬を早み~』の部分)を唱え始めた。四草は秘かに「崇徳院」を稽古しており、それを聞いていた平兵衛が覚えてしまったのだ。そして四草が稽古を続けたのは、「崇徳院」の主人公に四草が似ているという理由で「崇徳院」の稽古をつけてくれた草若を忘れることができなかったからだった。これに後押しされ、四草も落語家復帰を決意した。

久しぶりに集まった草原達は落語会を企画。会場が寝床に決まり、草若の芸を継ぐという決意表明ということから草原の鶴の一声で四草が「崇徳院」を演じることになった。四草が演じた「崇徳院」を聞き、草若は四草がやっと「崇徳院」をやる気になったと感慨深げだった。

そして喜代美が草若に弟子入りを申し出て断られた直後、四草は「崇徳院」の稽古をしたが、稽古の途中で草若は扇子を落とすほど眠り込んでしまい、脇で見ていた喜代美を困惑させた。

再現シーンでは若旦那の作治郎に草々、作治郎がひとめぼれしたお嬢さんに清海、熊はんに喜代美が扮し、はからずも三人の恋模様を表現した形となった。

四草がこだわる落語の噺。狡猾で頭が回り、人を騙しては金を巻き上げる平兵衛という男が主役。四草は草若が演じる「算段の平兵衛」に感動し、平兵衛のような男になりたいと考えて入門を決意した。四草はしばらく草若につきまとっていたが、ある時、草若は高座で「算段の平兵衛」をかけた。その後、草若は四草に対して「(稽古をつけてやったので)やってみい。」と言った。この言葉が入門許可の意思表示だった。以後、四草は「算段の平兵衛」にこだわったが、草若は「算段の平兵衛」の稽古をつけようとはしなかった。

そして、喜代美が弟子入りを断られた(二度目)後、草若は3年間高座から離れていたブランクを感じているので弟子をとるのは難しいだろうと草々が喜代美に話した直後、四草が草原を相手に「算段の平兵衛」を稽古している場面が流れた。3年のブランクのため、四草も草原も「算段の平兵衛」の一部を忘れてしまっていた。

その後も四草は独学で「算段の平兵衛」を稽古した。その思いが抑えられなくなり、ある時、四草は草若に「算段の平兵衛」をかけさせてくれと頼み、稽古を願い出た。だが草若はそれを許さず、兄弟子として喜代美の面倒を見ろと告げた。四草はそのことに不満を抱き、喜代美の稽古の相手を真面目につとめようとはしなかった。そしてついに四草は「寝床寄席」で「算段の平兵衛」を勝手にかけてしまった。ところが全く受けず、四草は脂汗を浮かべた。「寝床寄席」終了後、草若は四草を叱った。テープで聞いたり、ビデオで見ても、落語の肚、つまり、どんな間でどんな顔をすれば客が笑うのかとかがわからない。稽古というのはそういうことを教わるものだ。それを聞いた四草は態度を改め、喜代美の面倒を熱心に見るようになった。なお、小説版ではそれから半年後に四草が「算段の平兵衛」を正式に教わることが語られている。

再現シーンでは小次郎が平兵衛を演じた。

四草によって天狗座へ出前に行かせられた草々が尊建の高座を見た時に尊建がかけていた噺。かつて尊建は柳眉の演じた「辻占茶屋」を見て草々(と喜代美)に対して、こんなマニアックな噺ではなく、自分ならもっと有名な噺で客に落語のすごさを分からせてやると豪語していた。その時に挙げていたのがこの噺だった。豪語したとおりに客を沸かせる尊建を見て草々はショックを受ける。実は四草が草々を天狗座へ行かせたのは、草々が草若にこだわってくすぶっている間に実力をつけたかつてのライバル尊建の姿を見せ、草々に「崇徳院」の稽古を諦めさせようと考えたからであった。ちなみに、尊建役の波岡一喜は、「時うどん」のけいこに100時間以上費やしたと自身のブログで述べている。

三年ぶりに草若の元に戻る決心をしたものの、敷居が高かったために三年前は開業していなかった寝床に入り、そこで酒に酔った草原が披露した噺。これを聞いた磯七は懐かしがったが、例によって草原は噛んでしまい、噛むのも懐かしい、とさらに懐かしがった。

喜代美が弟子入りを申し出て断られた直後に草原が稽古していた噺。草若は草原の落語を聞きながらいきなり横になってしまい、脇で見ていた喜代美を困惑させた。

草若に弟子入りを断られた喜代美が奈津子のアドバイスで視野を広げようと、天狗座へ出前に行った時に鏡小助(演じていたのは林家染雀)という落語家がかけていた噺。喜代美は奈津子からもらった落語事典も使って独学で落語を勉強したが、勉強するにつれて草若に弟子入りしたいという気持ちが強くなっていった。

後に正典の口ぞえで入門を許された喜代美が1992年の年の瀬に草々と一緒に銭湯に行った時、師走を扱った噺として草々が喜代美にこの噺の冒頭部分を聞かせた。

居酒屋「寝床」を訪れた清海に対し、「喜六と清八が登場する落語」の一例として草々が挙げ、草原が冒頭の一節をしゃべった。なお、これ以外にも喜六と清八の登場する噺として、草原が「時うどん」四草が「船弁慶」の例を挙げている。

その後、落語の稽古を喜代美が始めるのを見た草原達4人は四草の発案で喜代美が初めて教わる噺が何になるかを賭けた。小草若は「寿限無」がいいと言って、あれこれと妄想。草原は自分も最初に教わったこの噺を挙げ、「東の旅発端」の一節を唱え始めたが、途中で草々は草原を無視して「時うどん」ではないかと言い始めた。最終的に草々は「つる」ではないかと言い、四草は胴元なので「それ以外」に決め、皆に突っ込まれた。そして喜代美が最初に教わる噺が発表されたが、それは草原達にとって意外なものだった。なお、3人が挙げたこれらの噺は、実際に上方落語の代表的な前座噺である。

「東の旅」とは、喜六と清八の二人が大坂を出て、暗越奈良街道伊賀街道経由で伊勢神宮に参詣し、東海道三十石船で大坂に戻る長編の上方落語で、現在では約10席の独立した噺として高座にかけられている(これ以外に、今では話し手のいなくなった噺も多数ある)。「発端」は文字通りその第1章にあたる。

喜代美が初めて草若から教わった噺で第9週後半と第10週のテーマにもなり、ドラマのタイトルにもなっている。

初心者が演じるのは難しいとされる「ちりとてちん」を喜代美に教えると知った草原達は驚いた。草原達は草若にその理由を尋ねたが、草若はその真の理由を答えず、「喜六の『ちりとてちん』が聞きたいんや。」と言って煙に巻いた。草若は手本として草原に「ちりとてちん」を演じさせ、その後で稽古をつけたが、喜代美は「上下(かみしも)を切る」ことなどができなかったために先に進まず、初日は喜ぃさんが酒も飲めずに終わった。

こうして「ちりとてちん」の稽古が続いたが不器用な喜代美はへこんでしまった。そこへ小梅が尋ねてきた。小梅はスペインへ移住することにしたので、そのことを喜代美に告げに来たのだ。喜代美は小梅の頼みで今取り組んでいる噺の「ちりとてちん」を演じて見せたが、やはりうまく行かなかった。喜代美は内弟子修行や「ちりとてちん」の稽古がうまく行かない悩みを小梅に打ち明け、自分は落語家に向いていないのだろうかと言った。それに対して小梅は自分がスペインへ移住することにした理由を告げ、喜代美を励ました。小梅がスペイン移住を決意したのは喜代美を見ているうちに残りの人生を「ぎょうさん笑うて生きていく」ためには苦手なことも乗り越えなければならないことに気がついたからだった。小梅は草若に喜代美が高座に上がった時の衣装にと自分が若い頃に使っていた着物を託し、小浜に帰っていった。

それからしばらく経った頃、草若の鶴の一声で喜代美が寝床寄席に出ることが決まった。高座名も徒然亭若狭に決まり、寝床寄席の当日を迎えた。順子が焼き鯖を、清海が花を送り、さらに草若が志保の形見のかんざしをさすように言い、草原達4人の弟子がかんざしを喜代美にさしてやるなどした。だが喜代美はこれらのことにより、プレッシャーを感じて緊張してしまった。喜代美を心配して見に来た糸子への反発から何とか高座に上がったものの、喜代美は頭の中が真っ白になり、名前を言うところで芸名ではなく本名を言ってしまったり、上下(かみしも)が入れ替わったり、台詞は途切れ途切れとなるなど、散々な状態だった。挙句の果てには落ちの「豆腐の腐った奴や」を竹に食わせる前に言ってしまうという失態を演じてしまう。これを聞いた磯七は思わず「それ言うてしもたらあかんわ」とつぶやいてしまった。その言葉通り、喜代美はこの事態を乗り切ることができず、強引に噺を終わらせて高座から逃げるように降りてしまった。草若の家で喜代美は見に来ていた糸子に八つ当たりし、糸子の胸で泣いた。なんだかんだいいながらも喜代美は糸子に甘えたのだ。これを草若は目撃していたが、その場では注意できず、立ち去ってしまった。打ち上げ終了後、草若は喜代美に対し、内弟子修行中に母親に甘えた事を注意した。布団の中で喜代美はその日の高座を思い出して号泣。草々は声をかけることができず、そっとしておくことにした。

四草の発案で初高座の失敗で悩む喜代美を誰が立ちなおさせるか、賭けが行なわれた。小草若、草原、四草は喜代美を励ますことに失敗。草々の番になった。なんと草々は高座がうまく行かなかったのは、それが実力だからだ、と単刀直入に言ってしまった。そんな草々を小草若を非難したが、草々は意に介さなかった。一方、草若は菊江に対し、おかみさんの志保が今はいないために精神面をサポートする事ができないと悩む胸中を吐露していた。戻ってきた草若は喜代美が茶碗蒸しを作っているのを見かけた。そこへ草々がやってきて、喜代美に何をしているのかを尋ねた。喜代美は「ちりとてちん」の練習をするために茶碗蒸しを作っていたのだ。すると草々は鯛の刺身と鰻の丼もいるなと言い、喜代美がお金がないからそんなに作れないと言うと、草々は茶碗蒸し作りを手伝い、さらに「丼蒸し」を作ろうとした。いつしか、喜代美の顔からは笑みがこぼれていた。これを見ていた草若は喜代美を立ち直らせる薬になるのが草々だということをあらためて知った。

実地に学んだかいがあり、喜代美は茶碗蒸しを食べる部分だけを草若にほめられた。草若の配慮で喜代美はしばらく高座には出ず、自分の納得がいく状態になったら高座に出ることになった。だが「影清」で述べた出来事があって清海が草々に好意を持つようになってしまった。草原とざるうどんをかけていた四草は、高座で受けを取れば草々も喜代美を見直す、と喜代美をそそのかし、喜代美に高座に出ることを決意させた。ところが草々は尊徳演じる「景清」を見に行くために次の寝床寄席を休演することになってしまった。喜代美は草々の前で「ちりとてちん」を演じて見せたが、竹が「ちりとてちん」を食べる場面が面白くない、と駄目だしされてしまった。なんと草々は腐った豆腐を食べてみたことがあるという。喜代美は「寝床」で冷奴を食べながら腐った豆腐を食べる場面の練習をし、咲に営業妨害になると注意された。それを見ていた奈津子は自分が「へしこ丁稚羊羹」を食べた事を思い出し、それがきっかけで喜代美は「寝床」の客に糸子が「へしこ丁稚羊羹」を作った事などを話した。これを聞いた客は皆大笑い。磯七は「ちりとてちん」を地でいくような話だと言った。喜代美は自分の噺ではなく糸子の話が笑いをとるのを見て少し落ち込んでしまった。そんな喜代美に草若は、今の喜代美の「ちりとてちん」は受けないが「ちりとてちん」は喜代美に向いた噺だといい、喜代美を困惑させるのだった。

そして寝床寄席当日。折りしも、喜代美の落語家としての成功を願う、糸子の「地蔵お百度参り」の満願日。草々は喜代美に対して、自分が高座を聞けない侘びを言い、さらに1回目よりも2回目の方がうまくなっているはずだと励ました。高座に上がった喜代美は当初、緊張で硬かったが、地蔵の神通力の介入をも窺わせるカットバックと共に雷鳴がとどろき、何かに取り付かれたように突然淀みなく枕を述べ始める。それは、先日話題となった、糸子のへしこ丁稚羊羹創作の顛末だった。客はおろか、楽屋の草原達も爆笑。引き続いて喜代美は最後まで「ちりとてちん」を淀みなく演じきり、高座は盛況のうち終了。寝床寄席終了後、草若は枕をほめたものの、本題の「ちりとてちん」については、ただなぞっているだけだと手厳しかった。続けて草若はこう言った。「ちりとてちん」に出てくる人物はみな小さい、せこい、しょうもない人間だ。落語に出てくる人間は皆そうだ。おかしな人間が一生懸命生きている。喜代美と同じだ。これはかつて正太郎がいつも喜代美に言っていたことと同じ言葉で喜代美は心を打たれた。草若は喜代美のそういうところを大事にするように言い、いつか落語に活かされると言った。草若は喜代美にそのことを教えるために「ちりとてちん」を教えたのだった。

再現シーンでは竹をはめる旦さんに小次郎、喜ぃさんに劇中で喜六とも呼ばれている喜代美、知ったかぶりの竹にこれまた知ったかぶりの竹谷が扮した。

景清(*)

喜代美が「ちりとてちん」を教わっていた頃に草々が取り組んでいた噺。第10週では、「ちりとてちん」と併せて、直接的に、また、喜代美が立派な落語家になって欲しいと願う糸子の「地蔵お百度参り」など、間接的にもテーマとしてその場面が多く取り入れられている。

ある時、喜代美の前で草々が草若に対してこの噺を演じてみせたが、草若は「お前の定次郎は最初から目が開いている。」と酷評し、模範演技を見せた。その直後の1993年6月1日に寝床寄席が開かれ、草々はこの噺をかけた。寝床寄席には喜代美目当てに清海が来ており、草々演じる「景清」を聞いた清海は草々が落語をする姿を見て感動し、くしくも喜代美とほぼ同じ理由で草々の事を好きになってしまった。寝床寄席終了後、草々は清海を家まで送り、ついにはいつかまた落語会に誘う約束を清海としてしまう。草々は清海を落語会に誘ってデートを繰り返し、さらには1993年8月2日の寝床寄席を欠席して清海を誘って尊徳演じる「景清」を聞きに行ってしまう。尊徳演じる「景清」を聞いた草々はショックを受けるが、清海は草々の「景清」も良かったと慰めた。その直後、草々が電話するため中座している間に尊建が現われ、清海をナンパ。それがきっかけで草々と尊建は言い争いを始めてしまい、一門をけなされた草々は尊建を殴ってしまった。そして雨の中、草々は清海を連れて尊建の弟弟子達から逃げ回り、木の下に隠れていた。そして…

再現シーンでは定次郎に草々、甚兵衛に磯七、定次郎の母に菊江が扮し、定次郎に景清の目を貸し与える観音様の声を糸子(ノンクレジット)が演じた。

天災(*)

喜代美が2番目に覚えた噺で第11週のテーマとなった噺。喜代美と清海の関係のモチーフとなった噺であり、この噺をモチーフとした台詞は第1週から登場し、第11週の伏線となっている。

小学生の時、順子が喜代美に「あんたが和田喜代美なんも、この町に住むことになったんも、おんなじクラスに和田清海がおんなるんも、全部、隕石とおんなじや。天から降った災い、天災や。そう思うて諦めなはれ。」と言って忠告した。

月日が流れ、1993年の夏、大人になった順子は友春とともに喜代美の落語を聞きに大阪まで出てきたが、友春の車がガス欠でエンコし、到着が夜中になってしまった。そのため喜代美の高座には間に合わず、清美の部屋へ行った。一方、雨の中逃げ回った清海と草々は清海の部屋にいた。草々が服を乾かすために上半身裸になっているところに、順子と友春がやってきた。草々は上着を置いて帰ってしまい、清海と話した順子は清海が鈍感なことを知った。翌日、順子は内弟子修行中の喜代美のもとを訪れ、清海のことを「何があっても天災、天から降った災いや思て、乗り越えや。」と忠告し、小浜へ帰った。

草々と清海の仲は深まり、喜代美の悩む日が続いた。そんな喜代美を草若は「草々はもうプロポーズしたみたいやで。」と言ってからかい、喜代美が動揺する姿を見て楽しんだ後、「天災」の稽古をつけることにしたと喜代美に告げた。草若の落語を聞いた喜代美は順子の言葉(小学生の時のものと大人になってからのものの両方)を思い出し、さらに清海の存在が天災にあたるものだと考えた。こうして喜代美は「天災」の稽古を続けたが、草々と清海が仲良くつきあう姿を目撃して思い悩む日々が続いたため、稽古に身が入らず、噺を覚えることにも支障が出ていた。

ある日、喜代美は四草を相手に稽古していたが、「算段の平兵衛」の稽古をつけてもらえない四草は不満を抱いていてやる気がなく、喜代美の前で寝ころぶ始末。草原がそのことを注意すると四草は出て行ってしまった。しかたなく草原は筆頭弟子の責任から自分の稽古を後回しにして喜代美の相手をした。喜代美に面倒見がいいと言われた草原は「天から授かった才能。これがほんまの『天才』や。」と言うのであった。

その直後、喜代美は奈津子から正典が秀臣から合併話を持ちかけられている話を聞いた。喜代美も奈津子も親子二代にわたるこの騒動に因縁を感じるのであった。

そして清海は東京のテレビ局からニュースキャスターとしてスカウトされた。悩む清海に対し、喜代美は草々と別れてほしい一心で東京行きを勧めてしまう。喜代美はそんなことを言ってしまう自分が嫌になった。喜代美は草々にも遠距離恋愛でも良いではないかと言って清海の東京行きを許すように言ったが、家族のいない草々にはこの言葉は逆効果だった。「天災」の稽古を自室で続けていた喜代美は、となりの草々の部屋で草々が清海に東京行きをやめるように頼み、清海が草々の頼みに対してうんと言わなかった様子を聞き、安心した。だが、そう考えてしまった自分がさらに嫌になってしまった。そんな日々が続いたため、喜代美は稽古に身が入らず、草原の前で稽古した時、噺の続きが出てこず、落ちまで忘れてしまった。草原は怒り、そんないい加減な態度で落語をしている奴に高座を邪魔されたくない、という理由で次の「寝床寄席」には出るなと告げられてしまった。ついに喜代美はあることを決意した。

喜代美は草若に、清海との子供のころからのいきさつ、清海に嫉妬する自分に自己嫌悪していることを話し、破門を願い出た。草若は軽々しく破門を口にした喜代美を一喝した後でこう言った。清海に対する嫉妬や自己嫌悪に悩むのも修行だ。その苦しみの先に見えてくるものがきっとある。そうしてだんだん人の気持ちがわかるようになり、やさしい気持ちも持てるようになる。そのことが落語に活かされるはずだと。そして草若は清海についてこう言った。空から降ってくる夕立とは違って清海は話ができる。自分と向き合った後は相手と向き合うことが大切だと。

喜代美は草若の許しを得て「寝床寄席」を休み、清海の部屋を訪れた。喜代美は清海に対して今まで思っていたことをすべて話した。それを聞いた清海はショックを受けた。そして喜代美は清海に対して東京行きを断るように頼んだ。喜代美はこう言った。草々の前で胸張って生きられないような人間にはなりたくない。今は悔しいが、時間がかかっても「草々にいさん」が幸せでよかったと心から思えるような人間になりたい。

一方、「寝床寄席」本番の直前、小草若は草々に、喜代美が草々に好意を持っていることを告げてしまった。それがきっかけとなって二人は殴り合いのケンカを始め、止めようとした草原は突き飛ばされてしまった。怒った草原は二人に、「寝床寄席」には出るなと言った。そのため、その日の「寝床寄席」は四草、草原、そして草若の3人でつとめることになってしまった。四草が「算段の平兵衛」を勝手にかけて失敗した後、草原は弟弟子が頼りにならないと憤慨しながら高座に上がった。草原は四草が会場を冷え切らせたことを逆用して笑いを取った。これを聞いた磯七は草原の成長を感じた。そして草原は「天災」をかけた。喜代美が戻って来た時は「寝床」の外にいた2,3人の客も含めた客全員が笑っている最中だった。草若は喜代美に対し、「おもろいもんやな。未熟な連中のおかげで成長する奴もおる。」と草原を褒める言葉を述べた後、喜代美に対しては末っ子なのだからもっと甘えてもいい、と言った。草原は一回もかまずに高座をつとめ、最後の落ちで噛んでしまったものの、それでも笑いが起き、高座は盛況のうちに終了。草若は草原に「今夜の風呂はようぬくもっているなあ。気ぃ抜いたらやけどしそうや。俺も気合い入れんとな。」と言って高座に上がった。喜代美に出会う時から5年前、草原は笑いも取れず、草若に「ぬるめの風呂、自分の体でぬくめんのも、気持ちのええもんや。」と慰められたことがあった。喜代美などの妹弟子や弟弟子の面倒を見てきたことにより、才能が花開いたことを草若が認めた瞬間でもあった。

しばらくして清海は東京行きを決意。喜代美に対してその理由を述べた。清海は一生懸命落語に取り組んでいる草々が今でも好きだ。だから自分も自分のやりたい事から逃げずに一生懸命取り組みたい。清海は草々に、喜代美が東京行きをやめるように言ったことを伝えていた。そして清海は自分も喜代美のことを羨ましいと思っていたことを告げた。その清海に喜代美は、清海がいなかったら自分が落語家になることはなかったと言い、二人は別れた。

不器用な草々は喜代美に対して「お前、俺のことが好きなんか?」とストレートな言い方で尋ねた。恋心を封印して落語の修業を続ける決意を固めた喜代美は「そんなわけないやないですか。」と言って否定。単純で鈍感な草々は喜代美の言葉を信じ、その時も喜代美の恋心には気づかずに終わってしまった。

再現シーンでは気の短い男に喜代美、心学者の紅羅坊奈丸(べにらぼう・なまる)に正典が扮した。この2人は第11週でそれぞれ「天災」と言うべき災難を抱えていた。

ドラマの演出と状況が符合する落語の演目

小学生の時に順子が喜代美に語った「あんたが和田喜代美なんも、この町に住むことになったんも、おんなじクラスに和田清海がおんなるんも、全部、隕石とおんなじや。天から降った災い、天災や。そう思うて諦めなはれ。」という言葉の出典。月日が経ち、1993年の夏、大人になった順子は友春とともに夜中に草々が清海の部屋にいるところにでくわし、さらに清海との会話から清海が鈍感なことを知った。翌日内弟子修行中の喜代美に対して順子は清海のことを「何があっても天災、天から降った災いや思て、乗り越えや。」とほぼ同じ言葉で忠告する。
正太郎の死を嘆き笑顔を失った喜代美を気遣い、糸子がかわらけ投げをしようと提案する。その際糸子はかわらけと財布を一緒に持っていたため財布を間違えて投げてしまう。糸子は取りに行こうとしたが喜代美が危ないと引き留めた。この様子を見て喜代美は「「愛宕山」の一八と同じだ」と笑顔を取り戻した。
糸子の創作料理「へしこ丁稚羊羹」は大失敗作。しかしこれに小次郎が目を付け、唐辛子などをかけてさらに味を酷くした物を「京都の土産」と偽り、京都通を自称する竹谷に食べさせようと画策する。ところが、知ったかぶりの竹谷がこれを食べようとした寸前、何も事情を知らない奈津子が先に食べて気分が悪くなってしまった。
カレーうどんの代金を請求に来た「寝床」の熊五郎を追い返そうと、草若は自ら死んだ振りをして喜代美に応対させる。真に受けた熊五郎が香典を包んで喜代美に渡したが、いくら何でもそれは受け取れないと喜代美は断る。押し問答を布団の中で聞いていた草若、たまらず顔に被せた白布を取って「もろときなはれ」。熊五郎は腰を抜かしてしまった。
草々が思い詰めた様子で橋の上から川を見ている。喜代美はその状況を遠くから見ていたら突然大きな水音がした。草々が川に飛び込んだと思いあわてて喜代美が駆けつけるが、実は草々が川に大きな石を投げ込んだだけだった。
喧嘩の仲裁が好きな魚屋食堂主人・幸助の前で、糸子が喜代美と結託してケンカを演じて焼きサバをせしめようと目論む。
落語に登場する新妻「延陽伯」は漢文調の言葉しかしゃべれない。四草がアルバイトしていた中華料理店「延陽伯」の店員は中国人ばかりで言葉が通じない。
フォークソングを愛する熊五郎。店で自分のコンサートを開こうとしたが、下手な歌を延々と聴かされるほうはたまらない。磯七は散髪屋同士の会合があるから、菊江は今朝から蝋燭の発注が殺到していて忙しい、と適当な理由をつけて、告知に来た喜代美に断りを入れる。本当の理由を悟った熊五郎夫婦はこれに激怒、店のメニューを法外な料金に値上げしてしまう (昼定食は28,000円)。客たちはその夜泣く泣く店に集まって、内緒で耳栓をしながら熊五郎に付き合ったのであった。
糸子が喜代美の落語の上達を願い、近所の地蔵に百日参りをした。満願の百日目がちょうど喜代美の二度目の高座の日であった。舞台に上がった喜代美は初高座の時と同じく緊張して固まってしまうが、ちょうどその時雷鳴が轟いて客席がざわめき、喜代美の緊張がとけて「ちりとてちん」の項目で述べた「へしこ丁稚羊羹」の話を枕にして波に乗り、最後まで高座をやり通すことが出来た。雷鳴の演出の時には、糸子が願をかけていた地蔵と、糸子が小浜で作っている最中のへしこの目が画面に映された。

寝床寄席 (草若一門会)

以下に徒然亭草若一門の勉強会である「寝床寄席」で高座に掛かった演目を、劇中のチラシに載っていた情報などから転記する。太字は高座でのシーンが実際に放映された演目である。なお、第1回目は正式には「寝床寄席」と銘打たれてはいないが、会場が同じで前身でもあることから、便宜上、「寝床寄席」として扱った。

回数 開催日 徒然亭若狭(喜代美) 徒然亭四草 徒然亭小草若 徒然亭草々 徒然亭草原 徒然亭草若
第1回[1] 1992/12/14 (未入門)[2] 崇徳院 寿限無[3] 寿限無[4] (不明) [5] 愛宕山[6]
第2回 1993/4/16 ちりとてちん 崇徳院 寿限無 宿替え 寝床 愛宕山
第3回 1993/6/1 (休演)[7] 延陽伯 寿限無 景清 鷺とり 千両みかん
第4回 1993/8/2 ちりとてちん 七度狐 寿限無 (休演)[8] 饅頭こわい 高津の富
第5回[9] 1993/9/20 (休演)[10] 算段の平兵衛[11] (休演)[12] (休演)[12] 天災[13] (不明)[14]

なお、宣伝チラシに記された問い合わせ先は「寝床エンターテインメント」。入場料は1,000円(学生800円)だった。

  1. ^ 高座の順は草々、四草、草原で中入りになり、小草若、草若。企画当初の予定は草々、四草、草原、草々。落語会の数日前に小草若がトリで参加する事になり、さらに当日草若が飛び入り参加。
  2. ^ めくり(お茶子)を担当。
  3. ^ 本来の予定はトリで「愛宕山」。
  4. ^ 放映されたのは枕のみ。
  5. ^ 「おとくやん」での実演販売の経験などを枕に使用した。
  6. ^ 飛び入り参加。本来の予定は熊五郎のフォークソング。
  7. ^ 草若に「もう一度人前で「ちりとてちん」をやる気になれるまで出なくていい」と言われたため。
  8. ^ 勉強のため、清海と尊徳の「景清」を聞きに行った。
  9. ^ 「ネタ見せナシ」としてかけられる噺はチラシには書かれていなかった。
  10. ^ 草々と清海の事が気になって稽古に身が入らず、草原に「次の寄席には出るな」と言われてしまう。草若に苦しい胸のうちを話し破門を願い出た喜代美は、草若の勧めで落語会の当日清海と話し合いに行った。草々のセリフによれば当初の予定は「天災」だったらしい。
  11. ^ 当初の予定は別の噺だったが、何度稽古をせがんでも断られまだ稽古をつけてもらった事のない「算段の平兵衛」を草若に断りもなく勝手にかけた。結果客には全く受けず、惨憺たる大失敗に終わった。
  12. ^ a b 落語会当日に喜代美のことが理由で殴り合いのケンカをしたため、草原によって外された。
  13. ^ 喜代美の予定が「天災」だったことから、当初の予定は別の噺だったと思われる。上がり症のため普段は高座に上がると噛んでしまう草原が、弟弟子達の失敗を取り返そうと意気込み、この日はサゲは噛んだものの全体的に非常に落ち着いて話し、客から爆笑を取った。
  14. ^ 放映されたのは枕のみ。

その他

徒然亭の紋 

徒然亭の紋はヒグラシだが、これにはさまざまな由来がある。NHKの公式サイトによれば以下の通り。以下、NHKの公式サイトから抜粋する。

  • その日暮らし
落語家は実力勝負の世界であり、若手の頃はなかなか仕事がないことが多い。そこから、その日暮らし=そのヒグラシ。
  • ヒグラシの一生
ヒグラシは生涯のほとんどを幼虫として土のなかで過ごし、成虫になって初めて外の世界に出て鳴く。落語家も長い修業時代を経て初めて高座に上がり、大きな声で芸を披露することから。
喜代美が好きな古典作品としても登場する『徒然草』(喜代美の高校時代の古典の授業と、喜代美が草原に落語家復帰を説得した際にこの設定が登場)の冒頭部分の「徒然なるままに日暮らし」とヒグラシをかけている。ちなみに草若一家の本名は吉田で『徒然草』の作者である吉田兼好とあわせている。

ちなみに徒然亭の紋は折り紙のセミをアレンジしてデザインされている。また小浜の和田家にある喜代美の部屋には、折り紙で折ったセミ(ヒグラシ)が飾られていた。これは喜代美がいずれ徒然亭に入門することを暗示したスタッフのお遊びだという。

実在の落語家の紋

オープニング映像で、11個の定紋が3段に並んで表示される画面がある。これらはすべて実在の上方噺家が用いている(いた)定紋である。

画面での位置 定紋名 使用する噺家 備考
上段左から一つめ 三つ組橘 立花家千橘 江戸落語の橘家圓蔵一門と同じ
上段左から二つめ ぬの字兎 林家染丸一門 染丸は当ドラマの落語監修
上段左から三つめ 菱三升に花菱 桂春團治 露の都が無断で拝借したエピソードあり
上段左から四つめ 桔梗 露の五郎兵衛一門 立花家千橘を除く
中段左から一つめ 五枚笹 笑福亭松鶴一門
中段左から二つめ 四つの文の字 桂文枝 5代目は2005年死去
中段左から三つめ 月紋 月亭可朝一門 桂米朝門下の一派
下段左から一つめ 四つ花菱 桂春團治一門
下段左から二つめ 森乃福郎一門 笑福亭福松の流れを汲む
下段左から三つめ 結び柏 桂米朝一門桂文枝一門 替え紋
下段左から四つめ 三つ柏 桂米朝一門桂文枝一門

番宣CM

番宣CMはドラマのテーマである落語にちなみ、なぞかけ形式で構成された。その構成は下記の通り。なお話者は和久井映見、松重豊、京本政樹が務め、それぞれに対して3パターンずつ、計9パターン作られた。

  1. 話者が貫地谷しほりに「ちりとてちんとかけまして○○と解く」と言う。
  2. 貫地谷が「その心は?」と聞くと話者が答えを言う。
  3. 貫地谷が「うーん、もういっちょ!」と言うと、話者がもう一問、なぞかけをする。貫地谷が「その心は?」と聞くが、答えを言わずに終了。

NHKの公式サイトでは話者が2問目の答えを言う部分を付け足した完全版が公開されている。

梅丈岳

正太郎の死後、喜代美が独りで出掛けようとする梅丈岳は、福井県三方上中郡若狭町三方郡美浜町の境に位置する標高400メートルの山である。ここの山頂では実際にかわらけ投げができる。ただし、喜代美の実家である小浜市の市街とは直線距離でも16キロ程度離れており、糸子同伴でタクシーを使ったとしても夜中に梅丈岳の頂上へ行くのは実際には無理がある。

小浜線

JR小浜線の線路や小浜駅がロケ地となっている場面がある。もちろんロケは2007年に行われており、線路上に架線が施されている。実は小浜線が電化されたのは2003年であり、電化工事が着工されたのも2000年のことで、喜代美が大阪へ旅立った1992年の時点では、架線は存在していなかった。そのため、電化された小浜線を、気動車に乗って旅立つという、いささか違和感のある映像になっている。もっとも、電化されていても気動車が走っている路線の実例として羽越本線肥薩おれんじ鉄道などがあり、また蒸気機関車が走行するシーンのロケに電化されている大井川鉄道が使用されるのが他のドラマでよく見られるので、それほど気にならない人もあるかもしれない。

三味線演奏

高校の学園祭で催された三味線ライブや、練習のシーンは、すべて出演者たちの実際の演奏によって撮影・収録された。当初はライブについては本人達に演奏させる予定ではなかったのだが、出演者達がスタッフの想定外に上達し、三味線の師匠の勧めもあって、ライブのシーンも本人達の演奏で撮影された。喜代美役の貫地谷しほりにとっては、映画「スウィングガールズ」でトランペットを演奏したのに続く楽器を用いた演技となった。ただし喜代美は、三味線ライブについては中途で挫折している。余談だが、貫地谷、佐藤めぐみ、宮嶋麻衣の三人で一緒に三味線の稽古をしたときに貫地谷だけが上達が遅くなってしまい、劇中同様、清海役の佐藤が喜代美役の貫地谷に対して「なんか困ったことがあったら言ってね」と言う一幕があったという。

ライバルは兄弟弟子

徒然亭草原役の桂吉弥と万葉亭柳眉役の桂よね吉は、実際には桂吉朝門下で兄弟弟子の関係にある上方噺家である。吉朝は3代目桂米朝の弟子で、高度な落語センスと古典芸能の熱心な研究から次代の上方落語の大看板と期待されていたが、2005年に50歳の若さで病死した。

正典と小次郎の関係

兄の和田正典役の松重豊は弟の和田小次郎役の京本政樹よりも4歳ほど年下である。それどころか、過去には京本が父、松重がその義理の息子を演じている。NHK大河ドラマの「毛利元就」がそれで、京本が吉川興経、松重が吉川元春を演じた。松重のブログによれば、今回の兄弟役を指名したのは脚本担当の藤本有紀だったと言う。京本は過去に、藤本が脚本を務めていたNHKのよるドラ「愛と友情のブギウギ」というドラマに出演していた。が、松重は藤本執筆のドラマに出演経験がない。なお京本ははじめに話を聞いた時はヒロインの父親役になると思っていた。「スタジオパークからこんにちは」(2007年12月14日放送分)に松重が出演した際に松重が語ったところによると、今でも京本は父親役に未練があり、父親役ではなくて年下の松重の弟役になることが不満だったそうである。

A子・B子の誕生日は? 

四度目の寝床寄席の日、つまり1993年8月2日の時点で2度目の高座を終えた喜代美、草々との仲を深めつつある清海は二人とも19歳という事がナレーションから分かる。当然ナレーターを努める「今日の喜代美」は2007年末で33~4歳という事になろう。二人とも誕生日は8月2日以降という事になるが、細かな設定は未だされていないようである。尚、語り手を担当している上沼恵美子1955年4月13日生まれであり、放送時点での年齢は52歳である。したがって、語りが行われている時点は放送時より20年ほど後の時代と推測される。

スタッフ

各週のタイトル

  • 第1週 「笑う門には福井来る」(10月1日-6日)
  • 第2週 「身から出た鯖」(10月8日-13日)
  • 第3週 「エビチリも積もれば山となる」(10月15日-20日)
  • 第4週 「小さな鯉のメロディ」(10月22日-27日)
  • 第5週 「兄弟もと暗し」(10月29日-11月3日)
  • 第6週 「蛙の子は帰る」(11月5日-10日)
  • 第7週 「意地の上にも三年」(11月12日-17日)
  • 第8週 「袖振り合うも師匠の縁」(11月19日-24日)
  • 第9週 「ここはどこ?私はだめ?」(11月26日-12月1日)
  • 第10週 「瓢箪から困った」(12月3日-8日)
  • 第11週 「天災は忘れた恋にやって来る」(12月10日-15日)
  • 第12週 「一難去ってまた一男」(12月17日-22日)
  • 第13週 「時は鐘なり」(12月24日-28日)
  • 第14週 「瀬戸際の花嫁」(1月4日-5日)

特別番組

  • ちりとてちんスペシャル
総合テレビで2007年11月3日の15:00~15:49に放送(中国・四国エリア、大分県、沖縄県では別番組を放送 副音声解説なし)。これまでの名場面、メイキング映像、落語再現場面などを放送した。案内役は徒然亭小草若(茂山宗彦)と和田友春(友井雄亮)。喜代美をめぐって言い争いをしながら番組を進行。最後に野口幸助(久ヶ沢徹)が焼き鯖を持って乱入し、二人の喧嘩を仲裁した。なお、名場面集とメイキング映像のナレーションは西堀裕美アナウンサーがつとめた。
なお、同日は「ちりとてちん」デーと題し、「土曜スタジオパーク」に貫地谷しほり(和田喜代美役)と青木崇高(徒然亭草々役)が出演するなど、さまざまな番組に「ちりとてちん」出演者が登場したり、イベントが開かれた。

関連物

ノベライズ

ドラマガイド

  • 『ちりとてちん 連続テレビ小説』(NHKドラマ・ガイド) ISBN 414923549X

CD

関連項目

風林火山の放送初期、本作のヒロイン貫地谷が主人公山本勘助の恋人、ミツを演じていた。その縁からか、総合テレビにて10月から風林火山の終了後の30秒宣伝にちりとてちんのPR(翌日からの放送週の予告ではない)が放送されていた。尚、風林火山の出演者が2007年度の連続テレビ小説に出演したのは貫地谷が初めてではなく、前作どんど晴れあめくみちこ(勘助の母親であるを演じた)が出演している。
小浜第二高校の撮影に使われた中学校。公式サイトでも公開している。
小浜中学校の撮影時にほぼ全生徒、生徒役でエキストラ出演した。

外部リンク


NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
どんど晴れ
(2007年4月2日~2007年9月29日)
ちりとてちん
(2007年10月1日~2008年3月29日)

(2008年3月31日~)
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