探偵物語/すこしだけやさしく
「探偵物語/すこしだけやさしく」 | |||||||
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薬師丸ひろ子 の シングル | |||||||
初出アルバム『探偵物語 オリジナル・サウンドトラック』 『古今集』 | |||||||
A面 |
探偵物語 すこしだけやさしく | ||||||
リリース | |||||||
規格 | 7インチ・レコード | ||||||
ジャンル |
ポップス バラード | ||||||
レーベル |
EASTWORLD / 東芝EMI EP:WTP-17555 | ||||||
作詞 | 松本隆 | ||||||
作曲 | 大瀧詠一 | ||||||
チャート最高順位 | |||||||
薬師丸ひろ子 シングル 年表 | |||||||
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「探偵物語/すこしだけやさしく」(たんていものがたり/すこしだけやさしく)は、薬師丸ひろ子通算2枚目のシングル。1983年5月25日に東芝EMIより発売された。「探偵物語」は、薬師丸自身が出演した同タイトルの角川映画『探偵物語』の主題歌。ジャケット写真は2種類存在している。
背景
[編集]映画『探偵物語』の主題歌と、TBS系TVバラエティ『わくわく動物ランド』のエンディング・テーマ曲が収録された両A面シングル。両曲とも作詞が松本隆、作曲は大瀧詠一によるもの。
当初は、「すこしだけやさしく」が「探偵物語」として同映画の主題歌に、「探偵物語」がカップリング曲「海辺のスケッチ」となる予定だったが、薬師丸が前者の曲調を気に入らなかったため、後者の題名を変更した上で主題歌にした[5][6]。薬師丸が熱心だった「探偵物語」の録音は15テイクにも及び、歌が良くなっていくと作曲者の大瀧も興奮したという[5]。
映画を製作した角川春樹は、南佳孝のファーストアルバム『摩天楼のヒロイン』の歌詞を気に入り、アルバムをプロデュース・作詞した松本に作詞を依頼した[7]。しかし、当時の松本はバイク事故で負傷し、足にギプスをはめた状態で2曲の歌詞を書いた[8]。そのため、歌詞にはまるで日記のように怪我の要素が入っている[8](「探偵物語」には、「身動きもできない」、「昨日からはみ出した」、「すこしだけやさしく」には、怪我と包帯[8])。
また、松本が小学4、5年生の頃、多摩川へ遠足に行った際に、同級生が川底のビンか何かの破片で足を切り、ザックリと切れた傷から大量の出血する出来事があった[9]。松本は川底にガラスの破片があるとは思えなかったこと、先生から「気を付けなさい」と注意されたこと、それらの記憶が「探偵物語」の歌詞に込められている[9]。
レコーディングに使用した東芝EMIの広い第3スタジオでは居場所がなく、薬師丸は部屋の隅に行ってしまった[10]。そんな彼女をリラックスさせようと、大瀧はピアノで発声練習を指導した[8]。
2016年3月、薬師丸は大瀧を追悼する『SONGS』に出演し、再現されたナイアガラ・サウンドをバックに「探偵物語」を歌唱した[11][12]。
音楽雑誌『レコード・コレクターズ』(2014年11月号)の特集「80年代女性アイドル・ソング・ベスト100」で13位になった[13]。大瀧のアルバム『EACH TIME』と同じ演奏陣による本曲を「雨のウェンズデイ」の姉妹曲とも指摘している[13]。
セカンドシングルである本曲で松本と大瀧に出会ったことで、薬師丸は歌うことやアルバム作りの楽しさを知り、「今後も俳優と並行しながら歌手として歌い続けたいと思った」と述べている[14]。さらに、「もし二人に出会っていなかったら、歌手との両立など考えずに、女優だけをしていたかもしれない」とも述べている[14]。
記録
[編集]予約枚数だけで50万枚以上を記録した[15]。
前作の「セーラー服と機関銃」に続いて1位を記録。ソロでのデビューシングルからの2作連続首位は清水健太郎の「失恋レストラン」「帰らない/恋人よ」に続いて史上2人目の快挙である(後に沢尻エリカも達成する)。
オリコン週間ヒット・チャートで7週にわたって連続1位を記録した。これは、1982年にあみんが「待つわ」で、また1983年に中森明菜が「1⁄2の神話」でそれぞれ連続6週1位を獲得して以来の好記録であった。次いで1989年に工藤静香が「黄砂に吹かれて」で6週連続1位を獲得しているが、これ以降女性ソロ・アーティストの6週を超えるシングル・チャート連続1位記録は更新されていない(2008年現在)。オリコンチャートの登場週数は21週、累計84.1万枚のセールスを記録した[1]。
1983年のオリコン年間ヒットチャートでは、第4位にランクインした。前年の1982年には「セーラー服と機関銃」が年間第2位にランクインしたため、2年連続でベスト10入りを果たしたことになる。ほか、TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』では番組出演こそ1回のみ[16]だったが、最高1位(4週連続)を記録し、13週連続でベストテンにランクインした。
収録曲
[編集]- 探偵物語
- 角川映画『探偵物語』主題歌
- すこしだけやさしく
- TBS系列『わくわく動物ランド』エンディング・テーマ
関連作品
[編集]- GOLDEN☆BEST 薬師丸ひろ子 - M-1・2ともに収録、規格品番:TOCT-10875
- TWIN BEST 薬師丸ひろ子 - M-1・2ともに収録、規格品番:TOCT-10240
- Essential Best 薬師丸ひろ子 - M-1・2ともに収録、規格品番:TOCT-26317
- 探偵物語 オリジナル・サウンドトラック - M-1・2ともに収録、規格品番:WTP-90255
- 角川映画・女優ヴォーカル・セレクション - M-1・2ともに収録、規格品番:CPC8-3010
- 青春歌年鑑 1983 BEST30 - M-1収録、年代別ヒット曲オムニバス、規格品番:COCA-70259
- 青春歌年鑑 80年代総集編 - M-1収録、1980年代のヒット曲集、規格品番:MHCL-436
- 風街クロニクル 〜another side of happy end〜 - M-1収録、松本隆作品集、規格品番:MHCL-427/8
- 歌姫 〜センチメンタル女性ヴォーカリスト〜 - M-1収録、70年代・80年代の女性ヴォーカル集、規格品番:MHCL-1477
- ザ・ベストテン 1982〜83 - M-1収録、5社共同企画TV番組『ザ・ベストテン』オムニバス、規格品番:VICL-63297
カバー
[編集]探偵物語
[編集]- 坂本美雨 - 2002年、大瀧詠一トリビュート・アルバム『ナイアガラで恋をして Tribute to EIICHI OHTAKI』に収録。
- 杏里 - 2007年、アルバム『tears of anri』に収録。
- 中納良恵(EGO-WRAPPIN') - 2015年、トリビュートカバーアルバム『風街であひませう』収録[17]。
- 大瀧詠一 - セルフカバー・アルバム『DEBUT AGAIN』(2016年3月21日発売)に収録[18]
- 安藤裕子 - 2018年版のドラマ『探偵物語』の主題歌を担当し、4月8日からデジタル配信[19]。
すこしだけやさしく
[編集]- 矢野顕子・坂本美雨 - 2014年、キリンビバレッジ『キリン やさしさ生茶 カフェインゼロ』のCMでデュエットした。
- 大瀧詠一 - セルフカバー・アルバム『DEBUT AGAIN』(2016年3月21日発売)に収録[18]
脚注
[編集]- ^ a b 『オリコン・シングル・チャートブック(完全版):1968 - 2010』オリコン・エンタテインメント、2012年2月、801頁。ISBN 978-4-87131-088-8。
- ^ 「首位獲得曲の推移 シングル」『オリコン年鑑 2007年版』オリコン・エンタテインメント、2007年3月、560頁。ISBN 978-4-87131-082-6。
- ^ 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.38.
- ^ 山田修爾『ザ・ベストテン』ソニー・マガジンズ、2008年、311頁。ISBN 978-4-78-973372-4。
- ^ a b 田家 2020, p. 75.
- ^ 『大瀧詠一作品集Vol.2』での大瀧の解説より。
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P191
- ^ a b c d 田家 2020, p. 76.
- ^ a b 田家 2020, p. 74.
- ^ 田家 2020, pp. 75–76.
- ^ "NHK「SONGS」大滝詠一特集でナイアガラサウンドを再現". ナターシャ. 7 March 2016. 2017年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月7日閲覧。
- ^ "SONGS 第374回 大滝詠一". NHK. 19 March 2016. 2020年7月4日閲覧。
- ^ a b 除川哲朗「80年代女性アイドル・ソング・ベスト100」『レコード・コレクターズ』2014年(平成26年)11月号、ミュージックマガジン、2014年、42頁。
- ^ a b “【薬師丸ひろ子】薬師丸ひろ子「35年も歌を聴いてもらっていること自体が奇跡です」 映画と音楽をテーマに『シネマソングス』…(6/7ページ)”. 産経ニュース (2016年12月23日). 2016年12月23日閲覧。
- ^ 「“便乗ソング”流行(文化往来)」『日本経済新聞』1983年6月3日付朝刊、28頁。
- ^ 1983年7月7日放送、試写会会場(渋谷東急)からの中継。
- ^ “松本隆トリビュートに細野晴臣、YUKI、マサムネ、小山田壮平ら参加”. 音楽ナタリー (2015年5月4日). 2015年5月26日閲覧。
- ^ a b “大滝詠一が「快盗ルビイ」「風立ちぬ」など提供曲を歌うアルバム3月発売”. 音楽ナタリー (2016年1月8日). 2016年1月8日閲覧。
- ^ “安藤裕子が薬師丸ひろ子のヒット曲をカバー、ドラマ「探偵物語」の主題歌に”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2018年3月23日) 2018年3月23日閲覧。
参考文献
[編集]- 田家秀樹「風街とデラシネ - 作詞家・松本隆の50年 第17章 薬師丸ひろ子との仕事」『熱風 スタジオジブリの好奇心』2020年(令和2年)6月号、スタジオジブリ、2020年6月10日、69 - 81頁。
外部リンク
[編集]- 濱口英樹 (2018年7月4日). “35年前の本日、薬師丸ひろ子「探偵物語/すこしだけやさしく」がオリコンチャート5週連続の1位を獲得”. 大人のMusic Calendar. 2018年7月4日閲覧。 “1983年7月4日、薬師丸ひろ子の2ndシングル「探偵物語/すこしだけやさしく」(両A面扱い)が、オリコンのシングル・ランキングで5週連続の1位を獲得した。デビュー曲「セーラー服と機関銃」の5週連続に並ぶ快挙であり、その後7週まで連続1位記録を伸ばすことになる。”
- 探偵物語 - 歌ネット
- すこしだけやさしく - 歌ネット